JP5098392B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板の一面に半導体素子の第1結合面が熱的に結合されるとともに回路基板の他面に冷却器が結合され、さらに、半導体素子における第1結合面と反対側の第2結合面にヒートマスが熱的に結合された半導体装置に関する。
回路基板に半導体素子が実装されてなる半導体装置において、半導体素子で発生した熱を放熱する技術として、例えば特許文献1に開示されるものがある。図6に示すように、特許文献1に開示の電子制御装置90(半導体装置)は、下側ケース99aと上側ケース99bとからなる筐体100内に回路基板91が配置されている。筐体100内において、回路基板91における発熱素子92を実装した面には該発熱素子92を覆うように蓋体93が取り付けられている。蓋体93は脚部94とプレート部95とを備えている。脚部94は、回路基板91における発熱素子92の周囲から立設されている。放熱用のプレート部95は、脚部94の上部に連結され、プレート部95の下面が発熱素子92の上面と接近するとともに、プレート部95の上面が上側ケース99bの内壁面と接近している。また、蓋体93におけるプレート部95の上面と上側ケース99bの内壁面との間には放熱用のゲル材97が配置され、プレート部95の下面と発熱素子92との間には放熱用のゲル材98が配置されている。
そして、電子制御装置90においては、発熱素子92で発生する熱は、ゲル材98を介して蓋体93のプレート部95に伝導され、さらにゲル材97を介して上側ケース99bに伝導される。上側ケース99bに伝導された熱は該上側ケース99bから放熱され、結果として発熱素子92の放熱が行われるようになっている。この電子制御装置90は、発熱素子92で発生した熱が該発熱素子92の上側へ放熱され、発熱素子92がその片側から冷却されるようになっている。
特開2005−12127号公報
ところが、特許文献1に開示の電子制御装置90において、発熱素子92で発生した熱は、発熱素子92とプレート部95の間に介在するゲル材98に吸収されてしまい、プレート部95への熱の伝導量が減少してしまう。さらに、プレート部95と上側ケース99bとの間にもゲル材97が介在され、プレート部95に伝導した熱はゲル材97に吸収されてしまい、上側ケース99bへの熱の伝導量が減少してしまう。このため、特許文献1の電子制御装置90においては、発熱素子92から発生した熱の上側ケース99bへの伝導量が少なくなってしまい放熱特性が低い。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、半導体素子を片側から冷却するようにした半導体装置において、半導体素子で発生した熱の放熱特性を向上させることができる半導体装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、セラミック基板とそのセラミック基板の一方の面に設けられた金属回路とを有する回路基板において当該回路基板の一面である前記金属回路の表面に半導体素子の第1結合面が熱的に結合されるとともに前記回路基板の他面に前記半導体素子で発生した熱が伝導される強制冷却式の冷却器が結合され、さらに、前記半導体素子における前記第1結合面と反対側の第2結合面にヒートマスが熱的に結合された半導体装置であって、前記半導体素子の平面形状は前記回路基板における前記金属回路の平面形状より小さく形成されるとともに半導体素子は回路基板における前記金属回路の面内に配置され、前記ヒートマスは前記半導体装置の平面視において半導体素子の縁を越えた位置にある回路基板に対向するまで延びるヒートマス本体を備え、ヒートマス本体と回路基板との間に絶縁性を有する材料よりなる熱伝導部が介装されるとともに該熱伝導部によってヒートマスと回路基板とが熱的に結合されており、前記ヒートマス本体は、前記ヒートマス本体の先端に向かうに従い前記回路基板における前記金属回路の表面に近づくように傾斜して形成されている
この発明によれば、ヒートマス本体を半導体素子を挟むことなく回路基板に対向するように形成し、回路基板と該回路基板に対向するヒートマス本体との間に熱伝導部を介在させ、該熱伝導部によってヒートマスと回路基板とを熱的に結合させた。このため、半導体装置には、半導体素子から冷却器へ直接熱を伝導させる放熱経路と、ヒートマスから熱伝導部及び回路基板を介して冷却器へ熱を伝導させる放熱経路とが形成される。よって、半導体素子から冷却器へ直接熱を伝導させる放熱経路だけしか形成されない場合に比して半導体装置における放熱特性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体装置において、前記ヒートマス本体において、半導体素子の縁と合致する位置からヒートマス本体の先端までの長さは、前記ヒートマス本体と前記回路基板との間の長さより長くなっている。この発明によれば、ヒートマス本体からの伝熱経路の領域に回路基板を位置させ、熱伝導部を介した放熱経路によって回路基板へ確実に放熱させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置において、前記熱伝導部は前記ヒートマス全体を被覆している。この発明によれば、ヒートマスの側面や、ヒートマスにおける半導体素子への結合側と反対側を覆う熱伝導部からも放熱させることができる。そして、ヒートマス全体が熱伝導部で覆われるため、ヒートマスにおける半導体素子への結合側と反対側には冷却器が設けることができず、半導体装置は回路基板の他面のみに冷却器が熱的に結合された片側冷却タイプである。このような片側冷却タイプの半導体装置であっても、半導体素子に対して2つの放熱経路を形成可能とすることによって半導体装置の放熱特性を向上させ、半導体素子が過熱状態になることを確実に抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の半導体装置において、前記ヒートマス本体の厚みは1〜20mmに設定される。この発明によれば、ヒートマス本体が薄すぎてヒートマスの熱容量が不十分となり熱の吸収機能が十分に発揮されなかったり、ヒートマス本体が厚すぎて半導体装置の体格が大型化する不具合を無くすことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の半導体装置において、前記ヒートマスには、前記半導体素子の第2結合面に半田を介して接合される脚部が形成され、前記脚部の平面形状は前記第2結合面の平面形状より小さく形成されるとともに脚部は第2結合面内に接合される。
この発明によれば、ヒートマスの脚部は半導体素子の第2結合面の範囲内に収まるように接合される。このため、半導体素子の周縁と、半導体素子の第2結合面とがヒートマスを介して電気的に接続されることを防止することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の半導体装置において、前記ヒートマス本体の平面形状は半導体素子における第2結合面の平面形状より大きく形成され、ヒートマス本体は半導体素子の全周縁を越えた位置にある回路基板に対向するように形成されている。
この発明によれば、ヒートマス本体の周り全体にヒートシンクへ向かう放熱経路を形成することができ、放熱特性を良好なものとすることができる
本発明によれば、半導体素子を片側から冷却するようにした半導体装置において、半導体素子で発生した熱の放熱特性を向上させることができる。
以下、本発明を車両に搭載されて使用される半導体装置(半導体モジュール)に具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、図1及び図2は半導体装置の構成を概略的に示したものであり、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かり易くするために、それぞれの部分の幅、長さ、厚さ等の寸法の比は実際の比と異なっている。
図1に示すように、半導体装置10は、回路基板としての絶縁回路基板11を備える。絶縁回路基板11は、表面(上面)に金属回路13を有し、裏面(下面)に金属板16を有するセラミック基板14を備える。そして、絶縁回路基板11の一面となる金属回路13には半田層H1を介して半導体素子12の第1結合面12aが接合され、絶縁回路基板11の一面には半導体素子12の第1結合面12aが熱的に結合されている。なお、金属回路13には複数の半導体素子12が接合されているが、図示の都合上、1個のみ示している。半導体素子12の平面形状は金属回路13の平面形状より小さく、半導体素子12は金属回路13の面内に配置されており、半導体素子12の全周囲に金属回路13が位置している。また、絶縁回路基板11の他面となる金属板16には冷却器としての金属製のヒートシンク15が接合され、絶縁回路基板11の他面にはヒートシンク15が熱的に結合されている。
ヒートシンク15は、板状に形成されるとともに、冷却媒体が流れる冷媒流路15aを備えている。ヒートシンク15の冷却能力は、半導体素子12が定常発熱状態(通常状態)にある場合、半導体素子12で発生した熱が絶縁回路基板11を介してヒートシンク15に伝導されて円滑に除去されるように設定されている。そして、ヒートシンク15は、半導体素子12で発生した熱が絶縁回路基板11を介して伝導される強制冷却式の冷却器として機能する。
なお、半導体素子12としては、例えば、IGBT(Insurated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET、ダイオードが用いられる。金属回路13は、例えば、アルミニウムや銅等で形成されている。また、半導体素子12はその表裏両面が平滑面状に形成されている。セラミック基板14は、例えば、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素等により形成されている。ヒートシンク15は、アルミニウム系金属や銅等で形成されている。アルミニウム系金属とはアルミニウム又はアルミニウム合金を意味する。金属板16は、セラミック基板14とヒートシンク15とを接合する接合層として機能し、例えば、アルミニウムや銅等で形成されている。
ヒートシンク15において、冷媒流路15aは、図示しない入口部及び出口部を備え、入口部及び出口部は、車両に装備された冷媒循環路に連結可能に形成されている。なお、絶縁回路基板11及び半導体素子12はヒートシンク15に複数搭載されているが、図示の都合上、1個のみ示している。
半導体素子12において、前記第1結合面12aと反対側の第2結合面12bには該半導体素子12で発生した熱を一時的に吸収して、その後、放出するヒートマス17が半田層H2を介して接合されている。ヒートマス17の材質としては、半導体素子12とヒートマス17とを接合する半田(半田層H2)より高融点の金属が好ましい。
そして、半導体装置10は、半導体素子12の第2結合面12bに熱的に結合されたヒートマス17を備えている。ヒートマス17は半導体素子12の電極を兼ねている。半導体素子12がIGBTの場合、第2結合面12bがエミッタになってヒートマス17はエミッタ電極になる。また、半導体素子12がMOSFETの場合、第2結合面12bがソースになってヒートマス17はソース電極になる。さらに、半導体素子12がダイオードの場合、第2結合面12bがアノードになってヒートマス17はアノード電極になる。
ヒートマス17の熱容量は、過負荷等によって半導体素子12から定常発熱状態より大きな熱が発生して、ヒートシンク15による冷却機能が足りなくなった際、半導体素子12で発生した熱の一部を一時的に吸収して半導体素子12が過熱状態になることを抑制するのに必要な値に設定されている。例えば、半導体装置10がハイブリッド車の走行用モータの制御に使用されるインバータの場合、定常運転状態から急な加速あるいは急停止の場合、1秒未満の短時間で半導体素子12からの発熱で定格の3〜5倍もの損失熱量が発生する。この実施形態においては、その際に、半導体素子12の温度が動作温度の上限を超えないようにヒートマス17の熱容量が設定される。なお、急停止の場合に過大な損失熱量が発生するのは、回生動作が行われるために大きな電流が流れるからである。
ヒートマス17は、平面形状が半導体素子12の平面形状より大きなヒートマス本体17aと(図2参照)、該ヒートマス本体17aから延設された一つの脚部17bとから構成されている。ヒートマス本体17aは平面視長方形状をなす板状に形成され、脚部17bを除いたヒートマス本体17aの厚みDはヒートマス本体17aの長さ方向に沿って一定となっている。ヒートマス本体17aの厚みDは1〜20mmに設定されるのが好ましい。ヒートマス本体17aの厚みDが1mm未満であると、上述のように設定されたヒートマス17の熱容量、すなわち、ヒートシンク15による冷却機能が足りなくなった際、半導体素子12で発生した熱の一部を一時的に吸収して半導体素子12が過熱状態になることを抑制するのに必要な熱容量を確保できなくなり好ましくない。一方、ヒートマス本体17aの厚みDが20mmを越えると、ヒートマス17として機能するのに十分な熱容量を確保できるが、ヒートマス17の体格が大型化してしまい好ましくない。
ヒートマス17の脚部17bはその軸方向に直交する断面視が四角形状に形成され(図2参照)、該脚部17bの断面形状は半導体素子12の平面形状より小さくなっている。そして、ヒートマス17は、脚部17bが半導体素子12の第2結合面12bの範囲内に収まるように半田層H2を介して第2結合面12bに接合されている。すなわち、脚部17bの直下の周囲には半導体素子12の第2結合面12bが位置している。このため、ヒートマス本体17aは第2結合面12bには直接接合されておらず、ヒートマス本体17aによって第2結合面12bと半導体素子12の周縁12cとが電気的に接続されないようになっている。
図2に示すように、ヒートマス17が半導体素子12に接合された状態において、半導体装置10の平面視ではヒートマス本体17aは半導体素子12全体を覆い、半導体装置10の平面視において、ヒートマス本体17aは半導体素子12の周縁12cを越える位置まで延びている。このため、図1に示すように、ヒートマス本体17aの下面17cのほぼ全面は、半導体素子12を挟むことなく絶縁回路基板11における金属回路13に対向している。本実施形態においては、ヒートマス本体17aの下面17cによって絶縁回路基板11の一面たる金属回路13に対向する対向面が形成されている。また、ヒートマス17は、ヒートマス本体17aの下面17cが金属回路13に対して平行をなすように形成されている。
半導体素子12の周縁12cを通過し、かつ半導体素子12の厚み方向に延びる直線を直線Kとする。そして、前記直線Kが下面17cと交わる位置を交差点Pとすると、該交差点Pは下面17cにおいて半導体素子12の周縁12cに合致する位置となる。そして、下面17cにおいて、半導体素子12の周縁12c(端縁)に合致する位置(交差点P)からヒートマス本体17aの先端までの長さはL1に設定されている。この長さL1は、ヒートマス本体17aの下面17cと金属回路13との間の長さL2より長くなっている。
半導体装置10において、半導体素子12からヒートマス17に吸収された熱のヒートマス本体17aの先端からの伝熱経路は、ヒートマス本体17aの両下端を頂部とし、金属回路13の面と45°の角度を成す面を側面(斜面)とする台形状となり、図1において二点鎖線で示す直線N1が伝熱経路全体の境界を表す。また、二点鎖線で示す直線N2が特に伝熱に高く寄与する伝熱経路の境界を示す。そして、この直線N2で示す伝熱経路の領域に絶縁回路基板11が面するように前記長さL1は長さL2より長く設定されている。
半導体装置10において、ヒートシンク15より上側全体は合成樹脂材料製の熱伝導部20によって被覆されている。熱伝導部20は絶縁性を有する材料よりなり、材質としては熱伝導率の高い合成樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂やフィラーを樹脂に混合させた樹脂材料が挙げられる。
熱伝導部20は、ヒートマス17全体、すなわちヒートマス本体17a及び脚部17bを被覆し、ヒートマス本体17aの側面及び脚部17bの側面に熱伝導部20が接触している。また、熱伝導部20は、絶縁回路基板11(金属回路13)を被覆し、金属回路13に接触している。そして、熱伝導部20を形成する合成樹脂材料はヒートマス本体17aにおける下面17cと絶縁回路基板11における金属回路13との間にも隙間なく充填され、熱伝導部20は下面17c及び金属回路13に接触している。このため、ヒートマス本体17aの下面17cと金属回路13(絶縁回路基板11)とは熱伝導部20を介して熱的に結合されている。
次に前記のように構成された半導体装置10の作用を説明する。半導体装置10は、車両としてのハイブリッド車に搭載されるとともに、図示しない冷媒循環路にヒートシンク15がパイプを介して連通された状態で使用される。冷媒循環路にはポンプ及びラジエータが設けられ、ラジエータは、モータにより回転されるファンを備え、ラジエータからの放熱が効率よく行われるようになっている。冷却媒体として、例えば、水が使用される。
半導体装置10に搭載された半導体素子12が駆動されると、半導体素子12から熱が発生する。定常運転状態(定常発熱状態)では、半導体素子12から発生した熱は、半田層H1及び絶縁回路基板11を介してヒートシンク15に伝導される。すなわち、半導体素子12から発生した熱は半田層H1及び絶縁回路基板11を介した放熱経路Y1を経てヒートシンク15に伝導される。ヒートシンク15に伝導された熱は、冷媒流路15aを流れる冷却媒体に伝導されるとともに持ち去られ、該熱はヒートシンク15で放熱される。すなわち、ヒートシンク15は、冷媒流路15aを流れる冷却媒体によって強制冷却されるため、半導体素子12で発生した熱がヒートシンク15を介して効率良く除去される。
定常運転状態から急な加速あるいは急な停止が行われると、半導体素子12からの発熱が急増し、1秒以下の短時間で定格の3〜5倍もの損失熱量が発生する。この非定常時の高発熱に対しては、ヒートシンク15による強制冷却だけでは対処できない。しかし、半導体素子12にはヒートマス17が半田付けされているため、ヒートシンク15で除去できない熱がヒートマス17に一時的に吸収される。
また、ヒートマス17が熱飽和状態になるとヒートマス17に吸収された熱は、主にヒートマス本体17aの下面17cから熱伝導部20に伝導される。そして、熱伝導部20に伝導された熱は絶縁回路基板11を介してヒートシンク15に伝導される。すなわち、ヒートマス17に吸収された熱は、熱伝導部20及び絶縁回路基板11を介した放熱経路Y2を経てヒートシンク15に伝導される。ヒートシンク15に伝導された熱は、冷媒流路15aを流れる冷却媒体に伝導されるとともに持ち去られ、ヒートシンク15で放熱される。すなわち、ヒートシンク15は、冷媒流路15aを流れる冷却媒体によって強制冷却されるため、ヒートマス17に吸収された熱が効率良く除去される。
したがって、半導体装置10においては、放熱経路Y1を経て半導体素子12からヒートシンク15へ直接伝導される熱に加え、放熱経路Y2を経てヒートマス17から熱伝導部20及び絶縁回路基板11を介してヒートシンク15へ伝導される熱が、ヒートシンク15を流れる冷却媒体に持ち去られる。さらに、ヒートマス本体17aの先端や上面(ヒートマス17における半導体素子12への結合側と反対側)にも熱伝導部20が接触しているため、熱伝導部20を介して放熱される。そして、半導体装置10が定常運転状態に戻ると、ヒートマス17の熱が半導体素子12及び絶縁回路基板11を介してヒートシンク15へ伝導され、ヒートマス17は元の状態に戻る。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ヒートマス17におけるヒートマス本体17aをその下面17c(対向面)が半導体素子12を挟むことなく金属回路13(絶縁回路基板11の一面)に対向するように形成し、ヒートマス本体17aと金属回路13との間に熱伝導部20を介在させ、ヒートマス本体17aと金属回路13とを熱的に結合させた。このため、半導体装置10には、半導体素子12からヒートシンク15へ直接熱を伝導させる放熱経路Y1と、ヒートマス17から熱伝導部20及び絶縁回路基板11を介してヒートシンク15へ熱を伝導させる放熱経路Y2とが形成される。よって、半導体素子12からヒートシンク15へ直接熱を伝導させる放熱経路Y1だけしか形成されない場合に比して半導体装置10における放熱特性を向上させることができる。
(2)ヒートマス本体17aと金属回路13との間に熱伝導部20が介在するため、ヒートマス本体17aから熱伝導部20及び絶縁回路基板11を介してヒートシンク15へ延びる放熱経路Y2が形成される。そして、ヒートマス17が熱飽和状態になっても、該ヒートマス17が吸収した熱を放熱経路Y2を通過させてヒートシンク15に熱を伝導させ、ヒートシンク15から放熱させることができる。よって、半導体素子12が過熱状態になることが抑制される。
(3)ヒートマス本体17aにおける下面17cにおいて、半導体素子12の周縁12cに合致する位置(交差点P)からヒートマス本体17aの先端までの長さL1は、ヒートマス本体17aの下面17cと金属回路13との間の長さL2より長くなっている。このため、ヒートマス本体17aからの伝熱経路のうち特に伝熱に高く寄与する伝熱経路の領域に絶縁回路基板11が面するようにすることができ、ヒートマス17が吸収した熱を放熱経路Y2を通過させてヒートシンク15に熱を伝導させることができる。
(4)ヒートマス本体17aの厚みは1〜20mmに設定されている。このため、ヒートマス本体17aが薄すぎてヒートマス17の熱容量が不十分となり熱の吸収機能が十分に発揮されなかったり、ヒートマス本体17aが厚すぎて半導体装置10の体格が大型化する不具合を無くすことができる。
(5)熱伝導部20はヒートマス17の全体を被覆している。このため、放熱経路Y2を通ってヒートシンク15に伝導される熱だけでなく、ヒートマス本体17aの側面や上面からも放熱させることができる。そして、半導体装置10においては、ヒートシンク15を冷却器として備える片側冷却タイプである。このような片側冷却タイプの半導体装置10であっても、2つの放熱経路Y1,Y2を形成可能とすることによって半導体装置10の放熱特性を向上させ、半導体素子12が過熱状態になることを確実に抑制することができる。
(6)ヒートマス17において、脚部17bは半導体素子12の第2結合面12bの範囲内に収まるように接合されている。このため、半導体素子12の周縁12cと、半導体素子12の第2結合面12bとがヒートマス本体17aを介して電気的に接続されることを防止することができる。
(7)ヒートマス本体17aの平面形状は半導体素子12における第2結合面12bの平面形状より大きく形成され、ヒートマス本体17aは下面17cが半導体素子12の全周縁12cを越えた位置にある金属回路13に対向するように形成されている。そして、ヒートマス本体17aの全周に亘って熱伝導部20が設けられている。このため、ヒートマス本体17aの全周にヒートシンク15へ向かう放熱経路Y2を形成することができ、放熱特性を良好なものとすることができる。
(8)熱伝導部20は絶縁性を有する合成樹脂材料よりなる。そして、溶融させた合成樹脂材料をヒートマス本体17aと絶縁回路基板11との間に充填して熱伝導部20を形成することが可能となる。このため、熱伝導部20をヒートマス本体17aと金属回路13に確実に接触させることができる。そして、例えば、熱伝導部20を固体状に成形したものとし、この固体状の熱伝導部20をヒートマス本体17aと絶縁回路基板11との間に嵌め込む場合に比して、ヒートマス本体17aと金属回路13との熱的な結合を良好なものとすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図3に示すように、熱伝導部20はヒートマス17全体を被覆するように設けられず、絶縁回路基板11の一面(金属回路13)とヒートマス本体17aの下面17c(対向面)との間のみに介在されるように設けられていてもよい。又は、図示しないが、熱伝導部20はヒートシンク15よりも絶縁回路基板11側(上側)において、絶縁回路基板11、半田層H1、半導体素子12、半田層H2及びヒートマス17の側方に設けられ、ヒートマス17の上面を被覆しないように設けられていてもよい。
○ 図4に示すように、ヒートマス17においてヒートマス本体17aは、その先端に向かうに従い下面17cが絶縁回路基板11の一面(金属回路13)に近づくように傾斜して形成されていてもよい。このように構成すると、絶縁回路基板11の一面(金属回路13)とヒートマス本体17aの下面17cとの間隔が徐々に短くなり、ヒートマス17から絶縁回路基板11へ熱を伝導させやすくなる。なお、この場合、ヒートマス本体17aの下面17cから金属回路13までの長さL2は、ヒートマス本体17aの先端における下端から金属回路13までの長さとなる。また、ヒートマス17の厚みDはヒートマス本体17aの先端における厚みとなる。
○ 図5に示すように、ヒートマス本体17aは、半導体装置10の平面視において半導体素子12の第2結合面12bから半導体素子12の周縁12cの一部を越えて延びるように形成され、ヒートマス本体17aが半導体素子12の周縁12cの全周を越えていなくてもよい。すなわち、ヒートマス本体17aと金属回路13との間に半導体素子12を介することなく熱伝導部20が介装され、熱伝導部20によってヒートマス本体17aと金属回路13とが熱的に結合されるのであれば、ヒートマス本体17aの形状は任意に変更してもよい。図5においては、熱伝導部20はヒートマス17全体を被覆するように設けられず、絶縁回路基板11の一面(金属回路13)とヒートマス本体17aの下面17c(対向面)との間のみに介在されるように設けられている。なお、熱伝導部20は、実施形態のようにヒートシンク15の上側全体に設けられ、ヒートマス17全体を被覆するように設けられていてもよい。
○ 一つの半導体素子12に複数のヒートマス17を接合してもよい。この場合、ヒートマス17を分割することにより熱応力が緩和される。
○ ヒートシンク15は強制冷却式の冷却器であればよく、ヒートシンク15を流れる冷却媒体は水に限らず、例えば、他の液体や空気などの気体であってもよい。また、沸騰冷却式の冷却器であってもよい。
○ 絶縁回路基板11上に金属回路13が1個形成される構成に限らず、金属回路13が複数形成されるとともに、各金属回路13上に半導体素子12がそれぞれ接合された構成としてもよい。この場合、各半導体素子12にヒートマス17が接合され、各ヒートマス17の下面17cと、該下面17cに対向する金属回路13との間に熱伝導部20が介装される。
○ 半導体装置10は、車載用に限らず他の用途に使用するものに適用してもよい。
実施形態の半導体装置を概略的に示す断面図。 実施形態の半導体装置を概略的に示す平面図。 半導体装置の別例を概略的に示す断面図。 半導体装置の別例を概略的に示す断面図。 半導体装置の別例を概略的に示す平面図。 背景技術の電子制御装置を示す断面図。
符号の説明
D…厚み、H2…半田としての半田層、L1,L2…長さ、10…半導体装置、11…回路基板としての絶縁回路基板、12…半導体素子、12a…第1結合面、12b…第2結合面、12c…縁としての周縁、13…回路基板の一面を形成する金属回路、15…冷却器としてのヒートシンク、16…回路基板の他面を形成する金属板、17…ヒートマス、17a…ヒートマス本体、17b…脚部、20…熱伝導部。

Claims (6)

  1. セラミック基板とそのセラミック基板の一方の面に設けられた金属回路とを有する回路基板において当該回路基板の一面である前記金属回路の表面に半導体素子の第1結合面が熱的に結合されるとともに前記回路基板の他面に前記半導体素子で発生した熱が伝導される強制冷却式の冷却器が結合され、さらに、前記半導体素子における前記第1結合面と反対側の第2結合面にヒートマスが熱的に結合された半導体装置であって、
    前記半導体素子の平面形状は前記回路基板における前記金属回路の平面形状より小さく形成されるとともに半導体素子は回路基板における前記金属回路の面内に配置され、前記ヒートマスは前記半導体装置の平面視において半導体素子の縁を越えた位置にある回路基板に対向するまで延びるヒートマス本体を備え、ヒートマス本体と回路基板との間に絶縁性を有する材料よりなる熱伝導部が介装されるとともに該熱伝導部によってヒートマスと回路基板とが熱的に結合されており、
    前記ヒートマス本体は、前記ヒートマス本体の先端に向かうに従い前記回路基板における前記金属回路の表面に近づくように傾斜して形成されている半導体装置。
  2. 前記ヒートマス本体において、半導体素子の縁と合致する位置からヒートマス本体の先端までの長さは、前記ヒートマス本体と前記回路基板との間の長さより長くなっている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記熱伝導部は前記ヒートマス全体を被覆している請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ヒートマス本体の厚みは1〜20mmに設定される請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記ヒートマスには、前記半導体素子の第2結合面に半田を介して接合される脚部が形成され、前記脚部の平面形状は前記第2結合面の平面形状より小さく形成されるとともに脚部は第2結合面内に接合される請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記ヒートマス本体の平面形状は半導体素子における第2結合面の平面形状より大きく
    形成され、ヒートマス本体は半導体素子の全周縁を越えた位置にある回路基板に対向するように形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の半導体装置。
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