JP5106809B2 - ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品 - Google Patents
ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5106809B2 JP5106809B2 JP2006221365A JP2006221365A JP5106809B2 JP 5106809 B2 JP5106809 B2 JP 5106809B2 JP 2006221365 A JP2006221365 A JP 2006221365A JP 2006221365 A JP2006221365 A JP 2006221365A JP 5106809 B2 JP5106809 B2 JP 5106809B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lactoferrin
- pain
- menstrual
- period
- placebo
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Description
○器質的要因
1. 子宮頚管が狭く、経血の排出がうまくいかないことによる月経痛。
2. 子宮の発育が未熟なため、血液の供給不足や酸素不足が起こることによる月経痛。
3. 子宮の位置が異常で、子宮が極度に前或いは後に曲がることにより、経血がうまく排出できないことによる月経痛。
○精神的要因
1. 神経的要素で痛みに過剰敏感による月経痛。
2. 精神的ストレスや緊張などで交感神経が異常に優位に働き、血管や子宮の平滑筋の過度な収縮が起こり、子宮への血液の供給不足や酸素不足をもたらすことによる月経痛。
○生活習慣や食習慣
1. 冷たいものを飲食することによって内臓の冷えが起こり、筋肉(特に血管や内臓の平滑筋)の収縮力が強く、経血の流れが不良となることによる月経痛。
2. 月経期間に激しく運動したあと、風、寒さ、湿気などの影響を受け、体を冷やしてしまい、筋肉(特に血管や内臓の平滑筋)の異常収縮を起こし、子宮への血液の供給不足や酸素不足をもたらすことによる月経痛。
3. 不規則な生活、過激なダイエット
○ホルモン分泌のアンバランス
プロスタグランジンの異常分泌を起こさせ、子宮平滑筋が過敏に反応し、収縮することによる月経痛。
○臓器の病変
子宮をはじめとする生殖器およびその周辺臓器に病変が存在することによる月経痛。これらの病変は子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫などがあげられる。これらの病変により、子宮の平滑筋の血管が圧迫され、血液の供給やホルモンの運搬がうまくいかず、月経痛が起こるケースが多い。
月経痛には様々な原因があるため、その原因を見極めて適切な対処法や治療法を講ずる必要がある。もっとも一般的な治療法は非ステロイド系鎮痛消炎剤の内服である。非ステロイド系鎮痛消炎剤はあくまで痛みを一時的に抑える対症療法で、月経痛の原因そのものを治すものではない。消化管からの出血を含め、強い副作用を呈するので注意が必要とされる。対症療法として子宮平滑筋の収縮を一時的に和らげる筋弛緩薬も治療に使われる。月経痛は精神的ストレスの影響が大きいので、治療に精神安定剤あるいは偽薬(乳糖が多い)が使われることもある。それらもストレスを一時的に和らげるだけの対症療法である。経口避妊薬は避妊以外にも、月経困難症(月経に伴う重い症状)の緩和、子宮内膜症の治療などに使われる。
ラクトフェリン1部と馬鈴薯澱粉1部をよく混合し、水を使用することなくスラグマシンで円盤状に圧縮し、円盤を粉砕して16メッシュの篩を通過する顆粒を集めて日本薬局方2号のハードカプセルに200mgずつ充填した。充填したハードカプセルはトウモロコシ穀粒の酸性タンパク質「ゼイン」の含水エタノール溶液を噴霧し、乾燥して腸溶性皮膜とした。偽薬カプセルはラクトフェリンに代えて乳糖1部と馬鈴薯デンプン1部を混合し、腸溶性ラクトフェリンカプセルと同様な方法により腸溶性の偽薬カプセルを調製した。
ボランティアーは協力依頼の学内掲示を見て集まった女子学生である。ボランティアーに対し次のような倫理的配慮を行った。まず研究の主旨について文書を用いて説明し、同意書を手渡して、同意の得られたものを対象者とした。同意後でも同意撤回が可能である旨の文書を手渡し、撤回しても不利益を被ることはないことを説明した。なお、本研究は2004年6月25日、鳥取大学医学部倫理審査を受けて実施した。応募した31名のうちプロトコールに記載された全期間を終了したのは22名であった(脱落率;29%)。
1)開始前の1回の月経について調査紙を記入
2)毎日基礎体温を測定し、次回月経予定を予測
3)摂取日数:月経予定の前3日から摂取を開始し、月経が開始してから4日間継続摂取
4)試験はシングルブラインド方式とし、外見の全く同じ実薬A、偽薬Bを準備した。Aは腸溶性ラクトフェリンカプセル(1錠中ラクトフェリン100mg含有)であり、Bはラクトフェリンの代わりに乳糖を含有する偽薬である。1回に2カプセルを朝、昼、夕の3回、計6カプセルを内服する。
5)ボランティアに対するラクトフェリンの説明:動物実験における鎮痛効果は既に証明されているが、月経痛にどの程度の量で効果が得られるかを調査するためであり、痛みの強い場合は従来使用している鎮痛剤を併用してよい旨を説明した。
6)摂取期間中、被験者は1日1回、身体、心理的側面等の状況を質問紙に継続記録する。
ボランティアーを第1群(A、B、Aのグループ)と第2群(B、A、Bのグループ)に分け、平成16年4月〜8月に3周期の試験を実施した。本報告では実施前、ならびに続く2摂取期間について、対応のある2群として分析した(以下、実薬期と偽薬期と略す)。
自記式質問紙の内容は月経痛とQOLである。月経痛の程度をビジュアルアナログスケール(VAS)とバーバルレイティングスケール (表1)を用いて日常生活への影響(学業・家事・労働の支障、全身症状:頭痛、疲労感、嘔気、嘔吐、下痢、鎮痛剤使用)の程度を数値化した。月経痛は腰痛と下腹部痛に限定した。
データの解析は、統計ソフトSPSS12.0Jを用いて、ノンパラメトリックで処理した。
18〜23歳までの女子学生31名が同意して試験を開始したが、4周期の有効データが得られた22名(継続実施率70.9%)のデータについて統計処理の対象とした。対象者の年齢は21.0±1.0(平均値±標準偏差、以下同様に表記)歳、初経年齢は12.9±1.2歳、月経周期は30.6±2.4日であった。
開始前の状況:実施前において月経痛のために鎮痛剤を服用したボランティアーは15名(68.2%)、服用しない名は7名(31.8%)であった。その他、月経痛による日常生活への影響についての自由記述では、「家にこもる」「行動を起こすのがつらい」「授業の早退、欠席」等の記述があった。月経痛のために鎮痛剤を必要とするボランティアーは、月経期間中の日常生活に支障を来し、QOLを低下させていることは明らかであった。
市販の鎮痛剤の服用との関係:実施前の鎮痛剤内服者は15名(68.2%)、偽薬期は11名(50%)、実薬期では5名(22.7%)であった。いずれの期も実施前に比較し鎮痛剤の使用者を有意に減少させ、併用者は偽薬期と比較すると実薬期に有意に減少していた(P<0.05)。ラクトフェリンにより鎮痛剤の併用が減少したことは、偽薬と比べラクトフェリンが明らかに月経痛に有効であったことを示している。つまり、ラクトフェリンは鎮痛剤を内服しないと治まらない中程度の月経痛を、副作用なしに鎮痛剤不要に改善する効果がある。
VASへの影響:ビジュアル・アナログ・スケール(VAS)は痛みの度合いを表現する唯一の方法である。試験開始前のVAS値は6.76であったが、鎮痛剤を併用せずラクトフェリン単独で17名平均1.93(P<0.01)、鎮痛剤とラクトフェリンを併用すると5名平均で4.36(NS)に変化した。偽薬の場合には、偽薬単独で3.06(11名、P<0.01),鎮痛剤と偽薬単独で3.06(11名、P<0.05)に低下した(図1)。実薬と偽薬の各群をunpaired t-testで比べると、実薬のみの服用期は、実薬+鎮痛剤服用期(P<0.01)、偽薬服用期(P<0.05)および偽薬+鎮痛剤服用期(P<0.01)と比べ有意差がある。鎮痛剤と併用しなくても耐えられるボランティアーを軽度〜中程度の月経痛とをすると、ラクトフェリンは明らかに軽度〜中程度の月経痛を改善すると見なすことができる。
ラクトフェリンは健康補助食品として、数社によって市販されている。これらの効果については、鉄欠乏性貧血の改善、健康の維持と向上、自己免疫力向上等の効果があるとされている。その際、必要とされるラクトフェリン摂取量は、いまだにコンセンサスに達していないが、腸溶性皮膜をもたない通常のラクトフェリン素錠は、1日に10グラム以上の摂取が必要と推定されている。高価なタンパク質製剤として1日に10グラムの摂取が必要とされるとはにわかに信じ難いが、遺伝子組替ヒト・ラクトフェリンを肺の非小細胞癌に標準的な化学療法と併用した際のラクトフェリン投与量が10グラム以上だったので妥当な数値である(非特許引用文献9:Agennix press release; May 17, 2005: Agennix's Oral Talactoferrin Improved Response Rates, Time to Progression and Duration of Response when Combined with First-Line Chemotherapy in Advanced Non-Small Cell Lung Cancer)。腸溶製剤についてはリポソーム化されたラクトフェリンを使った二重盲検試験が発表されているだけである(非特許引用文献10;Ishikado et al.: Biofactors. 2004;21(1-4):69-72)。Ishikadoらによると完璧な腸溶製剤であるリポソーム化されたラクトフェリンは、1日あたり300 mgを1〜4週間経口投与すると、単位容積に含まれる白血球のインターフェロン-α産生能を2〜3倍に増大させる。しかし、腸溶性でない素錠のラクトフェリンはまったく産生能を増大させなかった。従って、今回使用した腸溶性ラクトフェリン・カプセルの摂取量、1日あたり600 mgは有効性を発揮する範囲内であったと考えられる。
Claims (1)
- 月経痛を緩和するために用いられる腸溶性製剤であって、ラクトフェリンを有効成分として含有することを特徴とする腸溶性製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006221365A JP5106809B2 (ja) | 2006-08-15 | 2006-08-15 | ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006221365A JP5106809B2 (ja) | 2006-08-15 | 2006-08-15 | ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008044879A JP2008044879A (ja) | 2008-02-28 |
JP5106809B2 true JP5106809B2 (ja) | 2012-12-26 |
Family
ID=39178962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006221365A Active JP5106809B2 (ja) | 2006-08-15 | 2006-08-15 | ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5106809B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5827783B2 (ja) * | 2009-07-22 | 2015-12-02 | 雪印メグミルク株式会社 | 月経痛緩和剤 |
JP2018043958A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | サンスター株式会社 | 排便改善用組成物 |
MX2017016991A (es) * | 2017-12-20 | 2019-06-21 | Centro De Retina Medica Y Quirurgica S C | Formulación para la administración oral de extracto de arándano azul como auxiliar en la conservación de la salud de la película lagrimal en seres humanos. |
JP2019119711A (ja) * | 2018-01-09 | 2019-07-22 | サンスター株式会社 | 腸内環境改善用経口組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005068060A (ja) * | 2003-08-22 | 2005-03-17 | Nrl Pharma Inc | ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品の製造法 |
AU2005317176A1 (en) * | 2004-12-13 | 2006-06-22 | Neurogen Corporation | Piperazinyl-pyridine analogues |
-
2006
- 2006-08-15 JP JP2006221365A patent/JP5106809B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008044879A (ja) | 2008-02-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2016062283A1 (zh) | 抗发炎用药物在制备抑制癌症的医药组合物中的应用 | |
KR20190039769A (ko) | 호산구성 식도염의 치료 방법 | |
MXPA05002827A (es) | Formulaciones farmaceuticas de modafinil. | |
CA2586975A1 (en) | Method for treatment of movement disorders | |
MX2013001298A (es) | Uso de la composicion de salvia miltiorrhiza en la preparacion de medicamentos para prevencion secundaria de cardiopatia coronaria. | |
JP2010531872A (ja) | アルコール摂取症状を軽減するための方法 | |
AU703242B2 (en) | Film coated tablet of paracetamol and domperidone | |
CN110996987A (zh) | 用于调控应激障碍中激素级联的组合物和方法 | |
CN107427493A (zh) | 用于治疗肝功能受损和/或肾功能受损的受试者的疼痛的Cebranopadol | |
JP5106809B2 (ja) | ラクトフェリンを含有する医薬組成物ならびに加工食品 | |
WO2009102734A1 (en) | Methods for treating vasomotor symptoms using gaba analogs in a gastric retentive dosage form | |
CN105343056A (zh) | 一种治疗或预防肥胖型高血压的口服药物组合物及其用途 | |
EP1707194A1 (en) | Stress relieving composition | |
US20190224208A1 (en) | Pharmaceutical composition for treating premature ejaculation and method for treating premature ejaculation | |
TW200831072A (en) | Non-steroidal anti-inflammatory drugs for cough | |
CN112807321B (zh) | 治疗脑缺血再灌注损伤的组合物及其应用 | |
Billot | 38 years in the life of a patient with a hepato-digestive disorder. Effects of homeopathic dilutions in space and time | |
JP2013079218A (ja) | 更年期障害改善用医薬組成物ならびに飲食物 | |
US20090209503A1 (en) | Colonic delivery therapeutic agents for inflammatory bowel disease | |
CN109195596A (zh) | 组合物及其使用方法 | |
WO2024196957A1 (en) | Method for treating l-dopa-induced dyskinesia using befiradol | |
EP3485894A1 (en) | Combination of officinal plants and their use in the treatment and/or prevention of sleep disorders | |
FR3004649A1 (fr) | Composition comprenant hydroxocobalamine pour son utilisation dans le traitement par voie orale du deficit en vitamine b12 et les maladies associees | |
Mullen et al. | Dreaming, fenfluramine, and vitamin C. | |
CN103476423A (zh) | 用于治疗或预防纤维肌痛或慢性疲劳综合症的含有二胺氧化酶的组合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081211 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20081211 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111011 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120410 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120614 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120925 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5106809 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |