JP2007112793A - スフィンゴミエリン含有医薬、飲食品または飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スフィンゴミエリンの新規の医薬用途を見出し、種々の疾患の予防剤または治療剤並びにこれらの剤を配合した飲食品及び飼料を提供することを課題とする。
【解決手段】 スフィンゴミエリンを有効成分として含有し、下記のいずれかの剤である医薬:1)シアロムチンの分泌促進剤、2)悪酔い予防剤、3)抗アレルギー剤、4)抗酸化剤、5)感染防御剤、6)養毛剤、7)脱髄疾患治療剤、8)抗色素沈着剤または9)抗炎症剤。前記剤を配合したことを特徴とする飲食品または飼料。スフィンゴミエリンは乳由来であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スフィンゴミエリンを含有し、新規な用途を有する医薬に関する。さらに詳しく言うと、本発明は、スフィンゴミエリンを含有し、シアロムチンの分泌促進剤、悪酔い予防剤、抗アレルギー剤、抗酸化剤、感染防御剤、養毛剤、脱髄疾患治療剤、抗色素沈着剤、または抗炎症剤である医薬並びにこれらの剤を配合した飲食品または飼料に関する。
スフィンゴミエリンは、リン脂質の一種で、乳中に多く存在しており、牛乳中においては、リン脂質の約30%を占めている。スフィンゴミエリンは、スフィンゴシンと脂肪酸からなるセラミド骨格にホスホコリンが結合した構造を有しており、脳や神経組織にもに存在することが知られている。また、卵黄等の食品中にも僅かに含まれることが報告されている。
スフィンゴミエリンは、生体内で情報伝達系を介して細胞の増殖や分化に影響を及ぼしていることが知られている。さらに、老化に伴う脂質の消化吸収機能改善作用を有することが知られているが(特許文献1)、その他の作用についてはあまり知られていない。そのため、スフィンゴミエリンを有効成分とする医薬、飲食品や飼料の開発が期待されている。
特開平11−269074号公報
本発明は、スフィンゴミエリンの新規の医薬用途を見出し、種々の疾患の予防剤または治療剤として有効な医薬並びにこれらの剤を配合した飲食品及び飼料を提供することを課題とする。
本発明者らは、課題を解決するために、スフィンゴミエリンの有する薬理的効果について種々調べたところ、スフィンゴミエリンが新たな用途として、シアロムチンの分泌促進効果、悪酔い予防効果、抗アレルギー効果、抗酸化効果、感染防御効果、養毛効果、脱髄疾患治療効果、抗色素沈着効果または抗炎症効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、スフィンゴミエリンを有効成分として含有し、下記のいずれかの剤である医薬:1)シアロムチンの分泌促進剤、2)悪酔い予防剤、3)抗アレルギー剤、4)抗酸化剤、5)感染防御剤、6)養毛剤、7)脱髄疾患治療剤、8)抗色素沈着剤または9)抗炎症剤である。
本発明はまた、スフィンゴミエリンが乳由来であることを特徴とする前記医薬である。
本発明はまた、前記剤を配合したことを特徴とする飲食品または飼料である。
本発明によれば、スフィンゴミエリンを、1)シアロムチンの分泌促進剤、2)悪酔い予防剤、3)抗アレルギー剤、4)抗酸化剤、5)感染防御剤、6)養毛剤、7)脱髄疾患治療剤、8)抗色素沈着剤または9)抗炎症剤として用いることができる。
本発明において用いることができるスフィンゴミエリンは、特に限定されず、化学的に合成されたものや、天然由来のもの、例えば、牛乳やヤギ乳等の乳由来のものの他、鶏卵等の卵黄由来のものが挙げられるが、乳由来のものがより好ましい。乳の中でも牛乳由来のスフィンゴミエリン原料は、スフィンゴミエリンの含量が25%以上と高濃度であり、安価なものも上市されているので、特に好ましい。
なお、スフィンゴミエリンは、精製して純度を高めたものを用いてもよく、スフィンゴミエリンを含有するリン脂質の形態で使用してもよい。
スフィンゴミエリンやスフィンゴミエリン含有リン脂質については、例えば、乳やホエータンパク質濃縮物(WPC)等の乳製品をエーテルやアセトンで抽出する方法(特開平3−47192号公報)により得られる乳由来のスフィンゴミエリン含有リン脂質(リン脂質中スフィンゴミエリン約28重量%含有)を使用することができる。また、バターを加温融解することにより得られるバターカードやバターセーラムを含む水性画分を、スフィンゴミエリン含有リン脂質(リン脂質中スフィンゴミエリン約9重量%含有)として使用することができる。さらに、バターミルクやバターセーラム中に含まれる乳脂肪球皮膜画分を、スフィンゴミエリン含有リン脂質(リン脂質中スフィンゴミエリン約9重量%含有)として使用することができる。そして、これらのスフィンゴミエリン含有リン脂質を透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたスフィンゴミエリンを使用してもよい。
本発明の医薬は、種々の剤型を有する製剤として用いることができ、剤型は特に限定されない。したがって、スフィンゴミエリン及び/またはスフィンゴミエリンを含有するリン脂質を、錠剤、カプセル剤、粉剤、液剤等種々の剤型の製剤に配合することができる。
また、本発明の飲食品の種類も特に限定されず、牛乳、加工乳、乳飲料、ヨーグルト、清涼飲料水、コーヒー飲料、ジュース、ゼリー、ウエハース、ビスケット、パン、麺、ソーセージ等の飲食品や栄養食、さらには、栄養補給用組成物に配合することができる。また、本発明の飼料の種類も特に限定されるものではない。
なお、本発明の医薬、飲食品及び飼料は、スフィンゴミエリンを含有すること以外は、常法により製造することができる。
本発明において、各薬理的効果を発揮させるためには、用途によって異なるが、スフィンゴミエリンとして、1日当たり一般的に0.1〜100mg程度摂取できるように、医薬、飲食品や飼料への配合量等を調整すればよい。
以下、実施例および試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。実施例および試験例における「%」は断らない限り「重量%」を意味するものとする。
(実施例1)
ホエータンパク質濃縮物(WPC)の10%水溶液に、プロテアーゼを作用させて得られた反応液をクロロホルム−メタノール(2:1)溶液で抽出した後、濃縮し、さらにアセトン抽出して複合脂質画分を得た。次に、この複合脂質画分をフロリジルカラムクロマトグラフィーにて、クロロホルム−メタノール溶液で段階抽出してリン脂質画分を得た。このリン脂質画分をシリカゲルクロマトグラフィーにて、クロロホルム−メタノール溶液で段階抽出して得られた画分を凍結乾燥してスフィンゴミエリン原料を得た。このスフィンゴミエリン原料について、薄層クロマトグラフィーで処理した後、ディットマー試薬で発色し、デンシトメトリー法でスフィンゴミエリン含量を測定したところ、95.2%であった。このスフィンゴミエリン原料はそのまま本発明の剤として利用可能である。
(試験例1)
スフィンゴミエリンのシアロムチン分泌促進作用を、特開2001−206848公報の「試験例1」の方法を用いて、試験を行った。
すなわち、対照群(Control)にはAIN−93Gの標準食を、スフィンゴミエリン投与群(SPM)には前記標準食のショ糖の一部を本明細書の実施例1記載のスフィンゴミエリン原料で1%置換した飼料を、さらに、シアリルラクトース投与群(SL)には、標準食のショ糖の一部をシアリルラクトースで1%置換した飼料をそれぞれ投与した。
7週齢のSD系雄ラット(日本チャールズリバー社製)を、湿度60%、室温24℃、light−darkコントロール12時間の条件下で飼育した。全てのラットは標準食で1週間予備飼育した後、1群12匹からなる3群に分け、それぞれの実験食を自由に摂取させて、1週間飼育した。ラットの唾液は、実験食投与後7日目に採取し、唾液中のシアロムチン含量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。各実験群の唾液中のシアロムチン含量の測定結果を表1に示す。表1に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリン投与群は、対照群と比較して、シアロムチン含量が著しく増加しており、シアリルラクトース投与群と比較しても増加していた。
Figure 2007112793
(試験例2)
スフィンゴミエリンのシアロムチン分泌促進作用を、特開2001−206848公報の「試験例2」のコレラトキシン結合阻止活性を試験する方法を用いて、試験を行った。
本明細書の試験例1の各実験群の唾液を用いて、コレラトキシンの結合阻止活性を調べた。0.1%ガングリオシドGM1含有エタノール溶液(w/v)200μlを96穴ELISA試験用プレートに添加した後、風乾してガングリオシドGM1を吸着させた。各実験群の唾液は、1%牛血清アルブミン(BSA)含有PBSで10倍に希釈した後、ビオチン結合コレラトキシンを添加して1時間反応させた。反応液100μlを上述のELISA試験用プレートに添加して30分間放置後、上清を除去した。ELISA試験用プレートを、0.05%Tween20を含むPBSで数回洗浄し、ビオチン結合性のβガラクトシダーゼを添加して一定時間放置後、上清を除去した。また、ELISA試験用プレートを、0.05%Tween20を含むPBSで数回洗浄し、4−メチルウンベリフェリルガラクトースを添加して30分間反応させた後、生成した4−メチルウンベリフェリロンを蛍光光度計(励起波長360nm、測定波長460nm)で測定した。そして、次式より阻止率を算出した。
阻止率(%)={1−(A/B)}×100
A:スフィンゴミエリン投与群(SPM)およびシアリルラクトース投与群(SL)の蛍光強度
B:対照群(Control)の蛍光強度
結果を表2に示す。表2の結果から明らかなように、スフィンゴミエリン投与群のコレラトキシンの結合阻止活性は、対照群と比較して非常に高いことがわかった。さらに、スフィンゴミエリン投与群のコレラトキシンの結合阻止活性は、シアリルラクトース投与群と比較しても高いことがわかった。したがって、スフィンゴミエリンを経口摂取することにより唾液中のシアロムチン含量が増加し、その結果として毒素中和能も増強されることがわかった。
Figure 2007112793
なお、唾液中のシアロムチン含量の測定法は次の通りとした。
(1)唾液の採取
2時間以上絶食させたラットに0.2mlのネンブタール液を筋肉注射し、麻酔後、唾液分泌促進剤である塩酸ピロカルビン溶液を筋肉注射した。3分後からラット舌下に分泌された唾液をオートピペットによりマイクロチューブに採取し、この操作を正確に9分間行った。唾液採取終了後、唾液分泌抑制剤である0.1%硫酸アトロピンを0.1ml注射し唾液採取を終了させた。
(2)シアロムチン画分の回収
採取した唾液を速やかに0℃以下に冷蔵した後、4℃に冷却した遠心分離機で処理(11,000rpm、60分間)して上清を得た。上清を分子量分画100,000のマイクロ透析チューブにより生理的食塩水で3日間透析し、内容液を唾液中のシアロムチン画分として回収した。
(3)シアロムチン含量の定量
シアロムチン画分に含まれるシアロムチン含量は、シアル酸蛍光標識キット(Takara社製)で定量した。シアロムチン画分の一定量を試験管に採取し、ロータリーエバポレーターで減圧乾固した後、2N−酢酸を加えて、80℃、3時間加水分解した。遊離したN−アセチルシアル酸やO−アセチル化シアル酸については、蛍光ラベル化剤であるDMB試薬を加え、55℃で2.5時間反応させた後、高速液体クロマトグラフィーで定量した。
(試験例3)
スフィンゴミエリンの悪酔い予防効果を、特開2001−199880公報の「実施例1」の方法により、試験を行った。
Wistar系雄ラットを1週間の予備飼育後、体重110〜120gで使用した。実験前一晩絶食し、実験中は絶食、絶水とした。ラットをアルコール単独投与群(対照群)、スフィンゴミエリン投与群に分け、1群5匹で行った。
アルコール単独投与群(対照群)には、40(v/v)%エチルアルコール水溶液10ml/kgを、スフィンゴミエリン投与群には40(v/v)%エチルアルコール水溶液10ml/kgと本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料2mg/kgを経口投与した。投与後、酔い症状が回復するまで観察を行った。
その結果、アルコール単独投与群(対照群)は、酔い症状が回復するまで5時間かかり、投与したときの症状が腹臥状態やよろめき歩行、握力低下がみられたのに対し、スフィンゴミエリン投与群は、1時間以内に酔い症状が回復し、投与したときの症状が軽いよろめき歩行程度であった。このことから、スフィンゴミエリンは、飲酒時の悪酔い症状の防止効果が顕著であることが確認された。
(試験例4:密着結合形成試験)
スフィンゴミエリンの抗アレルギー作用を、特開平8−109133号公報の「試験例1」の方法により試験を行った。
培地中のガングリオシドGM3(シグマ社製)または本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料の濃度がそれぞれ2μg/mlとなるように、無血清培地Cosmedium001(コスモバイオ社製)に、ガングリオシドGM3またはスフィンゴミエリンをそれぞれ添加した。24穴マイクロタイタープレートに、Millicell−CM(ミリポア社製;孔径0.4μm;0.6cm)を設置し、膜表面をコラーゲン(高研社製)で処理した後、ヒト結腸腺癌細胞株Caco−2を培養し、10%FCS添加培地(10%FCS)及び何も添加しないCosmedium001(無添加)で培養した場合と、下記の点について比較した。即ち、電気抵抗測定器Millicell−ERS(ミリポア社製)を用いて、Millicell−CM内外の電気抵抗(R)値を培養1、4及び7日目に測定した。結果を図1に示す。図1に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリン添加培地(SPM)では、ガングリオシドGM3添加培地(GM3)や10%FCS添加培地と同様に、R値が上昇した。このことから、スフィンゴミエリン及びGM3添加培地では、Caco−2の密着結合が進み、細胞間の間隙が減少したと考えられる。これに対して、無添加培地では、R値が上昇しなかった。従って、スフィンゴミエリンには、腸管粘膜細胞を密着結合させる効果があり、体内へのアレルギー物質の進入を防ぐことによる抗アレルギー作用があることがわかった。
(試験例5:分泌型IgA産生促進試験)
スフィンゴミエリンの抗アレルギー作用を、特開平8−109133号公報の「試験例2」の方法により試験を行った。
無菌的に採取したヒト母乳5mlを、150mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液(PBS;Phosphate buffered saline、pH7.2)で2倍に希釈した後、分離液〔33.4%Conray400(第一製薬社製)と9%Ficoll(ファルマシア社製)とを5:12で混合した溶液〕5mlの入った試験管に重層した。400×Gで30分間遠心分離した後、リンパ球の集まっている中間層を、パスツールピペットで回収した。リンパ球を10mlのPBSに分散して洗浄した後、150×Gで10分間遠心分離した。この洗浄操作を3回繰り返した後、インシュリン(10μg/ml)及びトランスフェリン(5μg/ml)を含むRPMI−1640培地12mlを添加し、3mlずつシャーレ3枚(A;B;C)に分注した。シャーレAには、ウシ胎児血清(FCS)を0.3ml添加し、シャーレBには、本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料を3μg添加し、シャーレCには何も添加しなかった。
7日後、培養液中のIgA含量は、シャーレAで3.89μg/ml、シャーレBで3.11μg/ml、シャーレCで0.1μg/ml未満であった。シャーレAとBでは、IgAの生産量が高かったが、シャーレCでは、IgAがほとんど産生されなかった。この結果より、スフィンゴミエリンには、リンパ球のIgA産生能を上昇させる効果があり、抗アレルギー作用があることがわかった。
(試験例6:アレルゲン侵入阻止効果試験)
スフィンゴミエリンの抗アレルギー作用を、特開平8−109133号公報の「試験例3」の方法により試験を行った。
乳児期のWistar系ラット(14日齢、体重20g前後、8匹、日本チャールズリバー社)を、対照群とスフィンゴミエリン投与群(SPM投与群)とに分け、どちらもラット乳に近似させた組成の人工乳で飼育した。SPM投与群には、14〜20日目に、本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料から調製したスフィンゴミエリン溶液(1mg/ml)を、マイクロピペットを使用して50μlずつ毎日経口投与した。21日目には、β−Lg液(10mg/ml)を100μl経口投与し、1時間後と2週間後に血液を採取した。一方、β−Lg溶液とフロインド完全アジュバンドを混合して乳化させ、3カ月齢のウサギ(白色和種、雄、北山ラベス社製)の皮下3ヵ所(両背側部及び臀部)に注射して、抗β−Lg血清を得た。この抗血清を一次抗体とし、西洋ワサビパーオキシターゼ(PO)を標識した二次抗体とのサンドイッチELISA法で、1時間後の血液を使って、血中のβ−Lg量を測定した。また、2週間後の血液中の抗β−LgIgEは、β−LgとPO標識した抗ラットIgE抗体(ノルディク社製)を使って、ELISA法で測定した。結果を下記表3に示す。表3に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリンを体重1kg当り0.1mg/日以上投与した群は、対照群に比較して、消化管におけるβ−Lgの粘膜透過性の著しい低下が認められ、IgE生産が抑制されることから、スフィンゴミエリンに抗アレルギー作用のあることがわかった。
Figure 2007112793
(試験例7)
スフィンゴミエリンの抗酸化作用について、特開平11−209756号公報の「試験例1」の方法に準じて試験を行った。
スフィンゴミエリンの抗酸化活性について、大澤らの方法(J.Agric.Food Chem.,vol.35,pp.809−812,1987)により測定した。すなわち、ウサギ保存血液に等量の等張液(10mMリン酸緩衝液/152mM塩化ナトリウム、pH7.4)を混和し、4℃、1,500×g(3,500rpm)、20分間遠心分離した。この操作を3回繰り返して洗浄した血球に等量の低張液(10mMリン酸緩衝液、pH7.4)を混和し、4℃、20,000×g(11,000rpm)、40分間遠心分離した。そして、この操作を4回繰り返して得られた緩い沈澱部分(赤血球膜ゴースト)を用いて抗酸化活性を調べた。本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料を用いて、スフィンゴミエリンを各初発濃度(0mM,0.01mM,0.1mM,1mM,10mM)となるよう調製した後、赤血球膜ゴーストを混和し、さらに酸化剤を添加し酸化反応を行った。次いで、TBA反応を行った後、532nmで吸光度を測定して酸化生成物を定量した。そして、抗酸化活性は、スフィンゴミエリン無添加の場合の吸光度を100%とし、各スフィンゴミエリンを添加した場合の吸光度から算出した。なお、吸光度が低い程、赤血球膜ゴーストの酸化が抑制され、抗酸化活性が高いことを示す。その結果を表4に示す。表4に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリンは抗酸化作用が高いことが分かった。
Figure 2007112793
(試験例8)
スフィンゴミエリンの抗酸化作用について、特開平11−209756号公報の「試験例2」の方法に準じて試験を行った。
スフィンゴミエリンの抗酸化活性について、中山らの方法(Mutation Research,vol.281,pp.77−80,1992)により測定した。すなわち、チャイニーズハムスター肺線維芽細胞のV79株を、10%牛胎児血清を含むMEM培地(Flow Labolatories社製)で、シャーレ当たり200個の細胞数となるよう播種し、5%二酸化炭素存在下、37℃で5日間培養して試験用培養細胞とした。そして、スフィンゴミエリンの抗酸化活性については、過酸化水素によるコロニー形成率の低下を毒性の指標とし、スフィンゴミエリンを試験用培養細胞に添加することにより、コロニー形成率の低下がどの程度回復するかということで判定した。
上記の試験用培養細胞をプレート上に播種し、2時間前培養(細胞接着)した後、本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料を用いて、各初発濃度(0mM、0.01mM、0.1mM、1mM、10mM)となるよう調製したスフィンゴミエリン溶液を添加し、4時間インキュベートして過酸化水素より先にスフィンゴミエリンを細胞に取り込ませた。次に、過酸化水素を添加し、30分間反応させて細胞に障害を与えた。そして、反応後、血清入り培地で5日間培養を行った。なお、過酸化水素の濃度は、コロニー形成率が数%〜40%位に低下する60μMに設定した。また、スフィンゴミエリンについても、それ自身の毒性を予め調べておき、それ自身の毒性でコロニー形成率が低下しないことを確認しておいた。抗酸化活性の評価は、5日間の培養後、コロニー形成を確認してギムザ染色を行って全コロニー数を計測し、対照であるスフィンゴミエリン無添加で過酸化水素無添加の場合の細胞生存率を100%としたときのそれぞれの細胞生存率(%)で表した。なお、細胞生存率が高い程、添加したスフィンゴミエリンの抗酸化活性が高いことを示す。その結果を表5に示す。表5に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリンは抗酸化作用が高いことが分かった。
Figure 2007112793
(試験例9)
スフィンゴミエリンの感染防御作用について、特開昭62−208261号公報に記載の方法により試験を行った。
・病原性大腸菌による下痢発生率抑制試験
試験動物として30日齢のSD系雄ラットを用い、このラット10匹からなる各試験群に本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料を用いて、スフィンゴミエリンを0(コントロール)、0.1、1.0、5.0、10.0mg/日摂取するように調製した餌をそれぞれ給与し、各ラットに病原性大腸菌を一定量与え、下痢の発生率を調べた。結果を表6に示す。表6から明らかなように、スフィンゴミエリンを1日当たり1.0mg以上投与したラットでは、下痢発生率が著しく低下することが分かった。
Figure 2007112793
(試験例10)
スフィンゴミエリンの病原性大腸菌O−157感染防止作用について、特開平2001−2704公報の「試験例1」の方法に準じて、試験した。
・病原性大腸菌O−157感染防止試験I
5週齢のBALB/c系無菌マウス(20匹)に、生理食塩水(対照群)、本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料(SPM群)を毎日経口摂取させた。スフィンゴミエリンの摂取量は、5mg/日であった。摂取開始から3日目に、マウス1匹当たり病原性大腸菌O−157を8.5×10cfu経口投与して感染させた。感染後も、スフィンゴミエリンは毎日経口摂取させた。大腸菌投与後8日間生死を観察し、病原性大腸菌O−157投与後日数によるラットの生存率を表7に示す。表7の結果から明らかなように、無菌マウスの生存率は、スフィンゴミエリンの投与により高まった。
Figure 2007112793
(試験例11)
スフィンゴミエリンの病原性大腸菌O−157感染防止作用について、特開平2001−2704公報の「試験例2」の方法に準じて、試験を行った。
・病原性大腸菌O−157感染防止試験II
スフィンゴミエリンの摂取量を1日あたり0.1〜10mgとして、試験例10と同様に大腸菌投与後8日目のマウスの生存率を測定した。結果を表8に示す。表8に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリンを1.0mg/日以上摂取した群では、生存率が著しく向上した。
Figure 2007112793
(試験例12)
4週齢のヘアレスマウス(CD−1(ICR)−nu/nu)を1週間予備飼育した後、表9に示す飼料で3週間飼育した。その結果、スフィンゴミエリンを15%含む牛乳由来のリン脂質画分を40mg/日投与した群(SPM群)で、7匹/10匹の割合で毛が生えてきた。それに対して、スフィンゴミエリンを15%含む牛乳由来のリン脂質画分を投与しない対照群においては、1匹/10匹の割合でしか毛が生えなかった。
Figure 2007112793
(試験例13:スフィンゴミエリンによるEAEラットに対する効果)
スフィンゴミエリンの脱髄疾患治療効果について、特開平2−250834号公報の「実施例3」の方法に準じて試験を行った。
脱髄疾患の1種、多発性硬化症モデルであるEAEラットの治療効果を示す。
Lewisラット(雌6週齢)を1群5匹とし、EAE誘発の抗原として同系ラットの脳ホモジュネートをフロインド完全アジュバンド(ディフコ社製)と同量混合したものを脳ホモジュネート80mg換算となるようにラットの後肢足蹠に免疫した。
免疫当日より18日間、表9に示す量でスフィンゴミエリンを腹腔内に投与し、毎日体重測定とEAE症状観察を行った。EAEの症状としては6段階評価した。すなわち、0:異常なし、1:尾麻痺、2:尾麻痺を伴う後肢衰弱、3:尾麻痺を伴う後肢麻痺、4:後肢麻痺を伴う前肢衰弱、5:四肢麻痺または前瀕死として、各症状の累積症状度により効果を判定した。
スフィンゴミエリンの投与は、本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料を滅菌済みの0.5%メチルセルロースナトリウム水溶液に1mg/mlまたは2mg/mlの濃度になるように懸濁し、これを腹腔内投与した。対照として生理食塩水のみを投与した。結果を、下記表10に示す。表10の結果から明らかなように、スフィンゴミエリンは、生理食塩水のみを用いた対照に比べて著しくEAEの発症を抑制した。この結果、多発性硬化症の治療や予防に有用に利用できることがわかった。
Figure 2007112793
(試験例14:スフィンゴミエリンの抗体産生抑止効果)
スフィンゴミエリンの脱髄疾患治療効果について、特開平2−250834号公報の「実施例4」の方法に準じて試験を行った。
スフィンゴミエリンのEAE発症阻止機構について検討を行った。すなわち、試験例13に示した生理食塩水、スフィンゴミエリン2mg/kgを投与したラットに対し、14日目に50%羊赤血球(SRBC)0.2mlを腹腔内に投与し、18日目に各ラットから脾臓を摘出し、単細胞浮遊液を無菌的に調節した。赤血球を溶血法により除去した後、RPMI‐1640培地で洗浄し、2×10個/mlの細胞密度の細胞浮遊液を調製した。
ヤーン(Jerne)の方法による羊赤血球を対するプラーク形成細胞を数え、IgMPFC数とした。結果を表11に示す。表11に示される結果から、スフィンゴミエリンが抗体産生抑制活性を有することが確認され、その活性に基づいてEAE発症阻止をするものと考えられる。
Figure 2007112793
(試験例15)
スフィンゴミエリンの抗色素沈着作用について、特開平1−163112号公報に記載の方法に準じて試験を行った。
色素沈着を促進させる物質である8MOP処理光毒性色素沈着Weister Maple GPを用いて、ICR系雌マウス(6週齢、1群5匹)の毛刈りした背部に50μlのサンプルを1日1回約4cmの範囲に8週間塗布し、抗色素沈着効果及び副作用としてあらわれた表12に示す色素沈着の程度を4点評価法にて(+は脱色効果、−は副作用を示す)評価した。サンプルは本明細書の実施例1のスフィンゴミエリン原料を5%となるように溶解して使用した。また、何も塗布しないものを対照とした。結果を表13に示す。表13の結果から明らかなように、スフィンゴミエリンは、副作用がなく、抗色素効果に優れていることが分かった。
Figure 2007112793
Figure 2007112793
(試験例16)
スフィンゴミエリンの経口投与による抗色素沈着作用について試験を行った。
A−1系雌モルモット(体重約400g)の背部を除毛し、背部に紫外線照射(UVA(max.360nm)30.3kJ/m、UVB(max.312nm)4.8kJ/m)を、1日1回4日間行った。その後、スフィンゴミエリンを投与せず、生理食塩水をモルモット体重1kgあたり10g投与する群(A群)、実施例1のスフィンゴミエリン原料をスフィンゴミエリンとして、モルモット体重1kgあたり2mg投与する群(B群)、実施例1のスフィンゴミエリン原料をスフィンゴミエリンとして、モルモット体重1kgあたり5mg投与する群(C群)、実施例1のスフィンゴミエリン原料をスフィンゴミエリンとして、モルモット体重1kgあたり10mg投与する群(D群)の4試験群(各群10匹ずつ)にわけた。それぞれを毎日1回ゾンデで経口投与して4週間飼育した。実施例1のスフィンゴミエリン原料は、10gの生理食塩水に懸濁して、それぞれB〜D群に経口投与した。試料投与開始時と試料投与終了時に、モルモット背部皮膚の色素沈着への影響を、それぞれMINOLTA社製の色差計(CHROMA METER CR−200)で測定し、試料投与開始時からの明度回復率を算出した。結果を表14に示す。
Figure 2007112793
表14に示される結果より、4週間経口投与した後の明度回復率は、A群では31%と低かったが、B群では48%、C群では62%、D群では78%と、A群に比べ最大2.5倍にまで上昇した。
このことから、スフィンゴミエリンの経口投与により、明度回復率が高くなることがわかった。すなわち、スフィンゴミエリンの経口投与に、抗色素沈着効果があることが認められた。なお、投与量としては、スフィンゴミエリンをモルモット体重1kgあたり2mg以上経口投与することにより当該効果が認められ、5mg以上経口投与するとその効果が顕著であることがわかった。
(試験例17)
スフィンゴミエリンの抗炎症作用について、特開平1−163125号公報に記載の方法により試験を行った。
スフィンゴミエリンの抗炎症作用は、カラゲニン足蹠浮腫法により試験を行った。
すなわち、ウィンターらの方法(Proceedings of the Society for Experimental Biology&Medicine,111巻、554頁、1962)に従い、Wistar系雄ラット(体重、110〜130g、1群8匹)に0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させた、表15に示す被験物質を経口投与(100mg/kg)した。1時間後に起炎物質として1%λ−カラゲニン/生理食塩液を当該ラット片側後肢足蹠に0.1ml皮下投与して浮腫を惹起させた。起炎物質投与前および投与後の一定時間にそれぞれの足蹠体積を測定し、足蹠用量の増加率(V1)を求めた。対照群として、被験物質を含有しない0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液を投与したラットに、同様にλ−カラゲニンを注入した際の足容量の増加率(V0)を測定し、(V0−V1)×100/V0の計算式により、カラゲニン浮腫抑制率(%)を算出し、被験物質の抗炎症活性とした。この値が大きい程、抗炎症活性が高いことを示す。λ−カラゲニン注入後5時間後の測定値を表15に示す。表15に示される結果から明らかなように、スフィンゴミエリンは、インドメタシンやシアル酸以上に強い浮腫抑制率を示し、抗炎症作用が強いことが分かった。
Figure 2007112793
(実施例2)
表16に示す配合で原料を混合後、常法により1gに成型、打錠して本発明の医薬を錠剤として製造した。
Figure 2007112793
(実施例3)
スフィンゴミエリン含量25%のスフィンゴミエリン原料(リン脂質700、Fonterra社製)50gを本発明の剤として4950gの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(TK ROBO MICS;特殊機化工業社製)にて、6000rpmで30分間撹拌混合してスフィンゴミエリン含量250mg/100gのスフィンゴミエリン溶液を得た。このスフィンゴミエリン溶液4.0kgに、カゼイン5.0kg、大豆タンパク質5.0kg、魚油1.0kg、シソ油3.0kg、デキストリン18.0kg、ミネラル混合物6.0kg、ビタミン混合物1.95kg、乳化剤2.0kg、安定剤4.0kg、香料0.05kgを配合し、200mlのレトルトパウチに充填し、レトルト殺菌機(第1種圧力容器、TYPE:RCS−4CRTGN、日阪製作所社製)で121℃、20分間殺菌して、本発明の剤を配合した液状栄養組成物50kgを製造した。なお、この液状栄養組成物には、100gあたり、スフィンゴミエリンが20mg含まれていた。
(実施例4)
スフィンゴミエリン含量10%のスフィンゴミエリン原料(リン脂質500、Fonterra社製)10gを本発明の剤として700gの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、ウルトラディスパーサー(ULTRA−TURRAX T−25;IKAジャパン社製)にて、9500rpmで30分間撹拌混合した。この溶液に、ソルビトール40g、酸味料2g、香料2g、ペクチン5g、乳清タンパク質濃縮物5g、乳酸カルシウム1g、脱イオン水235gを添加して、撹拌混合した後、200mlのチアパックに充填し、85℃、20分間殺菌後、密栓し、本発明の剤を配合したゲル状食品5袋(200g入り)を調製した。このようにして得られたゲル状食品は、すべて沈殿等は認められず、風味に異常は感じられなかった。なお、このゲル状食品には、100gあたり、スフィンゴミエリンが100mg含まれていた。
(実施例5)
酸味料2gを700gの脱イオン水に溶解した後、スフィンゴミエリン含量25%のスフィンゴミエリン原料(リン脂質700、Fonterra社製)10gを本発明の剤として溶解し、50℃まで加熱後、ウルトラディスパーサー(ULTRA−TURRAX T−25;IKAジャパン社製)にて、9500rpmで30分間撹拌混合した。マルチトール100g、還元水飴20g、香料2g、脱イオン水166gを添加した後、100mlのガラス瓶に充填し、90℃、15分間殺菌後、密栓し、本発明の剤を配合した飲料10本(100ml入り)を調製した。このようにして得られた飲料は、すべて沈殿は認められず、風味に異常は感じられなかった。なお、この飲料には、100gあたり、スフィンゴミエリンが250mg含まれていた。
(実施例6)
スフィンゴミエリン含量4%のスフィンゴミエリン原料(SM−4、Corman社製)2kgを本発明の剤として98kgの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(MARKII 160型;特殊機化工業社製)にて、3600rpmで40分間撹拌混合してスフィンゴミエリン含量80mg/100gのスフィンゴミエリン溶液を得た。このスフィンゴミエリン溶液10kgに大豆粕12kg、脱脂粉乳14kg、大豆油4kg、コーン油2kg、パーム油23.2kg、トウモロコシ澱粉14kg、小麦粉9kg、ふすま2kg、ビタミン混合物5kg、セルロース2.8kg、ミネラル混合物2kgを配合し、120℃、4分間殺菌して、本発明の剤を配合したイヌ飼育用飼料100kgを製造した。なお、このイヌ用飼料には、100gあたり、スフィンゴミエリンが8mg含まれていた。
本発明のスフィンゴミエリンを有効成分とする種々の疾患の予防剤または治療剤である医薬またはこれらの剤を配合した飲食品もしくは飼料は、それぞれの疾患の予防または治療、症状の改善等に用いることができ、非常に有用である。
本発明の密着結合形成試験の結果を示すグラフである。

Claims (3)

  1. スフィンゴミエリンを有効成分として含有し、下記のいずれかの剤である医薬:1)シアロムチンの分泌促進剤、2)悪酔い予防剤、3)抗アレルギー剤、4)抗酸化剤、5)感染防御剤、6)養毛剤、7)脱髄疾患治療剤、8)抗色素沈着剤または9)抗炎症剤。
  2. スフィンゴミエリンが乳由来であることを特徴とする請求項1記載の医薬。
  3. 請求項1または2記載の剤を配合したことを特徴とする飲食品または飼料。
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