JP5100216B2 - 太陽電池群及びその製造方法、太陽電池群を備える太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池群及びその製造方法、太陽電池群を備える太陽電池モジュール及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成される太陽電池群及びその製造方法、当該太陽電池群を備える太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵に供給される太陽光を直接電気に変換することができるため、新しいエネルギー源として期待されている。
一般的に、太陽電池1枚当りの出力は数W程度である。従って、家屋やビル等の電源として太陽電池を用いる場合には、複数の太陽電池を接続することにより出力を高めた太陽電池モジュールが用いられる。太陽電池モジュールは、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより形成される太陽電池群を備える。
ここで、熱硬化性の樹脂接着剤を用いて配線材を太陽電池に熱接着することにより太陽電池群を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような樹脂接着剤の硬化度が不十分である場合、後工程において配線材が太陽電池からずれることにより、配線材と太陽電池との接続不良が発生するおそれがある。従って、配線材を太陽電池に熱接着した後に、樹脂接着剤の硬化度を確認する必要がある。
しかしながら、一般的な樹脂接着剤は透明であるため、太陽電池の受光面上にはみ出た樹脂接着剤を採取することは容易ではない。このため、太陽電池から配線材を剥がすことにより樹脂接着剤を採取する必要があり、簡便に確認することができない。
一方、硬化度が高くなるほど発色を示す樹脂接着剤を用いることにより、樹脂接着剤を採取することなく硬化度を視認することも考えられる(例えば、特許文献2参照)。即ち、太陽電池の受光面上にはみ出た樹脂接着剤の発色度合いを視認することにより、簡便に樹脂接着剤の硬化度を確認することができる。
特開2005−101519号公報 特開平11−307154
しかしながら、太陽電池の受光面上に発色した樹脂接着剤がはみ出ると、太陽電池の受光面積が小さくなる。その結果、太陽電池の出力が低くなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、配線材を太陽電池に接着するための樹脂接着剤の硬化度を簡便に確認することのできる太陽電池群及びその製造方法、当該太陽電池群を備える太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴に係る太陽電池群は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成された太陽電池群であって、前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池は、主面と、前記主面上において前記配列方向に沿って形成されたバスバー電極とを有し、前記バスバー電極上には、樹脂接着剤が前記バスバー電極に沿って配置され、前記樹脂接着剤上には、前記配線材が前記バスバー電極に沿って配置されており、前記主面の平面視において、前記バスバー電極は、前記配線材の一端から前記主面の端部に向かって延在するバスバー電極延在部を有し、前記樹脂接着剤は、前記バスバー電極延在部上に延在する樹脂接着剤延在部を有していることを要旨とする。
従って、配線材を熱接着した後に、バスバー電極延在部上に延在する樹脂接着剤延在部から硬化された樹脂接着剤を採取し、樹脂接着剤の硬化度を測定することができる。特に、配線材から樹脂接着剤がはみ出たとしても受光面積が減少しないように、樹脂接着剤は透明であることが好ましい。このように透明な樹脂接着剤を用いて配線材を熱接着した場合であっても、バスバー電極延在部上から樹脂接着剤を容易に採取することができる。従って、太陽電池から配線材を剥がして樹脂接着剤を採取する必要がないため、硬化度を簡便に確認することができる。
本発明の第2の特徴に係る太陽電池モジュールは、受光面側保護材と裏面側保護材との間に、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を封止することにより構成された太陽電池モジュールであって、前記複数の太陽電池は、配線材によって互いに接続されており、前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池は、主面と、前記主面上において前記配列方向に沿って形成されたバスバー電極とを有し、前記バスバー電極上には、樹脂接着剤が前記バスバー電極に沿って配置され、前記樹脂接着剤上には、前記配線材が前記バスバー電極に沿って配置されており、前記主面の平面視において、前記バスバー電極は、前記配線材の一端から前記主面の端部に向かって延在するバスバー電極延在部を有し、前記樹脂接着剤は、前記バスバー電極延在部上に延在する樹脂接着剤延在部を有していることを要旨とする。
本発明の第3の特徴に係る太陽電池群の製造方法は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成される太陽電池群の製造方法であって、前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池の主面上に、前記配列方向に沿ったバスバー電極を形成する工程Aと、前記一の太陽電池の前記バスバー電極上に、樹脂接着剤を介して前記配線材を熱接着する工程Bとを備え、前記工程Bでは、前記一の太陽電池が有する前記主面の平面視において、前記配線材の一端から前記一の太陽電池が有する前記主面の端部に向かって前記バスバー電極を延在させ、前記バスバー電極が延在する部分上に前記樹脂接着剤を延在させることを要旨とする。
本発明の第4の特徴に係る太陽電池モジュールの製造方法は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成される太陽電池群を備える太陽電池モジュールの製造方法であって、前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池の主面上に、前記配列方向に沿ったバスバー電極を形成する工程Aと、前記一の太陽電池の前記バスバー電極上に、樹脂接着剤を介して前記配線材を熱接着する工程Bと受光面側保護材と裏面側保護材との間に、前記太陽電池群を封止材によって封止する工程Cとを備え、前記工程Bでは、前記一の太陽電池が有する前記主面の平面視において、前記配線材の一端から前記一の太陽電池が有する前記主面の端部に向かって前記バスバー電極を延在させ、前記バスバー電極が延在する部分上に前記樹脂接着剤を延在させることを要旨とする。
本発明によれば、配線材を太陽電池に接着するための樹脂接着剤の硬化度を簡便に確認することのできる太陽電池群及びその製造方法、当該太陽電池群を備える太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することができる。
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
〈太陽電池モジュールの概略構成〉
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の側面図である。
太陽電池モジュール100は、太陽電池ストリング1、受光面側保護材2、裏面側保護材3及び封止材4を備える。太陽電池モジュール100は、受光面側保護材2と裏面側保護材3との間に、太陽電池ストリング1を封止することにより構成されている。
太陽電池ストリング1は、複数の太陽電池10、配線材11及び樹脂接着剤12を備える。太陽電池ストリング1は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池10を配線材11によって互いに接続することにより構成されている。
太陽電池10は、太陽光が入射する受光面(図面中の上面)と、受光面の反対側に設けられた裏面(図面中の下面)とを有する。受光面と裏面とは、太陽電池10の主面である。太陽電池10の受光面上及び裏面上には集電電極が形成されている。太陽電池10の構成については後述する。
配線材11は、一の太陽電池10の受光面上に形成された集電電極と、一の太陽電池に隣接する他の太陽電池10の裏面上に形成された集電電極とに接合されている。これにより、一の太陽電池10と他の太陽電池10とが、電気的に接続されている。配線材11としては、薄板状或いは縒り線状に成形された銅等の導電材を用いることができる。なお、配線材11には、薄板状の銅等の表面に軟導電体(共晶半田など)がメッキされていてもよい。
樹脂接着剤12は、配線材11と太陽電池10との間に配設されている。即ち、配線材11は、樹脂接着剤12を介して太陽電池10に接合されている。樹脂接着剤12は、共晶半田の融点以下、即ち、約200℃以下の温度で硬化することが好ましい。樹脂接着剤12としては、例えば、アクリル樹脂、柔軟性の高いポリウレタン系などの熱硬化性樹脂接着剤の他、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂に硬化剤を混合させた2液反応系接着剤などを用いることができる。本実施形態では、樹脂接着剤12としてエポキシ樹脂を主成分とする帯状フィルムシート接着剤を用いる。
また、樹脂接着剤12には、導電性粒子が含まれていてもよい。導電性粒子としては、ニッケル、金コート付きニッケル、或いはプラスチックに導電性金属(金など)をコートした粒子を用いることができる。
受光面側保護材2は、封止材4の受光面側に配置され、太陽電池モジュール100の表面を保護している。受光面側保護材2としては、透光性及び遮水性を有するガラス、透光性プラスチック等を用いることができる。
裏面側保護材3は、封止材4の裏面側に配置され、太陽電池モジュール100の背面を保護している。裏面側保護材3としては、PET(Polyethylene Terephthalate)等の樹脂フィルム、Al箔を樹脂フィルムでサンドイッチした構造を有する積層フィルム等を用いることができる。
封止材4は、受光面側保護材2と裏面側保護材3との間に太陽電池ストリング1を封止している。封止材4としては、EVA、EEA、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ等の透光性の樹脂を用いることができる。
なお、以上のような構成を有する太陽電池モジュール100の外周には、Alフレーム(不図示)を取り付けることができる。
〈太陽電池の構成〉
次に、太陽電池10の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、太陽電池10の裏面側の平面図である。
太陽電池10は、図2に示すように、光電変換部20、細線電極30及びバスバー電極40を備えている。
光電変換部20は、受光面(不図示)において太陽光を受けることにより光生成キャリアを生成する。光生成キャリアとは、太陽光が光電変換部20に吸収されて生成される正孔と電子とをいう。光電変換部20は、内部にn型領域とp型領域とを有し、n型領域とp型領域との界面部分で半導体接合が形成されている。光電変換部20は、単結晶Si、多結晶Si等の結晶系半導体材料、GaAs、InP等の化合物半導体材料等の半導体材料などにより構成される半導体基板を用いて形成することができる。なお、光電変換部20は、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン層との間に実質的に真性な非晶質シリコン層を挟み、その界面での欠陥を低減し、ヘテロ結合界面の特性を改善した構造、いわゆるHIT構造を有していてもよい。
細線電極30は、光電変換部20から光生成キャリアを集電する電極である。図2に示すように、細線電極30は、配列方向に略直交する方向に沿ってライン状に形成されている。細線電極30は、光電変換部20の裏面略全域にわたって複数本形成されている。細線電極30は、樹脂材料をバインダーとし、銀粒子等の導電性粒子をフィラーとした樹脂型導電性ペーストを用いて形成することができる。なお、図1に示すように、細線電極は、光電変換部20の受光面上にも形成されている。
ここで、光電変換部20の裏面に形成される細線電極30は、光電変換部20の裏面全面を覆うように形成されていても良い。本発明は、光電変換部20の裏面に形成される細線電極30の形状を限定するものではない。
バスバー電極40は、複数本の細線電極30から光生成キャリアを集電する電極である。図2に示すように、バスバー電極40は、細線電極30と交差するように、配列方向に沿って延びる方向に形成されている。バスバー電極40は、樹脂材料をバインダーとし、銀粒子等の導電性粒子をフィラーとした樹脂型導電性ペーストを用いて形成することができる。なお、図1に示すように、バスバー電極は、光電変換部20の受光面上にも形成されている。
ここで、バスバー電極40の本数は、光電変換部20の大きさなどを考慮して、適当な本数に設定することができる。本実施形態に係る太陽電池10は、2本のバスバー電極40を備える。従って、光電変換部20の受光面上及び裏面上において、複数の細線電極30とバスバー電極40とが格子状に形成されている。
次に、太陽電池10の構成の一例について、光電変換部20の構成に着目して説明する。図3は、図2のA−A断面図である。
図3に示すように、光電変換部20は、ITO膜20a、p型非晶質シリコン層20b、i型非晶質シリコン層20c、n型単結晶シリコン基板20d、i型非晶質シリコン層20e、n型非晶質シリコン層20f及びITO膜20gを備える。
n型単結晶シリコン基板20dの受光面側には、i型非晶質シリコン層20cを介して、p型非晶質シリコン層20bが形成されている。p型非晶質シリコン層20bの受光面側には、ITO膜20aが形成される。一方、n型単結晶シリコン基板20dの裏面側には、i型非晶質シリコン層20eを介して、n型非晶質シリコン層20fが形成される。n型非晶質シリコン層20fの裏面側には、ITO膜20gが形成される。
細線電極30及びバスバー電極40は、ITO膜20aの受光面側及びITO膜20gの裏面側それぞれに形成される。
このような構成の太陽電池10を有する太陽電池モジュール100は、HIT太陽電池モジュールと呼ばれる。
〈太陽電池ストリングの構成〉
次に、太陽電池ストリング1の構成について、図4乃至図6を参照しながら説明する。図4は、図2に示したバスバー電極40に配線材11を接合した状態を示している。図5は、図4のB部分の拡大図である。図6は、図4のC−C切断面におけるB部分の拡大断面図である。
太陽電池ストリング1は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池10を配線材によって互いに接続することにより構成されている。具体的には、図1に示したように、一の太陽電池10の受光面上に形成されたバスバー電極40と、一の太陽電池10に隣接する他の太陽電池10の裏面上に形成されたバスバー電極40とに、樹脂接着剤12を介して配線材11を接合することにより、太陽電池10どうしが互いに電気的に直列接続されている。
樹脂接着剤12は、図4に示すように、配列方向に沿ってライン状に形成されたバスバー電極40上において、バスバー電極40に沿って配置されている。本実施形態では、シート状の樹脂接着剤12の幅を、バスバー電極40の幅よりも大きく形成しているが、バスバー電極40の幅と略同等又は小さくてもよい。
配線材11は、図4に示すように、バスバー電極40に沿って配置された樹脂接着剤12上において、バスバー電極40に沿って配置されている。本実施形態では、配線材11の幅を、バスバー電極40の幅と略同等としているが、バスバー電極40の幅と異なっていてもよい。
以上のように、光電変換部20上には、バスバー電極40と、樹脂接着剤12と、配線材11が順番に配設されている。
ここで、本実施形態では、太陽電池10の裏面側の平面視において、バスバー電極40及び樹脂接着剤12のそれぞれは、配線材11の一端から配列方向に沿って延在する延在部を有している。このような延在部について、以下説明する。
図5及び図6に示すように、バスバー電極40は、配線材11の一端から太陽電池10の裏面端部に向かって延在するバスバー電極延在部40aを有している。同様に、樹脂接着剤12は、配線材11の一端から太陽電池10の裏面端部に向かって延在する樹脂接着剤延在部12aを有している。樹脂接着剤12はバスバー電極40上に配置されるため、樹脂接着剤延在部12aは、バスバー電極延在部40a上に配置されている。
以上のように、樹脂接着剤延在部12a上には配線材11が配設されていないため、樹脂接着剤延在部12aは露出している。
なお、本実施形態では、バスバー電極延在部40aの長さを、樹脂接着剤延在部12aの長さより大きくしているが、それぞれ略同等の長さであってもよい。また、バスバー電極延在部40aと太陽電池10の裏面端部との間に隙間を設けているが、バスバー電極延在部40aは、太陽電池10の裏面端部まで形成されていてもよい。
〈太陽電池モジュールの製造方法〉
次に、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。
まず、n型単結晶シリコン基板20dをアルカリ水溶液で異方性エッチング加工することにより、受光面に微細な凹凸を形成する。又、n型単結晶シリコン基板20dの受光面を洗浄して、不純物を除去する。
次に、CVD法を用いて、n型単結晶シリコン基板20dの受光面側に、i型非晶質シリコン層20c、p型非晶質シリコン層20bを順次積層する。同様に、n型単結晶シリコン基板20dの裏面側に、i型非晶質シリコン層20e、n型非晶質シリコン層20fを順次積層する。
次に、マグネトロンスパッタ法を用いて、p型非晶質シリコン層20bの受光面側に、ITO膜20aを形成する。同様に、n型非晶質シリコン層20fの裏面側に、ITO膜20gを形成する。
次に、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の印刷法を用いて、エポキシ系熱硬化型の銀ペーストを、ITO膜20aの受光面上に所定のパターンで配置する。同様に、エポキシ系熱硬化型の銀ペーストを、ITO膜20gの裏面上に所定のパターンで配置する。銀ペーストは、所定条件で加熱して溶剤を揮発させた後、さらに加熱して本乾燥される。ここで、所定のパターンとは、図2に示したように、配列方向に沿って延びる2本のバスバー電極40と、配列方向と略直交する方向に沿って延びる複数本の細線電極30とに対応する格子状をいう。以上により、太陽電池10が作製される。
次に、バスバー電極40上に、樹脂接着剤12を介して配線材11を熱接着する。この工程では、一の太陽電池10の裏面側の平面視において、配線材11の一端から裏面端部に向かってバスバー電極40を延在させるとともに、バスバー電極40が延在する部分上に樹脂接着剤12を延在させる。即ち、樹脂接着剤12の一部を、配線材11によって覆われないように配置する。
なお、バスバー電極40又は配線材11のいずれか一方に対して樹脂接着剤12を予め仮接着させていてもよい。即ち、バスバー電極40上に樹脂接着剤12を配設した後に配線材11を接合してもよいし、また、樹脂接着剤12が仮接着された配線材11をバスバー電極40上に配設してもよい。
次に、ガラス基板(受光面側保護材2)上に、EVA(封止材4)シート、太陽電池ストリング1、EVA(封止材4)シート及びPETシート(裏面側保護材3)を順次積層して積層体とする。
次に、上記積層体を、真空雰囲気において加熱圧着することにより仮圧着した後、所定条件で加熱することによりEVAを完全に硬化させる。以上により、太陽電池モジュール100が製造される。
なお、太陽電池モジュール100には、端子ボックスやAlフレーム等を取り付けることができる。
〈作用及び効果〉
本実施形態に係る太陽電池ストリング1では、太陽電池ストリング1に含まれる太陽電池10の裏面の平面視において、バスバー電極40は、配線材11の一端から裏面の端部に向かって延在するバスバー電極延在部40aを有し、樹脂接着剤12は、バスバー電極延在部40a上に延在する樹脂接着剤延在部12aを有している。
従って、配線材11を熱接着した後に、バスバー電極延在部40a上に延在する樹脂接着剤延在部12aから硬化された樹脂接着剤を採取し、その硬化度を測定することができる。
また、配線材11から樹脂接着剤12がはみ出たとしても受光面積が減少しないように、樹脂接着剤12は透明であることが好ましい。このように透明な樹脂接着剤12を用いて配線材11を熱接着した場合であっても、バスバー電極延在部40a上から樹脂接着剤を採取することができる。従って、太陽電池10から配線材11を剥がして樹脂接着剤12を採取する必要がなく簡便に測定を行うことができる。
また、バスバー電極40上に配置された樹脂接着剤を採取するため、太陽電池10の光電変換部20を傷つけるおそれも小さい。
〈確認実験1〉
次に、樹脂接着剤12の硬化度が不十分である場合、配線材11と太陽電池10との間に接続不良が発生することの確認実験について説明する。
まず、以下のように太陽電池を作製した。100mm角太陽電池基板の受光面上及び裏面上に、バスバー電極(長さ98mm×幅1.5mm)を裏面端部から1mmずつ内側に形成した。バスバー電極上に、脂環式酸無水物系硬化剤を添加したエポキシ樹脂シート(樹脂接着剤)を配置し、半田メッキ加工した銅箔(配線材)を200℃に加熱することにより熱接着した。その後、積層体(受光面側保護材、封止材、太陽電池ストリング、封止材、裏面側保護材)を真空雰囲気で加熱圧着することによりモジュール化した。
配線材を熱接着した際の加熱時間と、モジュール化工程における不良発生率との関係を表1に示す。表1では、20枚の太陽電池中の不良発生率を示している。なお、モジュール化工程において、配線材と太陽電池とが、目視にて0.5mm以上ずれた場合を接続不良と判断した。
Figure 0005100216
表1に示すように、配線材を熱接着した際の加熱時間(樹脂接着剤の加熱時間)が短いほど、即ち、樹脂接着剤の硬化度が小さいほど、配線材と太陽電池との接続不良発生率が高いことが確認された。
従って、配線材を太陽電池に熱接着した後に、樹脂接着剤の硬化度を確認することによって、配線材と太陽電池との接続不良が発生することを抑制することができる。
〈確認実験2〉
次に、樹脂接着剤のうち配線材とバスバー電極とに挟まれた部分(被覆部)における硬化と、樹脂接着剤のうち配線材によって覆われていない部分(露出部)における硬化とが、加熱時間に対して同様に進行することの確認実験について説明する。
まず、上記確認実験1と同様の太陽電池を作製した。ただし、樹脂接着剤のうち配線材によって覆われていない部分(露出部)を、バスバー電極上に約5mm形成した。
露出部の硬化度及び被覆部の硬化度と加熱時間との関係を表2に示す。なお、硬化度は、未硬化のエポキシ樹脂のIR法によるピーク強度を基準として算出した。
Figure 0005100216
表2に示すように、被覆部における硬化と露出部における硬化とが、加熱時間に対して同様に進行することが確認された。
従って、露出部(樹脂接着剤延在部12a)の硬化度を測定することによって、被覆部(樹脂接着剤12)の硬化度を推測することができる。
なお、被覆部の方が時間的に早く硬化されているのは、配線材とバスバー電極とに挟まれており温度が上がりやすいためである。
〈その他の実施形態〉
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記実施形態では、太陽電池ストリング1に含まれる複数の太陽電池10において、樹脂接着剤12が樹脂接着剤延在部12aを有するように記載したが、いずれか一つの太陽電池10において、樹脂接着剤12が樹脂接着剤延在部12aを有していればよい。
また、上記実施形態では、太陽電池10の裏面において、樹脂接着剤12が樹脂接着剤延在部12aを有するように記載したが、太陽電池10の表面において、樹脂接着剤12が樹脂接着剤延在部12aを有していてもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100の側面図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池10の裏面側の平面図である。 図2のA−A断面図である。 図2に示した裏面上のバスバー電極40に配線材11を接合した状態を示す模式図である。 図4のB部分の拡大図である。 図4のC−C切断面における拡大断面図である。
符号の説明
1…太陽電池ストリング
2…受光面側保護材
3…裏面側保護材
4…封止材
10…太陽電池
11…配線材
12…樹脂接着剤
12a…樹脂接着剤延在部
20…光電変換部
20a…ITO膜
20b…p型非晶質シリコン層
20c…i型非晶質シリコン層
20d…n型単結晶シリコン基板
20e…i型非晶質シリコン層
20f…n型非晶質シリコン層
20g…ITO膜
30…細線電極
40…バスバー電極
40a…バスバー電極延在部
100…太陽電池モジュール

Claims (4)

  1. 配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成された太陽電池群であって、
    前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池は、主面と、前記主面上において前記配列方向に沿って形成されたバスバー電極とを有し、
    前記バスバー電極上には、樹脂接着剤が前記バスバー電極に沿って配置され、
    前記樹脂接着剤上には、前記配線材が前記バスバー電極に沿って配置されており、
    前記主面の平面視において、
    前記バスバー電極は、前記配列方向において、前記配線材の一端から前記主面の端部に向かって延在するバスバー電極延在部を有し、
    前記樹脂接着剤は、前記配列方向において、前記配線材の一端から前記配線材の一端と前記バスバー電極延在部の端部との間まで延在する樹脂接着剤延在部を有する
    ことを特徴とする太陽電池群。
  2. 受光面側保護材と裏面側保護材との間に、配列方向に従って配列された複数の太陽電池を封止することにより構成された太陽電池モジュールであって、
    前記複数の太陽電池は、配線材によって互いに接続されており、
    前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池は、主面と、前記主面上において前記配列方向に沿って形成されたバスバー電極とを有し、
    前記バスバー電極上には、樹脂接着剤が前記バスバー電極に沿って配置され、
    前記樹脂接着剤上には、前記配線材が前記バスバー電極に沿って配置されており、
    前記主面の平面視において、
    前記バスバー電極は、前記配列方向において、前記配線材の一端から前記主面の端部に向かって延在するバスバー電極延在部を有し、
    前記樹脂接着剤は、前記配列方向において、前記配線材の一端から前記配線材の一端と前記バスバー電極延在部の端部との間まで延在する樹脂接着剤延在部を有する
    ことを特徴とする太陽電池モジュール。
  3. 配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成される太陽電池群の製造方法であって、
    前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池の主面上に、前記配列方向に沿ったバスバー電極を形成する工程Aと、
    前記一の太陽電池の前記バスバー電極上に、樹脂接着剤を介して前記配線材を熱接着する工程Bとを備え、
    前記工程Bでは、
    前記一の太陽電池が有する前記主面の平面視において、
    前記配列方向において、前記配線材の一端から前記一の太陽電池が有する前記主面の端部に向かって前記バスバー電極を延在させ、
    前記配列方向において、前記配線材の一端から前記配線材の一端と前記バスバー電極が延在する部分の端部との間まで前記樹脂接着剤を延在させる
    ことを特徴とする太陽電池群の製造方法。
  4. 配列方向に従って配列された複数の太陽電池を配線材によって互いに接続することにより構成される太陽電池群を備える太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池の主面上に、前記配列方向に沿ったバスバー電極を形成する工程Aと、
    前記一の太陽電池の前記バスバー電極上に、樹脂接着剤を介して前記配線材を熱接着する工程Bと
    受光面側保護材と裏面側保護材との間に、前記太陽電池群を封止材によって封止する工程Cとを備え、
    前記工程Bでは、
    前記一の太陽電池が有する前記主面の平面視において、
    前記配列方向において、前記配線材の一端から前記一の太陽電池が有する前記主面の端部に向かって前記バスバー電極を延在させ、
    前記配列方向において、前記配線材の一端から前記配線材の一端と前記バスバー電極が延在する部分の端部との間まで前記樹脂接着剤を延在させる
    ことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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