JP5102590B2 - タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラム - Google Patents

タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラム Download PDF

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本発明は、タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムに係り、より詳しくは、有限要素法等によりタイヤの性能をシミュレーションするタイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムに関する。
タイヤ開発においては、実際にタイヤを作成するのではなく、タイヤの有限要素モデルを作成し、各種の性能評価をコンピュータ上でシミュレーションすることにより開発の効率化を図ることが従来から行われている。
例えば、転動するタイヤのトレッドパターンの性能をシミュレーションする方法としては、以下の3つの方法が広く知られている。
第1の方法として、トレッドパターンがモデル化されたタイヤモデルを転動解析する方法がある。以下では、この方法をパターン転動解析と呼ぶ。
第2の方法として、タイヤモデルの表面の一部または全部を剥ぎ取り、その部分に別途モデル化したトレッドパターンモデルをタイヤモデルに貼り付け、転動解析を行う方法がある(例えば特許文献1参照)。以下では、この方法をパターン付き転動解析と呼ぶ。
第3の方法として、スムースタイヤ、リブパターンタイヤ、または、トレッドパターンを簡易的にモデル化した図9に示すようなタイヤ本体モデル100により転動解析を行い、得られたタイヤモデルの変形形状から、図10に示すようなトレッドパターンモデル102の転動状態における軌跡を作成し、この軌跡に沿ってトレッドパターンモデル102を転動させることにより詳細な解析を行う方法がある。
ここで、タイヤ本体モデル100での解析をグローバル解析、トレッドパターンモデル102での詳細解析をローカル解析と呼ぶ。そして、これらの組み合わせによるタイヤのトレッドパターン性能のシミュレーション方法を転動グローバル・ローカル解析と呼ぶ。例えば特許文献2、3に開示されたシミュレーション方法がこれにあたる。
また、タイヤモデルの転動解析を擬似的に行う方法として、タイヤモデルをシミュレーションにおいて実際に転動させることなく擬似的にタイヤの定常転動状態を解析する方法がある。例えば非特許文献1に記載されたSteady State Transport解析(定常輸送解析)である。これを擬似転動解析と呼ぶ。
特開2002−22621号公報 特開2006−111168号公報 特開2006−199217号公報 ABAQUS Version6.6 Analysis User’s Manual6.4.1
しかしながら、上記第1〜第3の方法におけるタイヤの転動解析では、解析に長時間を要する。このため、パターン転動解析やパターン付き転動解析はトレッドパターンも含めてタイヤ設計要素を変更する度に長時間の解析を再実行する必要があり設計効率が悪い、という問題があった。
また、転動グローバル・ローカル解析は、トレッドパターンモデルのみの変更の場合にはローカル解析のみを再実行すればよいというメリットがある。しかしながら、トレッドパターン以外のタイヤ設計要素、例えば内部補強材の変更などがあった場合にはやはりグローバル解析からやり直す必要があり効率が悪い、という問題があった。
一方、擬似転動解析は、擬似的に転動中のタイヤの状態を高速にシミュレーションすることが可能であるものの、シミュレーションにおいてタイヤモデルを転動させて軌跡を得るのではなく、擬似的に定常転動状態を解析する、すなわちタイヤの定常状態における変形が得られるだけであるため、複雑な形状のトレッドパターンの各部のタイヤ転動時における軌跡を取得することが困難である。このため、スムースタイヤやリブパターンタイヤ等の単純なパターンのタイヤしか扱うことが出来ず、複雑形状のトレッドパターンのタイヤについては精度良くシミュレーションするのが困難である、という問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、複雑な形状のトレッドパターンのタイヤでも精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができるタイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明のタイヤ性能シミュレーション方法は、コンピュータが、記憶手段に記憶されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行するタイヤ性能シミュレーション方法であって、タイヤ本体を複数のタイヤ本体要素にメッシュ分割したタイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行するステップと、前記擬似転動解析により得られた前記タイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルと前記タイヤ本体モデルとの接触面における、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡を求めるステップと、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、前記トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求めるステップと、前記タイヤ本体要素節点情報のうち前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点に関する情報に基づいて、前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点間の接続に関する接続情報を補間するステップと、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、タイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行し、この擬似転動解析により得られたタイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルとタイヤ本体モデルとの接触面における、トレッドパターン要素の節点の軌跡を求め、求めたトレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求める。
これにより、複雑な形状のトレッドパターンのタイヤでも精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができる。
なお、請求項に記載したように、前記接続情報は、前記タイヤの周方向については円筒座標系における円筒要素を用いて補間するようにしてもよい。これにより、より精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができる。
また、請求項に記載したように、前記接続情報は、前記タイヤの径方向については一次式で補間し、前記タイヤの周方向については前記円筒座標系における円筒要素を用いて三次式で補間するようにしてもよい。これにより、より精度良くかつ比較的短時間でタイヤ性能をシミュレーションすることができる。
請求項記載のタイヤ性能シミュレーション装置は、タイヤ本体を複数のタイヤ本体要素にメッシュ分割したタイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行する擬似転動解析手段と、前記擬似転動解析により得られた前記タイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルと前記タイヤ本体モデルとの接触面における、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡を求める軌跡算出手段と、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、前記トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求める変形情報算出手段と、 前記タイヤ本体要素節点情報のうち前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点に関する情報に基づいて、前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点間の接続に関する接続情報を補間する補間手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、複雑な形状のトレッドパターンのタイヤでも精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができる。
請求項記載の発明のタイヤ性能シミュレーションプログラムは、コンピュータが、記憶手段に記憶されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行する処理であって、タイヤ本体を複数のタイヤ本体要素にメッシュ分割したタイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行するステップと、前記擬似転動解析により得られた前記タイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルと前記タイヤ本体モデルとの接触面における、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡を求めるステップと、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、前記トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求めるステップと、前記タイヤ本体要素節点情報のうち前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点に関する情報に基づいて、前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点間の接続に関する接続情報を補間するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明によれば、複雑な形状のトレッドパターンのタイヤでも精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、複雑な形状のトレッドパターンのタイヤでも精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には一例として空気入りタイヤのタイヤモデルの作成や性能予測を実施するためのタイヤ性能シミュレーション装置としてのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの3次元モデルを作成したり性能を予測したりするコンピュータ本体12、コンピュータ本体12による演算結果や各種画面等を表示するCRT14、及びCRTに表示されたカーソルを所望の位置に移動させたり、カーソル位置のメニュー項目やオブジェクト等を選択したり選択解除したりドラッグしたりする操作を行うためのマウス16から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、例えばFDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12に設けられたハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)に処理プログラムを格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えて、またはさらにCD−ROM装置、DVD−ROM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
なお、コンピュータ本体12のハードディスクには、後述するタイヤ性能シミュレーションプログラムや、これらの実行に必要な各種パラメータやデータ等が記憶されている。
次に、本実施の形態の作用として、コンピュータ本体12で実行されるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理ルーチンについて図2に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1では、タイヤ本体モデルの3次元モデルを作成する。タイヤ本体は、タイヤを構成するカーカスやベルト、サイドウォール、ビード部等のトレッド部以外の部分をいう。タイヤ本体モデルの作成処理は、種々公知の方法を用いることができる。例えば、まずタイヤの径方向におけるタイヤ本体の断面の形状(サイズ)、構造、材料等のタイヤ本体モデルの作成に必要な各種のパラメータをオペレータに入力させる。そして、入力されたパラメータに基づいて、タイヤの径方向におけるタイヤ本体の断面のモデルを作成し、これをメッシュ分割してタイヤの周方向に展開することにより、タイヤ本体モデルを作成することができる。
タイヤ本体モデル及び後述するトレッドパターンモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、本実施形態で作成するタイヤ本体モデル及びトレッドパターンモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、すなわち、メッシュ分割によって複数の要素に分割されたモデルを、数値解析手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。
この要素分割とは、タイヤを多数の(有限の)要素(小部分)に分割することをいう。各要素は、例えば四面体要素や五面体要素、六面体要素等とすることができる。この要素ごとに数値計算を行い全ての要素について計算した後、全部の要素を組み合わせることにより全体の応答を得ることができる。なお、数値解析手法には有限要素法に限らず、差分法や有限体積法、個別要素法(DEM)等の他の公知の数値解析手法を用いても良い。
ステップS2では、タイヤ本体モデルについて擬似転動解析を行う。この擬似転動解析は、前述した非特許文献1に記載されたような方法を用いることができる。
前述した従来の転動グローバル・ローカル解析等の転動解析においては、図3に示すように、複数の要素20にメッシュ分割されたタイヤ本体モデル22を転動させ、タイヤ本体モデル22が定常状態になるまで時々刻々と有限要素法等の方法を用いて力の釣り合いを計算する。
これに対し、擬似転動解析では、図4に示すように、タイヤ本体モデル22を回転させることなくタイヤ本体モデル22の定常状態における力の釣り合いを直接求める。このため、転動解析では定常状態に至るまでに比較的長時間を要するのに対して、擬似転動解析においては、例えば転動解析の約1/50以下の解析時間とすることが可能となる。
このように、擬似転動解析では、タイヤ本体モデル22を回転させることなくタイヤ本体モデル22の定常状態における力の釣り合いを直接求めるため、タイヤ本体モデル22の定常状態における各メッシュの節点に関する節点情報等が得られる。この節点情報(タイヤ本体要素節点情報)は、各節点の座標情報や節点間の接続に関する接続情報等を含む。これにより、定常状態におけるタイヤの形状を把握することができる。
ステップS3では、トレッドパターンの3次元モデルを作成する。このトレッドパターンモデルの作成では、トレッドパターンを構成するトレッドブロックの形状(サイズ)、高さ、配置、材料等、トレッドパターンモデルの作成に必要な各種のパラメータをオペレータに入力(指定)させる。そして、入力されたパラメータに基づいて、トレッドパターンの3次元モデルを作成する。例えば、1ピッチ分のトレッドパターンの3次元モデルを作成し、これをタイヤの周方向に展開することで3次元のトレッドパターンモデルを作成することができる。
ステップS4では、トレッドパターンモデルのローカル解析を行う。前述した従来の転動グローバル・ローカル解析では、タイヤ本体モデルのグローバル解析によってタイヤ本体とトレッドパターンとの接合面におけるタイヤ本体モデルの各メッシュの節点座標の時刻歴を取得し、これに基づいてトレッドパターンの軌跡を得る。すなわち、従来のグローバル解析では、図5に示すように、タイヤ本体モデル22を例えば図中矢印A方向に転動させて解析するので、タイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24との接合面26の軌跡27、すなわち、接合面26におけるタイヤ本体モデル22の各メッシュの節点座標の時刻歴を取得することができる。
これに対して、本実施形態のようにタイヤ本体モデルのグローバル解析として擬似転動解析を用いた場合、前述したように擬似転動解析では図6(A)に示すようにタイヤ本体モデル22を転動させるのではないため定常状態におけるタイヤの形状しか知ることができない。このため、タイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24との接合面26におけるタイヤ本体モデル22の各メッシュの節点座標を時刻歴として取得することはできない。
このため、ステップS4では、図6(B)に示すように、タイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24との接合面26におけるトレッドパターンモデル24の各メッシュの節点を評価点として設定し、この評価点をタイヤ周方向に沿って移動させながら評価点の位置を取得することにより、トレッドパターンの軌跡を得る。
ここで、タイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24との接合面26におけるタイヤ本体モデル22の各メッシュとトレッドパターンモデルの各メッシュとは通常は整合しないため、タイヤ本体モデル22の各メッシュの隣接する節点間を補間してから、トレッドパターンモデル24の軌跡を求める。これにより、精度良くトレッドパターンの軌跡を得ることができる。
例えば図4に示すタイヤ本体モデル22の一部の領域28の補間について説明する。図7(A)には図4の領域28の拡大図を示した。同図(A)に示すように、タイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24との接合面26付近におけるトレッドパターンモデル24の各メッシュ30とタイヤ本体モデル22の各メッシュ32とは整合しない。すなわち、例えば接合面26におけるトレッドパターンモデル24の各メッシュ30の節点34が結ぶラインと、接合面26におけるタイヤ本体モデル22のメッシュ32の節点36が結ぶラインとが一致しない。
このような場合は、図7(B)に示すように、トレッドパターンモデル24の各メッシュ30とタイヤ本体モデル22の各メッシュ32とが整合するように、すなわちタイヤ本体モデル22のトレッドパターンモデル24側の接合面26がトレッドパターンモデル24のタイヤ本体モデル22側の接合面と一致するように、タイヤ本体モデル22の節点情報の各節点間の接続情報を補間する。具体的には、図中矢印C方向で示すタイヤの周方向については、円筒座標系における円筒要素を用いて補間することにより曲線的に補間する。
これにより、図7(B)に示すように、トレッドパターンモデル24とタイヤ本体モデル22との接合面26における各メッシュが整合し、精度良くトレッドパターンの軌跡を得ることが可能となる。なお、図7においては、接合面26の外側(図7において上側)にもタイヤ本体モデル22のメッシュ32が存在するが、これは、タイヤ本体モデル22は、トレッドパターンモデル24の最外面まで含むようにモデル化しているためである。
なお、図8(A)に示すように、タイヤ本体モデル22の変形前、すなわち転動前においては、その接地部38の形状は略円弧形状であるのに対し、タイヤ本体モデル22の変形後、すなわち転動後の定常状態における接地部38の形状は同図(B)に示すように略直線形状となる。
円筒座標系においては、3次元上の座標を(r、θ、z)で表わすが、θは回転角度を表わすため、タイヤの径方向、幅方向の座標はr、zで表わし、タイヤの周方向の座標はθで表わす。このため、円筒座標系における円筒要素を用いてタイヤの周方向における円弧形状を補間するには一次式による線形補間で補間可能であるが、円筒座標系においてタイヤの周方向の直線形状を補間するためには二次以上の多項式によって補間する必要がある。従って、図7(B)の矢印B方向で示すタイヤの径方向におけるタイヤ本体モデル22の各節点間については一次式により線形補間し、同図(B)の矢印C方向で示すタイヤの周方向については二次以上の多項式により補間する。これにより、タイヤ転動後の定常状態における形状を精度良く補間することができる。
従って、タイヤの周方向の補間に用いる多項式は、少なくとも二次式以上の多項式とする必要があるが、二次式の場合は3個の節点の座標情報が必要となるが、二次式の場合は以下のような問題がある。
例えば、図4に示すように、接地部付近のメッシュ32Aに着目した場合、二次式で補間する場合は3個の節点の座標情報が必要となるが、メッシュ32Aの2個の節点36Aの他に隣接するメッシュ32Bの節点36B又はメッシュ32Cの節点36Cの何れかが必要となる。この場合、節点36Bを用いるか節点36Cを用いるかで、求められる二次式が異なってしまう。すなわち何れの節点を用いるかでタイヤの形状が異なってしまい、精度良く補間できない場合が生じてしまう。
これに対し、三次式の場合は4個の節点の座標情報が必要になることから、三次式を定めるのに用いる節点は、メッシュ32Aの2個の節点36A、メッシュ32Bの節点36B、メッシュ32Cの節点36Cに一義的に定まるため、上記の二次式の場合のような問題は発生しない。一方、四次式以上とした場合は計算負荷が増大する。従って、タイヤの周方向の補間に用いる多項式は三次式とすることが好ましい。
ステップS4のローカル解析は複数のステップから成り、まずステップS4−Aでは、上記のような補間処理により接合面26付近におけるタイヤ本体モデル22及びトレッドパターンモデル24の各メッシュを整合させる。
そして、ステップS4−Bでは、接合面26におけるトレッドパターンモデル24の各メッシュ30の節点34を評価点として設定し、補間後のタイヤ本体モデル22の節点情報等に基づいて、各評価点をタイヤの周方向に移動させながら、各評価点の軌跡を求める。
ステップS4−Cでは、各評価点の軌跡に基づいて、トレッドパターンモデル24の各メッシュの変形等に関する変形情報(トレッドパターン要素変形情報)を有限要素法等の公知の手法を用いて求める。これにより、転動するタイヤの定常状態におけるタイヤの変形等に関する情報を得ることができ、タイヤの定常状態における形状を知ることができる。
トレッドパターンモデル24のローカル解析が終了すると、ステップS5では、タイヤの変形計算に基づくシミュレーション結果、例えばタイヤの形状等をCRT14に表示したりシミュレーション結果のデータをハードディスクに記憶したりする等して、シミュレーション結果を出力する。
ステップS6では、ユーザーにより設計変更が指示されたか否かを判断し、設計変更が指示された場合にはステップS3へ戻って上記と同様の処理を繰り返し、設計変更が指示されなかった場合には本ルーチンを終了する。すなわち、設計変更が指示された場合には、タイヤ本体モデル22の解析は行わずに、トレッドパターンモデル24のローカル解析のみを実行すればよい。
このように、本実施形態では、タイヤ本体モデル22についてはグローバル解析として擬似転動解析を行い、その結果に基づいてトレッドパターンの軌跡を求めてトレッドパターンモデル24のローカル解析を行うので、複雑な形状のトレッドパターンのタイヤでも精度良くタイヤ性能をシミュレーションすることができる。また、トレッドパターンモデル24の設計を変更したい場合には、トレッドパターンモデル24のローカル解析のみを行えばよいため、従来の転動グローバル・ローカル解析等と比較して解析時間を大幅に短縮することができると共に設計効率を大幅に向上させることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。本発明者は、所定のタイヤモデルについて従来のパターン付き転動解析、転動グローバル・ローカル解析、本発明に係る解析について解析に要した時間を求めた。その結果を以下に示す。
Figure 0005102590
なお、解析時間は、パターン付き転動解析の解析時間を100として相対的な値で示した。
上記表1から明らかなように、本発明の解析におけるグローバル解析の解析時間は、転動グローバル・ローカル解析におけるグローバル解析の解析時間の1/10の時間であり、大幅に解析時間を短縮できることがわかる。また、転動グローバル・ローカル解析においては、設計変更があった場合には、グローバル解析及びローカル解析の両方をやり直さなければならないが、本発明による解析では、ローカル解析のみを実行すればよいため、解析時間を大幅に短縮することができ、設計効率を大幅に向上させることができることが判った。
タイヤモデルの作成やタイヤの性能予測を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 タイヤ性能シミュレーション及びタイヤ性能解析プログラムのフローチャートである。 タイヤの転動解析について説明するための図である。 タイヤの定常状態を示す図である。 タイヤの転動解析について説明するための図である。 タイヤの擬似転動解析について説明するための図である。 (A)はタイヤ本体モデルとトレッドパターンモデルのメッシュの不整合について説明するための図、(B)は前記不整合を解消するための補間処理について説明するための図である。 (A)はタイヤの変形前の接地部分の形状について説明するための図、(B)はタイヤの変形後の接地部分の形状について説明するための図である。 トレッドパターンを簡易化したタイヤモデルの斜視図である。 トレッドパターンモデルの一部を示す斜視図である。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
16 マウス

Claims (5)

  1. コンピュータが、記憶手段に記憶されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行するタイヤ性能シミュレーション方法であって、
    タイヤ本体を複数のタイヤ本体要素にメッシュ分割したタイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行するステップと、
    前記擬似転動解析により得られた前記タイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルと前記タイヤ本体モデルとの接触面における、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡を求めるステップと、
    前記トレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、前記トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求めるステップと、
    前記タイヤ本体要素節点情報のうち前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点に関する情報に基づいて、前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点間の接続に関する接続情報を補間するステップと、
    を含むタイヤ性能シミュレーション方法。
  2. 前記接続情報は、前記タイヤの周方向については円筒座標系における円筒要素を用いて補間することを特徴とする請求項記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  3. 前記接続情報は、前記タイヤの径方向については一次式で補間し、前記タイヤの周方向については前記円筒座標系における円筒要素を用いて三次式で補間することを特徴とする請求項記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  4. タイヤ本体を複数のタイヤ本体要素にメッシュ分割したタイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行する擬似転動解析手段と、
    前記擬似転動解析により得られた前記タイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルと前記タイヤ本体モデルとの接触面における、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡を求める軌跡算出手段と、
    前記トレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、前記トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求める変形情報算出手段と、
    前記タイヤ本体要素節点情報のうち前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点に関する情報に基づいて、前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点間の接続に関する接続情報を補間する補間手段と、
    を備えたタイヤ性能シミュレーション装置。
  5. コンピュータが、記憶手段に記憶されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行する処理であって、
    タイヤ本体を複数のタイヤ本体要素にメッシュ分割したタイヤ本体モデルを回転させることなく、前記タイヤ本体モデルの転動状態における定常状態を擬似的に解析する擬似転動解析を実行するステップと、
    前記擬似転動解析により得られた前記タイヤ本体モデルの各タイヤ本体要素の節点に関するタイヤ本体要素節点情報に基づいて、タイヤのトレッドパターンを複数のトレッドパターン要素にメッシュ分割したトレッドパターンモデルと前記タイヤ本体モデルとの接触面における、前記トレッドパターン要素の節点の軌跡を求めるステップと、
    前記トレッドパターン要素の節点の軌跡に基づいて、前記トレッドパターン要素の変形に関するトレッドパターン要素変形情報を求めるステップと、
    前記タイヤ本体要素節点情報のうち前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点に関する情報に基づいて、前記接触面における前記タイヤ本体要素の節点間の接続に関する接続情報を補間するステップと、
    を含む処理をコンピュータに実行させるためのタイヤ性能シミュレーションプログラム。
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