JP5106697B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石内部にセットされた被検体の撮像領域に傾斜磁場コイルで傾斜磁場を形成するとともに高周波(RF:Radio Frequency)コイルからRF信号を送信することにより被検体内の原子核スピンを磁気的に共鳴させ、励起により生じた核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号を利用して被検体の画像を再構成する装置である。
この磁気共鳴イメージング装置を用いた磁気共鳴イメージング法による心臓の画像化は近年ますます進化している。心臓の画像化における代表的な応用として冠動脈の血管像の高分解能イメージングがある。冠動脈の高分解能イメージングでは、画像に対する呼吸性の動きの影響をできる限り小さくすることが求められる。
呼吸性の動きの影響を低減させる対策の1つとして呼吸を止めて撮影を行う息止め撮影が挙げられる。しかしながら、息止め撮影では、撮影が息止め期間内に限定されるため、分解能に限界がある。また、息止めの安定度が懸念される。
呼吸性の動きの影響を低減させる他の方法として、自由呼吸下で同期撮影を併用する技術が挙げられる。同期撮影に用いられる同期信号は被検体の腹部の周りに設置した伸縮センサや圧力センサにより取得することができる。しかしながら、伸縮センサや圧力センサにより得られた同期信号を用いた同期撮像法では精度が不十分であるという問題がある。
そこで、伸縮センサや圧力センサを用いた同期撮像法に代わる別の方法として、横隔膜からのNMR信号から検出した横隔膜の位置を同期信号として用いる同期撮像法や(例えば非特許文献1参照)、動きのある撮影部位の位置情報をイメージング用のNMR信号収集の際における制御に反映し、励起するスライスの位置を微調整する撮像方法が提案されている。
図22は、従来の磁気共鳴イメージング装置において、横隔膜の動きを検出するためにNMR信号を取得する領域を説明する図であり、図23は、図22に示す従来の動き検出用のデータとイメージング用のデータとを収集するための撮影条件を規定するパルスシーケンスを示す図である。
横隔膜の位置を同期信号として用いる同期撮像法では、図22の実線枠に示すように、心臓を含むイメージング用のデータの収集領域とは別に、点線枠で示すような横隔膜を含む円柱上の領域が動き検出用のデータの収集領域として設定される。
そして、図23に示すようなパルスシーケンスにより撮像が実行される。一般的なパルスシーケンスでは、脂肪抑制パルスなどのプリパルスが併用されることが多く、イメージング用のシーケンスに先立って、プリパルスを印加するためのシーケンスが設定される。そして、プリパルス用のシーケンスに先立って、動き検出用のシーケンスが設定される。
また、イメージング用のデータの収集に必要な情報やデータの後処理に必要なデータを取得するためのダミーショット(スタビライゼーションショットとも言う)を印加するためのシーケンスがイメージング用のデータ収集の開始時に設定される。通常、ダミーショットのスライス方向は、スピンのスタビライゼーションを実現する趣旨からイメージング用のデータ収集と同様に、アキシャル断面とされる。
そして、動き検出用のシーケンスに従って、横隔膜を含む動き検出用のデータの収集領域がイメージング用の領域の励起方法とは異なる特別な条件で励起される。さらに、横隔膜を含む収集領域から動き検出用のデータが取得され、navigatorと呼ばれる信号が生成される。次にnavigator信号から横隔膜の位置が検出され、横隔膜の位置の変化量に応じてイメージングの際におけるハードウェアの制御方法やイメージング用のデータ収集の採否が決定される。また、イメージング用のデータの動き補正に必要な心臓の呼吸性移動量は、横隔膜の移動量に一定比率を乗じて算出される。
このような、イメージング用のシーケンスとは異なる動き検出用のシーケンスを、同期信号を得るためのnavigator信号の収集用に用いるnavigator法は、様々な技術に応用されている。
しかしながら、イメージング用のデータ収集条件と異なる条件でnavigator信号を収集するnavigator法には大きな問題が2つ存在する。
第1の問題は、イメージングの対象となる部位(心臓)の呼吸性による移動量と、navigator信号によって観測される部位(横隔膜)の移動量は、関連があるものの、全く同一ではないことである。このため、心臓の移動量は横隔膜の移動量から推測されることになり、精度を低下させる要因になっている。また、心臓の呼吸性移動量と横隔膜の移動量との比率には個人差があり、かつ同一の被検体であっても呼吸の状態に依存して変化するため、安定した画像を得るのが困難となっている。
第2の問題は、横隔膜からの信号を検出するタイミングと、イメージング用の信号を検出するタイミングが大きく異なることである。プリパルスの印加とプリパルスの印加に続いて実行されるイメージング用のデータ収集は連続的に行われる必要がある。したがって、navigator信号を収集するためのシーケンス(navigatorシーケンス)に従ってnavigator信号を収集するタイミングはイメージング用のシーケンスに従ってデータ収集を行うタイミングから時間的に離れざるをえない。そして、このnavigator信号を収集するタイミングの、イメージング用のデータ収集のタイミングからのシフトは、被検体の呼吸周期が比較的短い場合において、精度の低下要因となっている。
これに対し、横隔膜の動きを検出する別の方法として、イメージング用のパルスシーケンスを用いてイメージング用のデータ収集中にnavigator信号も生成する方法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。
このイメージング用のデータ収集中にnavigator信号を生成する技術は、スピンエコー(spin echo)シーケンスにおいて複数のエコー信号を発生させ、発生させたエコー信号の1つをnavigator信号として利用するものである。この技術によれば、リードアウト方向および位相エンコード方向の動き情報を観測することが可能である。そして、この技術には、navigator信号とイメージング用の信号がほぼ同じタイミングで収集できるという利点に加え、イメージングの対象となる部位と同じ部位、すなわち心臓における動きを観測できるという利点がある。
Liu et al. "Magnetic Resonance In Medicine誌",30巻、507−511ページ(1993年) Ehman, Felmee "Radiology誌、173巻、255−263ページ(1989年)
従来のイメージング用のデータ収集中にnavigator信号を生成する技術では、実用上十分な精度で動きを観測するのが困難であるという問題がある。この精度不足という問題は、navigator信号が被検体からのデータをある特定の方向へ投影したデータであるということに起因している。すなわち、navigator信号は、特定の方向への投影情報であるため、実際には動いていない部位からのデータと動いている部位からのデータとを重ね合わせたデータとなる。従って、navigator信号は、動いていない部分の影響を受けているということになる。
例えば、胸腹部では体表脂肪や胸壁、背筋などが動いていない。しかし、これらの動かない部位は肝臓など動いている部位よりも受信コイルに近いため、動かない部位からの信号強度は、動いている部位からの信号強度に比べて比較的大きい。したがって、動きの検出精度は、動かない部位の影響を受け易く、特に高分解能撮影のように高い精度を要求される撮影の場合においては動きの検出精度に対する動かない部位の影響が問題となっている。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、イメージング用のデータ収集とほぼ同時かつ直接的にイメージングの対象となる部位から動き量の観測に十分な動き信号を収集し、より精度よく動き補正した画像を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、SSFP(Steady-State Free Precession)シーケンスを用いて、被検体からの磁気共鳴信号をイメージング信号として取得するイメージング信号収集手段と、前記SSFPシーケンスのダミーショットシーケンスにおいて動き信号を取得する動き信号収集手段と、前記動き信号を用いて動き量を求める動き量決定手段と、前記動き量に基づいて前記イメージング信号の補正処理を実行する動き補正手段と、前記補正処理後のイメージング信号から画像を再構成する画像再構成手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施形態を示す構成図。 図1に示すコンピュータの機能ブロック図。 図2に示す撮影条件設定部により設定される撮影領域の一例を示す図。 図3に示す心臓を含む撮影領域を撮像するために生成されるパルスシーケンスの一例を示す図。 図4に示すパルスシーケンスの具体例を示す図。 図1に示す表示装置に表示される撮影条件設定画面の一例を示す図。 図2に示す撮影条件設定部において、ダミーショットにより生じる磁化の振動およびイメージング用のデータ収集に対する磁化の振動の影響を低減させるために設定されたパルスシーケンスの具体例を示す図。 図2に示す動き信号取得部のk空間に配置された動き信号の一例を示す図。 図2に示すイメージング信号取得部のk空間に配置されたイメージング信号の一例を示す図。 図2に示す動き信号成分分離部により分離された動き信号の領域を示す図。 図10に示す心臓付近の領域に対応するプロファイルの一例を示す図。 図2に示す動き量決定部による動き量の決定方法を説明する図。 図2に示す動き補正部によるイメージング信号の補正方法を説明する図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により被検体Pの心臓の血管像を撮像する際の手順を示すフローチャート。 図2に示す動き信号取得部に形成されたk空間への動き信号の配置方法の変形例について説明する図。 図2に示す動き信号成分分離部における動き信号の分離方法の変形例について説明するフローチャート。 図16に示す画像再構成処理により形成される領域の一例を示す図。 図16に示す動き部マスクの概念図。 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施形態を示す構成図。 図19に示す磁気共鳴イメージング装置の撮影条件設定部により作成されるパルスシーケンスの一例を示す図。 図20に示すパルスシーケンスにより励起されるスラブの位置を示す図。 従来の磁気共鳴イメージング装置において、横隔膜の動きを検出するためにNMR信号を取得する領域を説明する図。 図22に示す従来の動き検出用のデータとイメージング用のデータとを収集するための撮影条件を規定するパルスシーケンスを示す図。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置における撮影条件設定方法の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施形態を示す構成図である。
図1に示す磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21と、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイルユニット23およびRFコイル24とを図示しないガントリに内蔵した構成である。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35および記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイルユニット23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイルユニット23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24はガントリに内蔵されず、寝台37や被検体P近傍に設けられる場合もある。
また、傾斜磁場コイルユニット23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイルユニット23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29および受信器30と接続される。RFコイル24は、送信器29から高周波信号を受けて被検体Pに送信する機能と、被検体P内部の原子核スピンの高周波信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzおよび高周波信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるNMR信号の検波およびA/D変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいて高周波信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、被検体PのECG(electro cardiogram)信号を取得するためのECGユニット38が被検体Pの近傍に設けられる。ECGユニット38において検出されたECG信号は、シーケンスコントローラ31に出力される。そして、シーケンスコントローラ31はECG信号に同期して制御信号を傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30に与えることができるように構成される。
さらに、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムによらず、特定の回路を設けてコンピュータ32を構成してもよい。
図2は、図1に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
図2に示すようにコンピュータ32は、プログラムにより撮影条件設定部40、シーケンスコントローラ制御部41、動き信号取得部42、イメージング信号取得部43、動き信号成分分離部44、動き量決定部45、動き補正部46、画像再構成部47として機能する。そして、これらの構成要素により、磁気共鳴イメージング装置20には、被検体Pのイメージング用に加えて動き検出用のNMR信号を収集し、動き検出用のNMR信号から検出した動き情報に基づいて動き補正を施した画像を再構成する機能が備えられる。
撮影条件設定部40は、表示装置34に画像情報を与えることにより、表示装置34に撮影条件を設定するための撮影条件設定画面を表示させる機能と、入力装置33からの情報に従って撮影条件としてパルスシーケンスを生成する機能を有する。撮影条件設定画面の表示および情報の入力のためにGUI(Graphical User Interface)技術を用いることができる。また、撮影条件設定部40は、生成したパルスシーケンスをシーケンスコントローラ制御部41に与えるように構成される。
図3は、図2に示す撮影条件設定部40により設定される撮影領域の一例を示す図である。
図3に示すようにイメージング用のNMR信号の収集領域(撮影領域)として例えば心臓を含む領域を設定し、心臓の血管像を撮像するための撮影条件を設定することができる。また、心臓の動きを検出するためのNMR信号(動き信号)を収集する領域も心臓を含む領域とすることができる。図3は、イメージング用のNMR信号の収集領域と動き信号の収集領域とを同一に設定した例、すなわち同一の励起領域からイメージング用のNMR信号および動き信号を収集する例を示している。
尚、イメージング用のNMR信号の収集領域は任意に設定することが可能であり、動き信号の収集領域は、動きの検出対象となる臓器や器官から直接動き信号を収集できる領域とされる。
図4は、図3に示す心臓を含む撮影領域を撮像するために生成されるパルスシーケンスの一例を示す図である。
図4に示すように撮影条件設定部40により生成されるパルスシーケンスは、イメージング用のデータ収集用のシーケンスに先立って、脂肪抑制パルスなどのプリパルスを印加するためのシーケンスを設けて構成される。また、イメージング用のデータの収集に必要な情報やデータの後処理に必要なデータを取得するためのダミーショットを印加するためのシーケンスが作成される。ダミーショット用のシーケンスは、イメージング用のシーケンスに時間的により近い位置に設定される。図4では、ダミーショット用のシーケンスがイメージング用のデータ収集の開始時に設定されている。ただし、ダミーショットを印加する領域が、動きの検出対象となる臓器から直接動き信号を収集できる領域となるようにシーケンスが作成される。
ダミーショットのスライス方向(励起スラブの断面方向)は、アキシャル面、サジタル面、コロナル面その他のオブリーク断面など任意の面に設定することが可能であるが、動きが大きい方向に設定すれば、より少ないデータ量で精度よく動きを検出することが可能となる。このため、動き信号のデータ収集時間の短縮化に繋げることができる。従って、リードアウト(RO: readout)方向(周波数エンコード方向)を被検体Pの体軸方向とすることが望ましい。
図5は、図4に示すパルスシーケンスの具体例を示す図である。
図5において、RFは高周波(RF)信号、Gssはスライス選択(Slice selection)用、すなわちスライスエンコード(SE: slice encode)方向の傾斜磁場パルス、Gpeは、位相エンコード(PE: phase encode)方向の傾斜磁場パルス、Groは、リードアウト(readout)方向の傾斜磁場パルス、ADCは、デジタル化された受信信号(ACQ)、ECGは、ECG信号を示す。尚、ここでいうエンコード方向はリードアウト方向に直交する2軸を指している。
図5に示すように、パルスシーケンスは、例えばパートA、パートBおよびパートCの3つのパートから構成される。パートBは、イメージング用のデータ信号用のシーケンスであり、パートAおよびパートCが動き信号の検出用のシーケンスである。そして、動き信号収集用のダミーショットにおけるスライス方向およびイメージング用のデータ収集用のスライス方向がいずれも心臓を含むサジタル面に設定される。ただし、パートAおよびパートCのいずれか一方のみを動き信号の検出用のシーケンスとして設定してもよい。また、パートAおよびパートCの一方あるいは双方が2回以上繰り返されるようにパルスシーケンスを設定することもできる。
すなわち、動き信号は、イメージング用のデータ信号の収集前後のいずれにおいても収集することができる。ただし、動き信号をイメージング用のデータ信号の収集前後の双方において収集するようにすれば、動き信号を収集する時相を増やすことができる。そして、内挿や外挿といった補間処理によって時間変化を伴う動き信号データを得ることが可能となる。この結果、動き信号データの高精度化を図ることができる。
パートA、パートBおよびパートCは、例えばいずれもSSFP(Steady-State Free Precession)と呼ばれるイメージング手法によるシーケンスとされる。SSFPによれば、非常に短い繰り返し時間TR(repetition pulse)にてRF信号を印加し、データ収集を実行することができる。従って、パートAとパートBとの間の時間差およびパートBとパートCとの間の時間差は十分に小さいということができる。つまり、TRが小さいシーケンスによりイメージング用のデータ収集および動き信号の収集を行うようにすれば、イメージング用のデータ収集タイミングと動き信号の収集タイミングとを、ほぼ同時とみなすことができる。従って、イメージング用のデータ収集時における動きと動き信号の収集時における動きとが十分に同一とみなすことができる。
パートA、パートBおよびパートCは、ECGユニット38において取得されたECG信号に同期して反復実行される心電同期撮影のシーケンスである。イメージング用のシーケンスであるパートBは位相エンコードパルスPE(B)を順次変えながらリードアウトパルスにより3次元イメージング信号ACQ(B)を収集する、いわゆるセグメント撮影によるシーケンスである。従って、1心拍中における1つのイメージング用のシーケンスでは、部分的なイメージング用のデータが得られる。そして、複数心拍に亘ってイメージング用のデータ収集が反復実行されることによってイメージングに必要な全てのデータを収集することができる。つまり、イメージング用のデータは、セグメント撮影により複数回に分けて複数心拍間において収集される。
一方、動き信号の検出用のシーケンスであるパートAおよびパートCでは、位相エンコードパルスPE(A)、PE(C)を順次変えながらリードアウトパルスにより動き検出信号ACQ(A)、ACQ(C)が収集される。動き信号の検出用のシーケンス(図5に示すシーケンスの例では、パートAおよびパートC)による動き信号の収集は、イメージング用のシーケンスによるセグメント撮影が進行するたびに、すなわち1心拍ごとに毎回実行される。従って、各心拍においてそれぞれの動き信号の検出用のシーケンスにより必要なエンコード量の全ての動き信号が毎回収集される。このため、同一部位からの動き信号が異なるタイミングで間欠的に複数回に亘って取得されることとなる。従って、収集される動き信号には、より正確な呼吸性の動きの情報が含まれることになる。そして、同一部位から異なるタイミングで得られた動き信号から動き量をより正確に求めることが可能となる。
また、動き信号の検出用のシーケンスでは、必要な動き信号を選択的により短時間で収集できるようにイメージング用のシーケンスよりも位相エンコード量(位相エンコードのステップ数)が小さく設定される。ただし、動き信号の検出用のシーケンスにおける位相エンコード量はゼロではない。さらに、ダミーショット本来の収集目的となる情報が得られる撮影条件となるようにシーケンスが設定される。
例えば、ダミーショットでは、信号があるコントラストで得られるように45°RFパルスが印加されるようなシーケンスが設定され、ダミーショットにおいて収集された信号のコントラストから決定したコントラストでイメージング用のデータ収集が行われるように90°RFパルスが印加されるようなイメージング用のシーケンスが設定される。
また、動き信号の検出用のシーケンスにおけるエンコード方向は、スライスエンコード方向および位相エンコード方向の2軸方向に限らずスライスエンコード方向および位相エンコード方向のいずれか1軸方向としても良い。
そして、撮影条件設定部40は、このような撮影条件を設定するための撮影条件設定画面を表示装置34に表示させ、ユーザは入力装置33の操作により撮影条件としてパルスシーケンスを生成できるように構成される。
図6は、図1に示す表示装置34に表示される撮影条件設定画面の一例を示す図である。
図6の撮影条件設定画面の上部に示すようにSSFPシーケンスのダミーショット(Dummy shots)において動き信号を収集して動き補正(Motion Correction)を実行する機能のOn/Offを切換えるボタンが表示される。このボタンをマウス等の入力装置33の操作により押すと、ダミーショットにおいて収集した動き信号に基づく動き補正機能がオン状態となる。
また、ダミーショットにおける位相エンコード数(PE Matrix)、スライスエンコード数(SE Matrix)、ダミーショット数(Num of Dummy Shot)をスクロールバーの移動等の操作により任意に設定することができる。
さらに、撮影条件設定画面の下部には、動き補正に用いる動きモデル(Motion Model)を指定するためのLinear(SI)ボタンが設けられている。Linear(SI)ボタンを押すと、動き量の検出対象となる部位が動きにより線形変形したと仮定する動きモデルに従って動き補正を実行する補正モードが選択される。そして、線形の動きモデルを表す1次式の0次係数と、1次係数をスクロールバーの移動等の操作により任意に設定することができる。この動きモデルの詳細については後述する。
ところで、動き信号を検出するためのダミーショットに含まれる位相エンコードパルスは渦電流を発生させる。位相エンコードパルスは、通常異なる面積および極性で断続的に複数回に亘って印加されるため、発生する渦電流により磁化の振動が生じる。このため、ダミーショットにより生じる磁化の振動がイメージング用のデータ収集に影響を与え、再構成される画像にゴーストを生じさせる恐れがある。
そこで、ダミーショットにおいて生じる磁化の振動が小さく、かつイメージング用のデータ収集に対する磁化の振動の影響がより小さくなるようなパルスシーケンスを設定することにより、ゴーストの発生を抑制することができる。そのために、ダミーショットにおいて生じる磁化の振動が徐々に小さくなるようなシーケンスを設定することが望ましい。加えて、ダミーショットにおける最後の位相エンコードパルスと、それに続くイメージング用の最初の位相エンコードパルスとのステップ量(パルス強度の差)がより小さくなるようなシーケンスを設定することが望ましい。
図7は、図2に示す撮影条件設定部40において、ダミーショットにより生じる磁化の振動およびイメージング用のデータ収集に対する磁化の振動の影響を低減させるために設定されたパルスシーケンスの具体例を示す図である。
図7に示すように、動き信号を収集するためのダミーショット用のシーケンスに続いてイメージング用のシーケンスが設定される場合について説明する。尚、RFはRF信号を、Gpeは位相エンコードパルスをそれぞれ示す。
まず、動き信号を検出するための位相エンコードパルスのステップ方向(印加方向)を、イメージング用の位相エンコードパルスのステップ方向と同一にする。そして、動き信号の検出用の位相エンコードパルスが、時間の経過とともに交互に極性を変えつつ次第にパルス強度が小さくなるようにダミーショット用のシーケンスを設定する。そうすると、ダミーショットにおいて生じる磁化の振動を滑らかに小さくしていくことができる。
また、ダミーショットにおける最後の位相エンコードパルスの極性とイメージング用の最初の位相エンコードパルスの極性とが同じで、かつステップ量(パルス強度Gpeの差)がより小さくなるようにイメージング用のシーケンスを設定する。そうすると、ダミーショットにおいて生じた磁化の振動のイメージング用のデータ収集に対する影響を低減させることができる。また、イメージング用のデータ収集においても、磁化の振動を滑らかに変化させるためには、時間の経過とともに交互に極性を変えつつ次第にパルス強度が大きくなるようにシーケンスを設定することが望ましいということになる。
従って、ダミーショットにおける位相エンコードパルスの極性とイメージング用の位相エンコードパルスの極性とが互いに逆向きであり、かつダミーショットにおける位相エンコードパルスの印加位置(データ収集位置)の順序とイメージング用の位相エンコードパルスの印加位置の順序も互いに逆方向となるようなパルスシーケンスが最適となる。そしてこのようなパルスシーケンスを撮影条件設定部40が設定するように構成すれば、渦電流および磁化の変化を低減させて、安定した画質の画像を得ることが可能となる。
また、撮影条件設定部40は、このように生成したパルスシーケンスをシーケンスコントローラ制御部41に与えるように構成される。
シーケンスコントローラ制御部41は、入力装置33からの撮像開始指示に従って、撮影条件設定部40から取得したパルスシーケンスをシーケンスコントローラ31に与えることにより駆動制御させる機能と、シーケンスコントローラ31から動き信号を受けて動き信号取得部42に与える一方、シーケンスコントローラ31からイメージング用の生データを受けてイメージング信号取得部43に与える機能とを有する。
動き信号取得部42は、シーケンスコントローラ制御部41から動き信号を取得する機能と、取得した動き信号を動き信号取得部42に設けられるk空間(波数空間あるいは周波数空間)に配置する機能を有する。
イメージング信号取得部43は、シーケンスコントローラ制御部41からイメージング用の生データをイメージング信号として取得する機能と、取得したイメージング信号をイメージング信号取得部43に設けられるk空間に配置する機能とを有する。
図8は、図2に示す動き信号取得部42のk空間に配置された動き信号の一例を示す図であり、図9は、図2に示すイメージング信号取得部43のk空間に配置されたイメージング信号の一例を示す図である。
図8および図9の横軸は、k空間の位相エンコード方向Kpeを示し、縦軸はスライスエンコード方向Kseを示す。また図8の四角印は、動き信号Dmを示し、図9の丸印はイメージング信号Diを示す。図8に示すようにダミーショットにおいても、エンコードパルスを印加して動き信号Dmが収集される。
前述のように、動き信号Dmは、1心拍ごとに収集され、更新されるデータである。図8は、位相エンコード方向およびスライスエンコード方向に2軸にエンコードパルスを印加して得られた動き信号Dmの例であるが、前述のように1軸方向にエンコードパルスを印加して動き信号Dmを収集してもよい。動き信号Dmは、図5に示すパルスシーケンスにおいては、パートAおよびパートCにおいて収集される。
また、図9に示すイメージング信号Diは、図5に示すパルスシーケンスにおいては、パートBにおいて収集される。イメージング信号Diは、セグメント撮影によって収集されるため、1心拍中の1つのシーケンスによって部分的に得られる。そして、複数心拍にまたがって実施される複数回のシーケンスによるデータ収集によって、全てのイメージング信号Diが収集される。
また、前述のように、動き信号Dmのエンコード量、正確にはステップ数がイメージング信号Diのステップ数より少なく設定される。一方、動き信号Dmのステップ量Smは、イメージング信号Diのステップ量Siと同一であっても良いし、異なっていても良い。ただし、より大きい器官の動きを精度良く検出するために、k空間の中心付近における動き信号Dmが優先的に収集される。
尚、磁化の振動およびその影響が低減されるように動き信号Dmおよびイメージング信号Diを収集する場合には、ダミーショットにおいて最後に収集される動き信号Dmのk空間上における位置がk空間の中心に近くなるように設定され、続いてイメージング用に最初に収集されるイメージング信号Diのk空間上における位置がダミーショットにおいて最後に収集される動き信号Dmの位置になるべく近くなるように設定されこととなる。加えて、動き信号Dmの収集方向とイメージング信号Diの収集方向とが互いに逆向きに設定されることとなる。
動き信号成分分離部44は、動き信号取得部42から動き信号を読み込んで、概ね動きを反映した信号成分と動きを反映していない成分とを分離する機能と、分離して得られた動きを反映した信号成分(動き反映成分)を動き量決定部45に与える機能とを有する。動き信号成分分離部44は、動き信号の分離のために、動き信号を公知の再構成手法(フーリエ変換)により再構成し、特定の空間位置(エンコード方向)のプロファイルデータを得ることができるように構成される。
図10は、図2に示す動き信号成分分離部44により分離された動き信号の領域を示す図である。
図10に示すように、例えば心臓を含むサジタル面を励起スラブにとり、左右方向を位相エンコード(PE)方向、上下方向をスライスエンコード(SE)方向、紙面に垂直な方向となる被検体Pの体軸方向をリードアウト方向として動き信号が収集される。すなわち、前述のようにデータ収集時間を低減するために動き量が比較的大きい体軸方向がリードアウト方向とされている。従って、励起スラブはコロナル面でも良い。
PE方向およびSE方向に4×4のエンコードパルスを加えて動き信号を収集し、収集した動き信号を再構成すると、4×4の領域に分割された体軸方向の各プロファイルを得ることができる。そして、各プロファイルのうち呼吸性の動きを呈する心臓付近の領域(斜線部)におけるプロファイルのみを動き反映成分として選択することができる。
動きを呈するプロファイルの選択方法としては、再構成された画像データの歪み量が無視できない程大きい部分のプロファイルを選択する方法が挙げられる。この場合、全てのプロファイル同士を比較して信号強度の変化が予め設定した閾値を超える程大きくなっているプロファイルを動き反映成分とすることができる。ただし、経験的に呼吸性の動きを呈していると推定される領域を予め指定しておき、単に指定した領域のプロファイルを動き反映成分とする方法によっても動きを呈するプロファイルを簡易に選択することができる。
図11は、図10に示す心臓付近の領域に対応するプロファイルの一例を示す図である。
図11において横軸はリードアウト方向(体軸方向)の位置を示し、縦軸は動き信号の信号強度を示す。そして、図11中の実線が、動き反映成分として選択されたプロファイルである。動き信号の収集は、前述のようにセグメント撮影が進行するたびに実行されるため、図11に示すような動き反映成分もセグメント撮影が進行するたびに取得される。そして、セグメント撮影は心電同期撮影であるため、動き反映成分は間欠的に取得された呼吸性の動きの情報とみることができる。
そして、動き信号成分分離部44により抽出された動き反映成分は動き量決定部45に与えられる。
動き量決定部45は、動き信号成分分離部44から受けた動き反映成分に基いて動き量を決定する機能と、決定した動き量を動き補正部46に与える機能とを有する。
図12は、図2に示す動き量決定部45による動き量の決定方法を説明する図である。
図12の上部に示すように予め動き反映成分の基準プロファイル作成用のデータ収集が行われる。基準プロファイル作成用のデータ収集では、図12(a)に示すECG信号に同期して図12(b)に示すようなパートA、パートBおよびパートCを構成要素とするパルスシーケンスに従ってイメージング用のデータ収集とともに基準となる動き信号が収集される。そして、動き信号成分分離部44は、収集された動き信号のうち図12(c)に示すような動き反映成分のプロファイルを基準プロファイルとする。
そして、イメージングの際には、図12(a)に示すECG信号に同期して図12(b)に示すようなパートA、パートBおよびパートCを構成要素とするパルスシーケンスに従って動き信号およびイメージング用のデータが複数回に亘って収集される。そして、図12(c)に示すようなN番目に収集された動き反映成分のプロファイル#N、N+1番目に収集された動き反映成分のプロファイル#N+1が動き信号成分分離部44により順次得られる。
動き反映成分の基準プロファイル、プロファイル#Nおよびプロファイル#N+1は、動き信号成分分離部44から動き量決定部45に与えられる。そうすると、動き量決定部45は、図12(d)に示すような基準プロファイルの微分値とプロファイル#Nの微分値との相互相関スペクトルおよび基準プロファイルの微分値とプロファイル#N+1の微分値との相互相関スペクトルを求める。そして、動き量決定部45は、各相互相関スペクトルのピーク位置をそれぞれ検出し、検出した各ピーク位置の相対的な位置ずれ量Δd(N)、Δd(N+1)をそれぞれN番目、N+1番目のデータ収集における動き量として決定する。
動き量決定部45により決定された各動き量Δd(N)、Δd(N+1)を図12(e)に示すような呼吸レベルを示すデータ(点線)上に表すと、丸印のように示される。そして、このように決定された動き量は、動き量決定部45から動き補正部46に与えられるように構成される。
動き補正部46は、動き量決定部45から動き量を取得する一方、イメージング信号取得部43からイメージング信号を取得し、動き量に基づいてイメージング信号を補正する機能と、補正後のイメージング信号を画像再構成部47に与える機能とを有する。
図13は、図2に示す動き補正部46によるイメージング信号の補正方法を説明する図である。
まず対象部位のリードアウト方向への平行移動の動きを補正する場合について説明する。図13(a)に示すようにECG信号を用いて心電図に同期して図13(b)に示すようなパートA、パートBおよびパートCを有するパルスシーケンスによるデータ収集が行われる。パートBでは、セグメント撮影によりイメージング信号が収集され、図13(c)に示すようにイメージング信号取得部43に形成されたk空間にマッピングされる。パートBにおける1回のセグメント撮影では、例えば図13(c)に示すように点線で囲った範囲のイメージング信号が収集されてk空間の所定の位置に配置される。
そして、あるセグメント撮影で収集されたイメージング信号のリードアウト方向および位相エンコード方向における分布は図13(d)のような分布となる。
一方、イメージング信号とほぼ同時に収集された動き信号から算出された動き量がΔdである場合には、動き補正部46は図13(e)の実線に示すような位相シフト関数を作成する。図13(e)において縦軸は位相を示し、横軸はリードアウト方向の位置Kroを示す。すなわち、動き補正部46は、リードアウト方向の位相が動き量Δdに比例する1次分布を有する位相シフト関数を作成する。
そして、動き補正部46は、リードアウト方向のイメージング信号と位相シフト関数との積をとる。尚、動き信号が基準プロファイル用の動き信号である場合には、動き量Δd=0として考えればよい。この演算は、k空間上の位置(Kro,Kpe,Kse)におけるイメージング信号をS(Kro,Kpe,Kse)とすると式(1)のような変換として表すことができる。
[数1]
S(Kro,Kpe,Kse)→S(Kro,Kpe,Kse)・exp(-Δd・Kro)
……(1)
このようにしてリードアウト方向の平行移動に関する動き補正をイメージング信号に対して行うことができる。さらに、平行移動のみならず線形の伸縮補正をイメージング信号に対して行うようにすることもできる。
ある点Zのリードアウト方向への伸縮を伴う線形移動が1次係数αおよび0次係数βを用いて式(2−1)のように記述されるものとすると、イメージング信号Sのk空間上における移動は式(2−2)のように表される。
[数2]
Z→(1+α)Z+β ……(2−1)
S(Kro,Kpe,Kse)
→S((1+α)Kro,Kpe,Kse)・exp(−βKRO) ……(2−2)
式(2−2)から、線形の伸縮移動が存在する場合には、リードアウト方向のサンプリング位置が伸縮による動きのない場合に比べて一定の割合αだけ移動していることが分かる。従って、一定の割合αだけ移動したイメージング信号S((1+α)Kro,Kpe,Kse)から本来のサンプリング位置(Kro,Kpe,Kse)におけるイメージング信号S(Kro,Kpe,Kse)を求めることが伸縮の補正になる。本来のサンプリング位置(Kro,Kpe,Kse)におけるイメージング信号S(Kro,Kpe,Kse)は、一定の割合αだけ移動したイメージング信号S((1+α)Kro,Kpe,Kse)を用いた補間処理により求めることができる。
また、式(2−1)におけるαとβの値は、動き量Δdに依存してαおよびβが変化する1次の線形変形の動きモデルから決定することができる。動きモデルの係数については、実測(実際の撮像)により求めることができる。決定したαとβの値は図6に示す撮影条件設定画面において、伸縮を伴う線形変形の動きモデルに従う動きの補正を指示するLinear(SI)ボタンの操作とともに線形変形を表す1次式の1次係数および0次係数として任意に設定することができる。
そして、伸縮の補正のみならず、βによる平行移動の補正も式(1)に示す位相演算により実施することができる。このように、動きによる伸縮と平行移動の補正をイメージング信号に対して行うことが可能である。そして、補正後のイメージング信号は、動き補正部46から画像再構成部47に与えられる。
画像再構成部47は、動き補正部46から受けた補正後のイメージング信号に2次元または3次元のフーリエ変換処理等の画像再構成処理を施すことにより、実空間データである被検体Pの画像データを作成する機能と、作成した画像データに必要な画像処理を施して表示装置34に与える機能を有する。画像処理としては、MIP(Maximum Intensity Projection)処理等の処理が挙げられる。
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作および作用について説明する。
図14は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により被検体Pの心臓の血管像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
ステップS1において、イメージングスラブに含まれる動き量の検出対象となる部位から動き信号が取得される。また、ステップS1とほぼ同時にステップS2において、イメージングの対象となる部位を含むイメージングスラブからイメージング用のNMR信号(イメージング信号)が取得される。このイメージング信号の取得は、動き信号の取得と時間的に極近いタイミングで実行される。
そのために、予め撮影条件設定部40が表示装置34に画面情報を与えると、図6に示すような撮影条件設定画面が表示装置34に表示される。ユーザが入力装置33の操作により動き補正機能をオンにして各種補正条件を設定すると、撮影条件設定部40は設定された撮影条件に従って、図3に示すような励起スラブを設定し、図4および図5または図7に示すようなパルスシーケンスを生成する。そして、撮影条件設定部40は生成したパルスシーケンスをシーケンスコントローラ制御部41に与える。
シーケンスコントローラ制御部41は、入力装置33からの撮像開始指示に従って、撮影条件設定部40から取得したパルスシーケンスをシーケンスコントローラ31に与える。そうすると、シーケンスコントローラ31は、パルスシーケンスに従って制御パルスを傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30に与える。このため、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに電流が供給されて、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzが形成される。また、送信器29からRF信号がRFコイル24に与えられ、RFコイル24は被検体PにRF信号を送信する。
そして、被検体P内部の原子核スピンの核磁気共鳴により発生したNMR信号が、RFコイル24により受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、NMR信号の検波およびA/D変換等の所要の信号処理により生データを生成し、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える。
ここで、パルスシーケンスには、イメージング用のデータ収集に先立って動き信号の収集用のシーケンスが設定されているため、イメージング信号として用いられる生データのみならず動き信号もシーケンスコントローラ31に与えられる。シーケンスコントローラ31は、収集されたイメージング信号および動き信号をシーケンスコントローラ制御部41に与える。
そして動き信号取得部42は、シーケンスコントローラ制御部41から動き信号を取得し、取得した動き信号を動き信号取得部42内に形成されたk空間に配置する。また、イメージング信号取得部43は、シーケンスコントローラ制御部41からイメージング信号を取得し、取得したイメージング信号をイメージング信号取得部43内に形成されたk空間に配置する。
尚、イメージング信号および動き信号の収集は、ECGユニット38において取得されたECG信号およびパルスシーケンスに従って心電同期下で行われる。
次に、ステップS3において、動き信号成分分離部44は、動き信号取得部42から動き信号を読み込んで、概ね動きを反映した信号成分と動きを反映していない成分とを分離する。そのために、動き信号成分分離部44は、動き信号の画像再構成処理を実行し、図10に示すようなエンコード量に応じた数に分割された複数の領域におけるエンコード方向のプロファイルデータを得る。そして、動き信号成分分離部44は、例えば全ての領域のプロファイルデータを互いに比較し、変化が最も大きいプロファイルを動き反映成分として分離する。動き信号成分分離部44によって得られた図11に示すような動き反映成分は、動き量決定部45に与えられる。
次に、ステップS4において、動き量決定部45は、動き信号成分分離部44から受けた動き反映成分に基づいて動き量を決定する。具体的には図12に示すような手順で、基準となるプロファイルを決定し、基準プロファイルの微分値と動き量の算出対象となるタイミングにおけるプロファイルの微分値との相互相関スペクトルを計算する。そして、相互相関スペクトルのピークの位置ずれ量を動き量として求める。動き量決定部45は、決定した動き量を動き補正部46に与える。
次に、ステップS5において、動き補正部46は、動き量決定部45から動き量を取得する一方、イメージング信号取得部43からイメージング信号を取得し、動き量に基づいてイメージング信号を補正する。例えば、動き補正部46は、図13に示すような手順でリードアウト方向の位相が動き量Δdに比例する1次分布を有する位相シフト関数とリードアウト方向のイメージング信号との積をとる。すなわち、式(1)に示す変換により、動き補正部46は、イメージング信号に対して平行移動の動き補正を実行する。
また、例えば図6に示す撮影条件設定画面においてLinear(SI)ボタンが押され、伸縮の補正も指示されている場合には、線形の動きモデルを表す1次式の0次係数βと、1次係数αを用いて平行移動に加えて伸縮の補正も実行する。このイメージング信号に対する伸縮の補正は、式(2−2)に基いて1次係数αを用いた補間処理により行うことができる。
そして、動き補正部46は、動き補正後のイメージング信号を画像再構成部47に与える。
次に、ステップS6において、画像再構成部47は、動き補正部46から受けた補正後のイメージング信号に2次元または3次元のフーリエ変換処理等の画像再構成処理を施すことにより、実空間データである被検体Pの画像データを作成する。また、画像再構成部47は、作成した画像データにMIP処理等の画像処理を施して表示装置34に与える。この結果、表示装置34には、ダミーショットにおいて取得した動き信号を用いて動き補正を実施することによって得られた被検体Pの画像が表示される。
以上のような磁気共鳴イメージング装置20によれば、動き信号がイメージング用のシーケンスと時間的にできる限り近くなるように設定されたダミーショットにおいて取得されるため動き信号の検出タイミングをイメージング用のデータの収集タイミングとほぼ同時とみなすことができる。また、磁気共鳴イメージング装置20によれば、動き信号の収集対象となる心臓等の器官を含むスラブを励起することによって、動き信号を直接的に取得することができる。
加えて、磁気共鳴イメージング装置20によれば、イメージング用のデータとは別に動き量の観測に必要な範囲の十分な動き信号を心拍ごとに収集できるように構成されているため、同一の部位からの動き信号を異なるタイミングで収集することができる。このため、磁気共鳴イメージング装置20では、同一の部位からの動き信号を用いてより精度よく動き量を検出し、検出した動き量を用いてイメージング信号の動き補正を実施することが可能である。そして、磁気共鳴イメージング装置20では、ボケやゴーストの発生を低減した良好な画像を得ることができる。
また、磁気共鳴イメージング装置20では、複数の領域ごとに動き信号を異なるタイミングで収集することができるため、検出した動き信号から動きを反映した信号成分を選択的に抽出して動き補正に用いることがきる。これにより、動かない部位の影響を低減させて、より精度よく動き補正した画像を得ることができる。また、動き補正に伴う処理量の増加を抑制することもできる。
さらに、ダミーショットにおいて2軸方向にエンコードして動き信号を収集するようにすれば、空間的な動き情報を取得することが可能であり、加えて動きの大きな方向をリードアウト方向とすれば、より少ないデータ収集量で精度よく動き情報を得ることができる。
次に、動き信号取得部42において取得される動き信号の変形例について説明する。
図15は、図2に示す動き信号取得部42に形成されたk空間への動き信号の配置方法の変形例について説明する図である。
図15に示すように動き信号取得部42において取得される動き信号の一部をイメージング信号で代用することもできる。換言すれば、動き信号取得部42が、イメージング信号の一部を取得し、取得したイメージング信号の一部を動き信号として利用することができる。
図15において四角印は、ダミーショットにより取得された動き信号を示し、丸印は動き信号として代用されるイメージング信号を示す。k空間の中心に近い部分の動き信号は、空間周波数が小さく大きい構造物の動き信号であることから精度が要求される場合が多い。そこで、k空間の中心に近い部分の動き信号は、ダミーショットにより取得し、残りの部分はイメージング信号で代用する。
ダミーショットは、各心拍(隣接するR波間)において印加されるため、動き信号は心拍ごとに毎回更新されることとなる。一方、代用されるイメージング信号は、セグメント撮影により収集されるため、セグメント撮影の進行に伴って次第に得られていくこととなる。従って、代用されるイメージング信号は常に一定値となるため動き信号の一部が更新されないこととなる。しかし、k空間から離れた部分の動き信号をイメージング信号で代用する場合には、細かい構造物からの動き信号が更新されないに過ぎない。従って大きい構造物からの動き信号の検出が要求されている場合には、細かい構造物からの動き信号が更新されないとしてもその影響が無視できる場合があると考えられる。
一方で、動き信号のデータが無い部分が存在するということはk空間データにマスク処理を施した場合と等価であることから、動き信号のデータ数が少ない状態で画像を再構成させると近隣の他のピクセルに含まれる物体からの情報がアーチファクトとして入り込む恐れがある。そこで、イメージング信号を動き信号として代用すれば、動き信号のデータが存在しない場合に比べて、アーチファクトの発生を低減させて動き量を精度よく求めることができる。
このように動き信号取得部42がシーケンスコントローラ制御部41からイメージング信号を動き信号の一部として代用するために取得するように構成すれば、動き信号の収集に要する時間を実質的に減らし、動き信号の収集時間効率を向上させることができる。このため、セグメント撮影におけるパルスシーケンス設計の自由度を向上させることができる。
尚、小さい構造物からの動き信号の検出が要求されている場合には、k空間から構造物の大きさに応じて離れた部分からの動き信号をダミーショットにおいて収集し、他の部分についてはイメージング信号を動き信号として代用すればよい。すなわち、k空間の特定の部分のみから動き信号をダミーショットにおいて収集し、心拍ごとに更新されるようにすれば、所望の大きさの構造物からの動き信号を選択的かつ短時間で収集して動き量を求めることができる。
このような動き信号の一部をイメージング信号で代用する動き補正機能は補正モードとして選択できるようにすることができる。例えば、表示装置34に表示される撮影条件設定画面にイメージング信号の代用を伴う動き補正の機能のオンオフを切換えるボタンを表示させてユーザが任意に補正モードを切換えることができるようにすることができる。
次に、動き信号成分分離部44における動き信号の分離方法の変形例について説明する。
図16は、図2に示す動き信号成分分離部44における動き信号の分離方法の変形例について説明するフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。また、図17は、図16に示す画像再構成処理により形成される領域の一例を示す図、図18は、図16に示す動き部マスクの概念図である。
図16のステップS10において、前述したように動き信号成分分離部44は、動き信号取得部42からk空間に配置された動き信号を取得し、動き信号の画像再構成処理を実行する。そうすると、図17に示すようにPE方向およびSE方向に分割されたエンコード量に応じた数の各領域におけるリードアウト方向のプロファイルデータを得ることができる。
次に、ステップS11において、動き信号成分分離部44は、各領域のプロファイルデータに基いて、動きの大きさに応じた重みを有する動き部マスクを作成する。すなわち図16に示すように、PE方向およびSE方向の一方または双方に異なる重みをもった動き部マスクが動き信号成分分離部44により作成される。図16はPE方向のみに異なる重みをもつ動き部マスクの例を示すがSE方向に異なる重みを設定してもよい。
動き部マスクの重みは、動きの大きい部位(この例では心臓)を含むピクセルで大きく、逆に、動きの小さい部位や信号の無い部分(この例では胸壁など)を含むピクセルで小さくなるように設定される。各ピクセルにおける動きの大きさは、各プロファイルデータを参照して得ることができる。
次に、ステップS12において、動き信号成分分離部44は、動き信号の画像再構成処理によって得られた画像再構成データに動き部マスクを掛けることによって、動き信号の再構成データに対してPE方向およびSE方向への重み付け処理を実行する。
次に、ステップS13において、動き信号成分分離部44は、重み付け処理後における再構成データに対してPE方向およびSE方向のみに逆再構成処理を施す。
次に、ステップS14において、動き信号成分分離部44は、PE方向およびSE方向のみk空間データとなったデータをPE方向およびSE方向に加算する。
この結果、図11に示すようなリードアウト方向の動き反映成分のプロファイルデータを得ることができる。これは、動きを反映した信号成分を分離したことに相当する。このように、エンコード方向への重み付けを伴う信号の加算処理によって動きを反映した信号成分を求めるようにすれば、動き反映成分の測定のSN比を大きくし、動き量の検出精度を向上させることができる。
尚、動き信号の分離方法についても補正モードしてユーザが選択できるようにすることができる。
図19は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施形態を示す構成図である。
図19に示された、磁気共鳴イメージング装置20Aでは、撮影条件設定部40の機能および動き信号成分分離部44に代えてプロファイル作成部50を設けた構成が図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と相違する。他の構成および作用については図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と実質的に異ならないためコンピュータ20の機能ブロック図のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
磁気共鳴イメージング装置20Aの撮影条件設定部40には、イメージング用のデータ収集と十分に近いタイミングにおいて印加されるダミーショットにおいて、動きを反映した成分を主成分とする動き信号を収集することが可能なパルスシーケンスを設定する機能が備えられる。
図20は、図19に示す磁気共鳴イメージング装置20Aの撮影条件設定部40により作成されるパルスシーケンスの一例を示す図である。
図20に示すように撮影条件設定部40は、例えばイメージング用のシーケンスであるパートBに続いてダミーショット用のシーケンスであるパートCを作成する。パートBは非常に短い繰り返し時間TRにてRF信号を印加し、位相エンコードパルスPE(B)を順次変えながら3次元イメージング信号ACQ(B)を収集するセグメント撮影によるシーケンスである。パートBでは、スライス方向が心臓を含むサジタル面方向に設定される。
また、パートCは、動きを反映した成分を主成分とする動き信号を収集するためのシーケンスである。そのために、パートCのスライスエンコード方向は、パートBのスライスエンコード方向と異なる方向とされ、パートCでは、スライス方向が心臓を含むコロナル面方向に設定される。さらに、パートCは、スライス傾斜磁場パルスPcの前後にスポイラパルスが印加されるシーケンスとされている。そして、このように構成されたパートCによって動きを反映した成分を主成分とする動き信号ACQ(C)が収集される。
図21は、図20に示すパルスシーケンスにより励起されるスラブの位置を示す図である。
図21に示すように、図20に示すパルスシーケンスのパートBにおけるスライス傾斜磁場パルスGssによって実線で示すスラブBが励起される。続いて、パートCのスライス傾斜磁場パルスPcによって点線で示すスラブCが励起される。そして、パートCでは、パートBおよびパートCの双方のスライス傾斜磁場パルスGss、Pcによって励起された点線と実線とで囲まれた矩形領域から動き信号ACQ(C)が収集される。
そして、パートCのスライス傾斜磁場パルスPcを制御し、励起されるスラブCの位置を調整することによって、心臓等の動きのある部位が動きのない部位に対して選択的に矩形領域に含まれるようにすることができる。このように動きのある部位が矩形領域に含まれるようにパートCのスライス傾斜磁場パルスPcを制御すれば、動きを反映した成分を主成分とする動き信号ACQ(C)を収集することが可能になる。スラブCの位置については経験的なデータから求める方法や、予め収集した位置ごとの動き情報から推定する方法などが挙げられる。
一方、プロファイル作成部50は、撮影条件設定部40において設定されたパルスシーケンスによるデータ収集によって得られた動き信号を動き信号取得部42から取得する機能と、取得した動き信号に画像再構成処理を施してリードアウト方向のプロファイルデータを求める機能とを有する。さらに、プロファイル作成部50は、求めたプロファイルデータを動き反映成分として動き量決定部45に与えるように構成される。
そして、磁気共鳴イメージング装置20Aでは、撮影条件設定部40により心臓等の動きのある部位を含むスラブが動き信号を収集するためのシーケンスにおいて励起されるように図20のようなパルスシーケンスが作成される。そして、イメージング信号の収集に続いて収集された動き信号がプロファイル作成部50に与えられる。プロファイル作成部50に与えられた動き信号は動きを反映した成分を主成分としている。そこで、プロファイル作成部50は、動き信号に画像再構成処理を施してリードアウト方向のプロファイルデータを求める。そして、プロファイル作成部50は、求めたプロファイルデータを動き反映成分として動き量決定部45に与える。さらに、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20の場合と同様にイメージング信号の動き補正が実施され、動き補正後の画像を得ることができる。
以上の各実施形態における磁気共鳴イメージング装置20、20Aの一部の構成要素や機能を省略してもよく、逆に双方の機能を組み合わせてもよい。例えば、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20の動き信号成分分離部44を省略し、全ての動き信号のプロファイルを動き反映成分として利用することにより動き補正を行うように構成してもよい。また、図19に示す磁気共鳴イメージング装置20Aに動き信号成分分離部44を設け、動きを反映した成分を主成分とする動き信号から、更に動きを反映した成分を分離するように構成してもよい。
また、上述した磁気共鳴イメージング装置20、20Aでは、動き量に基づいてイメージング信号の補正処理を行う例について述べたが、補正処理を行わずに特定の範囲のイメージング信号を画像再構成用に選択するように磁気共鳴イメージング装置20、20Aを構成してもよい。この場合には、例えばコンピュータ32に動き補正部46の代わりにイメージング信号選択部が設けられる。
イメージング信号選択部は、動き量決定部45において決定した動き量に基づいてイメージング信号取得部43から取得したイメージング信号のうち特定の範囲のイメージング信号を選択する。イメージング信号の選択方法としては、動き量に応じてgating windowを作成し、gating windowを用いてイメージング信号から特定の範囲のイメージング信号が選択する方法が挙げられる。例えば、動き量がある値を超えない範囲におけるイメージング信号が選択されるようにgating windowが作成される。このように作成されたgating windowにより、動きの大きいイメージング信号を画像再構成用のイメージング信号から取り除くことができる。
そして、画像再構成部47は、イメージング信号選択部によって選択されたイメージング信号を用いて画像を再構成する。このようにイメージング信号の取捨選択によって、動きの影響がより小さく、基準となる画像により近い画像を得ることが可能となる。
20、20A 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイルユニット
24 RFコイル
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 演算装置
36 記憶装置
37 寝台
38 ECGユニット
40 撮影条件設定部
41 シーケンスコントローラ制御部
42 動き信号取得部
43 イメージング信号取得部
44 動き信号成分分離部
45 動き量決定部
46 動き補正部
47 画像再構成部
50 プロファイル作成部
P 被検体

Claims (4)

  1. SSFP(Steady-State Free Precession)シーケンスを用いて、被検体からの磁気共鳴信号をイメージング信号として取得するイメージング信号収集手段と、
    前記SSFPシーケンスのダミーショットシーケンスにおいて動き信号を取得する動き信号収集手段と、
    前記動き信号を用いて動き量を求める動き量決定手段と、
    前記動き量に基づいて前記イメージング信号の補正処理を実行する動き補正手段と、
    前記補正処理後のイメージング信号から画像を再構成する画像再構成手段と、
    を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記動き信号収集手段は、
    前記イメージング信号よりも少ない位相エンコード量の磁気共鳴信号を複数回に亘って前記動き信号として取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. SSFP(Steady-State Free Precession)シーケンスを用いて、被検体からの磁気共鳴信号をイメージング信号として取得するイメージング信号収集手段と、
    前記SSFPシーケンスのダミーショットシーケンスにおいて動き信号を取得する動き信号収集手段と、
    前記動き信号を用いて動き量を求める動き量決定手段と、
    前記動き量に基づいて特定の範囲のイメージング信号を選択する選択手段と、
    前記特定の範囲のイメージング信号から画像を再構成する画像再構成手段と、
    を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記動き信号収集手段は、
    前記イメージング信号よりも少ない位相エンコード量の磁気共鳴信号を複数回に亘って前記動き信号として取得する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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