JP5098661B2 - 車両のボディ構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の技術では、図6に示すように、ボディのホイールハウス100の天井部近傍にショックアブソーバ6の上端部が連結されるアブソーバ連結面部100fが設けられている。ホイールハウス100は、ホイールハウスパネル101により車輪(図示省略)の収納空間を有する所定形状に成形されている。そして、ホイールハウスパネル101の天井部近傍に下方からプレス成形品のリインフォースメント103と当て板105とが重ねられる。そして、ホイールハウスパネル101、リインフォースメント103及び当て板105が三枚重ねの状態でスポット溶接されて、アブソーバ連結面部100fが形成される。ここで、リインフォースメント103と当て板105との肉厚寸法は、ホイールハウスパネル101の肉厚寸法よりも大きな値に設定されている。
また、大きな力を受けるアブソーバ連結面部100fの表面(上面)が比較的薄肉のホイールハウスパネル101により形成されている。このため、アブソーバ連結面部100fの表面がショックアブソーバ6からの入力荷重で経時的に損傷するという問題がある。
請求項1の発明は、サスペンションを構成するショックアブソーバの上端部が連結されるアブソーバ連結面部を備える車両のボディ構造であって、前記ボディを構成するパネルには開口が形成されており、前記パネルの開口が、そのパネルより肉厚寸法が大きいプレス成形品であるブラケットにより下方から塞がれ、前記開口から上方に露出する前記ブラケットの露出部分に前記アブソーバ連結面部の下面側を構成する第1アブソーバ連結面部が形成されており、前記ブラケットの第1アブソーバ連結面部の上面が、前記パネルより肉厚寸法が大きいプレス成形品であるプレートに設けられた第2アブソーバ連結面部に覆われて、前記第1アブソーバ連結面部と前記第2アブソーバ連結面部とがスポット溶接されることで、前記ボディのアブソーバ連結面部が構成されており、前記プレートには、前記第2アブソーバ連結面部から前記パネルの上面に沿って張り出すように形成された伝達部が設けられており、前記ブラケットと前記プレートとの肉厚寸法は、そのブラケットの第1アブソーバ連結面部と前記プレートの第2アブソーバ連結面部とをスポット溶接可能な最大寸法を超えない範囲に設定されていることを特徴とする。
また、ブラケットとプレートとの肉厚寸法は、そのブラケットの第1アブソーバ連結面部と前記プレートの第2アブソーバ連結面部とをスポット溶接可能な最大寸法を超えない範囲で、かつボディのパネルの肉厚寸法よりも大きな値に設定されている。このため、アブソーバ連結面部の表面を構成するプレートの第2アブソーバ連結面部がショックアブソーバから大きな力を受けても損傷し難くなる。
即ち、アブソーバ連結面部における溶接品質が向上するとともに、そのアブソーバ連結面部の表面を構成するプレート等が損傷し難くなるため、前記アブソーバ連結面部の強度が向上する。
このため、ショックアブソーバからの入力荷重がボディを構成するパネル及びブラケットと、そのボディの骨格部材とに分散されるため、前記パネル等の変形を抑えることができる。
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のボディ構造について説明する。ここで、図1は本実施形態に係る車両のボディ構造を備える乗用車の側面図、及び前記車両のボディ構造を表す全体模式斜視図等であり、図2は車両のボディ構造におけるアブソーバ連結面部を表す詳細斜視図である。また、図3は図2のIII−III矢視断面図、図4、図5は車両のボディ構造で使用されるブレース、及びプレートの斜視図である。
なお、図中の前後左右及び上下は、乗用車の前後左右及び上下に対応している。
本実施形態に係る車両のボディ構造は、図1に示すように、乗用車Cのリヤサスペンションのショックアブソーバ5(図3参照)が連結される部分の構造に関するものである。ショックアブソーバ5の上端部は、後輪Trを上方から覆うホイールハウス10の天井部近傍に連結されている。
ホイールハウス10は、図1(B)(C)に示すように、そのホイールハウス10を所定形状に形成するホイールハウスパネル12と、そのホイールハウスパネル12の天井部近傍に固定されて前記ショックアブソーバ5の上端部が連結されるブラケット20、プレート30、ブレース40とから構成されている。
なお、図1(B)、(C)では、ブレース40は省略されている。
ホイールハウスパネル12は、例えば、約1.4mmの鋼板からなるプレス成形品であり、天井部近傍に、図1〜図3に示すように、略角形の開口12hが形成されている。そして、ホイールハウスパネル12の開口12hが前記ブラケット20により下方(車室外側)から塞がれている。
ブラケット20は、例えば、約2.3mmの鋼板からなるプレス成形品であり、ホイールハウスパネル12の開口12hから上方に露出する露出部分にショックアブソーバ5の上端部が連結される第1アブソーバ連結面部24が形成されている。第1アブソーバ連結面部24は、図2、図3に示すように、平面略円形の棚状に形成されており、その中心に前記ショックアブソーバ5のボルト5bが挿通される貫通孔24hが形成されている。また、ブラケット20の周縁はフランジ部26となっており、そのフランジ部26がホイールハウスパネル12の開口12hの周縁に周方向複数箇所でスポット溶接されている。
即ち、前記ホイールハウスパネル12が本発明のボディを構成するパネルに相当する。
また、プレート30の第2アブソーバ連結面部34と伝達部36との上端縁には複数の上側溶接部34f,36fが形成されており、それらの上側溶接部34f,36fが、図2に示すように、ブレース40の下側フランジ部42にスポット溶接されている。
即ち、プレート30は、ブレース40を介して間接的にストレーナ50、ホイールハウスパネル12及びボディインナパネル7に接続されるとともに、そのプレート30の伝達部36により直接的にストレーナ50に接続される。
なお、ブレース40には、そのブレース40の下側フランジ部42等とプレート30の上側溶接部34f,36f等とをスポット溶接する際に使用される溶接穴48が予め決められた位置に複数形成されている。
本実施形態に係る車両のボディ構造によると、アブソーバ連結面部は、ブラケット20の第1アブソーバ連結面部24とプレート30の第2アブソーバ連結面部34とを二枚重ねでスポット溶接することにより構成される。このため、従来のように、板素材を三枚重ねでスポット溶接してアブソーバ連結面部を構成する場合よりも溶接品質が向上する。
また、ブラケット20とプレート30との肉厚寸法は、そのブラケット20の第1アブソーバ連結面部24とプレート30の第2アブソーバ連結面部34とをスポット溶接可能な最大寸法で、かつホイールハウスパネル12の肉厚寸法よりも大きな値に設定されている。このため、前記アブソーバ連結面部の表面を構成するプレート30の第2アブソーバ連結面部34がショックアブソーバ5から大きな力を受けても損傷し難くなる。
即ち、アブソーバ連結面部における溶接品質が向上するとともに、そのアブソーバ連結面部の表面を構成するプレート30等が損傷し難くなるため、前記アブソーバ連結面部の強度が向上する。
また、プレート30は、ボディの骨格部材であるストレーナ50に接続されているため、ショックアブソーバ5からの入力荷重がホイールハウスパネル12及びブラケット20と、前記ストレーナ50とに分散される。このため、前記ホイールハウスパネル12等の変形を抑えることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、プレート30の肉厚寸法を約2.9mm、ブラケット20の肉厚寸法を約2.3mmに設定する例を示したが、プレート30とブラケット20とが重ねられたときの合計寸法が5.2mmを超えない範囲で、両者20,30の肉厚寸法を適宜変更することが可能である。
また、プレート30を伝達部36によりストレーナ50に接続する例を示したが、ストレーナ50以外の骨格部材に接続することも可能である。
また、本実施形態では、本発明を車両後部のボディ構造に適用する例を説明したが、車両前部のボディ構造に適用することも可能である。
10・・・ホイールハウス
12・・・ホイールハウスパネル(ボディを構成するパネル)
20・・・ブラケット
24・・・第1アブソーバ連結面部
30・・・プレート
34・・・第2アブソーバ連結面部
40・・・ブレース
50・・・ストレーナ(ボディの骨格部材)
Claims (2)
- サスペンションを構成するショックアブソーバの上端部が連結されるアブソーバ連結面部を備える車両のボディ構造であって、
前記ボディを構成するパネルには開口が形成されており、
前記パネルの開口が、そのパネルより肉厚寸法が大きいプレス成形品であるブラケットにより下方から塞がれ、前記開口から上方に露出する前記ブラケットの露出部分に前記アブソーバ連結面部の下面側を構成する第1アブソーバ連結面部が形成されており、
前記ブラケットの第1アブソーバ連結面部の上面が、前記パネルより肉厚寸法が大きいプレス成形品であるプレートに設けられた第2アブソーバ連結面部に覆われて、前記第1アブソーバ連結面部と前記第2アブソーバ連結面部とがスポット溶接されることで、前記ボディのアブソーバ連結面部が構成されており、
前記プレートには、前記第2アブソーバ連結面部から前記パネルの上面に沿って張り出すように形成された伝達部が設けられており、
前記ブラケットと前記プレートとの肉厚寸法は、そのブラケットの第1アブソーバ連結面部と前記プレートの第2アブソーバ連結面部とをスポット溶接可能な最大寸法を超えない範囲に設定されていることを特徴とする車両のボディ構造。 - 請求項1に記載された車両のボディ構造であって、
前記プレートの伝達部の一部が前記ボディの骨格部材に接続されており、そのプレートの伝達部の他部と第2アブソーバ連結面部の一部とがプレス成形品であるブレースを介して前記ボディのパネルに接続されていることを特徴とする車両のボディ構造。
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