JP5100643B2 - 大比重防護袋 - Google Patents

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Description

本発明は、水分を供給することにより、袋状構造を有する構成材の内部に配置された高吸水性ポリマーを膨張させ、膨張圧力によって扁平な一定の形態を維持する大比重防護袋に関するものである。
外部から加えられる優勢な外力を食い止めるためには、様々な構築物が利用されて来
た。優勢な外力の内容は様々であるが、例えば飛来する弾丸や破片を遮断ないし阻止する用途には、バリケードなどがコンクリート、金属、土砂、木材等を用いて構築される。特にテロ活動等に対抗しようとする場合には、小火器攻撃に対する抗堪性を備えるために、土嚢を用いてバリケードを築くことが有効であった。また土嚢は、洪水を堰き止めるためにも、従来から用いられて来た。しかし、土嚢を作るには土砂が必要であり、利用可能な土砂が近辺に存在しない市街地では、土砂を使用しない防御策を講じることが求められ
る。
これに対して、使用上、土砂を充填した土嚢と同等の強度を持ち、防弾効果も十分なものを期待することができると称する、防弾用土嚢の考案が実用新案登録第3105887号として提案されており、同考案は、扁平状に形成した袋の中に粉末状の吸水ポリマーを封入したもので、運搬時、保管時において備蓄スペースが狭くて良いという利点を有するとされている。よって、このものは市街地における前記のような要求にも対応することができると考えられる。
しかしながら、同考案では、袋の中に吸水ポリマーを封入し、しかも袋を扁平状に形成して成る、としか記述していないため、扁平状に形成した袋の膨らみ方が問題になる。すなわち、同考案では綿布から成る内袋に吸水ポリマーを封入し、それを麻袋に入れ全体を扁平状にしているので、膨満すると恰もレンズのように中央が最も膨らみ、周囲に向かって徐々に薄い形態となり、袋の厚さは一様ではない。これは同考案公報にも図2に記載されているとおりであり、このような膨満袋を積み重ねると、厚さの不足する袋の端に隙間ができてしまい、弾丸を遮断せず通過させてしまう恐れを生じる。その結果相当量の袋を使用しなければ役に立たない。よって、作業効率が良くない上、多段に袋を積み上げた場合、中央が膨らんだ形状のため不安定となり易く、現実に生命を託す土嚢として不安が残る。
また、上記の考案は、内部の吸水ポリマーの漏れ対策として、内袋に細目の綿布を用いることを記載している。しかし、綿布は水に接触した状態で長期間放置された場合にも、強度を維持するとは言い難いため、細目の綿布にどの程度の耐久性を期待できるか不明という問題がある。特に、防護壁を構築したのち、外力が加わったときにどこまで耐えられるかは、全く未知数である。
なお、この種のものは、水を使用するため、土砂を使用する土嚢に対して、水嚢(すいのう)と呼ばれることがある。そして、水嚢には、形態的、及び、構造的な不満足に加えて、重大な欠点のあることが認識されるようになって来た。それは、水を使用するため全体の比重が水と変わらないということに起因する。水と同等の比重であるから、優勢な水勢により、浮動し易い状態になってしまい、防水堤としては機能が不足するという致命的な欠陥を持つことになる。よって従来の水嚢は、防弾用土嚢としてはともかく、水防用途には使用することができない。発明者は、これらの欠点を改良するために防護袋の研究を行い、本発明のものを開発した。
実用新案登録第3105887号
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、取り扱いが簡単で、誰が取り扱っても確実に数分間で膨張可能であり、防水堤を構築したときに予想される、水勢に対しても有効な大比重防護袋を提供することにある。また本発明の他の課題は、防水用としても、また、防弾用としても有効性の高い大比重防護袋を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は、袋状構造を有する構成材の内部に水分を供給することにより、構成材の内部に配置された高吸水性ポリマーを膨張させ、膨張圧力によって一定の扁平な形態を維持する防護袋であって、内外複数の層を成す構造を取る構成材
と、防護袋を水中に投入したときに、構成材の中央部が荷重で押えられるように、構成材の内部のほぼ中央部に配置した水よりも比重の大きい大比重物質を充填した加重体と、高吸水性ポリマーの所要量を複数個に分割するとともに充填する、水溶性樹脂を材料とした小袋類よりなり、上記加重体の長手方向の両側に配置した収容体と、樹脂繊維を用いて編織したシート材を有する最も内層の構成材とから成るものとするという手段を講じたものである。
本発明に係る大比重防護袋は、袋状構造を有する構成材の内部に配置された高吸水性ポリマーに水分を供給することにより、ゲル状として、高吸水性ポリマーの体積を膨張さ
せ、膨張圧力によって一定の扁平な形態を維持するようにしたものである。高吸水性ポリマーとしては、例えば架橋ポリアクリル酸塩の粉末状のものが良く、これは吸水して膨張する。架橋ポリアクリル酸塩以外の利用可能な高吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)、澱粉・ポリアクリル酸グラフト系ポリマーなどがある。
これらの高吸水性ポリマーは、淡水を使用したときに最も良い膨張性能を示す。淡水以外の水、例えば海水も利用可能であるが、海水を使用する場合には、架橋型ポリアクリル酸系金属塩を90パーセント以上の濃度で、より好ましくは92〜94パーセントの濃度で使用することが望ましい。高吸水性ポリマーは、これまでも紙おむつなどの衛生材用途をはじめとして、農業用、園芸用の土壌保水剤、或いは芳香剤などの用途に使用されているが、本発明において使用することができるものもそれらと同様の高吸水性ポリマーで良い。
高吸水性ポリマーを防護袋内に配置するために、本発明では、高吸水性ポリマーを、水溶性樹脂よりなる収容体内に充填する。その際、1対の防護袋に必要な高吸水性ポリマー所要量を、複数個に分割して構成材の内部に配置するという構成を取る。高吸水性ポリマーを複数個に分散配置したことによって、1個の場合に比較すると、より水分に接し易くなるので、誰が、どのように取り扱っても、確実に最短時間で吸水され、かつ全体として均等に膨張するようになる。
水溶性樹脂よりなる収容体として利用される典型的なものは、例えば、いわゆる水溶紙を使用して形成した小袋又は小箱のような簡単な容器であり、その中に高吸水性ポリマーを充填する構成を取る。高吸水性ポリマーを充填した、小袋又は小箱のような収容体は、複数個を、防護袋の構成材内の、吸水性の良好な位置に配置するものとする。収容体の材料が水溶性樹脂であるため、供給水分によって溶解し、高吸水性ポリマーの膨張を妨げることがない。水溶性樹脂よりなる収容体の分解に必要な性能としては、水分供給開始後数十秒以内、より好ましくは数秒〜十数秒で分解することが望ましい。
そして、本発明では、水よりも比重の大きい大比重物質を充填した加重体を構成材の内部に配置する。加重体は、本発明に係る防護袋が、水勢により、浮動し易い状態になってしまうのを防止するものであるから、原理としては、比重は1よりも大であれば良い。しかし、単に比重が1を越えていれば良いというものではなく、防護袋というものの性質から、例えば、無害であること、安価であることなどの条件が求められる。用済み後、資源ごみとして回収することができればさらに良い。また、比重の大きい方が、水勢などに対向するために効果的であるのは当然としても、膨張後に移動させる可能性や、防護袋の荷重が構造物に及ぶことによる影響を考慮する必要がある場合には、重過ぎるよりは軽い方が良いタイプも考えられる。
このような観点から本発明では、構成材の内部に配置された高吸水性ポリマーを膨張させた使用状態において、防護袋全体の比重が、1.2以上となるように設定することが望ましい。実験により、比重が1.2未満では、水勢に対向する目的を十分に達成することを期待できないと判断されるためである。上限については種々の使用状況が考えられるため、即断するとことはできないが、概ね1.5を越えない程度であることが望ましい。
そして、大比重物質そのものについては、比重が概ね3よりも大であることが望まれ
る。その最大の理由は、比重が3よりも相当小さい場合には、重りとしての効率が良くないからである。後述するように、防護袋の膨張後の容積が約20〜25リットル程度のものである場合には、酸化鉄を主体とする比重が約3.3の物質より成るものであることが最も望ましい。これらの条件を実際の防護袋に当てはめてみる
と、防護袋の膨張後の容積を20リットルとした場合、防護袋1袋の全重量は、比重1.2では24キログラム、比重1.5では30キログラムとなる。後述する例における酸化鉄の比重は約3.3、防護袋全体の比重は1.3、全重量は約26キログラムとなる。
防護袋の構成材は、最小限の1層から、最内層、中間層、最外層の3層のものを含む。構成材の一定の扁平な形態を維持する手段として、畳むと1枚のシート状になる袋の場合には、平坦な表裏2面の間に位置するマチ部のある袋を使用するものとし、このマチ部によって、表裏2面の周囲を囲む十分な厚さの、前後左右の側面を有する扁平な立体を形成することができる。この形態にすると、使用前には場所をとらず、膨張すると恰も切り餅のように扁平になるので、最も、理想に近いと考えられる。マチ部は、防護袋が1枚の構成材だけからなる場合にはその構成材に設けることになるが、後述するように複数枚の構成材からなる場合には、例えばクラフト紙のように最も腰の強い構成材など、その中のどれかに設ければ良い。
上記のように、構成材が内外複数の層を成す構造を取る形態は、強度向上や積み重ね易さなど、様々な方面に好ましい効果をもたらす。その場合、最も内層が、樹脂繊維を用いて編織したものから成り、その外部を、耐水性クラフト紙から成る構成材が覆い、さらにその外部を麻袋もしくはそれとほぼ同等の強度と摩擦を有する外装体で覆った構造を有している多層構造体は、防水用としても望ましい例である。防護袋の外表面をカバーする外装体により、構造強度を高めることができ、また編織組織は、防護袋を積み上げる使用方法において、ずれ止めとなる。また、天然の麻袋のような特性を有していない、合成樹脂袋も使用可能であり、その場合防護袋の扁平な表裏の面に樹脂を塗布したり、強度向上効果及び滑り止め効果を与えたりすることにより有効性を高め、編織組織と同様にする。
本発明の防護袋においては、その構成材として複数枚の耐水性クラフト紙を含む層状構造を適用した場合には、平坦な表裏2面に、全体的に多数の導水孔を形成することができる。クラフト紙は紙として強靭かつ柔軟性があり、さらに耐水性を備えることにより、防護袋としてより好ましいものになる。さらに防護袋の構成材に、合成樹脂繊維を用いて編織したシート材を含む場合には、編織組織が、もう一つの吸水効率向上のための手段を構成する。シート材は編織組織を有するので水分が浸入しやすく良好な供給性が保たれ、かつまた、膨張後には、高吸収性ポリマーの漏れ出ることを防ぐことができる。
加重体は、形態により、比重防護袋の吸水性能に影響を及ぼす。即ち、袋状構造を有する構成材が長方形の正面形状を有する場合、加重体は、上記構成材の長方形の短辺の方向に細長い形態の容器を形成し、その容器に充填する形態とすることが望ましい(図1参照)。このような形態の容器を、袋状構造を有する防護袋の構成材のほぼ中央部に横に配置することにより、構成剤は中央部が荷重で押さえられるため、吸水過程において、防護袋を桶などに溜めた水中に投入すると、図6Bに示すように浮力で両端が持ち上がり、その結果中央部も膨らんでマチ部が開く状態になり、構成材の内部に空間が形成され、吸水性能を向上させることができる。
防護袋は、吸水により膨張したときには、例えば10〜20センチメートル以上の、十分な厚さを有する恰も切り餅のような形状を有する扁平な直方体となるので、安定良く積み重ねることができ、扁平に形成されていることにより、保管及び運搬の便等の面からも好都合である。なお、複数枚の耐水性クラフト紙を含む構成材に形成する導水孔は、膨張した高吸水性ポリマー内部における圧力の逃げ道となると理解され、また、防弾用に設置された場合において、高吸水性ポリマー内に打ち込まれた弾丸の移動経路を誘導するという作用をも有すると考えられる。
防護袋内に、高吸水性ポリマーを分割した複数個の収容体を配置するために、幾つかの方法を取り得る。最も単純には、収容体を防護袋の構成材の内、最も内層の編織組織を有するものの内面に直接接着する方法を取ることができる。また、収容体を収める枠体を最内層の構成材の内面に接着するとともに、収容体を枠体に固定するようにしても良い。その場合、枠体は、高吸水性ポリマーの充填された収容体が圧迫され過ぎないように、周囲に空間の余裕を保持し、供給される水分を空間に呼び込み、水分を高吸水性ポリマーに浸透しやすくする。しかしながら本発明の場合、構成材の内部に加重体を配置することにより、加重体がその周囲に空間を確保する役割を果たし得るので、枠体を用いて固定する手間を省くことができる。
合成繊維より成り、編織組織を有する織布を使用して、防護袋の強度を高める補強手段を形成し、その補強手段を使用して、防護袋の内面を覆うようにすることは望ましい構成である。織布であることは、水分を内部へ浸透させるために望まれる構造であり、それと同時に強靭な構造という条件を満たす。補強手段は1層とは限らず、請求項5記載のように、防護袋本体が3層構造の場合にはそれらの間に各1層ずつ計2層というように、目的とする強度に応じて適宜設定することができる。
補強手段は、クラフト紙の表面にラミネートされたものと、クラフト紙とは独立したチューブ状のものとを含む。補強手段は、防護袋本体の表面にラミネートされ一体化しているものと、耐水性クラフト紙から独立した別体のものとの、異なる2形態を取り得るという趣旨である。防護袋本体の表面にラミネートされ一体化しているものは製袋時に筒型構造となるのでチューブ状である必要はないが、独立した別体のものはチューブ状構造でなければならないのである。
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであり、高吸水性ポリマーの所要量を複数個に分割して構成材の内部に配置したので、高吸水性ポリマーへの水分の供給が速やかかつ平均的に行なわれ、誰が取り扱っても、確実に、数分間で膨張し、膨張したもの
は、水よりも比重が大きく、防水堤を構築したときに、予想される水勢に十分に対抗し得るものであるから、安定した防護性能を得ることができ、防水堤ないし防弾壁を築いたときに、所期の目的を確実に達成することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、防護袋は膨張するとほぼ直方体形の扁平な形態を維持するので、防護袋同士の表裏両面を押し付けて積み重ねると、端部側面同士も密着し、隙間を生じることのない防水堤を構築でき、防水用としても、また、防弾用としても有効性の大変高いものである。
以下、図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る比重防護袋10の1例を示すものであり、高吸水性ポリマーとして、適量の粉末状のものが複数個に分割され、水溶性樹脂より成る水溶紙を使用して形成された、小袋状の収容体11に充填されている。
収容11は、粉末状高吸水性ポリマーを使用時まで水溶紙から成る小袋という形態の中に保持しておくために使用し、水分が供給されると吸水して溶解し、高吸水性ポリマーの膨張が進行するように袋入りのものとして作られているものである。高吸水性ポリマーは、92パーセント濃度の架橋ポリアクリル酸塩を含む粉末状のものから成り、水溶紙に水分が供給され溶解すると、速かに膨張するもので、防護袋10の最も内層の構成材12の内部に、均等に分散して配置されている。
図示の例では、高吸水性ポリマー14は、複数個の収容体11に、適量を分割して充填してあるもので、防護袋10の最も内層の構成材12の内部に配置される、加重体15の長手方向の両側に配置され、符号13で示す接着によって固定されている(図4参照)。このため、収容体11は2分の1ずつ分散配置となり、膨張の均等化に寄与する。なお、図4に例示したように、収容体11と加重体15の周囲には隙間gが形成されているの
で、水分の浸透性も良好になる。
例示されている防護袋10は、膨張後の容積が約20リットルのものであり、この場
合、本発明に係る防護袋10が、水勢により、浮動し易い状態になってしまうのを防止する加重体15として、比重が1よりも大であるところの、粉末状の酸化鉄粉16を樹脂製袋状の容器(非水溶性)に充填したものである。この酸化鉄粉は、比重約3.3であり、防護袋全体の重量は約26キログラムとなり、水勢などに対向するために効果的であるという条件を満たす。さらに、鉄製品の生産過程において産出されたものを使用しているので、安価であること、無害であること、用済み後には資源ごみとして回収することができるという条件を満たし、本発明の用途に好適なものである。
加重体15は細長い形態の袋状の容器に充填されており、その長手方向を、構成材12の長方形の短辺の方向に合せて配置されている。即ち、上記形態を有する容器入りの加重体15は、構成材12の中央部に横に配置し、その内面の1面にのみ、接着等の手段(符号13′で示す。)により固着している。固着位置は、構成材12をほぼ2分するようにその中央部が良い。
例示されている防護袋10は、構成材が内外複数の層を成す構造を取る形態のもので、その最も内層の構成材12は、樹脂繊維を用いて編織した構造を有している(図1、図
4、図5)。例示されている樹脂繊維を用いて編織したものつまり樹脂シートは、ポリエチレン繊維を用いたポリエチレンクロス(PEC)より成り、透水性を発揮するととも
に、吸水しゲル状となった膨張状態の架橋ポリアクリル酸塩より成る高吸水性ポリマーが漏れ出るのを防止する。図1の例において、構成材12は、内外複数の層を成す構成材の内で、最も内層に図示しているが、この構成材12のみでも、本発明に係る比重防護袋10を構成するものである。
例示されている防護袋10の構成材は、以下さらに説明するように、内外複数の層を成す構成材17、25から成る。上記の通り、その内の最も内層12が樹脂繊維を用いて編織したものから成り、その外部を、耐水性クラフト紙から成る構成材17が覆い、さら
に、その最も外部を麻袋もしくはそれとほぼ同等の強度と摩擦を有する外装体よりなる最外層の構成材25で覆った構造を有している。ここにおいて、中間層の構成材17の袋構造が、折り畳み構造のマチ部22を有しており、最内層の構成材12と最外層の構成材
25は、マチ部22に対応した厚みを形成できる寸法のゆとりを有している。
内外複数の層を成す構造において、中間層の構成材17は耐水性クラフト紙から成る、所要量の高吸水性ポリマーに相応したサイズを有しており、例示の場合、層状構造を有する20キログラム用のものである。また例示した耐水性クラフト紙製の中間層の構成材
17は、ポリエチレン繊維より成る織布18を表面(内面)にラミネートした補強手段を有している(図5参照)。上記の織布18が例えば熱溶着によってラミネートされているところの、耐水性クラフト紙の中間層の構成材17を使用し、製筒、製袋工程を経て形成されているものである。織布18の材質はポリエチレンに限らず、ポリプロピレンその他のものも使用することができるが、透水性を確保するとともに、袋全体の強度を増すために、編織構造を有することは必要である。また、編織構造であれば、積み重ねた防護体を固定するために、杭を打ち込んで穴を開けても、穴が塞がれる傾向になるので好都合でもある。
もう一つの補強手段は、中間層の構成材17とは独立した、編織チューブ19である
(図5参照)。この編織チューブ19は、耐水性クラフト紙袋の最内層に配置されてお
り、従って、前述した最内層の構成材12を構成しているところのものも補強機能を有するものに当る。編織チューブ19は筒状構造(チューブ状構造)を有し、筒状構造両端の開口は、製袋工程において封止帯21により閉じられる。なお小袋状の収容体11は、防護袋10を封止帯21によって閉じる前に、(最内層の)構成材12に固着される。編織チューブ19の繊維素材も、前記の織布18と同様にポリエチレンクロス(PEC)、を始めとしてポリプロピレンその他のものを使用することができるが、例示の場合、織布18をフィルムに近い薄さの平面的形態として中間層構成材17への一体性を高めているのに対して、編織チューブ19の繊維素材はより厚く形成されている。
上記の構成を有する中間層構成材17の全体に、高吸水性ポリマーに水分を供給するための導水孔20を多数形成する。導水孔20は、最内層構成材12に固定された収容体配置部の収容体11に対して、ほぼ全方向から速かに水分を供給することができるように平坦な表裏両面の全体にほぼ均等な分布で形成されている。しかし、マチ部側には導水孔
20を設けても良いが、封止帯21に近い両端部には、導水孔20を開けない無孔部23を設定している。無孔部23は導水孔20を枠状に取り囲むように設けられ、導水孔20とともに高吸水性ポリマー内部における圧力の逃げ場を表裏両面に向けるか或いは限定するという機能を果たす。
さらに、防護袋10には、例えば麻袋を最外層の構成材25として組み合わせている。最外層の構成材25は防護袋全体をすっぽりとカバーし得るだけの大きさ及び形状を有しており、端部を除いて2方ないし3方を閉じた袋構造を有するもので、残る端部開口26から、最内層構成材12と中間層構成材17までの防護袋10を内部に収める。最外層の構成材25は、強度向上手段及び滑り止め手段を目的とするもので、他に発泡性樹脂を防護袋の平面部の要所に塗布するとか、或いは防護袋にゴムバンドを掛けるとかいう方法を取ることも可能である。最外層の構成材25として麻袋を使用する場合には、最内層構成材12と中間層構成材17までの防護袋10を内部に収めた後、端部開口26を糸や紐、針金或いはステープル等、適宜の手段によって完全に閉じて置くことが望ましい。
次に、このように構成された本発明の防護袋10の使用方法と効果等について説明す
る。まず、本発明の防護袋10を、加重体15を固着した側が下になるようにして水を張ったタンクに浸漬する(図6A)。すると、防護袋10は中央部下部において加重体15により押さえ付けられているので、浮力により両端部が持ち上がり、中央部も膨らませられることによりマチ部22が開き、防護袋10の内部に空間が形成される(図6B)。そのため防護袋内の空間に水が浸入し易くなり、その結果、収容体11にも迅速かつ十分に水が供給され、非常に速やかに防護袋10が膨張する(図6C)。このようにして、高吸水性ポリマーに水分を供給することで、5〜7分で膨張を完了し、高さ約17センチメートル前後、重さ約26〜27キログラムの防護袋10を得た。図2に、最内層構成材12と中間層構成材17までの膨張した本発明の防護袋10の外観を、また図3は図2の防護袋10を最外層の構成材25でカバーした防護袋10の外観を示している。
膨張した本発明の防護袋10は、恰も切り餅のように扁平だが分厚い直方体を形成しており、端部側面同士を押し付けると、ほぼ密着する。図6は膨張させた本発明の防護袋
10を前後に3列、上下に3段積み重ねて構築した、防水堤の一部分を示している。この防水堤に、水桶を一時に立ち上げて、1メートルの距離から凡そ300リットルを放水
し、水流に対する抗堪性と、湛水性を実験したが、防水堤はびくともせず、また、水も漏れにくく、所期の目的を達成できるものと判断された。
このように本発明の比重防護袋10は、水防用途に十分耐えることができることが証明された。特に、この防護袋10は、扁平かつ分厚い直方体を形成しているため、施工時に取り扱いやすく、構築された防水堤は、臨時構築物として堅固であり、外力に対しても非常に安定したものである。しかも防護袋10は、充填した高吸水性ポリマーが膨張した状態において、ほぼ6ヶ月の間所期の性能を維持することを確認しているので、その間に復旧工事を行なうことが十分に可能である。
また、これを標的として24メートル離れた地点から、M16A1型ライフル銃により弾丸(口径5.56mm、薬量55グレーン)を打ち込んだ。単発で5発打ち込んだところ、全部、本発明の防護袋10に受け止められ、さらに30発を連射したところ、12発は最前列上段から下へ抜け、16発は中間列上段から下へ抜け、2発は最後列上段から下へ抜けるという結果となり、本発明の防護袋列を貫通したものは存在しなかった。さらに図7は、木製パレット上に膨張させた本発明の防護袋10を前後3列、立てて配置し、これを標的として24メートル離れた地点から、M16A1型ライフル銃により弾丸(口径5.56mm、薬量55グレーン)を打ち込んだ射撃試験を示す。20発を連射したが、全部がいずれかの防護袋10に留まり、貫通したものは1発もなかった。なお、これらの銃撃試験は外国において実施した。図7、図8において、12b、16b…などとあるものの数字は、各射撃試験で打ち込んだ弾丸bの数を示している。
加えて、本発明に係る防護袋10は、弾丸に変形も傷も生じさせないという点においても特徴的であるということが判明している。既述のように防護袋10により向きを変えられて下又は上に抜けたものも、十分安全な低速度まで減速されており、弾丸は変形や傷を伴わずほぼ原形のまま回収されるので、銃によって異なる線条痕の確認にも好適である。なお、用済みの防護袋10は、塩化カルシウム等を添加することにより粉体と水に分離させることができ、また、加重体15の酸化鉄粉は、用済み後回収し、資源ごみとなる。
本発明に係る比重防護袋は、特に都市防災における市街地の洪水対策や、地下鉄その他の地下設備に水が浸入するのを防止する手段などとして、広範に利用することがで
き、また、テロ行為や都市ゲリラの攻撃に対抗する防弾壁として使用することができる。特に、土砂の手に入りにくい都市においても、水さえ入手可能であればこれを膨張させ、土のうとして利用することができる。
図1は、本発明に係る比重防護袋の1例を示す分解斜視図であり、図2は、本発明に係る比重防護袋の膨張状態を示す斜視図であり、図3は、図2のものをさらに外装体で覆ったものの斜視図であり、図4は、同上の部分横断面図であり、図5は非膨張状態の比重防護袋の部分拡大断面図であり、図6において、A、B、Cは比重本発明の防護袋における吸水、膨張過程を示す説明図であり、図7は、本発明の比重防護袋の積み重ね状態と射撃試験の例1を示す説明図であり、図8は、同じく例2を示す説明図である。
10 本発明に係る比重防護袋
11 収容体
12 最内層の構成材
14 高吸水性ポリマー
15 加重体
16 酸化鉄粉
17 中間層の構成材
18 織布
19 編織チューブ
20 導水孔
21 封止帯
22 マチ部
23、24 無孔部
25 最外層の構成材

Claims (5)

  1. 袋状構造を有する構成材の内部に水分を供給することにより、構成材の内部に配置された高吸水性ポリマーを膨張させ、膨張圧力によって一定の扁平な形態を維持する防護袋であって、
    内外複数の層を成す構造を取る構成材と、
    防護袋を水中に投入したときに、構成材の中央部が荷重で押えられるように、構成材の内部のほぼ中央部に配置した水よりも比重の大きい大比重物質を充填した加重体と、
    高吸水性ポリマーの所要量を複数個に分割するとともに充填する、水溶性樹脂を材料とした小袋類よりなり、上記加重体の長手方向の両側に配置した収容体と、
    樹脂繊維を用いて編織したシート材を有する最も内層の構成材を具備する
    大比重防護袋。
  2. 構成材の内部に配置された高吸水性ポリマーを膨張させた使用状態において、全体の比重が、1.2以上となるように設定された請求項1記載の大比重防護袋。
  3. 大比重物質は、比重がほぼ3以上である酸化鉄を主体とする物質よりなる請求項1記載の大比重防護袋。
  4. 中間層の構成材は、一定の扁平な形態を維持する手段として、畳むと1枚のシート状になる袋であって、平坦な表裏2面の間に位置するマチ部を有しており、このマチ部によって、表裏2面の周囲を囲む十分な厚さの、前後左右の側面を有する扁平な立体を形成する請求項1記載の大比重防護袋。
  5. 構成材は、内外複数の層を成す構成材から成り、その内の最も内層が、樹脂繊維を用いて編織したものから成り、その外部を、耐水性クラフト紙から成る構成材が覆い、さらにその外部を麻袋もしくはそれとほぼ同等の強度と摩擦を有する外装体で覆った構造を有している請求項1記載の大比重防護袋。
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