JP2000290440A - ブロー容器用組成物及びそれからなるブロー容器 - Google Patents

ブロー容器用組成物及びそれからなるブロー容器

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JP2000290440A
JP2000290440A JP9863199A JP9863199A JP2000290440A JP 2000290440 A JP2000290440 A JP 2000290440A JP 9863199 A JP9863199 A JP 9863199A JP 9863199 A JP9863199 A JP 9863199A JP 2000290440 A JP2000290440 A JP 2000290440A
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blow
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polytetrafluoroethylene
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Hitoaki Kurumi
仁朗 久留美
Takachika Matsuo
卓親 松尾
Kazuhisa Tate
和久 舘
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Japan Polychem Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、耐環境応力亀裂性、およびボトルの
ソリ等の収縮性に優れ、かつこれら性能により高生産性
が可能な高密度ポリエチレン系樹脂組成物からなるブロ
ー成形用樹脂組成物およびそれからなるブロー容器の提
供。 【解決手段】 エチレン・α−オレフィン共重合体9
9.99〜95重量%とポリテトラフルオロエチレンを
0.01〜5重量%配合してなる高密度ポリエチレン系
樹脂組成物であって、190℃、2.16kg荷重のM
FRが0.5〜1.8g/10min、11,160g
荷重のMFRを1,116g荷重のMFRで除したMF
R比値が50〜100、密度が0.945〜0.960
g/cmである高密度ポリエチレン系樹脂組成物から
なるブロー容器用組成物及び該組成物をブロー成形して
得られるブロー容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性、耐環境応
力亀裂性、およびボトルのソリ等の収縮性に優れ、かつ
これら性能により高生産性が可能なブロー容器用高密度
ポリエチレン系樹脂組成物及びそれからなるブロー容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロー容器用樹脂としては、従来よりポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、および
ポリエチレンテレフタレートが主に用いられてきた。し
かし、ポリプロピレンは落下強度、難白化性が劣り、ポ
リ塩化ビニルは透明性、光沢性に優れるもののリサイク
ルおよび、衛生性に問題がある。また、ポリエチレンテ
レフタレートも透明性、光沢性に優れるもののポリエチ
レンに比較し高価なものである。従って、食品、工業薬
品、洗剤等の容器用材料としては、ポリエチレンが多く
用いられてきた。ポリエチレンの中でも密度の高い高密
度ポリエチレンの方が、剛性が高く薄肉化出来るため、
透明性およびスクイズ性が要求される用途以外には広く
使用されてきている。一方、これら容器を生産する者に
とっては、極力生産コストを低減する必要があり、原材
料コストの低減化に加え製造時のコストを低下する必要
もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の高密度ポリエチ
レン樹脂製容器の製造時コストを低減し高生産性、すな
わち高速成形が可能な高密度ポリエチレン樹脂製ブロー
容器用材料を開発するには、樹脂の溶融粘度を低くして
ブロー成形機の樹脂押出スクリューでの流れ性を上げれ
ばよい。しかしながら、樹脂の流れ性をよくするために
MFRを高くするとブロー成形時、溶融樹脂が垂れ下が
ってしまう現象(以下、ドローダウン性と略す。)およ
び、ボトルの耐薬品性の目安となる耐環境応力亀裂性
(以下、ESCRと略す。)が大幅に低下してしまう問
題点がある。なお、ESCRは高密度ポリエチレン材料
の密度を低下させることにより改良は出来るが、この場
合、ボトルの剛性が低下してしまうので好ましくない。
更に、実際のブロー生産機で高速成形する場合は、押出
スクリューでの流れ性の問題に加えて、ブロー金型でい
かに速く冷却されるかが、重要である。一般的に速く冷
却されるようにするためには、高密度ポリエチレン材料
の密度を高くすればよくなるが、密度が高くなるとES
CRが大幅に低下し一部の用途を除き、ボトル性能とし
ては実用上問題がある。なお、樹脂の冷却が遅いとピン
チオフ等の厚肉部が充分冷却されず後収縮による変形
(以下、ソリと略す。)および、成形されたボトル全体
が金型寸法より小さくなり内容量の変化(以下、容量変
化と略す。)が大きくなってしまう問題がある。したが
って、本発明の目的は、ブロー成形性としての、樹脂の
流れ性、ドローダウン性の問題および、ボトル性能とし
てのESCR、剛性、ソリ、容量変化の問題を解決しよ
うとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題点の改良について種々検討した結果、特定の高密度ポ
リエチレン系樹脂組成物を用いることにより、ブロー成
形性としての樹脂の流れ性、ドローダウン性、およびボ
トル性能としてのESCR、剛性、容量変化の問題を解
決することができ、特に、ポリテトラフルオロエチレン
を配合することによって成形性の改良ばかりでなく、従
来は全く知られていなかったブロー成形による容器のソ
リ、容器容量変化量を画期的に低減できることを見出
し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、
エチレン・α−オレフィン共重合体99.99〜95重
量%とポリテトラフルオロエチレンを0.01〜5重量
%配合してなる高密度ポリエチレン系樹脂組成物であっ
て、190℃、2.16kg荷重のMFRが0.5〜
1.8g/10min、11,160g荷重のMFRを
1,116g荷重のMFRで除したMFR比値が50〜
100、密度が0.945〜0.960g/cmであ
る高密度ポリエチレン系樹脂組成物からなるブロー容器
用組成物であり、また前記組成物をブロー成形して得ら
れるブロー容器である。
【0005】
【発明の実施の形態】1.エチレン・α−オレフィン共
重合体 本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン共
重合体とは、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンをイオン重合触媒を用いて共重合させた高密度ポリエ
チレン系樹脂である。ここで用いられるα−オレフィン
の炭素数は、価格と共重合性能の観点より好ましくは3
〜10であり、より好ましくは4〜6の1−ブテン、1
−ヘキセンである。イオン重合触媒としては、マルチサ
イトタイプ触媒としてチーグラー型触媒、フィリップス
型触媒、またシングルサイトタイプ触媒としてメタロセ
ン型触媒が挙げられるが、フィリップス型触媒はESC
Rが劣り、またメタロセン型触媒は分子量分布が狭いた
めチーグラー型触媒が好ましい。共重合プロセスとして
は、気相法、スラリー法、バルク法等が挙げられるが特
に制限はない。ただし、本発明のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体組成物を得るには、分子量分布を広げる必
要がありこのためには重合温度、あるいは水素等の分子
量制御剤濃度の異なる反応を、2段階以上の多段重合で
行うのがポリマー製造コストの観点より好ましい。な
お、一段重合プロセスを用い分子量の異なるものを別々
に重合し、後でブレンドしたものでもよい。
【0006】本発明に用いるエチレン・α−オレフィン
共重合体の温度190℃、荷重2.16kgの条件で測
定したMFRは、0.5〜1.8g/10minが好ま
しく、0.5〜1.5g/10minがより好ましい。
MFRが高すぎるとESCR、ドローダウン性が悪化す
る。また、MFRが低すぎると成形機スクリューでの樹
脂圧力、モーター負荷の上昇と押出量の低下およびソ
リ、容量変化が大きくなり好ましくない。
【0007】また、本発明に用いるエチレン・α−オレ
フィン共重合体の温度190℃、荷重11,160gの
条件で測定したMFRを温度190℃、荷重1,116
gの条件で測定したMFRで除した値MFR比値は、5
0〜100が好ましく、50〜80がより好ましい。こ
のMFR比値は、レオロジー的には非ニュートン性の度
合いを示し、分子量分布が広くなると一般的には数値が
大きくなる。MFR比値が高すぎると落下強度等の衝撃
強度が劣る。また、MFR比値が低すぎると相対的に高
分子量成分量が減少するため、ESCR,ドローダウン
性の低下と、逆に低分子量成分量の減少による成形機ス
クリューでの樹脂圧力、モーター負荷の上昇と押出量の
低下が生じ、好ましくない。
【0008】さらに、本発明に用いるエチレン・α−オ
レフィン共重合体の密度は、0.945〜0.960g
/cmが好ましい。密度が高すぎるとESCRが低下
し、衝撃強度も劣る。また、密度が低すぎるとソリ、容
量低下が大きくなり好ましくない。
【0009】2.ポリテトラフルオロエチレン 本発明において用いるポリテトラフルオロエチレンは、
分子量50万〜2000万のものである。ポリテトラフ
ルオロエチレンの分子量が50万未満の場合には、溶融
張力の向上が小さくなり、ブロー成形性が改良されず、
ブロー成形容器のソリ、容量低下も大きくなってしま
う。また、分子量が2000万を超える場合はポリテト
ラフルオロエチレンの分散が悪く、仮に分散がよくなっ
ても溶融張力が高くなり過ぎて成形困難になる場合もあ
る。ポリテトラフルオロエチレンの製造方法としては、
懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられるが、乳化重合法
で製造されたポリテトラフルオロエチレンの方が分散性
に優れ好ましい。なお、本発明において用いるポリテト
ラフルオロエチレンの分子量は、ASTM D4591
で下記式によって算出されたものである。 LogMw=27.5345−12.1305D (式中、Mwは重量平均分子量、Dは標準比重を示
す。)
【0010】3.ポリテトラフルオロエチレンの配合 (1)配合割合 本発明において用いるポリテトラフルオロエチレンの配
合量は、エチレン・α−オレフィン共重合体に対して
0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%で
ある。配合量が0.01重量%未満では、溶融張力の向
上が小さく、ブロー成形性が改良されない。また、ブロ
ー成形容器のソリ、容量低下も大きくなってしまう。一
方、5重量%を超えると添加コストが上昇し、メルトフ
ラクチャー等の異常流動によりブロー成形品の表面が荒
れてしまう問題も出てくる。
【0011】(2)配合方法 本発明において、エチレン・α−オレフィン共重合体に
ポリテトラフルオロエチレンを均一に配合させるには、
任意の方法が採用できる。たとえば、ポリテトラフルオ
ロエチレンの分散液をエチレン・α−オレフィン共重合
体粉体に攪拌下噴霧する方法、ポリテトラフルオロエチ
レンの分散液をエチレン・α−オレフィン共重合体溶液
に攪拌下添加し、ニーダー等の装置で溶媒を揮発させる
方法、ベント付き溶融押出機でエチレン・α−オレフィ
ン共重合体をペレット化する際に、ポリテトラフルオロ
エチレンの分散液を定量供給し、ベント部より揮発成分
を除去する方法、ポリテトラフルオロエチレンの粉体と
エチレン・α−オレフィン共重合体の粉体をヘンシェル
型ミキサー等強力な攪拌下混合する方法、ポリテトラフ
ルオロエチレンの粉体をエチレン・α−オレフィン共重
合体溶液に添加混合したのち溶媒を揮発させる方法等を
挙げることができる。
【0012】なお、ポリテトラフルオロエチレンを分散
液として使用する場合は、濃度を0.5〜60重量%程
度にするのが好ましい。また、ヨーロッパ公開特許08
22226号公報に示されるようなアルキルアクリル酸
エステル系モノマーとポリメチルメタアクリレートの混
合物等のアクリル系相溶化剤を用いることが好ましい。
これらの直接添加の方法以外にポリテトラフルオロエチ
レンもしくは、ポリテトラフルオロエチレンと相溶化剤
を予めエチレン・α−オレフィン共重合体に高濃度に配
合したマスターバッチを作り、必要に応じてエチレン・
α−オレフィン共重合体にこのマスターバッチを溶融も
しくはドライでブレンドしてもよい。
【0013】4.他の配合物 本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂組成物には、酸化防止剤、中和剤、帯電防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキン
グ剤、着色剤、結晶化核剤を直接または、マスターバッ
チとして必要に応じて配合することもできる。また、必
要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂を配
合することも可能である。
【0014】5.高密度ポリエチレン系樹脂組成物の物
性 本発明の高密度ポリエチレン系樹脂組成物は、上記のエ
チレン・α−オレフィン共重合体とポリテトラフルオロ
エチレンからなる組成物であって、次の流動性等の
(1)〜(3)の物性を有している組成物である。ま
た、ブロー成形性の特徴を表す(4)〜(7)の物性を
有している。
【0015】(1)MFR JIS K7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方
法により、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測
定した高密度ポリエチレン系樹脂組成物のMFRは、
0.5〜1.8g/10minであり、好ましくは0.
5〜1.5g/10minである。このMFRが高すぎ
るとESCR、ドローダウン性が悪化する。また、MF
Rが低すぎると成形機スクリューでの樹脂圧力、モータ
ー負荷の上昇と押出量の低下およびソリ、容量変化が大
きくなる。
【0016】(2)MFR比値 MFR比値とは、JIS K7210熱可塑性プラスチ
ックの流れ試験方法により、温度190℃、荷重11,
160gの条件で測定したMFRを温度190℃、荷重
1,116gの条件で測定したMFRで除した値のこと
である。このMFR比値はレオロジー的には非ニュート
ン性の度合いを示し、分子量分布が広くなると一般的に
は数値が大きくなる。本発明の高密度ポリエチレン系樹
脂組成物のMFR比値は、50〜100であり、好まし
くは50〜80である。このMFR比値が高すぎると落
下強度等の衝撃強度が劣る。また、MFR比値が低すぎ
ると相対的に高分子量成分量が減少するため、ESC
R,ドローダウン性の低下と、逆に低分子量成分量の減
少による成形機スクリューでの樹脂圧力、モーター負荷
の上昇と押出量の低下が生じる。
【0017】(3)密度 密度は、JIS K6760の試験法により、25℃/
minの速度で冷却したシートを測定したものである。
本発明の高密度ポリエチレン系樹脂組成物の密度は、
0.945〜0.960g/cmである。密度が高す
ぎるとESCRが低下し、衝撃強度も劣る。また、密度
が低すぎるとソリ、容量低下が大きくなる。
【0018】(4)ドローダウン性 ブロー成形でのドローダウン性とは、溶融状態の樹脂
(パリソン)が重力により垂れ下がる現象のことであ
り、ドローダウン性が悪いと金型でブローアップする前
に樹脂が垂れ下がって成形できなくなるか、成形できて
も偏肉の原因になって好ましくない。このドローダウン
性は一般的に溶融張力値で表すことができ、この数値が
高いほどドローダウン性はよくなる。本発明で表す溶融
張力は、東洋精機(株)社製キャピログラフ−1Bを用
いて測定した値である。具体的には、試料を温度190
℃にし、ピストン棒を10mm/minの速度で直径
2.1mm、長さ8mmのキャピラリーから押出したス
トランドをキャピラリーから50cm真下にあるローラ
ーに掛け3.9mm/minの速度で引っ張った時の応
力値である。本発明の高密度ポリエチレン系樹脂組成物
の溶融張力は3.0g以上が好ましく、3.5g以上が
より好ましい。溶融張力は3.0g以上でないと成形上
問題が生じる。
【0019】(5)押出性 ブロー成形での押出性とは、押出機スクリュー回転数を
一定にした場合、時間当たりの押し出し樹脂量、スクリ
ューモーター負荷電力量、成形機内でのせん断発熱量を
言う。従って、樹脂量が多く、電力量が少なく、発熱量
の少ないものは押出性の良い樹脂となる。この押出性は
一般的に溶融粘度値で表すことができ、この数値が低い
ほど押出性はよくなる。本発明で表す溶融粘度は、東洋
精機(株)社製キャピログラフ−1Bを用いて測定した
値である。具体的には、試料を温度190℃にし、ピス
トン棒を20mm/minの速度で直径1.0mm、長
さ10mmのキャピラリーから押し出したときの粘度で
ある。なお、この時せん断速度は243sec−1にな
る。このせん断速度は内容量が1L以下の小型ブロー容
器を成形するときの一般的な速度である。本発明の高密
度ポリエチレン系樹脂組成物の溶融粘度は、8,500
poise以下が好ましく、7,000poise以下
がより好ましい。溶融粘度が8,500poise以下
でないと高速での押し出しが困難になる。また、この溶
融粘度が高いと押出機の押出能力に余裕があっても、ブ
ロー成形機での樹脂温度がヒーター設定値よりも高くな
ってしまうため金型での冷却時間が長くなり、結果的に
単位時間当たりの生産量が上げられなくなってしまう。
【0020】(6)耐環境応力亀裂性(ESCR) 耐環境応力亀裂性は薬品による応力割れ性であり、ブロ
ーボトル用高密度ポリエチレンとしては重要な品質であ
る。本発明で表すESCRは、JIS K6760に記
載されている定ひずみ環境応力である。試験液はAST
M D1693にも記載されている界面活性剤のイゲパ
ール水溶液を使用したものであり、イゲパールの濃度は
10wt%である。本発明の高密度ポリエチレン系樹脂
組成物のESCRは、50時間以上が好ましい。ESC
Rが50時間未満では、洗剤容器等内容液によってはボ
トルの割れが生じるので使用が制限され汎用性がなくな
るので好ましくない。
【0021】(7)剛性 ブローボトルの場合、一般的に剛性が高いほど製品重量
が低減できるので好ましい。本発明で表す剛性は、JI
S K6760に記載されている方法で測定したオルゼ
ン曲げ剛性値である。本発明の高密度ポリエチレン系樹
脂組成物のオルゼン曲げ剛性は、8,500kg/cm
以上が好ましく、9,000kg/cm以上がより
好ましい。オルゼン曲げ剛性が8,500kg/cm
未満では、ブローボトルの圧縮強度が劣るので好ましく
ない。
【0022】6.ブロー容器 (1)成形法 本発明で用いるブロー成形法としては、一般的なブロー
成形機が適用できる。具体的には、単頭または多頭のダ
イレクト押出ブロー成形機、金型が多数個回転しながら
連続的に押し出すロータリー式ブロー成形機、または、
樹脂を一度溜めてから間欠的に射出押し出しするアキュ
ーム式ブロー成形機、あるいは2種以上の層にできる多
層ブロー成形機の構造を合わせたもの等でもよい。な
お、本発明の高密度ポリエチレン樹脂組成物は高生産性
すなわち高速成形用に適しているためロータリー式ブロ
ー成形機の場合、効果が大きくでるので好ましい。成形
条件は、高密度ポリエチレンとして用いられる一般的な
条件でよい。具体的には、成形温度160〜280℃、
ブロー圧力3〜10kg/cm、金型での冷却時間5
〜30秒である。ボトル容量としては、100ccから
20リットル程度のものである。本発明の効果を奏する
のは高速で押し出し、厚肉部のある製品を短時間で冷却
するときである。
【0023】(2)用途 本発明の高密度ポリエチレン系樹脂組成物を用いたブロ
ー容器は、飲料水、食品、洗剤、化粧品等の生活用品容
器から薬品、輸液等の医療用に至るまで各種容器に適用
できる。この高密度ポリエチレン系樹脂組成物製ブロー
容器の好ましい用途としては、ESCRが必要な洗剤、
試薬等の液体薬品容器である。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明をよ
り具体的に説明する。 実施例1 (1)樹脂組成物の製造 三塩化チタンと有機アルミニウムを主成分とするチーグ
ラー触媒を用いて分子量分布を多段重合により広くする
スラリー法プロセスでエチレンと1−ブテンを共重合さ
せ、MFRが1.5g/10min、MFR比価が6
0、密度が0.953g/cmのエチレン・1‐ブテ
ン共重合パウダーを得た。このパウダー100重量部に
トリス(2,4−ジ‐t−ブチルフェニル)フォスファ
イトを0.05重量部、テトラキス〔メチレンビス−3
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタンを0.05重量部、ス
テアリン酸カルシウムを0.1重量部とアルキルアクリ
ル酸エステル系ポリマーの相溶化剤で濃度20wt%に
なるようにマスターバッチ化した分子量1000万のポ
リテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン株式会社製メ
タブレンA−3000)を0.6wt%配合(ポリテト
ラフルオロエチレンの最終濃度0.12wt%)してヘ
ンシェルミキサーにて混合し、温度を230℃に加熱し
た単軸の直径40mmのフルフライトスクリューを有す
る押出機にて溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得
た。このペレット樹脂を用いてMFR、MFR比値、密
度を測定した。その結果を表1に示す。さらに、このペ
レット樹脂を用い溶融張力、溶融粘度、ESCR,オル
ゼン曲げ剛性を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0025】(2)ブロー成形容器の製造 次に、このペレット樹脂を小型ダイレクトブロー成形機
であるタハラ社製TL5543Lを用い温度180℃、
スクリュー回転22rpm、ダイス径22.8mm、コ
ア径18.9mmの条件でJIS Z1703の2種5
00ccボトル金型に30℃の冷却水を通水して6秒間
冷却し、重量42gの底変形ソリ測定用ボトルを成形し
た。このブロー容器を23℃で2日間状態調節した後、
底部ピンチオフの最大凹部と底部内側コーナーの最大凹
部から盛り上がった高さを底変形ソリ長さとしてノギス
で測定し、底変形ソリ量を求めた。その結果を表1に示
す。
【0026】さらに、このペレット樹脂を日本製鋼社製
JB105を用い、温度220℃、外径22mm、コア
径20mmのダイスでリップ幅、およびスクリュー回転
数で溶融パリソン長さを調整しながら、約550ccの
円筒状金型に25℃の冷却水を通水して10秒間冷却
し、重量44gの円筒ボトルを成形した。このブロー容
器を23℃で2日間状態調節した後、ボトルが満杯にな
るまで水を充填し、重量測定から満注容量を測定した。
その結果を表1に示す。
【0027】実施例2〜5、及び比較例1〜6 エチレン・α−オレフィン共重合体の種類及びポリテト
ラフルオロエチレンの配合量を表1及び表2に示すよう
に変えた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び
ブロー容器を成形し、それぞれの物性等を評価した。こ
れらの結果を表1及び表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明は、特定の高密度ポリエチレン系
樹脂組成物を用いることにより、ブロー成形性としての
樹脂の流れ性、ドローダウン性、およびボトル性能とし
てのESCR,剛性、ソリ、容量変化に対し優れた容器
を、従来成形機のまま生産速度を大幅向上さて製造する
ことが可能となり、工業的に非常に価値の高いものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 B29L 22:00 (72)発明者 舘 和久 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 日 本ポリケム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 3E033 AA01 AA03 BA14 BA15 BB01 CA18 FA03 4F208 AA05C AA05E AG07 AR15 AR17 AR18 LA01 LB01 LG01 4J002 BB051 BD152 FD040 FD070 FD090 FD100 FD170 FD200 GG01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・α−オレフィン共重合体9
    9.99〜95重量%とポリテトラフルオロエチレンを
    0.01〜5重量%配合してなる高密度ポリエチレン系
    樹脂組成物であって、190℃、2.16kg荷重のM
    FRが0.5〜1.8g/10min、11,160g
    荷重のMFRを1,116g荷重のMFRで除したMF
    R比値が50〜100、密度が0.945〜0.960
    g/cmである高密度ポリエチレン系樹脂組成物から
    なるブロー容器用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の高密度ポリエチレン系
    樹脂組成物をブロー成形して得られるブロー容器。
JP9863199A 1999-04-06 1999-04-06 ブロー容器用組成物及びそれからなるブロー容器 Pending JP2000290440A (ja)

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