JP2004092224A - 浸水被害防止用水のう - Google Patents

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細澤 政彦
Fumihiro Ikeda
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Abstract

【課題】水と接触したときの膨潤を極めて迅速に行い、また膨潤させて水のうとして用いた場合における耐候性を向上させ、もって充分な実用性を発揮し得る新規な浸水被害防止用水のうを提供する。
【解決手段】本発明の水のう1は、通水可能な状態に形成された外部包装体2と、その内部に収納される吸水性ポリマー樹脂Pを含む膨潤剤Mとを具えて成り、使用時には、この膨潤剤Mに水を吸収させることによって、ほぼ外部包装体2の形状になじんだ状態に膨張させ、適宜の重量と体積を有するような状態に形成するものであり、外部包装体2には膨潤剤Mとともに、少なくとも膨潤促進作用と、紫外線バリヤー作用とを奏する補助機能剤Sを充填するようにしたことを特徴とする。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水害等の異常出水時において、各種建物、構築施設等を浸水から保護する水のうに関するものであって、特にその作業性の向上と、長時間の機能維持を図るようにした新規な浸水被害防止用水のうに係るものである。
【0002】
【発明の背景】
近時、都市型災害として、集中豪雨等による異常出水と、それに伴う家屋等への浸水被害が増加する傾向にある。このような異常出水に対して、公共施設等では、予め備えられている土砂を土のう等に詰めて、これを積み上げ、浸水を防ぐ手法が主に採られている。しかしながら、このような対応は、土のう用の土砂を常備しておく必要があり、また土砂を袋詰めする充填作業や、完成した土のうを積み上げる設置作業等に多くの人手を要するものであった。このためこのような手法は、個々の家庭では、いかにも非現実的であり、実際に一般家庭で採られる対策としては、浸水の程度が激しい場合には、高台等に避難し、またそこまでの必要がない場合には、家財道具等を屋内の高い場所に移動させる程度の対応が多かった。
【0003】
ところでこのような家庭レベルでも備蓄を現実的に可能とすること、あるいは公共的な備蓄であっても、迅速に対応できるようにすることを目的として、吸水性ポリマー樹脂を利用し、このものに水分を含ませることにより、一定の重量とカサ(嵩)を得て、上記土のう様機能を奏する水のうが既に提案されている。このような膨潤性水のうは、充填物のストックを特に必要としないこと、未使用状態では水を含んでいないため軽量で搬送が便利であること、使用時には水に浸すだけで水のうとして利用できるため形成作業及び設置作業が簡単に行えること等の点で、相応の評価が得られるものであった。しかしながら、これら従来技術の膨潤性水のうにあっては、専ら吸水性機能が重視された着眼にとどまり、それ以上の実用性を向上するための工夫はほとんどなされていないのが実情であり、例えば膨潤に要する時間が依然として長いことや、膨張後、紫外線破壊ですぐにしぼんでしまうこと等の問題があった。
【0004】
【開発を試みた技術的課題】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、水と接触したときの膨潤を極めて迅速に行い、また膨潤させて水のうとして用いた場合における耐候性を向上させ、もって充分な実用性を発揮し得る新規な浸水被害防止用水のうの開発を試みたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の浸水被害防止用水のうは、通水可能な状態に形成された外部包装体と、その内部に収納される吸水性ポリマー樹脂を含む膨潤剤とを具えて成り、使用時には、この膨潤剤に水を吸収させることによって、ほぼ外部包装体の形状になじんだ状態に膨張させ、適宜の重量と体積を有するような状態に形成して使用する水のうにおいて、前記外部包装体には、少なくとも膨潤促進作用と、紫外線バリヤー作用とを奏する補助機能剤が、前記膨潤剤とともに充填されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、外部包装体には膨潤剤(吸水性ポリマー樹脂)とともに、膨潤促進作用、紫外線バリヤー作用等を奏する補助機能剤が詰められるため、水のうを短時間で吸水膨張させ、また一旦膨張した水のうの形状をより長く維持できる。
【0006】
また請求項2記載の浸水被害防止用水のうは、前記請求項1記載の要件に加え、前記補助機能剤は、吸水性及び保水性を有するシート状もしくはフラッフパルプ状のセルロースファイバーであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、水のうを比較的短時間で膨張させ、また一旦膨張した水のうの縮みを防止する補助機能剤の具体的構成を現実のものとする。
【0007】
また請求項3記載の浸水被害防止用水のうは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記膨潤剤及び補助機能剤は、外部包装体とは別個に市場に供給され得ることを特徴として成るものである。
この発明によれば、膨潤剤や補助機能剤等の内容物を市場に供給する形態が種々採り得る。具体的には、内容物を外部包装体とともに供給する、いわゆるオールインワンタイプはもとより、各地域の自治体や消防団等が既存の土のう用袋を流用する場合に備え、内容物のみで市場に供給する形態も採り得、合理的な対応が採り得る。なお外袋として既存の土のう用袋を使用することで、市場に供給する商品(内容物)の軽量化、低コスト化、保存時の小スペース化等が達成され得るものである。
【0008】
また請求項4記載の浸水被害防止用水のうは、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記外部包装体は、素材がデニム地で形成されるとともに、表面に迷彩模様が施されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、外表部包装体の素材にデニム地が使用されるため、水のうが丈夫であり高強度となる。なお従来の土のう用の外袋は、ほとんどが麻袋であり、この場合には強度的に弱く、また水から出して二週間程度で腐食するものであった。また外部包装体には、迷彩模様が施されるため、インパクトがあり、目立ち易いので、例えば設置した水のうに人が足を取られて転倒するといった二次災害を防止することができる。
【0009】
更にまた請求項5記載の浸水被害防止用水のうは、前記請求項1、2、3、または4記載の要件に加え、前記膨潤剤は、予め透水可能な個装袋に小分け状態に収納されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、膨潤剤が個装袋に小分けされているため、例えば外部包装体内の大きさにバリエーションがあるような場合、外部包装体に入れ込む個装袋の数で対応できるめ、膨潤剤個装袋ひいては水のうの生産性を向上させ得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の浸水被害防止用水のう1は、図1に示すように、予め内部に膨潤剤M(吸水性ポリマー樹脂P)を充填しておき、水害時、これを水に浸してゲル化、膨潤させて使用するタイプのものである。このような形態に因み、この浸水被害防止用水のう1は、流れを持たず、水かさが徐々に増してくる水害を防止するのに適したものであり、主として家屋等への浸水を防ぐ、言わば簡易防災用の水のうである。言い換えれば、例えば河川が堤防を決壊させるような激しい流れを持つ水害の場合には、土砂(主に砂)を詰め込んだ比重の大きい土のうであっても、その水流によって押し流される場合があるため、膨潤剤Mを充填した本発明の水のう1では、このような流れを有した水害の防止には不向きである。
【0011】
なお本実施の形態では、水のう1は、吸水前で縦600±15mm、横320±15mm、高さ8±6mm程度のものであり、これが吸水によって、ほぼ高さ寸法のみを80mm以上に拡大(膨張)させるものである。因みにこの時の水のうの重量は、吸水前が約280g程であり、吸水後が約13.5kg程である(図8参照)。
【0012】
以下本発明を図示の実施の形態に基づいて具体的に説明する。なお本発明の浸水被害防止用水のう1を市場に提供するにあたっては、外袋とともにその内部に膨潤剤Mを充填して供給する、いわゆるオールインワンタイプはもとより、既に各地域の自治体や水防団等が土のう用の外袋(後述する外部包装体2)をストックしており、これを流用する場合を考慮して、主に内容物である膨潤剤Mを外袋なしで提供する外袋不要タイプがあり、それぞれを実施の形態1、2として以下説明する。
【0013】
(1)実施の形態1
実施の形態1の水のう1は、一例として図2に示すように、通水性を有する外部包装体2と、膨潤剤Mである吸水性ポリマー樹脂Pを主成分とする膨潤剤梱包袋3とを具えて成るものであり、使用時に、膨潤剤Mを水と接触させ、適宜の重量と体積を有する状態に膨張させて玄関等に設置し、家屋等への浸水防止を図るものである。なお本発明においては、外部包装体2には、吸水性ポリマー樹脂Pとともに、少なくとも膨潤促進作用と紫外線バリヤー作用を担う補助機能剤Sを充填するものであり、例えば上記図2では、補助機能剤Sをシート状に形成し、吸水性ポリマー樹脂P(膨潤剤梱包袋3)を両側から挟むようにして外部包装体2に収容するようにしている。以下、水のう1の各構成部について説明する。
【0014】
まず外部包装体2について説明する。このものは、水のう1の外表部を構成するものであり、膨潤剤Mの膨張形状を最終的に規制する部位である。外部包装体2は、内部に充填した膨潤剤M(吸水性ポリマー樹脂P)に水を吸わせる必要上、通水可能な状態に形成されるが、膨潤剤Mが吸水によって膨張した後は、外圧が加わっても、吸水した膨潤剤Mを外部に滲み出さないように形成される。本実施の形態では、外部包装体2の素材として、丈夫なデニム地(綿布)が適用され、内部に充填された膨潤剤Mが使用の前後において漏出しないように完全に密閉される。因みにこの密閉にあたっては、例えば図2に併せて示すように、袋状の外部包装体2に膨潤剤梱包袋3と補助機能剤Sとを充填した後、開口端から約30mm程度のところを袋閉じ状態に縫合した後、この縫合カ所で折り返し、この折り返した部分の中央付近を再度縫合して、強固な密閉状態を得ることが可能である。
【0015】
このように本実施の形態では、外部包装体2の素材をデニム地とすることで、水のう1の高強度化を図っている。因みに従来の土のうの外袋(外部包装体2)は、ほとんどが麻袋であり、この場合には水から出して二週間程度で腐食し、また比較的強度が弱いという難点があった。しかしながら、例えば本発明の水のう1を使用するユーザ、例えば水害が予測される地域の自治体や水防団等が、従来の土のう袋を防災倉庫等に保管している場合には、この既存の土のう袋を外部包装体2として使用することが、もちろん可能である(実施の形態2参照)。
【0016】
また外部包装体2には、一例として図2に示すように、表面に迷彩模様が施され、水のう1を目立ち易くし、水中に没した状態でも目視した人にインパクトを与えるようにしている。これによって、例えば水に漬かった水のう1の近辺を人が歩いても、水のう1につまずいて転倒するというような二次災害を防止できる。逆に言えば、従来の土のうは、水、特に泥やゴミ等で浸水が濁っている場合には、目視し難いものであり、歩行中、人が足を取られて転倒する二次災害を起こすことがあった。
【0017】
更に外部包装体2の表面には、一例として図2に併せて示すように、凹凸等の滑り止め部21を形成することが好ましく、実用的には水のうとして使用する際、三段に積み重ねての使用に耐え得る性能を有することが望ましい。もちろん外部包装体2そのものが、例えばゴムネット等、もともと滑り難い材質で形成され、これによって所望の滑り止め効果が得られる場合には、必ずしも凹凸等の滑り止め加工を表面に施す必要はない。
【0018】
また外部包装体2には、積み重ね状態での使用を考慮して、一例として図3に示すような、連結部22を形成することが好ましい。ここでの連結部22は、外部包装体2の高さ部分に鳩目23を有するように形成され、紐、バンド、ワイヤ等の結束線やS字フック(Sカン)等をこの鳩目23に通し、隣合う水のう1同士を連結できるようにしている。これにより、止水のために積み重ねられた水のう1の荷崩れをほぼ完全に防止し得るものである。もちろん連結部22は、必ずしも外部包装体2の高さ部分に設けられる必要はなく、縦部分、横部分等適宜の場所に形成され得るものである。また水のう1の連結は、必ずしも上下、左右のものをつなぐだけでなく、はすに(斜めに)位置するもの同士を連結することも可能である。
【0019】
次に膨潤剤梱包袋3について説明する。このものは、主に膨潤剤M(吸水性ポリマー樹脂P)を包装したものであり、透水可能な状態に形成される。特に本実施の形態では、膨潤剤梱包袋3そのものに、水溶性の紙袋等が適用され、膨潤剤M等はこれに充填された後、密閉される。ここで水溶性の紙袋を適用したのは、水との接触によって溶解させることで、膨潤剤Mの吸水膨張を阻害しないようにするためであるが、梱包袋としては透水可能であれば不織布等適宜のものが適用できる。なおここでは膨潤剤梱包袋3を一つの袋として図示したが、幾つかの小袋に小分け状態にしておき、これを幾つかまとめて外部包装体2に入れるようにしても構わない。
【0020】
また膨潤剤Mとともに外部包装体2に充填される補助機能剤Sは、膨潤剤Mの吸水膨潤を補助・強化する膨潤促進機能と、一旦膨張した膨潤剤Mを紫外線から保護し、その縮みを防止する紫外線バリヤー機能とを主に有するものであり、以下、これら膨潤剤Mと補助機能剤Sとについて更に説明する。
【0021】
膨潤剤Mの実質は、上述したように、水を吸収してゲル化・膨潤する、吸水性ポリマー樹脂Pであり、例えば最大で約370倍程度の膨張倍率を有するものが適用される。また吸水性ポリマー樹脂Pは、一般に粉状もしくは粒状を呈するものであり、一種類のものを単独で使用するほか、例えば膨潤速度等が異なる数種類のものを適宜組み合わせて使用することが可能である。更にこのような吸水性ポリマー樹脂Pとしては、淡水、海水、汚水、濁水いずれに対しても、これを吸水して膨潤するものの適用が望ましい。
【0022】
一方、補助機能剤Sとしては、本実施の形態ではシート状に形成されたセルロースファイバーFが適用される。このセルロースファイバーFは、それ自体でも、吸水性、及び保水性を有し、膨潤剤Mの吸水膨張を補助・促進するものである。なおシート状の補助機能剤S(セルロースファイバーF)は、水のう1の表面積に相当するシート面積であり、膨潤剤Mは、吸水後の水のう1の内部体積に対して、膨潤剤Mの最大膨張倍率(一例として約370倍)以下にとどめ、ポリマー特性維持(例えば収縮防止等)に最適な倍率としている。
【0023】
そして、このように補助機能剤Sを膨潤剤Mとともに外部包装体2に入れることによって、従来の膨潤性水のう(ゲル化水のう)よりも速く膨潤させることができる。一例として本出願人が行った試験では、先に述べた寸法の280gの水のう1をプールの水に漬けて、膨張に要する時間と、水のう1の全重量を測定した結果、水のう1は約3分程度の極めて短い時間で目的の約13.5kg程度に吸水・膨張する試験データが得られた(図8参照)。因みに本図からは、約2分程度でほぼ目的の13.5kg程度に達していることが判る。このように、膨潤が短時間で行えるのは、補助機能剤S(セルロースファイバーF)の介在によって水を外部包装体2に急激に取り込み、膨潤剤Mに均一に伝達し、且つパウダー状の膨潤剤M(吸水性ポリマー樹脂P)同士の付着ないしは接触が適度に阻止され、吸水性ポリマー樹脂Pが容易に水と結び付く状態になっているためと考えられる。もちろんセルロースファイバーF自体にも、水を吸い、これを内部に貯留する補助・強化作用があり、このような作用によっても、膨潤速度の向上が図られるものと推測される。
【0024】
また従来のゲル化水のうは、膨張後、約数時間程度で収縮してしまうのがほとんどであったが、本発明の水のう1は、同条件下において、膨張状態を約数日間、維持させ得ることが、本出願人によって確認されている。これは、上記補助機能剤Sが膨張状態の膨潤剤Mと共に存在することで、紫外線が適度に遮断され、膨潤剤Mに届く紫外線の総量を総合的に減少させているためと考えられる。
そしてこのような膨潤剤Mと補助機能剤Sとの比率、すなわち同一の外部包装体2に充填される両者の割合は、一例として重量%で膨潤剤Mが約80%、補助機能剤Sが約20%である。
【0025】
なおこのような膨潤剤Mや補助機能剤Sとしては、吸水膨張した後、外圧が加わっても、その膨張形状を維持できる性能及び、吸収した水を分離させない性能が要求される。因みに膨張後の水のう1の硬さは、主に膨潤剤M(吸水性ポリマー樹脂P)の含有量や質によって調整することができる。もちろんこのような内容物としては、特に使用後の処理を考慮して、土壌改良剤として撒布できるもの、あるいは有害なガス(ダイオキシン、塩素ガス等)を発することなく乾燥焼却できるものが好ましい。
【0026】
また補助機能剤Sには上述した以外の、他の機能を併せ持たせることが可能であり、これには例えば比重調整機能が挙げられる。これは、吸水性ポリマー樹脂Pが水を吸って膨潤することに因み、水のう1の比重が小さくなる傾向にあるため、これを調整すべく、砂鉄等の比重調整剤を適宜混入するものである。因みに水のうの自重のみで、これを完全に水中に没入させる場合には、水のうの比重は1よりも大きい数値が要求されるが、あまり重いと作業性が悪くなることが懸念される。また本発明の水のう1では、没入状態の水のうの上に、水に漬かっていない水のうを積んで止水を図る形態を一般に採ることから、水のう1の比重は1程度(水とほぼ同程度)に設定している。
【0027】
(2)実施の形態2
この形態は、主に水害が予想される地域の自治体や水防団等が、独自に防災倉庫等に土のう用の外袋をストックしている際、これを外部包装体2として流用する場合に好適な形態である。この形態の水のう1は、既存の土のう用袋を外部包装体2として使用するため、例えば図4に示すように、膨潤剤梱包袋3と補助機能剤Sを中袋4に収納した状態で供給するものである。中袋4は、一例として図4に併せて示すように、ネット袋41が適用される。なおこのネット袋41は、主に吸水膨潤した膨潤剤Mの流出を防ぐものであり、外圧に対する強度は既存の土のう用袋に持たせるものである。なお、このような形態は、充填物を土砂か吸水性ポリマー樹脂Pか水害状況に応じて選択できる利便性がある。
【0028】
なお災害(水害)はいつ起こるか分からないので、上述した商品(供給形態によって異なり、主にオールインタイプの水のう1や内容物である膨潤剤Mを中心とするもの)は、長期保存性が望まれ、例えば倉庫においての保管中、湿気、空気、日光(紫外線)等による品質劣化が懸念される場合には、アルミ外装パックでこのような商品を真空包装することが可能である。
【0029】
【他の実施の形態】
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。まず先に述べた基本の実施の形態では、補助機能剤Sは、シート状に形成されるものであったが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば綿状に叩解したフラッフパルプ状としても構わない。この場合、補助機能剤Sを、膨潤剤Mとともに膨潤剤梱包袋3に混入することが可能であり(図5参照)、この際、膨潤剤Mが水と接触し易いように、膨潤剤M同士が強固に付着ないしは密着しないように補助機能剤Sを混在させることが好ましい。
【0030】
また先に述べた実施の形態では、膨潤剤Mは主に一つの袋に梱包されるように図示したが、例えば図5に示すように、膨潤剤Mは予め複数の小袋(これを膨潤剤小袋3aとする)に分けておき、小分けされたものを幾つかまとめて外部包装体2に詰めることが可能である。この場合、運搬時等における膨潤剤小袋3aの偏在を防ぐために、図5に併せて示すように、膨潤剤小袋3aを幾つかまとめて保持する集合保持体5を用いることが可能である。なお集合保持体5としては、例えば弱化ネット袋51の適用が可能であり、吸水性ポリマー樹脂の吸水膨張を受けて、はち切れる(裂開し得る)ものが好ましい。これは、集合保持体5によって膨潤剤Mの膨張を過度に規制しないためである。
【0031】
なお複数の膨潤剤小袋3aを幾つかまとめて外部包装体2に詰める形態は、必ずしも外部包装体2が一定の大きさでない場合、あるいは外部包装体2の大きさに種々のバリエーションが想定される場合、集合保持体5の大きさ(収納数)を適宜変えることで対応でき、便利である。すなわち膨潤剤小袋3aとしては、常に一定の大きさのものだけを製造すればよく、このため膨潤剤小袋3aひいては水のうの生産が極めて能率的に行える。因みに弱化ネット袋51は、種々のサイズのものが市販されているため、この利用が可能である。
【0032】
もちろんこのような集合保持体5としては、上記弱化ネット袋51のほか、例えば水溶性の板紙52を適用し、これに各膨潤剤小袋3aを水溶性の糊で接着するようにしてもよいし、例えば図6に示すように、各膨潤剤小袋3aを水溶性の板紙52に係止させることも可能である。また水溶性の紙を袋状に形成し、これを集合保持体5とし、この中に膨潤剤小袋3aを入れる形態も可能である。
【0033】
なお上述した集合保持体5は、膨潤剤小袋3aを幾つかまとめて入れる場合であっても、必ずしも必須の構成部材ではない。すなわち例えば図7に示すように、各膨潤剤小袋3aが搬送中等において偏ることがないように、外部包装体2の内側をポケット状に仕切っておき、この中に膨潤剤小袋3aを入れ込み、集合保持体5を別途用いることがないようにすることが可能である。
【0034】
更に、先に述べた実施の形態では、主に膨潤剤Mを包装した膨潤剤梱包袋3を外部包装体2に入れ込む形態であったが、外部包装体2に直接、膨潤剤Mを詰め込むことが可能である。この場合、外部包装体2から膨潤剤Mを流出させないことが前提となる。なおこの場合も、充填した膨潤剤Mが偏らないように、外部包装体2の内側を幾つかの収納部に区画しておくことが好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、膨潤剤M(吸水性ポリマー樹脂P)に加えて、この膨潤を補助・促進する作用、あるいは一旦膨張した吸水性ポリマー樹脂に届く紫外線を減少させ、その収縮を抑制する作用等を担う補助機能剤Sが充填されるため、水のう1を短時間で膨張させ、また一旦膨張した水のう1の膨張形状を長時間に渡って維持できる。
【0036】
また外部包装体2の素材にデニム地を使用することで、水のうを丈夫なものとし高い強度が確保できる。更に外部包装体2の表面に、迷彩模様を施すことで、視る人にインパクトを与え、水のう1自体が目立ち易くなるため、例えば設置した水のう(水に漬かったもの)に人が足を取られて転倒するといった二次災害を防止することができる。
【0037】
また例えば膨潤剤Mや補助機能剤S等の内容物を、ネット袋41等に入れて市場に供給できるようにすることで、例えば既存の土のう用袋が既にあり、これを外部包装体2として流用する自治体等がある場合に対応できる。
【0038】
また、膨潤剤Mを予め少量ずつ個装しておく形態を採ることで、例えば外部包装体2の大きさに様々なバリエーションがあるような場合、膨潤剤小袋3aは常に同じ状態に形成しておき、外部包装体2に入れ込む膨潤剤小袋3aの数で対応できるため、膨潤剤小装3aひいては水のう1が能率的に量産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水のうを積み上げて建物への浸水を防止している状況を示す斜視図並びに側面図である。
【図2】本発明の水のうの膨張前後の様子と、水のうの各構成部材を併せ示す斜視図である。
【図3】連結部を形成した水のうと、その連結状態を併せ示す斜視図である。
【図4】外部包装体を用いずに膨張剤や補助機能剤等の内容物を市場に供給できるようにした形態を示す斜視図である。
【図5】膨潤剤小袋を集合保持体によって幾つかまとめて外部包装体に入れ込むようにした水のうを示す斜視図である。
【図6】集合保持体を水溶性の板紙で形成した水のうの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図7】集合保持体を用いずに、膨潤剤の偏りを防止するようにした他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】膨張前280gの水のうを水に漬けた際、その膨張時間と全重量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1   水のう(浸水被害防止用水のう)
2   外部包装体
3   膨潤剤梱包袋
3a  膨潤剤小袋
4   中袋
5   集合保持体
21  滑り止め部
22  連結部
23  鳩目
41  ネット袋
51  弱化ネット袋
52  水溶性の板紙
F   セルロースファイバー
M   膨潤剤
P   吸水性ポリマー樹脂
S   補助機能剤

Claims (5)

  1. 通水可能な状態に形成された外部包装体と、その内部に収納される吸水性ポリマー樹脂を含む膨潤剤とを具えて成り、
    使用時には、この膨潤剤に水を吸収させることによって、ほぼ外部包装体の形状になじんだ状態に膨張させ、適宜の重量と体積を有するような状態に形成して使用する水のうにおいて、
    前記外部包装体には、少なくとも膨潤促進作用と、紫外線バリヤー作用とを奏する補助機能剤が、前記膨潤剤とともに充填されることを特徴とする浸水被害防止用水のう。
  2. 前記補助機能剤は、吸水性及び保水性を有するシート状もしくはフラッフパルプ状のセルロースファイバーであることを特徴とする請求項1記載の浸水被害防止用水のう。
  3. 前記膨潤剤及び補助機能剤は、外部包装体とは別個に市場に供給され得ることを特徴とする請求項1または2記載の浸水被害防止用水のう。
  4. 前記外部包装体は、素材がデニム地で形成されるとともに、表面に迷彩模様が施されることを特徴とする請求項1、2または3記載の浸水被害防止用水のう。
  5. 前記膨潤剤は、予め透水可能な個装袋に小分け状態に収納されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の浸水被害防止用水のう。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5610366B1 (ja) * 2014-03-27 2014-10-22 岡本 應守 ユニット式防潮壁
CN105780724A (zh) * 2016-03-14 2016-07-20 河北五星电力设备有限公司 一种移动折叠式速凝挡水墙
JP2021025316A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 ベストプロダクツ株式会社 浸水防止シート材

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