JP4237478B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に係わる。より詳細には、密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車車体などの素材として、塗装後の耐食性に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板が多用されている。その際、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、プレス成形により加工される場合が多い。
【0003】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板をプレス成形により加工する場合には、皮膜の剥離や割れなどが問題となる。加工時の皮膜剥離は、V曲げなどの局所変形でおきるパウダリング、高面圧でしゅう動距離が長い変形で多く発生するフレーキングなどがある。一方、加工後に塗装された合金化溶融亜鉛めっき鋼板においても、例えば自動車走行時に石跳ねなどで塗装とともにめっきが剥離するチッピング等の現象が問題となる。これらの皮膜の剥離は、すべてめっき皮膜/下地鋼板の界面、あるいはめっき皮膜中の異なる鉄―亜鉛合金間の界面で起こると考えられている。
【0004】
従来より、めっき皮膜剥離の主要因は、めっき皮膜/下地鋼板に存在する鉄濃度が高く、高硬度かつ低延性を有する、Γ相が存在するためと考えられてきた。そのため、Γ相の厚みを薄くすることにより皮膜剥離性を改善する手段が種々提案されてきた。例えば、特許文献1や特許文献2には、Γ相の厚みを薄くすることにより耐パウダリング性を向上する方法が開示されている。また、特許文献3には、Γ相の結晶粒径を200nm以上800nm以下にすることで耐パウダリング性が向上することが開示されている。
【0005】
以下に、先行技術文献情報について記載する。
【0006】
【特許文献1】
特開平1-279738号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平6-33214号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平10-130804号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な合金化溶融亜鉛めっき皮膜の界面には、Γ相の結晶がほぼ均一な厚さで連続して存在している。そのため、上記特許文献1〜3のように、皮膜剥離性の解決策は、連続して存在しているΓ相の平均厚みのみを制御することに視点が置かれていた。しかしながらこれらの改善効果は不十分である。新しい視点に立った解決策が望まれている。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来考えられていた界面におけるΓ相の連続性を受け入れるのではなく、Γ相の連続性を阻止しかつ制御することに視点をおいて、従来より界面密着性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、以下の発明(1)〜(3)を提供する。
(1)下地鋼板が、 0.1 質量%以上の Si 、 0.010 質量%以上の P 、 0.10 質量%以上の Al 、 1.0 質量%以上の Mn 、のうちのいずれか一種または二種以上を含む合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき皮膜/下地鋼板界面におけるΓ相の存在する界面の割合が、断面組織で見て5%以上70%以下であって、該Γ相が存在する界面の平均長さは150μm以下、かつ該Γ相が存在する界面同士の平均間隔は1μm以上であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0012】
(2)前記めっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相の存在する界面の位置が、Γ相の存在しない界面の位置よりも、平均で20nm以上鋼板側に侵入していることを特徴とする前記(1)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0014】
(3)前記(1) 又は (2)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するにあたり、めっき前鋼板表面に Si 、 Mn 、 P 、 Al のうちのいずれか一種又は二種以上の元素を含む粒子状酸化物、あるいは前記粒子状酸化物の基部が薄い酸化膜でつながった薄膜状酸化物を付与することにより、鋼板を亜鉛めっき浴に浸漬してめっきする亜鉛めっき工程で、鋼板表面の30%以上の領域にδ相及び/又はΓ1相を形成させ、次にめっき皮膜の合金化処理工程で、前記δ相及び/又はΓ1相を形成させた領域でΓ相の生成を抑制して、めっき皮膜/下地鋼板の界面においてΓ相の存在する領域を不連続に形成することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(3)前記(1) 又は (2)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するにあたり、めっき前鋼板表面に Si 、 Mn 、 P 、 Al のうちのいずれか一種又は二種以上の元素を含む粒子状酸化物、あるいは前記粒子状酸化物の基部が薄い酸化膜でつながった薄膜状酸化物を付与することにより、鋼板を亜鉛めっき浴に浸漬してめっきする亜鉛めっき工程で、鋼板表面の30%以上の領域にδ相及び/又はΓ1相を形成させ、次にめっき皮膜の合金化処理工程で、前記δ相及び/又はΓ1相を形成させた領域でΓ相の生成を抑制して、めっき皮膜 / 下地鋼板界面におけるΓ相の存在する界面の割合が、断面組織で見て 5 %以上 70 %以下であって、該Γ相が存在する界面の平均長さは 150 μ m 以下、かつ該Γ相が存在する界面同士の平均間隔は 1 μ m 以上となるように、またはさらにめっき皮膜 / 下地鋼板界面において、Γ相の存在する界面の位置が、Γ相の存在しない界面の位置よりも、平均で 20nm 以上鋼板側に侵入するように、めっき皮膜/下地鋼板界面においてΓ相の存在する領域を不連続に形成することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
発明(1)は、下地鋼板が、 0.1 質量%以上の Si 、 0.010 質量%以上の P 、 0.10 質量%以上の Al 、 1.0 質量%以上の Mn 、のうちのいずれか一種または二種以上を含む合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき皮膜/下地鋼板界面におけるΓ相が界面に沿って均一な厚さで連続して存在するよりも、制御された不連続状に存在させる方が、めっき皮膜の密着性に優れていることを見出したことに基づく。
【0016】
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相の存在する界面の分布状態を説明する平面模式図を図1に示す。図1において、ハッチング領域はΓ相が存在する界面(領域)である。Γ相の存在する界面は、図1(a)のように島状であってもよく、図1(b)のように網目状であってもよく、また(a)の島状と(b)の網目状の混在したものであってもよい。
【0017】
めっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相が存在する界面の割合は、断面組織で見て、界面長の5%以上70%以下である必要がある。前記割合が70%を超えると、Γ相が不連続に存在する状況が鋼板表面の大部分において達成されず、密着性を向上させることが困難になる。前記割合が5%未満になると、Γ相を分散させたことによる密着性を向上させる効果が不十分になる。
【0018】
図2は、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のΓ相の存在する界面の分布状態を説明するめっき皮膜/下地鋼板界面近傍の断面模式図である。図1(a)、(b)のいずれであっても、断面組織でみると、図2に示す模式図のようになり、Γ相が存在する界面は不連続である。本発明において、Γ相が存在する界面が不連続であるとは、平面で見た場合、図1(a)のようにΓ相が存在する界面が島状に分散して存在するものだけでなく、図1(b)のようにΓ相が存在する界面が網目状、あるいは図1(a)の島状のΓ相が存在する界面と(b)の網目状Γ相が存在する界面が混在したものを含んでいる。
【0019】
Γ相の存在する界面が図1(a)のような分布状態であれば、Γ相の存在する界面の状態を平均直径あるいは短軸長などで規定できる。しかし、図1(b)のような分布状態も本発明に含まれるため、Γ相の存在する界面の状態を平均直径あるいは短軸長などで規定できない。そこで、本発明では、図2に示されるような断面組織に基いて、めっき皮膜/下地鋼板界面におけるΓ相の存在する界面の状態を規定する。
【0020】
本発明において、重要な点は、図2の断面組織で示されるように、めっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相が存在する界面が不連続であることである。Γ相は硬度が高いため、加工時に皮膜中で発生した亀裂は、下地鋼板と高い硬度を有するΓ相との界面を伝播しやすく、マクロな大きさのめっき皮膜の剥離につながりやすい。Γ相が存在する界面が不連続であることによって、めっき皮膜中やめっき皮膜/下地鋼板界面(Γ相と下地鋼板の界面)で亀裂が発生しても、Γ相が存在しない界面においてその亀裂の伝播が阻止され、亀裂が伝播してマクロな大きさのめっき皮膜の剥離につながることを防止できると推定される。
【0021】
Γ相の存在する界面の長さ(平均長さ、以下同じ。)は150μm以下、かつ該Γ相の存在する界面同士の間隔(平均間隔、以下同じ。)は1μm以上であることが必要である。Γ相の存在する界面の長さが150μm超、または該Γ相の存在する界面同士の間隔が1μm未満になると、Γ相の存在する界面を不連続にした効果が低下し、界面に沿って亀裂が伝播し、皮膜の剥離につながる。Γ相の存在する界面の長さは短い方が有利であり、またΓ相の存在する界面同士の間隔は大きい方が有利である。なお、本発明は、以上で説明した亀裂の伝播や剥離のメカニズムによって限定されるものではない。
【0022】
本発明は、従来技術にみられるようにΓ相の厚さを規定するものではない。Γ相の存在する界面においてはΓ相の厚さは例えば1μm以上であってもよい。
【0023】
発明(2)は、発明(1)において、めっき皮膜/下地鋼板の界面においてΓ相の存在する界面をΓ相の存在しない界面よりも鋼板側に侵入させることが、より優れた密着性を発現させることを見出したことに基づく。発明(2)によってより優れた密着性を発現できる理由は、発明(1)で述べたメカニズムに加えて、Γ相の存在する界面が不連続に鋼板側に侵入したことによるアンカー効果と考えられる。
【0024】
図3は、発明(2)に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のΓ相の存在する界面の分布状態を説明するめっき皮膜/下地鋼板界面近傍の断面組織の模式図である。Γ相の存在する界面とΓ相の存在しない界面の位置の差(鋼板側への侵入位置の差)の平均が20nm以上になると前記効果がより顕著になる。なお、前記侵入位置の差は、断面組織で、Γ相の存在しない界面の平均位置を求め、Γ相の存在しない界面の平均位置に対するΓ相の存在する界面の位置の鋼板側(鋼板厚さ方向)への侵入距離(図3のd)を例えばn個の界面について求め、さらにその平均値(Σdi/n)を求め、これをΓ相の存在する界面とΓ相の存在しない界面の侵入位置の差とする。
【0025】
次に、発明(1)の下地鋼板組成の限定理由について述べる。めっきを施す下地鋼板の組成を限定した理由は2つある。まず第一に、発明(1)、発明(2)に記載した合金化溶融亜鉛めっき皮膜を得るためには、下地鋼板にSiを添加することが効果的であることによる。通常、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、連続焼鈍設備を備える連続溶融亜鉛めっき装置で製造される。すなわち、下地鋼板を連続焼鈍設備で還元雰囲気中で焼鈍(焼鈍工程)した後、亜鉛めっき浴に浸漬して亜鉛めっき(亜鉛めっき工程)を施し、亜鉛めっき浴から引き上げてガスワイピングノズルでめっき付着量を調整し、合金化加熱炉でめっき皮膜の合金化処理(合金化処理工程)を施して製造される。
【0026】
SiはFeと比較して易酸化性元素であるため、めっき前の焼鈍工程において、下地鋼板に添加されているSiは鋼板表面に酸化物や一部還元された酸化物として濃化する。これらが、その後のめっき工程および合金化処理工程において、後記する作用により、めっき皮膜の合金化反応を不均一にし、めっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相の存在しない界面を不連続状に形成すること、すなわちΓ相の存在する界面とΓ相の存在しない界面を制御して形成させるのに役立つ。Si濃度が0.1質量%未満では、上記の作用が十分に発揮されないため、0.1質量%以上とした。
【0027】
P、Al、Mnでも、Siと同様の作用が得られる。P濃度が0.010質量%未満ではその作用が不十分であるため、P濃度は0.010質量%以上とした。Al濃度が0.10質量%未満ではその作用が不十分であるため、Al濃度は0.10質量%以上とした。なお、Al濃度はsol.Al濃度である。Mn濃度が1.0質量%未満ではその作用が不十分であるため、Mn濃度は1.0質量%以上とした。前記濃度のSi、P、Al、Mnを単独で含んでいてもよいし、前記濃度のSi、P、Al、Mnのうちの二種以上を同時に含んでいてもよい。なお、前記各元素の上限濃度は、通常Siは3質量%以下、Pは0.20質量%以下、Alは1.0質量%以下、Mnは3.0質量%以下である。前記各元素の濃度が前記を超える濃度になると不めっき等の欠陥が発生しやすくなるためである。
【0028】
第二の理由は、下地鋼板に、Si、P、Al、Mnを添加することにより、鋼板の強度を高めることができることによる。昨今の自動車などの安全性および経済性(省エネルギー)のために、高強度と軽量化の両立が望まれている。本発明によれば、密着性に優れるだけでなく、自動車の高強度と軽量化を両立できる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供できる。
【0029】
前記したように、通常、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、素材鋼板を連続焼鈍設備で、還元雰囲気中で焼鈍(焼鈍工程)した後、亜鉛めっき浴に浸漬して亜鉛めっき(亜鉛めっき工程)を施し、亜鉛めっき浴から引き上げてガスワイピングノズルでめっき付着量を調整し、合金化加熱炉でめっき皮膜の合金化処理(合金化処理工程)を施して製造される。
【0030】
本発明者らは、発明(1) 、 (2)に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法、特にめっき皮膜と下地鋼板との界面において、Γ相の存在する領域とΓ相の存在しない領域を形成する方法について、めっき条件、合金化条件と、界面構造との関連を詳細に検討した。その結果、めっき工程で鋼板表面にδ相及び/又はΓ1相を形成させると、合金化処理工程では、該部分でΓ相の形成が抑制されること、まためっき工程で鋼板表面に形成するδ相及び/又はΓ1相の領域を制御すると、合金化処理工程でめっき皮膜/下地鋼板界面に、Γ相が存在する領域を、制御された不連続状に形成できることを見出した。発明(3)に規定する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、前記知見に基づく。
【0031】
発明(3)では、めっき前鋼板表面に Si 、 Mn 、 P 、 Al のうちのいずれか一種又は二種以上の元素を含む粒子状酸化物、あるいは前記粒子状酸化物の基部が薄い酸化膜でつながった薄膜状酸化物を付与することにより、鋼板を亜鉛めっき浴に浸漬して亜鉛めっきする亜鉛めっき工程で、鋼板表面の30%以上の領域にδ相及び/又はΓ1相を形成させ、次にめっき皮膜の合金化処理工程で、前記δ相及び/又はΓ1相を形成させた領域でΓ相の生成を抑制して、めっき皮膜/下地鋼板の界面においてΓ相の存在する領域を発明(1)で規定する不連続に形成する。
【0032】
従来技術では、めっき浴中で鋼板表面にAl-Fe合金相を形成してめっき浴中でのFe-Znの合金化反応を抑制し、合金化処理でFe-Znの合金化反応を進行させることによって均一な膜厚を有する合金化皮膜を形成させることを目的としている。この方法では、一般に合金化処理の際にめっき皮膜/下地鋼板界面にΓ相がほぼ均一な厚さで形成されてしまう。すなわち従来方法では、めっき皮膜/下地鋼板界面に、Γ相の形成される界面を不連続状に制御して形成させることはできない。
【0033】
本発明では、亜鉛めっき工程で、鋼板表面の30%以上の領域にδ相及び/又はΓ1相を形成させ、次に合金化処理を行う。亜鉛めっき工程で、δ相及び/又はΓ1相が形成されていない界面では、合金化処理工程でΓ相が形成される。しかし、δ相及び/又はΓ1相が形成された界面では、合金化処理工程でΓ相が形成されにくい。ただし、δ相及び/又はΓ1相結晶同士の境界部を起点にΓ相が形成される場合もある。亜鉛めっき工程でδ相及び/又はΓ1相が形成された界面において、合金化処理工程でΓ相が形成されにくい理由は定かではないが、めっき皮膜/下地鋼板界面にδ相及び/又はΓ1相が存在すると、合金化がさらに進むためには前記相と下地鋼板間の固体中元素拡散が必要になるためと推定している。
【0034】
亜鉛めっき工程で、鋼板表面にδ相及び/又はΓ1相が形成される領域の割合が30%未満になると、合金化処理でΓ相の形成が促進されて、Γ相が発明(1)で規定する不連続に形成されにくくなるので、前記領域は30%以上(100%の場合を含む)にする必要がある。
【0035】
鋼板表面にδ相及び/又はΓ1相が形成されている領域の割合は、次のようにして求める。すなわち、FIBにより作製した合金化処理前のめっき鋼板の断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、めっき皮膜/下地鋼板界面にδ相及び/又はΓ1相が形成されている領域の割合を求め、これをδ相及び/又はΓ1相が形成されている領域の割合とする。
【0036】
Γ相を鋼板側へ20nm以上侵入させるには、鋼板表面でδ相及び/又はΓ1相が形成されている領域の割合を高めに設定することで達成される。この場合、合金化処理においてδ相及び/又はΓ1相同士の境界部からΓ相が高温で発生する割合が増加し、その際に高温であることによりΓ相が鋼板側により深く侵入するためと推定される。
【0037】
なお、δ相及び/又はΓ1相と下地鋼板の間にAl-Fe合金相が存在していても上記効果は損なわれない。従って、前記δ相及び/又はΓ1相が形成される領域には、δ相及び/又はΓ1相と下地鋼板の間にAl-Fe合金相が存在していてもよい。
【0038】
発明(3)を実現する具体的な方法の一つは、下地鋼板に、Si、Mn、P、Alのうちのいずれか一種又は二種以上の元素を添加し、焼鈍前の鋼板表面に研削などの処理を施したり、焼鈍条件(加熱温度、焼鈍雰囲気等)を制御する等して、めっき前鋼板の表面にこれらの元素を含む粒子状酸化物を制御して付与することにより、亜鉛めっき工程で鋼板表面にδ相及び/又はΓ1相を形成させることができる。この理由は明確になっていないが、次のように推定される。Si、Mn、P、Alのうちのいずれか一種又は二種以上の元素を含む粒子状酸化物、あるいは前記粒子状酸化物の基部が薄い酸化膜でつながった薄膜状酸化物を表面に付与された鋼板は、めっき浴中で鋼板表面に不均一な厚さのδ相及び/又はΓ1相が形成されやすい。そのうち、厚いδ相及び/又はΓ1相が形成された界面では合金化処理の際にΓ相が形成されにくくなるためと推定される。また、下地鋼板表面に予め前記酸化物を付与しておいても良い。
【0039】
本発明はめっき皮膜/下地鋼板界面のΓ相の存在する界面について規定する。本発明では、めっき皮膜/下地鋼板界面に存在するΓ相以外の皮膜中の合金相の構成については特に限定されない。Γ相の存在しない界面に存在する合金相としてはδ相及び/又はΓ1相が考えられるが、これに限定されない。界面合金相としては、δ相及び/又はΓ1相、とΓ相の混合、界面以外では、δ相単相、あるいはδ相とζ相の混合相などが例示される。
【0040】
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、下地鋼板の製造方法については特に限定されず、通常の酸洗板あるいは冷圧板でよい。通常、板厚は5mm以下である。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置についても特に限定されず、発明(3)の条件を満たすものであれば、通常使用される連続焼鈍設備を備える連続式溶融亜鉛めっき設備でよい。本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板に、FeあるいはNiを主成分とした上層めっきを施し、プレス成形性を更に改善してもよい。
【0041】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示す。
(実施例1)
表1に示す組成の成分を含む鋼A〜Dを鋳造し、得られたスラブを板厚2.6mmに熱間圧延した。熱間圧延は、仕上げ温度を900℃とし、仕上げ圧延後、600℃で巻き取った。その後、酸洗し、さらに冷間圧延して板厚1.0mmの冷延鋼板を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
これらの冷延鋼板を下地鋼板として用い、連続焼鈍設備を備える連続式溶融亜鉛めっき装置で合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。すなわち、鋼板を焼鈍、冷却し、次に溶融亜鉛めっき浴に浸漬して両面に溶融亜鉛めっきを施し、めっき浴から引き上げ、ガスワイピングでめっき付着量を片面当たり50〜60g/m2になるように調整し、引き続き合金化処理設備でめっき皮膜中の平均Fe濃度が9〜12質量%の範囲に入るように合金化処理した。
【0044】
本発明例では、塩化第二鉄(FeCl3:10g/l)を加えた塩酸浴(pH:2)に3秒間浸漬し水洗を施した後に焼鈍を行う(処理X)か、表面をブラシ研削し(処理Y)、しかる後上記処理Xの処理を行うかした。また、一部の本発明例では、処理Yを施した後、焼鈍工程で直火型バーナーを使用して鋼板を直火加熱した後焼鈍した(処理Z)。比較例ではこのような処理を行わず常法の焼鈍、溶融亜鉛めっきを施した。
【0045】
前記で得た合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理後のめっき皮膜の界面構造およびめっき皮膜の密着性の調査結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
界面の構造は、集束イオンビーム装置(FIB)を用いて作製した断面の薄片を透過電子顕微鏡(TEM)で観察することにより決定した。合金相の同定は電子回折により行った。ここで得られた知見に基づき、FIBにより作製した断面を広い領域にわたって走査電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、めっき皮膜/下地鋼板界面に占める割合を合金相ごとに計算し、Γ相の存在する界面の長さの割合(Γ相の存在する界面の面積率)とした。また、めっき皮膜/下地鋼板界面におけるΓ相の存在する界面の平均長さ、Γ相の存在する界面同士の平均間隔、Γ相の存在する界面が、Γ相の存在しない界面よりも鋼板側に侵入している距離の平均値を計算した。
【0048】
めっき皮膜の密着性は、ドロービード試験を行い、単位面積当たりのめっき皮膜の剥離量を測定して評価した。ここで、ドロービード試験とは、潤滑油を塗布した鋼板を、ビードとダイスで挟んだ状態で引き抜き、その後テープ剥離試験を行い、試験の前後の質量差から、めっき皮膜の剥離量を評価する試験方法である。ビードは先端角度90°の三角ビードを用い、成形高さは4mm、ビードとダイスの押し付け荷重は4903N(500kgf)とした。
【0049】
表2によれば、めっき皮膜/下地鋼板界面における、Γ相の存在する界面の面積率、Γ相の存在する界面の平均長さ、平均間隔が本発明範囲内にある発明例1〜5は、Γ相の存在する界面の面積率、Γ相の存在する界面の平均長さ、平均間隔の少なくとも一つが本発明範囲を外れる比較例1〜4に比べて、密着性に優れることが明らかである。
【0050】
本発明例において、Γ相の存在する界面の位置が、Γ相の存在しない界面の位置よりも、20nm以上鋼板側に侵入している発明例1〜3は、前記位置が20nm未満の発明例4 、 5に比べて、より密着性に優れていることがわかる。
【0051】
また、発明(1)の成分組成を満足する鋼A〜Cを下地鋼板とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、処理Xのみにより形成された合金化溶融亜鉛めっき皮膜の界面構造が、発明(1)および発明(2)を満足しており、密着性に優れている。これらの鋼では、高強度が得られる。発明(1)の成分組成を満足しない鋼Dを下地鋼板とする鋼板上に常法の合金化溶融亜鉛めっきを施した鋼板(比較例1、2)は、形成された合金化溶融亜鉛めっき皮膜の界面構造が、発明(1)および発明(2)を満足しておらず、Γ相が著しく成長したため密着性は劣った。
【0052】
(実施例2)
表3は、実施例1で用いた各種下地鋼板および焼鈍前処理(処理X、処理Y)の組合わせについて、めっき浴中で鋼板表面に形成された合金相(初期合金相)と合金化処理後のめっき皮膜/下地鋼板界面の構造との関係の調査結果を示す。なお、実験には、連続焼鈍設備を備える連続式溶融亜鉛めっき装置で亜鉛めっきを50〜60g/m2になるように施し、合金化処理を施してない溶融亜鉛めっき鋼板を作製し、合金化は、合金化溶融亜鉛めっきシミュレーターを使用し、めっき皮膜中の平均Fe濃度が9〜12質量%になるように実施した。
【0053】
【表3】
【0054】
初期合金相は、めっき浴に浸漬した鋼板の断面構造をTEMにより観察することと、酸によりエッチングした表面をSEMで観察することにより、それぞれ合金相の同定と、δ相及び/又はΓ1相が形成されている界面の長さの割合(δ相及び/又はΓ1相の面積率)の評価を行った。また、後者の目的にFIBにより作製した断面を広い領域にわたって走査電子顕微鏡(SEM)で観察することも併用した。合金化処理後のめっき皮膜/下地鋼板界面の評価は、実施例1と同様にTEM観察およびSEM観察により行い、発明(1)および発明(2)を満足するものを○、発明(1)を満足しないものを×とした。
【0055】
表3から明らかなように、界面(鋼板表面)の30%以上の領域にδ相及び/又はΓ1相が形成された場合(発明例1 、 5)に、本発明(1)および(2)の界面構造を有し、密着性に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。なお、発明例1 、 5では、ζ相、δ相、およびΓ1相と下地鋼板の間にAl-Fe合金相が存在していることもあったが、表3には示していない。
【0056】
一方、δ相及び/又はΓ1相が形成された界面の面積率が30%未満の場合(比較例1〜4)、めっき皮膜/下地鋼板界面で本発明(1)に規定する界面構造が得られず、めっき皮膜の密着性は、前記発明例1 、 5に比べて劣っていた。
【0057】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明によれば、密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。本発明によって製造された鋼板は、表面に合金化溶融亜鉛めっき皮膜を有しているために耐食性に優れ、かつ密着性に優れているため、自動車車体をはじめ多くの用途に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相の存在する界面の分布状態を説明する平面模式図で、(a)はΓ相の存在する界面が島状に分布している状態、(b)はΓ相の存在する界面が網目状に分布している状態を説明する図である。
【図2】本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のΓ相の存在する界面の分布状態を説明するめっき皮膜/下地鋼板界面近傍の断面組織の模式図。
【図3】本発明の発明(2)に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のΓ相の存在する界面の分布状態を説明するめっき皮膜/下地鋼板界面近傍の断面組織の模式図。
Claims (3)
- 下地鋼板が、 0.1 質量%以上の Si 、 0.010 質量%以上の P 、 0.10 質量%以上の Al 、 1.0 質量%以上の Mn 、のうちのいずれか一種または二種以上を含む合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき皮膜/下地鋼板界面におけるΓ相の存在する界面の割合が、断面組織で見て5%以上70%以下であって、該Γ相が存在する界面の平均長さは150μm以下、かつ該Γ相が存在する界面同士の平均間隔は1μm以上であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- 前記めっき皮膜/下地鋼板界面において、Γ相の存在する界面の位置が、Γ相の存在しない界面の位置よりも、平均で20nm以上鋼板側に侵入していることを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- 請求項1 または 2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するにあたり、めっき前鋼板表面に Si 、 Mn 、 P 、 Al のうちのいずれか一種又は二種以上の元素を含む粒子状酸化物、あるいは前記粒子状酸化物の基部が薄い酸化膜でつながった薄膜状酸化物を付与することにより、鋼板を亜鉛めっき浴に浸漬してめっきする亜鉛めっき工程で、鋼板表面の30%以上の領域にδ相及び/又はΓ1相を形成させ、次にめっき皮膜の合金化処理工程で、前記δ相及び/又はΓ1相を形成させた領域でΓ相の生成を抑制して、めっき皮膜 / 下地鋼板界面におけるΓ相の存在する界面の割合が、断面組織で見て 5 %以上 70 %以下であって、該Γ相が存在する界面の平均長さは 150 μ m 以下、かつ該Γ相が存在する界面同士の平均間隔は 1 μ m 以上となるように、またはさらにめっき皮膜 / 下地鋼板界面において、Γ相の存在する界面の位置が、Γ相の存在しない界面の位置よりも、平均で 20nm 以上鋼板側に侵入するように、めっき皮膜/下地鋼板界面においてΓ相の存在する領域を不連続に形成することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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