JP5099172B2 - アンテナユニット及びアンテナシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ダイポールアンテナを有するアンテナユニット及びアンテナシステムに関するものである。
ダイポールアンテナは、例えば、VHF帯の送信アンテナとして適している。このため、ダイポールアンテナは、これまでVHF帯の地上アナログテレビ放送の送信アンテナとして用いられている。従来のVHF帯のテレビ放送用の送信アンテナでは、ダイポールアンテナを4面配置して無指向性を確保しつつ、高さ方向に多段設置したものが一般的である。このようなVHF帯の地上アナログテレビ放送の送信アンテナは、例えば、非特許文献1に記載されている。
清水 保定、写真で学ぶアンテナ、財団法人電気通信振興会、2002年5月27日
従来のテレビ放送用の送信アンテナは、アンテナ1面の重量が約75kgと重く、また、アンテナ1面の幅が1m程度あるため、このようなアンテナを高さ方向に多段に組み付けるためには、巨大な鉄塔が必要であり、ビルなどの屋上に簡易にアンテナを設置したり、小鉄塔に設置したりすることは困難であった。
ただし、テレビ放送用の送信アンテナは、それほど多数設置されるものではないため、アンテナが組み付けられる鉄塔が、巨大であっても許容されていた。
一方、テレビ放送が、地上アナログ放送から地上デジタル放送に移行するのに伴って、VHF帯が他の用途に開放されると、テレビ放送の場合よりも、アンテナを多くの場所に設置することが求められる可能性がある。ところが、上述のように、従来は、巨大な鉄塔にアンテナを組み付けたものしかなく、ビルなどの屋上に簡易にアンテナを設置したり、小鉄塔に設置したりするための技術が存在しなかった。
そこで、本発明は、アンテナシステムを小型化するための新たな技術を提供することを目的とする。
(1)本発明は、複数のダイポールアンテナと、複数の前記ダイポールアンテナを取付支柱の周囲に取り付ける保持部材と、同軸給電線が接続され複数の前記ダイポールアンテナそれぞれに給電を行う給電線接続部とを備えたアンテナユニットであって、複数の前記ダイポールアンテナそれぞれは、第1のアンテナエレメントと、第2のアンテナエレメントと、前記給電線接続部に接続された前記同軸給電線の内部導体と電気的に接続され前記第1のアンテナエレメントに給電する第1端子部と、前記給電線接続部に接続された前記同軸給電線の外部導体と電気的に接続され前記第2のアンテナエレメントに給電する第2端子部と、前記第1端子部から延びている第1平行導体と、前記第1平行導体と平行になって前記第2端子部から延びている第2平行導体と、前記第1平行導体と前記第2平行導体とを短絡している短絡導体とを有していることを特徴とする。
ダイポールアンテナは平衡モードの負荷であるが、このダイポールアンテナに不平衡系である同軸給電線を直接接続すると、伝送モードの違いから不要放射が多く発生し、交叉偏波の成分が大きくなり、所望のアンテナ性能が得られないおそれがある。
そこで、前記本発明は、複数のダイポールアンテナそれぞれにおいて、第1端子部から延びている第1平行導体と、この第1平行導体と平行になって第2端子部から延びている第2平行導体と、第1平行導体と第2平行導体とを短絡している短絡導体とを備えることによって、同軸給電線の内部導体及び外部導体を平衡伝送線路でダイポールアンテナに接続した構成としている。そして、この構成により、交叉偏波を低減し、所望のアンテナ性能を得ることが可能となることが見出された。
この結果、保持部材によって取付支柱の周囲に取り付けられる複数のダイポールアンテナそれぞれと、給電線接続部との間に、従来知られている平衡不平衡変換回路部を設ける必要がなくなるため、例えば複数のダイポールアンテナを給電線接続部に近づけて設置することができ、所望のアンテナ性能を得ながらにして、アンテナユニットの小型化が可能となる。
(2)また、前記アンテナユニットに無指向性が要求される場合は特に、複数の前記ダイポールアンテナそれぞれは、前記アンテナエレメントと電気的に接続された折り返し部を有する折り返しダイポールアンテナであるのが好ましい。そして、折り返しダイポールアンテナの各部の形状や、アンテナエレメントと折り返し部との間隔を調整すれば、ダイポールアンテナのインピーダンスを調整することが可能となり、また、その調整が容易となる。
(3)また、前記第1平行導体及び前記第2平行導体は、前記アンテナエレメントと前記折り返し部との間に配置されており、前記第1平行導体及び前記第2平行導体は前記アンテナエレメントの長手方向と直交する方向に延びているのが好ましい。
この場合、第1平行導体及び第2平行導体は、折り返しダイポールアンテナと同一面上であって、当該折り返しダイポールアンテナの範囲内に設置された構成となり、アンテナユニットの小型化に貢献することができる。
また、交叉偏波の成分を小さくするために、複数のダイポールアンテナ間に、従来知られている平衡不平衡変換回路部を設置すると、その回路部の構成によっては、主偏波の指向性に大きな影響を与えるが、この場合、交叉偏波の成分を小さくすると共に、主偏波の指向性に与える影響を抑えることができる。
(4)また、前記短絡導体による前記第1平行導体と前記第2平行導体との短絡位置は、当該第1平行導体及び当該第2平行導体の長手方向に変更可能である場合、ダイポールアンテナの形状等を変更する以外の手段として、ダイポールアンテナのインピーダンスを調整することができ、VSWRが良好な範囲を有する周波数帯の調整が可能となる。
(5)また、前記保持部材は、複数の前記ダイポールアンテナを、前記取付支柱の中心線を通る仮想鉛直面を挟んで左右対称に配置して取り付けることができ、前記仮想鉛直面を挟んで隣り合う一対の前記ダイポールアンテナの前記第1平行導体同士、及び、前記第2平行導体同士は、当該仮想鉛直面を挟んで左右対称に配置されているのが好ましく、この場合、前記隣り合う一対のダイポールアンテナの指向性を等しくすることができ、水平面の指向性を無指向にしやすくなる。
(6)また、複数の前記ダイポールアンテナそれぞれにおいて、前記第1平行導体と前記第2平行導体とは、前記第1端子部及び前記第2端子部によって構成される給電部を中心として上下対称の配置であるのが好ましく、この場合、ダイポールアンテナ上の電流分布も上下対称となり、効率的な電波放射が可能となる。
(7)また、短絡部材による短絡位置が給電部に近い場合、当該短絡位置が変わるとインピーダンスの変化が大きくなり、インピーダンスの微妙な調整(整合)が難しくなることがある。そこで、前記第1端子部及び前記第2端子部によって構成される給電部から前記短絡導体による短絡位置までの長さは、λ/35(ただし、λは送信電波の波長)以上であるのが好ましい。この場合、ダイポールアンテナのインピーダンスの調整が容易となる。
(8)また、前記第1平行導体と前記第2平行導体との間隔は、λ/6(ただし、λは送信電波の波長)以下であるのが好ましく、この場合、平衡伝送線路となる第1平行導体と第2平行導体とを近づけることができ、平衡不平衡変換回路部(バルン)と同様の機能を効果的に発揮させることができる。
(9)また、前記第1平行導体と前記第1端子部とは単一の部材からなり、前記第2平行導体と前記第2端子部とは単一の部材からなる場合、ダイポールアンテナの組み立てが簡単となる。さらに、第1平行導体と第2平行導体とを近づけることが可能となる。
(10)また、折り返しダイポールアンテナである場合(前記(2)の場合)において、アンテナユニットは、前記折り返し部と前記保持部材との間を接続していると共に、途中部で前記短絡導体を支持している導電性を有した補強部材を備えているのが好ましい。
この場合、折り返し部が補強部材によって保持部材から支えられた構成となり、アンテナの剛性を高めることができ、また、この補強部材は前記短絡部材を支持した状態となるため、当該短絡部材を補強することもできる。また、この補強部材が導電性を有していることにより、ダイポールアンテナが、当該補強部材及び保持部材を介して、取付支柱に電気的に接続された状態となることができ、アンテナの耐雷特性が良好となる。
(11)本発明は、複数のアンテナユニットを、取付支柱の高さ方向に並べて設けたアンテナシステムであって、前記アンテナユニットは、前記(1)から(9)のいずれか一項に記載のアンテナユニットであることを特徴とする。
本発明によれば、各アンテナユニットは小型化されるため、アンテナシステムも小型化が可能となる。また、複数のアンテナユニットを取付支柱の高さ方向に並べて多段化しており、利得を高くすることができる。
本発明によれば、小型化したアンテナユニット及びアンテナシステムが得られる。
建物の屋上に設置されたアンテナシステムを示す斜視図である。 複数のアンテナユニットへの主給電線の配線を示す図である。 アンテナユニットの斜視図である。 折り返しダイポールアンテナの一部を示した斜視図である。 図3の右側にある折り返しダイポールアンテナの側面図である。 アンテナユニットを上から見た断面図である。 アンテナユニットの一部を示している正面図である。 分岐導体を用いた平衡不平衡変換回路部を示している説明図である。 本実施形態のダイポールアンテナに対応した構成の模式図である。 本実施形態のアンテナの水平面指向性を示しているグラフである。 比較例の構成による水平面指向性を示しているグラフである。 周波数とVSWRとの関係を示しているグラフである。 短絡位置とインピーダンスの変化との関係を示すポーラチャートである。 取付支柱を座標中心とする水平面のXY直交座標系を示す図である。 アンテナユニットの他の実施形態を示している斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.アンテナシステムの全体構成]
図1は、本発明に係るアンテナシステム1を、建物Bの屋上に設置した例を示している。このアンテナシステム1は、VHF帯の垂直偏波無指向アンテナであり、利得を高くするため、取付支柱2の高さ方向に、複数のアンテナユニット3を設けて構成されている。
前記取付支柱2は、直径が40〜114.3mm程度であって、高さが5〜6m程度の円柱状の金属性ポールであり、従来のテレビ用鉄塔に比べて小型化されている。なお、支柱の形状は円形に限定されず、四角柱などであってもよい。
この支柱2は、複数の分割支柱2a,2bを高さ方向に接続して構成されている。したがって、複数の分割支柱2a,2bを分離させた状態で、アンテナシステムの設置現場まで運搬することが可能である。
図1に示す本実施形態では、アンテナユニット3は、取付支柱2に上下方向4段(4個)設けられている。図2にも示すように、アンテナシステム1は、無線機(送受信機)4の給電線端子(同軸ケーブル端子)4aから各アンテナユニット3の間を並列的に接続する給電線(主給電線)5a,5b,5c,5dを有している。これらの主給電線5a,5b,5c,5dは、それぞれ、同軸給電線(以下、同軸ケーブルともいう)によって構成されている。なお、主給電線5a,5b,5c,5dのうちの一つを用いて代表して説明する際、主給電線の符号を5とする。
複数の主給電線5a,5b,5c,5dは、これら複数の主給電線5a,5b,5c,5dの一端側をまとめて無線機4の給電線端子4aに接続するための無線機側端部(アンテナシステムの入力原点)6eと、各主給電線5a,5b,5c,5dの他端側を、複数のアンテナユニット3それぞれに設けられた給電線接続部(同軸ケーブル端子)35に接続するためのアンテナユニット側端部6a,6b,6c,6dと、を備えている。なお、本実施形態では、入力原点6eから、複数の主給電線5a,5b,5c,5dが、スター型(放射状)に延びているが、入力原点6eから1本の主給電線が延び、その先で、2本の主給電線に分岐し、その2本の主給電線がさらにそれぞれ2本に分岐して計4本の主給電線となるトーナメント型であってもよい。
[2.アンテナユニットの構成]
各アンテナユニット3は、図3に示すように、複数(本実施形態では2個)の折り返しダイポールアンテナ31,32を有している。折り返しダイポールアンテナ31,32は、それぞれ、平行に配置されたダイポール本体部31a,32aと、折り返し部(折り返しエレメント)31b,32bと、を有している。ダイポール本体部31a,32aと、折り返し部31b,32bとは、その長手方向両端側(上下両端)において、接続部(第1の接続部材)31c,32cを介して、接続されている。
なお、ダイポール本体部31a,32a、折り返し部31b,32b、及び接続部31c、32cは、アルミ、真鍮等の銅合金、又は鉄などの金属材料(導電体)の棒材又は板材よりなる。
この折り返しダイポールアンテナ31,32の長手方向(上下方向)の長さは、0.37λ(ただし、λは送信電波の波長)の長さに設定されている。例えば、VHF帯である214MHzの場合、波長λ=約1400mm(1400.9)であるから、折り返しダイポールアンテナ31,32の長手方向の長さは、520mm程度となる。
各折り返しダイポールアンテナ31,32は、長手方向が、垂直方向(鉛直方向)に向けられており、それぞれ垂直偏波アンテナとして機能する。
前記ダイポール本体部31a,32aは、それぞれ、長手方向中央(上下方向中央)に給電部31d,32dを有している。
図3では左側の給電部31dは、主給電線側と接続される一対の第1と第2の端子部31d−1,31d−2が、ダイポール本体部31aの長手方向に間隔を持って配置されることで構成されている。そして、右側の給電部32dは、主給電線側と接続される一対の第1と第2の端子部32d−1,32d−2が、ダイポール本体部32aの長手方向に間隔を持って配置されることで構成されている。
したがって、ダイポール本体部31a,32aは、それぞれ、給電部31d,31dを挟んで、長手方向一方側にある第1のアンテナエレメント31a−1,32a−1と、長手方向他方側にある第2のアンテナエレメント31a−2,32a−2とを有している。
第1のアンテナエレメント31a−1,32a−1及び第2のアンテナエレメント31a−2,32a−2それぞれは、接続部31c,32cを通じて、折り返し部31b,32bに電気的に接続されている。
そして、第1のアンテナエレメント31a−1,32a−1の第2のアンテナエレメント31a−2,32a−2側端部には、前記第1端子部31d−1,32d−1が設けられ、第1のアンテナエレメント31a−1,32a−1と第1端子部31d−1,32d−1とは電気的に接続されており、第2のアンテナエレメント31a−2,32a−2の第1のアンテナエレメント31a−1,32a−1側端部には、第2端子部31d−2,32d−2が設けられており、第2のアンテナエレメント31a−2,32a−2と第2端子部31d−2,32d−2とは電気的に接続されている。
第1端子部31d−1,32d−1と第2端子部31d−2,32d−2との間には、絶縁部材(合成樹脂材)31e,32eが取り付けられている。絶縁部材31e,32eが設けられていることにより、第1端子部31d−1,32d−1と第2端子部31d−2,32d−2との間で間隔が確保されつつも、ダイポール本体部31a,32aそれぞれは1本の連続した棒状となり、また、折り返しダイポールアンテナ31,32全体としては、開放部が存在しない閉じたループ状となり、簡易な構造で高い強度が得られる。
また、絶縁部材31e,32eと、折り返し部31b,32bの長手方向中央部31h,32hとの間には、補強部材(第2接続部材)31f,32fが設けられている。この補強部材31f,32fは、ダイポール本体部31a,31bなどと同様にアルミ、真鍮等の銅合金、又は鉄などの金属材料(導電体)の棒材又は板材よりなり、折り返しダイポールアンテナ31,32の長手方向中央部31h,32hにおいて折り返し部31d,32dと直角に配置され、電気的に接続されている。
この補強部材31f,32fによって折り返しダイポールアンテナ31,32全体の強度が更に向上すると共に、後にも説明するが、補強部材31f,32fは、金属材料(導電体)の棒材や板材よりなる保持部材33を介して、取付支柱2と電気的に接続されており、避雷機能を有している。
なお、補強部材31f,32fは、導電性であるが、折り返しダイポールアンテナ31,32の長手方向中央に位置するため、補強部材31f,32の存在がアンテナ性能に与える影響は少ない。
前記絶縁部材31e,32eには、保持部材33が取り付けられており、この保持部材33は第1と第2の折り返しダイポールアンテナ31,32を保持している。
保持部材33は、2個の折り返しダイポールアンテナ31,32を一体的に固定して、アンテナユニット3を一体的に取付支柱2に取り付けるためのものである。本実施形態では、保持部材33は、取付支柱2に取り付けられた状態において水平方向(横方向)に延びる棒状の部材であり、その長手方向両端に折り返しダイポールアンテナ31,32の絶縁部材31e,32eが取り付けられている。
したがって、保持部材33によって、アンテナユニット3が取付支柱2に取り付けられたときに、複数の折り返しダイポールアンテナ31,32は、取付支柱2の周囲に取り付けられていると共に、取付支柱2の略同じ高さに位置する。なお、保持部材33は、例えば、溶接や、ボルト(Uボルト)等の締結具によって、取付支柱2に固定される。
金属製である保持部材33は、絶縁部材31e,32eを介して折り返しダイポールアンテナ31,32に取り付けられているため、保持部材33は、ダイポール本体部31a,31bに対して電気的に絶縁状態にあり、アンテナ性能への悪影響が回避されている。
また、補強部材31f,32fは、その長手方向一端側が、折り返し部31b,32bの長手方向中央部31h,32hに電気的(DC的)に接続されているとともに、その長手方向他端が、保持部材33に電気的(DC的)に接続されている。そして、保持部材33は、取付支柱2に取り付けられたときに、取付支柱2の金属製の部分に接触するため、補強部材31f,32fは、取付支柱2に接地された状態となる。このため、折り返しダイポールアンテナ31,32は、補強部材31f,32f及び保持部材33を介して、取付支柱2に電気的に接続され、当該取付支柱2に接地されていることになる。これにより、耐雷特性が良好となる。
図4は、左右の折り返しダイポールアンテナ31,32の一部を示した斜視図である。なお、この図4では、説明のために、第1のアンテナエレメント31a−1,32a−1を第1端子部31d−1,32d−1から取り外した状態としている。左右の折り返しダイポールアンテナ31,32は、左右対称ではあるが、同じ構成であるため、代表して図3の右側にある折り返しダイポールアンテナ32について説明する。図5は、右側にある折り返しダイポールアンテナ32の側面図である。
折り返しダイポールアンテナ32は、第1のアンテナエレメント32a−1に給電する前記第1端子部32d−1を有しており、この第1端子部32d−1は、前記給電線接続部35に接続された主給電線(同軸ケーブル)5の内部導体5iと、後に説明する給電ユニット34の内部導体34iを介して、電気的に接続されている。
また、この折り返しダイポールアンテナ32は、第2のアンテナエレメント32a−2に給電する前記第2端子部32d−2を有しており、この第2端子部32d−2は、前記給電線接続部35に接続された主給電線(同軸ケーブル)5の外部導体5oと、後に説明する給電ユニット34の外部導体34oを介して、電気的に接続されている。
さらに、折り返しダイポールアンテナ32は、前記第1端子部32d−1から、給電線接続部35と離れる方向へと、延びている第1平行導体12aと、この第1平行導体12aと平行になって第2端子部32d−2から延びている第2平行導体12bと、これら第1平行導体12aと第2平行導体12bとを短絡している短絡導体12cとを有しており、第1平行導体12bと第2平行導体12bとにより平衡伝送線路を構成している。
第1平行導体12aと第2平行導体12bとは同じ形状(同じ断面形状であり同じ長さ)であり、また、本実施形態では、図4に示しているように、第1平行導体12aと第1端子部32d−1とは単一の部材からなり、第2平行導体12bと第2端子部32d−2とは単一の部材からなり、ダイポールアンテナ32の組み立てを容易としている。
直線部材である第1平行導体12aは、第1のアンテナエレメント32a−1と折り返し部32bとの間に配置されており、直線部材である第2平行導体12bは、第2のアンテナエレメント32a−2と折り返し部32bとの間に配置されている。そして、これら第1平行導体12a及び第2平行導体12bは、第1及び第2のアンテナエレメント32a−1,32a−2の長手方向と直交する方向に延びている。
第1平行導体12a、第2平行導体12b及び短絡導体12cは、ダイポール本体部32aなどと同様にアルミ、真鍮等の銅合金、又は鉄などの金属材料(導電体)よりなる。
また、短絡導体12cは、同一直線上に配置されている第1及び第2のアンテナエレメント32a−1,32a−2の長手方向と平行な方向に向けられた直線部材であり、第1及び第2のアンテナエレメント32a−1,21a−2と折り返し部32bとの間に配置されている。
このため、図4に示しているように、補強部材32fには孔(長孔)32gが形成されており、短絡導体12cはこの孔32gを通過している。この構成により、短絡部材12cは、孔32gに沿って移動可能であると共に、補強部材32fの途中部で支持された状態となる。また、短絡導体12cと補強部材32fとは接触しており電気的に接続された状態にある。
この折り返しダイポールアンテナ32によれば、第1平行導体12a、第2平行導体12b及び短絡導体12cは、当該折り返しダイポールアンテナ32と同一面上であって、当該折り返しダイポールアンテナ32の範囲内(枠内)に設置された構成となり、アンテナユニットの小型化に貢献することができる。
また、後に説明するが、第1平行導体12a、第2平行導体12b及び短絡導体12cによって、主給電線(同軸ケーブル)5の内部導体5i及び外部導体5oを、平衡伝送線路でアンテナ32に接続した構成となるため、平衡不平衡変換回路部(バルン)と同様の機能を有することができる。
また、本実施形態では、短絡導体12cは位置変化可能に構成されており、短絡導体12cによる、第1平行導体12aとの短絡位置12a−1、及び、第2平行導体12bとの短絡位置12b−1を、当該第1平行導体12a及び当該第2平行導体12bの長手方向に変更することができる。このために、第1平行導体12a及び第2平行導体12bには、長孔12a−2及び長孔12b−2が形成されており、短絡導体12cの両端部が、これら長孔12a−2,12b−2に沿って移動可能となっている。
さらに、短絡導体12cは、その両端部が例えばねじ部材によって締め付けられることで、第1平行導体12a及び第2平行導体12bに固定され、短絡導体12cは、第1平行導体12a及び第2平行導体12bに位置決めされ、また、このねじ部材を緩めることで移動可能となる。
なお、本実施形態では、短絡導体12cは、第1平行導体12a及び第2平行導体12bに沿って連続的に位置変化することができる構成としたが、長孔12a−2,12b−2の代わりに、図示しないが、間欠的に独立孔を形成し、短絡導体12cを、段階的に位置変化させることのできる構成であってもよい。
このように、短絡導体12cを移動させることで、後にも説明するが、折り返しダイポールアンテナ32のインピーダンスを調整することができる。
このように、短絡導体12cを給電部32dに近づけたり離したりできるが、給電部32dに近づけすぎないように構成するのが好ましい。具体的に説明すると、例えば、使用周波数が214MHzである場合(波長λは約1400mm)、第1平行導体12aと第2平行導体12bとによる平衡伝送線路の端部(給電部32dと接続されている端部)から、短絡導体12cによる短絡位置12a−1,12b−1までの長さL(図5参照)は、λ/35(40mm)以上であるのが好ましい。
これは、短絡導体12cが本実施形態のように移動可能であっても、固定型であっても同様である。なお、図3の実施形態では、前記長さL(図5参照)の最大値は、短絡導体12cが折り返し部32bに接触しない位置として制限されるが、長さLの最大値は、短絡部材12cが折り返し部32bに接触する位置までとすることができる。
また、前記長さLの最大値を得るためには、第1平行導体12aと第2平行導体12bとを折り返し部32bに接触するまで延長すればよい。なお、短絡部材12cを移動させるための長孔(長孔12a−2、長孔12b−2、及び長孔32g:図4参照)は、折り返し部32bまで延長して形成される。そして、短絡部材12cを取り外し可能である構成とし、当該短絡部材12cを取り外した場合に、前記長さLの最大値を得ることができる。つまり、この場合、折り返し部31bの一部が、短絡部材12cを兼ねることとなる。
つまり、第1平行導体12aの第1端子部32d−1側の端部から短絡導体12cによる短絡位置12a−1まで距離(長さL)が、λ/35(40mm)未満とならないように、またこれと同様に、第2平行導体12bの第2端子部32d−2側の端部から短絡導体12cによる短絡位置12b−1まで距離(長さL)が、λ/35(40mm)未満とならないように、図4の長孔12a−2,12b−2(又は孔32g)の端部位置が設定されている。なお、この構成の技術的意義については、後に説明する。
また、図5に示しているように、第1平行導体12aと第2平行導体12bとは、第1端子部32d−1及び第2端子部32d−2によって構成されている給電部32dを中心として上下対称の配置にある。つまり、第1平行導体12aと第2平行導体12bとは、折り返しダイポールアンテナ32の長手方向(上下方向)の中心点を通る水平面を挟んで、上下対称の配置である。なお、補強部材32fは、前記水平面上に沿って配置されている。この構成によれば、折り返しダイポールアンテナ32における電流分布が上下対称となり、効率的な電波放射が可能となる。
さらに、本実施形態では、第1平行導体12aと第2平行導体12bとの上下方向の間隔が、λ/6以下となるようにして、当該第1平行導体12aは第1端子部32d−1から延びており、当該第2平行導体12bは第2端子部32d−2から延びている。これにより、平衡伝送線路となる第1平行導体12aと第2平行導体12bとを近づけることができ、前記のとおり、平衡不平衡変換回路部(バルン)と同様の機能を効果的に発揮させることができる。
なお、本実施形態では、第1端子部32d−1(第2端子部32d−2)と第1平行導体12a(第2平行導体12b)とは同一面上に配置した構成であるが、第1平行導体12aと第2平行導体12bとを近づけることが困難である場合、第1端子部32d−1(第2端子部32d−2)と第1平行導体12a(第2平行導体12b)との間に上下方向に段差(折り曲げ部)を設けて、近づけてもよい。
図6は、アンテナユニット3を上から見た断面図である。2つの折り返しダイポールアンテナ31,32は、前記保持部材33によって、取付支柱2の中心線Oを通る仮想鉛直面Fを挟んで左右対称に配置された状態として、当該取付支柱2に取り付けられている。
そして、この仮想鉛直面Fを挟んで左右に隣り合う一対の折り返しダイポールアンテナ31,32の、左右の第1平行導体11a,12a同士は、当該仮想鉛直面Fを挟んで左右対称に配置されており、第2平行導体同士11b,12bは、当該仮想鉛直面Fを挟んで左右対称に配置されている。
この構成によれば、隣り合う一対の折り返しダイポールアンテナ31,32の指向性を等しくすることができ、水平面の指向性を無指向にしやすくなる。なお、左右の短絡導体11c,12cの配置は、図6ではX軸方向に位置調整されるため、仮想鉛直面Fを挟んで左右対称とならない場合がある。
[2.1 アンテナユニットの給電ユニットの構成(第1の形態)]
図7は、アンテナユニット3の一部を示している正面図である。アンテナユニット3は、2個の折り返しダイポールアンテナ31,32にそれぞれ給電するための給電ユニット34を、アンテナ31,32間に備えている。
給電ユニット34は、無線機4(図1参照)から延びる主給電線(同軸ケーブル)5のアンテナユニット側端部6が接続される給電線接続部35と、この給電線接続部35から分岐して複数のダイポールアンテナ31,32それぞれの給電部31d,32dに並列的に延びる分岐給電線36と、を有している。この給電線接続部35に主給電線(同軸ケーブル)5が接続されることにより、前記分岐給電部36と共同して、折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれに給電を行うことができる。
本実施形態では、一つのアンテナユニット3は、2つのダイポールアンテナ31,32を有しているが、これらダイポールアンテナ31,32のための共通の給電線接続部35を有しているため、無線機4から並列的に延びた給電線(主給電線)としては、ダイポールアンテナ31,32の全数に応じた本数(本実施形態では8本)が必要なわけではなく、アンテナユニット3の全数に応じた本数(本実施形態では4本)があれば足りる。
主給電線5が同軸ケーブルであるため、給電線接続部35は、当該同軸ケーブルの接続端子(アンテナユニット側端部6)が接続可能な同軸端子35aを有しているとともに、当該同軸端子35aから分岐給電線36に延びる主幹給電線35bを有している。この主幹給電線35bは、同軸ケーブル5と同様に内部導体及び外部導体を有しており、これらの内部導体及び外部導体が同軸状に配置された同軸管として形成されている。主幹給電線35bの内部導体及び外部導体には、主給電線5の内部導体及び外部導体が、同軸端子35aを介して接続される。
この主幹給電線35bのインピーダンスは、主給電線5のインピーダンスと略一致するように設定されており、例えば、主給電線5のインピーダンスが50Ωであれば、主幹給電線35bも50Ωとされている。したがって、主幹給電線35bと主給電線5とはインピーダンス整合がとれており、これらの間に整合トランスは不要である。このため、主幹給電線35bは、波長に関係なく短くでき、取り付けに必要な最低限の寸法まで短くすることができる。なお、一般的に、同軸ケーブルのインピーダンスは、50Ωか75Ωである。
前記分岐給電線36は、分岐部37を介して、前記主幹給電線35bから二股分岐している。分岐給電線36は、第1折り返しダイポールアンテナ31側へ分岐する第1分岐給電線36aと、第2折り返しダイポールアンテナ32側へ分岐する第2分岐給電線36bとを有している。第1及び第2分岐給電線36a,36bは、それぞれ、主幹給電線35bと同様に、内部導体及び外部導体を有しており、これらの内部導体及び外部導体が同軸状に配置された同軸管として形成されている。第1分岐給電線36a及び第2分岐給電線36bそれぞれは、給電線接続部35からアンテナ31,32それぞれの給電部31d,32dへと電気的に並列となって設けられている中継給電部となっている。
第1及び第2分岐給電線36a,36bそれぞれのインピーダンスは、主幹給電線35b又は主給電線5のインピーダンスの略2倍に設定されている。例えば、前記のように、主給電線5及び主幹給電線35bのインピーダンスが50Ωであれば、第1及び第2分岐給電線36a,36bそれぞれのインピーダンスは、100Ωとなる。
ここで、主幹給電線35bないし主給電線5からみて、第1及び第2分岐給電線36a,36bは、並列的に接続されている。したがって、主幹給電線35bないし主給電線5からみた、第1及び第2分岐給電線36a,36bの合成インピーダンスは50Ωとなる。
よって、主幹給電線35bと分岐給電線36とはインピーダンス整合がとれており、これらの間に整合トランスは不要である。
なお、同軸管(主幹給電線35b・分岐給電線36a,36b)のインピーダンスは、内部導体の径と外部導体の径との比率によって決まる。したがって、内部導体ないし外部導体の径を適宜設定すれば、上記のような所望のインピーダンスが得られる。
第1及び第2分岐給電線36a,36bの先端は、それぞれ、2個の折り返しダイポールアンテナ31,32の給電部31d,32dに接続されている。具体的には、第1及び第2給電部36a,36bの内部導体は、給電部31d,32dの第1端子部31d−1,32d−1に接続されており、第1及び第2給電部36a,36bの外部導体は、給電部31d,32dの第2端子部31d−2,32d−2に接続されている。
第1分岐給電線36aの長さ(電気長)と、第2分岐給電線36bの長さ(電気長)は、略一致するように設定されている。このように、長さを略一致させることで、両アンテナ31,32が等位相となる。
また、第1分岐給電線36a(第1折り返しダイポールアンテナ31)のインピーダンスと、第2分岐給電線36b(第2折り返しダイポールアンテナ32)のインピーダンスとは、等しいため、第1分岐給電線36aと第2分岐給電線36bとには電力が均等に分配される。また、電力分配比を代えるには、分配したい比率の逆数でかつ合成インピーダンスが50Ωとなるように、第1分岐給電線36a(第1折り返しダイポールアンテナ31)のインピーダンスと、第2分岐給電線36b(第2折り返しダイポールアンテナ32)のインピーダンスとを設定すればよい。
なお、折り返しダイポールアンテナ31,32の数は、本実施形態の2個に限定されるものではないが、複数の分岐給電線36a,36bへの均等分配を確保するには、2個が有利である。
前記第1分岐給電線36aに接続された第1折り返しダイポールアンテナ31、及び前記第2分岐給電線36bに接続された第2折り返しダイポールアンテナ32それぞれのインピーダンスは、第1分岐給電線36aないし第2分岐給電線36bと略一致するように設定されている。例えば、前記のように、第1及び第2分岐給電線36a,36bそれぞれのインピーダンスが100Ωであれば、第1及び第2折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれのインピーダンスも100Ωとなる。
よって、各折り返しダイポールアンテナ31,32と各分岐給電線36a,36bとはインピーダンス整合がとれており、これらの間に整合トランスは不要である。
また、各主給電線5側から、折り返しダイポールアンテナ31,32をみると、各折り返しダイポールアンテナ31,32のインピーダンス(100Ω)は、主給電線のインピーダンス(50Ω)の略2倍となっている。
したがって、並列接続された2個の折り返しダイポールアンテナ31,32の合成インピーダンスは50Ωであり、主給電線5のインピーダンス(50Ω)と略一致する。このため、主給電線5と折り返しダイポールアンテナ31,32との間には、整合トランスは不要である。
なお、折り返しダイポールアンテナ31,32のインピーダンスは、アンテナを構成する部材の大きさを調整したり間隔を調整したりすることで調整できる。具体的には、ダイポール本体31a,32a及び折り返し部31b,32bの径、間隔、それぞれの長さ、接続部31c,32cの位置(高さ(アンテナの長手)方向位置)を調整することで、インピーダンスを調整できる。また、ダイポール本体31a,32a及び折り返し部31b,32bの長さを個別に調整することで、インピーダンスの調整がさらに容易になる。
[2.2 第1平行導体、第2平行導体及び短絡導体の機能について]
ここで、図8は、分岐導体81を用いた一般的な平衡不平衡変換回路部を示している説明図である。この平衡不平衡変換回路部は、同軸給電線(同軸ケーブル)82と平行であって、当該同軸給電線82と同径の分岐導体81が配置されている。この分岐導体81の一端側は、同軸給電線82の外部導体82oと第1短絡線83によって短絡されており、分岐導体81の他端側は、同軸給電線82の内部導体82iと第2短絡線84によって短絡された構成である。そして、分岐導体81の他端側に負荷としてアンテナエレメント85が接続されており、同軸給電線82の外部導体82oの端部にアンテナエレメント86が接続されている。
この回路部を用いることにより、同軸線路の伝送モードである不平衡モードを、ダイポールアンテナの伝送モードである平衡モードに変換するので、不要放射を抑制することができる。なお、この回路部による平衡不平衡変換機能に関しては、文献[遠藤敬二、佐藤源貞、永井淳 著者、「アンテナ工学」257頁、総合電子出版社、昭和59年3月21日(第3版)]に記載されている。
そして、図9は、本実施形態のダイポールアンテナ32(図5の右側にある折り返しダイポールアンテナ32)に対応した構成の模式図である。この図9では、前記給電ユニット34の同軸管からなる分岐給電線36b(以下、同軸給電線部36bという)、第1端子部32d−1、第2端子部32d−2、第1平行導体12a、第2平行導体12b、短絡導体12c、及びその周囲の構成を示している。なお、前記同軸給電線部36bの内部導体36biは、給電線接続部35(図7参照)において、同軸ケーブル5の内部導体と電気的に接続されており、また、同軸給電線部36bの外部導体36boは、給電線接続部35において、同軸ケーブル5の外部導体と電気的に接続されている。
図9において、同軸給電線部36bの外部導体36boが電気的に延長されている部分となる第2平行導体12bと平行であって、当該第2平行導体12bと同じ形状である第1平行導体12aが配置されている。この第1平行導体12aの一端側は、同軸給電線部36bの外部導体36boと短絡導体12c(及び第2平行導体12b)によって接続されており、第1平行導体12aの他端側は、同軸給電線部36bの内部導体36biと接続された構成である。そして、第1平行導体12aの一端側に負荷として第1のアンテナエレメント32a−1が接続されており、同軸給電線部36bの外部導体36boの端部に第2のアンテナエレメント32a−2が接続されている。第1平行導体12aは、補強部材32f等を介して接地されている。
このように、図8と図9とにおいて、図8に示している平衡不平衡変換回路部と、図9の2点鎖線で囲っている部分Pとは、ほぼ等価であると考えられ、この場合、図9の2点鎖線で囲っている部分Pは、図8の平衡不平衡変換回路部とほぼ同様の機能を有することができる。
本実施形態(図3)のアンテナシステム3が備えている折り返しダイポールアンテナ31,32は、平衡モードの負荷であるが、このダイポールアンテナ31,32に不平衡系である同軸管からなる分岐給電線36a,36bを直接接続すると、伝送モードの違いから不要放射が多く発生し、交叉偏波の成分が大きくなり、所望のアンテナ性能が得られないおそれがある。
しかし、折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれは、前記のとおり第1平行導体12a、第2平行導体12b、及び短絡導体12cを備えていることによって、平衡不平衡変換回路部と同様の機能を有することができ、交叉偏波を低減し、所望のアンテナ性能を得ることが可能となる。
したがって、図3において、給電ユニット34(給電線接続部35)と折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれとの間に、図8に示しているような平衡不平衡変換回路部、つまり、同軸給電線の近くに分岐導体81を設ける必要がない。例えば、分岐導体81を、一方の折り返しダイポールアンテナ31と給電ユニット34(給電線接続部35)との間に設ける必要がなく、さらに、他方の折り返しダイポールアンテナ32と当該給電ユニット34(給電線接続部35)との間にも、分岐導体81を設ける必要がない。
この結果、本実施形態によれば、2つの折り返しダイポールアンテナ31,32を相互に近づけて設置することが可能となり、アンテナユニット3の小型化が可能となる。
また、交叉偏波の成分を小さくするために、仮にダイポールアンテナ間に、図8に示しているような平衡不平衡変換回路部を設置すると、その回路部の構成によっては、主偏波の指向性に大きな影響を与えるおそれがある。しかし、本実施形態では、第1平行導体12a(11a)及び第2平行導体12b(11b)は、アンテナエレメント32a−1(31a−1)と折り返し部32b(31b)との間に配置されており、第1平行導体12a(11a)及び前記第2平行導体12b(11b)は、アンテナエレメント32a−1(31a−1)の長手方向、つまりアンテナの偏波方向と直交する方向に延びていることから、主偏波の指向性に与える影響を抑えることができる。
本実施形態によるダイポールアンテナ31,32の前記機能についてのシミュレーション結果を説明する。図10は、図3の本実施形態のアンテナ31,32の水平面指向性を示している。これに対し、図11は、図3に示しているアンテナユニット3から、第1平行導体12a、第2平行導体12b及び短絡導体12cを除いた比較例の構成による水平面指向性を示している。図10と図11とにおいて、実線は主偏波(垂直偏波)を示しており、破線は交叉偏波(水平偏波)を示している。
図11の比較例では、主偏波と交叉偏波との成分の差が20dB未満である方向(角度)が存在している。一般的なアンテナでは、交叉偏波は主偏波と比べて20dB程度低くなっている必要がある。これは、例えば、水平偏波の電波を受信する地域と、垂直偏波の電波を受信する地域とを隣接して設けている場合に、受信側が水平偏波と垂直偏波とを充分に識別できなければ不都合が生じるためである。すなわち、本実施形態のアンテナユニット3は、垂直偏波として使用することができるが、交叉偏波である水平偏波の成分が大きいと、水平偏波で送信している地域の電波と混信するおそれがあるためである。
これに対し、図10の本実施形態では、全ての方向(角度)において、主偏波と交叉偏波との成分の差が20dB以上確保されている。このように、本実施形態によれば、交叉偏波を低減することができ、所望のアンテナ性能を得ることが可能となる。
折り返しダイポールアンテナ31,32において、アンテナエレメントの長さや直径、アンテナエレメントと折り返し部との径の比率、これらの間隔を調整することで、アンテナのインピーダンスを変化させ、VSWRの調整を行うことは可能である。しかし、使用したい周波数帯域に良好なアンテナ特性を持たせることも重要であり、このために、本実施形態では、前記のとおり、短絡導体12c(11c)による第1平行導体12a(11a)と第2平行導体12b(11b)との短絡位置を変更することができる構成としている。これにより、折り返しダイポールアンテナ32(31)のインピーダンスをさらに調整することができる。なお、インピーダンスを調整するために、アンテナエレメントの長さを大きく変えると、指向性に大きな影響を与える可能性があるが、本実施形態では、アンテナエレメントの長さを変えないで、短絡部材12c(11c)の位置を調整すればよく、指向性に大きな影響を与えるのを防ぐことができる。
この短絡導体12cによる機能について説明する。図12は、周波数(横軸)とVSWR(縦軸)との関係を示しているグラフであって、本実施形態のアンテナユニット3による実測結果を示しており、(a)(b)(c)(d)の順番で、短絡部材12cを給電部32dから遠ざけている(図5参照)。具体的には、図12(a)は、前記長さL(図5参照)が70mmの場合であり、図12(b)は80mmの場合であり、図12(c)は90mmの場合であり、図12(d)は110mmの場合である。
この図12それぞれのグラフに示しているように、VSWRが最も低い周波数は、(a)が216MHz、(b)が227MHz、(c)が232MHz、(d)が236MHzである。なお、(a)(b)(c)(d)それぞれにおいて、VSWRが好ましい帯域(VSWRが1.5以下である帯域)に、大きな変化はなく、狭くなることもない。
このように、短絡部材12cの位置を変化させることにより、簡単に、折り返しダイポールアンテナ32のインピーダンスを調整することができ、また、使用したい周波数帯においてVSWRを良好にすることができる。
また、本実施形態によれば、前記説明のとおり、平衡不平衡変換回路部と同様の機能を有することができ、アンテナユニット3からの不要放射を抑制することができる。このように不要放射を抑制することができるので、アンテナユニット3のVSWRが良好となる帯域を広く得ることができる。
さらに、本実施形態では、図5において、平衡不平衡変換回路部とほぼ同様の機能を有するために有効であると考えられる第1と第2の平行導体12a,12bによる平衡伝送線路を構成する部分、つまり、平衡伝送線路の給電部側の端部から短絡位置12a−1,12b−1までの長さLを、特に好ましい場合として前記のとおり、λ/35(40mm)以上となるように設定しているが、これは、インピーダンスの調整を容易とするためである。つまり、長さLがλ/35(40mm)未満である場合、つまり、短絡位置12a−1,12b−1が給電部32dに近い場合、短絡位置12a−1,12b−1を調整して変更するとインピーダンスの変化が大きくなり、インピーダンスの微妙な調整(整合)が難しくなるおそれがある。
この短絡位置についての具体例を説明する。図13は、短絡位置とインピーダンスの変化との関係を示すポーラチャートである。図13において、矢印の符号71〜78それぞれは、第1平行導体12a(第2平行導体12b)の端部(図5の位置X1)から短絡位置12a−1,12b−1(図5のX2)まで距離(長さL)が、0mm、10mm、20mm、30mm、40mm、60mm、80mm、100mmの場合を示している。
図13において、符号71(0mm)から符号75(40mm)までは、短絡位置12a−1の移動ピッチは10mmであるが、移動ピッチ毎にインピーダンスの変化が大きい。これに対し、符号76(60mm)から符号78(100mm)までは、短絡位置12a−1の移動ピッチは20mmであるにも関わらず、移動ピッチ毎のインピーダンスの変化は、移動ピッチが10mmである場合よりも、小さくなっている。
つまり、これは、前記距離(長さL)がλ/35(40mm)未満では、短絡導体12cの位置変化に対して過敏にインピーダンスが変化していることを意味しており、インピーダンスの微妙な調整が難しくなるおそれがある。
そこで、前記距離つまり、前記長さLはλ/35(40mm)以上であるのが好ましい。
[2.3 ダイポール本体部と折り返し部の詳細]
図14は、図6の断面図からダイポール本体部31a,32a、折り返し部32a,3b、連結部31c,32c及び取付支柱2を抜き出して描いたものである。
図14に示すように、取付支柱2の断面中心Oを座標中心とする水平面のXY直交座標系を考える。このXY直交座標系の4つの象限をそれぞれ、A1,A2,A3,A4とした場合、これらの4つの象限A1,A2,A3,A4の全てに、ダイポール本体部31a,32a又は折り返し部31b,32bのいずれかが存在している。
このような配置とすることで、取付支柱2の同一高さに配置されたアンテナ31,32のみからなるアンテナユニット3であっても、アンテナユニット3全体としては無指向性を確保できる。すなわち、本実施形態のように、ダイポール本体部31a,32a及び折り返し部31b,32bの長手方向が略垂直方向を向くように配置した場合、それぞれの折り返しダイポールアンテナ31,32は、水平面において無指向な垂直偏波無指向アンテナとなる。
また、この配置において、ダイポール本体部31a,32a及び折り返し部31b,32b(並びに接続部31c,32c)によって囲まれた面40は、地面に対して略垂直な面となる。本実施形態では、2個の折り返しダイポールアンテナ31,32が、取付支柱2を挟んで、対向配置となっており、2個の折り返しダイポールアンテナ31,32の略垂直な面40は、それぞれ、取付支柱2の外周面に対向している。
したがって、個々のアンテナ31,32が無指向性であっても、取付支柱2が金属性である場合に、この取付支柱2が反射板として機能し、個々のアンテナ31,32から取付支柱2へ向かう方向への電波放射が阻害される。
ところが、上記のように、取付支柱2を座標中心とする直交座標系の4つの象限A1,A2,A3,A4それぞれに、ダイポール本体部31a,32a及び折り返し部31b,32bのいずれかが少なくとも一つ存在するように配置することで、取付支柱2によって阻害される電波放射が、他のアンテナによって補完される。したがって、アンテナユニット3全体としては、全方向への指向性を確保して無指向性アンテナとすることができる。
つまり、例えば、一方のアンテナ31のダイポール本体部31aから、他方のアンテナ32の折り返し部32bの方向へ放射される第1の電波は、取付支柱2により反射されて、他方のアンテナ32の折り返し部32bの方向へは伝わらないが、代わりに、他方のアンテナの折り返し部32bから放射される第2の電波が、前記第1の電波の代わりとなるので、無指向性が確保できる。
また、図6のような配置を得るには、ダイポール本体部31a,32aと折り返し部31b,32bとの間隔(X方向の間隔;接続部31c,32cの長さ)が、取付支柱2のX方向の横幅W2よりも大きくなるようにし、2個のダイポールアンテナ31,32の間隔(Y方向の間隔)が、取付支柱2のY方向の間隔W1よりも大きくなるようにすればよい。
なお、ダイポール本体部31a,32aと折り返し部31b,32bとの間隔は、取付支柱2のX方向の横幅W2と略同程度であってもよいし、2個のダイポールアンテナ31,32の間隔(Y方向の間隔)は、取付支柱2のY方向の間隔W1と略同程度であってもよい。
[2.4 アンテナユニットの給電ユニットの構成(第2の形態)]
図15は、アンテナユニット3の他の実施形態を示している斜視図である。このアンテナユニット3は、前記実施形態(図3)と同様に、2個の折り返しダイポールアンテナ31,32と、これらアンテナ31,32にそれぞれ給電するための給電ユニット134を備えている。なお、図15のアンテナユニット3と図3のアンテナユニット3との異なる点は、給電ユニット134と給電ユニット34との構成である。また、図15では、保持部材33として、絶縁部材31e,32eにそれぞれ取り付けられている左右のアーム部33aと、左右のアーム部33aの間に介在している板状部33bとを有しており、この板状部33bによってアンテナユニット3が取付支柱2に固定されている。
図15の給電ユニット134について説明する。
この給電ユニット134はアンテナ31,32の間に設けられており、無線機4(図2参照)から延びる主給電線(同軸ケーブル)5の端部が接続される給電線接続部135と、この給電線接続部135から複数のダイポールアンテナ31,32それぞれの給電部31d,32dへと電気的に並列となって設けられている給電中継部138とを有している。
給電線接続部135は、同軸給電線(同軸ケーブル)からなる主給電線5が挿し入れられ当該主給電線5の外部導体5oと電気的に接続される外部導体接続部135bと、当該主給電線5の内部導体5iが電気的に接続される内部導体接続部135aとを有している。この給電線接続部135に主給電線(同軸ケーブル)5が接続されることにより、前記給電中継部138と共同して、折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれに給電を行うことができる。
給電中継部138は、一対の中継部材138a,138bを有している。中継部材138a,138bそれぞれは導電部材からなり、本実施形態では、中継部材138a,138bは、水平方向に直線的に延びている平板部材であり、両者は平行に配置されている。
第1の中継部材138aの一端部が、第1の折り返しダイポールアンテナ31の第1端子部31d−1と電気的に接続されており、この第1の中継部材138aの他端部が、第2の折り返しダイポールアンテナ32の第1端子部32d−1と電気的に接続されている。そして、この第1の中継部材138aの中央部に、主給電線5の内部導体5iが電気的に接続されている前記内部導体接続部135aが設けられている。本実施形態では、内部導体接続部135aは、第1の中継部材138aの中央部に形成され、主給電線5の内部導体5iを挿通させかつ半田等によって固定するための孔からなる。
第2の中継部材138bの一端部が、第1の折り返しダイポールアンテナ31の第2端子部31d−2と電気的に接続されており、この第2の中継部材138bの他端部が、第2の折り返しダイポールアンテナ32の第2端子部32d−2と電気的に接続されている。そして、この第2の中継部材138bは、その中央部において、前記外部導体接続部135bと接続されており、主給電線5の外部導体5oと、外部導体接続部35bを介して電気的に接続されている。
第1の中継部材138a及び第2の中継部材138bのうち、前記給電線接続部135(内部導体接続部135a、外部導体接続部135b)よりも第1の折り返しダイポールアンテナ31側が、第1中継給電部141であり、前記給電線接続部135(内部導体接続部135a、外部導体接続部135b)よりも第2の折り返しダイポールアンテナ32側が、第2中継給電部142である。第1中継給電部141及び第2中継給電部142それぞれのインピーダンスは、主給電線5のインピーダンスの略2倍に設定されている。例えば、主給電線5のインピーダンスが50Ωであれば、第1中継給電部141及び第2中継給電部142それぞれのインピーダンスは100Ωとなる。
ここで、主給電線5からみて、第1中継給電部141及び第2中継給電部142は、並列的に接続されている。したがって、主給電線5からみた、第1中継給電部141及び第2中継給電部142の合成インピーダンスは50Ωとなる。よって、主給電線5と中継給電部138とはインピーダンス整合がとれており、これらの間に整合トランスは不要である。
また、第1中継給電部141は、第1中継部材138aの一部(図15では左半分)と、第2中継部材138bの一部(図15では左半分)とによって、平行2線を構成しており、また、第2中継給電部142は、第1中継部材138aの他部(図15では右半分)と、第2中継部材138bの他部(図15では右半分)とによって、平行2線を構成している。すなわち、第1中継給電部141と第2中継給電部142とからなる中継給電部は、アンテナ31,32の給電部31d,32d間に直線状に設けられた平行2線からなり、平行2線のうちの一方(第1中継部材138a)が内部導体5iと接続され、平行2線のうちの他方(第2中継部材138b)が内部導体5iと接続されている。
なお、前記左側の平行2線(第1中継給電部141)は、その端部同士で短絡されておらず、また、前記右側の平行2線(第2中継給電部142)は、その端部同士で短絡されておらず、前記平衡不平衡回路部の平行2線(平衡伝送線路)とは異なる性質のものである。
また、第1中継給電部141(左側の平行2線)の長さ(電気長)と、第2中継給電部142(右側の平行2線)の長さ(電気長)は、略一致するように設定されている。このように、長さを略一致させることで、両アンテナ31,32が等位相となる。
また、第1中継給電部141(第1折り返しダイポールアンテナ31)のインピーダンスと、第2中継給電部142(第2折り返しダイポールアンテナ32)のインピーダンスとは、等しいため、第1中継給電部141と第2中継給電部142とには電力が均等に分配される。
第1中継給電部141に接続された第1折り返しダイポールアンテナ31及び前記第2中継給電部142に接続された第2折り返しダイポールアンテナ32それぞれのインピーダンスは、第1中継給電部141ないし第2中継給電部142と略一致するように設定されている。例えば、前記のように、第1及び第2中継給電部141,142それぞれのインピーダンスが100Ωであれば、第1及び第2折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれのインピーダンスも100Ωとなる。よって、各折り返しダイポールアンテナ31,32と各中継給電部141,142とはインピーダンス整合がとれており、これらの間に整合トランスは不要である。
また、各主給電線5側から、折り返しダイポールアンテナ31,32をみると、各折り返しダイポールアンテナ31,32のインピーダンス(100Ω)は、主給電線のインピーダンス(50Ω)の略2倍となっている。したがって、並列接続された2個の折り返しダイポールアンテナ31,32の合成インピーダンスは50Ωであり、主給電線5のインピーダンス(50Ω)と略一致する。このため、主給電線5と折り返しダイポールアンテナ31,32との間には、整合トランスは不要である。
なお、この図15の実施形態の折り返しダイポールアンテナ31,32は、前記実施形態(図3)の折り返しダイポールアンテナ31,32と同じであり、また、図15の折り返しダイポールアンテナ31,32それぞれは、前記実施形態(図3)と同様に、第1端子部31d−1,32d−1から延びている第1平行導体11a,12aと、この第1平行導体11a,12aと平行になって第2端子部31d−2,32d−2から延びている第2平行導体11b,12bと、これら第1平行導体11a,12aと第2平行導体11b,12bとを短絡している短絡導体11c,12cとを有している。
このため、図15の実施形態においても、平衡不平衡変換回路部と同様の機能を有することができ、交叉偏波を低減し、所望のアンテナ性能を得ることが可能となる。しかも、給電線接続部135とダイポールアンテナ31,32それぞれとの間に、従来知られている平衡不平衡変換回路部(λ/4の分岐導体)を設ける必要がなくなり、ダイポールアンテナ31,32を近づけて設置することが可能となるため、アンテナ性能を高めると共にアンテナユニット3の小型化が可能となる。
[3 各実施形態のアンテナユニットを備えたアンテナシステム]
以上説明したように、前記各実施形態のアンテナユニット3によれば、当該アンテナユニット3を小型化することができ、また、軽量化することができる。このため、取付支柱2を細径化できる。
したがって、本実施形態のアンテナシステム1は、図1に示しているように、取付支柱2の他、前記アンテナユニット3を複数、取付支柱2の高さ方向に並べて設けた構成であるため、アンテナシステム1も小型化、軽量化が可能である。さらに、少ない数のアンテナ31,32で無指向性を確保でき、また、複数のアンテナユニット3を取付支柱2の高さ方向に並べて多段化しており、利得を高くすることができる。
また、本発明に関して、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本発明のアンテナシステムは、建物の屋上に設置するものに限られず、あらゆる場所に設置が可能である。また、取付支柱に取り付けられるアンテナユニットの数も特に限定されない。
1:アンテナシステム 2:取付支柱 3:アンテナユニット 4:無線機 5a〜5c:主給電線(同軸給電線) 5i:内部導体 5o:外部導体 11a:第1平行導体 11a−1:短絡位置 11b:第2平行導体 11b−1:短絡位置 11c:短絡導体 12a:第1平行導体 12a−1:短絡位置 12a−2:長孔 12b:第2平行導体 12b−1:短絡位置 12c:短絡導体 31:ダイポールアンテナ 31a−1:第1のアンテナエレメント 31a−2:第2のアンテナエレメント 31b:折り返し部 31d−1:第1端子部 31d−2:第2端子部 31f:補強部材 32:ダイポールアンテナ 32a−1:第1のアンテナエレメント 32a−2:第2のアンテナエレメント 32b:折り返し部 32d−1:第1端子部 32d−2:第2端子部 32f:補強部材 33:保持部材 35,135:給電線接続部 O:中心線 F:仮想鉛直面

Claims (11)

  1. 複数のダイポールアンテナと、複数の前記ダイポールアンテナを取付支柱の周囲に取り付ける保持部材と、同軸給電線が接続され複数の前記ダイポールアンテナそれぞれに給電を行う給電線接続部と、を備えたアンテナユニットであって、
    複数の前記ダイポールアンテナそれぞれは、
    第1のアンテナエレメントと、
    第2のアンテナエレメントと、
    前記給電線接続部に接続された前記同軸給電線の内部導体と電気的に接続され前記第1のアンテナエレメントに給電する第1端子部と、
    前記給電線接続部に接続された前記同軸給電線の外部導体と電気的に接続され前記第2のアンテナエレメントに給電する第2端子部と、
    前記第1端子部から延びている第1平行導体と、
    前記第1平行導体と平行になって前記第2端子部から延びている第2平行導体と、
    前記第1平行導体と前記第2平行導体とを短絡している短絡導体と、
    を有していることを特徴とするアンテナユニット。
  2. 複数の前記ダイポールアンテナそれぞれは、前記アンテナエレメントと電気的に接続された折り返し部を有する折り返しダイポールアンテナである請求項1に記載のアンテナユニット。
  3. 前記第1平行導体及び前記第2平行導体は、前記アンテナエレメントと前記折り返し部との間に配置されており、
    前記第1平行導体及び前記第2平行導体は前記アンテナエレメントの長手方向と直交する方向に延びている請求項2に記載のアンテナユニット。
  4. 前記短絡導体による前記第1平行導体と前記第2平行導体との短絡位置は、当該第1平行導体及び当該第2平行導体の長手方向に変更可能である請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
  5. 前記保持部材は、複数の前記ダイポールアンテナを、前記取付支柱の中心線を通る仮想鉛直面を挟んで左右対称に配置して取り付けることができ、
    前記仮想鉛直面を挟んで隣り合う一対の前記ダイポールアンテナの前記第1平行導体同士、及び、前記第2平行導体同士は、当該仮想鉛直面を挟んで左右対称に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
  6. 複数の前記ダイポールアンテナそれぞれにおいて、前記第1平行導体と前記第2平行導体とは、前記第1端子部及び前記第2端子部によって構成される給電部を中心として上下対称の配置である請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
  7. 前記第1端子部及び前記第2端子部によって構成される給電部から前記短絡導体による短絡位置までの長さは、λ/35(ただし、λは送信電波の波長)以上である請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
  8. 前記第1平行導体と前記第2平行導体との間隔は、λ/6(ただし、λは送信電波の波長)以下である請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
  9. 前記第1平行導体と前記第1端子部とは単一の部材からなり、前記第2平行導体と前記第2端子部とは単一の部材からなる請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナユニット。
  10. 前記折り返し部と前記保持部材との間を接続していると共に、途中部で前記短絡導体を支持している導電性を有した補強部材を備えている請求項2に記載のアンテナユニット。
  11. 複数のアンテナユニットを、取付支柱の高さ方向に並べて設けたアンテナシステムであって、前記アンテナユニットは、請求項1に記載のアンテナユニットであることを特徴とするアンテナシステム。
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