JP5098175B2 - 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置に関するものである。
環境対応の一環として半導体製品からの鉛撤廃が進められている中、半導体パッケージの外装めっきからの脱鉛化の目的でリードフレームのめっきをNi−Pdに変更する場合が増えてきている。ここでNi−Pdめっきは表面のPd層の安定性を向上する目的で薄く金めっき(金フラッシュ)が行われるが、一般にNi−Pdめっきそのものの平滑性及び表面の金の存在のため通常の銀めっき銅フレーム等と比較すると各種部材のリードフレームへの接着力が低下する。接着力を向上させるためには、一般にアミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤を使用することは良く知られている(例えば、特許文献1参照)。また基板実装時に使用する半田も鉛フリー半田が使用されるため、錫−鉛半田の場合よりリフロー温度を高くする必要がある。接着力の低下及びリフロー温度の高温化に基づくストレスの増加のため、リフロー中に半導体パッケージ中に剥離ひいてはクラックが発生しやすくなるため半導体パッケージの構成材料はより高いリフロー耐性を有する必要がある。
またヒートスプレッダー等の放熱部材を接着するための熱伝導性接着剤に関しても上記高温リフロー処理、温度サイクル試験を行っても、良好な熱伝導率を維持するために接着剤層の剥離を最小限に抑える必要がある。
このため半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物に対しても良好な電気伝導性を維持しつつ、高接着性のみならず、高温リフロー、温度サイクル試験を行っても剥離が生じない高接着信頼性が求められるようになってきているが従来から使用されている樹脂組成物では満足することができなかった。
特開平09−199518号公報
本発明は、半導体素子又は放熱部材をNi−Pdめっきされたリードフレーム等の支持体に接着する場合に良好な接着力を有するとともに良好な電気伝導性を示す樹脂組成物を提供し、該樹脂組成物を半導体素子の接着又は放熱部材の接着に用いることで高温リフロー、温度サイクル試験を行っても剥離が生じない信頼性に優れた半導体装置を提供することである。
このような目的は、下記[1]〜[5]に記載の本発明により達成される。
[1]半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物であって、(A)銀粉、(B)エポキシ樹脂、(C)一般式(1)で示される化合物及び(D)一般式(3)で示される化合物を含む樹脂組成物であって、(A)銀粉の含有量が70〜90重量%であり、(D)一般式(3)で示される化合物の含有量が0.1〜0.2重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
Figure 0005098175
n:0又は1
1:水素、メチル基、エチル基又は一般式(2)で示される官能基
2:水素、メチル基又はエチル基
3〜R6:水素、メチル基、エチル基及びアリル基から選ばれる1種を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 0005098175
7、R8:水素、メチル基、エチル基及びアリル基から選ばれる1種を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 0005098175
9、R11:炭素数1〜10のアルコキシ基でそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
10、R12:炭素数1〜10のアルキル基でそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a、b:1〜3の整数
m1、m2:1〜5の整数
m3:2〜4の整数
[2]一般式(3)で示される化合物のR9、R11がともにエトキシ基である[1]項に記載の樹脂組成物。
[3]一般式(3)で示される化合物のa、bがともに3である[1]又は[2]項に記載の樹脂組成物。
[4]一般式(3)で示される化合物のm3が4である[1]〜[3]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[5][1]〜[4]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて製作されることを特徴とする半導体装置。
本発明により、半導体素子又は放熱部材をNi−Pdめっきされたリードフレーム等の支持体に接着する場合に良好な接着力を有するとともに良好な電気伝導性を示す樹脂組成物を提供することが可能となり、該樹脂組成物を半導体素子の接着又は放熱部材の接着に用いることで高温リフロー、温度サイクル試験を行っても剥離が生じない信頼性に優れた半導体製品を提供することが可能となる。
本発明は、(A)銀粉、(B)エポキシ樹脂、(C)一般式(1)で示される化合物及び(D)一般式(3)で示される化合物を含む半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物であり、Ni−Pdめっきされたリードフレームとの良好な接着力を有するとともに良好な電気伝導性を示す樹脂組成物を提供する。ここで支持体とは、半導体素子を接着する場合は、リードフレーム、有機基板等であり、放熱部材を接着する場合は、半導体素子、リードフレーム、有機基板、半導体製品等が挙げられる。これらに限定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、フィラーとして銀粉(A)を使用する。銀粉を使用する理由は電気伝導性、熱伝導性に優れるからであり、また後述するように化合物(D)と室温では反応せず硬化反応中に反応するためである。ここで銀粉とは銀と銀以外の金属との合金又は酸化銀等も含まれるが銀の割合が銀粉中に90重量%以上であることが好ましい。また使用される分野が半導体関連であることから塩素、ナトリウム、カリウムといったイオン性不純物が少ない必要があり、また平均粒径は10μm以下でかつ最大粒径は50μm以下が好ましい。形状は保存中の沈降の観点からフレーク状が好ましいが、球状のものを併用することも可能である。このような銀粉は電子材料用に市販されているものを入手することが可能である。
銀粉の含有量は特に限定されるわけではないが、通常樹脂組成物中70重量%から90重量%含有される。これ以下では電気伝導性が悪化し、これ以上では樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ塗布作業性が悪化する可能性がある。
本発明ではエポキシ樹脂(B)を使用する。これはエポキシ樹脂が支持体への接着性に優れるためである。ここでグリシジル基は1分子に2つ以上含まれていることが好ましいが、グリシジル基が1つの化合物のみでは反応させても十分な硬化物特性を示すことができないからである。グリシジル基を1分子に2つ以上含む化合物としてはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等のビスフェノール化合物又はこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノール等の脂環構造を有するジオール又はこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール又はこれらの誘導体等をエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等をエポキシ化した多官能のもの等が挙げられるがこれらに限定されるわけではなく、また樹脂組成物として室温で液状である必要があるので、単独で又は混合物として室温で液状のものが好ましい。通常行われるように反応性の希釈剤を使用することも可能である。
また本発明では一般式(1)で示される化合物(C)をエポキシ樹脂の硬化剤として使用する。このような化合物としてはビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラエチルビスフェノールA、ジエチルビスフェノールA、テトラエチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールF、ジエチルビスフェノールF、テトラエチルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、ビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジエチルビフェノール、テトラエチルビフェノール、ジアリルビフェノール、トリヒドロキシフェニルメタン、トリヒドロキシフェニルエタン等が挙げられるがこれらに限られるものではなく、これらを1種又は複数種使用することも可能である。
本発明では通常知られているグリシジル基とフェノール性水酸基の反応触媒を使用することが可能であるが、保管時の粘度上昇の観点から潜在性を有するものが好ましい。例示するとイミダゾール類、トリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセン等アミン系化合物の塩類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらには必要によりアミン化合物、ヒドラジン誘導体、ジシアンジアミド等を添加することも可能である。
本発明ではさらに一般式(3)で示される化合物(D)を使用する。化合物(D)を使用する第1の理由は被着体である支持体との接着力の向上のためである。一般にグリシジル基を有するシランカップリング剤に比較してアミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤を使用すると被着体である支持体との接着性が向上することは良く知られているが、例えばアミノ基を有するシランカップリング剤の場合にはアミノ基の反応性の高さから室温でも反応が進行するため保存性の観点から使用する硬化性樹脂成分の種類は著しく限定されてしまう。例えばグリシジル基を有する化合物を硬化性樹脂成分として使用する場合には、グリシジル基へのアミノ基の付加さらにはグリシジル基の開環反応が進行し室温でも粘度の上昇が観察される。例えば代表的なアミノ基を有するシランカップリング剤である3−アミノプロピルトリメトキシシランをグリシジル基を有する化合物と同時に使用した場合には室温でも24時間後には著しい粘度上昇が観察される。ここで3−アミノプロピルトリメトキシシランのかわりに例えばN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランといったようなアミノ基が2級アミンであるシランカップリング剤を使用することで粘度上昇は抑えることも可能であるが十分な保存性を確保するためには使用量には上限があり、この場合には十分な被着体との接着力を得ることができない。一方代表的なメルカプト基を有するシランカップリング剤である3−メルカプトプロピルトリメトキシシランとグリシジル基を有する化合物と同時に使用した場合にも、アミノ基を有するシランカップリング剤の場合ほど顕著ではないが同様に粘度上昇が観察されるため使用量には上限があり十分な被着体である支持体との接着力を得ることは難しい。またメルカプト基自体が銀粉表面と室温でも反応してしまうため硬化物の電気伝導性が悪化すると言う欠点も存在する。このため本発明ではアミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤は使用することができない。
そこで本発明では化合物(D)を使用するが、化合物(D)はグリシジル基及び銀粉と室温付近では直接反応しないので保存性が良好であり、接着力向上効果が十分にあらわれる量を使用することが可能であるため良好な保存性と支持体との高接着性の両立が可能である。
化合物(D)を使用する第2の理由は硬化反応時に銀粉と反応することで樹脂組成物と支持体との接着力向上のみならず樹脂組成物自体の凝集力を向上させる点である。図1、2に化合物(D)の一例としてA−1289(日本ユニカー(株)製、一般式(3)のR9、R11がともにエトキシ基、a、bがともに3、m1、m2がともに3、m3が4)単独のDSC曲線、及びA−1289と銀粉を重量比1対1で混合したサンプルのDSC曲線を示す。測定条件はサンプル重量約30mg、昇温は室温から10℃/分で行った。図1には明確なピークは見られないが、図2では60℃付近から発熱が観察され始め、ピーク温度が約100℃、反応の終了は約130℃と非常にブロードな発熱ピークが観察される。この発熱ピークは銀粉とA−1289が同時に存在する時に始めて観察されることから銀粉とA−1289の反応と考えられる。
このように化合物(D)は銀粉表面と反応すること、しかも60℃付近から非常に緩やかに反応し始めることが確認できた。この点が非常に重要であり、室温以下で保存している間には化合物(D)は銀粉表面と反応せず硬化反応中に反応し始めるため、化合物(D)は硬化反応時に支持体表面及び銀粉表面の両方に作用することが可能であることを示している。この結果、支持体との接着力向上と同時に銀粉−樹脂間の結合が強固になるため樹脂硬化物の凝集力を向上させることが可能となる。
化合物(D)を使用する第3の理由は良好な密着性と樹脂硬化物の良好な電気伝導性の両立である。上述したようにメルカプト基を有するシランカップリング剤を使用した場合には室温でも銀粉表面とメルカプト基が反応してしまい硬化前の段階で銀粉表面は有機物に覆われてしまう。このため硬化後も銀粉同士のコンタクトが取れず硬化物の電気伝導性は悪化につながる。したがって使用量が少ない場合には電気伝導性の悪化は抑制されるものの支持体表面との作用に有効なカップリング剤量が不足してしまい良好な接着力を得ることができず、多い場合には電気伝導性の悪化が顕著になる等バランスを取ることが困難である。一方化合物(D)の場合には前述したように銀粉表面との反応は室温では起こらず硬化時に始めて反応すること及び銀粉表面との反応は非常に緩やかに進行することにより、支持体表面及び銀粉表面と有効に作用できるカップリング剤量を提供することが可能であるとともに、緩慢な反応なので銀粉同士のコンタクトも確保可能なので十分な電気伝導性を得ることが可能である。ここで例えば銀粉との反応がほとんど起こらないグリシジル基を有するシランカップリング剤のみを使用すれば化合物(D)を使用した場合に比較してさらに良好な硬化物の電気伝導性を得ることは可能であるが、支持体との接着性、硬化物の凝集力の不足を招く結果となる。したがって化合物(D)とグリシジル基を有するシランカップリング剤との併用は可能であるが、グリシジル基を有するシランカップリング剤を単独で使用することはできない。
化合物(D)を使用する第4の理由は、化合物(D)自体の低揮発性である。化合物(D)は他のシランカップリング剤と比較して分子量が高いため揮発しにくい性質を有する。特に銀粉と同時に使用する場合には上述のように60℃付近から緩やかに反応するのでより揮発しにくくなる。揮発しやすいシランカップリング剤は、硬化中に揮発するため良好な接着力を得る必要量が不足したり、または必要量を確保するために樹脂組成物中に大量に使用したりする必要が生じる。シランカップリング剤を大量に使用した場合にはしばしばレジンブリード(樹脂組成物中の低粘度成分が支持体表面に広がる現象)の原因となる。レジンブリードは、例えばリードフレーム表面に広がった場合にはリードフレームと封止材の接着力を低下させる原因となり、あるいはダウンボンド(チップ表面のワイヤボンドパッドからダイパッドへのワイヤボンド)不良又は不着の原因となる。レジンブリードがチップ側面に広がりチップ上に達した場合も封止材とチップの接着力の低下又は金線不着の原因となり好ましくない。また硬化中に揮発したシランカップリング剤によるチップ表面又はリードフレーム表面の汚染も封止材の密着力又はワイヤボンド性に悪影響を及ぼす可能性があるので好ましくない。いずれの場合においても生産性(歩留まり)を低下させたり、パッケージの信頼性(例えばリフロー性)を低下させたりする原因である。
一般式(3)におけるm3は2〜4に限定されるが、これはこれより少なくても、多くても接着力向上が望めないからである。なかでも特に好ましいのはm3が4の場合である。末端は通常のシランカップリング剤と同様にアルコキシ基が1〜3個Siに結合した形となる。反応性の観点からアルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましく、炭素数が11より多い場合には反応性が悪いため使用できない。特に好ましいのはメトキシ基又はエトキシ基であり、Siに2個又は3個結合したものである。m1、m2は1から5の整数であるが、特に好ましいのは3である。
化合物(D)の含有量は、樹脂組成物に対して0.1〜10重量%含まれる。下限値より少ないと期待する接着力向上効果が期待できず、上限値より多いと樹脂組成物の反応性が低下するとともにアルコキシシラン基から脱離したアルコールに基づくボイドが発生しやすくなるので好ましくない。
このように本発明では、銀粉、エポキシ樹脂、一般式(1)で示される化合物及び化合物(D)を同時に使用することで始めて良好な支持体との接着力、良好な硬化物の凝集力、良好な電気伝導性、良好なパッケージ生産性及び信頼性をすべて同時に得ることが可能となったのである。
本発明の樹脂組成物には、必要により低応力剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤を添加することも可能である。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて半導体装置を製作する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のダイボンダーを用いて、リードフレームの所定の部位に樹脂組成物をディスペンス塗布した後、チップをマウントし、加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂を用いてトランスファー成形することによって半導体装置を製作する。又はフリップチップ接合後アンダーフィル材で封止したフリップチップBGA等のチップ裏面に樹脂組成物をディスペンスしヒートスプレッダー、リッドといった放熱部品を搭載し加熱硬化する等といった使用方法も可能である。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。配合割合は重量部で示す。
[実施例1]
銀粉(A)として平均粒径8μm、最大粒径30μmのフレーク状銀粉(以下銀粉)、エポキシ樹脂(B)としてビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られるジグリシジルビスフェノールA(エポキシ当量180、常温で液体、以下ビスAエポキシ)、クレジルグリシジルエーテル(エポキシ当量185、以下CGE)、化合物(C)としてDIC−BPF(大日本インキ工業(株)製、水酸基当量100、一般式(1)のnが1、R1〜R6がすべて水素、以下ビスフェノールF)、化合物(D)としてA−1289(日本ユニカー(株)製、一般式(3)のR9、R11がともにエトキシ基、a、bがともに3、m1、m2がともに3、m3が4、以下カップリング剤A)、反応促進剤としてキュアゾール2MZ−A(四国化成工業(株)製、以下2MZ−A)、ジシアンジアミド、を表1に示す割合で配合し、3本ロールで混練して樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を真空チャンバーにて2mmHgで30分間脱泡した後以下の方法により各種性能を評価した。
[実施例2、3、4]
実施例1と同様に樹脂組成物を作製し評価した。なお実施例3では化合物(C)としてジアリルビスフェノールA(一般式(1)のnが1、R1、R2がメチル基、R3、R5がアリル基(2−プロペニル基)、R4、R6が水素、以下ジアリルビスフェノールA)を実施例4では化合物(C)としてトリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン(一般式(1)のnが1、R1が一般式(2)で示される官能基でR7、R8が水素、R2がメチル基、R3〜R6が水素、以下THPE)を使用した。
[比較例1、2、3、4、5]
実施例1と同様に樹脂組成物を作製し評価した。なお比較例1では、カップリング剤Aを使用せず、比較例2では、一般式(1)に示される化合物を使用しなかった。比較例3ではアミノ基を有するシランカップリング剤としてKBM−903(信越化学工業(株)製、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、以下カップリング剤B)を、比較例4では、メルカプト基を有するシランカップリング剤としてKBM−803P(信越化学工業(株)製、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、以下カップリング剤C)を、比較例5ではフェノールノボラック(水酸基当量104、軟化点80〜90℃、フェノールノボラック)を用いた。
評価方法
・粘度:E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値を樹脂組成物作製後及び25℃48時間処理後に測定した。粘度が15〜25Pa・s、粘度の変化率が20%以下の場合を合格とした。粘度の単位はPa・sである。
・接着強度:表1に示す樹脂組成物を用いて、6×6mmのシリコンチップを金フラッシュしたNi−Pdフレームにマウントし、175℃オーブン中30分硬化した。硬化後及び吸湿処理(85℃、85%、72時間)後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップ。
・体積抵抗率:4×50×0.04mmになるように樹脂組成物を塗布し175℃オーブン中30分間硬化した。長さ方向40mmの抵抗値を測定することで体積抵抗率を求めた。1×10-3Ω・cm以下を合格とした。単位はΩ・cm。
・耐温度サイクル性:表1に示す樹脂組成物を用いて、15×15×0.5mmのシリコンチップをNiめっきした銅ヒートスプレッダー(25×25×2mm)にマウントし、175℃オーブン中30分硬化した。温度サイクル処理後(−65℃←→150℃、100サイクル)の剥離の様子を超音波探傷装置(反射型)にて測定した。剥離面積が10%以下のものを合格とした。
・耐リフロー性:表1に示す樹脂組成物を用い、下記のリードフレームとシリコンチップを175℃30分間硬化し接着し、封止材料(スミコンEME−7026、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、半導体パッケージを作製した。この半導体パッケージを60℃、相対湿度60%、120時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。IRリフロー処理後のパッケージを超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。ダイアタッチ部の剥離面積が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
パッケージ:QFP(14×20×2.0mm)
リードフレーム:金フラッシュしたNi−Pdフレーム
チップサイズ:6×6mm
硬化条件:オーブン中175℃、30分
Figure 0005098175
本発明のよればNi−Pdめっきされたリードフレームや放熱部材との良好な接着力、良好な電気伝導性を有する樹脂組成物が得られ、該樹脂組成物を半導体素子接着又は放熱部材接着に用いた半導体装置は、高温リフロー性に優れるため、鉛フリー半田に対応した半導体製品に好適に用いることができる。
本発明に用いた一般式(1)で示される化合物(D)の一例であるA−1289のDSC曲線である。 本発明に用いた銀粉と一般式(1)で示される化合物(D)の一例であるA−1289との混合物のDSC曲線である。

Claims (5)

  1. 半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物であって、(A)銀粉、(B)エポキシ樹脂、(C)一般式(1)で示される化合物及び(D)一般式(3)で示される化合物を含む樹脂組成物であって、(A)銀粉の含有量が70〜90重量%であり、(D)一般式(3)で示される化合物の含有量が0.1〜0.2重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 0005098175
    n:0又は1
    :水素、メチル基、エチル基又は一般式(2)で示される官能基
    :水素、メチル基又はエチル基
    〜R:水素、メチル基、エチル基及びアリル基から選ばれる1種を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    Figure 0005098175
    、R:水素、メチル基、エチル基及びアリル基から選ばれる1種を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    Figure 0005098175
    、R11:炭素数1〜10のアルコキシ基でそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    10、R12:炭素数1〜10のアルキル基でそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    a、b:1〜3の整数
    m1、m2:1〜5の整数
    m3:2〜4の整数
  2. 一般式(3)で示される化合物のR、R11がともにエトキシ基である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 一般式(3)で示される化合物のa、bがともに3である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 一般式(3)で示される化合物のm3が4である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4に記載の樹脂組成物を用いて製作されることを特徴とする半導体装置。
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