JP2004182347A - 中空成形容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 20℃キシレン可溶部(CXS部)を5重量%以上含有し、前記
CXS部を除いた部分(CXIS部)の最高融解ピーク温度(Tm)が130〜
155℃であるプロピレン系ブロック共重合体からなることを特徴とする中空成
形容器。
【選択図】 なし
Description
EA×PA/100+EB×PB/100=EAB
EB=(EAB−EA×PA/100)×100/PB
[η]A×PA/100+[η]B×PB/100=[η]AB
[η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×100/PB
を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物及びエーテル化合物と四塩化チタンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物(c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基である。)を有するケイ素化合物よりなる触媒系、または(a)一般式Ti(OR1)nX4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物を、一般式AlR2 mY3-m(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基、Yはハロゲン原子、mは1≦m≦3の数字を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物で還元して得られる炭化水素溶媒に不溶のハイドロカルビルオキシ基を含有する固体生成物を、エチレンで予備重合処理したのち、炭化水素溶媒中エーテル化合物及び四塩化チタンの存在下に80〜100℃の温度でスラリー状態で処理して得られるハイドロカルビルオキシ基含有固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物よりなる触媒系などの少なくともチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とするチーグラー・ナッタ型触媒の存在下に、(b)成分中のAl原子/(a)成分中のTi原子のモル比を1〜2000、好ましくは5〜1500、(c)成分/(b)成分中のAl原子のモル比を0.02〜500、好ましくは0.05〜50となるように使用し、重合温度20〜150℃、好ましくは50〜95℃、重合圧力は大気圧〜40kg/cm2G、好ましくは2〜40Kg/cm2Gの条件下に、第一工程でプロピレンとエチレンおよび分子量調節のために水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を生成した後、引き続いて第二工程でプロピレンとエチレンと水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)を生成することによって製造できる。
はじめに以下の実施例および比較例における物性値の測定方法を説明する。
(1)20℃キシレン可溶部(CXS部)
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃にて乾燥した。得られた乾燥物の重量から20℃キシレン可溶部量を測定した。
(2)CXS部を除く部分(CXIS部)の最高融解ピーク温度(Tm)
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、析出物を乾固して減圧下70℃にて乾燥してCXIS部を得た。このCXIS部10mgを示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC7型)を用いて、予め窒素雰囲気下で220℃で5分間溶融した後、5℃/分の降温速度で40℃まで降温した。その後、5℃/分で昇温させて、得られた融解曲線の最高融解ピーク温度を求めた。
A成分およびB成分の重合時の物質収支から、A成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)を求めた。
(4)極限粘度([η])
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
A成分、B成分の極限粘度([η]A、[η]B)
第一工程のA成分の重合終了後に測定した極限粘度[η]Aと、第二工程の重合終了後に測定した極限粘度[η]AB、およびA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から、次式によりB成分の極限粘度[η]Bを求めることとした。
[η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×100/PB
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により、13C−NMR法で測定を行った。
A成分、B成分のエチレン単位の含有量(EA、EA)
第一工程のA成分の重合終了後に測定したエチレン単位の含有量(EA)と、第二工程の重合終了後に測定したエチレン単位の含有量(EAB)、およびA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から、次式によりB成分のエチレン単位の含有量(EB)を求めることとした。
EB=(EAB−EA×PA/100)×100/PB
(6)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定した。
中空成形容器の高さ80mmの胴部を試験片として切り出し、JIS K7105に従い測定した。この値が小さいほど透明性に優れることを示す。
(8)曲げ弾性率
JIS K7106によって測定した。この値が小さいほど柔軟性に優れることを示す。
JIS K7110によって、温度0℃に試験片を恒温槽で24時間以上静置後、測定した。この値が大きいほど耐衝撃性に優れることを示す。
(10)圧縮強度(実施例1、2および比較例1〜3)
中空成形容器を温度23℃の恒温室内で24時間以上静置後、東洋ボールドウィン社製曲げ引張試験機STM−F−5000BPを用いて、中空成形容器を横向きにおいた状態で、圧縮速度50mm/分で圧縮試験を行い、歪みが20mmでの圧縮荷重を測定した。この値が小さいほど柔軟性に優れることを示す。
中空成形容器を温度23℃の恒温室内で24時間以上静置後、東洋ボールドウィン社製曲げ引張試験機STM−F−5000BPを用いて、中空成形容器を縦向きにおいた状態で、圧縮速度50mm/分で圧縮試験を行い、歪みが20mmでの圧縮荷重を測定した。この値が小さいほど柔軟性に優れることを示す。
(12)落下試験(実施例1、2および比較例1〜3)
中空成形容器に水を500g充填し、5℃の低温恒温槽で24時間以上静置後、1.5mの高さからコンクリート床に容器の底を下にして10回繰り返し自由落下後、容器の破損、クラックの有無を観察した。10本の試験容器の未破壊本数から残存率を測定した。
(13)落下試験(実施例3、4および比較例4〜5)
中空成形容器に水を1kg充填し、5℃の低温恒温槽で24時間以上静置後、1.5mの高さからコンクリート床に容器の底を下にして10回繰り返し自由落下後、容器の破損、クラックの有無を観察した。10本の試験容器の未破壊本数から残存率を測定した。
[固体触媒の合成]
撹拌機付きの200LSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次ぎに、濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間撹拌した後20℃で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.2kg/Lになるようにトルエンを加えた後、フタル酸ジイソブチル47.6モルを加え、95℃で30分間反応を行なった。反応後固液分離し、トルエンで2回洗浄を行なった。次いで、フタル酸ジイソブチル3.13モル、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン274モルを加え、105℃で3時間反応を行なった。反応終了後同温度で固液分離した後、同温度でトルエン90Lで2回洗浄を行なった。次いで、スラリー濃度を0.4kg/Lに調整した後、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行なった。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行なった後、さらにヘキサン70Lで3回洗浄した後減圧乾燥して固体触媒成分11.4kgを得た。固体触媒成分はチタン原子1.8重量%、マグネシウム原子20.1重量%、フタル酸エステル8.4重量%、エトキシ基0.3重量、ブトキシ基0.2重量%を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有していた。
<固体触媒成分の予備活性化>
内容積3LのSUS製、撹拌機付きオートクレーブに充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン37.5ミリモルと上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を30℃以下に保ちながらプロピレン15gを約30分かけて連続的に供給して予備活性化を行なった後、得られた固体触媒スラリーを内容積150Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに移送し液状ブタン100Lを加えて保存した。
[重合]
SUS製の内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器を2槽連結し、第一槽目で前段部(A成分)のプロピレンとエチレンの共重合を、第二槽目で後段部(B成分)のプロピレンとエチレンの共重合を連続的に実施する。
(1)第一槽目(A成分部)
内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器において、重合温度70℃、重合圧力18kg/cm2G、気相部の水素濃度0.2vol%、気相部エチレン濃度2.4vol%を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を供給しながら、トリエチルアルミニウム75ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン7.5ミリモル/hおよび予備活性化した固体触媒成分0.29g/hを連続的に供給し、流動床のポリマーホールド量45kgでプロピレンとエチレンの共重合を行い9.6kg/hのポリマーが得られた。得られたポリマーは失活することなく第二槽目に連続的に移送した。また、ポリマーの一部をサンプリングして分析した結果、エチレン単位の含有量は3.7重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η])は2.80dl/gであった。
(2)第二槽目(B成分部)
内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器において、重合温度80℃、重合圧力12kg/cm2G、気相部の水素濃度0.2vol%、気相部エチレン濃度9.0vol%を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を供給しながら、流動床のポリマーホールド量を80kgで、第一槽目より移送された触媒含有ポリマーでのエチレンとプロピレンとの共重合を連続的に継続することにより18.1kg/hの白色の流動性の良いポリマーが得られた。得られたポリマーのエチレン単位の含有量は8.8重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η])は2.89dl/gであった。以上の結果から、第一槽目と第二槽目の重合量比は53/47であり、A成分と最終ポリマーの分析値より求めたB成分部のエチレン単位の含有量は14.6重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η])は3.0dl/gであった。したがって、[η]B/[η]Aは、1.1であった。得られたポリマーをパーオキサイド存在下で加熱分解し、MFRが1.1g/10分になる様に調整しプロピレンブロック共重合体を得た。得られたプロピレン共重合体の20℃キシレン可溶部(CXS部)は22重量%であり、CXS部を除いた部分(CXIS部)のDSCでの最高融解ピーク温度(Tm)は131℃であった。
得られたプロピレンブロック共重合体を、(株)日本製鋼所製中空成形機(NB3B型;スクリュ径50mm、L/D=20)に供給して、ダイス温度210℃、空気吹き込み圧力6kg/cm2にて10秒間空気を吹き込み、パリソン低面が金型によりピンチオフされて溶融接合された、側面の厚さが約0.4mm、重量が16g、容量が500mlの細口円柱状中空成形容器を製造した。得られた中空成形容器の性能評価結果、および加熱圧縮成形シートの評価結果を表1に示す。
実施例1で得られたものと同じ加熱分解前のポリマーを、MFRが2.3g/10分になる様にパーオキサイド存在下で加熱分解し、プロピレンブロック共重合体を得た。このプロピレンブロック共重合体の20℃キシレン可溶部(CXS部)は22重量%であり、CXS部を除いた部分(CXIS部)のDSCでの最高融解ピーク温度(Tm)は131℃であった。得られたプロピレンブロック共重合体を実施例1と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表1に示す。
実施例1で用いたものと同じプロピレンブロック共重合体50重量%と、極限粘度2.57dl/g、MFRが1.1g/10分であるプロピレン単独重合体50重量%を溶融混練してプロピレン系樹脂組成物を得た。このプロピレン系樹脂組成物を実施例1と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表1に示す。
実施例1におけるプロピレンブロック共重合体を、極限粘度2.57dl/g、MFRが1.1g/10分であるプロピレン単独重合体に代えた以外は、実施例1と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表1に示す。
実施例1におけるプロピレンブロック共重合体を、極限粘度2.90dl/g、エチレン単位の含有量6.7重量%、MFRが0.6g/10分であるプロピレン−エチレンブロック共重合体に代えた以外は、実施例1と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表1に示す。このプロピレンブロック共重合体の20℃キシレン可溶部(CXS部)は9.9重量%であり、CXS部を除いた部分(CXIS部)のDSCでの最高融解ピーク温度(Tm)は162℃であった。
実施例1におけるプロピレンブロック共重合体を、極限粘度2.44dl/g、エチレン単位の含有量5.1重量%、MFRが1.0g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体に代えた以外は、実施例1と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表1に示す。
実施例1で得られたものと同じ加熱分解前のポリマーを、MFRが8.6g/10分になる様にパーオキサイド存在下で加熱分解し、プロピレンブロック共重合体を得た。このプロピレンブロック共重合体の20℃キシレン可溶部(CXS部)は22重量%であり、CXS部を除いた部分(CXIS部)のDSCでの最高融解ピーク温度(Tm)は131℃であった。この重合体を(株)日本製鋼所製射出成形機(J100E型)にてシリンダー温度190℃で射出成形し、プリフォーム(直径29mm、長さ123mm、厚さ3.9mm、重量29g)を得た。このプリフォームを(株)フロンティア製延伸ブロー成形機(EFB2000型)に供給して、赤外線ヒーターによる加熱、空気による冷却を行い、プリフォーム温度を120〜130℃に加熱調整した後、ストレッチロッドによる縦延伸、および圧縮空気によるブローを行い、容量1L、高さ275mm、幅72mm(縦延伸倍率2.4倍、周方向延伸倍率3.0倍、面積延伸倍率7.2倍)の角形延伸ブロー成形容器を製造した。評価結果を表2に示す。
実施例1におけるプロピレンブロック共重合体を、極限粘度1.39dl/g、MFRが23g/10分であるプロピレン単独重合体に代えた以外は、実施例4と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表2に示す。
実施例1におけるプロピレンブロック共重合体を、極限粘度1.38、dl/g、エチレン含有量4.8重量%、MFRが24g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体に代えた以外は、実施例4と同様に実施して中空成形容器を製造した。評価結果を表2に示す。
Claims (6)
- 20℃キシレン可溶部(CXS部)を5重量%以上含有し、前記CXS部を除いた部分(CXIS部)の最高融解ピーク温度(Tm)が130〜155℃であるプロピレン系ブロック共重合体からなることを特徴とする中空成形容器。
- プロピレン系ブロック共重合体が、第一工程でエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を全重合量(A成分と下記B成分の合計)の40〜85重量%生成し、次いで第二工程でエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)を全重合量(A成分とB成分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロック共重合体であって、かつB成分の極限粘度([η]B)が2〜5dl/g、B成分の極限粘度([η]B)とA成分の極限粘度([η]A)との比([η]B/[η]A)が0.5〜1.8のプロピレン系ブロック共重合体である請求項1記載の中空成形容器。
- 請求項1または2記載のプロピレン系ブロック共重合体に、さらに造核剤を含有させたものからなることを特徴とする中空成形容器。
- 造核剤がソルビトール系造核剤であることを特徴とする請求項3に記載の中空成形容器。
- 造核剤が有機リン酸塩系造核剤であることを特徴とする請求項3に記載の中空成形容器。
- 造核剤がポリビニルシクロアルカンであることを特徴とする請求項3に記載の中空成形容器。
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