JP2013529209A - 脱毛防止又は育毛促進用組成物 - Google Patents

脱毛防止又は育毛促進用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、リン脂質を有効成分として含む脱毛防止又は育毛促進用組成物に関し、更に詳しくは、動物から抽出されたリン脂質を有効成分として含む脱毛防止又は育毛促進用組成物に関する。

Description

本発明は、リン脂質を有効成分として含む脱毛防止又は育毛促進用組成物に関し、更に詳しくは、動物から抽出されたリン脂質を有効成分として含む脱毛防止又は育毛促進用組成物に関する。
脱毛の原因としては、男性ホルモンの作用過剰説、皮脂分泌の過多説、血液循環の不良説、過酸化物、細菌などによる頭皮機能の低下説、遺伝的な要因、老化、ストレスなどが論議されてきたが、これまで脱毛の明確な原因は明らかになっていないのが現状である。近年、食生活の変化による栄養不均衡、環境汚染及び社会環境によるストレスの増加などにより抜け毛で悩む人口が増えている傾向にあり、その年齢も低くなっており、女性の脱毛人口も増えているのが現状である。
従来は、このような脱毛症の治療や予防において血行促進、毛根機能の強化、頭皮保湿及び男性ホルモンの抑制のための女性ホルモンを主成分とした製剤やミノキシジル(minoxidil)、フィナステリド(Finasteride)、トリコサッカリド(trichosaccharide)を含有する製剤などが開発されていた。ミノキシジルの発毛効果に対する作用機転は明確になっていないが、血管の拡張を通じた栄養供給の増加及びポタシウム・チャネル・オープニング(potassium channel opening)効果によって毛髪の成長を誘導するものと見なされており、フィナステリドは5-α還元酵素阻害剤であって、投与容量を異にして前立腺治療剤及び脱毛防止剤として用いられている。フィナステリドは、利便性と効能の面で優れた薬品であるが、これを製造するのに用いられる試薬が高価であるか、猛毒性なため、製造コストに負担を与えたり、環境を汚染させるという問題があり、特に副生成物の除去が容易でないため、目的物の純度が低下する恐れがあり、水分により活性が阻害され易い試薬又は活性誘導体を用いることで、大量生産が難しいという問題がある。
本発明は上記問題を解決し、上記必要性によって導き出されたものであって、その目的は、脱毛防止又は育毛促進用組成物を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、有効成分としてリン脂質を含む脱毛防止又は育毛促進用組成物を提供する。
本発明の一実施例において、前記リン脂質は、動物から抽出されることが好ましく、前記動物は家畜、例えば牛又は豚であることが好ましいが、これに限定されない。
本発明の一実施例において、前記リン脂質は、肺洗浄液又は肺組織の破砕物から抽出されることが好ましいが、これに限定されない。
本発明の好適な実施例において、前記リン脂質は「飽和度が高く、脂肪酸の炭化水素(尻)の長さが比較的短いリン脂質」が好ましく、更に好ましくは、炭化水素(hydrocarbon)の長さが14〜16個であることが好ましいが、これに限定されず、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチド酸、及びホスファチジルイノシトールで構成された群より選択されることを含む。
本発明の好適な実施例において、前記組成物は2価カチオンとカルボキシル基含有有機酸又はその塩を更に含むことが好ましいが、これに限定されない。
以下、本発明について説明する。
本発明は、男性型脱毛及び女性型脱毛などあらゆる脱毛症状から見られる生化学的及び生理学的な共通の現象に対する文献的考察を通じて脱毛に対する新たな解決方法を提示したい。脱毛に対する新たな考察と解決方法は、以下の通りである:
Yanez Solerは、自分の論文を通じて脱毛の原因は皮脂腺(sebaceous grand)から分泌される皮脂(sebum)が髪の毛に沿って外部に分泌されなければならないが、その反対方向である毛根(follicular又はdermal papilla)方向に流れ込み、脱毛が発生すると仮説を提示した。皮脂が毛幹(hair shaft)に沿って容易に外部へ排出される条件を有する場合、例えば、毛又は毛髪が太かったり、密度が高いほど、脱毛が発生し難いと仮定した。同氏の仮説を説明する1つの好例は、枕が当接する部位は脱毛が発生しないという現象である。人間が睡眠を取る間に髪の毛が枕によって押され、互いに接触することによって、皮脂が毛の表面に沿って容易に除去されるためであるということである(Yanez Soler 2004. Med. Hypotheses 62:980-985)。
*本発明では、脱毛の根本的な原因が中性脂肪成分で構成された皮脂の過度な分泌と累積が脱毛症状と深く関わっていると仮定し、これに基づき、全ての脱毛の原因について説明することが可能にしたい。特に、多くの男性が年を取るにつれ、脱毛症状で悩む理由を分かり易く説明したい。生化学的及び生理学的な脱毛の原因は、以下のような文献から共通性と理論の合理性を有する:
◎男性ホルモンであるアンドロゲン(androgen)は、体内の代表的な中性脂肪であるトリアシルグリセロール(triacylglycerol、TG)とcholesterolの増加と深く関わっている(Kao et al. 2001. J. Int. dermatol. 116:443-451)。
◎年を取るにつれ、体内の極性脂肪に比べて中性脂肪の比率が高くなる(Nazzaro-Porro et al. 1979. J. Invest. Dermatol. 73:112-117)。
◎皮脂の分泌と皮脂腺の活動は、年齢に伴う男性ホルモンの水準(level)と深く関わっている(Pochi et al. 1979. J. Invest. Dermotol. 73:108-111)。
◎ストレスによって代表的な中性脂肪であるコレステロールの合成が増える(O Donnell et al. 1987 J. Royal Society Med. 80:339-341)。
◎一部の癌患者らが化学療法を受けた後、中性脂肪(特に、トリアシルグリセロール)とエルディーエル(LDL、Low Density Lipoprotein)及び悪玉コレステロール(LDL-cholesterol)が増加する傾向を示す(Alexopoulos et al. 1992. Cancer. Chemother. Pharmacol. 30:412-416)。
◎皮脂や表皮周辺を構成する脂質の不飽和脂肪酸が脂質の酸敗(lipid peroxidation)過程を経て生産されるシングレット酸素ラジカル(singlet oxygen、)により酸化ストレス(oxidative stress)を受ける場合、脱毛が発生し得る(Naito et al. 2008. International J. Mol. Med. 22:725-729)。
◎一部の脱毛症状の患者らは、微細炎症(microinflammation)を示す場合がある。皮脂の過剰分泌が微生物の付着と増殖に良い環境を提供する可能性がある(Mah◎et al. 2000. International J. Dermatol. 39:576-584)。
前記列挙された科学的な根拠から、男性ホルモン、ストレス及び老化が体内中性脂肪の比率を高め、中性脂肪成分の過度な皮脂の合成と分泌が脱毛症状を起こし得ると容易に推論できる。遺伝的な要因によって脱毛が発生する場合、中性脂肪合成の代謝が高い側に遺伝的な条件を有するようにすれば、極性脂肪と中性脂肪の比率の不均衡が誘発されて脱毛が促進され得ると推論できる。特に、ミトコンドリアが主に脂質代謝と関連する役割を多くすることによって、ハゲ頭の遺伝は、ミトコンドリアの伝達経路である母系遺伝であると予想できる。ミトコンドリアと関連して脂質代謝のいかなる変移や不均衡がハゲ頭をもたらすと見られる。
◎女性らに男性型脱毛が見られない理由は、生理的に皮脂の分泌が少ないだけでなく、一般に洗顔を男性よりも相対的に徹底し、洗顔時に多様な化粧品を用いることで、中性脂肪成分の皮脂の除去が相対的に効果であるためであると考えられる。また、化粧品に含有されている多様な脂肪酸、脂肪酸誘導体及び多様な乳化剤成分が中性脂肪の皮脂が高い粘度を有するのを防止するため、男性型脱毛症状が現れないと推論できる。
なお、一般に体毛の少ない東洋人と体毛の多い西洋人の差も同じ理由で説明され得る。炭水化物摂取中心の東洋人は、体内に脂肪が蓄積され始めると、貯蔵形態の脂肪である中性脂肪が高くなり易いため、東洋人の体毛が西洋人の体毛に比べて発達が劣る理由も説明され得る。
中性脂肪である皮脂が髪の毛に沿って外部へ排出されず、毛根方向に移動して累積されれば、毛細血管から栄養分の供給を受ける毛根細胞と周辺細胞は、生長と細胞活動に障害を受けるようになる。細胞分化と細胞活動に必要な栄養分は、ミセル形態(micelle)又はリポソーム形態(HDL又はLDL、secretory vesicles又はlamellar bodysなど)で供給されるため、中性脂肪の皮脂が毛根細胞の周辺に累積されれば、脂質膜(lipid layer)に囲まれて供給される栄養分が伝達されることが妨げられるようになる。また、中性脂肪は水(水分)を押し出すので、血管から拡散(diffusion)により伝達される水溶性の小さな分子(ぶどう糖又はアミノ酸等々)が毛根細胞に伝達されることも遮断されるようになる。脱毛が発生するとき、共通して現れる毛根(hair follicle)の小型化(miniaturization)現象は、中性脂肪の蓄積により、毛根及び関連する周辺細胞が血管から円滑な栄養供給を妨げられるようになり、細胞の活動と大きさが収縮して脱落することで説明できるであろう。また、毛根細胞の周期によって一度脱落すれば、新たに毛が成長しなければならないが、中性脂肪の累積は、毛根を形成する幹細胞がdermal papillaに移動することも阻害し、新たな毛髪が形成されることも妨げるようになると推論できる。
近年は、男性の間でも脱毛で悩んでいる20-30代の若者が増えている。若い男性から見られる脱毛症状も中性脂肪の代謝と関連してその原因を説明すれば、以下の通りである。1980年代に入り、植物性オイル類(大豆油、トウモロコシ油、ぶどう種油、綿実油、オリーブ油等々)が安価な価格で大量に流通されることにより、多様な食生活で天ぷら類又は油湯処理された食べ物の摂取が増えるようになった。これらの商業化された植物性オイルは、主に中性溶媒(例えば、n-hexane)を用いた溶媒抽出法により大量に製造される。中性溶媒を用いた抽出法は、植物に含有されている極性脂質が製品に含有される条件と機会を与えないため、ほぼ純粋な中性脂肪で作られたきれい、かつ、透明な植物性オイルが発売されるようにする。その結果、不飽和脂肪酸を含有する植物性中性脂肪を多く摂取するようになって、現代人は中性脂肪の代謝依存度が高くなり、中性脂肪の体内蓄積及び中性脂肪成分の皮脂分泌も高くなったと推論できる。前述したように、過度な中性脂肪は脱毛の原因になり得る。更に、植物由来の中性脂肪は、不飽和脂肪酸を多量含有するため、空気中に露出されれば、酸素分子と結合して「脂質酸敗」という一連の化学反応過程を経るようになる。酸敗過程による酸化ストレスは、脱毛を加速させる原因にもなり得る。若者から見られる脱毛症状は、個々人の精神的なストレスにより発生する原因もあるだろうが、中性脂肪と関連する一連の生理学的な作用でも説明が可能である。また、植物性不飽和脂肪酸の一部がアラキドン酸(Arachidonic acid)に変化されることにより、炎症反応を増幅させる可能性もあると推定される。
過度な中性脂肪成分の皮脂分泌と皮脂の毛根方向への逆行が脱毛の原因になれば、既存に知られている古典的な方法を用いて症状を緩和させることもできる。例えば、アンドロゲンの活性抑制方法を用いて皮脂の合成と皮脂の分泌を減少させるか、コレステロールからアンドロゲンが合成できないように、阻害剤(inhibitor)を用いてアンドロゲンの活性を低減させる方法を選択できる。例えば、発毛剤として末梢血管拡張剤であるミノキシジルと5α-レダクターゼ(5a-reductase)の抑制剤であるフィナステリドを用いる方法である。しかしながら、2種類の薬物は、長期間使用しなければ、効果が現れないことが知られており、一部の使用者からは脱毛防止の効果が現れないことも知られている。フィナステリドの長期間の服用は、性機能の障害、精液の減少及び性欲の減少などの副作用が報告されており(Kaufman et al. 1998. J. Am. Acad. Dermatol. 39:578-589)、ミノキシジルは、接触性皮膚炎及び湿疹などの症状を伴ったり、一部の患者らに頭痛を誘発することが報告されている(Oslen et al. 2002. J. Am Acd. Dermatol. 47:377-385)。
もう1つの脱毛防止方法としては、強力な洗浄効果を有する洗剤やシャンプーなどを用いて皮脂を持続的に除去することが挙げられる。持続的な皮脂の除去は、皮脂が毛根方向に逆行する現象を防止する可能性がある。しかしながら、強力な洗剤やシャンプーの使用は、頭皮や表皮に化学的刺激を与えたり、皮脂の本然の機能である頭皮及び表皮の保護機能を弱化させて発生する逆効果をもたらす可能性もある。
従って、皮脂の生産と分泌を低減させるか、累積されている皮脂を除去する方法を選択するよりは、単純に皮脂の性質を変換させて皮脂が容易に排出されるようにして脱毛を予防し、血管から毛根細胞と周辺細胞が栄養分を容易に受けられるように条件を形成させ、毛髪の成長を促進する方法を選択することが安全な方法であると言える。
本発明は、動物の肺から抽出した後に精製されたリン脂質、2価カチオン、有機酸(有機酸と有機酸塩を用いたpH緩衝溶液及び2価カチオンによってリン脂質が凝集する現象を防止するための目的、例えばクエン酸及びクエン酸塩、pH5.8)を含有する組成物をラットの表皮に直接適用(topical application)したとき、この組成物は、表皮の炎症を沈静させる役割以外にも毛根の分化を促進し、毛髪の成長を早くさせることを発見した。
本発明で観察された結果は、既存に発表された結果と-上皮(epidermis)の基底細胞層(basal cell layer)の陥没(budding)から新たな球形の陥没(bulge)内にfollicleが形成される毛根形成の典型的な過程-他の形態に毛根細胞が活性化された現象を示した。組織検査の観察結果では、真皮層に散在していた既存の毛根細胞が迅速に分化して成長したものと判断され、既存の発表された論文に掲載された結果よりも多数の毛根が生成されたことが分かった(図7-8参照)。このような発見から、この組成物が育毛の機能を示す原因を考察し、これに基づき、脱毛の原因について新たに理論を定立した。
従って、本発明は、毛髪の脱毛を防止し、毛髪の成長を促進する組成物である。本発明は、脱毛の原因について新たな理論を定立し、新しい概念の脱毛防止及び育毛のための組成物を提示する。動物の肺(肺臓)組織から中性脂肪とタンパク質の除去過程を経て精製されたリン脂質と2価のカチオン(カルシウムイオン又は/そしてマグネシウムイオン)そして/又は有機酸(例えば、クエン酸とクエン酸塩)を含有する組成物で毛髪の成長を促進させる。タマゴ又は大豆から抽出したリン脂質(一般に、「レシチン」と称す)を用いることとは異なり、動物及び人間の肺細胞から体外に分泌される独特の形態のリン脂質を利用することを特徴とし、これは脂質酸化作用に対して安定性を有するので、頭皮及び表皮などの空気に露出された部位に適用する際に長所を有する。
本明細書で用いられる用語である「抽出物」は、前述したように、当業界で粗抽出液(crude extract)として通用する意味を有するが、広義には、前述した溶媒分画物も含む。
本発明の肺抽出物は、溶媒を用いて得たものだけでなく、ここに精製過程を追加的に適用して得たものも含む。例えば、前記抽出物を一定の分子量カット-オフ値を有する限外濾過膜を通過させて得た分画、多様なクロマトグラフィ(大きさ、電荷、疏水性又は親和性による分離のために製作されたもの)による分離など、追加的に実施された多様な精製方法を通じて得られた分画も本発明の肺抽出物に含まれる。
本発明の肺抽出物又はその分画物は、減圧蒸留及び凍結乾燥又は噴霧乾燥などのような追加的な過程により粉末状態で製造され得る。
本発明の組成物は、脱毛防止又は育毛促進に非常に効果的に作用する。本明細書で用いられる用語である「脱毛防止」又は「育毛促進」は、同一の意味として用いられ、これは当業界で利用されるもう1つの用語である養毛又は発毛促進と同一の意味を有する。
本発明の好適な実施例によれば、本発明の組成物は、薬剤学的組成物、化粧料(用)組成物又は食品組成物として提供され得る。
本発明の組成物が薬剤学的組成物で製造される場合、本発明の薬剤学的組成物は、薬剤学的に許容される担体を含む。本発明の薬剤学的組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常、利用されるものであって、ラックトス、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、でん粉、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、珪酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸、プロピルヒドロキシ安息香酸、滑石、ステアリン酸マグネシウム及びミネラルオイルなどを含むが、これに限定されるものではない。本発明の薬剤学的組成物は、前記成分以外に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などを追加で含むことができる。適切な薬剤学的に許容される担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(19th ed., 1995)に詳細に記載されている。
本発明の薬剤学的組成物は、経口又は非経口投与でき、好ましくは、非経口投与、より好ましくは、塗布による局所投与方式で適用される。
本発明の薬剤学的組成物の適切な投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性別、病的状態、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度及び反応感応性のような要因により多様に処方され得る。本発明の薬剤学的組成物に含まれる生理活性物質であるリン脂質の投与量は、大人を基準として0.001-1000mg/kg、好ましくは0.001-100mg/kg、より好ましくは0.01-50mg/kgの範囲内である。
本発明の薬剤学的組成物は、当該発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できる方法によって、薬剤学的に許容される担体及び/又は賦形剤を用いて製剤化することによって、単位容量の形態で製造されるか、又は多用量の容器内に内入させて製造され得る。このとき、剤形は、オイル又は水性媒質中の溶液、懸濁液、シロップ剤又は乳化液の形態であるか、エックス剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤の形態であってもよく、分散剤又は安定化剤を追加で含んでもよい。
本発明の組成物が化粧料組成物で製造される場合、本発明の組成物は、前述した肺抽出物及びそれより分離されたリン脂質だけでなく、化粧料組成物に通常、利用される成分を含み、例えば抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常の補助剤、そして担体を含む。また、本発明の組成物は、前述した肺抽出物及びそれより分離されたリン脂質以外に、本発明の作用(育毛作用)を損傷させない限度内で従来から用いられてきた養毛剤又は育毛剤を共に混合して用いることができる。
前記担体として、精製水、1価アルコール類(エタノール又はプロピルアルコール)、多価アルコール類(グリセロール、1,3-ブチレングリコール又はプロピレングリコール)、高級脂肪酸類(パルミチン酸又はリノレン酸)、油脂類(小麥胚芽油、椿油、ホホバ油、オリーブ油、スクアレン、ひまわり油、マカダミアナッツ油、アボカド油、大豆水添加レシチン又は脂肪酸グリセリド)などを用いることができるが、これに限定されない。また、必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消炎剤及び清凉剤を添加できる。
界面活性剤は、ポリオキシエチレン、硬化ひまし油、ポリオキシエチレン、オレイルエーテル、モノオレイン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン、ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘクサグリセリン、ポリオキシエチレン還元ラノリン、POE、グリセリルピログルタミン酸、イソステアリン酸、ジエステル、N-アセチルグルタミン及びイソステアリルエステルからなる群より選択的に含むことができる。
殺菌剤は、ヒノチオール、トリクロサン、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン(azulene)、サリチル酸及びジンクピリチオンからなる群より選択的に含むことができる。
酸化防止剤は、ブチルヒドロキシアニソール、沒食子酸、沒食子酸プロピル及びにエリソルビン酸の中から何れも使用可能である。
紫外線吸収剤は、ジヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、メラニン、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル、シノキセート、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシルエステル、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾル、ウロカニン酸及び金属酸化物微粒子の中から何れも使用可能である。
消炎剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム又はアラントインを用いることができ、清凉剤としては、トウガラシチンキ又は1-メントールを用いることができる。
前記組成物の剤形は、肺抽出物及びそれより分離されたリン脂質を有効成分として配合できる任意の剤形であって、脱毛防止又は育毛用化粧品の形態としては、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアスプレー、ヘアエアゾール、ポマード、粉末、ジェルなどのように、溶液、ゾルゲル、エマルジョン、オイル、ワックス、エアゾールなど多様な形態で製造され得るが、これらに制限されるものではない。
本発明の組成物は、毛髪成長促進補助成分を追加で含むことができる。毛髪成長促進剤補助成分は、5α-還元酵素抑制成分、毛根及び毛包細胞活性成分、毛包細胞血流増強成分、殺菌成分、ふけ防止剤、角質軟化剤、清凉剤、保湿剤などを含む。各作用に対する成分の例は、以下の通りである。
1)5α-還元酵素抑制成分
緑茶抽出物、フィナステリド、柏子仁抽出物、クララ抽出物、リノール酸、ガンマリノール酸、ホホバ油、オリーブ油、ひまわり油、アボカド油、大豆油添加レシチン、丁香抽出物、ヨクイニン(鳩麦)抽出物、五倍子抽出物、ウコン抽出物、檳榔子(ビンロウジ)抽出物、阿仙薬抽出物、牽牛子抽出物、車前子(オオバコ)抽出物、降真香抽出物、甘草抽出物、補骨脂抽出物、ソーパルメット抽出物など
2)毛根及び毛包細胞活性成分
当薬抽出物、高麗人参抽出物、紅参抽出物、サルナシ抽出物、丁香抽出物、ヨクイニン(鳩麦)抽出物、生地黄抽出物、何首烏抽出物、黄精抽出物、パントテニルエチルエーテル、D-パンテノール、ヘナ抽出物、菖蒲抽出物、ヒノキチオール、ニコチン酸アミド、L−メントールなど
3)毛包細胞血流増強成分
ミノキシジル、銀杏抽出物、紅参抽出物、トウガラシチンキ、酢酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルなど
4)殺菌及び角質溶解成分
サリチル酸、ヘナ抽出物、菖蒲抽出物、ピロクトンオラミンなど
5)ふけ防止剤
ケトコナゾール、緑茶抽出物など
6)清凉剤
L−メントールなど
7)保湿剤
オリーブ油、ホホバ油、椿油、ひまわり油、マカダミアナッツ油、アボカド油などのオイル類
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で提示する脱毛に対する解決策は、以下の通りである:
1.極性脂肪を用いて中性脂肪である皮脂の性質を変えることにある。
代表的な極性脂肪であるリン脂質は、独特の両親媒性(amphiphilic)物質であって、中性脂肪とも十分に混合され得、同時に水とも十分に混合され得る。このような性質のリン脂質を用いて皮脂の性質を変える。皮脂を水と十分に混合されるようにして排出を容易にし、皮脂が毛根方向へ逆流して累積されたり、累積された皮脂が血管から伝達される栄養分を遮断できないようにする。リン脂質は、細胞膜を構成する脂質であって、毛根細胞及び周辺の関連する細胞に必要とされる細胞膜構成物(membrane building block)としても提供され得る。
石鹸やシャンプーの使用は、皮脂成分のうち、少しなりとも極性度(polarity)のある脂肪酸(fatty acids)やコレステロールなどを相対的に容易に除去できるが、トリアシルグリセロールやコレステロールエステルのような完全な中性脂質は除去し難い。従って、石鹸やシャンプーの頻繁な使用は、次第に皮脂に含有されている脂肪酸とコレステロールなどの比率を低下させ、皮脂の固形化をもたらす恐れがある。リン脂質を用いた皮脂の性質を変える方式は、皮脂の固形化を防止して皮脂の排出を容易にするだけでなく、石鹸やシャンプーの使用時に皮脂の除去も容易にすることが期待される。
2.リン脂質は、選別されて用いられなければならない。
植物性リン脂質は、不飽和脂肪酸を多量含有するため、頭皮又は表皮に適用時に空気中に露出されて酸素と接触するようになれば、容易に脂質酸化過程を経るようになる。脂質酸化により発生するシングレット酸素ラジカル(singlelet oxygen、)は、表皮細胞及び毛根細胞に否定的な影響(oxidative stress)を与えるようになる。脂質の酸敗機作により脱毛(Naito et al. 2008. International J. Mol. Med. 22:725-729)又は円形脱毛症(alopecia areata)の症状が現れる可能性については既に報告されている(Koca et al. 2005. Med. Sci. Monit 11:296-299)。
リン脂質を生体の表皮に用いるためには、不飽和脂肪酸の含有量が低いか、又は不飽和脂肪酸を含有しないリン脂質を用いなければならない。生理的に酸素と最も多く接触する肺は、飽和リン脂質を最も多く含有する唯一の臓器である。肺のこのような特性は、呼吸を容易にするために、肺胞の表面張力を下げるための方法であると同時に、呼吸をしながら、継続的に酸素に露出されるのが避けられないので、脂質酸敗の否定的な効果から保護されるための1つの進化の結果として見なされる。その結果、人間を含むあらゆる動物の肺は、「飽和脂肪酸を多量含有するリン脂質」を最も多く有しており、このようなリン脂質を肺の表面に継続して分泌している。従って、表皮又は頭皮に適用できるリン脂質としては、動物の肺に由来するリン脂質を用いることが最も好ましい。
一部の脱毛関連製品は、植物抽出オイルや特定の脂肪酸を用いる場合がある。植物抽出オイルがや植物由来脂肪酸は、皮脂の液化(流動性の増加)を可能にできる。また、皮脂の排出を容易にし、発毛又は脱毛防止の効果を示すことができるが、不飽和脂肪酸の酸化によって誘発され得る逆効果については十分に考慮していない点があると判断される。
3.リン脂質の効果を最大化するための補助因子(co-factor)、2価カチオン
単純にリン脂質を頭皮に供給して脱毛が防止されたり、髪の毛が早く生えることを期待することは難しい。外部から供給されるリン脂質がdermal papillaと関連する周辺細胞に供給されるためには、2価カチオン、特にカルシウムイオン(Ca2+ion)が必須である。一般に、カルシウムイオン(Ca2+ion)又はマグネシウムイオン(Mg2+ion)は、細胞-細胞接触認識(cell-cell recognition)に用いられ、micelleやliposomeが選択されたcellの膜(membrane)に融合(fusion又はintegration)されるのに必須の要素である。選択されたリン脂質が生体に用いられて効果を表すためには、2価カチオンが必須的に共存しなければならない。また、これらの2価カチオンは、リン脂質のリン酸(phosphate)基のネガティブ極性を中和させてリン脂質が方向(orientation)を決定したり、又は羅列されて安定化した構造を有するのに役立てることが期待される。本発明の非限定的な実施例に用いられる2価カチオンであるカルシウムの濃度は、生体の肺胞が有している固有のカルシウムイオン濃度を摸倣して適用した。
4.リン脂質の効率的な作用のための補助因子、有機酸
リン脂質は、強い極性を帯びている頭(lipid polar head)部位のため、2価カチオンにより強く凝集(aggregation)する現象を示す。2価カチオンにより凝集したリン脂質は、表皮で中々分散(dispersion)せず、凝集した凝集物(aggregates)の大きさのため、表皮に容易に浸透できなくなり、リン脂質の有する育毛及び脱毛防止の効果を大きく期待し難くなる。2価カチオンがリン脂質を無作為に凝集させる影響を最小化するために、ネガティブ極性を強く帯びる有機酸(例えば、citrate/citric acid又はsuccinate/succinic acidなどのように、クエン酸回路(TCA cycle)と関連する有機酸)と共に組成物に使用すれば、これを解決できる。これらの有機酸は、2価カチオンによりリン脂質が凝集する相互作用を干渉する役割を果たすようになる。これは、代表的なキレート化合物(chelating chemical)であるEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)が2価金属イオンを固着することとは異なる方式である。また、有機酸は共役酸と共役塩基の形態で存在することで(例えば、クエン酸とクエン酸ナトリウム)、頭皮に適用する液状製剤の酸度(pH)を調節する緩衝溶液として使用され得るという長所がある。
本発明の差別性
既存の特許の中には、リン脂質を用いて毛髪の成長を促進する方法が提示された例がある。
米国特許第4,828,837号及び米国特許第4,761,288号は、ミノキシジルの効果を最大化するために、リン脂質を用いたリポソームを製造した。これらは、豆、卵黄又は合成されたDPPC(dipalmitoyl phosphatidylcholine)及びリン脂質(レシチン)を用いてミノキシジルを含有(encapsulating)するリポソームを用いた。また、リポソーム構造の安定化のために、中性脂肪であるコレステロールを追加で添加して実行例を提示した。本発明は、ミノキシジルのような毛髪の成長を促進する成分を伝達する目的を有さず、動物の肺から抽出後に精製されたリン脂質成分を用いて毛髪の成長を促進する目的を有する。普遍的な知識により生体内の構成成分であるリン脂質が表皮の基底層に散在している幹細胞を刺激して毛根細胞に分化させることができると判断することは難しい。従って、本発明の原理は、動物の肺組織から純粋に精製されたリン脂質を用いて中性脂肪成分の皮脂の性質を変化させて、皮脂の固形化を防止し、皮脂の排出と除去を容易にすることにある。皮脂の円滑な除去は、脱毛を防止し、毛根細胞が毛細血管から栄養分を容易に受け入れるようにすることで、毛根細胞及び関連する周辺細胞を活性化して毛髪の成長を促進させることが期待される。
卵黄や豆から抽出したリン脂質は、不飽和脂肪酸を多く含有するので、酸素の接触により酸敗し易く、酸化ストレスを毛根細胞及び周辺の関連する細胞に与える可能性が高くなるので、可能であれば、不飽和脂肪酸を含有するリン脂質(レシチン)を用いる代わりに、飽和脂肪酸を多く含有する動物の肺から精製したリン脂質を利用することが好ましい。
本発明は、2価カチオンと、酸度(pH)を調節すると同時に、カルシウムにより、リン脂質が凝集するのを防止するために、有機酸と有機酸塩(共役酸と共役塩基)を共に用いる組成物であって、既存のいかなるリン脂質関連の製品と明確に異なる差別性を有する。これらの2価イオンと有機酸及び有機酸塩の同時使用は、構造的に安定したリポソームを製造するのには不利である。その理由は、極性が強いリン脂質の頭部位(head group)が極性を互いに押し出すためである。DPPCの含有量が高いほど、リポソームの構造的な安定性は不利になる。その例として、純粋なDPPC成分のリポソーム(pure DPPC liposome)は、摂氏4℃にて保管する際に2週間以内に何れも破壊されることが報告された(Launois-Surpas et al. 1992. Colloid Polym. Sci. 270:901-911)
本発明は、頭皮又は表皮に存在する皮脂の性質を変化させる目的でリン脂質を単純に混濁(suspension)した形態で適用することを好む。リポソーム形態の伝達は、構造が安定的であるほど、頭皮や皮脂腺の近くに露出した皮脂と容易に混合されない恐れがあるためである。
皮脂の性質を変えるために、リン脂質を適用する方式は、多様な脂肪酸を用いて適用する発毛剤(米国特許第2007/0154432 A1)よりも良い長所を有する。脂肪酸は、細胞脂質膜の構造に悪い影響を与えられるだけでなく、バクテリアや眞菌類のエネルギー源として容易に利用される可能性があるためである。また、脂肪酸の中間代謝産物は、不快な臭いがする性質を有するので(例えば、酪酸(butyric acid)又はプロピオン酸(propionic acidなど))、不便な点がある。その上、リノール酸は、人間の細胞により代謝されてアラキドン酸に変換され、その後、ロイコトリエン-B4(leukotriene-B4、LTB4)又はプロスタグランジンE2(Prostaglandin E2)に最終的に変換される。これらの2つの物質は、炎症反応を増加させる役割を果たすので、長期間使用する場合に、脱毛をそそのかす可能性がある(Mahet al. 2000. International J. Dermatol. 39:576-584)。脂肪酸を利用する発毛製品は、初期には皮脂と十分に融化されて皮脂の性質をソフトにすることによって、発毛の効果を発揮できるが、長期間の適用により累積されれば、否定的な機能を示す可能性もあるということを看過してはならない。
本発明の組成物成分は、動物の肺から中性脂肪とペプチド(タンパク質)を除去し、純粋に得られたリン脂質と2価カチオン(例えば、カルシウムイオン又は/そしてマグネシウムイオン)及び有機酸[例えば、クエン酸(citric acid/citrate)、コハク酸(succinic acid/succinate)又はリンゴ酸(malic acid/malate)]などミトコンドリアのトリカルボン酸回路(tricarboxylic acid cycle)に用いられる有機酸(共役酸と共役塩基)を含む組成物であって、皮脂腺から分泌される皮脂の性質を変えて皮脂の排出と除去を容易にし、脱毛を防止し、毛髪の成長速度を早くさせるという目的を有する。
組成物の多様な応用
本発明の組成物は理論的に、又は実験的に表皮に散在している幹細胞にいかなる影響や刺激を与え、新たな毛根が形成されて発毛を可能にする根拠は不足しているか、ない。しかしながら、本組成物は、皮脂の性質を変化させて皮脂の排出と除去を容易にし、結果として、毛髪が早く成長するようにするということは理論的にも、また実験的にも立証が可能である。
既存の動物実験を通じて明らかになった発毛の機作に対する結果から見ると、毛根細胞の分化及び発生は、傷が生じ、治る過程で自然に発生(Cheng-Ming Chuong, 2007. Nature 447:265-266とIto et al. 2007. Nature. 447 316-320)するということである。本特許の組成物を、頭皮に微細な損傷を与えた後に適用すれば、傷の回復過程で新たに分化した毛根細胞が早く成長し、毛髪を安定して育毛できる。発毛の目的よりも育毛の目的が強いと見られる。
他の方式は、ミノキシジルやフィナステリドの適用後に微細な毛髪の成長を示す場合、本特許の組成物を適用すれば、毛髪の成長を早く誘導し、毛髪成長の安定化を図ることができるものと期待される。
本特許の組成物を脱毛が進行中の人々のうち、頭皮に微細な毛髪(いわゆる、産毛)が存在すれば、適用させ、これらの微細毛髪の成長速度を早くして脱毛症状を緩和させることにも役立てられることが予想される。
なお、癌患者らが化学療法を施す前後に適用すれば、化学療法の副作用による脱毛も予防し、また化学療法治療の終了後に新たな毛髪が形成されるとき、成長速度を早くして患者らの回復にも役立てられることが期待される。
本発明の明細書から分かるように、本発明によれば、動物から精製されたリン脂質を用いて中性脂肪成分の皮脂の性質を変化させ、皮脂の固形化を防止し、皮脂の排出と除去を容易にするという効果を奏する。皮脂の円滑な除去は脱毛を防止し、毛根細胞が毛細血管から栄養分を容易に受け入れるようにすることによって、毛根細胞及び関連する周辺細胞を活性化して毛髪の成長を促進させる。
発明の態様
図1及び図2:豚の肺から抽出して精製されたリン脂質の薄膜クロマトグラフィ分析に関する図である。図1の1番目の試料、シリカカラム前の豚の肺抽出リン脂質;2番目の試料:精製された豚の肺抽出リン脂質;3番目の試料、PC(L-alpha-phosphatidylcholine、Sigma#P3556);4番目の試料、PI(phosphatidylinositol sodium salt、Fluka#79403);5番目の試料、PS(3-SN-phosphatidyl-L-serine sodium salt、Sigma#P5660);6番目の試料、PA(3-SN-phosphatidic acid sodium salt、Sigma#P9511)7番目の試料、PE(L-alpha-phosphatidyl ethanolamine、Sigma#P7943);8番目の試料、DPPC(1-2-dipalmitoyl-sn-glycerol-3-phosphocholine、Sigma#P4329);9番目の試料、soy lecithin(Junsei Chemical#86015-1201、日本)。薄膜クロマトグラフィ(TLC))を用いて精製されたリン脂質に含有されている特定のリン脂質の種類を詳察した。薄膜クロマトグラフィにより確認されたリン脂質は、DPPC、PC、PS、PI、PEである。薄膜クロマトグラフィの展開溶媒は、クロロホルム:メタノール:水(65:25:4、体積比)を用いた。エタノールに溶かした5%の硫酸溶液をスプレーした後、摂氏190℃にて加熱して各成分を炭化させて確認した。
図2:1番目の試料、豚の肺から精製されたリン脂質;2番目の試料、大豆抽出リン脂質(soy lecithin、Junsei Chemical#86015-1201、日本);3番目の試料、卵黄抽出リン脂質(egg lecithin、Tokyo Chemical Industry#L0022、日本)。豚の肺から抽出されたリン脂質は、既存のよく知られているレシチンと明確に異なる構成を有していることを薄膜クロマトグラフィ方法により確認した。
図3〜図8:毛根の活性化現象を確認する図である。
DNFB(2,4-dinitrofluorobenzene)感作作用を用いて炎症を起こしたラットの背中表面に豚の肺抽出リン脂質を適用して炎症の減少を確認する実験過程中に、毛根細胞の成長が活性化されたことを偶然に確認した。
図3は正常な背中の表皮組織;図4はDNFBのみ処理したラットの背中表皮組織;図5はタクロリムス(商品名、プロトピックス:アステラス製薬、日本)の適用後;図6はデキサメタゾン(0.1%のdexamethasoneエタノール溶液)の適用後;図7は豚の肺抽出リン脂質(10mg/ml)を適用した後;図8は豚の肺抽出リン脂質(20mg/ml)を適用した後。適用期間は15日であった。楕円形の赤色点線の内側は、活性化された多数の毛根細胞を示している。典型的な発毛の形態は-細胞基底層の陥没を示し、毛根細胞が分化する現象-(図5、タクロリムスの適用)で一部観察された。本発明の組成物の適用後(図7と8)、細胞基底層の下で毛根細胞が活性化された様子を示し、既存に発表された発毛の形態でない毛根細胞の活性化を示している。
図9〜図11:本発明の組成物のラットの毛の成長促進効果を示す図である。
図9は、実験ラット(Balb/c)を除毛した後、2週間食塩水を適用した結果である。図10は、同一の種類、同一の週齢の実験ラットを除毛した後、2週間組成物を適用したラットの状態である。明確なラットの毛の成長を目で確認できる。
図11は、実験ラット(C3H)を除毛した後、蒸留水を適用したラットと組成物を適用したラットから毛を抜いてその長さを比較した。組成物を適用したラットの毛(右側)は、非常に早い毛の成長を示すことを確認した。目盛りの間隔は1mmを表す。
図12〜図16:本発明の組成物の人体への適用例を示す図である。
脱毛のある志願者に5mg/mlのリン脂質濃度を含有する組成物を適用し、その結果を観察した。1日2回、2cm×2cmの脱毛部位に1滴(50〜60mlずつ)適用し、20秒程度擦るよう推奨した。図12は志願者Aの適用前の様子;図13は15週間後の様子;図14は20週間後の様子。図15は志願者Bの適用前の様子;図16は15週間適用後の様子を示す。肉眼観察でも組成物の効果を容易に明確にできる。
図17〜図24:多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。
実験ラット(C3H)の除毛された背中の面積を基準に毛が生えた部分の面積の比率を計算して育毛効果を数値化した(実験例4:育毛効力実験:動物実験3(有機酸効能及び大豆レシチンの効果)内容及び図表参照)。
図17は、蒸留水のみを適用した実験群;図18はミノキシジル(5%)のみ適用した実験群;図19は豚の肺抽出リン脂質+1.5mM CaCl+2.5mM citrate/citric acid、pH5.8)適用した実験群;図20は豚の肺抽出リン脂質+1.5mM CaCl+5mM citrate/citric acid、pH5.8)適用した実験群;図21は豚の肺抽出リン脂質+1.5mMのCaCl+7mM citrate/citric acid、pH5.8);図22は豚の肺抽出リン脂質+1.5mM CaCl+5mM citrate/citric acid+5mM malate/malic acid、pH5.8)適用した実験群;図23は豚の肺抽出リン脂質+1.5mM CaCl+2.5mM citrate/citric acid+2.5mMのmalate/malic acid、pH5.8)適用した実験群;図24は大豆レシチン(soy lecithin)+1.5mM CaCl+5mM citrate/citric acid、pH5.8)適用した実験群。組成物に含有されている有機酸でクエン酸の濃度が5mMであるとき、最も良い効果を示し、他のクエン酸回路に関連する有機酸(例えば、リンゴ酸、malic acid)との組み合わせも相対的に優れた毛の成長効果を示すことが確認された。
図25〜図27:本発明の組成物に含有されている2価カチオンの効果を示す図である。
組成物に含有されている5mM濃度のクエン酸(citrate/citric acid、pH5.8)の代わりに、5mMのコハク酸(succinate/succinic acid、pH5.8)を添加した。実験ラット(Balb/c)に3週間適用した後、変化した組成物が毛の成長に及ぼす影響を観察した。図25は蒸留水のみ適用した実験群;図26は1.5mM CaCl+5mM citrate/citric acid(pH5.8)を含有する組成物を適用した実験群(2.5週間適用);図27は1.5mM CaCl+5mM succinate/succinic acid(pH5.8)を含有する組成物を適用した実験群)。コハク酸を含有する組成物を適用したラットの毛の成長は、クエン酸を含有する組成物を適用したラットの毛の成長状態よりも規則的でなく、質感も粗いことを発見した。組成物に含有される有機酸としてクエン酸が最も好ましいことが分かり、コハク酸も毛の成長を促進する効果があることを確認した。
図28及び図29:本発明の組成物に含有されている2価カチオンであって、マグネシウムイオンの効果を示す図である。
組成物に含有されている1.5mMのCaClの代わりに、1.5mMのMgClを添加し、実験ラット(Balb/c)に3週間適用した。対照実験動物群には蒸留水を適用し(図28)、効能群には20mg/mlの豚の肺抽出リン脂質、1.5mMのMgCl及び5mMのCitrate/citric acid(pH5.8)を適用した(図29)。マグネシウムイオンを含有する組成物は、個体毎に異なる毛の成長形態を示した。組成物に含有されている2価カチオンとしては、カルシウムイオンが最も効果的に毛の成長を促進させるということが分かり、マグネシウムイオンも毛の成長に影響を与えるということが分かった。
図30及び図31:本発明の組成物の剤形に関する実験である。
図30における真ん中の試験管は、精製されたリン脂質が1.5mMの塩化カルシウムにより凝集する現象を示している。図30の右側は、5mMのクエン酸(citric acid/citrate、pH5.8)が添加され、カルシウムによりリン脂質が凝集しなくなった状態である。図30の左側は、組成物を蒸留水に混濁した結果である。組成物に含有されている有機酸が毛髪の成長促進に重要な役割を果たすが、組成物が均質な混濁状態を維持する上でも必須な要素であるということを示す。蒸留水では半透明の牛乳色の溶液を形成してリポソームの形成を判断できる。しかしながら、5mMのクエン酸/クエン酸塩+1.5mMの塩化カルシウムを混ぜた溶液(右側の試験管)は、混濁状態は均質であるものの、不透明であり、綿形状の粒子が観察されてリポソームが形成されていないと判断される(写真から判断して右側の試験管が不透明であるということから区別)。
図31は、肺から抽出したリン脂質を用いてリポソームの構造を形成させるために、円形フラスコに脂質フィルムを形成した後、強力な混合過程(vigorous vortex)を経てリポソームの形成を試みた結果である。同一の過程を経た大豆レシチンは、半透明なリポソーム溶液の状態を維持する反面(図31の左側)、動物の肺から抽出したリン脂質は1時間放置したとき、多量の泡と沈殿が発生する結果を示した(図31の右側)。本発明に用いられたリン脂質と溶液の条件は、リポソームの形成に有利でない条件であると判断できる。
豚の肺から抽出して精製されたリン脂質の薄膜クロマトグラフィ分析に関する図である。 豚の肺から抽出して精製されたリン脂質の薄膜クロマトグラフィ分析に関する図である。 毛根の活性化現象を確認する図である。 毛根の活性化現象を確認する図である。 毛根の活性化現象を確認する図である。 毛根の活性化現象を確認する図である。 毛根の活性化現象を確認する図である。 毛根の活性化現象を確認する図である。 本発明の組成物のラットの毛の成長促進効果を示す図である。 本発明の組成物のラットの毛の成長促進効果を示す図である。 本発明の組成物のラットの毛の成長促進効果を示す図である。 本発明の組成物の人体への適用例を示す図である。 本発明の組成物の人体への適用例を示す図である。 本発明の組成物の人体への適用例を示す図である。 本発明の組成物の人体への適用例を示す図である。 本発明の組成物の人体への適用例を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 多様な有機酸濃度及び有機酸の組み合わせを含有する本発明の組成物の効果を示す図である。 本発明の組成物に含有されている2価カチオンの効果を示す図である。 本発明の組成物に含有されている2価カチオンの効果を示す図である。 本発明の組成物に含有されている2価カチオンの効果を示す図である。 本発明の組成物に含有されている2価カチオンであって、マグネシウムイオンの効果を示す図である。 本発明の組成物に含有されている2価カチオンであって、マグネシウムイオンの効果を示す図である。 本発明の組成物の剤形に関する実験である。 本発明の組成物の剤形に関する実験である。
以下、非限定的な実施例を通じて本発明を更に詳細に説明する。
但し、下記の実施例は、本発明を例示するための意図で記載されたものであって、本発明の範囲は、下記の実施例によって制限されるものと解釈されない。
実施例1:豚の肺からリン脂質の精製
危害分析重要管理点(HACCP、Hazard Analysis Critical Control Point)の認証を受けた屠殺場で豚が屠殺された後、直ちに肺組織を得て氷-水の水槽に保管した。豚の肺組織は屠殺後、5時間以内に用いるか、直ちに使用しない場合、摂氏零下20℃にて保管し、必要時に解凍させて用いた。
リン脂質の抽出過程は、以下のような順序の過程を経て得られた。
(1)豚の肺組織を破砕する過程、(2)肺組織から血液を除去する過程、(3)脂質全体の沈殿過程、(4)脂質全体(total lipid)の有機溶媒の抽出過程、(5)中性溶媒を用いた中性脂肪の除去過程、(6)残留する中性脂肪及びペプチドとタンパク質の除去のためのシリカカラムの精製過程、(7)有機溶媒の除去及び乾燥過程からなっている。
(1)豚の肺組織の破砕過程
豚の肺組織から硬い組織(例えば、気管(trachea)や厚い血管(aorta)及びpulmonary arteryなど))を除去し、約4×4×4cmの大きさに切断した後、切肉機(grind mill)を用いて豚の肺組織を破砕した。破砕した組織(250g)に冷却された食塩水(700ml)を添加した後、ミキサー(metal-blade blender、HMF-390、Hanil Eletric社製、大韓民国)を用いて1分間、更に破砕した。
(2)血液の除去過程
ミキサーで破砕した肺組織は、氷-水の水槽に入れて1時間冷却させた。冷却された肺組織を摂氏4℃、4,500gで40分間遠心分離(Component-R、Hanil Science Industrial社製、大韓民国)して沈殿物を取り、上層液の希釈された血液は除去した。
(3)脂質全体の沈殿過程
得られた沈殿物に5mMのCaClを含有する貯蔵液(70mMのNaCl)を添加した後、氷-水の水槽で1時間冷却させた。冷却させた試料を摂氏4℃、4,500gで45分間遠心分離して沈殿物を得た。カルシウムイオンは、肺組織固有のタンパク質とリン脂質の凝集を誘導して低い遠心分離重力(g)値でも容易に沈殿を誘導するために用いられた。
(4)有機溶媒の抽出過程
得られた沈殿物に4倍の体積に該当する塩化メチレン(dichloromethane:エタノール(ethyl alcohol)(2:1、体積比)混合溶媒を入れ、水溶性物質を除去し、有機溶媒溶解性物質(リン脂質を含有する脂質全体)を得た。溶媒は、真空回転蒸発器を用いて除去し、含有脂質物質を濃縮した。
(5)シリカカラムの精製過程
濃縮されたリン脂質を含有する分画を塩化メチレンに再び溶かした後、シリカカラムに適用して試料に含有されているコレステロール、トリアシルグリセロール及び脂肪酸などの中性脂肪を除去し、リン脂質を純粋に得た。直径と高さの比率が1:4であるガラスカラムを用い、シリカゲルはマルク(Merck)230-400メッシュを用いた。非極性又は中性溶媒を初期に用い、極性度の高い展開溶媒を順次用いることで、カラムの初期に中性脂肪をまず溶出させ、最後の部分に極性脂肪が溶出するようにし、精製を容易にした。シリカゲル1体積のアセトン、シリカゲル1体積の塩化メチレンを順次用い、リン脂質を得るために、塩化メチレン:エタノール:水(6:8:1、体積比)をシリカゲル体積の7倍を用いてカラムを展開させた。溶出する分画を薄膜クロマトグラフィ(TLC)に適用してリン脂質の溶出を確認し、薄膜クロマトグラフィでf値が0.3以上0.7以下の脂質分画(リン脂質のf値)を選別して得た。薄膜クロマトグラフィの展開溶媒としては、クロロホルム:メタノール:水(65:25:4、体積比)を用いた。
(6)有機溶媒の除去及び乾燥過程
得られた最終のリン脂質分画から真空回転蒸発器を用いて有機溶媒を除去した。得られたリン脂質の固形物に再び純粋なエタノールを添加した後、再蒸発させる過程を経て塩化メチレンが残っている可能性を除去した。最終的に摂氏零下85℃の凍結乾燥機を用いて残余水分を除去した後、粉状のリン脂質を得た。
(7)精製されたリン脂質の確認
精製されたリン脂質の純度は、薄膜クロマトグラフィ(TLC、Thin Layer Chromatography)法を用いて確認した。薄膜クロマトグラフィの薄膜上に存在する脂質は、エタノールに溶かした5%の硫酸(sulfuric acid)を噴霧した後、摂氏190℃で炭化(charring)させて発色するようにした。薄膜クロマトグラフィの展開溶媒(developing solution)は、クロロホルム:メタノール:水(65:25:4、体積比)を用いた。展開溶媒は極性を強く帯びる溶媒であって、脂肪酸及びコレステロールなどの中性脂肪は高い移動率(f値は0.8以上)を有し、タンパク質又はペプチドは試料を点滴した個所から殆ど移動しない(f値は0.1以下)。リン脂質は0.3〜0.76のf値を有する。薄膜クロマトグラフィ法を用いて精製されたリン脂質には、DPPC(dipalmitoyl phosphatidyl choline)、PC(phosphatidyl choline)、PS(phosphatidyl serine)、PE(phosphatidyl ethanolamine)、PI(phosphatidyl Inositol)、PA(phosphatidic acid)が含有されていることを確認した(図1)。
肺から抽出したリン脂質(レシチン)は、大豆リン脂質又は卵黄リン脂質の成分とは明確に異なる構成成分のリン脂質を有することを薄膜クロマトグラフィ分析を通じて確認した(図2)。
エタノールに溶かした0.2%のニンヒドリン(ninhydrine)を薄膜クロマトグラフィに噴霧して試料に含有されているタンパク質又はペプチドが存在するかを確認した。ニンヒドリンで染色した薄膜クロマトグラフィでタンパク質又はペプチドは検出されなかった(結果は省略)。
試料の総リン脂質の濃度は、Fiske and Subbarow reagentを用いる改良されたバートレット実験法(modified Bartlett assay, Miller KJ. 1985. J. Bacteriol. 162:263-270)を用いて定量を行い、試料に含有されている肺固有のリン脂質であるDPPCの含有量は、高圧液体クロマトグラフィ法とELS検知器を連係したシステム(HPLC-ELS(Evaporative Light Scattering)Detector system, Waters e2695 module system, USA)を用いて定量した。L-a-dipalmitoyl phosphatidyl choline, Sigma Chem., Co.USA)を購入して濃度の定量に用いた。試料全体に含有されているDPPCの量は、約32%であることが確認された(結果は省略)
実施例2:組成物の製造
精製されたリン脂質は、パウダー状で存在するので、表皮に適用するために、水に混濁して用いた。水に混濁されたリン脂質は、摂氏121℃、15ib/cmの圧力で15分間高圧滅菌(autoclave)を行った。補助因子として用いるために添加される2価カチオン(塩化カルシウム又は塩化マグネシウム)及び有機酸(クエン酸及びリンゴ酸など)は濃縮溶液にし、それぞれ高圧滅菌した後、混濁されたリン脂質溶液に添加し、要求される濃度となるように混ぜた。有機酸の製造は、酸形態(acid form、例えば、citric acid)と塩形態(sodium salt form、例えば、citrate tri-sodium salt)を混ぜて酸性度(pH)が5.8となる緩衝溶液として作動するようにした。効能の検証のために適用されたリン脂質の濃度は、5mg/ml、10mg/ml及び20mg/mlをそれぞれ用い、2価カチオンの濃度は、1.5mM、有機酸の濃度(有機酸と有機酸塩の濃度の合計)は、最終濃度が5mMとなるようにした。
実験例1:育毛効力実験:動物実験1(育毛効果の発見)
アトピー性皮膚炎又は接触性及びアレルギー性皮膚炎の動物モデルを作るために、DNFBで感作させた1週間後から、週2回ずつ計10回のDNFBをラットの背中に塗り、人為的なアレルギー性炎症を誘発した。皮膚炎発現動物モデルの製作及び治療剤と効能を示す物質の投与方法は、かつて出版された論文(Inagaki et al. 2006, Eur J Pharmacol 546:189-196)の方法と同様に行った。ラットはBalb/cを用い、6匹を1グループに設定した。5回目のDNFBを適用した後から本特許の組成物、タクロリムス(Tacrolimus、商品名:プロトピックス、韓国アステラス製薬社製)軟膏及びデキサメタゾン(Sigma Chem. Co. USA、エタノールに溶かした0.1%の溶液)をそれぞれ炎症が発生したラットの背中に1日2回、60マイクロリットル(ml)ずつ適用した。適用10日後にラットの組織を採取して検査を行った。
本発明の組成物を適用したラットの組織(10mg/mlのリン脂質濃度(図7)と20mg/mlのリン脂質濃度(図8)で活発な毛根細胞の成長が観察され、蒸留水(図3)とデキサメタゾン(図6)を適用したラットの組織からは毛根の発達が観察されなかった。ラットの背中の傷が治癒される過程で基底細胞層(basal cell membrane)の幹細胞が毛根細胞に分化しながら、陥没(又は球形状に凹んだ形態)し、新たな毛根が形成される現象は、タクロリムス(図5)を適用したラットの組織から観察されたが、本組成物を適用したラットの組織からは基底細胞層の下で毛根細胞が成長した様子が見られる。このような観察結果は、本発明の組成物が発毛の機能よりは育毛の機能を有すると推論できる根拠となる。
実験例2:育毛効力実験:動物実験2(毛の成長速度の比較実験)
同じ週齢の雄の実験ラット(5週間目、Balb/c)を購入(オリエンタルバイオ社製、城南市、京畿道、大韓民国)して1週間、新しい環境に適応するようにした。餌と水は自由に取られるようにし、午前8時に消灯し、午後8時に点灯して生活周期リズム(circadian rhythm)をセットした。湿度、温度、空気清浄及び循環は、動物飼育機(DJ-201、Daejong Instrument Industry Co,. Ltd社製、ソウル、大韓民国)を用いて摂氏25℃、50%の湿度で飼育した。5匹を1つの実験群に構成して実験を行った。
同じ週齢(6週)の雄のラットの背中を除毛した後、本組成物を適用して毛の成長を観察した。対照群には組成物の代わりに、同量の蒸留水を適用し、同じ回数で擦った(図9)。組成物は、20mg/mlのリン脂質を1.5mMのCaClと5mMのクエン酸/クエン酸塩(citric acid、free-saltとcitrate tri-sodium salt、pH5.8)を含有する溶液に単純混濁した組成物を60mlずつ1日2回、2週間(土、日曜日を除く計10日)適用した(図10)。2週間後、2つの実験群の差は明確に現れた(図9と図10)。
Balb/c実験ラット以外にもC3H実験ラットを用いて毛髪の成長速度を比較した。組成物を適用したラットの毛と、蒸留水のみ適用したラットの毛を抜いて長さを比較した。2.5週間の適用期間後、2つの実験群の毛の成長長さは、明確な差を示した。図11は、2つの実験群から採取した毛の長さを示し、目盛りは1mmの間隔を示す。
実験例3:育毛効力実験:志願者テスト
ハゲ頭が進行中であるか、かなり多く進んでいるテスト志願者らを選別し、5mg/mlのリン脂質濃度を有する本特許の組成物を適用した。発毛と関連して影響を及ぼし得る薬を服用、又は頭皮に適用している志願者はテストから除外した。13人の志願者を選別して志願者テストを行い、15〜20週間のテスト期間の終了まで参加した志願者は7人であった。平均年齢は37才であった。本特許の組成物を1日2回、2cm×2cmの脱毛部位に1滴(約50〜70ml)ずつ点滴し、20秒間頭皮を擦るように薦めた。シャンプー、洗剤の使用及び飲食、アルコールの摂取又は喫煙に対していかなる節制や推奨をせず、日常生活を営む状態で組成物を適用するようにした。
志願者らから、組成物の適用後、脱落の減少、髪の毛の増加、髪の毛の成長速度及び毛の太さの変化に対して4つの質問を行い、それぞれの質問項目に対して満足度を最大0-5点にし、志願者が自ら評価を行うようにした。
Figure 2013529209
組成物を適用した後、志願者が自ら評価するようにして得た結果は、主観的な見解により普遍的な正確性は保障できないが、組成物に対する効果について志願者の満足度が高いということが分かった。志願者らの評価の結果は、発明者が組成物の効果が発毛よりは育毛又は脱毛防止にあると推論した結果を立証させた。志願者に対する適用結果は、写真を通じて容易に肉眼で確認できる(図12-16)。
実験例4:育毛効力実験:動物実験3(有機酸効果及び大豆抽出リン脂質の効果)
本発明の組成物に含有されている有機酸(例えば、citric acid free-saltとcitrate tri-sodium salt)が育毛の効果に及ぼす影響を調べるために実験を行った。また、同じ濃度の大豆レシチン(豆から抽出したリン脂質、#86015-1201, Junsei Chemical社製、日本)を用いた組成物を製造して毛の成長に与える影響を比較した。実験ラットは7周齢のC3H/HeNCrljBgi種を購入(オリエントバイオ社製、城南市、韓国)して実験に用いた。5匹のラットを1グループに構成して実験を行った。実験結果の明確な差を確認するために、ミノキシジル(5%溶液、Minoxyl、ハンミ薬品社製、韓国)を全てのラットに60mlずつ適用し(グループ1を除く)、30分後に本特許の組成物を適用した。組成物の適用は2.5週間行い、1日2回60mlずつ除毛されたラットの背中に適用した。適用されたリン脂質の濃度は、20mg/mlであった。ラットの毛髪の成長の測定は、各実験群のラットの写真をそれぞれ撮影した後、除毛された部位で毛が生えた部位の占める比率を計算した。その結果は、以下の表の通りである。
Figure 2013529209
実験ラットの毛の成長速度を促進するために、組成物は豚の肺から抽出したリン脂質を用いることが最も好ましく、組成物のクエン酸の濃度が5mMであるとき、最も良い効果を示すことが分かった(図20)。大豆から抽出したリン脂質(大豆レシチン)もラットの毛の成長促進に役立てることが確認されたが、豚の肺から抽出したリン脂質が有する毛の成長促進効果に比較すると、大きな意味を有し難いと判断される。
更に、組成物にリンゴ酸(malate/malic acid)を追加して組成物の効果を調べた。ミトコンドリアのクエン酸回路(TCA cycle)と関連する有機酸は、毛髪の成長に役立てるということが分かり、脂質代謝と関係が深いミトコンドリアの生理的活性が毛髪の成長と関連しているという仮説を推論可能にする結果を得た(図17-24)。
実験例5:育毛効力実験:動物実験4(クエン酸とコハク酸の比較)
本発明の組成物に含有されているクエン酸の代わりに、ミトコンドリアのクエン酸回路(citric acid cycle)の他の代表的な有機酸であるコハク酸(succinate di-sodium salt/succinic acid、pH5.8)を組成物に同じ濃度(5mM)で添加して毛髪の成長に及ぼす影響を調べた。9周齢のBalb/c実験ラットを用い、前述したのと同様の方法で行い、適用期間は2.5週であった。コハク酸もクエン酸と同様に、ラットの毛の成長促進を見せた(図27)。しかしながら、コハク酸を含有する組成物は、クエン酸を含有する組成物(図26)よりも不規則な毛の成長を示し、ラットの毛が粗く見える質感を示した。しかしながら、コハク酸を添加した組成物を適用したラットから部分的にクエン酸を含有する組成物の毛の成長速度よりも速い成長を示したりもした。組成物に含有されている有機酸は、カルシウムによるリン脂質の凝集現象を防止する上でも必須であると同時に、毛の成長を調節する重要な要素であるということを示している。
実験例6:育毛効力実験:動物実験5(2価カチオン、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの影響)
本発明の組成物に含有されている2価カチオンであるカルシウムイオンの代わりに、マグネシウムイオンを添加してラットの毛の成長速度に及ぼす影響を調べた。6周齢のBalb/c実験ラットを用い、1日2回ずつ3週間(15日)、組成物を50mlずつラットの背中に適用した。組成物は20mg/mlのリン脂質、1.5mMのMgCl及び5mMのクエン酸(citric acid/citrate sodium salt、pH5.8)を含有するようにした。
3週間の組成物適用期間後に観察した結果、マグネシウムイオンもラットの毛の成長速度を促進するということが分かった。しかしながら、カルシウムイオンを添加した組成物の効果よりも満足する結果を示せなかった。カルシウムイオンを含有する組成物は、実験群の全てのラットにおいて規則的な毛の成長を示す反面、マグネシウムイオンを含有する組成物は、個体によって不規則な毛の成長を示した。実験を通じて、ラットの毛の成長を促進する組成物に含有される2価カチオンとしては、カルシウムイオンが最も適しているという結論を下すことができ、マグネシウムイオンもラットの毛の成長を促進させる役割を果たせるという可能性を示した(図28-29)。
実験例7:組成物の剤形観察実験(カルシウムイオンと有機酸の組み合わせ)
本発明の組成物は、肺から抽出したリン脂質と塩化カルシウム及び有機酸(クエン酸+クエン酸塩)を含有する。特に、有機酸は毛髪の成長を促進する重要な因子であると同時に、カルシウムイオンにより、リン脂質が凝集する現象を防止する役割も果たす。本実験は、組成物に含有されている有機酸がカルシウムイオンによりリン脂質が凝集する現象を妨げるということを証明するために行った。有機酸が組成物に必須的に含まれなければ、皮膚への適用が容易にできないということを明確に判断できるようにする。
10mg/mlのリン脂質を蒸留水に混濁させた状態(図30の左側)、リン脂質混濁液に1.5mMの濃度となるように、塩化カルシウムのみを添加した状態(図30の真ん中)、リン脂質混濁液に1.5mMの塩化カルシウム及び5mMのcitrate/citric acidを添加した状態(図30の右側)を作った。塩化カルシウムのみ含有されている試験管ではリン脂質の凝集現象を示し、有機酸とカルシウムが共に含有されている試験管ではリン脂質が均質に混濁された状態を示すことができる。
豚の肺から抽出したリン脂質のリポソーム形成の条件について調べた。肺から抽出したリン脂質にクロロホルム:メタノール(1:2、体積比)を添加した後、真空回転蒸発器(Eyela N-1000、rotary vacuum evaporator、日本)を用いてフラスコの壁に薄膜の脂質フィルムを形成させた。リン脂質フィルムが形成された丸いフラスコに本特許の組成成分である1.5mMの塩化カルシウムと5mMのクエン酸(citric acid/citrate tri-sodium slat、pH5.8)を添加した後、30分間力強く振ってリポソームの形成を試みた。リポソームの形成時、フラスコを一定間隔で加熱して約摂氏60℃を維持するようにした。肺から抽出したリン脂質は、大豆抽出リン脂質(大豆レシチン)とは異なり、泡が形成され、1時間常温で放置した場合、容易に沈殿されることを示した。本特許の組成物に適用された条件は、リポソームの形成に有利な条件ではないと判断される。豚の肺から抽出したリン脂質は、飽和度が高いため、炭化水素の尻(hydrocarbon tails)の流動性が少なく、リン脂質の頭部分の極性が高いため、互いに静電気的に押し出す性質(electrostatic repulsion)が強いことから、このような特性を示すものと推論される。本組成物は、健康な動物の肺から抽出したリン脂質を単純な混濁形態で用いることを推奨し、このような非リポソーム形態(non-liposomal structure)のリン脂質含有組成物は、粘度が高くなった皮脂とより容易に混合され得るので、皮脂の粘度を迅速に下げ、更に皮脂の排出及び除去を容易にできるものと期待される。

Claims (9)

  1. 有効成分としてリン脂質を含んでなる、脱毛防止又は育毛促進用組成物。
  2. 前記リン脂質が、動物から抽出されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記リン脂質が、牛又は豚から抽出されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記リン脂質が、動物の肺から抽出されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
  5. 前記リン脂質が、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチド酸、及びホスファチジルイノシトールで構成された群より選択されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の組成物。
  6. 2価カチオン及びカルボキシル基含有有機酸又はその塩で構成された群より選択された1つ以上の成分を更に含むことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、薬学的組成物であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、化粧料組成物であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
  9. 前記化粧料組成物が、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアスプレー、ヘアエアゾール、ポマード、粉末、又はジェルであることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
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