JP5098190B2 - 高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 Download PDFInfo
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(1)めっき濡れ性阻害
Si系酸化物は溶融亜鉛を弾くため溶融亜鉛と鋼板の濡れを阻害し、目視で認識できる不めっきを引き起こすことがある。また、不めっきに至らなかった場合でも、Fe-Zn初期合金化の不均一な反応により皮膜の均一性が損なわれる他、めっき密着性にも悪影響を及ぼす。
(2)合金化遅延
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合、鋼の表面に存在するSi系酸化物が、Fe-Zn合金化反応のためのFe、Znの拡散を阻害することで、合金化が進み難くなる。これにより、合金化ムラやライン速度低下による生産性の低下が生じる。また、生産性低下を避けるために合金化処理温度を高くした場合には、合金化制御の困難さによる過合金化、および脆弱な合金相が高温で生成するため、耐パウダリング性が劣化する。
(1)本発明に係る溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法は、Siを1mass%以上、3mass%以下含有する鋼の表面に、局部山頂の平均間隔Sが20μm以下、算術平均粗さRaが0.2μm以上の粗さを付与するステップと、前記粗さが付与された鋼を圧延するステップと、前記圧延された鋼を酸化熱処理してから還元焼鈍熱処理を行うステップと、前記熱処理された鋼に溶融亜鉛めっきを行うステップとを備えることを特徴とする。
(2)上記(1)において、粗さを付与するステップを、熱間圧延工程、酸洗工程もしくは冷間圧延工程の少なくとも何れか一つの工程に備えることを特徴とする。
(3)上記(1)または(2)において、粗さが付与された鋼を圧延する工程を、冷間圧延工程にて行うことを特徴とする。
(4)上記(1)から(3)において、溶融亜鉛めっきを行う工程は、溶融亜鉛をめっきした後に鋼と亜鉛とを合金化させる工程を備え、該合金化させる工程において、460℃以上、560℃以下の温度範囲で合金化熱処理を行うことを特徴とする。
Si:1mass%以上、3mass%以下
本発明が対象とする鋼板は、Siを1mass%以上、3mass%以下含有する鋼板である。下限1mass%としたのは、これ未満であれば酸化時の酸化抑制効果が顕著でなく、酸化を利用した従来技術の範囲で対策が可能であるためである。上限を3mass%としたのは、3mass%を超えてSiを含有させた場合、鋼自体が硬くなり過ぎ、これ以下で成分設計を行うことが現実的であるからである。よって、本発明では、製造する高強度鋼のSi含有量を1mass%以上、3mass%以下と規定した。
Cは、高強度化に対して有用なだけでなく、強度−延性バランスを向上させるために残留オーステナイトを生成させる等、組織制御を行う場合に有用な元素である。これらの作用を発現させるには、0.002mass%以上含有されていることが好ましい。しかしながら、含有量が0.5mass%を超えると、溶接性が劣化するため、0.5mass%を上限とすることが好ましい。より好ましくは、0.05mass%以上、0.25mass%以下の範囲である。
Mnは、鋼の高強度化に有用な元素であり、0.3mass%以上含有させることによってその効果を発揮することができる。しかしながら、Mnも、Siと同様に、焼鈍時に酸化膜を形成する元素であり、その含有量が4.5mass%を超えて多量に含有されると、めっき密着性が劣化する傾向がある。また、溶接性や強度−延性バランスの確保にも悪影響を及ぼす。このため、Mn含有量は4.5mass%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.5mass%以上、3mass%以下の範囲である。
Alは、Siと補完的に添加される元素であり、0.01mass%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Al量が3mass%を超えると、めっき密着性が劣化する傾向がある。また、溶接性や強度−延性バランスの確保にも悪影響を及ぼす。従って、Alは3mass%以下とすることが好ましい。
Pは高強度鋼板を得るには安価で有効な元素であるが、0.1mass%を超えて含有させるとスポット溶接性が著しく損なわれるだけでなく、還元焼鈍直前の酸洗の後にP系の酸化物が生成し、めっき性が阻害される。よって、Pの添加量の上限を0.1mass%とすることが好ましい。
SはMnSとなり有害介在物となるため、極力添加を避けた方がよい。そのため、0.01mass%以下とするのが好ましい。
2)で説明した所定の粗さを付与した後の圧延ステップでは、鋼表面の凸部を平均的かつ十分に潰す必要がある。その為には、圧延用ロールとして、ブライトロールを使用するのが良い。即ち、ステップとしては、ブライトロールを使用する状況が多い仕上げ圧延ステップS1302で代用するのが最も効果的である。ブライトロールを利用すると、均一に潰すことができる上に、潰し方や粗度調整がし易い。その他のステップ、例えば冷間圧延ステップS1301でも、当該ステップで使用される圧延ロールの粗さが、付与された鋼板表面の粗さと比較して、十分低い粗さであれば、同様に代用しても良い。また、圧延ステップは1回のみでも、2回以上でも良い。つまり、例えば、冷間圧延ステップS1301で所定の粗さを鋼表面に付与し、その後仕上げ圧延ステップS1302で圧延する、または、熱間圧延工程110や酸洗工程120で所定の粗さを鋼表面に付与し、その後、冷間圧延ステップS1301および仕上げ圧延ステップS1302で圧延する、としても良い。圧延ステップを複数回繰り返しても、図2(b)の端部3の面密度が減少することは無いためである。
図1の溶融亜鉛めっき工程140の酸化ステップS1401にて、所定の粗さを付与した後圧延した鋼の、表層の鉄を酸化させる。この酸化の方法については特に制限はないが、無酸化炉や直火炉方式が一般的である。酸化条件は、Si非含有鋼の場合で酸化鉄付着量として少なくとも1.4g/m2以上酸化させる条件であれば良い。
特に合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合、著しい合金化遅延が解消されるので、合金化温度を従来品と同じにすればライン速度を上げることで生産性を向上できると共に、ライン速度を従来品と同じにすれば合金化温度を低くして耐パウダリング性を向上できる。
2 凸部
3 端部
4 鉄酸化物の厚みが厚い領域
41 鉄酸化物の厚みが薄い領域
5 Si系酸化物の濃化が抑制された部分
6 Si系酸化物
110 熱間圧延工程
120 酸洗工程
130 冷間圧延工程
140 溶融亜鉛めっき工程
S1101 スラブ加熱ステップ
S1102 熱間圧延ステップ
S1103 冷却巻取りステップ
S1301 冷間圧延ステップ
S1302 仕上げ圧延ステップ
S1401 酸化ステップ
S1402 還元焼鈍ステップ
S1403 溶融亜鉛浸漬浴ステップ
S1404 ワイピングステップ
S1405 合金化ステップ
Claims (4)
- Siを1mass%以上、3mass%以下含有する鋼の表面に、局部山頂の平均間隔Sが20μm以下、算術平均粗さRaが0.2μm以上の粗さを付与するステップと、
前記粗さが付与された鋼を前記粗さを潰すために圧延するステップと、
前記圧延された鋼を酸化熱処理してから還元焼鈍熱処理を行うステップと、
前記熱処理された鋼に溶融亜鉛めっきを行うステップとを備えることを特徴とする高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 - 粗さを付与するステップを、熱間圧延工程、酸洗工程もしくは冷間圧延工程の少なくとも何れか一つの工程に備えることを特徴とする請求項1に記載の高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 粗さが付与された鋼を圧延する工程を、冷間圧延工程にて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 溶融亜鉛めっきを行う工程は、溶融亜鉛をめっきした後に鋼と亜鉛とを合金化させる工程を備え、
該合金化させる工程において、460℃以上、560℃以下の温度範囲で合金化熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3に記載の高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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