JP2009149006A - 多層ブロー容器及びその製造方法 - Google Patents

多層ブロー容器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容器外表面層の光沢性に優れ、しかも透明性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のある多層ブロー容器及びその製造方法の提供。
【解決手段】表層(X)と内層(Y)とを含む積層体により形成される多層ブロー容器において、表層(X)は、下記の特性(i)〜(iii)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンからなり、一方、内層(Y)は、下記の特性(iv)〜(vi)を有するポリエチレンからなり、しかも、内層(Y)のポリエチレンのメルトフローレートに対する表層(X)のポリエチレンのメルトフローレートの比(MFR/MFR)は、1.0〜60で、かつ、表層(X)と内層(Y)の厚みの合計に対する表層(X)の厚みの割合は、3.0〜50%であることを特徴とする多層ブロー容器によって提供した。
特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が1.0〜15g/10分である。
特性(ii):密度が0.870〜0.925g/cmである。
特性(iii):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
特性(iv):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5.0g/10分である。
特性(v):密度が0.935〜0.967g/cmである。
特性(vi):GPC測定によるMw/Mnが5.0〜28である。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層ブロー容器及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、容器外表面層の光沢性に優れ、しかも透明性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のある多層ブロー容器及びその製造方法に関する。
従来、シャンプー、リンス、化粧品、医療用等の容器の分野において、プラスチック製の中空容器が広く使用されている。この中空容器用のプラスチックには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートといった樹脂が広く使用されている。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンは、性能、価格等の点から好ましいものとして使用されており、表面光沢性を改良した材料や容器が数多く提案されている(例えば、特許文献1〜11参照)。
それらの中でも、例えば、特開平09−058648号公報(特許文献4)には、少なくとも外面がオレフィン系樹脂で構成されたプラスチックボトルにおいて、前記オレフィン系樹脂が特定の式Y<−AX+B[式中、Yはオレフィン系樹脂の密度(g/cm)であり、Xはオレフィン系樹脂のメルトテンション(g)であり、Aは0.0116の数、Bは0.962の数である。]を満足する密度及びメルトテンションを有し、且つボトル外面が60度以上の光沢度(60゜グロス)を有するプラスチックボトルが提案されている。
しかしながら、その場合、密度とメルトテンションが特定の関係を満たすオレフィン系樹脂が開示されているが、表層に使用される樹脂の具体的な特性や内層に使用される樹脂の具体的な特性についての開示が必ずしも十分ではなく、更に満足できる高光沢の表面外観を有する容器を得られるわけではない。
さらに、特開平09−077039号公報(特許文献5)には、外層から順に、密度0.915〜0.940の範囲にあるポリエチレン系樹脂層/パール顔料を0.5〜10.0重量%含有した密度0.941以上の高密度ポリエチレン層/着色顔料を2.0〜10.0重量%含有した再生ポリエチレンを含む層、によって構成される多層ブロー容器が提案されている。
また、特開平10−315357号公報(特許文献8)には、単層又は複数層で構成されている樹脂製容器の少なくとも1つの層が、メタロセン系触媒を用いて製造され、メルトフローレートが、0.1〜100g/10分であること、密度が、0.915g/cmを越え、0.960g/cm以下であること、温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる微分溶出曲線中のピークが1つであり、該ピーク温度が65℃以上であり、該ピークの高さをHとし、該ピークの高さの1/2の幅をWとしたときのH/Wの値が5以上であり、かつ、Wを温度幅として表したとき15℃を越えないことの性状を有するエチレン単独重合体又はエチレン・炭素数3〜40のα−オレフィン共重合体で形成されている樹脂製容器が提案されている。
また、特開平10−235760号公報(特許文献6)には、密度が0.925g/cm以上でメルトフローレートが0.3乃至10g/10minの範囲にある高圧法ポリエチレンを含有して成る中間層と、融点が113℃以上の他のオレフィン系樹脂を含有して成る内外層との積層体をブロー成形して成る加熱殺菌用ブローバッグが提案されている。
しかしながら、これらの容器の場合、表層の樹脂の密度が高めであるため、柔軟性、柔らかな触感、肌触り等の点で必ずしも満足できる容器が得られるわけではない。
さらに、特開2000−355045号公報(特許文献9)には、メタロセン系触媒でエチレンとハイα−オレフィンとを共重合させて得られるメルトフローレートが4g/10分以下であるポリエチレンと、メタロセン系触媒でエチレンとハイα−オレフィンとを共重合させて得られるメルトフローレートが10g/10分以上であるポリエチレンとを98:2乃至60:40の重量比で含有する組成物を少なくとも1層備えたパリソンを吹込成形して成る中空容器が提案されている。
しかしながら、この容器の場合、表層に使用される樹脂が、メタロセン系触媒を用いて重合されたメルトフローレートの異なる2種類のポリエチレンからなる組成物であるため、結果として分子量分布が大きいものとなり、必ずしも光沢性、透明性の点で満足できる容器が得られるわけではない。
こうした状況下に、従来のポリエチレン製中空容器における問題点を解決し、容器の透明性に優れ、しかも復元性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のあるプラスチック中空容器に対する開発が求められていた。
特開平05−008354号公報 特開平05−310241号公報 特開平08−091341号公報 特開平09−058648号公報 特開平09−077039号公報 特開平10−235760号公報 特開平10−236451号公報 特開平10−315357号公報 特開2000−355045号公報 特開2003−089177号公報 特開2003−095240号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、容器外表面層の光沢性に優れ、しかも透明性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のあるプラスチック容器、即ち、光沢感があり、さらにムラのない深みのある高光沢性を有した容器であって、しかも成形時の取り扱い性の点で満足でき、柔軟性、柔らかな触感、肌触り等の点で優れ、落下衝撃強度等の物性に優れ、容器に外力が加わり変形した場合に白化等の問題の生じない容器を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、表層と内層とを含む積層体により形成される多層ブロー容器において、表層と内層の材料にそれぞれ特定の特性を有する2種類のポリエチレンを用いたところ、これらの課題を解決した多層ブロー容器が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、表層(X)と内層(Y)とを含む積層体により形成される多層ブロー容器において、表層(X)は、下記の特性(i)〜(iii)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンからなり、一方、内層(Y)は、下記の特性(iv)〜(vi)を有するポリエチレンからなり、しかも、内層(Y)のポリエチレンのメルトフローレートに対する表層(X)のポリエチレンのメルトフローレートの比(MFR/MFR)は、1.0〜60で、かつ、表層(X)と内層(Y)の厚みの合計に対する表層(X)の厚みの割合は、3.0〜50%であることを特徴とする多層ブロー容器が提供される。
特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が1.0〜15g/10分である。
特性(ii):密度が0.870〜0.925g/cmである。
特性(iii):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
特性(iv):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5.0g/10分である。
特性(v):密度が0.935〜0.967g/cmである。
特性(vi):GPC測定によるMw/Mnが5.0〜28である。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、表層(X)の厚みが10μm以上であることを特徴とする多層ブロー容器が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、容器表面は、光沢値が30%以上であることを特徴とする多層ブロー容器が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、容器胴部の表層(X)と内層(Y)を合わせた全厚み部分は、ヘイズが80%以下、全光線透過率が70%以上であることを特徴とする多層ブロー容器が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、表層(X)と内層(Y)とを含む積層体により形成される多層ブロー容器の製造方法において、表層(X)に下記の特性(i)〜(iii)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンを、一方、内層(Y)に下記の特性(iv)〜(vi)を有するポリエチレンを選定し、しかも、内層のポリエチレンのメルトフローレートに対する表層のポリエチレンのメルトフローレートの比(MFR/MFR)を1.0〜60に、かつ、表層(X)と内層(Y)の厚みの合計に対する表層(X)の厚みの割合を3.0〜50%になるような条件を保持しながら、表層及び内層を同時溶融してパリソンを押出し、該パリソンの表面温度が240℃以下となるように押出した後、吹込み成形することを特徴とする、第1〜5のいずれかの発明に係る多層ブロー容器の製造方法が提供される。
特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が1.0〜15g/10分である。
特性(ii):密度が0.870〜0.925g/cmである。
特性(iii):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
特性(iv):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5.0g/10分である。
特性(v):密度が0.935〜0.967g/cmである。
特性(vi):GPC測定によるMw/Mnが5.0〜28である。
本発明によれば、特定物性のポリエチレンを採用し、特定材料の表層と内層とからなる多層ブロー成形により、表層の透明性が良く、かつ高光沢の容器が得られ、内層の樹脂とのバランスにより、光沢あるムラのない深みのある外観を達成することができ、しかも透明性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のあるプラスチック容器が得られる。また、ムラのない深みのある高光沢性のみならず、成形時の取り扱い性、柔軟性、柔らかな触感、肌触り、落下衝撃強度等に優れ、容器に外力が加わり変形した場合に白化等の問題の生じない容器を得ることができ、産業上の有用性は非常に高い。
本発明は、下記の特性(i)〜(iii)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンからなる表層(X)と、下記の特性(iv)〜(vi)を有するポリエチレンからなる内層(Y)とを含む積層体により形成される多層ブロー容器、およびその製造方法である。
特性(i):メルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)が1.0〜15g/10分である。
特性(ii):密度が0.870〜0.925g/cmである。
特性(iii):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
特性(iv):MFR(温度190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5.0g/10分である。
特性(v):密度が0.935〜0.967g/cmである。
特性(vi):GPC測定によるMw/Mnが5.0〜28である。
以下、本発明の多層ブロー容器を形成する材料や特性および多層ブロー容器の製造方法等について詳細に説明する。
[I]表層(X)および内層(Y)の材料、特性
本発明の表層(X)を形成するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンのJIS K6922−2:1997に準拠して温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートは、1.0〜15g/10分であり、好ましくは2.0〜10g/10分であり、更に好ましくは3.0〜7.0g/10分である。
また、本発明の表層(X)を形成するポリエチレンのJIS K6922−1及び2:1997に準拠して測定される密度が0.870〜0.925g/cmであり、好ましくは0.900〜0.922g/cmであり、更に好ましくは0.910〜0.920g/cmであり、表面の柔軟性が求められる場合0.905〜0.915g/cmが好適である。
本発明の表層(X)を形成するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、1.5〜4.0、好ましくは2.0〜3.5、更に好ましくは2.5〜3.3である。
本発明の表層(X)に用いられるポリエチレンのメルトフローレートが1.0g/10分未満では、容器の表面が荒れる傾向があり、一方、メルトフローレートが15g/10分を超えると、押出されたパリソンの表面がべとつく傾向にあり、ダイス先端を汚すおそれが生じたり、表面に異物が付着しやすくなる、金型キャビティーでのエアー抜きが悪くなり成形容器に凹凸模様が発生する等の問題が発生する。
本発明の表層(X)に用いられるポリエチレンの密度が0.870g/cm未満では、多層成形容器の剛性が劣り、座屈強度が低下したり、耐熱性が低下する傾向にあり、0.925g/cmを超えると、結晶化速度が速くなり金型キャビティー面のエアー抜きが難しくなり、容器表面に凹凸模様が発生しやすくなる。
本発明の表層(X)に用いられるポリエチレンのMw/Mnが1.5未満ではパリソンにメルトフラクチャーが発生しやすくなり、4.0を超えるとパリソンの表面肌が細かく荒れてしまう傾向がある。
本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンのJIS K6922−2:1997に準拠して温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートは0.1〜5.0g/10分であり、好ましくは0.2〜3.0g/10分であり、更に好ましくは0.25〜2.0g/10分である。
また、本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンのJIS K6922−1及び2:1997に準拠して測定される密度は0.935〜0.967g/cmであり、好ましくは0.945〜0.958g/cmであり、更に好ましくは0.952〜0.957g/cmである。
本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンのGPC測定によるMw/Mnは、5.0〜28、好ましくは7.0〜25、更に好ましくは10〜20である。
本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンのメルトフローレートが0.1g/10分未満では、表層と内層の界面において鱗状の模様が発生しやすくなり、また、5.0g/10分を超えると鱗状の模様は発生しにくいが耐ドローダウン性が悪化する傾向にあり成形時の肉厚調整が難しくなる。
本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンの密度が0.935g/cm未満では、多層成形容器の剛性が劣り、座屈強度が低下し、0.967g/cmを超えると、透明性(ヘイズ)が悪くなる傾向がある。
本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンのMw/Mnが5.0未満では、パリソン表面の肌が細かく荒れてしまう傾向にあり、Mw/Mnが28を超えると表層と内層の界面において鱗状の模様が発生しやすくなる。
本発明の内層(Y)を形成するポリエチレンのMFR(MFR)に対する表層(X)を形成するポリエチレンのMFR(MFR)の比(MFR/MFR)は、1.0〜60、好ましくは2.0〜40、更に好ましくは3.0〜20である。この値が1.0未満では表層樹脂と内層樹脂のMFR値が低い組み合わせ場合は表面層に肌荒れが生じ、MFR値が高い組み合わせの場合はドローダウンしブロー成形時の容器の肉厚調整がし難くなり、60を超えると表層と内層の界面でのメルトフラクチャーが発生しやすくなり、表層と内層の比率において表層の厚みを薄くすることが出来なくなる。
本発明の多層ブロー容器における表層(X)の厚みと内層(Y)の厚みの合計に対する表層(X)の厚みの割合は、3.0〜50%、好ましくは8.0〜25%であることが必要である。表層(X)の厚みの割合が3.0%未満では、表層の一部欠損が発生しやすくなり、50%を超えると、容器の剛性が低下してしまう。
また、その際、本発明の多層ブロー容器における表層(X)の厚みは、10μm以上であることが好ましく、更に好ましくは15〜300μmである。表層の厚みが10μm未満では、層が切れやすくなり光沢が低下してしまう。
本発明の多層ブロー容器の表面は、JIS−Z8741:1997に準拠し入射角が60°にて測定される光沢値が30%以上であることが好ましく、更に好ましくは50%以上である。光沢値が30%未満では、光沢感の損なわれた外観となる。
本発明の多層ブロー容器の胴部における表層(X)と内層(X)を合わせた全厚み部分は、JIS−K7105:1981に準拠して測定されるヘイズが80%以下、全光線透過率が70%以上であることが好ましく、更に好ましくは、ヘイズが70%以下、全光線透過率が80%以上である。ヘイズが上記範囲を外れると、光沢感が劣る傾向にあり高級感が損なわれる。
本発明の表層(X)及び内層(Y)のポリエチレンは、エチレンの単独重合、又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等との共重合により得られる。また、改質を目的とする場合のジエンとの共重合も可能である。このとき使用されるジエン化合物の例としては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は0〜40モル%、好ましくは0〜30モル%である。
本発明の表層(X)に使用されるポリエチレンの重合触媒は、メタロセン触媒が用いられる。メタロセン触媒とは、活性点が比較的単一な、いわゆるシングルサイト触媒と呼ばれる種類の触媒であり、代表的なものとして、遷移金属のメタロセン錯体、例えばジルコニウムやチタンのビスシクロペンタジエニル錯体に助触媒としてのメチルアルミノキサン等を反応させて得られる触媒が挙げられ、各種の錯体、助触媒、担体等を種々組み合わせた均一又は不均一触媒である。
メタロセン触媒としては、例えば、特開昭58−19309号、同59−95292号、同59−23011号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号公報等で公知であるものが挙げられる。
本発明の内層(Y)に使用されるポリエチレンの重合触媒は、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の各種触媒が用いられる。重合触媒は、水素がオレフィン重合の連鎖移動作用を示すような触媒であればいずれも使用することができる。
具体的には、固体触媒成分と有機金属化合物とからなり、水素がオレフィン重合の連鎖移動作用を示すようなスラリー法オレフィン重合に適する触媒であればいずれも使用することができる。好ましくは重合活性点が局在している不均一系触媒である。
上記固体触媒成分としては、遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用の固体触媒として用いられるものであれば特に制限はない。遷移金属化合物としては、周期表第4族〜第10族、好ましくは第4族〜第6族の元素の化合物を使用することができ、具体例としては、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo等の化合物が挙げられる。
本発明の内層(Y)に使用されるポリエチレンの更に好ましい触媒としては、Cr含有触媒、特にフィリップス触媒が好ましい。フィリップス触媒(クロム系触媒)によるポリエチレンで成形したものは、他の触媒によるポリエチレンに比べ、パリソンに鱗模様が発生しにくくなる。
本発明のポリエチレンは、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法などの製造プロセスにより製造することができる。エチレン系重合体の重合条件のうち重合温度としては、0〜300℃の範囲から選択することができる。重合圧力は、大気圧〜約100kg/cmの範囲から選択することができる。実質的に酸素、水等を断った状態で、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下でエチレン及びα−オレフィンの重合を行うことにより製造することができる。
上記重合において、重合器に供給される水素は、連鎖移動剤として消費され、生成するエチレン系重合体の平均分子量を決定するほか、一部は溶媒に溶解して重合器から排出される。溶媒中への水素の溶解度は、小さく、重合器内に大量の気相部が存在しない限り、触媒の重合活性点付近の水素濃度は低い。そのため、水素供給量を変化させれば、触媒の重合活性点における水素濃度が速やかに変化し、生成するエチレン系重合体の分子量は、短時間の間に水素供給量に追随して変化する。従って、短い周期で水素供給量を変化させれば、より均質な製品を製造することができる。また、水素供給量の変化の態様は、連続的に変化させるよりも不連続的に変化させる方が、分子量分布を広げる効果が得られるので、好ましい。
また、本発明に係るエチレン系重合体においては、水素供給量を変化させることが重要であるが、その他の重合条件、例えば重合温度、触媒供給量、エチレンなどのオレフィンの供給量、1−ブテンなどのコモノマーの供給量、溶媒の供給量等を、適宜に水素の変化と同時に又は別個に変化させることも重要である。
本発明のポリエチレンのメルトフローレートは、エチレン重合温度や連鎖移動剤の使用等により調整することができ、所望のものを得ることができる。即ち、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより分子量を下げて、結果としてMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより分子量を上げて、結果としてMFRを小さくすることができる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより分子量を下げて、結果としてMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより分子量を上げて、結果としてMFRを小さくすることができる。
本発明のポリエチレンの密度は、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができる。
上記の方法により製造されたエチレン系重合体は、表層に使用されるポリエチレンの場合は1種類単独で使用することが好ましく、内層に使用されるポリエチレンの場合は1種類でも複数種類を混合して使用してもよく、常法に従い、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、各種成形機により成形を行って所望の容器とすることができる。また、上記の方法により得られるエチレン系重合体には、常法に従い、他のオレフィン系重合体やゴム等のほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、着色顔料、パール顔料、光輝材、偏光パール顔料、架橋剤、発泡剤、中和剤、熱安定剤、結晶核剤、無機又は有機充填剤、難燃剤等の公知の添加剤を配合することができる。着色方法としてはベース樹脂に必要量添加したコンパウンドでも、高濃度添加したマスターバッチを後ブレンドしてもよい。
添加剤として、例えば、酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種又は2種以上適宜併用することができる。充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン等が使用可能である。いずれの場合でも、上記エチレン系重合体に、必要に応じ各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。
[II]多層ブロー容器およびその製法
本発明の多層ブロー容器は、通常の多層ブロー成形機を用いて製造することができる。成形条件は、求める容器の大きさ、形状によって適宜設定可能であるが、層構成としては、構成する積層体の厚みは必ずしも限定されないが、全体の厚みとして、好ましくは0.1〜2.5mm、より好ましくは0.3〜1.5mmである。層構成としては、表層(X)は積層体全体の厚みの3.0〜50%、好ましくは2.5〜30%、特に好ましく2.0〜20%を占める層厚みを有するのが望ましい。また、内層(Y)は積層体全体の厚みの50〜97%、好ましくは70〜97.5%、特に好ましくは80〜98%を占める層厚みを有するのが望ましい。
また、前記積層体には、本発明の目的を逸脱しない限り、表層と内層との間に、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)等のガスバリヤー樹脂や、バリヤー樹脂と表層もしくは内層との接着を目的とする接着樹脂層(例えば無水マレイン酸等の不飽和化合物でグラフト変性されたポリオレフィン等からなる層)を設けることもできる。また、内溶液への影響の少ない樹脂を最内層に設けたり、最内面にコーティング等の加工を施すこともできる。
本発明の多層ブロー成形体(多層容器)は、多層ブロー成形機で多層成形することにより得ることができる。具体的には2種類の押出機からなり、2種類の層構成をなすことができるヘッド構造を有するブロー成形機を用いることにより可能である。また、ガスバリヤ層を付加させた容器を作る場合はさらに押出機の追加やヘッドの層構成を変更した多層ブロー成形機を使用してもよい。型締め装置は通常のブロー成形機に備えつけられているもので対応可能である。
又、本発明の多層容器にスクリーンによる印刷等や、多層ブロー成形時に金型内にラベルを挿入し成形するインモールドラベルや、シュリンクフイルム並ぶにストレッチフイルム等でのデコレーッションを施してもかまわない。
本発明の多層ブロー成形体の製造に用いられる冷却金型は、通常ブロー成形時の金型を用いることができる。金型のキャビティー面は、サンドブラスト仕上げがされており、金型キャビティー面でパリソンを挟み、エアーピンでパリソンを膨らませた時に金型キャビティーとパリソンの間に存在するエアーを抜くために施されていることが多い。
本発明のポリエチレンを使用すると、金型キャビティー面のブラスト仕上げが、JIS−B0601:1982に準拠して測定される表面粗さRa値が0.2〜0.9μmの範囲の各金型にて成形を行うことによりムラのない深みのある光沢容器を得ることが出来る。金型キャビティー面の表面粗さRa値が0.9μmを超えると、金型キャビティー面を転写してしまい成形された容器の表面は光沢が低下したものになってしまう。また、表面粗さRa値が0.20μm未満では、エアー抜きが悪く成形された容器の表面に不均一模様が発生してしまう。
本発明の多層ブロー容器は、ブロー成形法によりブロー容器、特に多層ブロー成形機により多層ブロー容器とすることができる。多層ブロー容器の大きさは特に限定されないが10mlから2000ml程度が望ましい。また、容器の形状は、特に限定されない。得られた多層ブロー容器は光沢があり、深みのある外観を有し、しかも透明性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のあるプラスチック容器であり、また、ムラのない深みのある高光沢性のみならず、柔軟性、柔らかな触感、肌触り等に優れ、取り扱い性、落下衝撃強度等の物性に優れ、容器に外力が加わり変形した場合に白化等の問題の生じない等に優れ、シャンプー、リンス、化粧品、医療用等の容器、食用油等の食品用容器等として好適に用いることができ、産業上の有用性は非常に高い。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。なお、実施例で用いた測定方法や材料は以下の通りである。
[1]測定方法
(1)メルトフローレート(MFR):JIS K6922−2:1997に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)密度:JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定した。
(3)層の厚み:成形容器胴部の全厚み部分の断面を実体顕微鏡にて、30倍に拡大し各層厚みを測定した。
(4)光沢度:JIS Z8741:1997に準拠して入射角が60°にて測定した。
(5)ヘイズ:JIS K7105:1981に準拠して測定した。
(6)全光線透過率:JIS K7105:1981に準拠して測定した。
(7)パリソン温度:押出された樹脂を棒状熱電対温度計にて測定した。
(8)表面粗さ:JIS B0601:1982に準拠して金型キャビティー面の表面粗さを測定した。
(9)容器壁面外観:ブロー容器の外観を目視判定により、その状態を評価し、ムラがなく光沢感の良いもの又はそれに近いものを「光沢良好」、若干ムラがあるもの又は光沢感のないものを「光沢あり」、明らかに光沢感のないものを「光沢劣る」、光沢はあるが表層と中間層でメルトフラクチャーが発生したものを「鱗模様発生」とした。
(10)ピンチオフ剥がれ:成形した容器底部のパリソン融着部(ピンチオフ)の剥がれを目視で判定し、剥がれが無いものを「無」、剥がれが有るものを「有」とした。
(11)パリソンべとつき性:押出されたパリソンを金型で挟み、金型外のパリソンをカッターで切断し、そのときに、パリソンが糸を引くか引かないかを目視で判断し、糸を引かないものを「無」、糸を引くものを「有」とした。
[2]樹脂材料
1.表層用樹脂
ポリエチレン(A−1):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが2.0g/10分、密度が0.870g/cm、Mw/Mnが1.9のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−2):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが4.0g/10分、密度が0.918g/cm、Mw/Mnが3.3のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−3):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが7.0g/10分、密度が0.918g/cm、Mw/Mnが2.8のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−4):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが15g/10分、密度が0.925g/cm、Mw/Mnが2.4のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−5):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが0.8g/10分、密度が0.910g/cm、Mw/Mnが2.1、のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−6):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが20g/10分、密度が0.925g/cm、Mw/Mnが2.9のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−7):
MFRが4.0g/10分、密度が0.920g/cm、Mw/Mnが4.2の直鎖状低密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−8):
MFRが4.0g/10分、密度が0.922g/cm、Mw/Mnが4.8の高圧法低密度ポリエチレンを使用した。
ポリプロピレン(A−9):
温度230℃、荷重2.16kgのメルトフローレートが5.0g/10分、密度が0.9g/cmのエチレン含有量3wt%ランダムタイプポリプロピレンを使用した。
ポリエチレン(A−10):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが2.0g/10分、密度が0.870g/cm、Mw/Mnが1.3のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−11):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが1.2g/10分、密度が0.918g/cm、Mw/Mnが3.3のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(A−12):
メタロセン触媒を用いて得られた、MFRが16g/10分、密度が0.922g/cm、Mw/Mnが2.9のポリエチレンを使用した。
2.内層用樹脂
ポリエチレン(B−1):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが0.3g/10分、密度が0.957g/cm、Mw/Mnが15の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−2):
フィリップス触媒を用いて得られた、MFRが0.3g/10分、密度が0.946g/cm、Mw/Mnが7の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−3):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが0.3g/10分、密度が0.952g/cm、Mw/Mnが19の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−4):
フィリップス触媒を用いて得られた、MFRが0.1g/10分、密度が0.957g/cm、Mw/Mnが9の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−5):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが1.4g/10分、密度が0.952g/cm、Mw/Mnが6の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−6):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが4.0g/10分、密度が0.953g/cm、Mw/Mnが7の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−7):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが1.2g/10分、密度が0.956g/cm、Mw/Mnが4のポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−8):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが0.3g/10分、密度が0.958g/cm、Mw/Mnが32の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−9):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが1.5g/10分、密度が0.953g/cm、Mw/Mnが13の高密度ポリエチレンを使用した。
ポリエチレン(B−10):
チーグラー触媒を用いて得られた、MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm、Mw/Mnが8の高密度ポリエチレンを使用した。
[実施例1]
2層ヘッド構造で表層用樹脂のスクリュー径がφ40mm、内層用樹脂のスクリュー径がφ50mmのブロー成形機にて、定めた温度設定下でスクリュー回転数を調整し表層と内層の層比率を変化させたパリソンを押出し、550mlの偏平容器用のブロー金型(キャビティー面#60ブラスト仕上げ、キャビティー面粗さRa値0.4μmの金型)、金型温度20℃、ブロー圧力6kg/cm、ボトル重量30g(容器胴部の肉厚は0.5〜0.7mm)、成形サイクル12秒にて、ブロー成形を行なった。
表層の樹脂としてポリエチレン(A−1)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−1)を使用し、パリソン温度が210℃にて多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例2]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、キャビティー面粗さRa値0.7μmの金型とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例3]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例4]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、キャビティー面粗さRa値0.2μmの金型とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例5]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−3)、パリソンの温度が209℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例6]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−4)、パリソンの温度が207℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例7]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−2)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例8]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−3)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例9]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、パリソン層厚み比率を表層3%、内層97%、パリソンの温度が185℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例10]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、パリソン層厚み比率を表層35%、内層65%、パリソンの温度が225℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例11]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、パリソン層厚み比率を表層50%、内層50%、パリソンの温度が240℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例12]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−4)、パリソンの温度が215℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例13]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−5)、パリソンの温度が209℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例14]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−5)を使用し、パリソン層厚み比率を表層8%、内層92%、パリソンの温度が211℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[実施例15]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−6)を使用し、パリソン層厚み比率を表層3%、内層97%、パリソンの温度が207℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例1]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−5)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例2]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−6)、パリソンの温度が205℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例3]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−7)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例4]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−8)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例5]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、パリソン層厚み比率を表層1%、内層99%、パリソンの温度が185℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例6]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−2)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−5)、パリソン層厚み比率を表層5%、内層95%、パリソンの温度が212℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例7]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−7)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例8]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−8)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例9]
表層の樹脂としてポリプロピレン(A−9)とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例10]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−10)、パリソンの温度が212℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例11]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−11)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−9)、パリソンの温度が203℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例12]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−12)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−10)、パリソンの温度が211℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
[比較例13]
表層の樹脂としてポリエチレン(A−13)、内層の樹脂としてポリエチレン(B−4)、パリソンの温度が215℃とした以外は実施例1と同様に多層ブロー成形を行ない、中空容器を得た。この得られた容器の諸物性を表1に示した。
表1の評価結果から明らかなように、実施例1〜15では、本発明の多層ブロー容器は、表層と内層にそれぞれ特定物性のポリエチレンを採用し、特定の多層構造を採用することにより、多層ブロー成形においてパリソンを押し出す際に、表層のパリソンが適度な流動性を有するため高度の光沢表面を生成させ、かつ適度な透明性を現出させることができ、ムラのない深みのある光沢外観を呈する容器であることがわかる。すなわち、外観光沢が良好であり、適度な透明性能を有し、ピンチオフ剥がれがなく、パリソンのべとつきがなく、良好であることがわかる。
一方、比較例1〜13では、得られた容器は、光沢外観、外観状態、適度な透明性能、ピンチオフ剥がれ、又はパリソンのべとつき性のいずれかの一つ以上の性能評価が悪い結果となっていることがわかる。
本発明によれば、表面光沢性に優れたプラスチック製ブロー容器、特に、容器外表面層の光沢性に優れ、しかも透明性、耐衝撃性、柔軟性、耐環境応力亀裂性に優れた高級感のある中空容器(多層ブロー容器)を提供することができる。そして、本発明の中空容器(多層ブロー容器)は、その特性を活かして、シャンプー、リンス、化粧品、医療用等の容器の分野で広く利用できる。
Figure 2009149006

Claims (5)

  1. 表層(X)と内層(Y)とを含む積層体により形成される多層ブロー容器において、表層(X)は、下記の特性(i)〜(iii)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンからなり、一方、内層(Y)は、下記の特性(iv)〜(vi)を有するポリエチレンからなり、しかも、内層(Y)のポリエチレンのメルトフローレートに対する表層(X)のポリエチレンのメルトフローレートの比(MFR/MFR)は、1.0〜60で、かつ、表層(X)と内層(Y)の厚みの合計に対する表層(X)の厚みの割合は、3.0〜50%であることを特徴とする多層ブロー容器。
    特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が1.0〜15g/10分である。
    特性(ii):密度が0.870〜0.925g/cmである。
    特性(iii):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
    特性(iv):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5.0g/10分である。
    特性(v):密度が0.935〜0.967g/cmである。
    特性(vi):GPC測定によるMw/Mnが5.0〜28である。
  2. 表層(X)の厚みが10μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層ブロー容器。
  3. 容器表面は、光沢値が30%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層ブロー容器。
  4. 容器胴部の表層(X)と内層(Y)を合わせた全厚み部分は、ヘイズが80%以下、全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層ブロー容器。
  5. 表層(X)と内層(Y)とを含む積層体により形成される多層ブロー容器の製造方法において、
    表層(X)に下記の特性(i)〜(iii)を有するメタロセン触媒で製造されたポリエチレンを、一方、内層(Y)に下記の特性(iv)〜(vi)を有するポリエチレンを選定し、しかも、内層のポリエチレンのメルトフローレートに対する表層のポリエチレンのメルトフローレートの比(MFR/MFR)を1.0〜60に、かつ、表層(X)と内層(Y)の厚みの合計に対する表層(X)の厚みの割合を3.0〜50%になるような条件を保持しながら、表層及び内層を同時溶融してパリソンを押出し、該パリソンの表面温度が240℃以下となるように押出した後、吹込み成形することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層ブロー容器の製造方法。
    特性(i):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が1.0〜15g/10分である。
    特性(ii):密度が0.870〜0.925g/cmである。
    特性(iii):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。
    特性(iv):メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5.0g/10分である。
    特性(v):密度が0.935〜0.967g/cmである。
    特性(vi):GPC測定によるMw/Mnが5.0〜28である。
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