JP2010160057A - 回転バランス修正装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より精度良く修正対象部の修正加工を行うことが可能な回転バランス修正装置を提供する。
【解決手段】N極とS極に2分して着磁された回転軸の軸端面に対向して設置された磁気センサと、高速回転体を高速回転可能に支持する回転支持体に設置された加速度センサと、磁気センサ及び加速度センサの出力信号に基づいて、修正対象部の修正量及び修正角度を算出するバランス演算処理部と、修正角度を基に前記回転軸の回転角を位置決めした後、修正量を基に修正対象部を修正加工するバランス修正加工部と、位置決めの原点基準となる原点基準信号を生成する基準信号生成部とを備え、バランス演算処理部は、磁気センサの出力信号と前記原点基準信号との位相ずれ量を求め、バランス修正加工部は、修正角度及び前記位相ずれ量に基づいて前記回転軸の回転角の位置決めを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速回転体の回転バランスを修正する回転バランス修正装置及び方法に関する。
従来から、車両用過給機やガスタービン等の高速回転機械では、実運転時における振動を抑制するために、出荷前に高速回転体の回転バランスを修正することが一般的である。
このような回転バランスの修正は、高速回転体の回転軸と一体的に回転する修正対象部(例えば、回転軸に固定されたナット等)の一部を修正加工(切削)することで行う。修正対象部の修正量(切削量)及び修正角度(切削方位)は、高速回転体を実運転に近い速度で回転させた状態で、加速度センサによって高速回転体の振動成分を検出すると共に、回転センサによって高速回転体の回転角を検出し、これら高速回転体の振動成分と回転角との関係に基づいて算出する(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2002−39904号公報
ところで、本出願人は、図3に示すように、予め高速回転体10の回転軸11における軸端面11aをN極とS極に2分して着磁しておき、この軸端面11aに対向して設置された磁気センサ1の出力信号と、高速回転体10を高速回転可能に支持する回転支持体12に設置された加速度センサ2の出力信号とに基づいて、修正対象部(例えば、回転軸11に固定されたナット等:図示省略)の修正量及び修正角度を算出する発明を特願2007−109403として出願している。
図4は、特願2007−109403の発明(回転バランス計測装置)を示すブロック構成図である。磁気センサ1は、回転軸11の軸端面11aに対向する面内において直交配置された2つの磁気抵抗器を有しており、高速回転体10が回転すると、回転軸11の1回転(360°)を1周期とする正弦波信号と、該正弦波信号に対して位相が90°ずれた正弦波信号(つまり余弦波信号)の2つの信号を第1増幅器3に出力する。加速度センサ2は、高速回転体10の回転アンバランスによって発生する回転支持体12の振動を検出し、当該振動に応じた加速度信号を第2増幅器4に出力する。
第1増幅器3は、磁気センサ1から入力される正弦波信号及び余弦波信号を増幅した後、正弦波信号を比較器5に出力すると共に、正弦波信号及び余弦波信号をバランス演算処理部6(詳細には信号入力部6a)に出力する。第2増幅器4は、加速度センサ2から入力される加速度信号を増幅してバランス演算処理部6(詳細には信号入力部6a)に出力する。比較器5は、第1増幅器3から入力される正弦波信号が正の期間、つまり回転軸11の回転角θが0°〜180°の期間のみ所定電圧値となる回転パルス信号を生成してバランス修正加工部7(詳細には角度位置決め機構7a)に出力する。なお、バランス修正加工部7が把握していれば、0°〜180°の期間のみゼロで、180°〜360°の期間のみ所定電圧値でも良い。言い換えれば、バランス修正加工部7が把握していれば、回転パルス信号の論理は記載の限りではない。
バランス演算処理部6は、磁気センサ1の出力である正弦波信号及び余弦波信号と、加速度センサ2の出力である加速度信号とに基づいて、修正対象部の修正量及び修正角度を算出するものであり、信号入力部6aとデジタル演算部6bとから構成されている。信号入力部6aは、例えばA/Dコンバータであり、第1増幅器3を介して入力される正弦波信号及び余弦波信号と、第2増幅器4を介して入力される加速度信号とをデジタル信号に変換してデジタル演算部6bに出力する。
デジタル演算部6bは、正弦波信号(または余弦波信号でも良い)から高速回転体10の回転数を算出すると共に、正弦波信号及び余弦波信号に基づいて回転軸11の回転角θを算出し(回転角θ=tan-1(sinθ/cosθ))、所定の修正回転数(例えば実運転に近い回転数)における、回転角θと加速度信号(つまり振動成分)との関係に基づいて修正対象部の修正量及び修正角度を算出する。
このように算出された修正量及び修正角度は、一旦、デジタル演算部6bの内部メモリに格納される。そして、高速回転体10の回転が停止し、修正対象部の修正加工を開始する際において、デジタル演算部6bは、内部メモリから読み出した修正角度をバランス修正加工部7の角度位置決め機構7aに出力する一方、同じく内部メモリから読み出した修正量を修正加工機構7bに出力する。
バランス修正加工部7は、バランス演算処理部6(デジタル演算部6b)によって算出された修正量及び修正角度に基づいて修正対象部を修正加工するものであり、角度位置決め機構7aと修正加工機構7bとから構成されている。角度位置決め機構7aは、回転停止時において、回転軸11の回転角θを微調整するためのサーボモータ等からなる機構であり、回転軸11の回転角θをデジタル演算部6bから入力される修正角度に位置決めする。なお、この時、角度位置決め機構7aは、比較器5から入力される回転パルス信号を基に原点復帰を行って原点位置(回転角θ=0°)を確定し、その原点位置を基準として回転角θを修正角度に位置決めする。
修正加工機構7bは、修正対象部を修正加工(切削)するためのエンドミルや該エンドミルの位置制御部等からなる機構であり、デジタル演算部6bから入力される修正量(切削量)に基づいてエンドミルを制御することにより、修正対象部を修正加工する。なお、修正加工機構7bは、角度位置決め機構7aによる回転角θの位置決めが完了した後に、修正対象部の修正加工を実施する。
以上のように、図4の構成では、磁気センサ1から出力される正弦波信号を基に、角度位置決め機構7aの原点復帰動作に使用される回転パルス信号を生成する。ここで、磁気センサ1から出力される正弦波信号は、磁気センサ1と回転軸11との位置関係や軸端面11aの着磁の強さのバラツキ等に起因してオフセットが生じてしまうことがある。図5(a)はオフセットが発生していない場合、図5(b)はオフセットが発生した場合の、磁気センサ1から出力される正弦波信号と、比較器5から出力される回転パルス信号との時間的な対応関係を示す図である。
デジタル演算部6bは、正弦波信号の負から正へのゼロクロス点を原点(0°)として修正角度を算出する一方、角度位置決め機構7aは、回転パルス信号の立ち上がりを原点(0°)として回転軸11の原点復帰動作を行う。従って、図5(a)のように、正弦波信号にオフセットが発生していない場合では、デジタル演算部6bで把握される原点(正弦波信号のゼロクロス点)と、角度位置決め機構7aで把握される原点(回転パルス信号の立ち上がり)とが一致するため、デジタル演算部6bで算出された修正角度に回転軸11の回転角θを正確に位置決めすることができる。
一方、図5(b)のように、正弦波信号にオフセットが発生した場合、正弦波信号のゼロクロス点は原点(0°)からずれることになる(実線)が、デジタル演算部6bはソフト的なオフセット補正処理によって、ゼロクロス点と原点(0°)とが一致する正弦波信号(点線)に補正し、このオフセット補正後の正弦波信号のゼロクロス点を原点(0°)として修正角度を算出する機能を有している。しかしながら、比較器5はハードウェアであるため、上記のようなオフセット補正を行うことはできず、正弦波信号にオフセットが発生してゼロクロス点が原点(0°)からずれると、回転パルス信号の立ち上がりも原点(0°)からずれてしまう。
すなわち、正弦波信号にオフセットが発生した場合、デジタル演算部6bで把握される原点(正弦波信号のゼロクロス点)と、角度位置決め機構7aで把握される原点(回転パルス信号の立ち上がり)との間にずれが生じてしまう。その結果、デジタル演算部6bで算出される修正角度に回転角θを正確に位置決めすることができず、修正対象部を正しく修正加工することができなくなる。
さらに、図5(c)に示すように、正弦波信号のノイズ対策として比較器5にヒステリシス閾値を設定し、正弦波信号とヒステリシス閾値との比較によって回転パルス信号を生成する場合でも、上記と同様に、デジタル演算部6bで把握される原点と、角度位置決め機構7aで把握される原点との間にずれが生じてしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、より精度良く修正対象部の修正加工を行うことが可能な回転バランス修正装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、回転バランス修正装置に係る第1の解決手段として、高速回転体の回転軸に設置された修正対象部を修正加工することにより前記高速回転体の回転バランスを修正する回転バランス修正装置であって、N極とS極に2分して着磁された回転軸の軸端面に対向して設置された磁気センサと、前記高速回転体を高速回転可能に支持する回転支持体に設置された加速度センサと、前記磁気センサ及び前記加速度センサの出力信号に基づいて、前記修正対象部の修正量及び修正角度を算出するバランス演算処理部と、前記修正角度を基に前記回転軸の回転角を位置決めした後、前記修正量を基に前記修正対象部を修正加工するバランス修正加工部と、前記位置決めの原点基準となる原点基準信号を生成する基準信号生成部と、を備え、前記バランス演算処理部は、前記磁気センサの出力信号と前記原点基準信号との位相ずれ量を求め、前記バランス修正加工部は、前記修正角度及び前記位相ずれ量に基づいて前記回転軸の回転角の位置決めを行うことを特徴とする。
また、回転バランス修正装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記磁気センサの出力信号として少なくとも前記回転軸の回転に応じた正弦波信号が出力され、前記原点基準信号として前記正弦波信号の0°〜180°の期間のみ所定電圧値となる回転パルス信号が生成される場合において、前記バランス演算処理部は、正弦波信号中心と回転パルス信号中心との位相差Δφと、回転パルス信号のデューティ比αとからなる下記演算式(1)に基づいて、正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを算出することを特徴とする。
Figure 2010160057
また、回転バランス修正装置に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記バランス演算処理部は、前記正弦波信号のオフセット補正処理を行い、該オフセット補正処理後の正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを算出することを特徴とする。
また、回転バランス修正装置に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3のいずれかの解決手段において、前記磁気センサの出力信号として前記回転軸の回転に応じた正弦波信号と余弦波信号が出力される場合において、前記バランス演算処理部は、前記正弦波信号または余弦波信号から高速回転体の回転数を算出すると共に、前記正弦波信号及び余弦波信号に基づいて回転軸の回転角を算出し、所定の修正回転数における回転角と加速度センサの出力信号との関係に基づいて前記修正対象部の修正量及び修正角度を算出することを特徴とする。
さらに、本発明では、回転バランス修正方法に係る解決手段として、高速回転体の回転軸に設置された修正対象部を修正加工することにより前記高速回転体の回転バランスを修正する回転バランス修正方法であって、N極とS極に2分して着磁された回転軸の軸端面に対向して設置された磁気センサの出力信号と、前記高速回転体を高速回転可能に支持する回転支持体に設置された加速度センサの出力信号とに基づいて、前記修正対象部の修正量及び修正角度を算出する第1工程と、基準信号生成部にて生成される原点基準信号を基に前記回転軸の原点復帰を行い、前記修正角度を基に前記回転軸の回転角を位置決めした後、前記修正量を基に前記修正対象部を修正加工する第2工程と、を有し、前記第1工程では、前記磁気センサの出力信号と前記原点基準信号との位相ずれ量を求め、前記第2工程では、前記修正角度及び前記位相ずれ量に基づいて前記回転軸の回転角の位置決めを行うことを特徴とする。
本発明によれば、磁気センサの出力信号と原点基準信号との位相ずれ量及び修正角度に基づいて回転軸の回転角の位置決めを行うことにより、バランス演算処理部で把握される原点と、バランス修正加工部で把握される原点との間のずれを無くすことができる。その結果、回転軸の回転角を本来位置決めすべき角度に正確に位置決めすることができ、修正対象部を精度良く修正加工することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る回転バランス修正装置のブロック構成図である。 本発明の一実施形態に係る回転バランス修正装置における位相ずれ量Δθの算出手法に関する説明図である。 高速回転体10に対する磁気センサ1及び加速度センサ2の配置関係を示す模式図である。 先に出願した回転バランス修正装置のブロック構成図である。 先に出願した回転バランス修正装置の問題点に関する説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図3及び図4と重複する構成要素には同一符号を付して説明する。
図1は、本実施形態に係る回転バランス修正装置のブロック構成図である。この図1に示すように、本実施形態に係る回転バランス修正装置は、磁気センサ1、加速度センサ2、第1増幅器3、第2増幅器4、比較器5’、バランス演算処理部6’及びバランス修正加工部7’から構成されている。
このような回転バランス修正装置は、図3に示すような、予め軸端面11aがN極とS極に2分して着磁された回転軸11を有する高速回転体10の回転バランスを修正するものであり、磁気センサ1は回転軸11の軸端面11aに対向して設置され、加速度センサ2は高速回転体10を高速回転可能に支持する回転支持体12に設置されている。
磁気センサ1は、回転軸11の軸端面11aに対向する面内において直交配置された2つの磁気抵抗器を有しており、高速回転体10が回転すると、回転軸11の1回転(360°)を1周期とする正弦波信号と、該正弦波信号に対して位相が90°ずれた正弦波信号(つまり余弦波信号)の2つの信号を第1増幅器3に出力する。加速度センサ2は、高速回転体10の回転アンバランスによって発生する回転支持体12の振動を検出し、当該振動に応じた加速度信号を第2増幅器4に出力する。
第1増幅器3は、磁気センサ1から入力される正弦波信号及び余弦波信号を増幅した後、正弦波信号を比較器5’に出力すると共に、正弦波信号及び余弦波信号をバランス演算処理部6’(詳細には信号入力部6a’)に出力する。第2増幅器4は、加速度センサ2から入力される加速度信号を増幅してバランス演算処理部6’(詳細には信号入力部6a’)に出力する。比較器5’(基準信号生成部)は、第1増幅器3から入力される正弦波信号が正の期間、つまり回転軸11の回転角θが0°〜180°の期間のみ所定電圧値となる回転パルス信号(原点基準信号)を生成してバランス演算処理部6’(詳細には信号入力部6a’)及びバランス修正加工部7’(詳細には角度位置決め機構7a’)に出力する。
バランス演算処理部6’は、磁気センサ1の出力である正弦波信号及び余弦波信号と、加速度センサ2の出力である加速度信号と、比較器5’の出力である回転パルス信号とに基づいて、オフセット補正後の正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθ、修正対象部(例えば、回転軸11に固定されたナット等:図示省略)の修正量及び修正角度を算出するものであり、信号入力部6a’とデジタル演算部6b’とから構成されている。
信号入力部6a’は、例えばA/Dコンバータであり、第1増幅器3を介して入力される正弦波信号及び余弦波信号と、第2増幅器4を介して入力される加速度信号と、比較器5’から入力される回転パルス信号をデジタル信号に変換してデジタル演算部6b’に出力する。
デジタル演算部6b’は、正弦波信号(または余弦波信号でも良い)から高速回転体10の回転数を算出すると共に、正弦波信号及び余弦波信号に基づいて回転軸11の回転角θを算出し(回転角θ=tan-1(sinθ/cosθ))、所定の修正回転数(例えば実運転に近い回転数)における、回転角θと加速度信号(つまり振動成分)との関係に基づいて修正対象部の修正量及び修正角度を算出する。
さらに、本実施形態におけるデジタル演算部6b’は、正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを算出する機能を有していることを特徴としている。なお、デジタル演算部6b’は、正弦波信号にオフセットが発生した場合、ソフト的なオフセット補正処理によって、ゼロクロス点と原点(0°)とが一致する正弦波信号に補正し、このオフセット補正後の正弦波信号を用いて修正角度及び位相ずれ量Δθを算出する。
バランス修正加工部7’は、バランス演算処理部6’(デジタル演算部6b’)によって算出された修正量、修正角度及び位相ずれ量Δθに基づいて修正対象部を修正加工するものであり、角度位置決め機構7a’と修正加工機構7bとから構成されている。角度位置決め機構7a’は、高速回転体10の回転停止時において、回転軸11の回転角θを微調整するためのサーボモータ等からなる機構であり、デジタル演算部6b’から入力される修正角度及び位相ずれ量Δθを基に回転軸11の回転角θの位置決めを行う。なお、この時、角度位置決め機構7a’は、比較器5’から入力される回転パルス信号を基に原点復帰を行って原点位置(回転角θ=0°)を確定し、その原点位置を基準として回転角θの位置決めを行う。
修正加工機構7bは、修正対象部を修正加工(切削)するためのエンドミルや該エンドミルの位置制御部等からなる機構であり、デジタル演算部6b’から入力される修正量(切削量)に基づいてエンドミルを制御することにより、修正対象部を修正加工する。なお、修正加工機構7bは、角度位置決め機構7a’による回転角θの位置決めが完了した後に、修正対象部の修正加工を実施する。
次に、上記のように構成された本実施形態に係る回転バランス修正装置の動作について説明する。
まず、高速回転体10を所定の修正回転数で回転させる。例えば、高速回転体10が車両用過給機のタービンである場合、圧縮空気を供給することで高速回転体10を回転させる。このように高速回転体10を回転させるための機構(圧縮空気供給装置等)は、回転バランス修正装置によって制御しても良いし、他の制御装置によって制御するようにしても良い。
上記のように高速回転体10が回転すると、磁気センサ1から回転軸11の1回転(360°)を1周期とする正弦波信号と、該正弦波信号に対して位相が90°ずれた余弦波信号が出力される一方、加速度センサ2から高速回転体10の回転アンバランスによって発生する振動に応じた加速度信号が出力される。
磁気センサ1の出力である正弦波信号及び余弦波信号は、第1増幅器3及び信号入力部6a’を介して増幅及びデジタル信号に変換された後、デジタル演算部6b’に入力される。一方、加速度センサ2の出力である加速度信号は、第2増幅器4及び信号入力部6a’を介して増幅及びデジタル信号に変換された後、デジタル演算部6b’に入力される。
また、この時、比較器5’は、第1増幅器3から入力される正弦波信号が正の期間のみ所定電圧値となる回転パルス信号を生成して信号入力部6a’に出力しており、この回転パルス信号は信号入力部6a’によってデジタル信号に変換された後、デジタル演算部6b’に入力される。
そして、デジタル演算部6b’は、正弦波信号から高速回転体10の回転数を算出すると共に、正弦波信号及び余弦波信号に基づいて回転軸11の回転角θを算出し、修正回転数における回転角θと加速度信号(振動成分)との関係に基づいて修正対象部の修正量及び修正角度を算出する。
また、デジタル演算部6b’は、正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを下記演算式(1)に基づいて算出する。なお、デジタル演算部6b’は、正弦波信号にオフセットが発生した場合、ソフト的なオフセット補正処理によって、ゼロクロス点と原点(0°)とが一致する正弦波信号に補正し(図5(b)参照)、このオフセット補正後の正弦波信号を用いて修正角度及び位相ずれ量Δθを算出する。
Figure 2010160057
ここで、位相ずれ量Δθとは、図2に示すように、正弦波信号のゼロクロス点と回転パルス信号の立ち上がりとの間の位相ずれ量を指す。図5(b)、(c)で説明したように、正弦波信号にオフセットが発生した場合、または比較器5’にヒステリシス閾値を設定した場合、デジタル演算部6b’で把握される原点(正弦波信号のゼロクロス点)と、角度位置決め機構7aで把握される原点(回転パルス信号の立ち上がり)との間にずれが生じてしまう。つまり、言い換えれば、位相ずれ量Δθとは、デジタル演算部6b’で把握される原点と角度位置決め機構7aで把握される原点とのずれ量を指し示すものである。
なお、図2に示すように、上記演算式(1)におけるΔφは正弦波信号中心と回転パルス信号中心との位相差であり、Eφは回転パルス信号のON時間の半分の位相であり、αは回転パルス信号のデューティ比である。つまり、デジタル演算部6b’は、回転パルス信号のデューティ比αと、正弦波信号中心と回転パルス信号中心との位相差Δφを計測し、その計測結果を上記演算式(1)に代入することで位相ずれ量Δθを算出する。
このように算出された修正量、修正角度及び位相ずれ量Δθは、一旦、デジタル演算部6b’の内部メモリに格納される。そして、高速回転体10の回転が停止し、修正対象部の修正加工を開始する際において、デジタル演算部6b’は、内部メモリから読み出した修正角度及び位相ずれ量Δθを角度位置決め機構7a’に出力する一方、同じく内部メモリから読み出した修正量を修正加工機構7bに出力する。
角度位置決め機構7a’は、高速回転体10の回転停止時において、デジタル演算部6b’から入力される修正角度及び位相ずれ量Δθを基に回転軸11の回転角θの位置決めを行う。具体的には、角度位置決め機構7a’は、修正角度に位相ずれ量Δθを足し込む(位相遅れの場合は修正角度から位相ずれ量Δθを差し引く)ことにより、回転角θの位置決めを行う。この時、角度位置決め機構7a’は、比較器5’から入力される回転パルス信号を基に原点復帰を行って原点位置(回転角θ=0°)を確定し、その原点位置を基準として回転角θの位置決めを行う。
そして、修正加工機構7bは、角度位置決め機構7a’による回転角θの位置決めが完了した後、デジタル演算部6b’から入力される修正量(切削量)に基づいてエンドミルを制御することにより、修正対象部を修正加工する。
以上のように、本実施形態に係る回転バランス修正装置によれば、修正角度に位相ずれ量Δθを足し込む(または差し引く)ことで回転角θの位置決めを行うことにより、ジタル演算部6b’で把握される原点(正弦波信号のゼロクロス点)と、角度位置決め機構7aで把握される原点(回転パルス信号の立ち上がり)との間のずれを無くすことができる。その結果、正弦波信号にオフセットが発生した場合、または比較器5’にヒステリシス閾値を設定した場合であっても、回転軸11の回転角θを本来位置決めすべき角度に正確に位置決めすることができ、修正対象部を精度良く修正加工することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、演算式(1)に基づいて正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを算出する場合を例示したが、この他、位相ずれ量Δθを算出可能であればどのような演算式を採用しても良い。また、演算式によって位相ずれ量Δθを算出するのではなく、正弦波信号と回転パルス信号のデジタルデータから、直接、位相ずれ量Δθを計測するようにしても良い。
(2)上記実施形態では、デジタル演算部6b’によって算出した修正角度及び位相ずれ量Δθを角度位置決め機構7a’に出力する場合を例示したが、デジタル演算部6b’にて位相ずれ量を加味した修正角度を求め、この修正角度を角度位置決め機構7a’に出力するようにしても良い。
(3)上記実施形態では、高速回転体10として車両用過給器のタービンを想定したが、その他、ガスタービン等の高速回転機械の回転バランスを修正するために、本発明を適用することが可能である。
1…磁気センサ、2…加速度センサ、3…第1増幅器、4…第2増幅器、5’…比較器、6’…バランス演算処理部、6a’…信号入力部、6b’…デジタル演算部、7’…バランス修正加工部、7a’… 角度位置決め機構、7b…修正加工機構、10…高速回転体、11…回転軸、11a…軸端面、12…回転支持体

Claims (5)

  1. 高速回転体の回転軸に設置された修正対象部を修正加工することにより前記高速回転体の回転バランスを修正する回転バランス修正装置であって、
    N極とS極に2分して着磁された回転軸の軸端面に対向して設置された磁気センサと、
    前記高速回転体を高速回転可能に支持する回転支持体に設置された加速度センサと、
    前記磁気センサ及び前記加速度センサの出力信号に基づいて、前記修正対象部の修正量及び修正角度を算出するバランス演算処理部と、
    前記修正角度を基に前記回転軸の回転角を位置決めした後、前記修正量を基に前記修正対象部を修正加工するバランス修正加工部と、
    前記位置決めの原点基準となる原点基準信号を生成する基準信号生成部と、を備え、
    前記バランス演算処理部は、前記磁気センサの出力信号と前記原点基準信号との位相ずれ量を求め、前記バランス修正加工部は、前記修正角度及び前記位相ずれ量に基づいて前記回転軸の回転角の位置決めを行うことを特徴とする回転バランス修正装置。
  2. 前記磁気センサの出力信号として少なくとも前記回転軸の回転に応じた正弦波信号が出力され、前記原点基準信号として前記正弦波信号の0°〜180°の期間のみ所定電圧値となる回転パルス信号が生成される場合において、
    前記バランス演算処理部は、正弦波信号中心と回転パルス信号中心との位相差Δφと、回転パルス信号のデューティ比αとからなる下記演算式(1)に基づいて、正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを算出することを特徴とする請求項1記載の回転バランス修正装置。
    Figure 2010160057
  3. 前記バランス演算処理部は、前記正弦波信号のオフセット補正処理を行い、該オフセット補正処理後の正弦波信号と回転パルス信号との位相ずれ量Δθを算出することを特徴とする請求項2記載の回転バランス修正装置。
  4. 前記磁気センサの出力信号として前記回転軸の回転に応じた正弦波信号と余弦波信号が出力される場合において、
    前記バランス演算処理部は、前記正弦波信号または余弦波信号から高速回転体の回転数を算出すると共に、前記正弦波信号及び余弦波信号に基づいて回転軸の回転角を算出し、所定の修正回転数における回転角と加速度センサの出力信号との関係に基づいて前記修正対象部の修正量及び修正角度を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転バランス修正装置。
  5. 高速回転体の回転軸に設置された修正対象部を修正加工することにより前記高速回転体の回転バランスを修正する回転バランス修正方法であって、
    N極とS極に2分して着磁された回転軸の軸端面に対向して設置された磁気センサの出力信号と、前記高速回転体を高速回転可能に支持する回転支持体に設置された加速度センサの出力信号とに基づいて、前記修正対象部の修正量及び修正角度を算出する第1工程と、
    基準信号生成部にて生成される原点基準信号を基に前記回転軸の原点復帰を行い、前記修正角度を基に前記回転軸の回転角を位置決めした後、前記修正量を基に前記修正対象部を修正加工する第2工程と、を有し、
    前記第1工程では、前記磁気センサの出力信号と前記原点基準信号との位相ずれ量を求め、前記第2工程では、前記修正角度及び前記位相ずれ量に基づいて前記回転軸の回転角の位置決めを行うことを特徴とする回転バランス修正方法。
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