JP2014029447A - レンズの製造方法 - Google Patents

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裕 桑村
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Abstract

【課題】眼鏡レンズのうねりを定量的に評価可能となるレンズの製造方法を提供する。
【解決手段】レンズの製造方法が、レンズ基材の少なくとも一面を切削加工する工程と、光源からの光をレンズ基材に照射し、該レンズ基材を透過した光を撮像素子に結像させる工程と、撮像素子により生成された画像信号において、レンズ基材上の所定の区間に対応する画素の輝度情報を数値化する工程と、数値化された輝度情報全体から、所定の短波長成分を除去する工程と、所定の短波長成分が除去された輝度情報を所定の区間上の位置と対応付けて表示装置に表示する工程とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、被切削面を有する眼鏡レンズや被切削面上にコート被膜を持つ眼鏡レンズの製造方法に関し、特にレンズ表面のうねりを定量的に評価することが可能なレンズの製造方法に関する。
従来、処方値に適した眼鏡レンズを製造するため、レンズ基材(セミフィニッシュトブランクス等)がカーブジェネレータ等の切削加工機により切削される。この種の切削加工機による切削加工では、レンズ基材の被切削面に切削加工痕が残存する。この切削加工痕による表面性状としての表面粗さは、短波長成分と中長波成分とに大別される。表面粗さの短波長成分は、切削加工痕を形成する微小な凹凸そのものであり、表面粗さの中長波成分は、切削加工痕を形成する隣り合う凹凸の頂部を結ぶエンベロープであって、被切削面のバックグランド粗さ(うねり)を表している。
被切削面は、切削加工後に研磨治具により研磨されて、うねりが低減される(例えば、特許文献1)。うねりが低減された被切削面に対してハードコート被膜や反射防止膜を形成することにより、面精度の高い眼鏡レンズが得られる。ところで、被切削面に対する研磨処理は、コスト的にも時間的にも負担が大きいという問題を抱えている。特に、自由曲面等の複雑な面形状を高精度に研磨することは難しく、研磨除去量に依存して光学性能が大きく変化するおそれもある。そこで、被切削面に対する研磨処理を製造工程から省きつつも、うねりが低減された眼鏡レンズを得ることが望まれる。
眼鏡レンズにうねりが有ると、光学的な歪みが発生し人の眼に知覚されるため、通常、眼鏡レンズの製造工程において投影検査を行うことにより、この光学的な歪みの量(すなわち、うねりの影響)を検査している。具体的には、超高圧水銀ランプからの光をハードコート被膜や反射防止膜が形成された眼鏡レンズを通してスクリーン上に投影し、スクリーン上で観察される陰影(縞模様)を視覚的に評価することによって行われる。このような検査方法としては、例えば、日本工業規格の眼鏡レンズ(JIS−T7313)に規定されている視覚的な検査及びシュリーレン法を基にした検査方法等が挙げられる。
特開2004−82324号公報
しかし、上記のような視覚的な投影検査等においては、観察者の個人差によってうねりの有無の判断基準が異なるため、検査結果にばらつきが生じる。そこで、眼鏡レンズのうねりを定量的に評価することが可能なレンズの製造方法が求められている。
本発明の一実施形態に係るレンズの検査方法は、レンズ基材の少なくとも一面を切削加工する工程と、光源からの光をレンズ基材に照射し、レンズ基材を透過した光を撮像素子に結像させる工程と、撮像素子により生成された画像信号において、レンズ基材上の所定の区間に対応する画素の輝度情報を数値化する工程と、数値化された輝度情報全体から、所定の短波長成分を除去する工程と、所定の短波長成分が除去された輝度情報を所定の区間上の位置と対応付けて表示装置に表示する工程とを含むことを特徴とする。
このような構成によれば、眼鏡レンズのうねりを定量的に評価することができる。
また、本発明の一実施形態に係るレンズの検査方法は、所定の短波長成分が除去された輝度情報のデータ値が所定の範囲内にあるか否かを判定し、該判定した結果を表示装置に表示する工程をさらに含んでいてもよい。
上記の構成によれば、ユーザは、上記判定結果に基づいてレンズ基材の良品・不良品を判断することができるため、レンズ基材の検査時間を短縮することができる。
また、表示装置には、所定の短波長成分が除去された輝度情報と所定の区間上の位置との関係を示すグラフが表示されるように構成してもよい。
さらに、輝度情報を数値化する工程は、撮像素子により生成された画像信号から所定の色成分の信号を抽出し、該抽出した色成分の信号に対して輝度情報を数値化するように構成してもよい。また、所定の色成分のピーク波長を略555nmとしてもよい。これにより、従前の目視による投影検査に用いられる光の波長と同等の波長の色成分の信号を用いて輝度情報を定量的に表示することができるため、ユーザは従前の目視による投影検査と同様の判断基準で、レンズ基材のうねりをより精確に評価することができる。
本発明の眼鏡レンズの製造方法によれば、眼鏡レンズのうねりを定量的に評価することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズ製造システムの構成を示すブロック図である。 図2(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズ製造システムの光源装置の概略構成図である。 図3(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズの検査方法におけるうねりについて説明する概念図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズ検査用コンピュータの構成を示すブロック図である。 図5(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズの検査方法のデータ解析について説明する図及びグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズの製造システムについて説明する。
[眼鏡レンズ製造システム1]
図1は、本実施形態の眼鏡レンズの製造方法を実現するための眼鏡レンズ製造システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、眼鏡レンズ製造システム1は、顧客(装用予定者)に対する処方に応じた眼鏡レンズを発注する眼鏡店10と、眼鏡店10からの発注を受けて眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造工場20を有する。眼鏡レンズ製造工場20への発注は、インターネット等の所定のネットワークやFAX等によるデータ送信を通じて行われる。発注者には眼科医や一般消費者を含めてもよい。
<眼鏡店10>
眼鏡店10には、店頭コンピュータ100が設置されている。店頭コンピュータ100は、例えば一般的なPC(Personal Computer)であり、眼鏡レンズ製造工場20への眼鏡レンズの発注を行うためのソフトウェアがインストールされている。店頭コンピュータ100には、眼鏡店スタッフによるマウスやキーボード等の操作を通じてレンズデータ及びフレームデータが入力される。レンズデータには、例えば処方値(ベースカーブ、球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸方向、プリズム屈折力、プリズム基底方向、加入度数、遠用PD(Pupillary Distance)、近用PD等)、眼鏡レンズの装用条件(角膜頂点間距離、前傾角、フレームあおり角)、眼鏡レンズの種類(単焦点球面、単焦点非球面、多焦点(二重焦点、累進)、コーティング(染色加工、ハードコート、反射防止膜、紫外線カット等))、顧客の要望に応じたレイアウトデータ等が含まれる。フレームデータには、顧客が選択したフレームの形状データが含まれる。フレームデータは、例えばバーコードタグで管理されており、バーコードリーダによるフレームに貼り付けられたバーコードタグの読み取りを通じて入手することができる。店頭コンピュータ100は、発注データ(レンズデータ及びフレームデータ)を例えばインターネット経由で眼鏡レンズ製造工場20に送信する。
<眼鏡レンズ製造工場20>
眼鏡レンズ製造工場20には、ホストコンピュータ200を中心としたLAN(Local Area Network)が構築されており、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208をはじめ多数の端末装置が接続されている。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208は一般的なPCであり、それぞれ眼鏡レンズ設計用のプログラム、眼鏡レンズ加工用のプログラム、眼鏡レンズ検査用のプログラムがインストールされている。ホストコンピュータ200には、店頭コンピュータ100からインターネット経由で送信された発注データが入力される。ホストコンピュータ200は、入力された発注データを眼鏡レンズ設計用コンピュータ202に送信する。
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、受注に応じた眼鏡レンズを設計するためのプログラムがインストールされており、発注データ(レンズデータ)に基づいてレンズ設計データを作成し、発注データ(フレームデータ)に基づいて玉型加工データを作成する。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、作成したレンズ設計データ及び玉型加工データを眼鏡レンズ加工用コンピュータ204及び眼鏡レンズ検査用コンピュータ208に転送する。
[眼鏡レンズの製造工程]
眼鏡レンズは、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202により作成されたレンズ設計データ及び玉型加工データに従って製造される。
眼鏡レンズ製造工場20では、生産性を向上させるため、全製作範囲の度数を複数のグループに区分し、各グループの度数範囲に適合した凸面カーブ形状(球面形状又は非球面形状)とレンズ径を有するセミフィニッシュトブランクスが眼鏡レンズの注文に備えて予め用意されている。セミフィニッシュトブランクスは、例えば樹脂ブランクス又はガラスブランクスである。
オペレータは、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202によるレンズ設計の結果に従ってセミフィニッシュトブランクスを選択し、加工機(例えばカーブジェネレータ等の切削加工機)206にセットして、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204に対して加工開始の指示入力を行う。眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202から転送されたレンズ設計データ及び玉型加工データを読み込み、加工機206を駆動制御する。加工機206は、レンズ設計データに従ってセミフィニッシュトブランクスの一面を切削し、眼鏡レンズの凹面形状を創成する。また、加工機206は、凹面形状創成後のアンカットレンズの外周面を玉型形状に対応した周縁形状に加工する。
別の実施形態では、装用予定者の処方により一層適した眼鏡レンズを製造するため、上記のセミフィニッシュトブランクスを、両面が未加工のブロックピースに代えてもよい。この場合、加工機206により、ブロックピースの各面がレンズ設計データに従って切削されて、眼鏡レンズの凸面形状及び凹面形状が形成される。
玉型加工後の眼鏡レンズ(レンズ基材)には、ハードコート被膜や反射防止膜、紫外線カット等の各種コーティングが施される。各種コーティング工程は、レンズ基材がセミフィニッシュトブランクスから作成されたものである場合、一方の面(被切削面である凹面)に対してだけ実施され、レンズ基材が両面未加工のブロックピースから作成されたものである場合は、各面(被切削面である凹面及び凸面)に対して実施される。
[眼鏡レンズの検査工程]
上記の通り眼鏡レンズ設計用コンピュータ202により作成されたレンズ設計データは、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208にも転送される。眼鏡レンズ検査用コンピュータ208は検査装置210と接続されている。眼鏡レンズ検査用コンピュータ208は、入力されたレンズ設計データに基づいて、検査装置210によって各種コーディングが施されたレンズ基材に対して検査を行う。検査の詳細については後述する。
図2(a)、(b)に、本実施形態における検査装置210の概略構成図を示す。図2(a)に示すように、検査装置210は、光源装置212、CCD(Charge Coupled Device)218を備える。図2(a)、(b)では、投影検査を行うレンズ基材をL又はL’にて示す。光源装置212は、光源214、レンズ光学系216、220を備え、後述するようにレンズ基材L、L’及びCCD218側に光を出射する。
図2(a)に示すように、光源214と、レンズ光学系216、220は、共通の光軸AX上に配置されており、該光軸AXは、CCD218の中心に位置するように構成されている。レンズ基材Lは、検査装置210のレンズ光学系216とCCD218との間に、図示しないレンズホルダによって位置決めされる。レンズホルダは、光軸AXがレンズ基材Lの略中心を通るようにレンズ基材Lを支持しており、レンズ基材Lは、レンズ光学系216とCCD218との間を光軸AXに沿って移動可能に構成されている。つまり、レンズ基材Lの位置を調整することができるようになっている。
レンズ基材Lをレンズホルダに載置して固定したら、光源装置212の電源をオンする。光源214は、ランプ及びランプ電源イグナイタ(いずれも図示せず)を有しており、光源装置212の電源をオンすると、ランプ電源イグナイタによる始動後にランプが白色光を放射する。ランプは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、高輝度LED等の高輝度照明用光源が適している。ランプから放射された白色光は、開口絞りを有する調光ユニット(図示せず)により適正な光量に調整されて、レンズ光学系216に進行する。
レンズ光学系216は、レンズ基材Lを透過した光がCCD218によって受光されるように構成されている。また、レンズ基材Lは、レンズホルダによって光源装置212の出射光がレンズ基材Lを透過してCCD218に集光するように位置決めされる。CCD218は、CCD218の受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R、G、Bの各色に応じた画像信号に変換する。変換された画像信号は、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208に送られる。なお、別の実施形態では、イメージセンサとしてCCD218の代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を使用してもよい。
また、図2(a)に示すように、本実施形態ではレンズ基材Lはメニスカスレンズであり、凸面を光源装置212側に向けてレンズホルダに載置しているが、図2(b)に示すように、メニスカスレンズであるレンズ基材L’の凹面を光源装置212側に向けて位置決めした場合でも、光源装置212のレンズ光学系220の構成を適宜変更して、レンズ基材L’を透過した光がCCD218に受光されるようにすることもできる。具体的には、図2(a)では、光源装置212のレンズ光学系216は、光源装置212が拡散光を出射するように構成されている。また、図2(b)では、光源装置212のレンズ光学系220は、光源装置212が集光光を出射するように構成されている。なお、図2(a)、(b)では、説明の便宜上、レンズ光学系216、220を2枚のレンズで構成しているが、レンズの枚数は適宜変更することができる。
なお、別の実施形態では、メニスカスレンズに限らず種々の面形状を有するレンズ基材を検査対象として選択することができる。このように、検査対象のレンズ基材の面形状に応じて、光源装置212のレンズ光学系の構成を適宜変更することで光源装置212から拡散光、集光光、平行光のいずれかの光を出射し、レンズ基材の固定位置を調整することで種々のレンズ基材を検査装置210によって検査することができる。また、光源装置212の出射光の特性を調整するため、光源装置212の内外において光源214の出射光の光路上に、回折格子やビームエキスパンダ等の光学素子を適宜追加して構成してもよい。
ここで、レンズ基材の表面性状である「うねり」の概念について、図を参照しながら説明する。うねりを抽出するには、まずレンズの表面粗さを求める。レンズの表面粗さを求めるための表面粗さ測定機としては、テーラーホブソン(Taylor Hobson)社製のフォームタリサーフ装置等の触針式表面粗さ測定機を用いることが好ましい。表面粗さの値の算出は、ISO 3274:’96(触針式表面粗さの測定機の特性)、ISO 4287:’97(表面性状の用語、定義及びパラメータ)、ISO 4288:’96(表面性状評価の方式及び手順)等に準じて行うことが望ましい。また、ISO 4287:’97に準じて、基準長さを標準個数倍した長さを1つの評価長さとし、この評価長さにおける表面粗さの評価を行うのが望ましい。なお、基準長さ及び評価長さはISO4288:’96に従って適宜決定することができる。
表面粗さ測定機からは測定断面曲線が得られる。図3(a)〜(d)は、ISO 4287:’97に準じて表面粗さを評価する際に測定断面曲線に施すフィルタリングやフィルタリングを施すことで得られる各種輪郭曲線を概念的に示すグラフである。図3(a)に示すように、測定断面曲線には、その波長帯域に応じて粗さ曲線とうねり曲線が重畳されている。そこで、本実施形態においては、波長λs、λc、λfを用いたフィルタリングによって、測定断面曲線から不要な波長成分を除去し、所望の表面粗さ成分を抽出している(詳細は後述)。波長λs、λc、λfは、カットオフ値と呼ばれ、ISO 3274:’96に準じて決定される。
測定断面曲線にカットオフ値λsの低域フィルタを適用すると、図3(b)に示すような断面曲線が得られる。そして、断面曲線にカットオフ値λcの広域フィルタを適用して中長波成分を遮断すると、図3(c)に示すような粗さ曲線が得られる。また、断面曲線に、カットオフ値λc及びλfのフィルタを順次かけて、短波長成分と余分な中長波成分を遮断すると、図3(d)に示すようなうねり曲線が得られる。以上が、「うねり」の概念についての説明である。
本実施形態では、上記のうねりの概念に基づいて、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208により、レンズ基材L、L’のうねりを光学的に解析しており、以下にその詳細を説明する。眼鏡レンズ検査用コンピュータ208は、CCD218から出力された画像信号に基づいて、検査対象のレンズ基材の表面性状であるうねりの解析を行う。図4に示すように、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208は、色成分抽出回路230、輝度数値化回路232、LPF(Low Pass Filter)234、グラフ生成回路236、モニタ238を有する。
眼鏡レンズ検査用コンピュータ208に入力された画像信号は、色成分抽出回路230により、ユーザによって指定された測定ライン上の画像信号から緑色成分の信号を抽出する。ここで、測定ラインとは、図5(a)に示すように、画像上の2点P1、P2によって規定される直線である。2点P1、P2の位置や距離(すなわちピクセル数)は、上記に説明した評価長さやレンズ基材L、L’とCCD218との距離等に基づいて適宜決定されるものであり、ユーザが眼鏡レンズ検査用コンピュータ208の操作パネル等(図示せず)によって指定できるように構成されており、例えば、P1は、レンズ基材L、L’の中心部に設定され、P2は、レンズ基材L、L’の周辺部に設定される。なお、2点P1、P2の位置や距離は、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208が、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202から入力されるレンズ設計データ等に基づいて自動的に決定するように構成してもよい。ここで、画像信号から抽出する緑色成分とは、従来の目視による投影検査で使用する光の波長(ピーク波長が555nm前後)に対応する色成分とする。なお、別の実施形態では、緑色成分に限らず任意の色成分を画像信号から抽出する構成としてもよい。
抽出された緑色成分の信号は、輝度数値化回路232においてA/D変換され、その輝度が256階調にて数値化(デジタイズ)される。なお、階調数は任意に変更することができる。図5(b)に、数値化された輝度情報のグラフを示す。便宜上、グラフにおいてピクセル数0が点P1に対応し、ピクセル数が増加するにつれて点P2に近づいていくこととする。図5(b)に示されるように、輝度数値化回路232により数値化された輝度情報には、上記の粗さ曲線に対応する短波長成分とうねり曲線に対応する中長波成分とが重畳されている。そこで、LPF234によって、この輝度情報から短波長成分を除去して中長波成分のみを抽出するフィルタリングを行う。
ここで、LPF234におけるカットオフ値を用いたフィルタリングについて説明する。本実施形態においては、フィルタとしてガウシアンフィルタが用いられ、空間領域でのガウシアンフィルタの重み関数は以下の式(1)で与えられる。
ここで、xは重み関数の中央からの位置、λcoはカットオフ値である。また、αは以下の式(2)で与えられる。
そして、輝度数値化回路232により数値化された輝度情報に(1)の関数の重みを付ける畳み込み積分を行うと、中長波成分であるうねりを算出することができる。
また、中長波成分を透過するフィルタリングを行う別の方法としては、まず式(1)をフーリエ変換することによって、以下の式(3)を得る。
ここで、λは正弦波信号の波長である。式(3)は低域フィルタの振幅伝達率である。そして、輝度数値化回路232により数値化された輝度情報をフーリエ変換したものに、式(3)の振幅伝達率を乗算し、逆フーリエ変換することで、中長波成分を透過するフィルタリングを行ってうねりデータを抽出することができる。
このようにLPF234によって中長波成分のみが抽出された輝度情報は、グラフ生成回路236によって、2点P1、P2によって規定される測定ライン上の位置と輝度の関係を示すグラフが輝度データとして生成される。図5(c)に、図5(b)に示す輝度情報を用いた場合にグラフ生成回路236によって生成されるグラフを示す。図5(c)に示されるように、輝度情報のうち粗さ曲線に対応する短波長成分が除去され、うねり曲線に対応する中長波成分のみの変化を示すグラフが生成される。グラフ生成回路236によって生成されたグラフは、モニタ238に表示される。ユーザは、モニタ238に表示されたグラフに基づいて、測定ラインにおけるうねり曲線の周波数及び振幅を基準としてレンズ基材L、L’のうねりを評価すると共にレンズ基材L、L’の良品・不良品を判断することができる。
なお、別の実施形態では、グラフ生成回路236が、生成されたグラフにおいて、輝度の変動(うねりの振幅)が所定の範囲内に収まっている場合はレンズ基材L、L’が良品であると判断し、輝度の変動が所定の範囲内に収まっていない場合はレンズ基材L、L’が不良品であると判断し、その判定結果をグラフと共にモニタ238に表示するように構成してもよい。ここで「所定の範囲」とは、検査対象のレンズ基材ごとに、測定ラインの長さ(評価長さ)やレンズ基材とCCDとの距離等に基づいて決まるうねりの振幅の許容範囲であるため、レンズ基材のレンズ設計データや測定ラインの長さ等の種々のパラメータに基づいて適宜決定される。
さらに別の実施形態では、グラフ生成回路236が、上記のグラフの代わりに、あるいは当該グラフに追加して、LPF234によって中長波成分のみが抽出された輝度情報に基づいて、測定ライン上の位置と輝度の関係を示す輝度データを生成して、モニタ238に出力する構成としてもよい。ユーザは、グラフではなく当該輝度データに基づいて測定ラインにおける輝度の変動を精査することでも、うねりを定量的に評価することができる。
そして、眼鏡レンズ検査用コンピュータ208の検査によって良品であると判定された眼鏡レンズは、眼鏡店10に納品される。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施例等又は自明な実施例等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
また、上記の説明では、ISO 4287:’97に準じて表面粗さを評価したり、ISO 3274:’96に準じてカットオフ値を決定したりしているが、表面粗さの評価基準やカットオフ値の決定基準等の各種基準は上記に限らず適宜変更することができる。さらに、上記の説明では、各種コーティングが施されたレンズ基材に対して検査装置210によって検査を行っているが、レンズ基材の少なくとも一面を切削加工する玉型加工後のレンズ基材に対して検査を行う構成としてもよい。また、上記の説明では、測定ラインを2点P1、P2間の直線としているが、測定ラインは直線に限らず適宜変更することができる。
1 眼鏡レンズ製造システム
10 眼鏡店
20 眼鏡レンズ製造工場
100 店頭コンピュータ
200 ホストコンピュータ
202 眼鏡レンズ設計用コンピュータ
204 眼鏡レンズ加工用コンピュータ
206 加工機
208 眼鏡レンズ検査用コンピュータ
210 検査装置
212 光源装置
214 光源
216、220 レンズ光学系
218 CCD
230 色成分抽出回路
232 輝度数値化回路
234 LPF
236 グラフ生成回路
238 モニタ

Claims (5)

  1. レンズ基材の少なくとも一面を切削加工する工程と、
    光源からの光を前記レンズ基材に照射し、該レンズ基材を透過した光を撮像素子に結像させる工程と、
    前記撮像素子により生成された画像信号において、前記レンズ基材上の所定の区間に対応する画素の輝度情報を数値化する工程と、
    前記数値化された輝度情報全体から、所定の短波長成分を除去する工程と、
    前記所定の短波長成分が除去された輝度情報を前記所定の区間上の位置と対応付けて表示装置に表示する工程と、
    を含む、レンズの製造方法。
  2. 前記所定の短波長成分が除去された輝度情報のデータ値が所定の範囲内にあるか否かを判定し、該判定した結果を前記表示装置に表示する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズの製造方法。
  3. 前記表示装置には、前記所定の短波長成分が除去された輝度情報と前記所定の区間上の位置との関係を示すグラフが表示されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズの製造方法。
  4. 前記輝度情報を数値化する工程は、前記撮像素子により生成された画像信号から所定の色成分の信号を抽出し、該抽出した色成分の信号に対して輝度情報を数値化することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズの製造方法。
  5. 前記所定の色成分のピーク波長が略555nmであることを特徴とする請求項4に記載のレンズの製造方法。
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