JPH0649605Y2 - 吸水性ゲル水のう - Google Patents

吸水性ゲル水のう

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JPH0649605Y2
JPH0649605Y2 JP1989106176U JP10617689U JPH0649605Y2 JP H0649605 Y2 JPH0649605 Y2 JP H0649605Y2 JP 1989106176 U JP1989106176 U JP 1989106176U JP 10617689 U JP10617689 U JP 10617689U JP H0649605 Y2 JPH0649605 Y2 JP H0649605Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、吸水性ゲル水のうに関し、特に、水災現場に
おいて、建物等への水の侵入又は建物等の浸水を防止す
るための吸水用又は堰止め工法用の、それ自体吸水性
で、吸水して水より嵩密度の大きい吸水性ゲル水のうに
関する。
〔従来の技術〕
従来、洪水による堤防の決壊、豪雨等による市街地にお
ける水災現場では、土砂等を用いた土のう(たて70cm、
よこ50cm、重量35〜50kg)を水位に応じた高さに積み重
ねて、建物等への水の侵入を防止する、いわゆる積み土
のう工法が用いられている。
また、ポンプを用いて水のうに充水し、これを連結して
堰を作る、いわゆる連結水のう工法や、予め設置されて
いるガイドレールに板を嵌め込んで堰を作る防水板によ
る方法も使用されている。
また、建物等が浸水した場合、建物に排水設備が備えら
れているときは、その排水設備を活用して排水するが、
排水設備の整っていない建物においては、簡易な排水器
やバケツ等を使用して屋外に排水している。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかし、洪水等の際に、積み土のう工法を使用するに
は、洪水に備えて土のうを備える必要があるが、多量の
土のうを備えるには多くの収納場所及び収容空間を要し
て問題である。また、洪水が起こる危険を察知して土の
うを作るとしても、必要とされる土砂等を早期に水災現
場まで搬送することは困難であり、また、水災現場付近
において、土のうに用いる土砂等を早期に確保すること
は難しい状況にあり、これらの準備に要する時間の遅れ
が結果として被害を大きくする原因ともなっており、問
題とされている。また、十分な量の土砂等を確保して
も、土のうを作製するために多くの人力を必要として問
題である。
また、同様に、連結水のう工法においても、水のうを形
成するに多くの時間が掛かり、その上、水のうを形成す
るためには、のう及び充水用ポンプを水災等に備えて維
持管理しなければならず、さらに多くの保管場所を要し
て問題である。
さらに、防水板による場合にも、予め板の嵌め込み用の
ガイドレールを必要とし、また、板が重く作業に多くの
労力を要し、さらにこれらガイドレールや板の管理維持
に多くの場所を要して問題である。
そこで、水不溶性吸水性樹脂と繊維質物を混合加圧成形
した粒体を通水性の袋内に充填して、水災時等の場合に
使用される土のうが提案された(特開昭62−133204号公
報参照。)。
しかし、このようなゲル水のうは、水災時等におけるそ
の使用の際に、袋内に入れた粉粒状の吸水性樹脂が吸水
して吸水ゲル化し、著しく体積膨張を起こして、嵩比重
が著しく小さくなるので、全体が浮き上がり、土砂等を
入れた土のうと組み合わせて使用する必要があり、依
然、土砂等を必要として問題である。また、粉粒状の吸
水性樹脂が吸水して吸水ゲル化すると、袋に内側から圧
力が掛り、全体的に丸みを帯びるので、積み重ねて使用
する場合に、ゲル土のうとの間の接触面積が少なくな
り、土のうが滑り易くなって問題である。
一方、十分な排水設備を備えた建物等では、浸水した水
を容易に排出できるが、浸水後の清掃及び排水設備の備
わっていない建物等においては簡易な排水器やバケツ等
を使用して屋外に排水処理しなければならない。
本考案は、このような水災等において使用される従来の
土のうの有する問題点を解決することを目的としてい
る。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、水災現場の水を利用して、簡単な作業により
短時間で浸水を防止するための堰止め工法ができ、ま
た、作業に要する労力を軽減することができるような、
吸水した状態で嵩比重が1よりも大きく容易に水中に沈
み得る吸水性ゲル水のうを提供することを目的としてい
る。
即ち、本考案は、通水性のある不織布・紙又は繊維布製
の袋と、当該袋中に収容され、封着部により夫々周囲が
仕切られて複数の区画が形成されている通水性又は可溶
性のフィルムあるいはシート製の袋と、該通水性又は可
溶性のフィルムあるいはシート製の袋の各仕切られた区
画内に収容されている粉状の吸水性樹脂及び比重が3以
上の粉状の比重調節材とを有し、吸水した状態で嵩比重
が1よりも大きいものであることを特徴とする吸水性ゲ
ル水のうをその要旨とするものである。
本考案において通水性のある不織布・紙又は繊維布製の
袋(以下「通水性の繊維布製等の袋」という。)は、少
なくとも表面に多数の凸部を備えているものであること
が好ましい。
この通水性の繊維布製等の袋の外表面に形成される凸部
は、特に、滑り止め用に、即ち、水災時等に使用の際
に、吸水性樹脂が吸水ゲル化により著しく体積膨張を起
こして、袋全体が丸みを帯びても、滑り難くして、積み
重ねて使用することを容易にさせるために形成される。
本考案において、吸水性樹脂と比重調節材とを混合して
一つの通水性の繊維布製等の袋内に収容する場合には、
任意の形状の通水性の繊維布製等の袋内に収容させるこ
とができる。使用される通水性の繊維布製等の袋は、吸
水性樹脂と比重調節材が容易に分離しないように、比較
的断面偏平な形状に形成されるのが好ましい。
本考案においては、通水性の繊維布製等の袋は、全体で
一つの区画又は複数の区画に形成することができる。
また、本考案において、吸水性のゲル水のうは、粉粒状
の吸水性樹脂と比重調節材を通水性の繊維布製等の袋内
に直接入れて形成するか、あるいは、粉状の吸水性樹脂
と比重調節材が、通水性の繊維布製等の外側へ容易に抜
け出ないように、予め通水性又は可溶性のフィルム、あ
るいは、シート製の袋内に入れて通水性の繊維布製等の
袋に収容させて形成することができる。
しかし、吸水性樹脂が吸水時、塊状に固化しがちである
ので、吸水性樹脂の分散を確保するように、通水性又は
可溶性のフィルムあるいは、シート製の袋内に入れて通
水性の繊維布製等の袋に収容させる方が好ましい。この
場合、フィルム又はシート製の袋については、複数の区
画に仕切って形成することができる。
本考案において、吸水性樹脂又は吸水性樹脂と比重調節
材の混合物は、水溶性の接着剤を介して水溶性パルプ紙
及び水溶性フィルムに固定又は挟み込んだものを通水性
の繊維布製等の袋内に装着することができる。
本考案において使用される吸水性樹脂は、単一の吸水性
樹脂を使用することができるが、また、吸水速度の異な
る二種類以上の吸水性樹脂を混合したものを使用するこ
ともできる。
本考案においては、吸水時に均一なゲルを作るために、
使用される吸水性樹脂は、粉状又は粒状のものが使用さ
れる。このような吸水性樹脂としては、瞬間吸水性又は
吸水能の優れる樹脂であれば、如何なる樹脂を使用する
こともできるが、例えば、澱粉・アクリルニトリルグラ
フト共重合体の加水分解物、セルロースアクリル酸グラ
フト共重合体、アクリル酸・ビニルアルコール共重合
体、アクリル酸ソーダ重合体等の吸水性樹脂を使用する
ことができる。殊に、アクリル酸ビニルアルコール共重
合体は吸水能が600倍と高いので好ましく、また、アク
リル酸ソーダ重合体は瞬間吸水性に優れ、1000倍もの大
きな吸収能を有しているので好ましい。
本考案の水のうは、使用時に、吸水性樹脂が吸水して著
しく体積膨張しても、見掛け比重が1より大きくて、水
中に容易に沈むことができるように、比重が比較的大き
い水不溶性の粉粒状の材料が使用される。比重調節材
は、吸水性樹脂のみを袋に入れた場合のゲル水のうの吸
水重量に対して、十分の一以上の重量割合で混合され
る。
一般に、これらの比重調節用の材料は、例えば、比較的
毒性の少ない、重晶石、硫酸バリウム等の比重の大きい
鉱物質材料が使用される。これらの材料は、嵩張らない
ように、比重が3以上、特に4以上であるのが好まし
い。
〔作用〕
本考案においては、吸水性ゲル水のうは、通水性の繊維
布製等の袋に入れられた、通水性又は可溶性のフィルム
あるいはシート製の袋の各仕切られた区画内に粉状の吸
水性樹脂及び比重が3以上の粉粒状の比重調節材を収容
するので、例えば、水災等における浸水場所で水に浸す
だけで、水のう内の吸水性樹脂が短時間で吸水ゲル化
し、土のうと同程度の形状にまで著しく体積膨張する
が、本考案においては、水のう内に、比重が3以上の比
重調節材が配合されているので、このような体積増加に
もかかわらず、比重は1より大きく保たれるので、容易
に水中に沈み、水のうとして、例えば建物の入口等を塞
ぐように配置することにより、入口からの水の侵入を防
ぐことができる。
また、本考案においては、吸水性ゲル水のう中の吸水性
樹脂の、自重の数百倍から千数百倍の水を吸水して体積
膨張を伴ってゲル化する能力を利用して、浸水した水を
吸水させ、ゲル化して膨張した水のうを廃棄することに
よって、浸水後の水を処理することができる。
したがって、本考案の吸水性ゲル水のうは、排水処理材
としても使用できるので、特別に排水設備を要すること
なく、浸水後の水の処理を行うことができる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照して、本考案の実施の態様につい
て説明するが、以下の例示及び説明によって、本考案は
何等限定されるものではない。
第1図は本考案の一実施例について、複数の区画に形成
されていない側の吸水前の状態を示す概略の断面図であ
り、第2図は、第1図の実施例における複数の区画に形
成されていない側の吸水後の状態を示す概略の断面図で
ある。第3図は本考案の別の一実施例における吸水前の
複数の区画に形成されていない側の断面図であり、吸水
性樹脂及び比重調節材を、水溶性パルプ紙又は水溶性フ
ィルムで圧着して板状に加工したものを、通水性の繊維
布製等の袋内に挿入した吸水性ゲル水のうの概略の側断
面図である。第4図は、本考案の別の一実施例を示すも
のであり、吸水性樹脂及び比重調節材を収容して密封さ
れた複数の連続した小袋を備える内側袋を通水性の繊維
布製等の袋内に挿入した吸水性ゲル水のうの概略を示す
側断面図である。第5図は複数の連続した小袋を備える
内側袋の概略を示す平面図であり、第6図は第5図の概
略の側断面図である。第7図は第3図に示される実施例
の吸水性ゲル水のうの吸水後の複数の区画に形成されて
いない側の断面図である。
第8図は、本考案の更に別の一実施例を示すものであ
り、通水性の繊維布製等の袋の端部に折り込み加工を施
した吸水性ゲル水のうの複数の区画に形成されていない
側の断面図であり、第9図は第8図の実施例における吸
水後の複数の区画に形成されていない側の断面図であ
る。第10図は本考案の更に別の一実施例を示すものであ
り、外表面には滑り止め加工が施されて、多くの凸部が
形成されている通水性の繊維布製等の袋を使用した吸水
性ゲル水のうを示す概略の平面図である。第11図及び第
12図は本考案の吸水性ゲル水のうを使用した事例を示す
概略の説明図である。
例1 第1図において、外袋1は通水性のある不織布、紙又は
繊維性の布を用いて、縦45cm、横37cm、の袋状に形成
し、その端部2をミシン縫製等で加工して、一端開放の
袋を作成する。一方、吸水性樹脂の白色粉末のアクリル
酸ソーダ重合体(商標名:スミカゲルN−100)100gを
比重4.499の硫酸バリウム粉1.5kgと混合した。この混合
物3を、通水性のフィルム製の袋4の各区画内に入れ
て、それを水溶性糊により密封し、前記外袋1の内部5
に入れて、開放部をミシン縫製して吸水性ゲル水のうを
製作した。
この吸水性ゲル水のうを水中に投じて吸水性樹脂を吸水
させた。吸水後も水中に沈んだままであり、引き上げて
測定したところ、総重量は15kgであり、吸水量は13.4kg
であり、吸水時の見掛け比重は1.2であった。吸水した
後の水のう内の吸水性樹脂は、第2図に複数の区画が形
成されていない側の断面が示されるように、著しく膨張
しており、その膨張により内側の通水性のフィルム袋4
の封着部が開いていた。
吸水性ゲル水のう中の粉末状の吸水性樹脂は、吸水ゲル
化により体積膨張するために、吸水後、外袋1に内側か
ら圧力が掛かり膨張形状を維持でき、また、外圧が掛か
っても水を分離することがないので、安定して形状を保
つことができた。
このゲル水のうの固さは、水のうの内部の袋4内に入れ
る粉末吸水性樹脂の量を調節することにより調整するこ
とができる。
本例においては、吸水性フィルム製の袋の密封が、水溶
性の糊を使用して行われているが、この密封は他の水溶
性接着剤、あるいは、熱圧着により行ってもよい。
例2 第3図において、例1と同様に作成されたアクリル酸ソ
ーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3を、吸水時に均一
な吸水ゲルを作るため、吸水性・水溶性パルプ紙又はポ
リビニルアルコール製の水溶性フィルム4の各区画内に
散布し、その上に対応して区画が形成されている吸水性
・水溶性パルプ紙又は水溶性フィルム4を重ねてアクリ
ル酸ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3を挟着し
た。
このアクリル酸ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3
を挟着した吸水性・水溶性パルプ紙又は水溶性フィルム
4の挟着体を、外袋1の内部5に挿入して吸水性ゲル水
のうを作製した。
このようにして作製された吸水性ゲル水のうを水中に投
じて吸水性樹脂を吸水させた。吸水後も水中に沈んだま
まであり、吸水した後の外袋1は大きく膨張しており、
吸水性・水溶性パルプ紙又は水溶性フィルム4は溶解し
て、吸水性ゲル材8は、第7図に示されるように、著し
く膨張していた。
例3 第4〜6図において、例1と同様に作製されたアクリル
酸ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3を、吸水時に
均一な吸水ゲルを作るため、六個の小さい区画が形成さ
れている吸水性・水溶性パルプ紙又は水溶性フィルム4
の区画7内に入れ、その上に同様に小さい区画が形成さ
れている吸水性・水溶性パルプ紙又は水溶性フィルム4
を重ねて、アクリル酸ソーダ重合体と硫酸バリウムの混
合物3を区画7に充填した(第5図及び第6図)。
このアクリル酸ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3
を充填した小さい区画を有する吸水性・水溶性パルプ紙
又は水溶性フィルム4の包装体を、外袋1の内部5に挿
入して吸水性ゲル水のうを作製した(第4図)。
この吸水性ゲル水のうを水中に投じて吸水性樹脂を吸水
させた。吸水後も水中に沈んだままであり、吸水した後
の外袋1は大きく膨張しており、吸水性・水溶性パルプ
紙又は水溶性フィルム4は溶解して、吸水性ゲル材は、
夫々の区画で、例1及び例2と同様に著しく膨張してい
た。
本例においては、小さい区画7を形成するために比較的
幅の広い封着部9が加熱封着により形成されているが、
これらの封着部9は、吸水性樹脂の膨張により容易に裂
開するように適宜の封着手段により封着することができ
る。
例4 第8図及び第9図において、例2と同様に、アクリル酸
ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3を、吸水性・水
溶性パルプ紙又は水溶性フィルム6の各区画内に散布
し、その上に対応して区画が形成されている吸水性・水
溶性パルプ紙又は水溶性フィルム6を重ねてアクリル酸
ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3を挟着した。
このアクリル酸ソーダ重合体と硫酸バリウムの混合物3
を挟着した吸水性・水溶性パルプ紙又は水溶性フィルム
6の挟着体を、端部に折り込み部10を有する外袋1の内
部5に挿入して吸水性ゲル水のうを作製した。
この吸水性ゲル水のうを水中に投じて吸水性樹脂を吸水
させた。吸水後も水中に沈んだままであり、吸水した後
の外袋1は大きく膨張しており、吸水性・水溶性パルプ
紙又は水溶性フィルム6は溶解して、吸水性ゲル材は、
第9図に示されるように、著しく膨張していた。
本例においては、第8図に示されるように外袋1の端部
に折り込み部10が形成されているために、膨張した吸水
性ゲル水のうは、折り込みが形成されている側の断面が
概略方形をなしており、積み重ねの際に安定した姿勢で
載置でき、積み重ね作業を行う上で便利である。
例5 第10図には、ゲル水のう形成時に積み重ねて使用する場
合に、ゲル水のうの間の滑りを防止するために、繊維布
製等の袋は、外側表面に凸部が形成されるように加工が
施されている。
第11図及び第12図には、吸水性ゲル水のうを吸水させて
膨張させた後、膨張したゲル水のうを用いて堰止め工法
に使用された事例を示している。
上記何れの例により作製された吸水性ゲル水のうも、水
災害の現場において、水を吸水して短時間で膨張して、
水位よりも高く積み重ねて堰止めを簡単かつ容易に行う
ことができた。かつ、吸水性ゲル水のうは、流水(イ)
の圧力に耐え得るに十分な比重を有するため、土砂等を
用いた土のうを必要とせず、労力を軽減することができ
るものである。
〔考案の効果〕
本考案において、吸水性ゲル水のうは、通水性の繊維布
製等の袋に入れられた、通水性又は可溶性のフィルムあ
るいはシート製の袋の各仕切られた区画内に粉状の吸水
性樹脂及び比重が3以上の粉粒状の比重調節材を収容す
るので、従来の土のうに比して、水災現場において、吸
水性ゲル水のうを、投じるという簡単かつ容易な作業に
よって、一定の強度を有したゲル水のうを形成できる。
したがって、本考案によると、従来の土のうや連結水の
うに比して、建物等への浸水防止のための堰止めを、簡
単かつ容易に行うことにより災害による被害を軽減・防
止することができる。
また、本考案の吸水性ゲル水のうは、従来の土のうと比
べて、吸水前は薄く、かつ、軽量であるため広い保管場
所も不要で、水災時には短時間で、かつ、少ない労力で
水を堰止めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例について、複数の区画に形成
されていない側の吸水前の状態を示す概略の断面図であ
り、第2図は、第1図の実施例における、複数の区画に
形成されていない側の吸水後の状態を示す概略の断面図
である。第3図は本考案の別の一実施例における吸水前
の複数の区画に形成されていない側の断面図であり、吸
水性樹脂及び比重調節材を、水溶性パルプ紙又は水溶性
フィルムを圧着して板状に加工したものを、通水性の繊
維布製等の袋内に挿入した吸水性ゲル水のうの概略の側
断面図である。第4図は本考案の別の一実施例を示すも
のであり、吸水性樹脂及び比重調節材を収容して密封さ
れた複数の連続した小袋を備える内側袋を通水性の繊維
布製等の袋内に挿入した吸水性ゲル水のうの概略を示す
側断面図である。第5図は複数の連続した小袋を備える
内側袋の概略を示す平面図であり、第6図は第5図の概
略の側断面図である。第7図は第3図に示される実施例
の吸水性ゲル水のうの吸水後の複数の区画に形成されて
いない側の断面図である。第8図は、本考案の更に別の
一実施例を示すものであり、通水性の繊維布製等の端部
に折り込み加工を施した吸水性ゲル水のうの複数の区画
に形成されていない側の断面図であり、第9図は第8図
の実施例における吸水後の複数の区画に形成されていな
い側の断面図である。第10図は本考案の更に別の一実施
例を示すものであり、外表面には滑り止め加工が施され
て、多くの凸部が形成されている通水性の繊維布製等の
袋を使用した吸水性ゲル水のうを示す概略の平面図であ
る。第11図及び第12図は本考案の吸水性ゲル水のうを使
用した事例を示す概略の説明図である。 (符号の説明) 1……不織布・紙又は繊維製布により作製された外袋、 2……外袋の端部、 3……吸水性樹脂と比重調節材の混合物、 4……通水性のフィルム製の袋、 5……外袋の内部、 6……吸水性・水溶性パルプ紙・水溶性フィルム、 7……小さい区画、 8……比重調節材を含んだ吸水ゲル、 9……封着部、 10……折り込み部、 11……滑り止め用の凸部、 イ……流水、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−133204(JP,A) 実開 昭63−151523(JP,U) 実開 昭49−48830(JP,U)

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】通水性のある不織布・紙又は繊維布製の袋
    と、当該袋中に収容され、封着部により夫々周囲が仕切
    られて複数の区画が形成されている通水性又は可溶性の
    フィルムあるいはシート製の袋と、該通水性又は可溶性
    のフィルムあるいはシート製の袋の各仕切られた区画内
    に収容されている粉状の吸水性樹脂及び比重が3以上の
    粉状の比重調節材とを有し、吸水した状態で嵩比重が1
    よりも大きいものであることを特徴とする吸水性ゲル水
    のう。
  2. 【請求項2】通水性のある不織布・紙又は繊維布製の袋
    が少なくとも表面に多数の凸部を備えているものである
    ことを特徴とする請求項(1)に記載の吸水性ゲル水の
    う。
  3. 【請求項3】通水性のある不織布・紙又は繊維布製の袋
    が端部に折り込み部を備えるものであることを特徴とす
    る請求項(1)又は(2)に記載の吸水性ゲル水のう。
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