JP5097531B2 - 単層ブロー成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記公報には、高透明高柔軟なブロー成形品として好適なものが、必ずしも明確に開示されているとはいえない。
しかしながら、上記公報には、高透明高柔軟なブロー成形品として好適なものが、必ずしも明確に開示されているとはいえない。
しかしながら、上記公報には、高透明高柔軟なブロー成形品として好適なものが、必ずしも明確に開示されているとはいえない。
しかしながら、この容器の場合、表層に使用される樹脂が、メタロセン系触媒を用いて重合されたメルトフローレートの異なる2種類のポリエチレンからなる組成物であるため、結果として分子量分布が大きいものとなり、必ずしも光沢性、透明性の点で満足できる成形品が得られるわけではない。
しかしながら、これらの成形体や成形方法は、主にポリプロピレン系樹脂を用いるもので、ポリエチレン系樹脂で高透明高柔軟なブロー成形品を製造することについて、必ずしも明確に開示されているとはいえない。
特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.5〜28g/10分である。
特性(ii):密度が0.850〜0.915g/cm3である。
特性(iii):曲げ弾性率が170MPs以下である。
特性(iv):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
さらに、本発明の第6によれば、第5の発明において、パリソンの長さが60cmに到達する時間(T1)と12cmに到達する時間(T2)との比(T1/T2)が2以上となる条件でブロー成形することを特徴とする単層ブロー成形品の製造方法が提供される。
特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.5〜28g/10分である。
特性(ii):密度が0.850〜0.915g/cm3である。
特性(iii):曲げ弾性率が170MPs以下である。
特性(iv):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
以下、本発明の単層ブロー成形品を形成する材料や特性およびその成形方法等について詳細に説明する。
本発明のブロー成形品は、単層ブロー成形品であり、メタロセン触媒で製造されたポリエチレンを用いて成形される。
ブロー成形品とするポリエチレンは、JIS K6922−2:1997に準拠した温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.5〜28g/10分、好ましく1.0〜25g/10分である。
本発明のポリエチレンのMFRが、0.5g/10分未満では、成形品の表面が荒れる傾向がある。一方、MFRが28g/10分を超えると、延伸ブロー成形の場合は、a)射出成形時のプリフォームの離型性が悪くなる、b)成形されたプリフォームの表面肌荒れる、c)延伸工程での延伸性が悪くなり均一の肉厚容器を得にくくなる、d)金型キャビティーでのエアー抜きが悪くなり成形容器に凹凸模様が発生する、等の傾向がある。また、ダイレクトブロー成形の場合は、a)押出されたパリソンの表面がべとつく傾向にあり、ダイス先端を汚すおそれが生じたり、表面に異物が付着しやすくなる、b)金型キャビティーでのエアー抜きが悪くなり成形容器に凹凸模様が発生する、c)ドローダウンする、等の傾向があり、これらの傾向は、ダイレクトブロー成形では、8.0g/分を超えると現れ始める。
ポリエチレンのMFRは、エチレン重合中に共存させる水素の量を変化させるか、重合温度を変化させること等によって調整することができ、水素の量を増加させる又は重合温度を高くすることにより大きくすることができる。
ポリエチレンの密度は、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって調整することができ、α−オレフィンの量を増加させると小さくすることができる。
曲げ弾性率は、ポリエチレンの密度を調整することによって調整することができ、密度を大きくすると大きくすることができる。
GPC測定によるMw/Mnは、高分子量成分と低分子量成分の混合割合を調整することにより増減することができ、重合温度や連鎖移動剤量を重合反応中に変化させることにより分子量が異なる重合体成分が生成し、結果として全体の重合体の分子量分布を変化させることができる。また、重合条件の異なる重合を多段で行なうことにより分子量分布を増減させることも可能である。
(i)測定条件
ウオーターズ社製150C型を使用して、下記の条件でGPC測定を行い、重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム:Shodex HT−G(昭和電工(株)製)及び同・HT−806M(昭和電工(株)製)×2本
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:140℃
流量:1.0ml/分
注入量:300μl
(ii)サンプル調整
市販の4mlスクリュートップバイアル瓶に試料約3mg及び溶媒3.0mlを量り採り、センシュー科学製SSC−9300型攪拌機を用い、温度150℃で2時間振とうを行った。
(iii)分子量の計算
GPCクロマトデータは1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版(株)発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行い、Mw値を計算した。
(iv)カラムの較正
カラムの較正は、昭和電工(株)製単分散ポリスチレン(S−7300、S−3900、S−1950、S―1460、S−1010、S−565、S−152、S−66.0、S−28.5、S−5.05)、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの各0.2mg/l溶液を用いて、一連の単分散ポリスチレンの測定を行い、それらの溶出ピーク時間と分子量の対数の関係を4次多項式でフィットしたものを較正曲線とした。
なお、ポリスチレンの分子量は、次式を用いてポリエチレンの分子量に換算した。
MPE=0.468×MPS
ヘイズは、使用する樹脂の密度の影響を受け、密度が低いほど小さくすることができる。また、全光線透過率は、使用する樹脂の密度の影響を受け、密度が低いほど大きくすることができる。
成形品の上記復元性を達成するためには、使用する密度の影響を受け、密度がある低い領域のものが、適度の復元性を発揮できる。
メタロセン触媒としては、例えば、特開昭58−19309号、同59−95292号、同59−23011号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号公報等で公知であるものが挙げられる。
また、本発明に係るエチレン系重合体においては、水素供給量を変化させることが重要であるが、その他の重合条件、例えば重合温度、触媒供給量、エチレンなどのオレフィンの供給量、1−ブテンなどのコモノマーの供給量、溶媒の供給量等を、適宜に水素の変化と同時に又は別個に変化させることも重要である。
本発明のブロー成形品には、滑剤を1000ppm以下含有すると、成形品表面の光沢がさらに改善される。滑剤としては、脂肪酸アマイド系化合物が好ましいものとして挙げられる。中でもエルカ酸アミドが好適である。滑剤の量は、ポリエチレンに対して300〜1000ppm添加すると、成形されたプリフォームと金型間での滑り性が良くなり、その結果、変形のないプリフォームが成形出来、延伸ブロー工程での悪影響がなくなる。添加量が300ppm以下ではその効果が低く、1000ppmを超えると成形された製品の表面や内面にブリードアウトする傾向が現れる。
本発明のブロー成形品は、通常のダイレクトブロー成形機及び延伸ブロー成形機を用いて製造することができる。成形条件は、求める成形品の大きさ、形状によって適宜設定可能であるが、層構成としては、構成する積層体の厚みは必ずしも限定されないが、厚みとして、好ましくは20〜1500μm、より好ましくは100〜800μmである。
また、ダイレクトブロー成形で発生するバリ等を粉砕しベース樹脂にブレンドし使用しても差し支えない。
具体的には、容器の肩R部(肩の丸み半径部)及び底R部(底の丸み半径部)の金型表面粗さを粗くし、胴部は細かくすることにより外観が均一な面を有する容器を得ることが出来る。更にブロー圧力を0.05から0.8MPaの範囲で調整し成形することにより、あばた状の不均一模様を発生させず成形できる。すなわち、初めに低圧でブロー成形した後、圧力を高くし成形することにより、あばた模様がない良好な容器を得ることができる。
具体的には、容器の肩R部(肩の丸み半径部)及び底R部(底の丸み半径部)の金型表面粗さを粗くし、胴部は細かくすることにより外観が均一な面を有する容器を得ることが出来る。更にブロー圧力を0.05から0.8MPaの範囲で調整し成形することにより、あばた状の不均一模様を発生させず成形できる。すなわち、初めに低圧でブロー成形した後、圧力を高くし成形することによりあばた模様がない良好な容器を得ることができる。
ブロー成形における成形圧力は0.05〜0.8MPaが好ましい。その範囲内で成形すると、表面光沢が良好な成形品を成形することができる。
ブロー成形においては、パリソンの長さが60cmに到達する時間(T1)と12cmに到達する時間(T2)との比(T1/T2)が2以上の条件で成形することが好ましい。当該範囲内では、成形品外観が一層良好なものが得られる。
(1)メルトフローレート(MFR):JIS K6922−2:1997に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)密度:JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定した。
(3)曲げ弾性率:JIS K6922−2に準拠して測定した。
(4)GPC:測定条件及び測定方法、並びに分子量計算方法は以下の通りに行った。
(i)測定条件
ウオーターズ社製150C型を使用して、下記の条件でGPC測定を行い、重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム:Shodex HT−G(昭和電工(株)製)及び同・HT−806M(昭和電工(株)製)×2本
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:140℃
流量:1.0ml/分
注入量:300μl
(ii)サンプル調整
市販の4mlスクリュートップバイアル瓶に試料約3mg及び溶媒3.0mlを量り採り、センシュー科学製SSC−9300型攪拌機を用い、温度150℃で2時間振とうを行った。
(iii)分子量の計算
GPCクロマトデータは1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版(株)発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行い、Mw値を計算した。
(iv)カラムの較正
カラムの較正は、昭和電工(株)製単分散ポリスチレン(S−7300、S−3900、S−1950、S―1460、S−1010、S−565、S−152、S−66.0、S−28.5、S−5.05)、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの各0.2mg/l溶液を用いて、一連の単分散ポリスチレンの測定を行い、それらの溶出ピーク時間と分子量の対数の関係を4次多項式でフィットしたものを較正曲線とした。
なお、ポリスチレンの分子量は、次式を用いてポリエチレンの分子量に換算した。
MPE=0.468×MPS
(6)全光線透過率:JIS K7105:1981に準拠して測定した。
(7)パリソン(プリフォーム)温度:押出された樹脂を棒状熱電対温度計にて測定した。
(8)表面粗さ:JIS B0601:1982に準拠して金型キャビティー面の表面粗さを測定した。
金型キャビティー面粗さを0.1μm未満で仕上げた金型を「A」とした。
金型キャビティー面粗さを1.0μmで仕上げた金型を「B」とした。
金型キャビティー面粗さを肩R部及び底R部が0.9μmで胴部が0.2μmに変化させ調整し仕上げた金型を「C」とした。
金型キャビティー面粗さを肩R部及び底R部が0.3μmで胴部が0.1mμに変化させ調整し仕上げた金型を「D」とした。
(9)ブロー圧力:
ブロー成形時の圧力を0.8MPaで吹き込んだものを「a」とした。
ブロー成形時の圧力を0.05MPaで1.5秒間吹き込み、その後0.8MPaで吹き込んだものを「b」とした。
(11)ドローダウン:パリソンがダイ先端から60cmに到達する時間(T60)とダイ先端から12cmに到達する時間(T12)の比(T60/T12)が2未満の場合をドローダウン有、2以上の場合をドローダウン無とした。
(12)パリソンべとつき性:押出されたパリソンを金型で挟み、金型外のパリソンをカッターで切断し、そのときに、パリソンが糸を引くか引かないかを目視で判断し、糸を引かないものを「無」、糸を引くものを「有」とした。
(13)プリフォーム離型性:プリフォーム成形時にキャビティー及びコアにプリフォームが付着するものを「否」、付着しないものを「良」とした。
(14)プリフォーム安定性:プリフォーム成形後、延伸ブロー成形する直前のプリフォームが収縮し曲がるものやドローダウンするものを「否」、曲がらないものやドローダウンしないものを「良」とした。
(15)復元性:キャップをしない空の成形容器の中央部を内壁面が接触するまで指先で押し潰し、指を離した時、5秒以内で元の形状に95%以上復元するものを「良」、復元しないものを「否」とした。
1.ダイレクトブロー用樹脂
表1に示したポリエチレン(A−1)〜(A−10)及びポリプロピレン(A−11)を使用した。
表2に示したポリエチレン(B−1)〜(B−12)、(B−5’)及びポリプロピレン(B−13)を使用した。但し、ポリエチレン(B1〜10)はエルカ酸アミドを900ppm添加した。
φ50mmのダイレクトブロー成形機にて、定めたスクリュー回転数にて成形樹脂温度設定を調整し、パリソンを押出し、300mlの円筒容器用のブロー金型キャビティー面粗さRa値を変化させ調整するとともに、金型温度20℃、吹き込み時のブロー圧力を変化させ調整した上で、ボトル重量18g(容器胴部の肉厚は0.4〜0.7mm)、成形サイクル12秒にて、ブロー成形を行なった。
樹脂としてポリエチレン(A−1)を使用し、パリソンの内外面肌が荒れない低い温度になるように押出機・ヘッド・ダイのヒーター温度を調整しブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
樹脂としてポリエチレン(A−1)の代わりに表1の樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
樹脂としてポリエチレン(A−1)の代わりに表1の樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
ホットパリソン法延伸ブロー成形機にて射出樹脂温度、スクリュー回転数、射出圧力・流量、背圧、計量位置、射出時間、冷却時間、ブロー圧力、延伸スピード、プリフォーム金型温度、製品金型温度を調整し、600ml円筒容器金型キャビティー面の粗さRa値を変化させ調整した上で、延伸倍率が横2.5倍、縦1.2倍、ボトル重量24g(容器胴部肉厚0.4〜0.9mm)、成形サイクル15秒にて成形を行った。
樹脂としてポリエチレン(B−1)を使用し、射出成形されたプリフォームが曲がらない、肌荒れしない、条件に調整し延伸ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表2に示した。
樹脂としてポリエチレン(B−1)の代わりに表2の樹脂を使用した以外は、実施例6と同様に延伸ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表2に示した。
樹脂としてポリエチレン(B−1)の代わりに表2の樹脂を使用した以外は、実施例6と同様に延伸ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表2に示した。
一方、比較例1〜19では、得られた容器は、パリソン(プリフォーム)平滑表面肌、成形された容器表面肌、優れた透明性能、復元性のいずれかの一つ以上の性能評価が悪い結果となっていることがわかる。
Claims (6)
- 下記の特性(i)〜(iv)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンからなる単層ブロー成形品であって、成形品胴部は、ヘイズが10%未満であり、かつ全光線透過率が85%以上であることを特徴とする単層ブロー成形品。
特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.5〜28g/10分である。
特性(ii):密度が0.850〜0.915g/cm3である。
特性(iii):曲げ弾性率が170MPs以下である。
特性(iv):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。 - 成形品の厚みが20μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の単層ブロー成形品。
- 成形品は、その胴中央部を内面同士が接触するまで応力を加えた後、応力を除いた後に5秒以内に元の形状に復元することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の単層ブロー成形品。
- 前記ポリエチレンは、滑剤を1000ppm以下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の単層ブロー成形品。
- 金型キャビティー面の表面粗さが0.1〜0.9μmの金型を用いて、ブロー成形圧力0.05〜0.8MPaの条件下にブロー成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の単層ブロー成形品の製造方法。
- パリソンの長さが60cmに到達する時間(T1)と12cmに到達する時間(T2)との比(T1/T2)が2以上となる条件でブロー成形することを特徴とする請求項5に記載の単層ブロー成形品の製造方法。
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