JP2019119711A - 腸内環境改善用経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、腸内フローラ細菌種バランスを改善できる新規で簡便な手段を提供することを課題とする。特に、腸内フローラ細菌種バランスを改善することで、腸内環境改善することを課題とする。【解決手段】ラクトフェリンを含む、腸内環境改善用経口組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、腸内環境改善用経口組成物等に関する。
腸内フローラ(細菌叢)の細菌種のバランスが、健康維持に重要な役割を持つことが明らかとなってきている。たとえば、腸内細菌の多様性が乏しくなると体重が増えやすくなり、肥満のリスクが高まるとの報告がなされている(非特許文献1〜3)。このことから、腸内細菌の多様性を改善することで体重が増加することを防止しうることが示唆されると共に、腸内細菌の多様性は体重が適正な状態にあるかどうかを評価する指標の一つになりうる。一方、腸内フローラは比較的安定した生態系ではあるが、様々な因子の影響を受けて、その構成や活性が変化することがある。腸内フローラに影響を及ぼしうる因子として食事の組成(栄養素や食材などの観点)がある。食事の組成を変化させると腸内フローラも変化するという報告もなされている(非特許文献4)。しかし、食事の組成は非常に複雑で、それらの組成の状態と腸内フローラへの影響との関係は、充分に解明されていない。また、食事は栄養学的な見地からもコントロールする必要が有るため、両者の条件を充分に満足させる方法はいまだ見出されていない。
また、ラクトフェリン(Lactoferrin:LF)は、分子量約8万の鉄結合性蛋白質である。LFは1本鎖のポリペプチドに2本の糖鎖が結合した構造からなり、分子内にFe3+を2個結合することができる。LFはヒトを含む哺乳動物の乳汁、唾液、涙液などの外分泌液、粘液、好中球および消化管粘膜の細胞表面などに存在する。
LFは、腸内環境改善に寄与することが示唆されている。例えば、腸内免疫制御機構を調整する可能性や、ラクトフェリンをペプシンで消化して得られるペプチドがビフィズス菌の増殖を促進する可能性が示唆されている。
「腸内細菌叢と肥満症」日本内科学会誌104:703-709 Nature 444:1027−1031 Nature 500:541−546 Nature 500:585−588
本発明は、腸内フローラの多様性を向上させ、BMIを適正な状態に改善できる新規で簡便な手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、リポソーム化したラクトフェリンを経口摂取することにより、腸内フローラの多様性を向上させ、BMIを改善できる可能性を見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
ラクトフェリンを含有し、少なくとも過半量がリポソームに内包されている状態で存在する、腸内環境改善用の経口組成物。
項2.
組成物に含有するラクトフェリンがリポソームに内包されている状態で存在する、項1に記載の腸内環境改善用の経口組成物。
項3.
ラクトフェリンを内包するリポソームを有効成分として含有する項1または項2のいずれか1項に記載の、腸内環境改善用の経口組成物。
項4.
医薬品組成物又は食品組成物である、項1〜3のいずれか1項に記載の、腸内環境改善用の経口組成物。
本発明に包含される腸内環境改善用経口組成物は、経口摂取することにより、分泌型のIgAを増加させ、腸内フローラの多様性を向上させ、腸内フローラの多様性や構成と関連性がある便状態(特に硬さ)の改善させることもできる。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本発明に包含される腸内環境改善用経口組成物は、リポソームに内包されているラクトフェリンを含む。
ラクトフェリンは、分子量が約8万の鉄結合性の糖蛋白質であり、哺乳動物の乳汁、唾液、涙、精液、種々の粘液等に存在する。ヒトにおいても母乳、特に出産後数日の間に多く分泌される初乳に多く存在し、新生児の免疫獲得など健康維持に関して重要な役割を果たしていると考えられている。また、ラクトフェリンは、新生児以降でも体内にも広く分布している。例えば、唾液、涙、十二指腸などの分泌液中に含まれており、新生児以外にとっても重要な役割を担っていると考えられている。本発明に用いるラクトフェリンは、コスト面から牛乳から抽出されたものが好適に用いられるが、由来は特に限定されない。また、アポラクトフェリン、天然型ラクトフェリンまたはホロラクトフェリンであってもよい。具体的には、哺乳類(例えば、ヒト、ウシ、水牛、ウマ、ヤギ、ヒツジ等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、これらの処理物である脱脂乳、ホエー等からイオン交換クロマトグラフィー等の常法により分離したラクトフェリン、ラクトフェリンから常法により鉄を除去したアポラクトフェリン、アポラクトフェリンに鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属を一部キレートさせた金属結合ラクトフェリン、または前記金属を完全にキレートさせた金属飽和ラクトフェリン、等を使用することができる。 特にウシ由来又はヒト由来のラクトフェリンが好ましい。市販品としては、例えば、森永ラクトフェリンMLF−EX(森永乳業株式会社製)、「Bioferrin」(Glanbia Nutritionals社製)、「Lactoferrin」(Fonterra社製)を好ましく用いることができる。
本発明に用いるラクトフェリンは、少なくともその過半量がリポソームに内包されていることを必要とする。特に、組成物中においてリポソームに内包されているラクトフェリンの含有量を高めることがより好ましく、組成物中に含有するラクトフェリンのほぼすべてのラクトフェリンがリポソームに内包されていることが最も好ましい。加えて、本発明は「ラクトフェリンを内包するリポソーム」を有効成分として含む、腸内環境改善用の経口組成物も開示する。
リポソームは脂質小胞体であり、リン脂質を主体とした脂質を十分量の水で水和することにより形成される。リポソームは水溶性薬物をその内水層に、脂溶性薬物を脂質二重層へ取り込むことができ、薬物のターゲティング、徐放化、副作用の軽減などを目的にDDS製剤の薬物運搬体としてその応用が試みられている。また、リポソームは生体膜の成分から構成されているため安全性が高いことも知られている。
一般的に、リポソームは脂質二重層の数に基づいて分類され、多重膜リポソーム(MLV)と一枚膜リポソームに分類される。一枚膜リポソームは、そのサイズに応じて、更にSUV(small unilamella vesicle)、LUV(large unilamella vesicle)、GUV(giant unilamella vesicle)などに分類される。本発明のリポソームは、これらのいずれであってもよい。好ましいのはMLVである。本発明では、リポソームの大きさは、通常30〜1000nm、好ましくは30〜600nm、より好ましくは50〜200nmである。
本発明でいう「包含されている」とは、主として脂質二重膜で形成された脂質小胞体(リポソーム)の構造体の中に包含される状態を意味する。脂質二重膜であるリポソーム膜で囲まれる空間に封入されている状態で存在することが好ましいが、リポソーム膜の構成成分とともに存在していてもよく、多重膜リポソームを構成する多重膜の間に存在していてもよく、リポソームを構成する脂質二重膜のうちの最も外側に位置する膜の表面に付着又は結合する形態で存在していても良く、それらの全てもしくは一部に存在しても良い。「リポソームに包含されているラクトフェリン」は、本願において、「リポソーム化したラクトフェリン」、「ラクトフェリン内包リポソーム」、「ラクトフェリン含有リポソーム」、や単に「リポソーム化ラクトフェリン」と表現することがある。
ラクトフェリンを含んだリポソームは、従来の方法により製造することができる。例えば、所望量のレシチン及び必要に応じて所望量のステロールを、例えばエタノールなどの適当な有機溶媒で可溶化し、減圧下に溶媒を除去し、膜脂質を作成後、これにラクトフェリンや任意の生理活性物質を含む溶液を添加して、例えば、1000〜3000rpm程度で2〜5分間程度撹拌して、リポソーム懸濁液を調製することにより、ラクトフェリンを封入したリポソームを得ることができる。
また、この方法とは別に、所望量のレシチン及び必要に応じて所望量ステロールを少量のエタノールに溶解後、水溶液又は緩衝液に分散して予備乳化を行った後、高圧で分散させて脂質二重層を形成させてリポソーム懸濁液を調製することによってもラクトフェリンを封入したリポソームを得ることができる。
リポソーム分散液の調製方法は前記の方法には制限されず、公知の方法により調製することができる。例えば、下記の(1)〜(4)の方法などが挙げられる。
(1) リン脂質(レシチン)、ラクトフェリン、及びその他の成分を混合した後、pH調製剤、多価アルコール、糖類などを含む水溶液で水和し、リポソームを形成させる方法、
(2) リン脂質(レシチン)、ラクトフェリン、及びその他の成分をアルコール又は多価アルコールなどに溶解し、pH調整剤、多価アルコール、糖類などを含む水溶液で水和し、リポソームを形成させる方法、
(3) 超音波、フレンチプレスやホモジナイザーなどを用いて、リン脂質(レシチン)、ラクトフェリン、その他の成分を水中で複合体化させ、リポソームを形成させる方法、
(4) エタノールにリン脂質(レシチン)、ラクトフェリン、その他の成分を混合溶解し、当該エタノール溶液を塩化カリウム水溶液に添加した後にエタノールを除去し、リポソームを形成させる方法。
得られた懸濁液に対しては、必要に応じて、リポソーム外液中のラクトフェリンを除去する操作、例えば懸濁液を濾過後,得られた濾液を透析する操作を行ってもよい。
リポソームの懸濁液は、液状のままでも使用できるが、凍結乾燥した乾燥物として使用することもできる。リポソームは、その乾燥物を錠剤やカプセル化したものをはじめ、様々な経口摂取に適した形態とすることが可能である。
ラクトフェリンを含んだリポソーム中におけるラクトフェリンの含有量は好ましくは10〜99重量%程度、より好ましくは20〜95重量%程度、さらに好ましくは30〜90重量%程度である。
レシチンとしては、例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン、ナタネレシチン、コーンレシチン、ひまわりレシチン、ピーナッツレシチンなどを1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができるがこれらに限定されない。本発明では、これらの水素添加物を用いることもできる。レシチンはホスファチジルコリン又は1,2−ジアシルグリセロール 3−ホスホコリンとも称され、一般的に、グリセロールの1位及び2位に脂肪酸が結合している。本発明では、上記例示のレシチンに加えて、1位及び2位の両方又は片方に炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が結合しているレシチンを使用することが好ましく、1位に炭素数12〜24の飽和脂肪酸、2位に炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が結合しているレシチンを使用することが特に好ましい。ここで、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸は直鎖状及び分枝状のいずれでもよい。好ましい不飽和脂肪酸としては、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を使用できる。特に2位にオレイン酸、リノール酸が多く結合したレシチンが好ましい。具体的には、卵黄レシチン、大豆レシチンが好ましい。
ステロールとしては、コレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロールなどの動物由来のステロール;β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール、エルゴスタディエノール、シトステロール、ブラシカステロールなどの植物由来のステロール(フィトステロール);チモステロール、エルゴステロールなどの微生物由来のステロール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、コレステロール又はフィトステロールが好ましく用いられる。
リポソームにおけるレシチンとステロールのモル比は、55:45〜95:5程度が好ましく、60:40〜90:10程度がより好ましく、75:25〜85:15程度が最も好ましい。モル比がこれらの範囲にあるとリポソーム膜の安定性が向上する。
ラクトフェリンを含んだリポソームにおけるレシチンの含有量は、好ましくは1〜80重量%程度、より好ましくは3〜65重量%程度、さらに好ましくは5〜50重量%程度である。
ラクトフェリンを含んだリポソームにおけるステロールの含有量は、好ましくは0〜40重量%程度、より好ましくは0.1〜30重量%程度、さらに好ましくは1〜20重量%程度である。
レシチン又はステロールの含有量は既知の方法で測定できる。例えば、レシチンの含有量はFiske−Subbarow法など、ステロールの含有量はHPLC、比色法などによって定量できる。
さらに、ラクトフェリンを含んだリポソームの表面をコーティングすることができ、このコーティングしたリポソーム化ラクトフェリンも有効成分として利用できる。好ましいコーティングとしては、硫酸基を含有する多糖類によるコーティングがあげられる。硫酸基含有多糖類としては、フコイダン、カラギーナン、寒天、ヘパリンなどが挙げられる。また、該硫酸基含有多糖類としては、硫酸基を含まない多糖を硫酸化したものも包含され、例えば、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸などであってもよい。
硫酸基含有多糖類としては、分子量が5000〜300000程度のものが好ましく用いられる。これらの硫酸基含有多糖類の中でもフコイダン及びカラギーナンを好ましく用いることができ、特にフコイダンが好ましい。
硫酸基含有多糖類の使用量は、例えば、リポソームに含有されるレシチン100重量部に対して、10〜500重量部程度が好ましく、20〜200重量部程度がより好ましい。
コーティングは、例えば、ラクトフェリンを含んだリポソームを含む懸濁液に、硫酸基含有多糖類を加え、1000〜3000rpm程度で2〜5分間程度撹拌することにより行うことができる。なお、1つのコーティング膜の中に複数のリポソームが含まれていてもよい。
リポソームが硫酸基含有多糖類でコーティングされていることは、例えば、リポソーム溶液のゼータ電位が、硫酸基含有多糖類を添加して撹拌したさいに変化することにより確認できる。
ラクトフェリンを含んだリポソームにはレシチン、フィトステロール以外にも必要に応じて、トコフェロール、アスコルビン酸などの抗酸化剤、乳酸、クエン酸などの有機酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミンなどの脂質、キトサン、フコイダン、ヒアルロン酸などの天然高分子、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマーなどの合成高分子、トレハロース、ラクチュロース、マルチトールなどの糖質、グリセリンなどのポリオール等を加えることができる。
当該腸内環境改善用経口組成物(及び含有されるリポソーム化ラクトフェリン)は、経口摂取することにより、腸内フローラの多様性を向上することができるが、BMIが適正な人における腸内フローラの多様性には悪影響を与えない。
また、当該腸内環境改善用経口組成物(及び含有されるリポソーム化ラクトフェリン)は、経口摂取することにより、分泌型IgA(SIgA)の分泌を増加させる。
分泌型IgA(SIgA:分泌型免疫グロブリンA)は外分泌液中のIgAであり、腸管粘膜や唾液腺などの粘膜上皮や腺上皮の局所で生合成され、分泌される。腸管粘膜上皮から分泌される腸管分泌型IgAの作用の一つとして腸管フローラの多様性を高める効果があることが細菌の研究で明らかにされつつある。
さらに、当該腸内環境改善用経口組成物(及び含有されるリポソーム化ラクトフェリン)は、経口摂取することにより、糞便の状態(特に、硬さや形状)を改善できる。
細菌フローラの多様性は、糞便の性状に大きな影響を与える要因の一つとして知られている。多様性が乏しくなると、糞便は硬くなり、形状もコロコロとした小さな形状に変化する傾向にある。逆に、細菌フローラの多様性を向上させることにより、硬く、コロコロとした糞便性状が、軟化し排便しやすい状態にすることができる。
加えて、当該腸内環境改善用経口組成物(及び含有されるリポソーム化ラクトフェリン)は、経口摂取することにより、腸内腐敗を抑制する腸内フローラの状態に改善する。腸内で発生するフェノール系化合物やインドール系化合物は腐敗醗酵産物とされ、フェノールはその代表的な化合物の一つである。フェノールは、腸内腐敗の度合いを評価する指標の一つとして知られている。腐敗醗酵産物は、発がん性の要因の一つであると考えられ、肌荒れの要因としても知られていることから、これらの発生を抑制させることは重要といえる。腸内で発生する腐敗産物は、ウェルシュ菌などの特定の細菌により資化物質であることから、腸内フローラの状態が変化させることで腐敗醗酵産物の産生を抑制することができる。腸内フローラの多様性を向上させることで腸内フローラの状態を変化させ、腐敗醗酵産物の腸内発生を抑制することが期待できる。
当該腸内環境改善用経口組成物におけるラクトフェリンの含有量は本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限されない。例えば、1〜10000mg、5〜5000mg、10〜2000mg、又は20〜1000mg程度が例示できる。また、含有割合も特に制限はされず、例えば0.1〜100重量%、1〜99重量%、又は10〜80重量%程度、が例示できる。またさらに、当該腸内環境改善用経口組成物を摂取する場合のラクトフェリンの摂取量も特に制限はされず、例えば成人一日あたり10〜10000mg、20〜5000mg、30〜2000mg、又は50〜1000mg程度が例示できる。
また、当該腸内環境改善用経口組成物は、1回又は複数回(好ましくは2〜3回)に分けて摂取することができる。適用対象はヒトが好ましいが、ヒト以外の非ヒト哺乳動物であってもよい。適用対象が非ヒト哺乳動物(例えばペット又は家畜、より具体的には、イヌ、ネコ、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ等)の場合も、当該ヒトの投与又は摂取量を参考として適宜設定することができる。
当該腸内環境改善用経口組成物は、医薬組成物、又は食品組成物(飲料組成物及び食品添加物組成物を包含する)として好ましく用いることができる。
医薬組成物として用いる場合、他の成分としては、薬学的に許容される基剤、担体、及び/又は添加剤(例えば溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)等が例示できる。また、当該医薬組成物の形態も特に制限されず、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等が例示できる。これらの形態の医薬製剤は、必要に応じて当該他の成分と、ラクトフェリンを組み合わせて常法により調製することができる。
食品組成物として用いる場合、他の成分としては、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品として利用され得る成分・材料が例示できる。また、当該食品組成物の形態も特に制限されず、例えば加工食品、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示商品等)、サプリメント、病者向け食品(病院食、病人食又は介護食等)等が例示できる。これらは常法により調製することができる。特に、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示商品等)、又はサプリメントとして、食品組成物を調製する場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えば顆粒、カプセル、錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(飲料パウダー、ドリンク剤等)等の形態で調製することが好ましく、なかでもカプセル、タブレット、錠剤、飲料パウダー、ドリンク剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。なお、食品組成物の中でも食品添加物組成物として用いる場合には、その形態として、例えば液状、粉末状、フレーク状、顆粒状、ペースト状のものが挙げられる。
特に制限はされないが、当該腸内環境改善用経口組成物の上記その他の成分としては、デキストリン、セルロース、レシチン(特に大豆由来)、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム等が特に好ましく例示される。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
リポソーム化ラクトフェリンの摂取が腸内フローラの多様性に与える影響
試験組成物として、森永ラクトフェリンMLF−EX(森永乳業株式会社製)を用いた。 MLF−EXは、既存の天然食品添加物であるウシ由来LFを90%以上含む食品用原料である。
まずMLF−EXをリポソームに内包させ、次に当該ラクトフェリン内包リポソームに賦形剤等を配合して錠剤を調製した。具体的には、大豆レシチンをエタノールに溶解させ、ラクトフェリン水溶液に分散して予備乳化を行った後、140MPa程度の高圧で分散させてラクトフェリンを封入したリポソーム懸濁液を調製し、これにデキストリンを混和し凍結乾燥して乾燥粉末を得た。当該粉末にセルロース、微粒化二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムなどの腑形剤を配合して打錠して、ラクトフェリン内包リポソーム含有錠剤(300mg)を得た。なお、当該錠剤6錠あたり、LFとして270mgを含むように原材料量を調整した(すなわち、1錠300mgあたりラクトフェリン45mgを含有する)。また、プラセボとして、MLF−EXをデキストリンで置き換えた錠剤も同様に製造した。これらの錠剤を一日6錠づつ、4週間被験者に摂取させた。また試験開始0、2、4週後を検査日として、各検査日の前後3日間以内において、採便キットを用いて各被験者に自身の糞便検体約1gを採取させ、凍結した状態で回収した。そして、当該糞便検体を用いて、腸内フローラの細菌種の解析、及び糞便中のフェノールの濃度測定を行った。腸内フローラの細菌種の解析は、T−RFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism Analysis)法を用いて行った。フェノール濃度測定はGC−MSで行った。これらの解析及び測定は、いずれも株式会社テクノスルガ・ラボ(静岡県静岡市)に委託した。
なお、当該試験の被験者は、BMIが22を超える29名(試験群が13名、プラセボ群が16名)であった。当該被験者は、2週間の事前調査において、排便回数が1週間に3〜5回程度であった者を選出した。また、当該試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較法で実施した。
解析に用いたデータは、腸内フローラの多様性指数、糞便中のフェノール含有量、唾液中の分泌型IgA量及び糞便の状態の4項目であり、多様性指数は4W目のデータ、そのほかは、0週目と4週目のデータを比較したときの変化量(4W−0W)のデータを用いた。結果を表1に示す。
Figure 2019119711
表1に示したとおり、ラクトフェリンリポソームを摂取することで、多様性指数が向上し、フェノール産生量を抑制し、糞便の硬さを軟化させ、分泌型IgAの産生量を増加させることがわかった。

Claims (4)

  1. ラクトフェリンを含有し、少なくとも過半量がリポソームに内包されている状態で存在する、腸内環境改善用の経口組成物。
  2. 組成物に含有するラクトフェリンがリポソームに内包されている状態で存在する、項1に記載の腸内環境改善用の経口組成物。
  3. ラクトフェリンを内包するリポソームを有効成分として含有する項1または項2のいずれか1項に記載の、腸内環境改善用の経口組成物。
  4. 医薬品組成物又は食品組成物である、項1〜3のいずれか1項に記載の、腸内環境改善用の経口組成物。

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