JP5106713B1 - イオン注入フォトレジストを除去するための方法 - Google Patents

イオン注入フォトレジストを除去するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン注入フォトレジストを剥離する際に有用である、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤の水溶液を含むスピンオン配合物を提供する。
【解決手段】このスピンオン配合物をイオン注入フォトレジストに塗布し、ベークして、改質フォトレジストを形成する。改質フォトレジストは、水性、酸性、または有機溶剤に溶ける。このため、上述の溶剤の1つを用いて、イオン注入フォトレジストおよび存在し得るいずれかのフォトレジスト残留物を完全に剥離することができる。改質フォトレジストを剥離した後、水洗いステップを行うことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体デバイス製造に関し、更に具体的には、その処理中に半導体構造体の表面からイオン注入フォトレジスト材料および関連するフォトレジスト材料残留物を除去または剥離することに関する。
半導体基板上の集積回路(IC)の製造は、典型的に、半導体基板の表面上に例えばトランジスタ等の1つ以上の半導体デバイスを形成する前工程(FEOL:front-end-of-the line)プロセスの使用を含む。典型的なFEOLプロセスにおいては、p型またはn型あるいはその両方の領域を生成するために、半導体基板の様々な選択領域を、例えばリン、ホウ素、またはヒ素等の不純物(例えばドーパント)のイオン注入に露出させる。基板の選択領域のドーピングは、フォトレジスト層の堆積から始まる。通常、フォトレジスト層は堆積後に乾燥させて硬化させる。フォトレジストは光活性であり、選択された形態の放射エネルギに露出させることによって改質(modify)することができる。フォトレジストの露出は、マスクを介して基板を選択波長の放射エネルギに露出させるフォトリソグラフィ・ステップにおいて実行される。このマスクは、フォトレジストで被覆した基板のうち放射を受ける領域およびそうでない領域を画定する。通常、放射を受けたフォトレジスト領域を現像によって改質し、除去することができる。この(マスクから基板への)パターン転写方法では、マスクによって遮蔽した基板領域を覆うフォトレジストは残される。
次いで、イオン注入を用いて、フォトレジストによって保護されていない基板領域内に不純物ドーパントを入れる。このステップに続いて、基板を拡散炉においてアニーリング、酸化、または処理する前に、全てのフォトレジストを除去しなければならない。現在、注入後のフォトレジスト除去は、ウェット・エッチング、ドライ・エッチング、またはウェット・エッチングおよびドライ・エッチングの組み合わせによって実行される。ウェット・エッチング・プロセスは、典型的に、硫酸および過酸化水素の混合物を用いてレジストおよび存在し得る他の有機汚染物質を除去することを伴う。また、フォトレジストは、典型的にプラズマ酸化の使用を伴うドライ・エッチング・プロセスを用いて除去することも可能である。プラズマ・プロセスにおいては、無線周波数またはマイクロ波周波数エネルギのいずれかによって励起されたプラズマ・フィールド内に、酸素等の酸化剤源が導入される。
最近のIC製造のプロセスでは、ドーピング・レベルが上昇する傾向がある。これは、イオン注入プロセスの間に基板へと誘導されるイオン流束のエネルギおよび密度を高めることによって達成されている。この結果、イオン注入プロセスから基板の一定領域を遮蔽するフォトレジストの表面自体が改質される。高いエネルギおよび流束密度のために、フォトレジストの表面層は化学的および物理的に改質される。イオン・ボンバードの結果として生じる温度上昇によって、フォトレジストの上面層のベーキングおよび硬化が促進される。また、イオン流束によってドーパント原子がレジストに注入される。更に、フォトレジストは著しい架橋が生じ、注入後除去プロセスに対する耐性が高くなる。イオン注入フォトレジストの改質された表面層のことを、当技術分野においては典型的にクラスト(外皮)表面層と称する。
また、クラスト表面層を有するイオン注入フォトレジストを除去する従来の技法は、ドライ・エッチングおよびウェット・エッチングの組み合わせ、または、典型的に硫酸および過酸化水素の混合物である硫酸ベースの化学成分を用いたウェット・エッチングを伴う。全ての従来技術の剥離方法論に共通する欠点には、イオン注入後の基板表面上に存在するクラスト・フォトレジストの除去が不完全であることが含まれる。
更に、従来の技法によるレジスト除去は、構造体から例えばSiのような半導体材料を過剰に処理すること、ドーパント損失および壊れやすい半導体構造体に対する損傷の可能性があることが示されている。また、イオン注入プロセスの間に基板表面上に金属ゲートが存在する場合、上述の従来技術のレジスト剥離方法は、金属ゲートを酸化させることによってこれに損傷を与える。
本発明の一実施形態においては、イオン注入後のフォトレジスト材料の上に、酸化剤を含有するポリマー層を形成する。ポリマー層は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤を含む水性スピンオン配合物から形成される。ポリマー層とイオン注入フォトレジストとの間に反応を生じさせるベーク・ステップを用いて、イオン注入フォトレジストのクラスト部分およびイオン注入フォトレジストの架橋領域が、水性、酸性、または有機溶剤に溶けるようにする。水性、酸性、または有機溶剤におけるレジスト剥離ステップを用いて、構造体からイオン注入フォトレジストおよびいずれかのレジスト残留物を完全に除去する。任意に、最終洗浄ステップを実行することができる。あらゆる半導体デバイス製造プロセスにおいて、その製造プロセスのどの時点でも、上述の処理ステップを用いることができる。例えば、ベア半導体基板または少なくとも1つのゲート・スタックを含むように処理されている半導体基板に上述の処理を実行することができる。
TiN等の金属ゲート材料が存在する本発明のいくつかの実施形態において、金属ゲート材料に損傷を与えることなく上述の処理を用いることができる。すなわち、金属ゲート材料に著しく影響する硫酸および過酸化水素を用いたウェット・エッチング等の一般的に用いられる剥離技術とは対照的に、金属ゲート材料の重要部分を何ら除去することなく上述の処理を使用することができる。
1つの態様において、半導体構造体の表面からイオン注入後のフォトレジスト材料を除去する方法を提供する。この方法は、半導体構造体の表面上にパターニングされたフォトレジストを提供するステップを含む。パターニングされたフォトレジストは、半導体構造体の半導体基板の上面を露出させる少なくとも1つの開口を有する。半導体基板の露出させた上面およびパターニングされたフォトレジストにドーパント・イオンを導入する。ここでイオン注入およびパターニングされたフォトレジストの少なくとも露出させた上面に酸化剤を含有する薄いポリマー膜を形成する。薄いポリマー膜とイオン注入およびパターニングされたフォトレジストとの間に反応を生じさせるベーク・ステップを用いる。この反応により、水性、酸性、または有機溶剤に溶ける改質パターニング・フォトレジストを形成する。水性、酸性、または有機溶剤において剥離することで、半導体構造体から改質パターニング・フォトレジストを除去する。いくつかの実施形態では、構造体から改質パターニング・フォトレジストを除去した後に洗浄ステップを実行する。
本発明の別の態様においては、酸化剤を含むポリマー膜に処理することができるスピンオン配合物を提供する。本発明のこの態様では、スピンオン配合物は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤の水溶液を含む。
本発明の一実施形態においては、水溶液は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーとしてポリスチレンスルホン酸を含み、少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤としてセリウム硝酸アンモニウムを含む。
一実施形態においてスピンオン配合物および半導体構造体からイオン注入およびパターニングされたフォトレジストを剥離する方法を提供する本発明について、以下の考察および本出願に添付した図面を参照することによっていっそう詳しく説明する。本出願の図面は例示の目的で与えるものであり、このため、図面は必ずしも一定の縮尺に従わないことがわかる。
本発明の一実施形態において使用可能な初期構造の半導体基板の上面を露出させる少なくとも1つの開口を有するパターニングされたフォトレジストを含む初期構造を示す図(横断面)である。 半導体基板の露出した上面およびパターニングされたフォトレジスト内にドーパントを導入するイオン注入の後の図1の構造を示す図(横断面)である。 少なくともイオン注入およびパターニングされたフォトレジストの露出表面上に酸化剤を含有するポリマー膜を形成した後の図2の構造を示す図(横断面)である。 上に薄いポリマー膜を含有するイオン注入およびパターニングされたフォトレジストをベーキングした後の図3の構造を示す図(横断面)である。 レジスト剥離の後の図4の構造を示す図(横断面)である。
以下の説明において、本発明のいくつかの態様の理解を得るために、特定の構造、コンポーネント、材料、寸法、処理ステップ、および技法等の多数の具体的な詳細事項について述べる。しかしながら、これらの具体的な詳細事項がなくても本発明を実施可能であることは当業者には認められよう。他の例では、本発明を不明瞭にするのを避けるために、周知の構造または処理ステップについて詳細には説明しない。
ある層、領域、または基板としての要素が、別の要素の「上に」または「上方に」あるという場合、これは他の要素の直接上にある可能性があり、または介在する要素が存在する可能性もあることは理解されよう。これに対して、ある要素が別の要素の「直接上に」または「直接上方に」あるという場合、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素の「下に」または「下方に」あるという場合、これは別の要素の直接下にあるか、もしくは直接下方にある可能性があり、または介在する要素が存在する可能性もあることは理解されよう。これに対して、ある要素が別の要素の「直接下に」または「直接下方に」あるという場合、介在する要素は存在しない。
上述のように、半導体構造体からイオン注入およびパターニングされたフォトレジストを剥離するのに有用であるスピンオン配合物を提供する。このスピンオン配合物は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤の水溶液を含む。スピンオン配合物を、イオン注入およびパターニングされたフォトレジストに塗布し、ベークして、イオン注入ドーパントを含有する改質パターニング・フォトレジストを形成する。改質パターニング・フォトレジストは、水性、酸性、または有機溶剤に溶ける。このため、上述の溶剤の1つを用いて、改質パターニング・フォトレジストおよび存在し得るいずれかのフォトレジスト残留物を完全に剥離することができる。改質パターニング・フォトレジストを剥離した後、例えば水洗い等の洗浄ステップを行う。
ここで、本発明の一実施形態に従ったイオン注入および剥離動作の前後の半導体製造の様々な段階を示す図1から図5を参照する。図1は、本発明の一実施形態において使用可能である初期の半導体構造体10を示す。初期の半導体構造体10は、半導体基板12の上に位置する少なくとも1つの開口16を有する少なくとも1つのパターニングされたフォトレジスト14を含む。図示のように、パターニングされたフォトレジスト14の少なくとも1つの開口16は、この後にイオン注入によって1つ以上のドーパントを導入する領域において半導体基板12の一部を露出させる。
半導体基板12は、ベア半導体材料、または、半導体基板の表面上に金属ゲート等の様々な分離領域または半導体デバイスあるいはその両方を含むように処理された半導体材料とすることができる。分離領域または半導体デバイスあるいはその両方は、当業者に周知のFEOL処理技法を用いて形成することができる。半導体基板12は、限定ではないが、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAs、InAs、InP、および他のIII/V族またはII/VI族の化合物半導体を含むいずれかの半導体材料を含む。これらの列挙したタイプの半導体材料に加えて、基板12は、例えばSi/SiGe、Si/SiC、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、またはシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)等の多層半導体とすることも可能である。いくつかの実施形態においては、半導体基板12はSi含有半導体材料すなわちシリコンを含む半導体材料である。半導体基板12は単結晶方位を含むことができ、または異なる結晶方位を有する少なくとも2つの共面領域を含むことができる(後者の基板は当技術分野においてハイブリッド基板と称される)。
一実施形態(図示せず)においては、半導体基板12の表面上に、少なくともゲート誘電体および金属ゲートを含む金属ゲート・スタックを形成する。かかる実施形態を用いる場合、パターニングされたフォトレジスト14は典型的に金属ゲート・スタックを保護するが、金属ゲート・スタックの設置場所における半導体基板12の一部を露出したままとする。かかる実施形態において、ゲート誘電体は、例えば半導体または金属酸化物、窒化物、または酸窒化物あるいはそれら全てを含むいずれかのゲート絶縁材料を含む。例えば、ゲート誘電体は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、およびそれらの多層スタックを含むことができる。金属ゲート・スタックの金属ゲートは、いずれかの導電性金属、金属窒化物、または金属シリサイドあるいはそれら全てを含む。本発明の一実施形態においては、金属ゲートはTiNから成る。いくつかの実施形態では、金属ゲート電極材料と共にまたはその代わりに、Si含有ゲート電極材料を用いることができる。
少なくとも1つの開口16を含むパターニングされたフォトレジスト14を形成するには、最初に半導体基板12の表面にフォトレジスト材料のブランケット層を塗布する。フォトレジスト材料は、ポジティブ・トーン・フォトレジスト材料またはネガティブ・トーン・フォトレジスト材料を含むいずれかの従来のフォトレジスト材料を含むことができる。「ポジティブ・トーン」とは、フォトリソグラフィに露出されるフォトレジストの部分が従来の現像剤によって除去され、フォトレジストの露出されない部分が除去されないことを意味する。「ネガティブ・トーン」とは、フォトリソグラフィに露出されるフォトレジストの部分が従来の現像剤によって除去されず、フォトレジストの露出されない部分が除去されることを意味する。フォトレジストは、光酸発生剤、塩基性添加剤、または溶剤あるいはそれら全てを含むことができ、それらの各々は当業者には周知であるので、これらの成分に関する詳細は充分には述べない。
例えば、スピンオン・コーティング、ディップ・コーティング、蒸着、化学溶液堆積、および化学気相堆積を含む当業者に周知の従来の技法を用いて、半導体基板12の表面上にフォトレジスト材料のブランケット層を形成する。フォトレジスト材料のブランケット層を塗布した後、典型的に、当業者に周知の処理条件を用いて、フォトレジスト材料のブランケット層を乾燥させ硬化させる。次いで、フォトレジスト材料に従来のフォトリソグラフィを行う。これは、フォトレジスト材料のブランケット層を所望のパターンの放射に露出させ、次いで従来の現像剤を用いて露出させたフォトレジスト材料の部分を除去して例えば図1に示すような構造を形成することを含む。
ここで図2を参照すると、パターニングされたフォトレジスト14をイオン注入マスクとして用いて半導体基板12の露出部分内に少なくとも1つのドーパントを導入した後の図1の構造が示されている。図2に示すように、半導体基板12の露出部分内にドーパント領域18が形成されている。イオン・ボンバードのイオン・エネルギまたは強度がドーパント領域18の深さまたは厚さを決定する。イオン流束の密度がドーピングの程度を決定する。
更に、パターニングされたフォトレジストにもドーパントを導入して、クラスト表面層15を含むイオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’を形成する。クラスト表面層15は、炭化および高度に架橋されたポリマー鎖から成ることができる。クラスト表面層15は典型的に、水素が欠乏し、注入種が充満している。クラスト表面層15は、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’の例えば大部分のような残りの部分13よりも密度が高い。クラスト表面層15の相対密度はイオン流束に依存し、クラスト表面層15の厚さはイオン・エネルギに依存する。
上述のドーパントの注入は、プラズマ浸漬イオン注入によってまたはイオン・ビーム・イオン注入によって実行することができる。注入するイオンのタイプは様々であり得るが、元素の周期表のVA族からの種すなわちP、AsおよびSbの1つ、または元素の周期表のIIIA族からの種すなわちB、Al、GaおよびInの1つを含む。本発明の一実施形態では、ドーパントはB、PおよびAsの少なくとも1つを含むことができる。注入されるドーパントの用量は様々であり得るが、典型的に注入されるドーパント用量は1E15原子/cmよりも大きい。注入のエネルギも様々であり得るが、本発明の一実施形態では典型的に1keVから50keVまでのエネルギが用いられる。
このステップの間、パターニングされたフォトレジストの側壁に少量の材料をスパッタリングする場合があることに留意すべきである。このスパッタリングされる材料は、注入種のいくつか、プラズマまたはイオン・ビームにおける他の材料、および注入の副生成物を含むことができる。スパッタリングされる材料内に存在する実際の種は、イオン注入前の基板12の組成、フォトレジスト、および注入された種に依存する。
また、クラスト表面層15は、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’の残り部分13よりも剥離が難しいことにも留意すべきである。クラスト表面層15の除去速度は、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’の残り部分13よりも50%または75%遅い場合がある。更に、(約150℃の)高温では、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’の残り部分13は、クラスト表面層15に対してガスを抜いて膨張することがある。このため、下にあるフォトレジストがクラスト表面層15の下で圧力を増すと、フォトレジスト全体が「はじける」可能性がある。当業者には既知であるように、フォトレジストがはじけることは、粒子およびプロセス欠陥の源である。その残留物は、基板の表面および構造体の処理に用いるツールの表面から取り除くことが特に難しいからである。
ここで図3を参照すると、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’の例えばクラスト表面層15のような少なくとも露出させた上表面上に酸化剤を含有するポリマー膜を形成した後の図2の構造が示されている。図3において、参照番号20は形成されたポリマー膜を示す。酸化剤を含むポリマー膜20は、典型的に厚さが0.1ミクロンから10ミクロンであり、より典型的には厚さは1ミクロンから5ミクロンである。ポリマー膜20の酸化剤は、以下で述べるようにランタニド金属含有酸化剤である。ポリマー膜20のポリマー成分は、以下で述べるように水溶性ポリマーである。
酸化剤を含有するポリマー膜20は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤の水溶液を含むスピンオン配合物から形成される。いずれかの従来のスピンオン・プロセスを用いることで、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’にスピンオン配合物を塗布する。簡単に述べると、図2に示した構造の上に過剰な量の上述のスピンオン配合物を配し、次いで、遠心力によってスピンオン配合物を広げるためにスピンオン・コータにおいて高速で回転させる。図2に示した構造の縁部からスピンオン配合物を振り落としながら、ポリマー膜20の所望の厚さが達成されるまで回転を続ける。典型的に、ポリマー膜20の形成に用いるスピンオン配合物は、毎秒750回転から毎秒3000回転で30秒間から120秒間スピンさせる。また、図2に示した構造にスピンオン配合物を塗布する際に、他の回転速度および時間も用いることができる。
上述のように、酸化剤を含むポリマー膜20を形成する際に用いるスピンオン配合物は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤の水溶液を含むスピンオン配合物から形成される。一実施形態においては、スピンオン配合物は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーを5重量%から50重量%まで含み、少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤および残りの水を5重量%から50重量%まで含む。本発明の別の実施形態では、スピンオン配合物は、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーを10重量%から35重量%まで含み、少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤および残りの水を15重量%から25重量%まで含む。
本発明において用いる水溶性ポリマーは、水に溶かすことができる少なくとも1つの酸性官能基(例えばカルボキシル酸官能基またはスルホン酸官能基)を含むいずれかのポリマー、コポリマー、またはオリゴマーを含む。本発明において用いることができる適切な水溶性ポリマーの例は、限定ではないが、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリテトラフルオロスチレンスルホン酸、ポリ(エチレン−マレイン)酸、およびポリスチレンカルボキシル酸を含む。
少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤は、ランタニド金属硝酸塩(例えば硝酸アンモニウム)、塩素酸塩、過塩素酸塩、臭素酸塩、過臭素酸塩、過マンガン酸塩(例えば過マンガン酸カリウム)、クロム酸塩、および二クロム酸塩を含む。IUPAC技術に従って、ランタニド金属は、ランタンからルテチウムまで元素番号57から71の15の元素を含む。全てのランタニド金属はfブロック元素であり、4f電子殻の充填に対応するが、dブロックのランタノイドであるルテチウムを除く。本発明の一実施形態においては、用いるランタニド金属はセリウム(Ce)を含む。更に別の実施形態では、ランタニド金属含有酸化剤としてランタニド金属硝酸アンモニウムを用いる。本発明の更に別の実施形態では、少なくとも1つのランタニド金属含有酸化物としてセリウム硝酸アンモニウムを用いる。
スピン配合物は、当技術分野において周知の従来の技法を用いて生成する。一実施形態では、少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤を、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーを含む水溶液に加えることによって、スピンオン配合物を生成する。
ここで図4を参照すると、ベーキング・ステップを実行した後の図3の構造が示されている。ベーキング・ステップは、ポリマー膜とクラスト表面層15を含むイオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’との間の反応を生じさせ、改質パターニング・フォトレジスト14’’が形成される。具体的には、結果として得られる改質パターニング・フォトレジスト14’’は、これに対応するイオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’よりも、水性、酸性、または有機溶剤に溶けやすい。膜14’’は、膜20の熱改質によって形成された膜(図4では20’と標示している)で覆うことができる。ベーキング・ステップは典型的に、80℃から160℃までの温度で実行され、より典型的にはベーキング温度は100℃から140℃である。ベーキング・ステップは、例えばHe、Ar、またはNeあるいはそれら全てを含む不活性雰囲気において実行することができる。あるいは、ベーキング・ステップは真空において実行することができる。本発明のいくつかの実施形態では、予め加熱したホット・プレート上で標準的な室内条件のもと、例えば空気中および室温および室温湿度において、ベークを実行する。
ここで図5を参照すると、構造体から改質パターニング・フォトレジスト14’’および改質膜20’を除去した後の図4の構造が示されている。改質パターニング・フォトレジスト14’’および改質膜20’の除去は、図4に示した構造を例えば水洗いすることで水性溶剤、酸性溶剤、または有機溶剤に接触させることによって実行可能である。この接触は、室温で(すなわち20℃から40℃までの温度で)、または70℃を超える高温で実行することができる。この接触の持続時間は様々にすることができ、本発明の実施にとって重要ではない。典型的に、この接触の持続時間は5分から50分までであり、より典型的にはこの接触の持続時間は15分から25分までである。
一実施形態においては、水性溶剤として水を用いる。水を用いる場合、水の接触は典型的に80℃から100℃までの温度で行う。水の接触の持続時間は典型的に10分から30分までである。
上述のように、酸性溶剤および有機溶剤も用いることができる。使用可能な酸性溶剤の例は、限定ではないが、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸を含む。使用可能な有機溶剤の例は、限定ではないが、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジエチレンエーテル、n−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジオキサン、またはこれらの有機溶剤および水の混合物を含む。
上述の処理の結果として、構造体からクラスト表面層15を含むイオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’’が完全に除去されることに留意すべきである。また、イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト14’’の除去は、基板12にもドーパント領域18内のドーパントにも著しい損失を与えることなく行われることにも留意すべきである。更に、金属ゲートが存在する実施形態において、上述の技法は金属ゲートに対して損傷を及ぼさない。これは、イオン注入フォトレジスト除去の前後の金属ゲートの厚さを測定することによって明らかになる。上述の処理技法を用いると、上述の処理の前後の金属ゲートの厚さは実質的に同じであるので、金属ゲートの損失はほとんどまたは全く観察されない。
本発明のいくつかの実施形態においては、構造体からイオン注入フォトレジストを剥離した後に、図5に示した構造に洗浄ステップを行うことができる。洗浄ステップを用いる場合、上述の酸の1つを使用可能である。任意の洗浄ステップは、室温で、またはフォトレジスト剥離ステップについて上述した範囲内の高温で実行することができる。この接触の持続時間は、様々にすることができ、本発明の実施にとって重要ではない。典型的に、この接触の持続時間は5分から30分までであり、いっそう典型的にはこの接触の持続時間は10分から20分までである。一実施形態では、洗浄ステップはHSOを用いて実行される。かかる実施形態では、HSO接触は典型的に室温で10分から30分までの持続時間で行われる。
本発明について、その好適な実施形態に関連付けて具体的に図示し記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細において前述および他の変更を実施可能であることは当業者には理解されよう。従って、本発明は記載し図示した厳密な形態および詳細に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲内に該当することが意図される。

Claims (18)

  1. 半導体構造体からイオン注入フォトレジスト材料を除去するための方法であって、
    半導体構造体の表面上にパターニングされたフォトレジストを提供するステップであって、前記パターニングされたフォトレジストが、前記半導体構造体の半導体基板の上面を露出させる少なくとも1つの開口を有する、ステップと、
    前記半導体基板の前記露出させた上面および前記パターニングされたフォトレジストに、イオン注入によってドーパントを導入するステップと、
    前記イオン注入およびパターニングされたフォトレジストの少なくとも露出させた上面に酸化剤を含有するポリマー膜を形成するステップと、
    前記ポリマー膜と前記イオン注入およびパターニングされたフォトレジストとの間に反応を生じさせ、水性、酸性、または有機溶剤に溶ける改質パターニング・フォトレジストを形成するベーキング・ステップを実行するステップと、
    水性、酸性、または有機溶剤を用いて前記半導体構造体から前記改質パターニング・フォトレジストを除去するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記パターニングされたフォトレジストが、前記半導体基板上に存在する少なくとも1つの金属ゲート・スタックの上に位置している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パターニングされたフォトレジストがポジティブ・トーンまたはネガティブ・トーンのフォトレジストである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記イオン注入が1E15原子/cm以上のイオン用量で実行される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記イオン注入が1keV以上のエネルギで実行される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記イオン注入が前記イオン注入およびパターニングされたフォトレジスト上にクラスト表面層を形成する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ドーパントが元素の周期表のVA族またはIIIA族からの種を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記イオン注入がプラズマ浸漬イオン注入またはイオン・ビーム・イオン注入を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ポリマー膜を形成する前記ステップが、少なくとも1つの酸性官能基を含有する水溶性ポリマーおよび少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤の水溶液を含むスピンオン配合物を塗布するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つの酸性官能基を含有する前記水溶性ポリマーがポリスチレンスルホン酸であり、前記少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤がセリウム硝酸アンモニウムである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記水溶液は、前記少なくとも1つの酸性官能基を含有する前記水溶性ポリマーを5重量%から50重量%まで含み、前記少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤および残りの水を5重量%から50重量%まで含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記水溶液は、前記少なくとも1つの酸性官能基を含有する前記水溶性ポリマーを10重量%から35重量%まで含み、前記少なくとも1つのランタニド金属含有酸化剤および残りの水を15重量%から25重量%まで含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ベーキングが80℃から160℃までの温度で実行される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記ベーキングが空気中、不活性雰囲気または真空下で実行される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記改質パターニング・フォトレジストを除去する前記ステップが前記構造体を水に接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記水に接触させるステップが80℃から100℃までの温度で実行される、請求項15に記載の方法。
  17. 洗浄ステップを更に含み、前記洗浄ステップが前記改質パターニング・フォトレジストを除去する前記ステップの後に実行される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記洗浄ステップが前記構造体を酸と接触させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
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