JP4034364B2 - 抗アレルギー剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、モノシアロガングリオシド3(以下、「GM3」という)を有効成分とし、モノシアロガングリオシド3(G M3 )の投与量が、体重1kg当り0 . 01mg/日以上となるように調製された抗アレルギー剤に関する。本発明における抗アレルギー剤は、経口投与製剤の形態で用いられ、乳児等のアレルギーの発症の予防または治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、アレルギー性疾患の罹患率が高くなり、患者数が非常に増加しているため、アレルギーは社会問題にまで発展している。特に、乳児から小児期に多い食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎や小児喘息等の疾患が重症となることもあり、多くの関心が寄せられている。
食物アレルギーの発症のメカニズムは様々であるが、乳幼児の場合は、主として未発達な消化管粘膜から、アレルゲン(アレルギーを引き起こす抗原)が体内に侵入するために起こると考えられている。こうした食物アレルギーを予防または治療するためには、アレルゲンを摂取しないようにする食事制限が、最も一般的に行われているが、アレルギーの原因となる食品成分には、卵や牛乳等の良質な蛋白質が多く、成長期にそのような食事制限を行うと、栄養失調により、正常な発育が妨げられるという問題がある。
【0003】
従って、通常の食生活の中で、アレルギー症状を未然に防ぐことが望まれている。そのため、従来より、アレルゲンとなる蛋白質をあらかじめ予備消化したり、蛋白質の構成成分であるアミノ酸をそれぞれ組み合わせて、栄養組成物を製造する方法が実用化されている。
一方、アレルゲンの分解や低減化とは異なる方法でアレルギーの発症を予防する方法としては、アレルゲンを体内へ侵入させてしまう未熟な消化管自体を改良する方法が考えられる。即ち、乳児等の未熟な消化管粘膜組織を成熟化させることにより、粘膜上皮細胞の間隙からアレルゲンが通過するのを防いだり、消化管粘膜上でアレルゲンと結合してその侵入を防ぐIgAの産生を増加させることが、アレルギーの予防に効果があると予想することができる。このような作用をもつ物質としては、上皮細胞増殖因子(EGF)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような蛋白質分解物やアミノ酸をそれぞれ組み合わせた組成物は苦味が強く、味覚の点で劣ったものとなり、アレルギー予防用の一般食品として受け入れられにくいという問題がある。また、味を良くするために蛋白質の予備消化率を低くすると、アレルゲンの分解が不十分となり、アレルギーを十分に予防することができない。
また、上皮細胞増殖因子(EGF)は、動物の生体内に微量にしか存在しないため、工業的に生産するには、遺伝子の組み換え技術や動物細胞培養技術等を利用しなければならない。しかしながら、このような技術で生産された物質は、安全性等の点で未解決の問題点が多く、現在のところ、アレルギー予防の目的では未だ利用できる状況には至っていない。
このような状況に鑑み、本発明者らは、腸管粘膜細胞を成熟化させてアレルゲン物質の透過を阻止し、分泌型IgAの産生を促進してアレルギーを予防することができ、かつ食品として安全である成分について鋭意研究した結果、ガングリオシド、特にGM3に、抗アレルギー作用があることを見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明は、上記従来技術の課題を解決し、ガングリオシド、特にGM3を有効成分とする抗アレルギー剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、モノシアロガングリオシド3(G M3 )を有効成分とする抗アレルギー剤からなる。本発明はまた、モノシアロガングリオシド3(G M3 )が乳由来である前記抗アレルギー剤からなる。本発明はまた、モノシアロガングリオシド3(G M3 )の含有量が、固形分当り0.5mg%以上である前記抗アレルギー剤からなる。本発明はまた、モノシアロガングリオシド3(G M3 )の投与量が、体重1kg当り0.01mg/日以上となるように調製された前記抗アレルギー剤からなる。
【0006】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の抗アレルギー剤の有効成分であるガングリオシドは、N−アセチルノイラミン酸を含むスフィンゴ糖脂質であり、あらゆる細胞膜上に存在する。その生理作用としては、細胞毒素の中和活性、インターフェロンやホルモン等の受容体活性等が知られている。ガングリオシドは、乳にも含まれる成分で、乳に含まれるガングリオシドは、主にGM3とジシアロガングリオシド3(以下、「GD3」という)の2種類あるが、GM3には骨髄性白血病細胞株HL−60や単球性白血病細胞株U937の分化誘導作用が知られている(ノジリら,J.Biol.Chem.,263,7443,(1988))。即ち、これら細胞株の培養液に、GM3を添加すると、単球からマクロファージへの分化が形態学的に観察され、貪食能等が増大する。ただし、これは血液細胞の分化誘導に関する知見であり、GM3の抗白血病剤としての可能性も予想されているが、本発明の目的とする消化管粘膜を成熟化することによるアレルギー予防とは、目的も作用機序も全く異なるものである。
【0007】
本発明者らは、後記の試験例に示すように、ヒトの腸管上皮細胞株(Caco-2)を用い、細胞間に形成される密着結合(タイトジャンクション)を指標に、ガングリオシドの消化管細胞の成熟化作用を調べた。その結果、ガングリオシドの中で、特にGM3が細胞間の密着結合の形成に寄与し、細胞間の間隙を塞ぐ作用のあることを見い出した(試験例1)。また、母乳から分離したIgA産生リンパ球を、GM3添加培地で培養したところ、無添加培地に比べて有意にIgA産生を促進することが明らかになった(試験例2)。これらの結果をもとに、動物実験で、実際にアレルゲンの透過を抑制できるかどうかを調べるために、食物アレルゲンの一つであるβ−ラクトグロブリン(以下、「β−Lg」という)を、GM3添加乳と無添加乳を飲んでいるラットに経口投与し、GM3の摂取がβ−Lgの体内への透過を抑制するかどうかを調べた。その結果、経口摂取したβ−Lgの血中への移行が有意に抑制され、アレルギー発症の指標の一つである抗β−LgIgEの血中濃度も低くなることが明らかになった。また、GM3の一日当り投与量は、体重1kg当り0.01mg未満では効果はなく、0.01mg以上としたときに効果が表われたが、10mg以上の投与を行っても、投与量に対応する効果は示さなかった(試験例3)。
【0008】
本発明において有効成分として使用されるガングリオシドは、いかなる方法により得られるものであってもよい。即ち、従来法により畜獣の脳等から分離精製されたものを用いてもよく、また、最近確立された、牛乳から効率よく回収する方法(特開昭63−269992号公報)を利用して得られたものを用いてもよい。前記公報に記載の方法によれば、工業規模で大量に生産することも可能である。
前記公報に記載の乳からガングリオシドを分離抽出する方法を、参考までに示すと下記の通りである。
即ち、牛乳、バターミルク、ホエー、脱脂乳等の乳原料に、塩酸や乳酸等の酸、またはトリプシン、ペプシン等の蛋白質分解酵素を作用させて、蛋白質を分解し、得られた蛋白質分解溶液を、限外濾過法、ゲル濾過法または透析法により処理し、ガングリオシドを濃縮して調製する。上記のように調製されたガングリオシドは、GM3とGD3から構成されるが、本発明の抗アレルギー剤は、このGM3を、有効成分とする。
【0009】
本発明の抗アレルギー剤は、いずれの製剤の形態としてもよいが、消化管に作用するものであるため、経口投与製剤の形態とすることが好ましい。また、本発明の抗アレルギー剤は、他の栄養素と組み合せた栄養組成物の形態とすることが好ましい。
経口投与製剤の剤形の例としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、エリキシル剤、シロップ剤、リモナーデ剤、芳香水剤、乳剤、懸濁剤、ドリンク剤等を挙げることができる。
経口投与製剤を製造する場合には、有効成分としてのガングリオシドを、製剤の分野において通常用いられる製剤成分、例えば増量剤、希釈剤、溶剤及び充填剤等のような賦形剤;溶解補助剤、可溶化剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤及び徐放化剤等のような補助剤;または、抗酸化剤、保存剤、光沢剤、甘味剤、着色剤、着香料等の添加剤と混合し、常法により適当な形態に成形したり、または液剤とすることができる。
経口投与製剤は、ガングリオシドの他、その他の1種または2種以上の薬効成分を含むものであってもよい。
【0010】
栄養組成物は、いかなる形態のものとしてもよいが、特に、乳児用栄養組成物の形態とすることが望ましい。乳児用栄養組成物には、乳児用調製乳、乳児用蛋白質分解乳、フォローアップミルク、乳児用特殊栄養調製乳及びこれらが乾燥粉末化された粉乳類を包含する。
栄養組成物の成分は、有効成分としてのガングリオシド、特に、GM3の他に、蛋白質、脂質、糖質、ビタミン及びミネラルを主成分とするものであり、さらに、栄養組成物に配合されることが可能なその他の成分を含んでいてもよい。
【0011】
本発明の抗アレルギー剤を栄養組成物の形態とする場合、栄養組成物を構成する蛋白質としては、通常、栄養組成物に配合されるために用いられる蛋白質であればどのような蛋白質であってもよく、例えば、乳蛋白質、卵蛋白質、大豆蛋白質、またはこれを酵素処理した蛋白質分解物等を挙げることができる。蛋白質は、栄養組成物の固形分当り、5〜30重量%配合されることが好ましい。
また糖質としては、デンプン、可溶性多糖類、デキストリン、蔗糖、乳糖、麦芽糖、ぶどう糖または人工甘味料等を挙げることができる。糖質は、栄養組成物の固形分当り、40〜80重量%配合されることが好ましい。
脂質としては、例えば、バター、ラード、魚油、パーム油、大豆油、サフラワー油、ナタネ油、ヤシ油等の動植物由来の油脂を挙げることができるが、食用に供することができる油脂であれば、いずれの油脂であってもよい。脂質は、栄養組成物の固形分当り、40重量%以下配合されることが好ましい。
また、ビタミンとしては、いずれのビタミン類であってもよく、例えばビタミンA、B類、C、D、E、K類等の中から目的に応じて1種またはそれ以上が適宜選択して配合される。ミネラルとしては、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、銅、亜鉛等が例として挙げられる。ビタミンは、栄養組成物の固形分当り、10〜50mg%、ミネラルは、1〜10重量%配合されることが好ましい。
【0012】
尚、本発明の抗アレルギー剤中のガングリオシドの含有量は、一般的には、0.5mg%以上、特に、1〜30mg%であることが望ましい。
ガングリオシドの含有量が、抗アレルギー剤の固形分当り、0.5mg%未満となると、本発明の目的を達成することが困難である。
また、ガングリオシドの投与量は、患者の年齢、性別、疾患の程度、体格等の種々の要素によって異なるが、一般的には、体重1kg当り0.01〜10mg/日の範囲であることが望ましい。従って、本発明の抗アレルギー剤は、経口投与製剤の場合も、栄養組成物の場合も、この投与量を達成することができるように、調製されることが好ましい。
【0013】
以下、本発明の抗アレルギー剤の効果を確認するために、試験例を示す。
試験例1
(密着結合形成試験)
培地中のGM3またはGD3(和光純薬社製)の濃度が2μg/mlとなるように、無血清培地Cosmedium 001(コスモバイオ社製)に、GM3またはGD3を添加した。24穴マイクロタイタープレートに、Millicell-CM(ミリポア社製;孔径0.4μm;0.6cm2)を設置し、膜表面をコラーゲン(高研製)で処理した後、ヒト結腸腺癌細胞株Caco-2を培養し、10%FCS添加培地及び何も添加しないCosmedium001で培養した場合と、下記の点について比較した。即ち、電気抵抗測定器Millicell-ERS(ミリポア社製)を用いて、Millicell-CM内外の電気抵抗(R)値を培養1、4及び7日目に測定した。結果を図1に示す。
図1に示される結果から明らかなように、GM3添加培地では、10%FCS添加培地と同様に、R値が上昇したことから、Caco-2の密着結合が進み、細胞間の間隙が減少したと考えられる。これに対して、GD3添加培地や無添加培地では、R値が上昇しなかった。従って、GM3は、腸管粘膜細胞を密着結合させることが明らかになった。
【0014】
試験例2
(分泌型IgA産生促進試験)
無菌的に採取したヒト母乳5mlを、150mM NaClを含む10mMりん酸緩衝液(PBS;Phosphate buffered saline、pH7.2)で2倍に希釈した後、分離液〔33.4%Conray 400(第一製薬社製)と9%Ficoll(ファルマシア社製)とを5:12で混合した溶液〕5mlの入った試験管に重層した。400×Gで30分間遠心分離した後、リンパ球の集まっている中間層を、パスツールピペットで回収した。リンパ球を10mlのPBSに分散して洗浄した後、150×Gで10分間遠心分離した。この洗浄操作を3回繰り返した後、インシュリン(10μg/ml)及びトランスフェリン(5μg/ml)を含むRPMI-1640培地12mlを添加し、3mlずつシャーレ4枚(A;B;C;D)に分注した。シャーレAには、ウシ胎児血清(FCS)を0.3ml添加し、シャーレBには、GM3を3μg、シャーレCには、GD3を3μg添加し、シャーレDには何も添加しなかった。
7日後に培養液中のIgA含量を測定した結果を、下記表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
表1に示されるように、シャーレAとBでは、IgAの生産量が高かったが、シャーレCとDでは、IgAがほとんど産生されなかった。この結果より、GM3には、リンパ球のIgA産生能を上昇させる効果があることが判る。
【0017】
試験例3
(アレルゲン侵入阻止効果試験)
乳児期のウィスター系ラット(14日令、体重20g 前後、10匹、チャールスリバー社より購入)を、対照群とGM3投与群とに分け、どちらもラット乳に近似させた組成の人工乳で飼育した。GM3投与群には、14〜20日目に、GM3溶液(1mg/ml)をマイクロピペットを使用して50μlずつ毎日経口投与した。21日目には、β−Lg液(10mg/ml)を100μl経口投与し、1時間後と2週間後に血液を採取した。
一方、β−Lg溶液とフロインド完全アジュバンドを混合して乳化させ、3カ月令のウサギ(白色和種、雄、北山ラベス社より購入)の皮下3ヵ所(両背側部及び臀部)に注射して、抗β−Lg血清を得た。この抗血清を一次抗体とし、西洋ワサビパーオキシターゼ(PO)を標識した二次抗体とのサンドイッチELISA法で、1時間後の血液を使って、血中のβ−Lg量を測定した。また、2週間後の血液中の抗β−LgIgEは、β−LgとPO標識した抗ラットIgE抗体(ノルディク社製)を使って、ELISA法で測定した。その結果を下記表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
表2に示される結果から明らかなように、GM3を体重1kg当り0.01mg/日以上投与した群は、対照群に比較して、消化管におけるβ−Lgの粘膜透過性の低下が認められ、IgE生産が抑制されることから、GM3に抗アレルギー作用のあることが判った。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、参考例とともに示すことにより、本発明をさらに詳しく説明する。
参考例1
(ガングリオシドの調製)
バターミルク粉20kgを、水180Lに溶解した溶液に、0.5kgの枯草菌プロテアーゼを添加し、pH7.6、温度40℃で15時間反応させ、蛋白質を分解した後、90℃で10分間加熱殺菌し、酵素を失活させた。
次いで、この溶液を、膜面積0.36m2の濾過膜を装着した限外濾過膜装置(LAB-20型モジュール、DDS社製)を用いて、温度40℃、流量15L/分、平均圧力0.6MPaで濾過し、ガングリオシドを濃縮した。このガングリオシド濃縮液10Lに、濃塩酸を加えて、pHを2.5に調整し、37℃で8時間加温した後、水酸化ナトリウムで中和した。この溶液を凍結乾燥して、GM3を6g含有するガングリオシド粉末1kgを得た。
参考例2
(粉乳の調製)
上記で調製したガングリオシド粉末200g を、カゼイン6.8kg、ホエー粉70.0kg、ビタミン及びミネラル成分1kgと共に、水700kgに溶解した。更に、植物油脂23.9kgを混合して、均質化した後、殺菌・濃縮・乾燥工程を経て、粉乳100kg を得た。得られた粉乳100g中のGM3含量は、1mgであった。
【0021】
参考例3
参考例1で調製したガングリオシドを用い、下記の配合によりガングリオシド含有ドリンク剤を調製した。
ガングリオシド粉末 20g
クエン酸ナトリウム 2.8g
ショ糖 360g
全粉乳 40g
脱脂粉乳 50g
焙煎コーヒー粉末 130g
食塩 2g
重曹 2.5g
シュガーエステル 2.5g
香料 6g
上記成分を、水に溶解して5Lとする。この溶液を、圧力160kg/cm2で均質化した後、プレート式殺菌機により、120℃で3秒間保持して殺菌し、次いで5℃に冷却した。得られたドリンク剤を200ml入り紙容器に充填した。このドリンク剤は、100ml当り2mgのGM3を含有していた。
【0022】
参考例4
ガングリオシド粉末を参考例1と同様に調製し、これを、常法により、ゼラチンよりなるソフトカプセル中に一錠当り100mgとなるように充填して、抗アレルギー剤(錠剤)を得た。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ガングリオシド、特にGM3を有効成分とする抗アレルギー剤を得ることができる。この抗アレルギー剤は、アレルギー症の予防及び治療に極めて有効である。
即ち、本発明の抗アレルギー剤を投与することにより、消化管粘膜組織が成熟化され、密着結合が形成されて、体内へのアレルゲンの侵入を防ぐことができる。また、消化管粘膜上でアレルゲンと結合してその侵入を防ぐIgAの産生が増加し、アレルギーを有効に予防することができる。
また、従来法のように蓄獣の脳等から分離精製する方法と比べて、ガングリオシドを乳原料から製造する場合には、容易に、かつ大量に調製することが可能であり、しかも安価である。また、安全性も高く、安心して摂取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1における各培地の電気抵抗値の変化を示すグラフである。
Claims (3)
- モノシアロガングリオシド3(GM3)を有効成分とし、モノシアロガングリオシド3(G M3 )の投与量が、体重1kg当り0 . 01mg/日以上となるように調製された抗アレルギー剤。
- モノシアロガングリオシド3(GM3)が乳由来のものである請求項1記載の抗アレルギー剤。
- モノシアロガングリオシド3(GM3)の含有量が、固形分当り0.5mg%以上である請求項1または2記載の抗アレルギー剤。
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