JP5102404B1 - 接合部材及び接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震等によって建築物に外力が作用した場合であっても、構造部材からの接合部材の脱離を防止することができ、建築物の地震等による倒壊を防止することが可能となる接合部材と、その接合部材を用いた接合構造とを提供する。
【解決手段】建築物の複数の構造部材を接合するための接合部材及び接合構造に関する。構造部材4の内部に埋め込まれる第1部材31と、第1部材31に取り付けられる第2部材36とを備え、第1部材31は、第2部材36が嵌め込まれる筒状室32と、筒状室32に設けられた係止部材33とを有し、係止部材33は、第2部材36が筒状室32に嵌め込まれることにより、筒状室32の内側から外側に向けて突出される。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物の地震による倒壊を防止することを目的として、建築物の複数の構造部材に取り付けられる接合部材と、その接合部材を用いた接合構造に関するものである。
従来より、建築物は、基礎の上に梁や柱等を設置することによって建築される。梁、柱及び基礎等の構造部材は、複数の構造部材に亘って設けられる補強部材を、各々の構造部材に接合部材を用いて取り付けることによって相互に接合される。この接合部材は、特許文献1に開示されるようなものが提案されている。
特許文献1に開示された接合部材は、係止段部を有するガイドピンを、嵌合雌部材に挿入して嵌合させるものである。特許文献1に開示された接合部材は、ガイドピンを嵌合雌部材に挿入するときにガイドピン貫通孔が拡開されるとともに、ガイドピンが嵌合雌部材に挿入された後にガイドピン貫通孔が縮径され、ガイドピンの係止段部が嵌合雌部材に係止されることによって構造部材に取り付けられるものである。
特開平9−280219号公報
しかし、特許文献1に開示された接合部材は、構造部材に埋め込まれた嵌合雌部材にガイドピンを挿入するものであり、構造部材に対する係止構造が嵌合雌部材に設けられていないため、ガイドピンに引張力が作用した場合に、ガイドピンの係止段部に嵌合雌部材が引っ張られて、嵌合雌部材が構造部材から脱離するおそれがあるという問題点があった。
また、特許文献1に開示された接合部材は、地震等によって建築物に外力が作用した場合に、嵌合雌部材が構造部材から脱離すると、この接合部材によって取り付けられていた補強部材も構造部材から外れることになり、複数の構造部材の相互の接合が弱体化し、建築物が倒壊するおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、地震等によって建築物に外力が作用した場合であっても、構造部材からの接合部材の脱離を防止することができ、建築物の地震等による倒壊を防止することが可能となる接合部材と、その接合部材を用いた接合構造とを提供することにある。
第1発明に係る接合部材は、建築物の複数の構造部材を接合するための接合部材であって、構造部材の内部に埋め込まれる第1部材と、前記第1部材に取り付けられる第2部材とを備え、前記第1部材は、前記第2部材が嵌め込まれる筒状室と、前記筒状室に設けられた係止部材とを有し、前記係止部材は、前記第2部材の先端部が前記筒状室に嵌め込まれ、前記係止部材の基端部が前記第2部材の先端部に押されることにより、前記係止部材の先端部が前記筒状室に形成された貫通孔から前記筒状室の周方向外側に向けて突出されることを特徴とする。
第2発明に係る接合部材は、建築物の複数の構造部材を接合するための接合部材であって、構造部材の内部に埋め込まれる第1部材と、前記第1部材に取り付けられる第2部材とを備え、前記第1部材は、前記第2部材が嵌め込まれる筒状室と、前記筒状室に設けられた係止部材とを有し、前記係止部材は、前記第2部材が前記筒状室に嵌め込まれることにより、前記筒状室の内側から外側に向けて突出され、前記第2部材は、前記第2部材の先端部の外面に螺旋状の溝部が形成され、前記第2部材の先端部が前記筒状室に捩じ込まれることにより、前記筒状室で前記溝部と前記係止部材の基端部とが螺合されることを特徴とする。
第3発明に係る接合部材は、第2発明において、前記係止部材は、前記第2部材の先端部が前記筒状室に嵌め込まれ、前記係止部材の基端部が前記第2部材の先端部に押されることにより、前記係止部材の先端部が前記第1部材の外面から前記筒状室の周方向外側に向けて突出されることを特徴とする。
第4発明に係る接合構造は、第1発明〜第3発明の接合部材を用いて建築物の複数の構造部材を接合する接合構造であって、複数の構造部材に亘って設けられる補強部材と、前記補強部材を構造部材に取り付ける前記接合部材とを備え、前記補強部材は、前記複数の構造部材の変位を吸収する弾性体であることを特徴とする。
第5発明に係る接合部材は、第4発明において、前記補強部材は、前記複数の構造部材における水平材の中間に設けられた鉛直材を正面部と両側部とで挟み込むようにして取り付けられる第1取付部と、前記第1取付部の前記正面部の上端又は下端から延びるように設けられ、前記鉛直材に取り付けられる第2取付部と、前記第1取付部の前記両側部の上端又は下端から垂直に延びるように設けられ、前記水平材に取り付けられる第3取付部とを備えることを特徴とする。
第1発明によれば、第1部材が構造部材の穴から抜け出すことを防止することができるため、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合であっても、補強部材の取付部による複数の構造部材の接合を維持して、建築物の倒壊を防止することのできる接合部材を安価に提供することが可能となる。第1発明によれば、特に、既設の木造家屋に対しても、中小規模の工務店の大工等によって耐震構造を容易に導入することが可能となる。
特に、第2発明、第3発明によれば、第2部材が第1部材の筒状室から抜け出すことを防止することができるため、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合であっても、補強部材の取付部による複数の構造部材の接合を維持して、建築物の倒壊を防止することのできる接合部材を安価に提供することが可能となる。
特に、第4発明によれば、簡易、迅速な補強部材の取り付けを実現するとともに、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合に、複数の構造部材の変位に応じて補強部材の取付部が角度を変えて弾性変形することになり、バネ鋼のような弾性体の鋼材等が用いられた補強部材の弾性変形により、せん断方向、ねじれ方向等、あらゆる方向に作用する地震動の外力を吸収することのできる接合構造を安価に提供することが可能となる。
特に、第5発明によれば、補強部材を、第1取付部と、第2取付部と、第3取付部とを備えるものとすることで、水平材と鉛直材とが相互に接合される部位においても、1つの補強部材を用いて複数の構造部材を一体的に接合することが可能となる。
本発明に係る接合構造を用いた建築物を示す正面図である。 本発明に係る接合構造を用いて複数の構造部材を接合する態様を示す正面図である。 本発明に係る接合部材の第1部材と第2部材とを示す斜視図である。 本発明に係る接合部材の第1部材の筒状室を示す斜視図である。 本発明に係る接合部材の第1部材の係止部材を示す斜視図である。 本発明に係る接合部材の第1部材の構造部材に埋め込まれる前の状態を示す斜視図である。 本発明に係る接合構造を用いて水平材と鉛直材とが相互に接合される態様を示す正面図である。 本発明に係る接合構造を用いて傾斜材が接合される部位における水平材と鉛直材とが相互に接合される態様を示す斜視図である。 本発明に係る接合構造を用いて水平材と屋根材とが相互に接合される態様を示す正面図である。 本発明に係る接合構造を用いて水平材の端部と鉛直材の端部とが相互に接合される態様を示す斜視図である。 本発明に係る接合構造を用いて水平材の中間に鉛直材が設けられて相互に接合される態様を示す斜視図である。 本発明に係る接合構造において、第1部材が構造部材の内部に埋め込まれる態様を示す断面図である。 本発明に係る接合構造において、第1部材の筒状室に第2部材の先端部が押し込まれる態様を示す断面図である。 本発明に係る接合構造において、第1部材の筒状室に第2部材の先端部が取り付けられる態様を示す断面図である。
以下、本発明を適用した接合部材及び接合構造を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した接合構造1は、図1に示すように、建築物を建築するときに、基礎41や、基礎41の上に設置される梁、柱、筋かい及び垂木等の複数の構造部材4が相互に接合される部位に用いられる。
構造部材4は、梁のように長手方向を水平にして設けられる水平材42、柱のように長手方向を鉛直にして設けられる鉛直材43、筋かいのように傾斜して設けられる傾斜材44及び垂木のような屋根材45等が用いられ、コンクリートを打設すること等によって基礎41が設けられる。構造部材4は、木材やコンクリートが用いられるものであるが、これに限らず、如何なる材質のものが用いられてもよい。
本発明を適用した接合構造1は、図2に示すように、複数の構造部材4に亘って設けられる補強部材2と、ボルト5aとナット5bとを用いて補強部材2を構造部材4に取り付ける接合部材3とを備える。なお、ボルト5aとしては、M16以下の寸法のボルト、アンカーボルト等が用いられることが望ましい。
本発明を適用した接合部材3は、図3に示すように、構造部材4の内部に埋め込まれる第1部材31と、第1部材31に取り付けられる第2部材36とを備える。接合部材3は、主に、鋼材等が用いられるものであるが、これに限らず、如何なる材質のものが用いられてもよい。
第1部材31は、第2部材36の先端部37を嵌め込むことができるように、内側が中空となった筒状室32と、筒状室32の側壁に設けられた係止部材33とを備える。
筒状室32は、図4に示すように、断面円形状の側壁により形成され、側壁を貫通することによって側壁の外面と内面とを連通させて、複数の貫通孔34が形成される。貫通孔34は、所定の間隔をあけて軸方向に2つ並べて形成されたものを1組として、周方向に各々90°の間隔をあけて、軸方向の位置をずらして4組形成される。筒状室32は、これに限らず、如何なる数量で形成されてもよい。
係止部材33は、図5に示すように、鋭く尖った係止部材先端部33aと、係止部材先端部33aから連続して設けられる円柱状の係止部材中間部33bと、係止部材中間部33bより拡径された円柱状の係止部材基端部33cとを備える。係止部材33は、これに限らず、如何なる形状のものが用いられてもよい。
係止部材33は、図6に示すように、第1部材31が構造部材4の内部に埋め込まれる前の状態で、筒状室32の周方向内側に係止部材基端部33cが突出し、また、筒状室32の周方向外側に係止部材先端部33aが突出しないように、筒状室32の各々の貫通孔34に取り付けられて8箇所に設けられる。係止部材33は、これに限らず、如何なる数量で設けられてもよい。
第2部材36は、図3に示すように、筒状室32に嵌め込まれる先端部37と、第2部材36の基端部において先端部37から連続して設けられる接合部38とを備える。
先端部37は、テーパを付けて先鋭化された先鋭部37aと、先鋭部37aから連続して設けられた円柱部37bとを有し、円柱部37bの外面に螺旋状の溝部37cが形成される。溝部37cは、軸方向に位置をずらした複数の係止部材基端部33cを同時に通すことができるように、円柱部37bの軸方向に対する傾斜角とピッチとが設定されて形成される。
接合部38は、六角柱状に形成され、第2部材36の先端側が閉塞されるとともに、第2部材36の基端側が開口された接合孔38aが内部に形成される。接合孔38aは、ボルト5aを捩じ込むことができるように側面がネジ切りされる。なお、接合部38は、5t以上の引張力が作用するまで先端部37から破断しないように設定されることが望ましい。
補強部材2は、図7に示すように、構造部材4の水平材42と鉛直材43とに取り付けることができるように垂直に折り曲げられた取付部21を備える。補強部材2は、図8に示すように、さらに、構造部材4の水平材42と鉛直材43とが相互に接合される部位において、構造部材4の傾斜材44を接合することができるように切欠部21cを備えるものとしてもよい。
補強部材2は、接合部材3を取り付けるための1つの主長孔21aと、補助的にネジ5dを取り付けるための2つの補助長孔21bとが、各々の構造部材4への取付箇所において形成される。補強部材2は、これに限らず、如何なる数量の主長孔21aと補助長孔21bとが形成されるものであってもよい。
補強部材2は、図9に示すように、構造部材4の水平材42と屋根材45とに取り付けることができるように鋭角に折り曲げられた取付部21を備えるものとしてもよい。補強部材2は、構造部材4の変位を吸収する弾性体の鋼材等を材質とするものであり、主としてバネ鋼が用いられる。補強部材2は、これに限らず、如何なる材質のものが用いられてもよい。
補強部材2は、図10に示すように、水平材42の端部と鉛直材43の端部とが相互に接合される部位において、鉛直材43を正面部22aと両側部22bとで正面から挟み込むようにして取り付けられる第1取付部22を備えるものとしてもよい。また、補強部材2は、第1取付部22の正面部22a及び一方の側部22bの下端から鉛直下方に延びるように設けられ、鉛直材43の正面から取り付けられる第2取付部23を備えるものとしてもよい。さらに、補強部材2は、第1取付部22の他方の側部22bの下端から垂直に延びるように設けられ、水平材42の上面に取り付けられる第3取付部24とを備えるものとしてもよい。補強部材2は、これに限らず、第2取付部23及び第3取付部24が、第1取付部22の正面部22a及び両側部22bの上端から延びるように設けられてもよい。
補強部材2は、図11に示すように、水平材42の中間に鉛直材43が設けられて相互に接合される部位において、鉛直材43を正面部22aと両側部22bとで正面から挟み込むようにして取り付けられる第1取付部22を備えるものとしてもよい。また、補強部材2は、第1取付部22の正面部22aの下端から鉛直下方に延びるように設けられ、鉛直材43の正面に取り付けられる第2取付部23を備えるものとしてもよい。さらに、補強部材2は、第1取付部22の両側部22bの下端から垂直に延びるように設けられ、水平材42の上面に取り付けられる第3取付部24とを備えるものとしてもよい。補強部材2は、これに限らず、第2取付部23及び第3取付部24が、第1取付部22の正面部22a及び両側部22bの上端から延びるように設けられてもよい。
補強部材2は、第1取付部22と、第2取付部23と、第3取付部24とを備えるものとすることで、水平材42の中間に鉛直材43が設けられて相互に接合される部位においても、1つの補強部材2を用いて複数の構造部材4を一体的に接合することが可能となる。
接合部材3は、図12に示すように、第1部材31の筒状室32に第2部材36が嵌め込まれる前に、第2部材36の接合部38の接合孔38aにボルト5aの一端を捩じ込み、接合孔38aに捩じ込まれたボルト5aの他端を把持して、第2部材36を第1部材31に取り付けるものである。
接合部材3は、構造部材4を貫通しないようにあらかじめ所定の深さに設けられた穴4aにおいて、第1部材31の外面から筒状室32の周方向外側に係止部材先端部33aが突出しない状態で、第1部材31が構造部材4の内部に埋め込まれる。次に、接合部材3は、外面において軸方向にテーパが形成された矩形断面の棒状の治具を筒状室32に挿入し、当該治具の外面に係止部材33の係止部材基端部33cが押されて、係止部材33の係止部材先端部33aが第1部材31の外面から筒状室32の周方向外側に所定の長さだけ徐々に突出することになる。この治具は、軸方向断面の大きさを変えて複数のものが用意され、複数の係止部材33の係止部材基端部33cにより形成される間隙の大きさに応じて段階的に用いることができる。
接合部材3は、図13に示すように、構造部材4の内部に埋め込まれた第1部材31の筒状室32に第2部材36の先端部37が押し込まれて進入するときに、テーパを付けて先鋭化された先鋭部37aに係止部材33の係止部材基端部33cが押され、係止部材33の係止部材先端部33aが第1部材31の外面から筒状室32の周方向外側に突出する。
さらに、接合部材3は、図14に示すように、第2部材36の先端部37の螺旋状の溝部37cに複数の係止部材33の係止部材基端部33cを通しながら、第2部材36の先端部37が第1部材31の筒状室32に捩じ込まれ、溝部37cと係止部材33の複数の係止部材基端部33cとが筒状室32で螺合され、第2部材36の先端部37が第1部材31の筒状室32に取り付けられる。
これにより、接合部材3は、係止部材33の係止部材基端部33cが第2部材36の先端部37の円柱部37bの外面に押されて、係止部材33の係止部材先端部33aが第1部材31の外面から筒状室32の周方向外側に突出した状態で、複数の係止部材33の係止部材基端部33cに第2部材36の先端部37の溝部37cが係止され、第2部材36が軸方向に固定される。
接合部材3は、これに限らず、如何なる手順で構造部材4に埋め込められてよい。接合部材3は、複数の構造部材4を建築物の骨組みとして接合した後に、構造部材4に穴あけして穴4aを設けて埋め込むことができるため、複数の構造部材4を接合するときの設計誤差の影響を受けることなく取り付けることができる。また、接合部材3は、コンクリートの打設によって構造部材4が設けられる場合に、あらかじめ構造部材4に第1部材31を埋め込んでからコンクリートを養生させる必要がないため、新設及び既設の建築物、構造物に接合部材3を迅速かつ容易に埋め込むことができ、建築手順の自由度を大幅に向上させることができる。
接合部材3は、図14に示すように、構造部材4に第1部材31が埋め込まれた状態で、ボルト5aの端部を構造部材4の側面4bから突出させて設けられる。接合部材3は、構造部材4の側面4bから突出しているボルト5aの端部を、補強部材2の取付部21に形成された主長孔21aに挿通させ、主長孔21aから突出したボルト5aの端部をナット5bで締め込むことにより、補強部材2を構造部材4に取り付けるものである。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材4の穴4aの側面とボルト5aとの間に、穴4aの側面とボルト5aとが直接接触することを防止する防振ゴム5cが設けられてもよい。これにより、本発明を適用した接合構造1は、直下型激震等による地震動が建築物に作用し、ボルト5aが軸方向に対して垂直に変位した場合に、防振ゴム5cがボルト5aの変位を吸収することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材4の穴4aの側面にボルト5aが接触して構造部材4が損傷することを防止し、構造部材4として用いられる木材等に優しい接合構造1を提供することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材4の側面4bと補強部材2の取付部21との間に、図示しないクッション材を設けることもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合に、構造部材4の側面4bと補強部材2の取付部21とに挟まれたクッション材に地震動を吸収させることができる。
本発明を適用した接合構造1は、図14に示すように、第2部材36が第1部材31の筒状室32に嵌め込まれた状態で、係止部材33の係止部材先端部33aが第1部材31の外面から筒状室32の周方向外側に突出し、構造部材4の穴4aの側壁に係止部材33の係止部材先端部33aが貫入して食い込むことになる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合に、第1部材31が構造部材4の穴4aから抜け出すことを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、複数の係止部材33の係止部材基端部33cに第2部材36の先端部37の溝部37cが係止され、第2部材36が軸方向に固定されるため、第2部材36が第1部材31から抜け出すことを防止することが可能となる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合に、第1部材31が構造部材4の穴4aから抜け出すことを防止するとともに、第2部材36が第1部材31から抜け出すことを防止して、接合部材3の構造部材4からの脱離を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合に、複数の構造部材4の相対的な変位に応じて、複数の構造部材4に亘って設けられた補強部材2の取付部21が角度を変えて弾性変形することになる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、バネ鋼のような弾性体の鋼材等が用いられた補強部材2の弾性変形により、せん断方向、ねじれ方向等、あらゆる方向に構造部材4を変位させるように作用する地震動を、補強部材2によって吸収することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、第2部材36が第1部材31から抜け出すことを防止するとともに、第1部材31が構造部材4の穴4aから抜け出すことを防止して、さらに、補強部材2の弾性変形によって地震動を吸収することにより、直下型激震等による地震動が建築物に作用した場合であっても、補強部材2の取付部21が複数の構造部材4の接合を維持したまま、複数の構造部材4の相対的な変位を吸収することができ、ほぞ抜け等を防止して、建築物の倒壊を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、特に、既設の2〜3階建て木造家屋に用いられる。本発明を適用した接合構造1は、梁や柱等の構造部材4の接合箇所における壁の一部を破壊するのみで設けることができるため、特に、既設の木造家屋に対して耐震構造を容易に導入することを可能とする。これにより、本発明を適用した接合構造1は、直下型激震等による地震動が既設の木造家屋に作用した場合に、木造家屋の倒壊を防止することができ、木造家屋の倒壊やこれによる火災から人命を保護することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :接合構造
2 :補強部材
21 :取付部
21a :主長孔
21b :補助長孔
21c :切欠部
22 :第1取付部
22a :正面部
22b :側部
23 :第2取付部
24 :第3取付部
3 :接合部材
31 :第1部材
32 :筒状室
33 :係止部材
33a :係止部材先端部
33b :係止部材中間部
33c :係止部材基端部
34 :貫通孔
36 :第2部材
37 :先端部
37a :先鋭部
37b :円柱部
37c :溝部
38 :接合部
38a :接合孔
4 :構造部材
4a :穴
4b :側面
41 :基礎
42 :水平材
43 :鉛直材
44 :傾斜材
45 :屋根材
5a :ボルト
5b :ナット
5c :防振ゴム
5d :ネジ

Claims (5)

  1. 建築物の複数の構造部材を接合するための接合部材であって、
    構造部材の内部に埋め込まれる第1部材と、前記第1部材に取り付けられる第2部材とを備え、
    前記第1部材は、前記第2部材が嵌め込まれる筒状室と、前記筒状室に設けられた係止部材とを有し、
    前記係止部材は、前記第2部材の先端部が前記筒状室に嵌め込まれ、前記係止部材の基端部が前記第2部材の先端部に押されることにより、前記係止部材の先端部が前記筒状室に形成された貫通孔から前記筒状室の周方向外側に向けて突出されること
    を特徴とする接合部材。
  2. 建築物の複数の構造部材を接合するための接合部材であって、
    構造部材の内部に埋め込まれる第1部材と、前記第1部材に取り付けられる第2部材とを備え、
    前記第1部材は、前記第2部材が嵌め込まれる筒状室と、前記筒状室に設けられた係止部材とを有し、
    前記係止部材は、前記第2部材が前記筒状室に嵌め込まれることにより、前記筒状室の内側から外側に向けて突出され、
    前記第2部材は、前記第2部材の先端部の外面に螺旋状の溝部が形成され、前記第2部材の先端部が前記筒状室に捩じ込まれることにより、前記筒状室で前記溝部と前記係止部材の基端部とが螺合されること
    を特徴とする接合部材。
  3. 前記係止部材は、前記第2部材の先端部が前記筒状室に嵌め込まれ、前記係止部材の基端部が前記第2部材の先端部に押されることにより、前記係止部材の先端部が前記第1部材の外面から前記筒状室の周方向外側に向けて突出されること
    を特徴とする請求項2に記載の接合部材。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の接合部材を用いて建築物の複数の構造部材を接合する接合構造であって、
    複数の構造部材に亘って設けられる補強部材と、前記補強部材を構造部材に取り付ける前記接合部材とを備え、
    前記補強部材は、前記複数の構造部材の変位を吸収する弾性体であること
    を特徴とする接合構造。
  5. 前記補強部材は、前記複数の構造部材における水平材の中間に設けられた鉛直材を正面部と両側部とで挟み込むようにして取り付けられる第1取付部と、前記第1取付部の前記正面部の上端又は下端から延びるように設けられ、前記鉛直材に取り付けられる第2取付部と、前記第1取付部の前記両側部の上端又は下端から垂直に延びるように設けられ、前記水平材に取り付けられる第3取付部とを備えること
    を特徴とする請求項4に記載の接合構造。
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