JP5100702B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、衝撃強度等に優れた成形品を提供することが可能な樹脂組成物として、ポリ乳酸系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びエポキシ化ポリオレフィンを含有することを特徴とする樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、引張破断伸び、耐衝撃性および光沢に優れる樹脂組成物として、結晶性ポリプロピレン系重合体、ポリ乳酸樹脂、エポキシ基を有するエチレン系重合体および前記エポキシ基を有するエチレン系重合体とは異なるエラストマー類を含有する樹脂組成物が記載されている。
一方、特許文献3には、その外観として光沢性を押さえ深みのあるシルキー性とマット調とを有する樹脂組成物を目的として、ポリ乳酸と重量平均分子量が10万以上のポリプロピレンと無機充填剤とを含む樹脂組成物およびその製造方法が記載されている。
かかる状況下、本発明は、ポリ乳酸系樹脂の分散性が良好であり、耐衝撃性や成形性に優れ、かつ光沢性を抑えた高級感のある外観を有する成形体およびそのための樹脂組成物を提供することを目的とする。更に本発明は、かかるポリ乳酸系樹脂を含有する樹脂組成物に顔料により着色した場合にも光沢性を抑えた高級感のある成形体を提供することを目的とするものである。
<1> プロピレン系重合体(A)を10〜88質量%、ポリ乳酸系樹脂(B)を10〜88質量%、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)を1〜50質量%及びエラストマー類(D)1〜50質量%を含有するプロピレン系樹脂組成物と、
分子量が500〜100,000である酸変性ポリオレフィンワックスと、を
含有する熱可塑性樹脂組成物。
(但し、プロピレン系重合体(A)、ポリ乳酸系樹脂(B)、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及びエラストマー類(D)の合計量を100質量%とする。)
<2> 前記プロピレン系樹脂組成物と酸変性ポリオレフィンワックスとの含有比が、プロピレン系樹脂組成物100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックスが、0.5〜10質量部である前記<1>記載の熱可塑性樹脂組成物。
<3> 酸変性ポリオレフィンワックスを構成するオレフィンが、エチレンまたはプロピレンである前記<1>または<2>記載の熱可塑性樹脂組成物。
<4> 酸変性ポリオレフィンワックスを構成する酸成分が、カルボン酸である前記<1>から<3>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<5> 顔料をさらに含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<6> 前記<1>から<5>ののいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
本発明に用いられるプロピレン系重合体(以下、成分(A)ともいう)は、プロピレンに由来する単量体単位を有し、プロピレン単独重合体(以下、成分(A−1)ともいう)、及び、プロピレン−エチレン共重合体(以下、成分(A−2)ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン系重合体が用いられる。
プロピレン−エチレン共重合体(成分(A−2))としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体(以下、成分(A−2−1)ともいう)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(以下、成分(A−2−2)ともいう)が挙げられる。このプロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))とは、プロピレン単独重合体成分と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分とからなる共重合体である。
プロピレン系重合体(成分(A))として、好ましくは、成形体の剛性、耐熱性又は硬度の観点から、プロピレン単独重合体(成分(A−1))、又は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン単独重合体成分の、13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
重合法としては、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法、及び、これらを組み合わせた重合法が挙げられる。また重合法は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、一段重合でも、多段重合でもよい。また、プロピレン系重合体(成分(A))としては、市販のプロピレン系重合体を用いてもよい。
本発明のプロピレン系樹脂組成物が含有するポリ乳酸系樹脂(以下、成分(B)ともいう)とは、L−乳酸および/またはD−乳酸に由来する繰り返し単位のみからなる重合体からなる樹脂、L−乳酸および/またはD−乳酸に由来する繰り返し単位とL−乳酸およびD−乳酸以外のモノマーに由来する繰り返し単位とからなる共重合体からなる樹脂、またはL−乳酸および/またはD−乳酸に由来する繰り返し単位のみからなる重合体とL−乳酸および/またはD−乳酸に由来する繰り返し単位とL−乳酸およびD−乳酸以外のモノマーに由来する繰り返し単位とからなる共重合体の混合物からなる樹脂である。なお、L−乳酸に由来する繰り返し単位およびD−乳酸に由来する繰り返し単位を、それぞれ、L−乳酸由来繰り返し単位およびD−乳酸由来繰り返し単位と記すことがある。
乳酸(L−乳酸、D−乳酸、またはL−乳酸とD−乳酸との混合物)、および必要に応じて更に他のモノマーを脱水重縮合する方法、
乳酸の環状二量体(すなわちラクチド)を開環重合させる方法、
ラクチドおよび乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸との環状2分子縮合体を開環重合させる方法、
ラクチドおよび/または乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸との環状2分子縮合体、および必要に応じて更に乳酸以外のヒドロキシカルボン酸の環状二量体(例えば、グリコリド)やヒドロキシカルボン酸由来の環状エステル(例えば、ε−カプロラクトン)を開環重合させる方法等、
により製造することができる。
ポリ乳酸系樹脂(成分(B))の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万以上100万以下であり、更に好ましくは5万以上50万以下である。また、ポリ乳酸系樹脂(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1以上4以下である。記号Mnは、数平均分子量を表す。なお、分子量Mw、Mnおよび分子量分布は、GPCにより、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される。
本発明に用いられるエポキシ基を含有するエチレン系重合体(以下、成分(C)ともいう)は、エチレンに由来する単量体単位を有する共重合体である。エポキシ基を有する単量体としては、例えば、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート等のα,β−不飽和グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル等のα,β−不飽和グリシジルエーテルを挙げることができ、好ましくはグリシジルメタアクリレートである。
本発明に用いられるエラストマー類(以下、成分(D)ともいう)としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、非晶質または低結晶性のエチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、ブタジエン−スチレンエラストマー、ブタジエン−アクリロニトリルエラストマー、水添または非水添のスチレン−共役ジエン系ブロックエラストマー、ポリエステルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム等が挙げられる。これらは単独又は組み合わせて使用してもよい。このうち、エチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
このようなエチレン系重合体として好ましくは、エチレンと1種類以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−α−オレフィン共重合体である。このα−オレフィンとして好ましくは、炭素数3〜12のα−オレフィンである。具体的には、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
なお、ここでいうメルトフローレイト(MFR)とは、JIS K 7210(1995)に規定された方法によって、試験荷重21.18N、試験温度190℃の条件で測定される。
なお、ここでいう密度とは、JIS K 6760−1981に規定された方法により、アニール無しで測定される。
例えばエチレン−α−オレフィン共重合体の場合、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン錯体や非メタロセン錯体等の錯体系触媒を用いた、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合法、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等により製造することが好ましい。中でもチーグラー・ナッタ系触媒や錯体系触媒を用いて、重合する方法を用いることが好ましく、メタロセン触媒の存在下に製造する方法を用いることが好ましい。
次に、本発明で使用する酸変性ポリオレフィンワックスについて説明する。
本発明の酸変性ポリオレフィンワックス(以下、成分(E)ともいう)としては、ポリオレフィンワックスをマレイン酸等により変性したもの、あるいはオレフィンと不飽和カルボン酸や不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等の重合体であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体およびプロピレン/1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
なお、ポリオレフィンワックスには、上記ポリオレフィンの重合により得られるものに加え重量平均分子量(Mw)30万〜500万のポリオレフィン(例えばポリエチレンおよびポリプロピレン)を熱分解して得られる熱分解型ポリオレフィンワックスが含まれる。
また、酸変性ポリオレフィンワックスを構成する酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等のカルボン酸であることが好ましい。
本発明の酸変性ポリオレフィンワックスは、重量平均分子量(Mw)が500〜100,000であり、好ましくは1,000〜30,000のものが好適に用いられる。
また、本発明の酸変性ポリオレフィンワックスは、酸価が20以上、好ましくは30以上あるものが好適に使用される。ここに、酸価とは、JIS K0070(1992)で定義されており、ワックス中の酸成分の量を表す指標となる。酸価が20以上のものを使用すると、添加量が少なくても十分に光沢を抑えることができるため、本発明の熱可塑性樹脂組成物の機械的物性が損なわれない。
酸変性ポリオレフィンワックスの量が、0.5〜10質量部であると、光沢を抑制し、かつ、耐衝撃性等の機械的物性を保持することができる。
本発明では顔料(以下、成分(F)ともいう)を含有していてもよい。顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料、体質顔料等がいずれも使用できる。
有機顔料としては、縮合アゾ等のアゾ系顔料;アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系等のスレン系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、ピロロピロール系、有機蛍光顔料等が挙げられる。無機顔料としては、クレー、バライト、雲母等の天然物、紺青等のフェロシアン化物、硫化亜鉛等の硫化物、硫酸バリウム等の硫酸塩、酸化クロム、亜鉛華、チタン白、弁柄、鉄黒等の酸化物、水酸化アルミニウム等の水酸化物、珪酸カルシウム、群青等のケイ酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、カーボンブラック、グラファイト等の炭素、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉等の金属粉、その他焼成顔料等が挙げられる。体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク等が挙げられる。これらの顔料は単独あるいは2種類以上混合して用いられる。
変角光度計(株式会社村上色彩技術研究所製 GM−3D)を使用して、JIS K7105(1981)に従い、60°鏡面光沢を測定した。
なお、試験片の成型は、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製 FN−1000 12A)を使用し、次の条件で作成した。また、試験片の表面は#3000磨きの鏡面、また、裏面は梨地シボ仕上げとした。
成型温度:200℃
スクリュー回転:120rpm
背圧:28MPa
射出速度:30mm/sec
保圧:20MPa
金型温調:50℃
曲げ強度試験機(株式会社オリエンテック製 RTC−1310A)を使用して、JIS K7171(1994)に従い、速度2mm/minで測定した。なお、試験片は、125mm×12mm、厚さ6mmである。
引張強度試験機(株式会社東洋精機製作所製 STROGRAPH−W2)を使用して、JIS K7113(1995)に従い、速度20mm/minで測定した。なお、試験片は、1号形試験片、厚さ3mmである。
ロックウェル硬度計(松沢精機株式会社製 DRH−M)を使用して、JIS K7202(1995)に従い、スケールRで測定した。なお、試験片は、6mm×5mm、厚さ3mmである。
熱変形温度測定機(株式会社東洋精機製作所製 S3−FH)を使用して、JIS K7191−2(1996)に従い、荷重0.45MPaで測定した。なお、試験片エッジワイズで125mm×6mm、厚さ12mmである。
なお、(2)から(6)の測定に用いた試験片の成型は、射出成形機(東芝機械株式会社製 IS80−EPN)を使用し、次の条件で作成した。
成型温度:200℃
スクリュー回転:230rpm
背圧:10MPa
射出速度:84mm/sec
保圧:6〜8MPa
金型温調:55℃
成分(A)プロピレン系重合体
(A1)住友化学株式会社製「ノーブレン WPX5343」(ポリプロピレンブロック共重合体、MFR(230℃)=50g/10分)
(A2)住友化学株式会社製「ノーブレン R101」(プロピレン単独重合体、MFR(230℃)=20g/10分)
(A3)住友化学株式会社製「ノーブレン U501E1」(プロピレン単独重合体、MFR(230℃)=100g/10分)
成分(B)ポリ乳酸系樹脂
(B1)ユニチカ株式会社製「テラマック TE−2000」(ポリ乳酸樹脂、MFR(230℃)=40g/10分、Mw=120,000、Mw/Mn=1.8)
成分(C)エポキシ基を含有するエチレン系重合体
(C1)住友化学株式会社製「ボンドファースト E」(エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体、MFR(190℃)=3g/10分、グリシジルメタアクリレートに由来する単量体単位含有量=12質量%)
成分(D)エラストマー類
(D1)ダウケミカル株式会社製「エンゲージ8842」(エチレン−オクテン共重合体、MFR(190℃)=1.2g/10分、密度=0.858g/cm3)
その他の成分(耐候性改良剤)
花王社製「エレクトロストリッパー TS−5」
住友化学製「スミライザー GA80」
チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォス 168」
(E1)三井化学株式会社製「ハイワックス 1105A」(ベース樹脂:マレイン酸変性ポリエチレン、平均分子量1500、酸価(JIS K0070)60mgKOH/g、融点107℃)
(E2)三井化学株式会社製「ハイワックス 2203A」(ベース樹脂:マレイン酸変性ポリエチレン、平均分子量2700、酸価(JIS K0070)30mgKOH/g、融点107℃)
(E3)三洋化成株式会社製「ユーメックス 1010」(ベース樹脂:マレイン酸変性ポリプロピレン、平均分子量30000、酸価(JIS K0070)52mgKOH/g、融点145℃)
(E4)三井化学株式会社製「ハイワックス NL800」(ベース樹脂:低密度ポリエチレン、平均分子量6400、融点105℃)
(E5)住友化学株式会社製「ノーブレン MPE331」(ベース樹脂:マレイン酸変性ポリプロピレン、平均分子量200000以上)
(E6)住友化学株式会社製「ノーブレン MPE101」(ベース樹脂:マレイン酸変性ポリプロピレン、平均分子量200000以上)
(F1)住化カラー株式会社製「ブラック SPPM−865」(ベース樹脂:ポリプロピレン、顔料としてカーボンブラック濃度14%)
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という。)を次の方法で製造した。
ポリプロピレンブロック共重合体(A1)32重量%と、プロピレン単独重合体(A2)10質量%と、プロピレン単独重合体(A3)10質量%と、
ポリ乳酸樹脂(B1)30質量%と、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C1)5質量%と、エラストマー(D1)13質量%と、
(A1)、(A2)、(A3)、(B1)、(C1)、(D1)の合計量100重量部に対して、耐候性改良剤としてTS−5を0.1質量部、GA80を0.1重量部、イルガフォス 168を0.05重量部を
50mmΦ二軸混練押出機(東芝機械株式会社製TEM50)を用い、シリンダー温度は190℃に設定し、押出量50kg/hr、スクリュー回転数200rpmの条件で、樹脂組成物(1)を製造した。
樹脂組成物(1)のMFR(230℃)は、25g/10分であった。
また、参考例用の樹脂組成物(2)として、「住友化学株式会社製「ノーブレン AZ864」を使用した。
上記樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E1)1質量部を混合し、40mmΦ単軸混練押出機(ナカタニ機械株式会社製VSK40)を用い、シリンダー温度 200℃、スクリュー回転数 150rpmの条件で、実施例1の熱可塑性樹脂組成物を製造した。
該樹脂組成物の光沢度を表1に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E1)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で実施例2の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E1)3質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で実施例3の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E1)5質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で実施例4の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。また、(株)キーエンス製 マイクロスコープ VHX-900を使用して樹脂の表面観察を行った結果を図1に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E1)10質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で実施例5の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E2)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で実施例6の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E3)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で実施例7の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。
酸変性ポリオレフィンワックスや顔料を添加せずに、樹脂組成物(1)のみを使用し、実施例1と同様の手順で比較例1の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E4)1質量部を混合し、実施例1と同様の手順で比較例2の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で比較例3の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。また、アイゾット衝撃強度、曲げ強度、引張強度、ロックウェル硬度及び荷重たわみ温度を測定した結果を表2に示す。また、(株)キーエンス製 マイクロスコープ VHX-900を使用して樹脂の表面観察を行った結果を図2に示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E4)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で比較例4の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E5)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で比較例5の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
樹脂組成物(1)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E6)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で比較例6の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
実施例における樹脂組成物(1)に代わり、樹脂組成物(2)として、ノーブレン AZ864を使用し、樹脂組成物(2)100質量部に対し、顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で参考例1の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
樹脂組成物(2)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E6)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で参考例2の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
樹脂組成物(2)100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックス(E1)1質量部と顔料(F1)4質量部を混合し、実施例1と同様の手順で参考例3の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の光沢度を表1に併せて示す。
Claims (6)
- プロピレン系重合体(A)を10〜88質量%、ポリ乳酸系樹脂(B)を10〜88質量%、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)を1〜50質量%及びエラストマー類(D)を1〜50質量%含有するプロピレン系樹脂組成物と、
分子量が500〜100,000である酸変性ポリオレフィンワックスと、を
含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(但し、プロピレン系重合体(A)、ポリ乳酸系樹脂(B)、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及びエラストマー類(D)の合計量を100質量%とする。) - 前記プロピレン系樹脂組成物と酸変性ポリオレフィンワックスとの含有比が、プロピレン系樹脂組成物100質量部に対し、酸変性ポリオレフィンワックスが、0.5〜10質量部である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 酸変性ポリオレフィンワックスを構成するオレフィンが、エチレンまたはプロピレンである請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 酸変性ポリオレフィンワックスを構成する酸成分が、カルボン酸である請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 顔料をさらに含有する請求項1から4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
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