JP5105263B2 - 回転角度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置に関する。
従来、磁石などの磁気発生手段およびホール素子などの磁気検出手段の一方を検出対象に設置し、検出対象が回転移動したときの磁気発生手段の磁気を磁気検出手段で検出することにより、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置が知られている。
例えば特許文献1に開示される回転角度検出装置では、2つのホール素子から出力される出力値に基づいて三角関数演算により検出対象の回転角度を算出している。2つのホール素子のそれぞれからは信号が出力されるが、回転角度検出装置が例えば作動回転角の範囲が狭い電子スロットルまたはアクセルペダル等の回転角度を検出するのに用いられる場合、前記信号による波形の1周期分を取得できないため、前記波形の最大値、すなわち前記波形の振幅を検知することができない。そのため、2つの波形の振幅を合わせることができず、検出する回転角度に生じる誤差が大きくなるおそれがある。つまり、磁気発生手段と磁気検出手段とを組み合わせた製品1つ1つの状態において2つの波形の振幅を調整できず、製品毎の検出結果のバラつきを無くすことが困難となる。特に特許文献1に示される軸貫通磁気回路では、ホール素子の感磁面が少しでも傾くと、出力される信号の位相、振幅とも大きく変化するため、製品毎の検出結果のバラつきが大きくなると考えられる。
一方、特許文献2に開示される回転角度検出装置では、1つのホール素子から出力される出力値に基づいて三角関数演算により検出対象の回転角度を算出している。この回転角度検出装置では、ホール素子から出力される信号の最大値に基づいて検出対象の回転角度を算出している。よって、この回転角度検出装置が、作動回転角が小さな電子スロットルまたはアクセルペダル等の回転角度を検出するのに用いられる場合、前記信号の最大値を検知することができない。そのため、前記信号による波形を正規化することができず、検出する回転角度に生じる誤差が大きくなるおそれがある。したがって、特許文献1の回転角度検出装置と同様、製品毎の検出結果のバラつきを無くすことが困難となる。
特開2008−51638号公報 特開2001−124511号公報
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出結果の誤差が小さく、検出精度の高い回転角度検出装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、磁気発生手段と、磁気検出手段と、処理部と、を備えている。磁気検出手段は、検出対象の回転に伴って磁気発生手段に対して相対回転可能に設けられ、磁気発生手段に対して相対回転することにより生じる磁界の変化に応じた信号を出力する磁気検出素子を有する。処理部は、磁気検出素子の出力値を処理可能である。
処理部は、出力値取得手段、波形推定手段、振幅正規化手段および回転角度算出手段、を有している。出力値取得手段は、検出対象の回転角度毎の出力値を取得する。波形推定手段は、出力値取得手段により取得した出力値から、磁気検出素子が出力する信号の1周期分の波形を推定波形として推定する。振幅正規化手段は、波形推定手段により推定した推定波形の振幅を正規化する。回転角度算出手段は、磁気検出素子の出力値、および、振幅正規化手段によって正規化した推定波形の振幅に基づき、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。
また、本発明では、波形推定手段により推定波形を推定し、かつ、振幅正規化手段により推定波形の振幅を正規化した上で、回転角度算出手段により検出対象の回転角度を算出する。例えば波形推定手段による波形の推定、および振幅正規化手段による振幅の正規化を事前に行っておけば、回転角度検出装置の製品毎のバラつきが低減される。したがって、検出結果の誤差を小さくすることができ、検出精度を高めることができる。
ところで、正弦波は、0付近では振幅方向の値の変化率が大きく、最大値付近では振幅方向の値の変化率は小さい。よって、推定波形が正弦波を描く場合、この推定波形の0付近は、磁気発生手段と磁気検出手段との相対的な移動量に対する変化が大きいといえる。
そこで、請求項に記載の発明では、磁気発生手段と磁気検出手段とは、磁気検出素子の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。これにより、磁気検出素子のS/Nが向上し、推定波形の位相の判別が容易になるため、波形推定手段による波形の推定を高精度に行うことができる。
また、請求項に記載の発明では、磁気検出素子は、オフセットが0に設定されている。これにより、磁気検出素子と磁気発生手段とを組み合わせた状態でもオフセットがなくなるため、波形推定手段による波形の推定をより高精度に行うことができる。
また、請求項に記載の発明では、波形推定手段は、推定波形の位相を磁気検出素子の出力値が0となる点から求め、推定波形の振幅を最小二乗法で求めることにより、推定波形を推定する。これにより、推定波形を正確に推定することができる。その結果、回転角度算出手段によって検出対象の回転角度を高精度に算出することができる。
ところで、例えば、回転する磁気発生手段の回転中心の近傍に磁気検出手段が設けられる構成において、磁気検出素子が前記回転中心から所定の距離離れている場合、磁気検出素子が出力する信号は、正確な正弦波とはならないことがわかっている。磁気検出素子が出力する信号が正確な正弦波でない場合、波形推定手段によって推定波形を適切に推定することができず、回転角度検出手段による検出対象の回転角度の検出を正確に行うことができない。
そこで、請求項に記載の発明では、波形推定手段は、磁気検出素子が出力する信号の周期を補正した上で、推定波形を推定する。すなわち、磁気検出素子が出力する信号が正確な正弦波となるよう周期を補正した上で推定波形を推定し、その後、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出するのである。そのため、推定波形を正確に推定でき、その結果、検出対象の回転角度を正確に算出することができる。このように、本発明では、磁気発生手段と磁気検出手段との位置関係にかかわらず検出対象の回転角度を正確に算出することができる。
請求項に記載の発明では、回転角度算出手段は、磁気検出素子が出力する信号の周期を補正した上で、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。したがって、本発明では、磁気発生手段と磁気検出手段との位置関係にかかわらず検出対象の回転角度を正確に算出することができる。
請求項に記載の発明では、磁気検出素子、ならびに、出力値取得手段、波形推定手段、振幅正規化手段および回転角度算出手段のうち少なくとも1つは、1つの半導体チップに搭載されている。このように、磁気検出素子および複数の手段を合わせて1つの半導体チップに搭載することにより、装置全体の体格を小さくすることができる。
請求項に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、磁気発生手段と、磁気検出手段と、処理部と、を備えている。磁気検出手段は、検出対象の回転に伴って磁気発生手段に対して相対回転可能に設けられ、磁気発生手段に対して相対回転することにより生じる磁界の変化に応じた信号を出力する第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を有する。処理部は、第1磁気検出素子の出力値である第1出力値および第2磁気検出素子の出力値である第2出力値を処理可能である。
処理部は、出力値取得手段、波形推定手段、振幅調整手段および回転角度算出手段、を有している。出力値取得手段は、検出対象の回転角度毎の第1出力値および第2出力値を取得する。波形推定手段は、出力値取得手段により取得した第1出力値および第2出力値から、第1磁気検出素子が出力する信号の1周期分の波形を第1推定波形として推定し、第2磁気検出素子が出力する信号の1周期分の波形を第2推定波形として推定する。振幅調整手段は、波形推定手段により推定した第1推定波形の振幅と第2推定波形の振幅とが同等になるよう、第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの振幅を調整する。回転角度算出手段は、第1出力値、第2出力値、および、振幅調整手段によって調整した第1推定波形および第2推定波形の振幅に基づき、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。
本発明では、波形推定手段により第1推定波形および第2推定波形を推定し、かつ、振幅調整手段により第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの振幅を調整した上で、回転角度算出手段により検出対象の回転角度を算出する。例えば波形推定手段による波形の推定、および振幅調整手段による振幅の調整を事前に行っておけば、回転角度検出装置の製品毎の検出結果のバラつきが低減される。したがって、検出結果の誤差を小さくすることができ、検出精度を高めることができる。
また、請求項に記載の発明では、磁気発生手段と磁気検出手段とは、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。そのため、磁気検出素子が出力する信号のうち0付近の値を、第1推定波形および第2推定波形の推定をするのに用いることができる。これにより、磁気検出素子のS/Nが向上し、第1推定波形および第2推定波形の位相の判別が容易になるため、波形推定手段による波形の推定を高精度に行うことができる。
また、請求項に記載の発明では、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子は、オフセットが0に設定されている。これにより、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子と磁気発生手段とを組み合わせた状態でもオフセットがなくなるため、波形推定手段による波形の推定をより高精度に行うことができる。
また、請求項に記載の発明では、波形推定手段は、第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの位相を第1出力値および第2出力値が0となる点から求め、第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの振幅を最小二乗法で求めることにより、第1推定波形および第2推定波形を推定する。これにより、第1推定波形および第2推定波形を正確に推定することができる。その結果、回転角度算出手段によって検出対象の回転角度を高精度に算出することができる。
請求項に記載の発明では、波形推定手段は、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子のそれぞれが出力する信号の周期を補正した上で、第1推定波形および第2推定波形を推定する。すなわち、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子のそれぞれが出力する信号が正確な正弦波となるよう周期を補正した上で第1推定波形および第2推定波形を推定し、その後、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出するのである。そのため、第1推定波形および第2推定波形を正確に推定でき、その結果、検出対象の回転角度を正確に算出することができる。このように、本発明では、磁気発生手段と磁気検出手段との位置関係にかかわらず検出対象の回転角度を正確に算出することができる。
請求項に記載の発明では、回転角度算出手段は、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子のそれぞれが出力する信号の周期を補正した上で、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。したがって、本発明では、磁気発生手段と磁気検出手段との位置関係にかかわらず検出対象の回転角度を正確に算出することができる。
請求項に記載の発明では、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子、ならびに、出力値取得手段、波形推定手段、振幅調整手段および回転角度算出手段のうち少なくとも1つは、1つの半導体チップに搭載されている。第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を1つの半導体チップに搭載することにより両素子の特性を同一にでき、高精度な回転角度検出が可能となる。また、第1磁気検出素子、第2磁気検出素子および複数の手段を合わせて1つの半導体チップに搭載することにより、装置全体の体格を小さくすることができる。
上述した本発明による回転角度検出装置は、例えば電子スロットル、アクセルペダル、およびクランクシャフト等の検出対象の回転角度を検出するのに用いることができる。本発明では、検出対象の作動回転角の範囲が狭く1周期分の信号を取得できない場合でも、検出対象の回転角度を高精度に検出可能である。そのため、本発明は、特に電子スロットルおよびアクセルペダル等に対し好適である。
(A)は本発明の第1実施形態による回転角度検出装置を示す模式図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 本発明の第1実施形態による回転角度検出装置の磁気検出手段の構成を示す模式図。 本発明の第1実施形態による回転角度検出装置の磁気検出素子が出力する信号を示す図。 (A)は本発明の第1実施形態による回転角度検出装置の磁気検出素子近傍の磁束密度を示す図、(B)は磁気検出素子が出力する信号を示す図。 (A)は本発明の第1実施形態による回転角度検出装置の磁気検出素子が出力する信号を示す図、(B)は推定波形を示す図。 (A)は本発明の第1実施形態の回転角度検出装置による振幅正規化後の推定波形を示す図、(B)は算出される回転角度を示す図。 (A)は本発明の第2実施形態による回転角度検出装置を示す模式図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 本発明の第2実施形態による回転角度検出装置の磁気検出素子が出力する信号を示す図。 (A)は本発明の第2実施形態による回転角度検出装置の磁気検出素子近傍の磁束密度を示す図、(B)は磁気検出素子が出力する信号を示す図。 (A)は本発明の第2実施形態による回転角度検出装置の磁気検出素子が出力する信号を示す図、(B)は推定波形を示す図。 (A)は本発明の第2実施形態の回転角度検出装置による振幅正規化後の推定波形を示す図、(B)は算出される回転角度を示す図。 (A)は本発明の第3実施形態による回転角度検出装置を示す模式図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 本発明の第3実施形態による回転角度検出装置の磁気検出手段の構成を示す模式図。 (A)は本発明の第3実施形態による回転角度検出装置の第1磁気検出素子が出力する信号を示す図、(B)は第2磁気検出素子が出力する信号を示す図。 (A)は本発明の第3実施形態による回転角度検出装置の第1磁気検出素子および第2磁気検出素子近傍の磁束密度を示す図、(B)は第1磁気検出素子および第2磁気検出素子が出力する信号を示す図。 (A)は本発明の第3実施形態による回転角度検出装置の第1磁気検出素子および第2磁気検出素子が出力する信号を示す図、(B)は第1推定波形および第2推定波形を示す図。 (A)は本発明の第3実施形態の回転角度検出装置による振幅調整後の推定波形を示す図、(B)は算出される回転角度を示す図。 (A)は本発明の第4実施形態による回転角度検出装置を示す模式図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。
本発明の複数の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による回転角度検出装置を図1(A)および(B)に示す。回転角度検出装置1は、例えば検出対象としての電子スロットルの弁軸の回転角度を検出する装置である。位置検出装置1は、永久磁石12、ホールIC20、および電子制御装置(ECU;Electronic Control Unit)15等を備えている。
円板状の支持部13の中央に回転軸14が接続している。磁気発生手段としての永久磁石12は、支持部13の回転軸14とは反対側の面に設けられている。永久磁石12は、着磁方向が支持部13の径方向に沿うようにして、支持部13の外縁部に設置されている。これにより、永久磁石12は、回転軸14の中心軸Oを中心として検出対象と連動して回転する。
磁気検出手段としてのホールIC20は、支持部13の回転軸14とは反対側、支持部13の略中心に設けられている。ホールIC20は、永久磁石12が支持部13とともに回転するときに描く円の内側に位置している。すなわち、ホールIC20は、検出対象の回転に伴って永久磁石12に対して相対的に回転可能に設けられている。
ホールIC20は、磁気を検出可能な磁気検出素子としてのホール素子21を有している。ホールIC20は、ホール素子21等の部品を1つの半導体チップに搭載した磁気センサである。ホールIC20は、ホール素子21の感磁面が中心軸O上に位置するよう設けられている。ホール素子21は、永久磁石12に対して相対回転することにより生じる磁界の変化に応じた信号を出力する。なお、ホール素子21は、半導体チップに実装された状態において、オフセットが0に設定されている。
ECU15は、図示しないCPU、メモリ等から構成されている。ECU15は、メモリに記憶されている各種プログラムを実行することにより種々の処理を行う。図2に示すように、ホールIC20は、ホール素子21の他に、A/D変換器25、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)26、メモリ27、および、D/A変換器28を有し、それらを1つの半導体チップに実装している。A/D変換器25は、ホール素子21が出力するアナログ値をデジタル値に変換し、DSP26に伝送する。DSP26は、メモリ27に記憶された各種プログラムを実行することにより、ホール素子21からの出力値に対し種々の処理を行う。また、DSP26は、処理結果をD/A変換器28に伝送する。D/A変換器28は、DSP26から伝送されたデジタル値をアナログ値に変換し、ECU15に伝送する。ここで、ホールIC20およびECU15は、特許請求の範囲における「処理部」に対応する。ECU15およびDSP26による種々の処理については、後に詳述する。
本実施形態では、ホール素子21が中心軸O上に設けられているため、例えば永久磁石12がホールIC20の周りを360°回転したとき、ホール素子21が出力する信号は、図3に示す線100のとおりとなる。線100は、周期が360°の正弦波に一致し、正確な正弦波であることがわかる。よって、線100は例えばA×sin(kθ)で表すことができ、k=1である。
以下、ホールIC20の事前設定について説明する。本実施形態では、事前設定に関する作業として、「出力値取得」、「波形推定」および「振幅正規化」を行う。
<「出力値取得」段階>
「出力値取得」段階では、ECU15は、検出対象の回転角度毎に、ホール素子21から出力される値を取得する。このとき、ECU15は、ホール素子21から出力される値を、A/D変換器25、DSP26およびD/A変換器28を経由して取得する。ここで、A/D変換器25、DSP26、D/A変換器28およびECU15は、特許請求の範囲における「出力値取得手段」に対応する。以下、本実施形態の説明において、適宜、ホール素子21から出力される値を単に「出力値」という。
本実施形態では、検出対象が電子スロットルの弁軸であり、その作動角度範囲は例えば0〜90°である。そのため、ホール素子21近傍の磁束密度は、図4(A)に示す線101のとおりとなる。よって、出力値は、図4(B)の線102上の点で表される。
ECU15は、「出力値取得」段階において、例えば「検出対象の回転角度が0°のときの出力値は−29」、「検出対象の回転角度が1°のときの出力値は−28」・・・といった具合に、検出対象の回転角度毎の出力値を取得する。検出対象の作動角度範囲は0〜90°のため、図4(B)に示すように、出力値は、0〜90°の範囲で取得される。そのため、検出対象の作動角度範囲が十分に大きい場合は出力値によって1周期分以上の波形が示されるが、本実施形態では出力値によって示される波形は1/4周期分である。よって、この時点では、出力値によって示される波形の最大値(振幅)は不明である。
なお、本実施形態では、永久磁石12とホールIC20とは、予め、ホール素子21の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。そのため、出力値のとり得る値として「0」が含まれる(図4(B)の点103参照)。
<「波形推定」段階>
上述のように、「出力値取得」段階では、出力値によって示される波形の振幅は不明である。そこで、ECU15は、「波形推定」段階において、出力値によって示される波形の1周期分を推定することで当該波形の振幅を求める。ここで、ECU15は、特許請求の範囲における「波形推定手段」に対応する。以下、適宜、ホール素子21が出力する信号の1周期分の波形を「推定波形」という。
以下、推定波形の推定の仕方を説明する。
推定波形の位相は、出力値が0となる点103から求める(図5(A)参照)。本実施形態では、点103の角度はβのため、推定波形の位相はβである。推定波形の振幅をAとすると、推定波形は、A×sin(k(θ−β))である。ここで、kは、ホール素子21が出力する信号が正確な正弦波を描かない場合に、その周期を補正するための係数である。本実施形態ではホール素子21が中心軸O上に設けられており、ホール素子21が出力する信号は周期が360°の正確な正弦波を描く(図3の線100参照)ためk=1であるが、以下の式では、便宜上、kを表示している。
推定波形の振幅Aについては、最小二乗法で求める。ホール素子21の出力をVa(θi)とし、推定波形の波形をA×sin(kθi)とすると、
Figure 0005105263
のときに、A×sinθiはVa(θi)に最も近づく。K2(A)は二次関数のため、K2(A)がMin(最小値)になるのは、K2(A)の変曲点における傾きが0になるとき、すなわちK2(A)を微分したものが0になるときである。よって、
Figure 0005105263
=(Σ(Va2(θi)−2A×Va(θi)sin(kθi)+A2sin2(kθi)))’
=Σ(−2Va(θi)sin(kθi)+2A×sin2(kθi))=0・・・式2
式2より、
Σ(Va(θi)sin(kθi))=AΣ(sin2(kθi)) ・・・式3
式3より、
A=Σ(Va(θi)sin(kθi))/Σ(sin2(kθi)) ・・・式4
本実施形態では、k=1のため、
A=Σ(Va(θi)sinθi)/Σ(sin2θi) ・・・式5
以上より、推定波形は、図5(B)の線104で示すとおりとなる。
<「振幅正規化」段階>
ECU15は、「振幅正規化」段階において、推定波形の振幅が1になるよう、推定波形の振幅を正規化する。ここで、ECU15は、特許請求の範囲における「振幅正規化手段」に対応する。
具体的には、例えば推定波形をAで割ることで、推定波形の振幅を1にする。これにより、振幅正規化後の推定波形は、図6(A)に示す線105のとおりとなる。
以上、本実施形態におけるホールIC20の事前設定について説明した。
次に、本実施形態の回転角度検出装置1による、検出対象の回転角度の検出の仕方について説明する。本実施形態では、検出対象の回転角度を検出するために、「回転角度算出」を行う。
<「回転角度算出」段階>
DSP26は、「回転角度算出」段階において、ホール素子21の出力値、および、「振幅正規化手段によって正規化した推定波形の振幅1」に基づき、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。ここで、DSP26は、特許請求の範囲における「回転角度算出手段」に対応する。
ホール素子21の出力値をVa、ホール素子21の雰囲気温度をt、温度特性係数をK(t)、電流に関する温度特性係数をI(t)、磁束密度に関する温度特性係数をBa(t)、検出対象の回転角度をθとすると、
Va=K(t)×I(t)×Ba(t)×sin(θ−β) ・・・式6
本実施形態では、「波形推定」段階で推定波形をA×sin(θ−β)と推定し、「振幅正規化」段階で推定波形の振幅を1に調整している。これにより、sin-1を用いた式(下記式7)によってθを求めることができる。
θ=180°/π×sin-1(Va/A)+β ・・・式7
DSP26は、ホール素子21から出力値Vaを取得し、取得した出力値Vaから、三角関数演算(式7)により、図6(B)の線106で示すように検出対象の回転角度θを算出する。なお、本実施形態では、推定波形を余弦波とみなすこともできるため、cos-1を用いた式(下記式8)によってもθを求めることができる。
θ=180°/π×cos-1(Va/A)+β ・・・式8
以上説明したように、本実施形態では、波形推定手段により推定波形を推定し、かつ、振幅正規化手段により推定波形の振幅を1に正規化した上で、回転角度算出手段により検出対象の回転角度θを三角関数演算によって算出する。本実施形態では、波形推定手段による波形の推定、および振幅正規化手段による振幅の正規化を事前に行っているため、回転角度検出装置1の製品毎の検出結果のバラつきが低減される。したがって、検出結果の誤差を小さくすることができ、検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では、永久磁石12とホールIC20とは、ホール素子21の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。そのため、ホール素子21が出力する信号のうち0付近の値を、推定波形の推定をするのに用いることができる。これにより、ホール素子21のS/Nが向上し、推定波形の位相の判別が容易になるため、波形推定手段による波形の推定を高精度に行うことができる。
また、本実施形態では、ホール素子21は、オフセットが0に設定されている。これにより、ホール素子21と永久磁石12とを組み合わせた状態でもオフセットがなくなるため、波形推定手段による波形の推定をより高精度に行うことができる。
また、本実施形態では、波形推定手段は、推定波形の位相を出力値が0となる点から求め、推定波形の振幅を最小二乗法で求めることにより、推定波形を推定する。これにより、推定波形を正確に推定することができる。その結果、回転角度算出手段によって検出対象の回転角度θを高精度に算出することができる。
さらに、本実施形態では、ホール素子21、ならびに、「出力値取得手段」および「回転角度算出手段」に対応するDSP26等が、1つの半導体チップに搭載されている。ホール素子21およびDSP26等を合わせて1つの半導体チップに搭載することにより、装置全体の体格を小さくすることができる。
このように、本実施形態では、検出対象の作動回転角の範囲が狭く1周期分の信号を取得できない場合でも、検出対象の回転角度を高精度に検出可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による回転角度検出装置を図7に示す。第2実施形態は、回転角度検出用のホールICに加えバックアップ検出用のホールICを備える点、および、ホールICの配置の点等で、第1実施形態と物理的な構成が異なる。
図7(A)および(B)に示すように、第2実施形態による回転角度検出装置2は、ホールIC20に加え、ホールIC30を備えている。
ホールIC30は、中心軸Oを挟んでホールIC20と反対側に設けられている。ホールIC30は、中心軸Oを挟んでホール素子21と対向するホール素子31を有している。本実施形態では、ホールIC30は、ホールIC20のバックアップとして設けられている。すなわち、通常はホールIC20によって磁気の検出を行い、ホールIC20に何らかの異常が生じて磁気の検出ができなくなった場合など、ホールIC30によって磁気の検出を行うのである。よって、本実施形態では、ホールIC20が特許請求の範囲における「磁気検出手段」に、ホール素子21が「磁気検出素子」に対応する。なお、ホールIC30の内部構成については、ホールIC20と同様である。
上述のように、本実施形態では通常時磁気検出用のホールIC20とバックアップ検出用のホールIC30とを中心軸Oの近傍に設ける構成のため、ホール素子21の感磁面は、中心軸Oから所定の距離d1離れた位置にある。このような構成では、例えば永久磁石12がホールIC20の周りを360°回転したとき、ホール素子21が出力する信号は、図8に示す線200のとおりとなる。図8において、線201および線202は周期が360°の正弦波を表しているが、線200は、線201および線202のいずれとも一致しない。つまり、線200は正確な正弦波ではないことがわかる。一方、周期が360/k°である正弦波sin(kθ)を図8に表すと、線203のとおりとなる。線200と線203とは、線200の最大値までの範囲において、概ね一致している。
上記を考慮した上で、以下、本実施形態における、ホールIC20の事前設定について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様、事前設定に関する作業として、「出力値取得」、「波形推定」および「振幅正規化」を行う。
<「出力値取得」段階>
「出力値取得」段階では、ECU15は、検出対象の回転角度毎に、ホール素子21から出力される値を取得する。以下、本実施形態の説明において、適宜、ホール素子21から出力される値を単に「出力値」という。
本実施形態では、検出対象が電子スロットルの弁軸であり、その作動角度範囲は例えば0〜90°である。そのため、ホール素子21近傍の磁束密度は、図9(A)の線204のとおりとなる。よって、出力値は、図9(B)の線205上の点で表される。
検出対象の作動角度範囲は0〜90°のため、図9(B)に示すように、出力値は、0〜90°の範囲で取得される。そのため、検出対象の作動角度範囲が十分に大きい場合は出力値によって1周期分以上の波形が示されるが、本実施形態では出力値によって示される波形は1/4周期分である。よって、この時点では、出力値によって示される波形の最大値(振幅)は不明である。
なお、本実施形態では、永久磁石12とホールIC20とは、予め、ホール素子21の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。そのため、出力値のとり得る値として「0」が含まれる(図9(B)の点206参照)。
<「波形推定」段階>
上述のように、「出力値取得」段階では、出力値によって示される波形の振幅は不明である。そこで、ECU15は、「波形推定」段階において、出力値によって示される波形の1周期分の波形を推定することで当該波形の振幅を求める。以下、本実施形態の説明において、適宜、ホール素子21が出力する信号の1周期分の波形を「推定波形」という。
以下、推定波形の推定の仕方を説明する。
推定波形の位相は、出力値が0となる点206から求める(図10(A)参照)。本実施形態では、点206の角度はβのため、推定波形の位相はβである。推定波形の振幅をCとすると、推定波形は、C×sin(k(θ−β))である(図10(A)の線207参照)。ここで、kは、ホール素子21が出力する信号が正確な正弦波を描かない場合に、その周期を補正するための係数である。上述のように、本実施形態ではホール素子21が中心軸O上に設けられていないため、ホール素子21が出力する信号は正確な正弦波ではない(図8の線200参照)。そこで、本実施形態では、k(≠1)を用いて推定波形をC×sin(k(θ−β))とすることにより周期を補正するのである。
推定波形の振幅Cについては、最小二乗法で求める。ホール素子21の出力をVa(θi)とし、推定波形の波形をC×sin(kθi)とすると、上記式1〜4に基づき、
C=Σ(Va(θi)sin(kθi))/Σ(sin2(kθi)) ・・・式9
よって、推定波形は、図10(B)の線208で示すとおりとなる。
<「振幅正規化」段階>
ECU15は、「振幅正規化」段階において、推定波形の振幅が1になるよう、推定波形の振幅を正規化する。
具体的には、例えば推定波形をCで割ることで、推定波形の振幅を1にする。これにより、振幅正規化後の推定波形は、図11(A)に示す線209のとおりとなる。
以上、本実施形態におけるホールIC20の事前設定について説明した。
次に、本実施形態の回転角度検出装置2による、検出対象の回転角度の検出の仕方について説明する。本実施形態では、検出対象の回転角度を検出するために、「回転角度算出」を行う。
<「回転角度算出」段階>
DSP26は、「回転角度算出」段階において、ホール素子21の出力値、および、「振幅正規化手段によって正規化した推定波形の振幅1」に基づき、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。
ホール素子21の出力値をVa、ホール素子21の雰囲気温度をt、温度特性係数をK(t)、電流に関する温度特性係数をI(t)、磁束密度に関する温度特性係数をBa(t)、検出対象の回転角度をθとすると、
Va=K(t)×I(t)×Ba(t)×sin(k(θ−β)) ・・・式10
本実施形態では、「波形推定」段階で推定波形をC×sin(k(θ−β))と推定し、「振幅正規化」段階で推定波形の振幅を1に調整している。これにより、sin-1を用いた式(下記式11)によってθを求めることができる。
θ=(180°/π×sin-1(Va/C))/k+β ・・・式11
DSP26は、ホール素子21から出力値Vaを取得し、取得した出力値Vaから、三角関数演算(式11)により、図11(B)の線210で示すように検出対象の回転角度θを算出する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様、推定波形を余弦波とみなすこともできるため、cos-1を用いた式(下記式12)によってもθを求めることができる。
θ=(180°/π×cos-1(Va/C))/k+β ・・・式12
以上説明したように、本実施形態では、回転角度算出手段は、ホール素子21が出力する信号の周期を補正した上で、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。すなわち、ホール素子21が出力する信号が正確な正弦波となるよう周期を補正して推定波形を推定し、その上で検出対象の回転角度を算出するのである。このように、本実施形態では、永久磁石12とホールIC20との位置関係にかかわらず検出対象の回転角度を正確に算出することができる。
なお、本実施形態では、ホールIC20に何らかの異常が生じて磁気の検出ができなくなった場合、バックアップ検出用のホールIC30によって、上記と同様の手順にて磁気の検出を行う。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による回転角度検出装置を図12に示す。第3実施形態による回転角度検出装置3は、1つのホールICが2つのホール素子を有する点等で、第1実施形態と構成が異なる。
第3実施形態では、磁気検出手段としてのホールIC40は、ホール素子41およびホール素子42の2つの磁気検出素子を有する。ここで、ホール素子41が特許請求の範囲における「第1磁気検出素子」に対応し、ホール素子42が「第2磁気検出素子」に対応する。
ホールIC40は、第1実施形態のホールIC20と同様、支持部13の回転軸14とは反対側、支持部13の略中心に設けられている。ホールIC40は、ホール素子41およびホール素子42等の部品を1つの半導体チップに搭載した磁気センサである。ホールIC40は、ホール素子41の感磁面およびホール素子42の感磁面が中心軸O上に位置するよう設けられている。なお、ホール素子41の感磁面とホール素子42の感磁面とは、所定の角度をなすよう設定されている。ホール素子41およびホール素子42は、永久磁石12に対して相対回転することにより生じる磁界の変化に応じた信号を出力する。なお、ホール素子41およびホール素子42は、半導体チップに実装された状態において、オフセットが0に設定されている。
図13に示すように、ホールIC40は、ホール素子41およびホール素子42の他に、A/D変換器25、DSP26、メモリ27、および、D/A変換器28を有し、それらを1つの半導体チップに実装している。A/D変換器25は、ホール素子41およびホール素子42が出力するアナログ値をデジタル値に変換し、DSP26に伝送する。DSP26は、メモリ27に記憶された各種プログラムを実行することにより、ホール素子41およびホール素子42からの出力値に対し種々の処理を行う。また、DSP26は、処理結果をD/A変換器28に伝送する。D/A変換器28は、DSP26から伝送されたデジタル値をアナログ値に変換し、ECU15に伝送する。ここで、ホールIC40およびECU15は、特許請求の範囲における「処理部」に対応する。ECU15およびDSP26による種々の処理については、後に詳述する。
本実施形態では、ホール素子41の感磁面およびホール素子42の感磁面は中心軸O上に設けられている。そのため、例えば永久磁石12がホールIC40の周りを360°回転したとき、ホール素子41が出力する信号は、図14(A)に示す線300のとおりとなる。また、永久磁石12がホールIC40の周りを360°回転したとき、ホール素子42が出力する信号は、図14(B)に示す線301のとおりとなる。線300および線301はそれぞれ、周期が360°の正弦波に一致し、正確な正弦波であることがわかる。よって、線300および線301は、例えばA×sin(kθ)およびB×sin(kθ)で表すことができ、k=1である。
以下、ホールIC40の事前設定について説明する。本実施形態では、事前設定に関する作業として、「出力値取得」、「波形推定」および「振幅調整」を行う。
<「出力値取得」段階>
「出力値取得」段階では、ECU15は、検出対象の回転角度毎に、ホール素子41およびホール素子42のそれぞれから出力される値を取得する。このとき、ECU15は、ホール素子41およびホール素子42のそれぞれから出力される値を、A/D変換器25、DSP26およびD/A変換器28を経由して取得する。ここで、A/D変換器25、DSP26、D/A変換器28およびECU15は、特許請求の範囲における「出力値取得手段」に対応する。以下、適宜、ホール素子41から出力される値を「第1出力値」、ホール素子42から出力される値を「第2出力値」という。
本実施形態では、検出対象が電子スロットルの弁軸であり、その作動角度範囲は例えば0〜90°である。そのため、ホール素子41およびホール素子42のそれぞれの感磁面近傍の磁束密度は、図15(A)に示す線302および線303のとおりとなる。よって、第1出力値および第2出力値は、それぞれ図15(B)の線304および線305上の点で表される。
ECU15は、「出力値取得」段階において、例えば「検出対象の回転角度が0°のときの第1出力値は−29、第2出力値は−26」、「検出対象の回転角度が1°のときの第1出力値は−28、第2出力値は−25」・・・といった具合に、検出対象の回転角度毎の第1出力値および第2出力値を取得する。検出対象の作動角度範囲は0〜90°のため、図15(B)に示すように、第1出力値および第2出力値は、0〜90°の範囲で取得される。そのため、検出対象の作動角度範囲が十分に大きい場合は第1出力値および第2出力値によって1周期分以上の正弦波が示されるが、本実施形態では第1出力値および第2出力値によって示される正弦波は1/4周期分である。よって、この時点では、第1出力値および第2出力値によって示されるそれぞれの波形の最大値(振幅)は不明である。
なお、本実施形態では、永久磁石12とホールIC40とは、予め、ホール素子41およびホール素子42の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。そのため、第1出力値および第2出力値のとり得る値として「0」が含まれる(図15(B)の点306および点307参照)。
<「波形推定」段階>
上述のように、「出力値取得」段階では、第1出力値および第2出力値によって示されるそれぞれの波形の振幅は不明である。そこで、ECU15は、「波形推定」段階において、第1出力値および第2出力値によって示されるそれぞれの波形の1周期分を推定することで当該波形の振幅を求める。ここで、ECU15は、特許請求の範囲における「波形推定手段」に対応する。以下、適宜、ホール素子41が出力する信号の1周期分の波形を「第1推定波形」といい、ホール素子42が出力する信号の1周期分の波形を「第2推定波形」という。
まず、第1推定波形の推定の仕方を説明する。
第1推定波形の位相は、第1出力値が0となる点306から求める(図16(A)参照)。本実施形態では、点306の角度はβのため、第1推定波形の位相はβである。第1推定波形の振幅をAとすると、第1推定波形は、A×sin(k(θ−β))である。ここで、kは、ホール素子41が出力する信号が正確な正弦波を描かない場合に、その周期を補正するための係数である。本実施形態ではホール素子41が中心軸O上に設けられており、ホール素子41が出力する信号は周期が360°の正確な正弦波を描く(図14(A)の線300参照)ためk=1であるが、以下の式では、便宜上、kを表示している。
第1推定波形の振幅Aについては、最小二乗法で求める。ホール素子41の出力をVa(θi)とし、第1推定波形の波形をA×sin(kθi)とすると、上記式1〜4に基づき、
A=Σ(Va(θi)sin(kθi))/Σ(sin2(kθi)) ・・・式13
本実施形態では、k=1のため、
A=Σ(Va(θi)sinθi)/Σ(sin2θi) ・・・式14
以上より、第1推定波形は、図16(B)の線308で示すとおりとなる。
次に、第2推定波形の推定の仕方を説明する。
第2推定波形の位相は、第2出力値が0となる点307から求める(図16(A)参照)。本実施形態では、点307の角度はγのため、第2推定波形の位相はγである。第2推定波形の振幅をBとすると、第2推定波形は、B×sin(k(θ−γ))である。ここで、kは、ホール素子42が出力する信号が正確な正弦波を描かない場合に、その周期を補正するための係数である。本実施形態ではホール素子42が中心軸O上に設けられており、ホール素子42が出力する信号は周期が360°の正確な正弦波を描く(図14(B)の線301参照)ためk=1であるが、以下の式では、便宜上、kを表示している。
第2推定波形の振幅Bについては、第1推定波形と同様、最小二乗法で求める。ホール素子42の出力をVb(θi)とし、第2推定波形の波形をB×sin(kθi)とすると、
B=Σ(Vb(θi)sin(kθi))/Σ(sin2(kθi)) ・・・式15
本実施形態では、k=1のため、
B=Σ(Vb(θi)sinθi)/Σ(sin2θi) ・・・式16
以上より、第2推定波形は、図16(B)の線309で示すとおりとなる。
図16(B)に示すとおり、この時点では、第1推定波形(線308)の振幅Aと第2推定波形(線309)の振幅Bとは、異なる値である。
<「振幅調整」段階>
上述のように、「波形推定」段階では、第1推定波形の振幅Aと第2推定波形の振幅Bとは異なっている。そこで、ECU15は、「振幅調整」段階において、第1推定波形の振幅と第2推定波形の振幅とが同等になるよう、第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの振幅を調整する。ここで、ECU15は、特許請求の範囲における「振幅調整手段」に対応する。
具体的には、例えば第1推定波形および第2推定波形をそれぞれ定数倍することで、両波形の振幅をVにする。これにより、振幅調整後の第1推定波形V×sin(θ−β)および第2推定波形V×sin(θ−γ)は、図17(A)に示す線310および線311のとおりとなる。ここで、ホールIC40のメモリ27に、振幅調整後の第1推定波形および第2推定波形の振幅の値としてVが記憶される。
以上、本実施形態におけるホールIC40の事前設定について説明した。
次に、回転角度検出装置1による、検出対象の回転角度の検出の仕方について説明する。本実施形態では、検出対象の回転角度を検出するために、「回転角度算出」を行う。
<「回転角度算出」段階>
DSP26は、「回転角度算出」段階において、ホール素子41の出力値である第1出力値、ホール素子42の出力値である第2出力値、および、メモリ27に記憶されている「振幅調整手段によって調整した第1推定波形および第2推定波形の振幅V」に基づき、三角関数演算により検出対象の回転角度を算出する。ここで、DSP26は、特許請求の範囲における「回転角度算出手段」に対応する。
第1出力値をVa、第2出力値をVb、第1出力値が示す波形と第2出力値が示す波形との位相差をα=γ−β、ホール素子41およびホール素子42の雰囲気温度をt、温度特性係数をK(t)、電流に関する温度特性係数をI(t)、ホール素子41の磁束密度に関する温度特性係数をBa(t)、ホール素子42の磁束密度に関する温度特性係数をBb(t)、検出対象の回転角度をθとすると、
Va=K(t)×I(t)×Ba(t)×sin(θ−β) ・・・式17
Vb=K(t)×I(t)×Bb(t)×sin(θ−γ) ・・・式18
本実施形態では、「波形推定」段階で第1推定波形をA×sin(θ−β)、第2推定波形をB×sin(θ−γ)と推定し、「振幅調整」段階で第1推定波形および第2推定波形の振幅をVに調整している。これに基づき、Va’=Va×V/A、Vb’=Vb×V/Bのように出力値Va、Vbを振幅調整し、tan-1を用いた式(下記式19)によってθを求める。
θ=180°/π×tan-1(cot(α/2×π/180°)×(Va’−Vb’)/(Va’+Vb’)) ・・・式19
DSP26は、ホール素子41およびホール素子42から第1出力値Vaおよび第2出力値Vbを取得し、取得した第1出力値Vaおよび第2出力値Vbから、三角関数演算(式19)により、図17(B)の線312で示すように検出対象の回転角度θを算出する。
ここで、特にα=90°の場合、下記式20に示すとおり、簡単な演算式でθを算出することができる。
θ=180°/π×tan-1(Va’/Vb’) ・・・式20
本実施形態では、式19および20に示すように、θの算出において、温度特性の影響がキャンセルされる。
以上説明したように、本実施形態では、波形推定手段により第1推定波形および第2推定波形を推定し、かつ、振幅調整手段により第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの振幅をVに調整した上で、回転角度算出手段により検出対象の回転角度θを三角関数演算によって算出する。本実施形態では、波形推定手段による波形の推定、および振幅調整手段による振幅の調整を事前に行っているため、回転角度検出装置1の製品毎の検出結果のバラつきが低減される。したがって、検出結果の誤差を小さくすることができ、検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では、永久磁石12とホールIC40とは、ホール素子41およびホール素子42の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている。そのため、ホール素子41およびホール素子42が出力する信号のうち0付近の値を、第1推定波形および第2推定波形の推定をするのに用いることができる。これにより、ホール素子41およびホール素子42のS/Nが向上し、第1推定波形および第2推定波形の位相の判別が容易になるため、波形推定手段による波形の推定を高精度に行うことができる。
また、本実施形態では、ホール素子41およびホール素子42は、オフセットが0に設定されている。これにより、ホール素子41およびホール素子42と永久磁石12とを組み合わせた状態でもオフセットがなくなるため、波形推定手段による波形の推定をより高精度に行うことができる。
また、本実施形態では、波形推定手段は、第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの位相を第1出力値および第2出力値が0となる点から求め、第1推定波形および第2推定波形のそれぞれの振幅を最小二乗法で求めることにより、第1推定波形および第2推定波形を推定する。これにより、第1推定波形および第2推定波形を正確に推定することができる。その結果、回転角度算出手段によって検出対象の回転角度θを高精度に算出することができる。
さらに、本実施形態では、ホール素子41およびホール素子42、ならびに、「出力値取得手段」および「回転角度算出手段」に対応するDSP26等が、1つの半導体チップに搭載されている。ホール素子41およびホール素子42を1つの半導体チップに搭載することにより両素子の特性を同一にでき、高精度な回転角度検出が可能となる。また、ホール素子41、ホール素子42およびDSP26等を合わせて1つの半導体チップに搭載することにより、装置全体の体格を小さくすることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による回転角度検出装置を図18に示す。第4実施形態は、回転角度検出用のホールICに加えバックアップ検出用のホールICを備える点、および、ホールICの配置の点等で、第3実施形態と物理的な構成が異なる。
図18(A)および(B)に示すように、第4実施形態による回転角度検出装置4は、ホールIC40に加え、ホールIC50を備えている。
ホールIC50は、中心軸Oを挟んでホールIC40と反対側に設けられている。ホールIC50は、中心軸Oを挟んでホール素子41およびホール素子42と反対側にホール素子51およびホール素子52を有している。本実施形態では、ホールIC50は、ホールIC40のバックアップとして設けられている。すなわち、通常はホールIC40によって磁気の検出を行い、ホールIC40に何らかの異常が生じて磁気の検出ができなくなった場合など、ホールIC50によって磁気の検出を行うのである。よって、本実施形態では、ホールIC40が特許請求の範囲における「磁気検出手段」に、ホール素子41が「第1磁気検出素子」に、ホール素子42が「第2磁気検出素子」に対応する。なお、ホールIC50の内部構成については、ホールIC40と同様である。
上述のように、本実施形態では通常時磁気検出用のホールIC40とバックアップ検出用のホールIC50とを中心軸Oの近傍に設ける構成のため、ホール素子41の感磁面およびホール素子42の感磁面は、中心軸Oから所定の距離d2離れた位置にある。このような構成では、例えば永久磁石12がホールIC40の周りを360°回転したとき、ホール素子41が出力する信号およびホール素子42が出力する信号は、正確な正弦波を描かない。そこで、本実施形態では、第2実施形態で示した方法と同様の方法により、ホール素子41が出力する信号およびホール素子42が出力する信号の周期を、k(≠1)を用いて補正する。そして、前記信号の周期を補正した上で、第3実施形態で示した方法と同様の方法により「波形推定」、「振幅調整」および「回転角度算出」を行う。
すなわち、本実施形態では、「回転角度算出」段階において、
θ=(180°/π×tan-1(cot(α/2×π/180°)×(Va’−Vb’)/(Va’+Vb’)))/k ・・・式21
により、検出対象の回転角度θを算出する。なお、ホール素子41が出力する信号とホール素子42が出力する信号との位相差(γ−β=α)が90°の場合、θは、
θ=(180°/π×tan-1(Va’/Vb’))/k ・・・式22
により算出する。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、磁気検出手段(ホールIC)から略正弦波の信号が得られるのであれば、磁気発生手段(永久磁石)の形状および配置は、どのようであってもよい。
上述の実施形態では、永久磁石とホールICとは、磁気検出素子(ホール素子)の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定されている例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、永久磁石とホールICとは、ホール素子の出力値が0となる回転角度を含まないよう位置関係が設定されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、電子制御装置(ECU)は、ホール素子およびDSP等その他部品とともにホールICの半導体チップ上に実装してもよい。この場合、上述の事前設定を含むすべての処理がホールICにおいて実行される。また、事前設定に関する作業として示した、「波形推定」、「振幅正規化」および「振幅調整」は、事前にではなく、回転角度検出の度に実行することとしてもよい。
上述の実施形態では、「回転角度算出」をホールIC内のDSPが行う例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、「回転角度算出」をECUが行うこととしてもよい。
また、上述の実施形態では、事前設定に含まれる「波形推定」、「振幅正規化」および「振幅補正」を、車両に搭載されるECUで実行する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、「波形推定」、「振幅正規化」および「振幅補正」を、車両に搭載されないコンピュータ(処理装置)等により事前に行っておくこととしてもよい。すなわち、この場合、前記コンピュータ(処理装置)等は、本発明による回転角度検出装置の一部を構成する。
本発明による回転角度検出装置は、電子スロットル以外に、例えばアクセルペダルやクランクシャフトの回転軸の回転角度を検出するのにも用いることができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3、4:回転角度検出装置、12:永久磁石(磁気発生手段)、20、40:ホールIC(磁気検出手段)、21:ホール素子(磁気検出素子)、41:ホール素子(第1磁気検出素子)、42:ホール素子(第2磁気検出素子)、25:A/D変換器(処理部、出力値取得手段)、26:DSP(処理部、出力値取得手段、回転角度算出手段)、28:D/A変換器(処理部、出力値取得手段)、15:ECU(処理部、出力値取得手段、波形推定手段、振幅正規化手段、振幅調整手段、回転角度算出手段)

Claims (8)

  1. 検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
    磁気発生手段と、
    前記検出対象の回転に伴って前記磁気発生手段に対して相対回転可能に設けられ、前記磁気発生手段に対して相対回転することにより生じる磁界の変化に応じた信号を出力する磁気検出素子を有する磁気検出手段と、
    前記磁気検出素子の出力値を処理可能な処理部と、を備え、
    前記処理部は、
    前記検出対象の回転角度毎の前記出力値を取得する出力値取得手段、
    前記出力値取得手段により取得した前記出力値から、前記磁気検出素子が出力する信号の1周期分の波形を推定波形として推定する波形推定手段、
    前記波形推定手段により推定した前記推定波形の振幅を正規化する振幅正規化手段、
    前記出力値、および、前記振幅正規化手段によって正規化した前記推定波形の振幅に基づき、三角関数演算により前記検出対象の回転角度を算出する回転角度算出手段、を有し、
    前記磁気発生手段と前記磁気検出手段とは、前記磁気検出素子の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定され、
    前記磁気検出素子は、オフセットが0に設定され、
    前記波形推定手段は、前記推定波形の位相を前記出力値が0となる点から求め、前記推定波形の振幅を最小二乗法で求めることにより、前記推定波形を推定することを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 前記波形推定手段は、前記磁気検出素子が出力する信号の周期を補正した上で、前記推定波形を推定することを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
  3. 前記回転角度算出手段は、前記磁気検出素子が出力する信号の周期を補正した上で、三角関数演算により前記検出対象の回転角度を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の回転角度検出装置。
  4. 前記磁気検出素子、ならびに、前記出力値取得手段、前記波形推定手段、前記振幅正規化手段および前記回転角度算出手段のうち少なくとも1つは、1つの半導体チップに搭載されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
  5. 検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
    磁気発生手段と、
    前記検出対象の回転に伴って前記磁気発生手段に対して相対回転可能に設けられ、前記磁気発生手段に対して相対回転することにより生じる磁界の変化に応じた信号を出力する第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を有する磁気検出手段と、
    前記第1磁気検出素子の出力値である第1出力値および前記第2磁気検出素子の出力値である第2出力値を処理可能な処理部と、を備え、
    前記処理部は、
    前記検出対象の回転角度毎の前記第1出力値および前記第2出力値を取得する出力値取得手段、
    前記出力値取得手段により取得した前記第1出力値および前記第2出力値から、前記第1磁気検出素子が出力する信号の1周期分の波形を第1推定波形として推定し、前記第2磁気検出素子が出力する信号の1周期分の波形を第2推定波形として推定する波形推定手段、
    前記波形推定手段により推定した前記第1推定波形の振幅と前記第2推定波形の振幅とが同等になるよう、前記第1推定波形および前記第2推定波形のそれぞれの振幅を調整する振幅調整手段、
    前記第1出力値、前記第2出力値、および、前記振幅調整手段によって調整した前記第1推定波形および前記第2推定波形の振幅に基づき、三角関数演算により前記検出対象の回転角度を算出する回転角度算出手段、を有し、
    前記磁気発生手段と前記磁気検出手段とは、前記第1磁気検出素子および前記第2磁気検出素子の出力値が0となる回転角度を含むよう位置関係が設定され、
    前記第1磁気検出素子および前記第2磁気検出素子は、オフセットが0に設定され、
    前記波形推定手段は、前記第1推定波形および前記第2推定波形のそれぞれの位相を前記第1出力値および前記第2出力値が0となる点から求め、前記第1推定波形および前記第2推定波形のそれぞれの振幅を最小二乗法で求めることにより、前記第1推定波形および前記第2推定波形を推定することを特徴とする回転角度検出装置。
  6. 前記波形推定手段は、前記第1磁気検出素子および前記第2磁気検出素子のそれぞれが出力する信号の周期を補正した上で、前記第1推定波形および前記第2推定波形を推定することを特徴とする請求項に記載の回転角度検出装置。
  7. 前記回転角度算出手段は、前記第1磁気検出素子および前記第2磁気検出素子のそれぞれが出力する信号の周期を補正した上で、三角関数演算により前記検出対象の回転角度を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の回転角度検出装置。
  8. 前記第1磁気検出素子および前記第2磁気検出素子、ならびに、前記出力値取得手段、前記波形推定手段、前記振幅調整手段および前記回転角度算出手段のうち少なくとも1つは、1つの半導体チップに搭載されていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の回転角度検出装置。
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