JP5107359B2 - 累進屈折力レンズの評価方法および評価装置、並びに累進屈折力レンズの製造方法 - Google Patents

累進屈折力レンズの評価方法および評価装置、並びに累進屈折力レンズの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、累進屈折力レンズの評価方法および評価装置、並びに、累進屈折力レンズの製造方法に関し、特に両面非球面型の累進屈折力レンズに適した評価方法、評価装置及び製造方法に関する。
眼鏡レンズの製造・加工にあたっては、得られた眼鏡レンズの両光学面が仕様通りあるいは設計通りの光学性能や面形状を有しているかどうかを評価する必要がある。このような眼鏡レンズの評価は、主にレンズメータを用いて点単位に光学特性(屈折力)を測定することにより実施され、単焦点レンズならば光学中心、多焦点レンズならば遠用部光学中心や加入屈折力を測定する位置(遠用部頂点屈折力測定点と近用部測定基準点)、累進屈折力レンズならば遠用部測定基準点や加入屈折力を測定する位置(遠用部測定基準点と近用部設計基準点)を測定点として測定するのが一般的である。
なお、各種眼鏡用レンズ(単焦点眼鏡レンズ、多焦点眼鏡レンズ、累進屈折力眼鏡レンズ)の光学特性の測定方法や表示値に対する許容差については、ISOやJIS規格等で定められている。
しかし、眼鏡レンズの装用者は、レンズ上における前述の測定点以外の領域を通しても物を見ている。そのため、前述の測定点だけでなく、広範囲にレンズを評価する方法が求められている。例えば、累進屈折力レンズのように、片面あるいは両面が複雑な面形状を有している場合には、特に広範囲のレンズ評価が重要である。
従来の累進屈折力レンズは、物体側表面(レンズ前面)に「累進面」を配し、眼球側表面(レンズ後面)に「球面」や「乱視面」を配した組み合わせのものがほとんどであった。ところが、近年、両面(レンズ前後面)を非球面で形成し、両面を複合させて累進屈折力を得る両面非球面型累進屈折力レンズも知られている(例えば特許文献1参照)。
また、従来技術としては、実際にレンズ面の3次元形状を測定して、その3次元形状から光学特性を算出して評価する試みが知られている(例えば、特許文献1及び3参照)。また、レンズ上の広範囲の光学特性、例えば屈折度数分布(以下、度数分布とも言う)を測定する方法、装置も知られており(引用文献2参照)、得られた広範囲の度数分布と設計データに基づく度数分布との誤差分布に基づいてレンズの光学特性を評価する試みも知られている(例えば特許文献4参照)。
また、眼鏡用プラスチックレンズ成形に使用されるモールドはガラスからなり、その成形面は、プラスチックレンズに転写される。そのため、モールドの成型面は、眼鏡レンズと同様の高い面精度を有している必要がある。従って、モールドがレンズ形状に成形されている場合には、眼鏡レンズと同様の評価が可能である。
特許文献1:特許第3617004
特許文献2:特開平8−304228
特許文献3:特表平10−507825
特許文献4:特開2000−186978
特許文献5:再公表特許WO2003/098181
しかしながら、特許文献1に記載されているような両面非球面型の累進屈折力レンズにおいては、両面(前面および後面)の形状が設計通りに仕上がっていることはもちろんのこと、前面および後面が正しい位置で組み合わさっている必要がある。この前面および後面の相対的な位置ズレ(上下左右の位置ズレ、回転ズレ、あるいはそれらの組み合わせによるズレ)が生じるとその程度によっては、光学性能に支障をきたすおそれがある。
そこで、本発明は、両面非球面型のレンズの製造過程において、両面の相対的な位置ズレが許容範囲であるか否かを容易に評価する方法を提供することを目的とする。
本発明の累進屈折力レンズの評価方法は、累進屈折力レンズの複数の点の度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定工程と、前記実測度数分布に基づいて作成された比較用度数分布と、予め準備しておいた不良度数分布とを比較し、両者の類似調査を行う類似調査工程と、前記類似調査工程の結果に基づいて前記比較用度数分布と前記不良度数分布が類似しているか否かを判定し、両者が類似していると判定すると、前記累進屈折力レンズを不良と評価する評価工程と、を有することを特徴とする。
本発明の累進屈折力レンズ評価装置は、累進屈折力レンズの複数の測定点の度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定装置と、予め準備された不良度数分布を格納する不良度数分布記憶部と、実測度数分布と不良度数分布を用いて累進屈折力レンズの評価を行う処理部とを有する評価用コンピュータと、を備える。そして、評価用コンピュータの処理部は、実測度数分布に基づいて比較用度数分布を作成する処理と、比較用度数分布と不良度数分布とを比較して両者の類似調査を行う処理と、類似調査の結果に基づいて比較用度数分布と不良度数分布が類似しているか否かを判定し、両者が類似していると判定すると、累進屈折力レンズを不良と評価する処理を行うことを特徴とする。
本発明の累進屈折力レンズの製造方法は、レンズブランクの光学的に仕上げられていない面を光学的に仕上げて累進屈折力レンズを形成するレンズ形成工程と、累進屈折力レンズの前記前面と後面との組み合わせの不具合が許容範囲であるか否かを評価するレンズ評価工程と、を有している。そして、レンズ評価工程では、累進屈折力レンズの複数の点の度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定工程と、実測度数分布に基づいて作成された比較用度数分布と、予め準備しておいた不良度数分布とを比較し、両者の類似調査を行う類似調査工程と、類似調査工程の結果に基づいて比較用度数分布と前記不良度数分布が類似しているか否かを判定し、両者が類似していると判定すると、累進屈折力レンズを不良と評価する評価工程と、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、両面非球面型の累進屈折力レンズにおけるレンズの不良の有無を迅速且つ精度良く評価することができる。また、その原因の特定も容易になる。
本実施形態における眼鏡レンズ評価装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態における度数分布測定装置の概略構成を示す説明図である。 本実施形態における眼鏡レンズ評価装置の動作を示すシーケンス図である。 本実施形態に係る度数分布測定装置から出力される測定データを示す説明図である。 実施例に係る(S,C,Ax)度数分布を、(D1,D2,D3,D4,NT,ST)度数分布に変換する処理についての説明図である。 実施例に係る(S,C,Ax)度数分布から得られた平均度数分布と非点収差分布、および(S,C,Ax)度数分布を、(D1,D2,D3,D4,NT,ST)度数分布に変換した結果を示す説明図である。 前面と後面に相対的な位置ズレが生じている累進屈折レンズの実測度数分布に基づいて作成された誤差分布を示す図である。 前面と後面に相対的な位置ズレが生じていない累進屈折力レンズの実測度数分布に基づいて作成された誤差分布を示す図である。 A〜G 累進屈折力レンズにおける前面と後面との相対的な位置ズレの例を示す説明図である。 累進屈折力レンズにおける誤差分布において、レンズの前面が後面に対して反時計回りにずれた状態のエラーパターンを示す図である。 累進屈折力レンズにおける誤差分布において、レンズの前面が後面に対して時計回りにずれた状態のエラーパターンを示す図である。 累進屈折力レンズにおける誤差分布において、レンズの前面が後面に対して上方向にずれた状態のエラーパターンを示す図である。 累進屈折力レンズにおける誤差分布において、レンズの前面が後面に対して下方向にずれた状態のエラーパターンを示す図である。 累進屈折力レンズにおける誤差分布において、レンズの前面が後面に対して右方向にずれた状態のエラーパターンを示す図である。 累進屈折力レンズにおける誤差分布において、レンズの前面が後面に対して左方向にずれた状態のエラーパターンを示す図である。 本実施形態における眼鏡レンズ製造方法を示すフローチャートである。
発明者は、両面非球面型累進屈折力レンズの透過度数分布(以下、「実測度数分布」と言う)と設計予定だった理想の度数分布(以下、「計算度数分布」と言う)との差(以下、「誤差分布」と言う)が形成するパターンに注目した。そして、両面非球面型累進屈折力レンズにおいて、両面の位置を意図的に相対的にずらしたレンズを多数作成し、その誤差分布を観察したところ、そのずれの種類によって特有のエラーパターンを有するという知見を得た。
この知見を基に、以下、本発明を実施するための最良の形態を説明するが、この実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能である。
[眼鏡レンズ評価装置]
まず、本実施形態に係る眼鏡レンズ評価装置について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る眼鏡レンズ評価装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例の眼鏡レンズ評価装置10は、度数分布測定装置1と、データサーバ2と、評価用コンピュータ3と、入力手段4と、出力手段5と、レンズメータ6とを有している。レンズメータ6は、眼鏡レンズ(被検レンズ)の屈折力をスポット的に測定する。
度数分布測定装置1は、被検レンズの度数分布を測定する装置である。ここで、度数分布測定装置1の概略構成について、図2を参照して説明する。図2は、度数分布測定装置1の概略構成を示す説明図である。
度数分布測定装置1は、被検レンズ100の多数の点について、球面度数S、乱視度数C、乱視軸Axが測定できるものであればよく、従来の測定装置を利用することができる。度数分布測定装置の一例を図2に示す。この度数分布測定装置1は、光源装置11と、ビームスプリッタ12と、スクリーン13と、CCDカメラ14と、計算装置15とからなる。光源装置11は、被検レンズ100に平行光を照射する。ビームスプリッタ12は、被検レンズ100を挟んで光源装置11の反対側に配置されており、複数の光透過孔(図示せず)を有している。
スクリーン13は、ビームスプリッタ12の被検レンズ100に対向する面の反対側の面に対向されている。このスクリーン13には、ビームスプリッタ12を透過した光が到達する。CCDカメラ14は、スクリーン13に表示された映像を取り込む。計算装置15は、CCDカメラ14によって取り込まれた映像から被検レンズ100を透過した光の経路を測定し、被検レンズ100の光学特性を計算する。この計算装置15は、図1に示される評価用コンピュータ3と兼用してもよい。
光源装置11から被検レンズ100に平行光を照射すると、被検レンズ100から光が出射される。被検レンズ100から出射された光は、ビームスプリッタ12を透過し、スクリーン13に投影される。計算装置15は、スクリーン13に投影される光(映像)から被検レンズ100を透過後の光の経路を測定し、被検レンズ100の光学特性を算出する。
再び、図1に示す度数分布測定装置1についての説明に戻る。データサーバ2は、データ記憶手段を有するコンピュータであり、評価用コンピュータ3とネットワークを介して接続されている。なお、度数分布測定装置1とデータサーバ2は、通信ケーブルなどの通信媒体で直接接続してもよい。データサーバ2は、被検レンズ100の評価に必要なデータと評価結果とを記憶する記憶部20を有する。
記憶部20は、設計データ記憶部21と、受注データ記憶部22と、測定結果記憶部23と、合否判定結果記憶部24を有する。設計データ記憶部21は、被検レンズ100の設計データをあらかじめ記憶し、受注データ記憶部22は、受注データをあらかじめ記憶する。測定結果記憶部23は、度数分布測定装置1やレンズメータ6で得られた各種測定結果や演算結果などの測定結果データを記憶する。合否判定結果記憶部24は、評価用コンピュータ3によって判定されたレンズの合否結果を表す合否結果データを記憶する。
データサーバ2は、工場のメインサーバ7とネットワークで接続されている。なお、メインサーバ7とデータサーバ2は、通信ケーブルなどの通信媒体で直接接続してもよい。メインサーバ7は、通信媒体8を介して眼鏡店9の注文用端末91に接続されている。本実施形態では、レンズの製造元であるレンズメーカの工場が、レンズの発注元である眼鏡店等の顧客からオンラインで受注する場合の例で説明する。通信媒体8としては特に限定されるものではなく、例えば、公衆通信回線、専用回線、インターネット等を利用することができる。
眼鏡店9には、上述した注文用端末91と、フレーム形状測定装置92が設置されている。フレーム形状測定装置92は、眼鏡フレームの枠形状を測定する装置である。注文用端末91は、眼鏡レンズを注文するために必要な各種情報をレンズメーカの工場へ送信するための端末コンピュータである。注文用端末91から工場のメインサーバ7に注文データが送られると、メインサーバ7上に登録されている受注処理プログラムにより受注処理が実行され、受注データが作成される。作成された受注データは、データサーバ2の受注データ記憶部22に記憶される。
受注データとしては、レンズに関する情報、眼鏡フレームに関する情報、処方値、レイアウト情報などがある。レンズに関する情報としては、レンズの種類に関する情報(例えば、レンズ材質、屈折率、レンズ表裏面の光学設計など)やレンズ加工指示に関する情報(例えば、レンズ厚さ、コバ厚、偏心、縁面の仕上げ方法、フレーム取付部の加工種類や方法、染色、コーティングなど)がある。
また、前記眼鏡フレームの情報としては、フレームサイズ、フレームの素材、色、玉形形状等がある。ここで、玉形形状とは、フレーム形状測定装置92により測定されたレンズ枠の形状を表すデータ、リムレスフレームや溝掘りフレームのように予め設定されている玉形形状を表すデータなどを指している。また、処方値としては、球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸、プリズム、加入屈折力などがある。レイアウト情報としては、瞳孔間距離、左右片眼瞳孔間距離、近用瞳孔間距離、セグメント小玉位置、アイポイント位置などが有る。
工場のメインサーバ7には、レンズの形状を設計するためのレンズ設計プログラムが備えられている。メインサーバ7は、レンズ設計プログラムを実行し、上述した受注データと、記憶部20に予め記憶されている設計に必要なデータ(光学面形状、玉形形状など)に基づいた所望のレンズ形状(レンズ前面形状データ、レンズ後面形状データ、レンズ前面と後面の配置に関するデータ、周縁形状データ等)を計算する。計算されたレンズ形状は、設計データとしてデータサーバ2の設計データ記憶部21に記憶される。
つまり、被検レンズ100の設計値は、設計データと受注データを基に決定されている。そして、設計データには、被検レンズ100の前面(装用眼から遠い方のレンズ表面)と後面(装用眼から近い方のレンズ表面)の3次元形状データと、レンズ中心厚やプリズム値などのレンズ前面と後面の間隔や配置に関するデータと、被検レンズ100の屈折率やアッベ数(ある光学材料の色収差に対する補正を見積もるための数)などの材質パラメータとが含まれる。なお、3次元形状データは、スプライン関数により関数化されていることが好ましい。
また、工場のメインサーバ7には、レンズの加工データを作成するための加工データ作成プログラムも備えられている。メインサーバ7は、加工データ作成プログラムを実行し、前述した受注データや設計データに基づいて、レンズ製造過程(例えばブロック工程、切削工程、研磨工程、染色工程、表面処理工程、玉形加工工程など)における各種加工条件が設定された加工データを作成する。作成された加工データは、データサーバ2の記憶部20に記憶される。そして、受注データ、設計データ、加工データに基づいて、アンカットレンズ(玉形加工前のフィニッシュトレンズ)が製造され、必要により染色、表面処理、玉形加工等が行なわれて、発注元に納品される。
評価用コンピュータ3は、データサーバ2の記憶部20に記憶されているデータと度数分布測定装置1により測定されたデータとから設計値に対する被検レンズの評価を行う。この評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1、レンズメータ6、入力手段4及び出力手段5に接続されると共に、ネットワークを介してデータサーバ2に接続されている。
評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1、レンズメータ6、データサーバ2、入力手段4及び出力手段5とのインタフェース(図示せず)と、処理部31と、記憶部32を有している。
処理部31は、度数分布変換処理311、計算度数分布算出処理312、誤差分布算出処理313、相関性チェック処理314、合否判定処理315などを行う。度数分布変換処理311は、度数分布測定装置1によって測定された度数分布(球面度数S,乱視度数C,乱視軸Ax)を表す点群からなる分布)を8つの分布へ変換する処理である。度数分布算出処理312は、設計上の度数分布を算出する処理である。この設計上の度数分布(計算度数分布)とは、累進屈折力レンズが設計どおりに製造された場合の度数分布のことである。
誤差分布算出処理313は、度数分布測定装置1によって測定された度数分布(実測度数分布)と設計上の度数分布(計算設計度数分布)との誤差分布を算出する処理である。相関性チェック処理314は、誤差分布算出処理313において算出された誤差分布と予め用意されたエラーパターンとの相関性をチェックする処理である。合否判定処理315は、相関性チェック処理314においてチェックされた相関性に基づいてレンズの合否を判定する処理である。
記憶部32は、合否判定条基準記憶部321と、エラーパターン記憶部322を有している。合否判定条基準記憶部321には、合否判定処理315において用いられる合否判定基準データが記憶されている。また、エラーパターン記憶部322には、相関性チェック処理において用いられるエラーパターンが記憶されている。
入力手段4は、測定する被検レンズを識別するためのデータを評価用コンピュータ3に入力するために用いられる。この入力手段4としては、例えば、バーコードリーダ、2次元コードリーダ、キーボード、他の装置から送られてきた識別データを受信する手段などを挙げることができる。また、入力手段4によって入力されるデータとしては、後述する識別データなどを挙げることができる。
出力手段5は、設計レンズの度数分布(計算設計度数分布)、度数分布測定装置1で測定された被検レンズ100の度数分布(実測度数分布)、設計レンズに対する被検レンズ100の誤差分布、この誤差分布を基にした合否判定結果等を表示またはデータ出力する。この出力手段5としては、例えば、ディスプレイ装置やプリンタ、他の装置へ結果をデータとして出力する手段などが挙げられる。
[眼鏡レンズ評価装置の動作]
次に、眼鏡レンズ評価装置について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明に係る眼鏡レンズ評価装置の動作を示すシーケンス図である。
本実施形態は、両面が非球面からなり、両面が複合することにより、累進屈折力レンズとして機能する両面非球面型累進屈折力レンズを評価する場合について説明する。なお、以下、眼鏡レンズにおける右レンズについて述べる。
1.前工程(ステップS1)
はじめに、両面が光学的に仕上げられた被検レンズとして、プラスチックレンズを得る前工程を行う(ステップS1)。つまり、前工程では、上述した受注データ、設計データ、加工データに基づいて、アンカットレンズ(玉形加工前のフィニッシュトレンズ)が製造される。
このアンカットレンズの作成方法は、従来の技術を用いることができるため、詳細な説明は省略するが、例えば、注型重合成形や射出成形により両光学面が仕上げられた状態のアンカットレンズを成形してもよい。また、一方の面または両面が光学的に仕上げられていないレンズブランクやセミフィニッシュトレンズブランクを用いて、その仕上げられていない面を光学的に仕上げてアンカットレンズを得てもよい。その場合、レンズブランクやセミフィニッシュトレンズブランクの光学的に仕上げられていない面を、カーブジェネレータ(CG)等の切削装置で切削する。その後、切削された面を研磨装置によって研磨することにより、両光学面が仕上げられたアンカットレンズが形成される。
2.第1レンズ評価工程(ステップS2〜S4)
次に、前工程において得られたアンカットレンズ(被検レンズ100)に対して第1のレンズ評価を行う。
第1レンズ評価工程は、被検レンズ100の光学特性をスポット的に測定して評価する工程であり、特定の測定位置(以下、第1評価測定点と呼ぶ)における屈折度数の実測値と設計値とを比較して合否を判定する。以下、単に屈折度数(あるいは度数)と言った場合には、球面度数S、乱視度数C、および、乱視軸Axによって特徴付けられた光学特性を表すものとする。
第1評価測定点としては、1点あるいは複数の点を設定することができる。この第1評価測定点は、任意に設定することもできるが、レンズの屈折度数の表示値を検査する位置が含まれているとより好ましい。
屈折度数の表示値を検査する位置としては、例えば、単焦点眼鏡レンズであれば、レンズの屈折力(後面頂点屈折力)を測定する位置(光学中心)である。また、多焦点眼鏡レンズであれば、遠用部屈折力(後面頂点屈折力)を測定する位置(遠用部測定基準点)や加入屈折力を測定する位置(遠用部頂点屈折力測定点、近用部測定基準点)である。また、累進屈折力レンズであれば、遠用部屈折力(後面頂点屈折力)を測定する位置(遠用部測定基準点)や加入屈折力を測定する位置(遠用部測定基準点、近用部設計基準点)である。
第1レンズ評価工程では、まず、レンズメータ6(図1を参照)を用いて第1評価測定点における屈折度数を測定する(ステップS2)。この測定結果は、評価用コンピュータ3に送信される。なお、第1評価測定点を広範囲に多数設定する場合には、例えば、特許文献5に記載のような一度に多数の点の屈折度数を測定できる装置を用いて各点の屈折度数を測定してもよい。
次に、評価用コンピュータ3は、レンズメータ6から供給された測定結果が許容範囲条件内であるかどうかを判断し合否を判定する(ステップS3)。
ここで、評価用コンピュータ3が許容範囲条件を取得する手順を説明する。
まず、被検レンズ100に添付されたそのレンズを特定する識別データを入力手段(例えばバーコードリーダやICチップリーダ)4により読み取る。この識別データは、例えば、指示書に印刷されたバーコード等の情報やICチップに記憶された情報である。入力手段4は、読み取った識別データを評価用コンピュータ3に送る。
評価用コンピュータ3は、入力手段4で読み取られた識別データを、ネットワークを介してデータサーバ2に送り、識別データに対応する被検レンズ100の設計データと受注データを問い合わせる。データサーバ2は、評価用コンピュータ3から識別データを受信すると、この識別データに対応する被検レンズ100の設計データと受注データを設計データ記憶部21および受注データ記憶部22から取り出して評価用コンピュータ3に送信する。設計データには、被検レンズの第1評価測定点における設計上の表示値(屈折度数等)およびその許容範囲条件の情報が含まれている。その結果、評価用コンピュータ3は、許容範囲条件を取得することができる。
ステップS3の処理において、レンズメータ6による測定結果が許容範囲条件外であると判断したとき、評価用コンピュータ3は、被検レンズ100に対する第1のレンズ評価の結果が不合格であると判定し、レンズの評価を終了する(ステップS4)。不合格となった被検レンズ100は、作り直されたり、資源として再利用されたりする。
一方、ステップS3の処理において、レンズメータ6による測定結果が許容範囲条件内であると判断したとき、評価用コンピュータ3は、被検レンズ100に対する第1のレンズ評価の結果が合格であると判定し、次の工程(ステップS5)に処理を移行する。
3.第2レンズ評価工程(ステップS5〜S15)
第1レンズ評価工程で合格と判定された被検レンズ100に対しては、次に第2のレンズ評価が行われる。
第2レンズ評価工程は、被検レンズ100の実測度数分布を測定する度数分布測定工程と、実測度数分布に基づいて作成された比較用度数分布と、予め準備しておいた不良度数分布とを比較して両者の類似調査を行う類似調査工程と、この類似調査工程の結果に基づいて両者が類似しているか否かを判定し、類似している場合に、被検レンズ100を不良と評価する評価工程を有している。
第2レンズ評価工程では、まず、被検レンズ100の実測度数分布を測定し(ステップS5)、その実測度数分布から処方度数を除去する(ステップS6)。ここで、処方度数とは、製造された眼鏡(本例では、累進屈折力レンズを用いた眼鏡)を装用する装用者の視力に応じて処方される度数である。なお、多焦点眼鏡レンズや累進屈折力レンズを評価する場合の前記除去に用いる処方度数は、遠用部の処方度数を用いている。
次に、処方度数が除去された実測度数分布を連続性のある度数分布に変換する(ステップS7)。そして、評価用コンピュータ3が、実測度数分布から変換された連続性のある度数分布と、設計上の度数分布であって処方度数が除去された計算度数分布から変換された連続性のある度数分布との誤差分布(比較用度数分布)を算出する(ステップS12)。
次に、誤差分布(比較用度数分布)とエラーパターン(不良度数分布)との相関性をチェックする(ステップS13)。続いて、ステップ13の処理で行われた相関性のチェックに基づいて合否判定を行う(ステップS14)。そして、ステップS14の処理で不合格と判定した場合には、レンズの評価を終了し(ステップS15)、合格と判定した場合には、次工程に処理を移行する(ステップS16)。
以下、第2レンズ評価工程の各処理について詳細に説明する。
(1)度数分布測定工程(ステップS5)
度数分布測定工程では、度数分布測定装置1によって広範囲における多数の測定点(以下、「第2評価測定点」と呼ぶ)について屈折度数を測定し、その測定結果から被検レンズ100の屈折度数分布を得る。なお、本実施形態において、屈折度数分布(あるいは度数分布)とは、球面度数S、乱視度数C、乱視軸Axで特徴付けられる点の分布とする。また、第2評価測定点の屈折度数を測定する測定装置としては、度数分布測定装置1に限定されるものではなく、広範囲にわたって多数の測定点の屈折度数を測定できる装置であればよい。
ここで、度数分布測定装置1を用いて度数分布を作成する場合について、図4を参照して説明する。
図4は、度数分布測定装置1から出力される測定データを説明するための説明図である。
まず、測定対象の被検レンズ100を度数分布測定装置1にセットし、測定開始の操作をする。測定開始の操作が行われると、光源装置11から平行光が出射され、その光が被検レンズ100を通過してビームスプリッタ12により複数の光線に分離される。これにより、スクリーン13上には、ビームスプリッタ12の複数の光透過孔に対応した複数の光スポットが投影される。
度数分布測定装置1は、基準座標RefX,RefYと、座標X,Yと、偏差DX,DYと、屈折度数とを測定データとして得る。
基準座標RefX,RefYは、被検レンズ100がセットされていない状態におけるスクリーン13上の光スポット(以下、校正スポットと呼ぶ)の位置を示す。座標X,Yは、光源装置11の光が被検レンズ100のビームスプリッタ12側の面から出射するときの位置(以下、測定点と呼ぶ)を示す。
偏差DX,DYは、被検レンズ100がセットされた状態におけるスクリーン13上の光スポット(以下、測定スポットと呼ぶ)の位置と、これに対応する校正スポット(測定スポットと同一の光透過孔を通過した校正スポット)の位置との偏差である。屈折度数は、被検レンズ100を通過した光の光路を基に算出される。
基準座標RefX,RefYと、測定点座標X,Yと、偏差DX,DYと、屈折度数は、個々のスポットごとに対応付けて出力される。そのため、被検レンズ100の各測定点座標X,Yにおける屈折度数、すなわち被検レンズ100の屈折度数分布(球面度数S,乱視度数C,乱視軸Ax)が得られる。得られた被検レンズ100の屈折度数分布は、実測度数分布として評価用コンピュータ3に送信される。
(2)実測度数分布から処方度数を除いた度数分布の作成工程(ステップS6)
評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1より受信した被検レンズ100の実測度数分布(S,C,Ax)から処方度数を全体に亘って除去し、基準実測度数分布(S’,C’,Ax’)を作成する。
このように、屈折度数分布から処方度数(遠用部の処方度数)を除去して基準実測度数分布を作成する理由を説明する。処方度数分の屈折度数はレンズにとって広範囲にわたって必要な屈折度数である。したがって、この処方度数を除去した後に残存した屈折度数だけを評価の対象にした方がより適切にレンズを評価できるからである。なお、「屈折度数分布から処方度数を除去する」とは、そのレンズの全領域において処方された遠用度数(S,C,Ax)がなくなるように度数分布を補正することを意味するこことする。
(3)実測度数分布を連続性のある度数分布に変換する工程(ステップS7)
次に、ステップS6の処理で得られた基準実測度数分布を基に、平均度数分布、非点収差分布および連続性のある実測度数分布を作成する工程について、図5および図6を参照して説明する。
図5は、基準実測度数分布(S’,C’,Ax’) を、(D1,D2,D3,D4,NT,ST)度数分布に変換する処理を説明する説明図である。図6は、基準実測度数分布(S’,C’,Ax’)に基づいて得た平均度数分布、非点収差分布、(D1,D2,D3,D4,NT,ST)度数分布を示す説明図である。
図5に示すように、基準実測度数分布(S’,C’,Ax’)は、各第2評価測定点70に対して、球面度数S、乱視度数C、乱視軸Axで特徴付けられる点群からなる。このような基準実測度数分布を基に平均度数分布と非点収差分布を作成する。
平均度数分布は、各第2評価測定点70の球面度数Sと、乱視度数Cの2分の1の値との和によって算出される値(S’+C’/2)の分布である。また。非点収差分布は、各第2評価測定点70の乱視度数Cの絶対値(|C’|)の分布である。
非点収差分布には、不連続な領域が存在するため、微分を取ることができない。(なお、不連続な領域は図6に示す縦軸と略一致する線上に存在しやすい)
平均度数分布は、各第2評価測定点70について全方向における度数を平均した値(度数)の分布であり、多くの情報が混ざった度数の分布となるため、高精度な度数分布の評価を行えない。また、非点収差分布および平均度数分布には、各第2評価測定点70の乱視軸Axの情報が含まれていないため高精度な度数分布の評価を行えない。そこで、ステップS7の処理では、非点収差分布および平均度数分布の他に、連続性があり、且つ、乱視軸Axの情報が反映された屈折度数分布を作成する。
このような屈折度数分布は、基準実測度数分布を、各第2評価測定点70における任意方向の度数を表す度数分布に変換することで作成できる。このようにして作成された屈折度数分布は、各第2評価測定点70の屈折力の方向が統一されるため、連続性を有しかつ乱視軸Axの情報が反映されたものになる。なお、上記任意方向は、適宜設定可能であるが、等角度の複数方向を設定することが好ましい。なぜなら、基準実測度数分布を等角度の複数方向に基づいて変換することにより、各第2評価測定点70における度数を詳細に把握することができるためである。
また、図5に示すように、任意方向は、水平方向を0度として、反時計回りを正とするとき、0度(D1方向)、45度(D2方向)、90度(D3方向)、135度(D4方向)の4方向に設定することが好ましい。このように、任意方向をD1〜D4の4方向に設定すると、少ない方向の度数分布(4種類)で被検レンズを適切に評価できる。すなわち、眼鏡レンズを評価する上で重要な水平方向と垂直方向の度数分布を有し、かつ、その中間の方向の度数分布も有するからである。また、このD1〜D4の度数分布があればレンズ上の任意の場所と方向の度数を計算で求めることができる。なお、任意方向は、上述した4方向に限定されるものではなく、互いに垂直に交差する複数の方向でもよい。
以下、各第2評価測定点70におけるD1方向の屈折力(度数)をD1、その分布をD1分布と記す。また、各第2評価測定点70におけるD2方向の屈折力をD2、その分布をD2分布と記す。また、各第2評価測定点70におけるD3方向の屈折力をD3、その分布をD3分布と記す。また、各第2評価測定点70におけるD4方向の屈折力をD4、その分布をD4分布と記す。
非点収差分布は、乱視度数Cに焦点を置いた分布であるが、上述したように、連続性を有さず、乱視軸Axに関する情報が含まれない。そこで、本実施形態では、非点収差分布に近い分布として、垂直に交わる2方向の屈折力(度数)の差を表す分布を用いる。このような分布は、非点収差分布に近い分布でありながら、連続性があり、且つ、乱視軸Axが反映されたものとなる。
任意方向をD1〜D4方向に設定した場合は、垂直に交わる2方向の屈折力(度数)の差を表す分布が2つになる。一方の分布は、D1(0度)方向の度数分布とD3(90度)方向の度数分布との差(NT=D1−D3)を表す分布(以下「NT分布」と記す)である。他方の分布は、D2(45度)方向の度数分布とD4(135度)方向の度数分布との差(ST=D2−D4)を表す分布(以下「ST分布」と記す)である。
各第2評価測定点70において、(S’,C’,Ax’)の組と(D1,D2,D3,D4)の組は、一対一に対応しており、所定の計算式を用いることで(D1,D2,D3,D4)からNTとSTが算出される。すなわち、(S’,C’,Ax’)の組と(D1,D2,D3,D4,NT,ST)の組は一対一に対応している。また、乱視軸Axの情報を反映するD1、D2、D3、D4、NT、STの6つの分布を用いることにより、被検レンズ100の光学特性(度数分布)を効果的に評価することができる。
(4)設計上の度数分布を作成する工程(ステップS8,S9)
第1レンズ評価工程のステップS3の処理において、合格と判定された被検レンズ100については、ステップS5〜S7の処理とは別に、その被検レンズ100の設計上の屈折度数分布(計算度数分布)を作成する。
ステップS3の処理において、被検レンズ100に対する第1のレンズ評価の結果が合格であると判定されると、評価用コンピュータ3の処理部31は、データサーバ2から被検レンズ100の設計データと受注データを取得する(ステップS8)。
次に、評価用コンピュータ3の処理部31は、被検レンズ100の設計データと受注データに基づいて、そのレンズの3次元形状モデルを作成する。そして、作成した3次元形状モデルとレンズの屈折率に基づいて、広範囲の点(以下、「計算度数算出点」と呼ぶ)における屈折度数を計算し、その度数分布(S,C,Ax)を算出する(ステップS9)。なお、計算度数算出点は、第2評価測定点70と対応する位置に設定することがより好ましい。
(5)計算度数分布から処方度数を除いた度数分布の作成工程(ステップS10)
評価用コンピュータ3の処理部31は、ステップS9の処理で得られた計算度数分布(S,C,Ax)から処方度数を全体に亘って除去し、基準計算度数分布(S’,C’,Ax’)を作成する(ステップS10)。
(6)計算度数分布の連続性のある度数分布に変換する工程(ステップS11)
評価用コンピュータ3の処理部31は、ステップS10の処理で得られた基準計算度数分布(S’,C’,Ax’)を基に、設計上の平均度数分布、設計上の非点収差分布および連続性のある計算度数分布を作成する(ステップS11)。
連続性のある計算度数分布の作成は、前述した連続性のある実測度数分布の作成と同様に行われる。つまり、各計算度数算出点についてD1方向、D2方向、D3方向、D4方向の屈折力(D1、D2、D3、D4)を算出し、設計上のD1分布、D2分布、D3分布、D4分布を作成する。そして、D1、D2、D3、D4を基にNT、STを算出し、NT分布、ST分布を作成する。これら設計上のD1分布、D2分布、D3分布、D4分布、NT分布、ST分布は、連続性があり、且つ、乱視軸Axが反映された分布である。
(7)誤差分布作成工程(ステップS12)
評価用コンピュータ3の処理部31は、ステップS7の処理で得た実測上の平均度数分布、非点収差分布、D1〜D4分布、NT分布、ST分布と、ステップS11の処理で得た計算上の平均度数分布、非点収差分布、D1〜D4分布、NT分布、ST分布に基づいてそれぞれの誤差分布(比較用度数分布)を作成する。具体的には、第2評価測定点70における各度数と、第2評価測定点70に対応する計算度数算出点における各度数との差(誤差)を算出し、それぞれの誤差分布を作成する。
平均度数分布の誤差Δ|C|は、
Δ|C|=|C’|−|C’|により算出される。
平均度数分布の誤差Δ(S+C/2)は、
Δ(S+C/2)=(S’+C’/2)−(S’+C’/2)により算出される。
D1分布の誤差ΔD1は、
ΔD1=D1−D1により算出される。
D2分布の誤差ΔD2は、
ΔD2=D2−D2により算出される。
D3分布の誤差ΔD3は、
ΔD3=D3−D3により算出される。
D4分布の誤差ΔD4は、
ΔD4=D4−D4により算出される。
NT分布の誤差ΔNTは、
ΔNT=NT−NTにより算出される。
ST分布の誤差ΔSTは、
ΔST=ST−STにより算出される。
図7および図8は、誤差分布作成工程で得られた8つの誤差分布の例を示すものである。図7は、前面と後面に相対的な位置ズレが生じている被検レンズ100の実測度数分布に基づいて作成された誤差分布を示す図である。図8は、前面と後面に相対的な位置ズレが生じていない、つまり、正常な被検レンズ100の実測度数分布に基づいて作成された誤差分布を示す図である。
(8)誤差分布とエラーパターンとの相関性チェック工程(ステップS13)
まず、相関性チェック工程(類似調査工程)で用いるエラーパターン(不良度数分布)について、図9〜図13を参照して説明する。
不良度数分布とは、被検レンズ100の前面(装用眼から遠い方のレンズ表面。通常は凸面)と後面(装用眼から近い方のレンズ表面。通常は凹面)が相対的にずれた状態に対応する度数分布である。
まず、被検レンズ100の前面と後面との相対的なズレについて、図9を参照して説明する。図9は、被検レンズ100の前面と後面との相対的なズレの例を示す説明図である。
図9Aに示すように、被検レンズ100の前面101aと後面101bとの相対的なズレとは、被検レンズ100を後面101b側(図9Aに示すX方向)から見た場合の前面101aに対する後面101bのズレである。つまり、前面101aの仮想線L1と後面101bの仮想線L2が一致している場合は、前面101aと後面101bとの間にズレが生じていない状態となる。
前面101aと後面101bとの相対的なズレは、主に、回転方向のズレと、上下方向のズレと、左右方向のズレがある。回転方向のズレは、後面101bが前面101aに対して時計回りの方向にずれた時計回りズレ状態(図9Bを参照)と、後面101bが前面101aに対して反時計回りの方向にずれた反時計回りズレ状態(図9Cを参照)がある。
上下方向のズレは、後面101bが前面101aに対して上方向にずれた上ズレ状態(図9Dを参照)と、後面101bが前面101aに対して下方向にずれた下ズレ状態(図9Eを参照)がある。また、左右方向のズレは、後面101bが前面101aに対して右方向にずれた右ズレ状態(図9Fを参照)と、後面101bが前面101aに対して左方向にずれた左ズレ状態(図9Gを参照)がある。
なお、上記ずれ状態が複合したずれ状態もある
次に、不良度数分布(エラーパターン)について説明する。
不良度数分布を得るには、まず、エラーパターン用のレンズとして、処方度数、設計パターン、中心肉厚、屈折率、プリズム等の条件を設定し、その条件にしたがってレンズ前面と後面との間にズレが生じていない場合のレンズを設計する。そして、レンズの設計上の計算度数分布を作成する。
一方、同じ条件にしたがってレンズの前面と後面との間に上述したような各ズレ状態が生じた場合のレンズもそれぞれ設計し、それらレンズの設計上の計算度数分布も作成する。
次に、各ずれ状態の計算度数分布とずれが生じていない状態の計算度数分布から前記エラーパターン用レンズの処方度数をそれぞれ除去する。なお、例えば、このエラーパターン用のレンズの処方度数を球面度数0.00D、加入屈折力2.00Dのように設定した場合、除去に用いる遠用部処方度数は、0.00Dなので、この除去の計算は省略してもよい。
そして、処方度数が除去された各ズレ状態の計算度数分布と処方度数が除去されたズレが生じていない状態の計算度数分布との差分分布(誤差分布)を計算することにより、不良度数分布が作成される。つまり、不良度数分布は、各ズレ状態の計算度数分布とズレが生じていない状態の計算度数分布の誤差分布である。この不良度数分布は、非点収差誤差分布、平均度数誤差分布、D1誤差分布、D2誤差分布、D3誤差分布、D4誤差分布、NT誤差分布、ST誤差分布の計8つについて予め作成しておく。
不良度数分布は、不良要因に応じて特有の分布パターンを有する。この不良要因には、例えば、上述したような、レンズ表裏面の回転ずれ、縦ずれや横ずれに代表される位置ズレが挙げられる。このような位置ズレは、レンズの光学面を加工する際のレンズ保持具の取付け位置のズレや、加工やレンズ保持具の位置決めの目安とするレンズ上に設けられたマークの位置ズレ、切削・研磨中のレンズ保持具の位置ズレなどに起因している。
ところで、眼鏡レンズは、装用者の処方度数、すなわち球面度数S、乱視度数C、乱視軸Axに応じて加工される。そのため、処方度数の球面度数S、乱視度数C、乱視軸Axの組み合わせは複数存在し、レンズの設計の種類を考慮すると、その組み合わせは無限にあると言える。レンズの光学特性をより正確に評価するならば、オーダーされた処方度数とレンズの設計タイプごとに、上記エラーパターンを作成し、そのエラーパターンと実測度数分布に基づいて得た誤差分布との相関性をチェックした方がよい。
しかし、一つのエラーパターンを作成するには、時間を要するので、測定されるレンズごとに、想定される全ての組み合わせ不具合(前面と後面の各ズレ状態)について逐一エラーパターンを作成し、評価するのは効率的とは言えない。エラーパターンが複数存在する場合は、特に時間を要すると考えられる。
様々な調査を行った結果、特許文献1に記載された構造を持つ両面複合累進屈折力レンズにおいて、前面と後面が相対的にずれている場合に観測される特徴的な誤差分布(エラーパターン)は、処方度数、設計タイプに大きく依存しないことがわかった。つまり、前面と後面の相対的なズレの種類が同じであれば、観測される誤差分布(エラーパターン)は、略同様の特徴を有することがわかった。したがって、全ての処方度数、設計タイプごとにエラーパターンを作成する必要はなく、代表的な処方度数、設計タイプについて、想定される組み合わせ不具合(前面と後面の各ズレ状態)のエラーパターンを予め用意しておけばよいことになる。
また、累進屈折力レンズには加入屈折力(加入度数ともいう)があり、当然、加入屈折力の違いはエラーパターンに影響を与える要素となるが、その違いはエラーパターンの8つの分布(集合)における各分布の分散値(各分布のバラツキ)に影響を与えるだけである。一方、相関性は、このような分散値の大きさの影響を受けない。例えば、後述する相関係数の式を見てみると、相関係数は2つの集合の共分散を各々の集合の標準偏差(=分散の平方根)で割るようになっているので、分散の大小は相関性の大きさに影響を与えないことは明らかである。したがって、加入屈折力についても個別にエラーパターンを用意する必要はなく、代表的な値に対してのみエラーパターンを用意すればよいことになる。
さらに、前面と後面の位置ズレ、回転ズレの程度(量)もエラーパターンに影響を与える要素となる。しかしながら、これについても様々な調査を行った結果、ズレの程度がある範囲に収まっているならば、位置ズレ、回転ズレの程度の違いは、エラーパターンの8つの分布における各分布の分散値に影響を与えるだけであることがわかった。前述したある範囲とは、位置ズレならば、縦ズレ、横ズレともに±5mm、回転ズレならば、時計回り、反時計回り10度程度であると概ね考えられる。したがって、位置ズレ、回転ズレのエラーパターンを用意する際にも、全てのズレ量を想定する必要はなく、上記範囲内における代表的な値を用いるだけでよいことになる。
上述したような特徴を考慮すると、一つの組み合わせ不具合を想定したエラーパターンを作成する場合は、全ての条件を考慮する必要はなく、代表的な度数、代表的な設計タイプ、代表的なズレ量を考慮すればよいことになる。このようなこと考慮し、想定されるエラーパターンを予め計算しておけば、評価時にエラーパターンを逐一計算する必要がないため、評価時間を大幅に短縮することができる。
被検レンズ100の前面101aと後面101bの各ズレ状態におけるエラーパターン(誤差分布)を図10〜図15に示す。
図10は時計回りズレ状態のエラーパターンを示す説明図、図11は反時計回りズレ状態のエラーパターンを示す説明図である。図12は上ズレ状態のエラーパターンを示す説明図、図13は下ズレ状態のエラーパターンを示す説明図である。また、図14は右ズレ状態のエラーパターンを示す説明図、図15は左ズレ状態のエラーパターンを示す説明図である。
図10〜図15に示すエラーパターンは、処方度数が、球面度数S=0.00、加入度数ADD=2.00である場合の例を示している。また、図10に示す時計回りズレ状態と、図11に示す反時計回りズレ状態のエラーパターンは、前面101aに対して後面101bが3度回転した場合の例を示している。また、図12〜図15に示すエラーパターンは、それぞれ前面101aに対して後面101bが2mmずれた場合の例を示している。
図10および図11を見ると、前面101aと後面101bとの間で回転ズレが起きた場合に、最も誤差の特徴をよく表しているのは、非点収差誤差分布であることがわかる。なぜなら、非点収差誤差分布は、平均度数誤差分布などのその他の誤差分布よりも、誤差が大きく、回転ズレ以外に起因する誤差の影響を受け難くいためである。したがって、回転ズレが起きた場合のエラーパターンでは、非点収差誤差の分布に対する重み付けを大きくするとよい。なお、重み付けについては、後に詳しく説明する。
一方、図10および図11に示すD1誤差分布は、非点収差誤差分布などのその他の誤差分布よりも、誤差が小さく、回転ズレ以外に起因する誤差の影響を受け易い。したがって、回転ズレが起きた場合のエラーパターンでは、D1誤差分布に対する重み付けを小さくすることが好ましい。
回転ズレにおける相関性チェック(類似判定)を行う場合、明瞭なエラーパターンが得られれば、例えば、平均度数誤差分布のエラーパターンを用いて類似判定を行ってもよいが、非点収差誤差分布のエラーパターンを用いて類似判定を行うことが好ましい。なぜなら、非点収差誤差分布は、回転ズレにおいて特徴的なエラーパターンを有し、精度の高い類似判定を行うことができるからである。
また、任意方向に基づいた誤差分布のエラーパターンを用いて類似判定を行うことが好ましい。これは、任意方向に基づいた誤差分布のエラーパターンを用いることにより、乱視軸Axを考慮した評価が可能になり、より精度の高い類似判定を行うことができるためである。
そして、任意方向に基づいた誤差分布のエラーパターンとしては、D1誤差分布、D2誤差分布、D3誤差分布、D4誤差分布、NT誤差分布、ST誤差分布の6つの誤差分布からなるエラーパターンを用いることがより好ましい。なお、上記6つの誤差分布のうちのいずれか又は複数の誤差分布のエラーパターンを用いて類似判定を行ってもよい。
相関性チェックは、実測度数分布に基づいて作成された誤差分布(比較用度数分布)とエラーパターン(不良度数分布)の類似の度合いを判定することである。このように、類似の度合いを判定することで、実測された被検レンズ100がエラーパターンで特徴付けられるような不具合(各ズレ状態)を抱えているか否かを検証することが可能となる。
類似の度合いを判定する方法はいくつかあるが、代表的なものに相関係数を用いた方法が挙げられる。相関係数は、次式によって算出することができる。
Figure 0005107359
r:相関係数
x:誤差分布(比較用度数分布)の値
y:エラーパターンの値
i:測定点(第2評価測定点70)
本実施形態では、非点収差誤差分布、平均度数誤差分布、D1誤差分布、D2誤差分布、D3誤差分布、D4誤差分布、NT誤差分布、ST誤差分布の合計8つの誤差分布に対して、それぞれ一つの相関係数を算出する。
また、不良判定は、実測度数分布の度数と、エラーパターンの度数との相関係数を基に行うこともできる。このような相関係数を用いることにより、客観的に両者の類似について精度高く判定することが可能となる。
累進屈折力レンズの場合、度数に変化のある箇所は、遠用領域よりも中間から近用にかけての領域に集中しており、前面と後面の相対的な位置ズレ、回転ズレが生じた場合に、特徴的な誤差が観測されるのも主に近用領域である。したがって、本実施形態では、累進屈折力レンズ上の水平アライメント基準マーク(例えば2つの隠しマーク)を結ぶ線の中心を設計中心と呼ぶことにして、設計中心を通る水平線より下方の領域においてのみ、上記相関係数を計算することにするようにしてもよい。つまり、設計中心を通る水平線より下方の領域とは、近用領域を含む領域となる。また、任意に相関係数を計算する領域を設定してもよい。
前記水平アライメント基準マーク(2つの隠しマーク)とは、そのレンズの種類や加入屈折力などを確認可能な識別マークであり、レンズ上に目立たないよう設けられている。この隠しマークの位置からレンズの水平方向プリズム測定基準点等が特定できるようになっている。
(9)合否判定工程(S14〜S15)
合否判定工程(評価工程)において、評価用コンピュータ3の処理部31は、ステップS13の処理で計算された8つの相関係数に基づいて被検レンズ100の合否判定を行う。この合否判定は、例えば、所定の閾値を予め設定しおき、その閾値よりも大きい相関係数の数に基づいて行ってもよい。
本実施形態では、計算される8つの相関係数全てが同等に扱われるわけではない。上述したように、前面101aと後面101bの相対的な位置ズレ、回転ズレの種類に応じて、エラーパターンの8つの分布のうち、特徴が顕著に出る分布とそうでない分布がある。そのため、エラーパターンの8つの分布に対してそれぞれ適切な重み付けを行う。適切な重み付けを行うことで、相関性の判定に対する精度を向上させることができる。
ところで、前面101aと後面101bに相対的な位置ズレもしくは回転ズレが発生した場合、そのズレ量が小さくても大きくても、比較用度数分布と不良度数分布との相関性は高くなり、同じ不具合品として判断されることになる。極端に言えば、実際のレンズの組み合わせで回転ズレが僅か(例えば0.1度以下)でも、比較用度数分布と回転ズレのエラーパターン(図9を参照)との相関性が高くなり、光学性能としては十分な良品であっても不具合品(不合格)として判断される場合がある。そのような場合には、十分な光学特性が得られる範囲でズレ量に関しても閾値を設けてもよい。
一方、実測度数分布に基づいて得た誤差分布(比較用度数分布)から、前面101aと後面101bのズレ量を正確に知ることは不可能に近いが、ズレ量の大まかな値を推測することは可能である。なぜなら、上述したように、ズレ量が大きくなると、各誤差分布の分散値が大きくなる傾向にあるからである。
そこで、非点収差誤差分布の分散値の大小がズレ量の大小と比例関係にあると仮定すれば、分散値の大きいものほどズレ量が大きいと判断できる。但し、分散値はズレ量以外にも加入屈折力の影響を強く受けるため、処方された加入屈折力で分散値を除した値を、新たにズレ量の判定を行う際の推測値として採用する方が好ましい。このような推測値を採用することにより、加入屈折力の影響を取り除いた値でズレ量を推測することができ、相関性の判定に対する精度を向上させることができる。
以上のように、比較用度数分布とエラーパターン(不良度数分布)との相関性と、ズレ量の推測値に対して適切な閾値を設ければ、目的とする前面101aと後面101bの各ズレ状態を効率的に検出することができる。
図7に示す8つの誤差分布は、反時計回りズレ状態である被検レンズ100の実測度数分布に基づいて作成されたものである。図7において、8つの誤差分布の下にそれぞれ表されている数値は、反時計回りズレ状態のエラーパターン(図10を参照)との相関係数を示している。また、非点収差誤差分布の分散値を処方加入屈折力で除して算出された推測値(以下DVAと呼ぶ)であり、ズレ量の大小を推測する際の手がかりとなる。
図7に示す8つ誤差分布(比較用度数分布)が作成される被検レンズ100の度数は、球面度数S=−0.25、乱視度数C=−1.25、乱視軸Ax=90、加入度数ADD=2.50で処方されている。この被検レンズ100は、図10に示すエラーパターンが作成されるレンズと設計タイプが異なるが、図7に示す8つの誤差分布と図10に示すエラーパターンとの相関性は、非常に高いことがわかる。その結果、図7に示す8つ誤差分布が作成される被検レンズ100は、図10に示すエラーパターンが作成されるレンズと同じ組み合わせ上の不具合(ズレ状態)を抱えていると判断できる。したがって、評価用コンピュータ3の処理部31は、被検レンズ100に対する第2のレンズ評価の結果が不合格であると判定する。
一方、図8は、前面101aと後面101bに相対的な位置ズレが生じていない被検レンズ100の実測度数分布に基づいて作成された8つの誤差分布(比較用度数分布)を示す。図8において、8つの誤差分布の下にそれぞれ表されている数値は、反時計回りズレ状態のエラーパターン(図10を参照)との相関係数を示している。但し、相関係数が0以下の値になった場合は、全て0と表示している。また、DVAは、非点収差誤差分布の分散値を処方加入屈折力で除して算出された推測値であり、ズレ量の大小を推測する際の手がかりとなる。
図8からわかるように、8つの誤差分布のいくつかは、図10に示す反時計回りズレ状態のエラーパターンとの相関性が高くなるものの、図7に示す8つ誤差分布と反時計回りズレ状態のエラーパターンほどの顕著な相関性は見られない。したがって、図8に示す8つ誤差分布が作成される被検レンズ100は、図10に示すエラーパターンが作成されるレンズと同じ組み合わせ上の不具合(ズレ状態)を抱えていないと判断できる。
本実施形態では、例として、回転ズレについての相関性を判定したが、上下方向や左右方向などの位置ズレに関しても同様の判定を行うことができる。そして、実測度数分布に基づいて作成された8つの誤差分布が、いずれのエラーパターン(図10〜図13を参照)と比べても相関性が低ければ、評価用コンピュータ3の処理部31は、被検レンズ100に対する第2のレンズ評価の結果が合格であると判定する。
本実施形態では、例として、回転ズレ、上下方向や左右方向などの位置ズレに関して合否判定を行う構成としたが、回転方向、上下方向および左右方向が複合的に組み合わさった位置ずれに関しても同様の判定を行うことができる。その場合、ずれる方向が複合的に組み合わさった位置ずれに対応したエラーパターンを用意すると好ましい
また、このようなエラーパターンによる評価は、位置ズレ、回転ズレの検出に適用することに限定されるものではなく、例えば、位置ズレ、回転ズレが無くても、前面101aと後面101bの種類が違っていたものなどを検出する場合にも適用可能である。その場合、前面101aと後面101bの種類が違う場合のエラーパターンを用意する必要がある。
上述したような光学特性の評価方法は、被検レンズ100が「良品か不良品か」という判定を行うことができるだけでなく、不具合の種類を特定することができる。さらに、不具合に関連する工程を絞り込むことで、不具合の発生原因の究明に貢献できるという効果も奏する。
なお、眼鏡レンズにおける左レンズのエラーパターンは、右レンズのエラーパターンとは逆(左右対称)の分布となる。したがって、右レンズと左レンズを左右対称に作成すれば、右レンズのエラーパターンを利用して左レンズに関する上記判定を行うことができる。しかしながら、左右のレンズのそれぞれに対応するエラーパターンを用意し、上記判定を左右のレンズ各々について行うことが好ましい。これにより、左右非対称のレンズについても高精度な判定を行うことができる。
4.次工程(ステップS16)
ステップS14の処理において、合格と判定された被検レンズ100は、次工程に移される。次工程では、受注内容に応じた染色や各種コーティングが行われる。その後、フレーム形状や玉型形状に合わせた玉形加工(縁摺り加工)が行われ、眼鏡レンズの製造が完了する。製造された眼鏡レンズは、発注元に出荷される。
本実施形態の累進屈折力レンズの評価方法によれば、両面非球面型累進屈折力レンズを製品化する前に、不良要因を有するか否かを判定することができる。さらに、不良要因がどのようなエラーパターンに近いかを分析することにより、不良要因を特定することができる。また、不良要因がどのようなエラーパターンを有するかを予めデータとして保存しておけば、判定、評価手段において大幅な時間の短縮を図ることができる。これにより、両面非球面型累進屈折力レンズが不良か否かを、迅速且つ高精度に判定することができ、品質の高い製品を効率的に提供することができる。
なお、本実施形態は、両面非球面型累進屈折力レンズの場合で説明したが、両面が累進面からなる両面累進面型累進屈折力レンズにも適用可能である。また、両面に複雑な曲面を有するレンズにも適用可能である。
[累進屈折力レンズの製造方法]
次に、上述したレンズの評価方法を用いた累進屈折力レンズの製造方法について、図16を参照して説明する。
図16は、受注から出荷までの累進屈折力レンズの製造工程の流れを示すフローチャートである。
初めに、累進屈折力レンズが受注される(ステップS21)。眼鏡店9(図1を参照)に設置されている注文用端末91の注文用プログラムが起動されると、注文用端末91が通信媒体8を介して工場のメインサーバ7と接続される。これにより、オーダエントリ画面が、注文用端末91の画面表示装置に表示される。眼鏡店9のオペレータは、注文する眼鏡レンズの情報、眼鏡フレームの情報、処方値およびレイアウト情報など注文情報を注文用端末91の入力装置によって入力する。
注文用端末91に入力された注文情報は、通信媒体8を介して工場のメインサーバ7へ送られる。注文用端末91から注文情報が送られてくると、メインサーバ7は、眼鏡レンズ加工設計プログラムを実行し、ヤゲン形状を含めた所望のレンズ形状を演算する。演算の結果に基づいてレンズの加工が不可能な場合、メインサーバ7は、注文用端末91に注文入力値の修正をうながす。一方、演算の結果に基づいてレンズの加工が可能な場合は受注が確定する。
受注が確定すると、注文用端末91から送られてきた注文情報は、データサーバ2の受注データ記憶部22に受注データとして記憶される。また、受注が確定すると、眼鏡レンズ加工設計プログラムにより演算されたレンズ形状に関する情報は、データサーバ2の設計データ記憶部21に設計データとして記憶される。
眼鏡レンズ加工設計プログラムは、各工程におけるレンズ加工設計値も演算し、その加工設計値に基づき加工するための加工条件(各種機器設定値、使用治具など)も決定する。そして、これらレンズ加工に関する情報(加工設計値、加工条件)は、データサーバ2の記憶部20に加工データとして記憶されるとともに、各種機器の制御に用いられる。
工場には、片面だけが光学的に仕上げられたセミフィニッシュレンズブランク(以下、セミフィニッシュレンズとする)や両面とも光学的に仕上げられていないレンズブランクがあらかじめ多くの種類について製造されストックされている。そして、設計データや加工データに基づいて、ストックされているレンズブランクの中から加工するレンズが選び出される。
次に、ブロック工程が行われる(ステップS22)。ブロック工程とは、後の工程の切削工程、研磨工程で使用する切削装置、研磨装置にレンズを取り付けるためのレンズ保持具をレンズの前面又は後面に取り付ける工程である。
次に、レンズブランクの光学的に仕上げられていない面に対して切削加工工程が行われる(ステップS23)。切削加工工程とは、切削装置を使用して研磨代分を残して所定の面形状に切削する工程である。切削する面形状は、設計データや加工データによってあらかじめ決定されている。
次に、切削加工されたレンズの切削面に対して研磨工程(ステップS24)が行われる。研磨工程とは切削加工されたレンズの切削面を研磨装置で研磨して光学的に仕上げる工程である。この研磨条件は、加工データによってあらかじめ決定されている。ステップ21〜ステップ24までの工程は、図3に示す前工程に相当する。
次に、両面が光学的に仕上げられたレンズに対して、レンズ評価工程(ステップS25)が行われる。このレンズ評価工程については図3を参照して詳しく説明したため、ここでは、説明を省略する。
次に、ステップS25のレンズ評価工程で合格と判定されたレンズに対して、必要により染色工程が行われる(ステップS26)。染色工程とは、レンズを染色する工程である。レンズは、受注データで指定されている色に染色される。また、色見本がある場合には、その色に近くなるように染色される。染色方法としては、種々の方法が実施されているが、例えば、加熱した染料液の中にレンズを所定時間浸漬させた後、レンズを加熱して、レンズ内部に浸透した染料をさらに内部に拡散させて安定化させる方法がある。
なお、染色の必要がないレンズは、レンズ評価工程の後に表面処理工程に移される。
次に、レンズに対して表面処理工程が行われる(ステップS27)。表面処理工程は、レンズの表面にハードコート、反射防止膜、水やけ防止コート、防汚膜などの表面処理を施す工程である。これらの表面処理は、受注データに従って指定されたものが施される。
次に、レンズに対して検査工程が行われる(ステップS28)。検査工程では、レンズの外観検査、所定の測定位置(例えば光学中心)における光学特性、レンズの厚さなどが検査される。上述したレンズメータ6と肉厚計(図示せず)は、検査工程管理用コンピュータに接続されている。検査工程管理用コンピュータは、レンズメータ6と肉厚計によって得られた所定の測定位置の測定値と、受注データおよび設計データに基づくレンズ仕様とを比較して、レンズが合格かどうかどうか判定する。
次に、レンズに対して縁摺りヤゲン加工工程(玉形加工)が行われる(ステップS29)。なお、受注データに縁摺りヤゲン加工(玉形加工)の指示がない場合、レンズは、検査工程が終了した状態で発注元に出荷される。
縁摺りヤゲン加工工程(玉形加工)では、レンズにレンズ保持具を取り付け、研削装置により所定の玉形形状やフレームの形状に合わせてカットされ必要な周縁加工が施される。玉形加工済みのレンズの周長および形状は、形状測定器(図示せず)によって測定され、加工データと比較して加工の合否が判定される。この結果、合格になったレンズは、外観、光学特性、厚さ等が再び検査され、合格していれば発注元に送られる(ステップS30)。
上記例では、レンズ評価工程(ステップS25)はレンズ両光学面を光学的に仕上げる工程後に行なっているが、それより後の工程後に行なうこともできる。また、製造工程において複数回行なうこともできる。なお、この例のようにレンズの切削・研磨加工が終わった後に、レンズ評価を行って設計データとの誤差を早い段階で発見でき、設計データに対して大きな誤差が発生しているレンズが後の工程に流れることを阻止できるので好ましい。
また、本発明によれば誤差の種類(位置ズレ、回転ズレなど)も把握できるので、誤差発生原因の特定等も容易になる。
また、上記例では、実測屈折度数分布と計算度数分布から処方度数を除去しているが、これら除去を行なわないこともできる。
引用符号の説明
1 度数分布測定装置
2 データサーバ
3 評価用コンピュータ
4 入力手段
5 出力手段
6 レンズメータ
7 メインサーバ
8 通信媒体
9 眼鏡店
10 眼鏡レンズ評価装置
20 記憶部
21 設計データ記憶部
22 受注データ記憶部
23 測定結果記憶部
24 合否判定結果記憶部
31 処理部
32 記憶部
70 第2評価測定点
91 注文用端末
92 フレーム形状測定装置
100 被検レンズ
101a 前面
101b 後面
321 合否判定条基準記憶部
322 エラーパターン記憶部

Claims (9)

  1. 累進屈折力レンズの複数の点の度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定工程と、
    前記実測度数分布に基づいて作成された比較用度数分布と、予め準備しておいた不良度数分布とを比較し、両者の類似調査を行う類似調査工程と、
    前記類似調査工程の結果に基づいて前記比較用度数分布と前記不良度数分布が類似しているか否かを判定し、両者が類似していると判定すると、前記累進屈折力レンズを不良と評価する評価工程と、
    を有することを特徴とする累進屈折力レンズの評価方法。
  2. 前記不良度数分布は、前記累進屈折力レンズの一方の面と他方の面に相対的な位置ずれが生じた場合に得られる分布であること
    を特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズ評価方法。
  3. 前記比較用度数分布は、前記実測度数分布と、設計上の度数分布との差であること
    を特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の累進屈折力レンズ評価方法。
  4. 前記比較用度数分布は、任意方向に基づいた度数分布であること
    を特徴とする請求項1乃至3に記載の累進屈折力レンズ評価方法。
  5. 前記任意方向は、等角度の複数方向であること
    を特徴とする請求項4に記載の累進屈折力レンズ評価方法。
  6. 前記類似調査工程では、前記比較用度数分布の屈折度数と、前記不良度数分布の屈折度数との相関係数を算出すること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の累進屈折力レンズ評価方法。
  7. 前記相関係数の算出は、前記累進屈折力レンズの近用領域に対して行うこと
    を特徴とする請求項6に記載の累進屈折力レンズ評価方法。
  8. 累進屈折力レンズの複数の測定点の度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定装置と、
    予め準備された不良度数分布を格納する不良度数分布記憶部と、前記実測度数分布と前記不良度数分布を用いて前記累進屈折力レンズの評価を行う処理部とを有する評価用コンピュータと、を備え、
    評価用コンピュータの前記処理部は、前記実測度数分布に基づいて比較用度数分布を作成する処理と、前記比較用度数分布と前記不良度数分布とを比較して両者の類似調査を行う処理と、前記類似調査の結果に基づいて前記比較用度数分布と前記不良度数分布が類似しているか否かを判定し、両者が類似していると判定すると、前記累進屈折力レンズを不良と評価する処理を行う
    ことを特徴とする累進屈折力レンズ評価装置。
  9. レンズブランクの光学的に仕上げられていない面を光学的に仕上げて累進屈折力レンズを形成する工程と
    前記累進屈折力レンズの前記前面と後面との組み合わせの不具合が許容範囲であるか否かを評価するレンズ評価工程とを有し、
    前記レンズ評価工程では、
    前記累進屈折力レンズの複数の点の度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定工程と、
    前記実測度数分布に基づいて作成された比較用度数分布と、予め準備しておいた不良度数分布とを比較し、両者の類似調査を行う類似調査工程と、
    前記類似調査工程の結果に基づいて前記比較用度数分布と前記不良度数分布が類似しているか否かを判定し、両者が類似していると判定すると、前記累進屈折力レンズを不良と評価する評価工程と、
    を行うことを特徴とする累進屈折力レンズの製造方法。
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