JP4795898B2 - 水平偏波無指向性アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は,主に移動体通信システムの基地局に利用される水平偏波無指向性アンテナに関し,詳しくはその水平偏波無指向性アンテナの構成に関する。
従来の水平偏波無指向性アンテナは,垂直方向に支持された長方形板の長辺に沿って端部表裏に平行な一対の給電線路を形成したアンテナ基板と,上記一対の給電線路に沿って接続配列された複数のリング状に形成されたダイポールアンテナと,上記アンテナ基板の基部に形成され,上記一対の給電線路に直列給電を行わせる平衡/不平衡変換部とを備えた水平偏波無指向性アンテナが提案されている。
(例えば,特許文献1参照)
特開2005−167705号公報
しかし,従来の水平偏波無指向性アンテナによると,アンテナ間の伝送線路をプリント基板上に形成した一対の給電線路で実現しているため,この給電線路の伝送損失を少なくするためには,伝送損失の少ない高価な材質のプリント基板を使用する必要がありコストが高くなると言った問題があった。また,必要とする性能によってはプリント基板上に複数のダイポールアンテナを支持する必要があるので,プリント基板は非常に長いものとなり,プリント基板の強度を維持するためには,硬めで十分な厚みのある基板が必要となり,この点においても素材のコストアップが避けられなかった。
また,アンテナを構成する素子がダイポールアンテナから構成されているので,アンテナの基部には,上記一対の給電線路に直列給電を行わせる平衡/不平衡変換部を備えさせる必要が生じることになり,プリント基板がさらに大きくなるといった問題もあった。
一方,このように構成されたアンテナは垂直方向に長くなるので,風などの影響によってアンテナを構成する素子を被うレドームが撓ったり振動したりする。この結果,アンテナを構成するプリント基板にはそのストレスが加わることになる。ところが,従来技術の発明に示されているように,プリント基板の短辺の長さがリング状のダイポールアンテナの外径と同じか小さくなるように形成されており,長辺方向の寸法が短辺に比べて極めて長い状態を考えると,レドームが風などによって撓ったり共振して振動したりすることによって,例えばプリント基板が大きく撓んだり,振動が加わったりする状況が考えられる。そこで,アンテナの電気的特性を安定させ,且つ強度的にも信頼性を得ようとすると,プリント基板の周り等に,プリント基板を保持するための保持手段を設けることで,プリント基板の振動を抑えることはできるものの,レドーム全体が撓むことで生じるストレスには対応できなかった。そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,簡単な構成で高性能な水平偏波無指向性アンテナを提供することを課題とする。
他の目的は,アンテナ全体の外径がスリムな水平偏波無指向性アンテナを提供することを課題とする。
他の目的は,特に風などによって発生する撓みや振動などに対する信頼性に優れた水平偏波無指向性アンテナを提供することを課題とする。
他の目的は,コストの安価な水平偏波無指向性アンテナを提供することを課題とする。
他の目的は,チルト角の最適化が簡単にできる水平偏波無指向性アンテナを提供することを課題とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は,
なくとも,中心導体と該中心導体の軸心と同心に配設された外部導体とからなる所定の長さの同軸線路と,
前記同軸線路の一端側の外部導体と接続される接地線路と同軸線路の中心導体と接続される所定の長さの給電線路を備え,前記同軸線路の軸線に略並行な平面に沿って軸線方向に配列接続されたエレメント支持部材と,
前記エレメント支持部材に形成された前記給電線路と前記接地線路間に接続され,前記同軸線路の軸線に略垂直な平面に沿って円形もしくは多角形に形成されたフォールデッドダイポールと,
から構成されるエレメント部を,垂直方向に直列に複数個接続してなることを特徴とする。
次に,請求項2に記載の発明は,請求項1に記載の水平偏波無指向性アンテナにおいて,前記フォールデッドダイポールは,使用周波数の0.4から0.6波長のアンテナ長を有することを特徴とする。
また,請求項3に記載の発明は,請求項1又は請求項2に記載の水平偏波無指向性アンテナにおいて,前記同軸線路の軸線に略直交する方向の前記エレメント支持部材の外形寸法は前記フォールデッドダイポールの外形寸法より僅かに大きいことを特徴とする。
また次に,請求項4に記載の発明は,請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水平偏波無指向性アンテナにおいて,前記同軸線路の長さと,前記エレメント支持部材に形成された前記給電線路の長さとにより,前記給電線路の軸線方向と略直交する面に対する放射のチルト角度を最適化してなることを特徴とする。
また,請求項5に記載の発明は,請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の水平偏波無指向性アンテナにおいて,前記同軸線路は同軸ケーブルからなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば,構造が簡単であって,且つ給電線路の損失を小さくすることができることで,電気的特性の優れた水平偏波無指向性アンテナを提供できるばかりでなく,フォールデッドダイポールを直列給電する主たる給電線路を同軸線路で構成したので,アンテナ全体の外径をスリムにでき,この結果,水平偏波無指向性アンテナの機械的強度をきわめて強固にすることができる。
また,請求項1に記載の水平偏波無指向性アンテナによれば,同軸線路とエレメント支持部材とフォールデッドダイポールとからなるエレメント部を,所要の電気的特性に合わせて垂直方向に直列に複数個接続すればよいので,構成部品が少ないアンテナ構成であるにもかかわらず,きわめて汎用性の高い水平偏波無指向性アンテナとすることができる。
次に,請求項2に記載の水平偏波無指向性アンテナによれば,特に周波数の高い電波を使用する,例えばPHS基地局用のアンテナに用いれば,フォールデッドダイポールの小型化が実現でき,結果的にアンテナをスリムにすることができる。よって,本発明によれば,ビルの屋上や電柱の上部へ容易に設置することのできる水平偏波無指向性アンテナを提供することができる。
また,請求項3に記載の水平偏波無指向性アンテナによれば,レドームの内径をエレメント支持部材の幅寸法より僅かに大きく形成すれば,エレメント支持部材の両側側辺は,組み上がったアンテナをレドームに収納するときのガイドの役目をして,フォールデッドダイポールがレドームの内壁に接触して変形するのを防止すると共に,レドームの撓みや振動に対してレドームとフォールデッドダイポールとの適切な間隔を保つスペーサとして動作させることができる。
また次に,請求項4に記載の水平偏波無指向性アンテナによれば,請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水平偏波無指向性アンテナの効果に加えて,例えば,前記エレメント支持部材に形成された前記給電線路を経路長の異なる複数の線路からなるように構成し,必要に応じて給電線路の経路を選択的に選ぶように構成することで,前記給電線路の軸線方向と略直交するする面に対する放射のチルト角度を任意の角度に最適化して設定できる,という効果が得られる。
また,請求項5の発明によれば,同軸線路が一般的に市販されている同軸ケーブルで実現できるので生産性の効率がよいアンテナを提供できる。また,主たる給電線路を同軸ケーブルで構成すると共に,例えばプリント基板を用いて構成されるエレメント支持部材はできる限り小さくなるように形成されているので,レドームが風などにより全体的に撓んだり振動したりしても,アンテナを構成する同軸ケーブルが有する柔軟性がそのストレスを吸収することができ,機械的強度に対する極めて信頼性の高いアンテナを提供できる。
以下に,本発明を具体化した実施形態の例を,図面を基に詳細に説明する。
図1は本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの概略図面であり,(a)は正面図,(b)は背面図,(c)は上面図である。図2は本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの要部を拡大した斜視図である。図3は本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの全体の構成を示す概略図である。尚,以下に示す具体例において方向を示す場合は,同軸線路の軸線方向を上下方向とする。また,以下の実施例では本発明のアンテナはPHSの基地局アンテナに対応させた例を示すものであるが,特にPHSに限定されるものではない。
図において1は本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナであり,所定の長さに形成された同軸線路としての同軸ケーブル5と,前記同軸ケーブル5の一端側の外部導体7と接続される接地線路35と同軸ケーブル5の中心導体9と接続される給電線路31を備え,前記同軸ケーブル5の軸線に略並行な平面に沿って軸線方向に配列接続されたエレメント支持部材30と,前記エレメント支持部材30に形成された前記給電線路31と前記接地線路35間に接続され,前記同軸ケーブル5の軸線に略垂直な平面に沿って略円形に形成されたフォールデッドダイポール100とから構成されたエレメント部を基本構成とし,必要に応じてこのエレメント部を直列に複数個を配列接続して水平偏波無指向性アンテナ1が構成される。
本発明の実施例に使用されている同軸ケーブル5は,一般的に市販されている特性インピーダンスが50Ωである8D−2Vを所定長に切断したものであり,その両端部はそれぞれ所定の加工を施してある。尚,本発明の実施例では同軸ケーブル5の寸法は,波形短縮率等を勘案して使用周波数の0.4から0.6波長の長さである。
このように形成された同軸ケーブル5の一方側端部には,エレメント支持部材30が前記同軸ケーブル5の軸線に略並行な平面に沿って軸線方向に配列接続されている。本発明の実施例ではエレメント支持部材30は板厚1.6mmのガラスコンポジット材(CEM−3,比誘電率=4,2)のプリント基板2から構成されている。このプリント基板2は両面に導電材を備えた両面基板であり,表面および裏面とは必要個所に設けられたスルーホールによって接続されている。
ここで更に詳しくエレメント支持部材30について説明する。図1および図2によく示されるように,プリント基板2の表面側には,プリント基板2の下方から上方にかけて形成された,同軸ケーブル5の中心導体9と接続される前記給電線路31に加え,後述のフォールデッドダイポール100をプリント基板に固着するためのランドである表側止着ランド32aが形成されている。また,プリント基板2の裏面側には,プリント基板の下方から上方にかけて形成された,同軸ケーブル5の外部導体7と接続される接地線路35に加え,前記表側止着ランド32aと対向する位置に裏側止着ランド32bが形成されている。本発明の実施例では接地線路35はプリント基板2の接地導体であり,スルーホールによって,表面側の接地導体と接続されている。また,表側止着ランド32aと裏側止着ランド32bもスルーホールで電気的に接続されている。
給電線路31は,同軸ケーブル5の中心導体9の先端部を接続する接続ランド31aと,後述のフォールデッドダイポール100の給電点を固着するための支持ランド31bと,プリント基板2のさらに上側に接続される同軸ケーブル5の中心導体9の先端部を接続する接続ランド31cとを結ぶ所定の線路長を有する伝送経路からなり,この線路長は,同軸ケーブルの線路長と共に,アンテナのチルト角に応じて最適化されている。以上のようにプリント基板2に所定の加工がなされてエレメント支持部材30が形成されている。
尚,上記説明は同軸ケーブル5間に介設するエレメント支持部材30(図には30Bで示される)について説明したものであり,最も上段に位置するエレメント支持部材30(図には30Aで示される)は,給電線路31の長さがフォールデッドダイポール100を取り付けるだけの給電線路があれば良く,図1(a)正面図に示されるように接続ランド31などのフォールデッドダイポールより上側に位置する線路はなくても良い。以下の説明でエレメント支持部材30と記載されたものは,特に明記されない限り,図に示される同軸ケーブル5間に介設するエレメント支持部材30Bについての説明である。
次に,フォールデッドダイポール100について説明する。本発明の実施例におけるフォールデッドダイポール100は,略半円形に形成された第1のエレメント部材10と,該第1のエレメント部材10と相対向するように略半円形に形成された第2のエレメント部材20とから構成されており,エレメント支持部材30の表側と裏側に取り付けたときに略円形のフォールデッドダイポール100を形成するように構成されている。それぞれのエレメント部材は弾性を有する導電材を金型等によって打ち抜き加工して湾曲状に成型したものである。尚,本発明の実施例ではエレメント部材は板厚0.5mmのバネ用銅合金から構成されている。
第1のエレメント部材10は,略半円形の下側素子11と,該下側素子11に略平行配置された略半径の上側素子13と,下側素子11と上側素子13の一方側先端部を接続する折り返し部17が一体的に構成されている。また,下側素子11の他方側先端部12には下側素子11の先端部12を内側に折り返した形成した支持基部15が一体的に備えられている。この支持基部15にはエレメント支持部材30に向かって突設した第1のエレメント部材10の位置決め用の固着爪15aが形成されている。さらに,上側素子13の他端側先端部14には上側素子13の先端部14を内側に折り返し形成した接続片16が備えられている。
第2エレメント部材20も同様な構成をしており,前記第1エレメント部材10に相対向するように略半円形の下側素子21と,該下側素子21に略平行配置された略半円形の上側素子23と,下側素子21と上側素子23の一方側先端部を接続する折り返し部27が一体的に構成されている。また,下側素子21の他方側先端部22には下側素子21の先端部22を内側に折り返し形成した支持基部25が一体的に備えられている。この支持基部25にはエレメント支持部材30に向かって突設した第2のエレメント部材20の位置決め用の固着爪25aが形成されている。この固着爪25aの軸線と前記第1のエレメント部材10に形成された固着爪15aの軸線とは,第1のエレメント部材10と第2のエレメント部材をエレメント支持部材30に取り付けたときに,相互に重合しないように互い違いの位置に形成されている。さらに,上側素子23の他端側先端部24には上側素子23の先端部24を内側に折り返し形成した接続片26が備えられている。
ここで,エレメント支持部材30に対して第1および第2のエレメント部材を取り付ける手順を説明する。まず第1のエレメント部材10の支持基部15に形成された固着爪15aを,エレメント支持部材30に形成された位置決め孔2aに挿入し,支持基部15を前記支持ランド部31bに当接させる。そして,例えば半田付け等の周知の方法で支持ランド31bと支持基部15とを固着すれば第1のエレメント部材10は同軸線路の軸線方向に略垂直な平面に沿って取り付けられる。この固着が完了したなら,上側素子13の他端側先端部14を折り返して形成された接続片16は,表側止着ランド32aに対向して配置されているので,例えば半田付け等の周知の方法で,接続片16を表側止着ランド32aに固着することによって第1のエレメント部材10の取り付けが完了する。
次に第2のエレメント部材20を取り付ける。エレメント支持部材30には第2のエレメント部材20の位置決め用の位置決め孔2bが形成されているので,この位置決め孔2bに対して第2のエレメント部材20に形成された固着爪25aを挿入し,支持基部25をエレメント支持部材30の裏面に形成された接地線路35に当接させる。そして,例えば半田付け等の周知の方法で支持基部25を接地線路35に対して固着する。さらに上側素子23の他端側先端部24を折り返して形成された接続片26は,裏側止着ランド32bに対向して配置されているので,例えば半田付け等の周知の方法で接続片26を裏側止着ランド32bに固着することによって第2のエレメント部材20の取り付けが完了する。
このようにして取り付けられた第1および第2のエレメント部材は,第1のエレメント部材10の支持基部15,下側素子11,折り返し部17,上側素子13,接続片16と,エレメント支持部材30に形成された止着ランド32a,32bを介して,第2のエレメント部材20の接続片26,上側素子23,折り返し部27,下側素子21,支持基部25とからなる略円形状の,エレメント支持部材30に形成された前記給電線路31と前記接地線路35間に同軸ケーブルの軸線に略直交する平面に沿うように配列接続されたフォールデッドダイポール100が構成される。
尚,本発明の実施例ではフォールデッドダイポール100は略円形状となるように構成したが,例えば四角形状のような多角形に形成しても所望の特性が得られればよく,その形状は実施例に限定されるものではない。
エレメント支持部材30にフォールデッドダイポール100の取り付けがすんだなら,同軸線路としての前記同軸ケーブル5とエレメント支持部材30とを取り付ける。
プリント基板2の下方と上方には切欠部4が形成されている。この切欠部4の大きさはは同軸ケーブルの外部導体7をプリント基板2の表面側から切欠部4に対して当て付けたときに,同軸ケーブル5の中心導体9が接続ランド31a(または,接続ランド31c)にちょうど接触するように外部導体7の外径よりわずかに小さい幅で形成されている(図1(c)上面図参照)。同軸ケーブル5の先端部の加工は同軸ケーブル5の外部導体7部を切欠部4に当接させると共に,同軸ケーブル5の外部導体7および内部絶縁体8の先端部を切欠部4の底部分に当接させた時に,中心導体9が接続ランド31a(または,接続ランド31c)にちょうど接触し,外部絶縁体6がプリント基板2と重合しないような寸法に加工すればよい。
そして,切欠部4に対して同軸ケーブル5を当て付けたなら,プリント基板2の表側の切欠部4を挟んで両側に備えられた十分に広い幅を持った接地導体36に半田付け等の周知の技術でもって強固に接続することによってアンテナの基本構成であるエレメント部が完成する。
このように構成されたエレメント部を複数直列に接続してなるアンテナ1の全体構成を図3に示す。同軸ケーブル5を介して配設されたエレメント支持部材30に対して,第1および第2のエレメント部材10,20を対にして水平方向に配設することで複数のフォールデッドダイポール100が同軸線路5の軸線方向に沿って配列され,中心導体9と給電線路31からなる給電線路と,外部導体7と接地線路35からなる給電線路により直列給電されている。アンテナの基部側にはその先端部にコネクタ50が接続された給電線が接続されている。
本発明の実施例ではエレメント支持部材30の水平方向の寸法は,略円形状に形成されたフォールデッドダイポール100の外径よりわずかに大きくなるような寸法に設定されている。そして,図には示されないレドームの内径をエレメント支持部材30の水平方向の寸法より僅かに大きく形成することによって,前記エレメント支持部材30の両側側辺は,組み上がったアンテナをレドームに収納するときのガイドの役目をして,フォールデッドダイポール100がレドームの内壁に接触して変形するのを防止すると共に,レドームの撓みや振動に対してレドームとフォールデッドダイポール100との適切な間隔を保つスペーサとして動作するのである。
ここで,このアンテナを中心周波数が1902.2MHz(波長λ=157.7mm)のPHS基地局用アンテナとして構成した具体的な寸法を示す。
同軸線路5の線路長は,同軸ケーブル8D−2V(波長短縮率=66%)を用いて71mm(0.45λ)である。
第1および第2のエレメント部材10,20は,下側素子・上側素子・折り返し部が共に3mmの幅であり,下側阻止と上側素子の間隔が3mmであるように折り返し形成されており,フォールデッドダイポール100としてのその直径は略25mm(0.16λ),周囲長は71.5mm(0.45λ)である略円形に形成されている。
フォールデッドダイポール100の相互の間隔はそれぞれ86mm(0.54λ)だけ離隔して取り付けられており,この条件で垂直面のチルト角が−5°であるアンテナが構成されている。
このアンテナの実測データを図4から図6に示す。この図において図4は電圧定在波比(以下,VSWRと記載する。)であり,図5は水平偏波垂直面指向性であり,図6は水平偏波水平面指向性である。
図4はPHS帯の周波数帯域である1884.5〜1919.9MHzのVSWRの値が良く判るようにこの帯域を中心として65MHz範囲にわたってVSWRの測定値が示されている。この結果によれば,下限周波数の1884.5MHzにおいてVSWR=1.27,中心周波数である1902,2MHzにおいてVSWR=1,11,上限周波数の1919.9MHzにおいてVSWR=1.12であり目標とするVSWR=1.5に対して充分にマージンを有した値が得られている。
図5の水平偏波垂直面指向性のデータによれば上記の条件に基づいたアンテナの垂直面のチルト角は周波数が1902.2MHzにおいてアンテナの下方向に丁度−5°となるように最適化され,PHS基地局アンテナとして求められているアンテナ性能の内の1つに適合している。
図6の水平偏波水平面指向性のデータによれば,上記の条件に基づいたアンテナの水平面偏差は周波数が1902.2MHzにおいて目標とする1.5dB以内に対して1.3dBであり充分に目標を満足している。
以上,本発明の水平偏波無指向性アンテナによれば,構造が簡単であって,且つ給電線路の損失を小さくすることができることで,電気的特性の優れたアンテナを提供できる。また,フォールデッドダイポール100を直列給電する主たる給電線路を同軸線路で構成したので,アンテナ全体の外径をスリムにできるばかりでなく,アンテナの機械的強度をきわめて強固にすることができる。また,このアンテナを特に周波数の高い電波を使用する,例えばPHS基地局用のアンテナなどに用いれば,フォールデッドダイポール100が小さくできると共に,このフォールデッドダイポール100が略円形状に形成されていることによってスリム化が実現でき,結果的にアンテナをスリムにすることになり,ビルの屋上や電柱の上部への設置における容易性を有したアンテナを提供することができる。また,フォールデッドダイポール100を用いたことにより平衡不平衡変換を備えることなく給電線を引き出すことができるので,アンテナ構造が簡単になる。
また,同軸線路として一般的に市販されている同軸ケーブルを使うことで,生産性のよいアンテナを提供できる。またこのように,主たる給電線路を同軸ケーブルで構成すると共に,フォールデッドダイポール100を支持するエレメント支持部材30の寸法をできる限り小さくなるように形成したので,レドームが風などにより全体的に撓んだり振動したりしても,それらによって発生するストレスを同軸ケーブルが有する柔軟性によって吸収することができ,機械的強度に対する極めて信頼性の高いアンテナを提供できる。
そして,前記レドームの内径をエレメント支持部材30の幅寸法より僅かに大きく形成すれば,エレメント支持部材30の両側側辺は,組み上がったアンテナをレドームに収納するときのガイドの役目をして,フォールデッドダイポール100がレドームの内壁に接触して変形するのを防止すると共に,レドームの撓みや振動に対してレドームとフォールデッドダイポール100との適切な間隔を保つスペーサとして動作させることができる。
さらに加えて,例えば,前記エレメント支持部材30に形成された前記給電線路を経路長の異なる複数の線路からなるように構成し,必要に応じて給電線路の経路を選択的に選ぶように構成することで,前記給電線路の軸線方向と略直交するする面に対する放射のチルト角度を任意の角度に最適化して設定することができる,優れたアンテナを提供することができる。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,例えば,フォールデッドダイポールの形状を四角形などの多角形状に形成しても良いし,それらの配列間隔や配列数は所要性能に合わせて適宜に変更しても良い。また,実施例とした1900MHz帯を使ったPHS基地局用アンテナとしてばかりでなく,それ以外の周波数帯や用途に提供するように構成しても良いなど,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの概略図面であり,(a)は正面図,(b)は背面図,(c)は上面図である。 本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの要部を拡大した斜視図である。 本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの全体の構成を示す概略図である。 本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの電圧定在波比の実測データである。 本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの水平偏波垂直面指向性の実測データである。 本発明にかかる水平偏波無指向性アンテナの水平偏波水平面指向性の実測データである。
符号の説明
1…水平偏波無指向性アンテナ,2…プリント基板,2a…位置決め孔,2b…位置決め孔,4…切欠部,5…同軸ケーブル,6…外部絶縁体,7…外部導体,8…内部絶縁体,9…中心導体,10…第1のエレメント部材,11…下側素子,12…先端部,13…上側素子,14…先端部,15…支持基部,15a…固着爪,16…接続片,17…折り返し部,20…第2のエレメント部材,21…下側素子,22…先端部,23…上側素子,24…先端部,25…支持基部,25a…固着爪,26…接続片,27…折り返し部,30…エレメント支持部材,31…給電線路,32…止着ランド,35…接地線路,36…接地導体,50…コネクタ,100…フォールデッドダイポール。

Claims (5)

  1. なくとも,中心導体と該中心導体の軸心と同心に配設された外部導体とからなる所定の長さの同軸線路と,
    前記同軸線路の一端側の外部導体と接続される接地線路と同軸線路の中心導体と接続される所定の長さの給電線路を備え,前記同軸線路の軸線に略並行な平面に沿って軸線方向に配列接続されたエレメント支持部材と,
    前記エレメント支持部材に形成された前記給電線路と前記接地線路間に接続され,前記同軸線路の軸線に略垂直な平面に沿って円形もしくは多角形に形成されたフォールデッドダイポールと,
    から構成されるエレメント部を,垂直方向に直列に複数個接続してなることを特徴とする水平偏波無指向性アンテナ。
  2. 前記フォールデッドダイポールは,使用周波数の0.4から0.6波長のアンテナ長を有することを特徴とする請求項1に記載の水平偏波無指向性アンテナ。
  3. 前記同軸線路の軸線に略直交する方向の前記エレメント支持部材の外形寸法は前記フォールデッドダイポールの外形寸法より僅かに大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水平偏波無指向性アンテナ。
  4. 前記同軸線路の長さと,前記エレメント支持部材に形成された前記給電線路の長さとにより,前記給電線路の軸線方向と略直交する面に対する放射のチルト角度を最適化してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水平偏波無指向性アンテナ。
  5. 前記同軸線路は同軸ケーブルからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の水平偏波無指向性アンテナ。
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