JP5453819B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車部品や車体に用いられる溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法に関する。
近年、自動車,家電,建材等の分野において素材鋼板に防錆性を付与した表面処理鋼板、中でも安価に製造できかつ防錆性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用されている。
防錆性を向上するにはめっき付着量を増加させれば良いが、めっき層の摺動特性が劣ると、特に深絞りがあり材料の流入が大きい加工が必要なフランジ部分等において、プレス加工時に割れが発生し、プレス加工の歩留まりが低下する。
また、厳しい曲げ加工があるような部品ではプレス加工時にめっき層が地鉄から剥離し金型にフレーク状に剥離しためっき層が付着するため、頻繁に金型の手入れをしなければならず、プレス加工の生産性が低下する。
摺動特性を向上させようとすると、めっき層中のFe含有率をやや高めに制御することで、摺動特性が劣るζ相を抑制することが必要である。まためっき密着性を向上させようとすると、Fe含有率をやや低めに制御することでζ相はやや存在してもΓ相を抑制させることが必要である。
しかしながら、自動車部品は、ひとつの部品で、摺動が厳しい部位と曲げ加工が厳しい部位が共存している場合が多いにもかかわらず、ひとつの鋼板コイルで、両者を両立して生産することができない。そのため、摺動特性を良好にすると、曲げ加工が厳しい部位で問題が起こり、めっき密着性を良好にすると、摺動特性が厳しい部位で問題が起こる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、切断してプレス成形される際に、加工部位ごとに異なる特性が要求される部品への使用に好適な溶融亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の手段は、次のとおりである。
(1)板面の板幅方向および/または板長さ方向に、特性の異なる複数の領域を有することを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板。
(2)前記特性の異なる複数の領域は、摺動特性に優れる領域および/またはめっき密着性に優れる領域を含むことを特徴とする(1)に記載の溶融亜鉛系めっき鋼板。
(3)前記溶融亜鉛系めっき鋼板は合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、摺動特性に優れる領域はめっき層のFe含有率が11〜14質量%の範囲内にある、および/または、めっき密着性に優れる領域はめっき層のFe含有率が8〜11質量%の範囲内にあることを特徴とする(2)に記載の溶融亜鉛系めっき鋼板。
(4)DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて、DFF型またはNOF型の加熱炉で加熱した後、還元焼鈍、溶融亜鉛めっき、合金化処理を行い、溶融亜鉛系めっき鋼板を製造する際に、加熱炉では、合金化処理後に摺動特性に優れる領域とするところは、加熱バーナーの空気比を1.05以上で鋼板を加熱し、合金化処理後にめっき密着性に優れる領域とするところは、加熱バーナーの空気比を1.05未満で鋼板を加熱することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
(5)溶融亜鉛系めっき鋼板のユーザーから、使用時に摺動特性に優れることが必要な領域および/またはめっき密着性に優れることが必要な領域の位置情報を得、次に、前記位置情報をもとに、製造する溶融亜鉛系めっき鋼板の板幅方向および/または板長さ方向に、摺動特性に優れる領域および/またはめっき密着性に優れる領域を設定し、次に、DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて、(4)に記載の方法で溶融亜鉛系めっき鋼板を製造することを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
本発明の溶融亜鉛系めっき鋼板は、板幅方向および/または板長さ方向に特性の異なる領域を備えることができるので、より具体的には、板幅方向および/または板長さ方向に摺動特性及び/またはめっき密着性がその他の領域より相対的に優れた領域を備えることができるので、摺動特性が必要な部位とめっき密着性が必要な部位が共存するような部品をプレス成型する際に、各部位に要求される特性に対応する特性を備えることで、良好なプレス成型性を得ることができる。
DFF型加熱炉で鋼板幅方向のFe酸化量を調整する方法を説明する図である。 プレス成型部品の成型部位、めっき鋼板のめっき特性およびめっき鋼板製造時のDFF型加熱炉におけるFe酸化物形成領域の対応を説明する図である。 DFF型加熱炉で鋼板長手方向のFe酸化量を調整する方法を説明する図である。 プレス成型部品の成型部位、めっき鋼板のめっき特性およびめっき鋼板製造時のDFF型加熱炉におけるFe酸化物形成領域の対応を説明する別の図である。 実施例において、DFF型加熱炉で鋼板幅方向のFe酸化量を調整する方法を説明する図である。 実施例において、DFF型加熱炉で鋼板長手方向のFe酸化量を調整する方法を説明する図である。
板幅方向および/または板長さ方向に特性の異なる領域を備えた溶融亜鉛系めっき鋼板は各種の態様で製造可能である。板幅方向で特性を異なるようにするには、例えば、ロールコーター等で幅方向の一部分のみ特性を改善する皮膜を塗布することで実現可能である。板長さ方向で特性を異なるようにするには、例えば、スプレー塗布装置を用いて、特性を改善する部位がスプレー塗布装置を通過する時のみスプレー噴射することで実現可能である。更に、板幅方向および板長さ方向で特性を異なるようにするには、例えば、ロールコーターの塗布ロールに凹凸を付与して、任意の部分に塗布を施すことが可能である。塗布ロールの径を選択することによって特性を変える板長さ方向の単位長さを変更することが可能である。
溶融亜鉛めっき後に加熱合金化する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合は、めっき層のFe含有率を変化させることによって、異なる特性を得ることが可能である。
例えば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の摺動特性を向上するには、摺動特性を劣化させるζ相を抑制することが必要である。そのためにはめっき層のFe含有率をやや高めに設定することが必要である。具体的には良好な摺動特性が必要な部位のめっき層のFe含有率は11質量%以上14質量%以下にすることが有効である。11質量%未満では良好な摺動特性が得られず、14質量%超になると、めっき密着性の低下が激しいためである。
めっき密着性を向上するには、Γ相を抑制することで曲げ加工時の耐パウダリング性を向上させることでめっき層の剥離を抑制することが必要である。そのためにはめっき層のFe含有率をやや低めに設定することが必要である。具体的には曲げ加工部位のめっき層のFe含有率を8質量%以上11質量%以下にすることが有効である。11質量%超ではめっき密着性が劣り、8質量%未満では摺動性が低下してめっき皮膜がフレーク状に剥離することによる。
NOF(非酸化性加熱炉)やDFF(直火型加熱炉)などの加熱炉を有するCGL(連続溶融亜鉛めっきライン)において、加熱炉バーナーの空気比を変えることで加熱炉でのFe酸化皮膜の厚みを制御することが可能である。
Fe酸化皮膜が厚いと、還元焼鈍時に比較的厚く、かつ活性な還元鉄層が形成するため、合金化速度が速くなる。そのため、還元焼鈍後、溶融亜鉛めっき、合金化処理すると、合金化処理後のめっき層中のFe含有率が相対的に増加し、ζ相が抑制されるため、高摺動特性が得られる。また、Fe酸化皮膜が薄いと、還元焼鈍時に比較的薄く、活性な還元鉄層が少ないため、合金化速度が遅く、そのため合金化処理後のめっき層中のFe含有率が相対的に低下し、Γ相が抑制されるため、めっき層の剥離のない高めっき密着特性が得られる。
加熱炉バーナーの空気比を変化させることで、Fe酸化量を変化させることが可能である。加熱炉でのFe酸化量に対応して、焼鈍炉で還元される際に表面の活性度が変化することで、合金化処理後のFe含有率が変化し、摺動特性とめっき密着性が変化する。上記の方法でめっき層のFe含有率を任意に調整可能である。
高摺動特性が要求される部位に対応する溶融亜鉛系めっき鋼板のめっき前の鋼板面にはFe酸化量を厚く形成し、めっき密着性が要求される部位に対応する溶融亜鉛系めっき鋼板のめっき前の鋼板面にはFe酸化量を薄く形成する。具体的には、以下が好ましい。
摺動特性に優れるFe含有率にするには空気比を1.05以上とし、めっき密着性に優れるFe含有率にするには空気比を1.05未満とする。空気比の下限は0.7である。空気比が0.7未満であると不完全燃焼で熱量が不足し、すすが付着するため好ましくない。さらに、酸化皮膜が厚くなりすぎて還元焼鈍時に十分還元されずに残存してめっき密着性を大きく低下させ、フレーク状に剥離し金型に付着する。空気比の上限は1.4である。空気比が1.4を超えると酸化皮膜が厚くなりすぎて還元焼鈍時に十分還元されずに残存してめっき密着性を大きく低下させるため好ましくない。
加熱炉バーナーの空気比を鋼板幅方向で変化させることで、鋼板幅方向のFe酸化量を調整し、それによって合金化処理後の鋼板幅方向のめっき層Fe含有率を適宜濃度に調整することができる。例えば、図1に示すように、鋼板端部を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05未満、鋼板中央を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05以上とすると、鋼板端部で薄い酸化皮膜が形成され、鋼板中央で厚い酸化膜が形成される。このように酸化膜を形成した鋼板を、引き続き還元焼鈍し、さらに溶融亜鉛めっき、合金化処理すると、合金化処理後に、鋼板端部のめっき層Fe含有率を8〜11質量%、鋼板中央のめっき層Fe含有率を11〜14質量%の範囲内とした、鋼板幅方向端部にめっき密着性に優れる領域、鋼板中央に摺動特性に優れる領域を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、図2(c)に示すような、プレス成型に使用される鋼板シートの両方の端部に曲げ加工部位があり、鋼板シートの中央に絞り成型部位があるサイドパネルアウターのような部品の成型に使用する鋼板の製造方法として好適である。
すなわち、DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、加熱炉では、部品をプレス成型して作製する際に、良好なめっき密着性が要求される部位に対応する鋼板端部を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05未満、高摺動特性が要求される部位に対応する鋼板中央を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05以上として鋼板を加熱し、図2(a)に示すように、鋼板端部で薄い酸化皮膜、鋼板中央で厚い酸化膜を形成し、引き続き、還元焼鈍、溶融亜鉛めっき、合金化処理する。合金化処理後に、図2(b)に示すように、鋼板端部のめっき層Fe含有率を8〜11質量%、鋼板中央のめっき層Fe含有率を11〜14質量%の範囲内とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向端部が、部品の曲げ加工部位になるように切断してプレス成型すると、図2(c)に示されるように、高めっき密着特性が求められる曲げ加工部位はめっき層Fe含有率が8〜11質量%の範囲内にあるのでめっき密着性に優れ、高摺動特性が求められる絞り成形部位はめっき層Fe含有率が11〜14質量%の範囲内にあるので摺動特性に優れるので、ひとつの部品内に高摺動特性が求められる部位と高めっき密着特性が求められる部位が共存していても、良好なプレス成型が可能になる。
また、加熱炉バーナーの空気比を、鋼板長さ方向の適宜長さ変化させることで、空気比を変化させた適宜長さにおける鋼板のFe酸化量を調整し、それによって、合金化処理後の鋼板長さ方向の適宜長さのめっき層Fe含有率を適宜濃度に調整することができる。例えば、図3に示すように、鋼板を加熱する加熱バーナーの空気比を、鋼板が所定距離(例えば長さL1)走行する時間1.05以上とし、次に鋼板が所定距離(例えば長さL2)走行する時間1.05未満とすることを繰り返すことで、鋼板長手方向に、厚い酸化膜を有する部分と、薄い酸化膜を有する部分が交互に存在させることができる。このように酸化膜を形成した鋼板を、引き続き還元焼鈍し、さらに溶融亜鉛めっき、合金化処理すると、合金化処理後に、鋼板長さ方向に、めっき層Fe含有率が11〜14質量%の範囲内にある長さL1の摺動特性に優れる領域と、めっき層Fe含有率が8〜11質量%の範囲内にある長さL2のめっき密着性に優れる領域とが交互に存在する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
この方法で製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、図4(c)に示すような、プレス成型に使用される鋼板シートの長手方向の両端部に絞り加工部位があり、長手方向の中央に曲げ加工部位があるピラーのような部品の成型に使用する鋼板として好適である。
すなわち、DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、加熱炉では、部品をプレス成型して作製する際に、高摺動特性が要求される部位に対応する鋼板長手方向の所定長さを加熱バーナーの空気比を1.05以上で加熱し、次に高めっき密着特性が要求される部位に対応する鋼板長手方向の所定長さを加熱バーナーの空気比を1.05未満として加熱することを繰り返すことで、図4(a)に示すように、加熱バーナーの空気比を1.05以上で加熱したところに厚い酸化膜を形成し、加熱バーナーの空気比を1.05未満として加熱したところに薄い酸化膜を形成し、引き続き、還元焼鈍後、溶融亜鉛めっき、合金化処理する。合金化処理後に、図4(b)に示すように、加熱バーナーの空気比を1.05以上で加熱した部分は、めっき層Fe含有率が11〜14質量%となり摺動特性に優れる領域となり、加熱バーナーの空気比を1.05未満として加熱した部分はめっき層Fe含有率が8〜11質量%の範囲内となり、めっき密着性に優れる領域となる。図4(c)に示されるように、この合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、鋼板長手方向が部品長手方向となるように、かつ合金化溶融亜鉛めっき鋼板を摺動特性に優れる領域が、部品の絞り成形部位に対応し、めっき密着性に優れる領域が曲げ加工部位に対応するようにして切断してプレス成型すると、ひとつの部品で高摺動特性が求められる部位と高めっき密着特性が求められる部位が共存していても、良好なプレス成型が可能になる。
上記では、ピラーのような部品の作製に使用する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、加熱炉では、鋼板長手方向の酸化膜厚さを変えたが、酸化膜厚を鋼板幅方向に変え、鋼板幅方向が部品の長手方向になるようにしてプレス成型に使用するシートを切断してもよい。この場合は次のようにすればよい。
鋼帯幅方向端部は、シートの長手方向端部に対応し、摺動特性が要求されることになるので、加熱炉では、鋼板端部を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05以上とし、鋼板幅方向中央は、シートの長手方向中央に対応し、めっき密着性が要求されることになるので、鋼板幅方向中央を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05未満として、鋼板を加熱し、合金化処理後に、鋼板端部のめっき層Fe含有率が11〜14質量%の範囲内、鋼板中央のめっき層Fe含有率が8〜11質量%の範囲内となるようにする。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、プレス成型に使用するシートの長手方向が合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向になるように切断し、プレス成型する。
上記のように板幅方向および/または鋼板長さ方向のFe含有率を調整する場合には、事前に溶融亜鉛系めっき鋼板のユーザーより、使用時に摺動特性に優れることが必要な領域および/またはめっき密着性に優れることが必要な領域の位置情報を得、次に、前記情報をもとに、製造する溶融亜鉛系めっき鋼板の板幅方向および/または板長さ方向に、摺動特性に優れる領域、および/または、めっき密着性に優れる領域を設定することが有用である。
そして、DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて、上記の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するときは、加熱炉では、摺動特性に優れる領域とするところは、加熱バーナーの空気比を1.05以上で鋼板を加熱し、めっき密着性に優れる領域とするところは、加熱バーナーの空気比を1.05未満で鋼板を加熱し、その後、還元焼鈍、溶融亜鉛めっき、合金化処理を行い、加熱炉において加熱バーナーの空気比を1.05以上で鋼板を加熱したところは、合金化処理後にめっき層のFe含有率を11〜14質量%の範囲内とし、加熱炉において加熱バーナーの空気比を1.05未満で鋼板を加熱したところは合金化処理後にめっき層のFe含有率を8〜11質量%の範囲内とすればよい。
以下、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明する。
成型部品として、図2に示したサイドパネルアウター(以下、パネルと記載する)、図4に示したピラーをプレス成型で作製することを想定し、表1に示す組成の板厚0.8mm及び1.4mmの鋼板を、DFF型〔直火型〕加熱炉を有する鋼板の溶融亜鉛めっきライン(CGL)に通板し、DFF型加熱炉で鋼板を加熱し、その後、還元焼鈍した後冷却し、引き続き溶融亜鉛めっき、合金化処理、さらに調質圧延を行い、片面あたりの付着量が45g/mの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。その際、加熱バーナーの空気比を調整して、板幅方向または長手方向のFe酸化量を変化させ、板幅方向または長手方向で、合金化処理後のめっき層Fe質量%が異なる領域を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。一部は、板幅方向または長手方向で、加熱バーナーの空気比を変えなかった。
作製した合金化溶融亜鉛めっき鋼板を所定寸法のシートに切断後、パネルまたはピラーにプレス成型した。パネルは板厚0.8mm、ピラーは板厚1.4mmのものを使用した。プレス成型結果を表2に示した。
表2中の「めっき特性タイプ」は、以下を意味する。
Aタイプ:板幅方向にめっき皮膜特性を変更し、鋼板幅方向端部に高めっき密着特性領域(めっき密着性に優れた領域)、鋼板中央に高摺動特性領域(摺動特性に優れた領域)を形成したもの。高めっき密着特性領域、高摺動特性領域は、各々パネル成型時の曲げ加工領域、絞り成形領域に対応する。
Bタイプ:板長手方向にめっき皮膜特性を変更し、高めっき密着特性領域(めっき密着性に優れた領域)、鋼板中央に高摺動特性領域(摺動特性に優れた領域)を交互に形成したもの。高めっき密着特性領域、高摺動特性領域は、各々ピラー成型時の曲げ加工領域、絞り成形領域に対応する。
全面高摺動タイプ:全面に高摺動特性を有する領域を形成したもの。
全面高密着タイプ:全面に高めっき密着特性を有する領域を形成したもの。
表2から明らかなように、発明例の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、成形部品の成形部位に対応する部位に、該部位に要求されるめっき特性を有するため、良好なプレス成型結果が得られている。一方、比較例の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、成形部品の成形部位に対応する部位に、該部位に要求されるめっき特性を有していないため、プレス成成型性が劣る。
成型部品として、図2に示したサイドパネルアウター(以下、パネルと記載する)、図4に示したピラーをプレス成型で作製することを想定し、表1に示す組成の板厚0.8mm及び1.4mmの鋼板を、DFF型〔直火型〕加熱炉を有する鋼板の溶融亜鉛めっきライン(CGL)に通板し、DFF型加熱炉で、鋼板を750℃に加熱し、次に、RT炉で、H:10vol%−N:90vol%の雰囲気で850℃で45秒焼鈍後、冷却し、その後、温度460℃、Al:0.13質量%含有の溶融亜鉛めっき浴で溶融亜鉛めっきし、さらに560℃で合金化処理、伸び率0.5%で調質圧延を行い、片面あたりの付着量が45g/mの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。
その際、鋼板幅方向または長手方向で、合金化処理後のめっき層Fe質量%が異なる領域を作製するために、DFF型加熱炉において、成型部品において、高摺動特性が要求される領域に対応する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の鋼板面は、加熱バーナーの空気比を高くしてFe酸化量を多くし、高めっき密着特性が要求される領域に対応する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の鋼板面は、加熱バーナーの空気比を低くしてFe酸化量を少なくするように、加熱バーナーの空気比を調整した。比較のために、一部は、板幅方向または長手方向で、加熱バーナーの空気比を調整しなかった。
作製した合金化溶融亜鉛めっき鋼板を所定寸法のシートに切断後、パネルまたはピラーにプレス成型した。パネルは板厚0.8mm、ピラーは板厚1.4mmのものを使用した。
作成条件、プレス成型結果を表3および表4に示した。
表3および表4中の「めっき特性タイプ」は、実施例1と同じ内容であり、「加熱タイプ」は以下を意味する。
タイプ1:図5(a)に示すように、鋼板幅方向の端部を低空気比、中央を高空気比に設定した。端部の低空気比設定箇所はパネルの曲げ加工部位に対応させ、中央の高空気比設定箇所はパネルの絞り成形部位に対応させた。
タイプ2:図5(b)に示すように、鋼板全幅の空気比を同じ値に設定した。
タイプ3:図6(a)に示すように、鋼板長手方向に、低空気比の加熱と高空気比の加熱を各々所定長さ行う加熱を繰り返し行った。低空気比の鋼板加熱長は、ピラーの曲げ加工部位の長さに対応させ、高空気比の鋼板加熱長は、ピラーの長手方向両端の絞り成形部位の長さに対応させた。
タイプ4:図6(b)に示すように、鋼板長手方向の空気比を同じ値に設定した。
表3および表4から明らかなように、プレス成型で、高摺動特性が求められる部位に対応するめっき前鋼板面を加熱する加熱バーナーの空気比を1.05以上1.4以下の範囲内とし、かつ高めっき密着特性が求められる部位に対応するめっき前鋼板面を加熱する加熱バーナーの空気比を0.7以上1.05未満の範囲内としたものは、合金化処理後に、高摺動特性が求められる部位に対応するめっき面のめっき層Fe含有率が11〜14質量%の範囲内になっており摺動特性に優れ、高めっき密着特性が求められる部位に対応するめっき面のめっき層Fe含有率が8〜11質量%の範囲内になっておりめっき密着性に優れ、プレス成型時に良好なプレス成形性が得られている。
これに対して、高摺動特性が求められる部位に対応するめっき前鋼板面を加熱する加熱バーナーの空気比が1.4超のものは、めっき密着性が低下し生産性が低下した。めっき密着特性が求められる部位に対応するめっき前鋼板面を加熱する加熱バーナーの空気比が1.05以上のものは、めっき層Fe含有量が11%超になり、めっき密着性が劣るため、プレス成形時にめっき剥離の問題が発生した。めっき密着特性が求められる部位に対応するめっき前鋼板面を加熱する加熱バーナーの空気比が0.7未満のものは、すす付着による外観不良が発生し、めっき皮膜の厚みがばらつくことでプレス成形性が劣化した。まためっき層Fe含有量も8%未満となりプレス成形性が劣化した。
本発明の溶融亜鉛系めっき鋼板は、加工部位毎に異なるめっき特性が求められる成型部品の作製に使用する溶融亜鉛系めっき鋼板として好適である。
1A 鋼板(めっき前の鋼板)
1B 合金化溶融亜鉛めっき鋼板
2、3 加熱バーナー
4 DFF型加熱炉
11、12 シート(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)

Claims (4)

  1. 鋼板の板幅方向端部にめっき密着性に優れる領域を有するとともに、鋼板中央部に摺動特性に優れる領域を有し、あるいは、鋼板の板幅方向端部に摺動特性に優れる領域を有するとともに、鋼板中央部にめっき密着性に優れる領域を有し、記摺動特性に優れる領域はめっき層のFe含有率が11〜14質量%の範囲内にあ、めっき密着性に優れる領域はめっき層のFe含有率が8〜11質量%の範囲内にあることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 鋼板の板長さ方向に、めっき密着性に優れる領域と摺動特性に優れる領域が鋼板全幅に交互に存在し、前記摺動特性に優れる領域はめっき層のFe含有率が11〜14質量%の範囲内にあり、めっき密着性に優れる領域はめっき層のFe含有率が8〜11質量%の範囲内にあることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて、DFF型またはNOF型の加熱炉で加熱した後、還元焼鈍、溶融亜鉛めっき、合金化処理を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、加熱炉では、合金化処理後に摺動特性に優れる領域とするところは、加熱バーナーの空気比を1.05以上で鋼板を加熱し、合金化処理後にめっき密着性に優れる領域とするところは、加熱バーナーの空気比を1.05未満で鋼板を加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 合金化溶融亜鉛めっき鋼板のユーザーから、使用時に摺動特性に優れることが必要な領域およびめっき密着性に優れることが必要な領域の位置情報を得、次に、前記位置情報をもとに、製造する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の板幅方向または板長さ方向に、摺動特性に優れる領域およびめっき密着性に優れる領域を設定し、次に、DFF型またはNOF型の加熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインを用いて、請求項に記載の方法で合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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