JP5095416B2 - 抗perp遺伝子組換え抗体 - Google Patents
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Description
ヒト型キメラ抗体やヒト化抗体は、マウス抗体などのヒト以外の動物の抗体と比較してヒトへの臨床応用上、様々な利点を有している。例えば、サルを用いた実験でマウス抗体に比べ免疫原性が低下し、血中半減期が延長したことが報告されている(非特許文献14、15)。すなわち、ヒト型キメラ抗体やヒト化抗体は、ヒト以外の動物の抗体に比べ、ヒトにおいて副作用が少なく、その治療効果が長期間持続することが期待される。
抗体を含め、生体内に存在する多くの蛋白質は糖鎖により修飾されている。糖鎖は、アスパラギン残基に特異的に結合するN結合型糖鎖と、セリン残基やスレオニン残基に結合するO結合型糖鎖に分類される。特にN結合型糖鎖を有する糖蛋白質には該糖鎖が結合するための、3アミノ酸残基からなる、コンセンサス配列(アスパラギン−任意のアミノ酸−セリンまたはスレオニン)が存在する(非特許文献23)。但し、全てのコンセンサス配列にN結合型糖鎖が結合するわけではない。たとえば、成熟型ヒトTNF−α受容体IIでは、2ヵ所のN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列うち、1ヵ所は100%N結合型糖鎖が結合しているが、もう1ヵ所には50%程度の確率でしかN結合型糖鎖は結合しない(非特許文献24)。同様の現象がウシDNaseIでも確認されており、さらに遺伝子組換え体生産のための宿主細胞が変わると糖鎖結合のパターンが大きく変化し、同一のアミノ酸配列でも蛋白質発現の環境によりその糖鎖付加の状態は一定ではない(非特許文献25)。
(1) 抗体の可変領域(以下、V領域と記す)N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(2) 抗体の重鎖可変領域(以下、VHと記す)および軽鎖可変領域(以下、VLと記す)の全ての相補性決定領域(Complementarity Determining Region;以下、CDRと記す)にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、(1)に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(3) 抗体のVHのCDR1およびCDR3が、それぞれ配列番号3および5で示されるアミノ酸配列を含む、(1)または(2)記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(4) 抗体のVLのCDR1、2および3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む、(1)または(2)記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(5) 抗体のVHのCDR1およびCDR3が、それぞれ配列番号3および5で示されるアミノ酸配列を含み、かつ、抗体のVLのCDR1、2および3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む、(1)または(2)記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(6) 抗体のVHのCDR2が、配列番号45で示されるアミノ酸配列の9番目のAsnを他のアミノ酸残基に置換する改変および11番目のSerを他のアミノ酸残基に置換する改変のうち、少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(7) 配列番号45で示されるアミノ酸配列の9番目のAsnを他のアミノ酸残基に置換する改変が、9番目のAsnを極性側鎖を有するアミノ酸残基に置換する改変である、(6)に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(8) 極性側鎖を有するアミノ酸残基がTyrまたはSerである、(7)に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(9) 配列番号45で示されるアミノ酸配列の9番目のAsnを他のアミノ酸残基に置換する改変が、9番目のAsnをGlyに置換する改変である、(6)に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(10) 配列番号45で示されるアミノ酸配列の11番目のSerを他のアミノ酸残基に置換する改変が、11番目のSerを非極性側鎖を有するアミノ酸残基に置換する改変である、(4)〜(9)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(11) 非極性側鎖を有するアミノ酸残基がAlaである、(10)に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(12) 抗体のVHのCDR2が、配列番号4および6〜10のいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含む、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(13) 遺伝子組換え抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体から選ばれる、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(14) ヒト型キメラ抗体のVHが、配列番号14〜19のいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト型キメラ抗体または抗体断片。
(15) ヒト型キメラ抗体のVLが配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト型キメラ抗体または抗体断片。
(16) ヒト型キメラ抗体のVHが、配列番号14〜19のいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含み、かつ、VLが配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト型キメラ抗体または抗体断片。
(17) ヒト化抗体のVHが、配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列または配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列の27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト化抗体または抗体断片。
(18) ヒト化抗体のVLが、配列番号36で示されるアミノ酸配列または配列番号36で示されるアミノ酸配列の3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト化抗体または抗体断片。
(19) ヒト化抗体のVHが、配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列または配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列の27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含み、かつ、
ヒト化抗体のVLが、配列番号36で示されるアミノ酸配列または配列番号36で示されるアミノ酸配列の3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト化抗体または抗体断片。
(20) ヒト化抗体のVHが、配列番号51〜56のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト化抗体または抗体断片。
(21) ヒト化抗体のVLが、配列番号58〜63のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト化抗体または抗体断片。
(22) ヒト化抗体のVHが、配列番号51〜56のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含み、かつヒト化抗体のVLが、配列番号58〜63のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、(13)に記載のヒト化抗体または抗体断片。
(23) ハイブリドーマKM3411(FERM BP−8643)から生産されるモノクローナル抗体が認識するエピトープに結合する、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(24) 抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖抗体(scFv)、二量体化V領域(Diabody)、ジスルフィド安定化V領域(dsFv)およびCDRを含むペプチドから選ばれる抗体断片である(1)〜(23)のいずれか1項に記載の抗体断片。
(25) 該立体構造が、配列番号2で示されるアミノ酸配列の40番目のAsp、62番目のGluおよび63番目のGluを少なくとも含む立体構造である、(1)〜(24)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
(26) (1)〜(25)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片をコードするDNA。
(27) (26)に記載のDNAを含有する組換え体ベクター。
(28) (27)に記載の組換え体ベクターを宿主細胞に導入して得られる形質転換株。
(29) (28)に記載の形質転換株を培地に培養し、培養物中に(1)〜(25)のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片を生成蓄積させ、培養物から該抗体または該抗体断片を採取することを特徴とする(1)〜(25)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片の製造方法。
(30) (1)〜(25)のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片を有効成分として含有するPERP遺伝子が関与する疾患の治療剤。
(31) PERP遺伝子が関与する疾患が癌である、(30)に記載の治療剤。
PERP遺伝子としては、配列番号1で示される塩基配列があげられる。上記の塩基配列において1以上の塩基が欠失、置換、挿入または付加された塩基配列を含む遺伝子、配列番号1で示される塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有する塩基配列、好ましくは80%以上の相同性を有する塩基配列、さらに好ましくは90%以上の相同性を有する塩基配列、最も好ましくは95%以上の相同性を有する塩基配列を含む遺伝子、ならびに配列番号1で示される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを含む遺伝子なども本発明のPERP遺伝子に包含される。
PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドとしては、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号2で示されるアミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに配列番号2で示されるアミノ酸配列と60%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、好ましくは80%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、さらに好ましくは90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、特に好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、最も好ましくは99%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドなどがあげられる。
デフォルトのパラメータとしては、G(Cost to open gap)が塩基配列の場合は5、アミノ酸配列の場合は11、−E(Cost to extend gap)が塩基配列の場合は2、アミノ酸配列の場合は1、−q (Penalty for nucleotide mismatch)が−3、−r(reward for nucleotide match)が−e(expect value)が10、−W(wordsize)が塩基配列の場合は11残基、アミノ酸配列の場合は3残基、−y(Dropoff(X)for blast extensions in bits)がblastn の場合は20、blastn以外のプログラムでは7、−X(X dropoff value for gapped alignment in bits)が15および−Z(final X dropoff value for gapped alignment in bits)がblastnの場合は50、blastn以外のプログラムでは25である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/html/blastcgihelp.html)。
本発明の遺伝子組換え抗体または抗体断片は、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの天然型の立体構造を認識し、かつ該ポリペプチドの細胞外領域に安定的に結合することができる。細胞外領域としては、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域のループ1およびループ2があげられる。細胞外領域としては、少なくとも細胞外領域のループ1の40番目のAspを含む領域があげられ、例えば配列番号2で表されるアミノ酸配列の40番目のAsp,62番目のGluおよび63番目のGluを少なくとも含む立体構造があげられる。
本発明の遺伝子組換え抗体が結合することを確認する方法としては、例えば、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドが発現した細胞に対する公知の免疫学的検出法が用いられ、蛍光細胞染色法などの特定の抗原が発現した細胞と特定抗原に対する抗体の結合性を確認する方法が好適に用いられる。具体的には、参考例1(2)−4に記載の蛍光抗体染色法があげられる。また、公知の免疫学的検出法[Monoclonal Antibodies−Principles and practice,Third edition,Academic Press(1996)、Antibodies−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)、単クローン抗体実験マニュアル、講談社サイエンティフィック(1987)]などを組み合わせて確認することもできる。
ヒト体内に天然に存在する細胞としては、癌患者体内において該ポリペプチドが発現している細胞があげられ、例えば、バイオプシーなどで得られた腫瘍細胞のうちで該ポリペプチドが発現している細胞があげられる。
抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、4および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体、
抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、6および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体、
抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、7および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体、
抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、8および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体、
抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、9および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体、および
抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、10および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体、
などがあげられるが、抗体のVHのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号3、8および5でそれぞれ示されるアミノ酸配列および/または抗体のVLのCDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体が好ましい。
ヒト型キメラ抗体は、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLとヒト抗体のCHおよび軽鎖定常領域(以下、CLと表記する)とからなる抗体をいう。
ヒト化抗体は、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRのアミノ酸配列をヒト抗体のVHおよびVLの適切な位置に移植した抗体をいい、CDR移植抗体、再構成抗体(reshaped−antibody)などともいう。
抗体のVHにおいて、配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列中の27番目のGly、30番目のSer、41番目のPro、44番目のLys、45番目のGly、49番目のIle、72番目のVal、および97番目のAlaから選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列としては、配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列中の27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列があげられる。
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、および
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、および
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、44番目のLysをAsnに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、および
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、44番目のLysをAsnに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、44番目のLysをAsnに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、45番目のGlyをArgに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、および
41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、および49番目のIleをMetに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
27番目のGlyをPheに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、および
27番目のGlyをPheに、41番目のProをPheに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列、および
27番目のGlyをPheに、および30番目のSerをThrに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
1つの改変が導入されたアミノ酸配列としては、具体的には、配列番号30〜35のいずれか1つで示されるアミノ酸配列中の
27番目のGlyをPheに置換したアミノ酸配列、
30番目のSerをThrに置換したアミノ酸配列、
41番目のProをPheに置換したアミノ酸配列、
44番目のLysをAsnに置換したアミノ酸配列、
45番目のGlyをArgに置換したアミノ酸配列、
49番目のIleをMetに置換したアミノ酸配列、
72番目のValをArgに置換したアミノ酸配列、および
97番目のAlaをThrに置換したアミノ酸配列
があげられる。
抗体のVLにおいて、配列番号36で示されるアミノ酸配列中の3番目のGln、5番目のThr、35番目のTyr、42番目のAla、46番目のLeu、69番目のAsp、70番目のPhe、71番目のThr、および77番目のLeuから選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列としては、配列番号36で示されるアミノ酸配列中の3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列があげられる。
5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、および71番目のThrをSerに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、および
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
3番目のGlnをValに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、および
42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、および71番目のThrをSerに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
3番目のGlnをValに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
35番目のTyrをPheに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、および
5番目のThrをIleに、46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
3番目のGlnをValに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
46番目のLeuをTrpに、70番目のPheをTyrに、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、および46番目のLeuをTrpに置換したアミノ酸配列、および
42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列などがあげられる。
46番目のLeuをTrpに、および70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
3番目のGlnをValに、および5番目のThrをIleに置換したアミノ酸配列、および
70番目のPheをTyr、および77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
3番目のGlnをValに置換したアミノ酸配列、
5番目のThrをIleに置換したアミノ酸配列、
35番目のTyrをPheに置換したアミノ酸配列、
42番目のAlaをSerに置換したアミノ酸配列、
46番目のLeuをTrpに置換したアミノ酸配列、
69番目のAspをSerに置換したアミノ酸配列、
70番目のPheをTyrに置換したアミノ酸配列、
71番目のThrをSerに置換したアミノ酸配列、および
77番目のLeuをMetに置換したアミノ酸配列、
などがあげられる。
本発明のヒト化抗体のVHとしては、具体的には配列番号51〜56に表されるいずれかのアミノ酸配列があげられるが、好ましくは、配列番号51、53、55および56に表されるいずれかのアミノ酸配列があげられ、よりこの好ましくは配列番号53で表されるアミノ酸があげられる。
本発明のヒト化抗体のVLとしては、具体的には配列番号58〜63に表されるいずれかのアミノ酸配列があげられるが、好ましくは、配列番号58、59、60、62および63に表されるいずれかのアミノ酸配列があげられ、より好ましくは配列番号62で表されるアミノ酸配列があげられる。
本発明のヒト化抗体としては、上述のアミノ酸配列を有するVHおよびVLからなるヒト化抗体があげられるが、具体的には、
VHが配列番号53、VLが配列番号59に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号60に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号55、VLが配列番号62に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号51、VLが配列番号58に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号58に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号63に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号56、VLが配列番号62に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号62に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体
があげられる。より好ましくは、
VHが配列番号55、VLが配列番号62に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号51、VLが配列番号58に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号58に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号63に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号56、VLが配列番号62に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
VHが配列番号53、VLが配列番号62に表されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体、
などがあげられる。
本発明の抗体断片としては、Fab、F(ab’)2、Fab’、scFv、diabody、dsFvおよびCDRを含むペプチドなどがあげられる。
本発明のFabは、本発明の可変領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、該抗体のFabをコードするDNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
本発明のF(ab’)2は、下記のFab’をチオエーテル結合あるいはジスルフィド結合させ、作製することができる。
本発明のFab’は、本発明の可変領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、該抗体のFab’断片をコードするDNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
本発明のscFvは、本発明の可変領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、scFvをコードするDNAを構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
本発明のdiabodyは、scFvをコードするDNAをPのアミノ酸配列の長さが8残基以下となるように構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
本発明のCDRを含むペプチドは、本発明の可変領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体のVHおよびVLのCDRをコードするDNAを構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
本発明の遺伝子組換え抗体は、本発明の可変領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体または抗体断片に放射性同位元素、低分子の薬剤、高分子の薬剤、蛋白質などを化学的あるいは遺伝子工学的に結合させた融合抗体を包含する。
低分子の薬剤としては、ナイトロジェン・マスタード、サイクロフォスファミドなどのアルキル化剤、5−フルオロウラシル、メソトレキセートなどの代謝拮抗剤、ダウノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダウノルビシン、ドキソルビシンなどの抗生物質、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンのような植物アルカロイド、タモキシフェン、デキサメタソンなどのホルモン剤などの抗癌剤[臨床腫瘍学、日本臨床腫瘍研究会編、癌と化学療法社(1996)]、またはハイドロコーチゾン、プレドニゾンなどのステロイド剤、アスピリン、インドメタシンなどの非ステロイド剤、金チオマレート、ペニシラミンなどの免疫調節剤、サイクロフォスファミド、アザチオプリンなどの免疫抑制剤、マレイン酸クロルフェニラミン、クレマシチンのような抗ヒスタミン剤などの抗炎症剤[炎症と抗炎症療法、医歯薬出版株式会社(1982)]などがあげられる。例えば、ダウノマイシンと抗体を結合させる方法としては、グルタールアルデヒドを介してダウノマイシンと抗体のアミノ基間を結合させる方法、水溶性カルボジイミドを介してダウノマイシンのアミノ基と抗体のカルボキシル基を結合させる方法などがあげられる。
1.ハイブリドーマが産生する、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、かつ該細胞外領域に結合する抗PERPモノクローナル抗体の作製
(1)抗原の調製
本発明において用いられるポリペプチドは、[Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)、Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons,1987−1997)]などに記載された方法などを用い、例えば以下の方法により、該ポリペプチドをコードするDNAを宿主細胞中で発現させて、製造することができる。
発現ベクターとしては、使用する宿主細胞において自律複製または染色体中への組込が可能で、ポリペプチドをコードするDNAを転写できる位置に適当なプロモーターを含有しているものが用いられる。
発現ベクターとしては、例えば、pBTrp2、pBTac1、pBTac2(いずれもRoche Diagnostics社製)、pKK233−2(Pharmacia社製)、pSE280(Invitrogen社製)、pGEMEX−1(Promega社製)、pQE−8(QIAGEN社製)、pKYP10(特開昭58−110600)、pKYP200[Agricultural Biological Chemistry,48,669(1984)]、pLSA1 [Agric.Biol.Chem.,53,277(1989)]、pGEL1[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4306(1985)]、pBluescript II SK(−)(Stratagene社製)、pTrs30[大腸菌JM109/pTrS30(FERM BP−5407)より調製]、pTrs32[大腸菌JM109/pTrS32(FERM BP−5408)より調製]、pGHA2[大腸菌IGHA2(FERM BP−400)より調製、特開昭60−221091]、pGKA2[大腸菌 IGKA2(FERM BP−6798)より調製、特開昭60−221091]、pTerm2(US4686191、US4939094、US5160735)、pSupex、pUB110、pTP5、pC194、pEG400[J.Bacteriol.,172,2392(1990)]、pGEX(Pharmacia社製)、pETシステム(Novagen社製)、pME18SFL3などをあげることができる。
動物細胞を宿主として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107[特開平3−22979;Cytotechnology,3,133,(1990)]、pAS3−3(特開平2−227075)、pCDM8[Nature,329,840,(1987)]、pcDNAI/Amp(Invitrogen社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pAGE103[J.Biochemistry,101,1307(1987)]、pAGE210、pME18SFL3などをあげることができる。
組換えベクターの導入方法としては、動物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,3,133(1990)]、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,7413(1987)]などをあげることができる。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた組換えベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた組換えベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドなどを、trpプロモーターを用いた組換えベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸などを培地に添加してもよい。
ポリペプチドの生産方法としては、宿主細胞内に生産させる方法、宿主細胞外に分泌させる方法、および宿主細胞外膜上に生産させる方法があり、使用する宿主細胞から、適切な方法を選択することができる。また、任意の蛋白質と蛋白質工学的に融合させて融合ポリペプチドとして発現させて生産させてもよい。
ポリペプチドが細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後に細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダイノミルなどにより細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られる上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安などによる塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロース、DIAION HPA−75(三菱化学社製)などのレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(Pharmacia社製)などのレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロースなどのレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動などの電気泳動法などの手法を単独または組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
上記の方法により得られるポリペプチドまたは該ポリペプチドの部分配列を有するペプチドを抗原として用いることができる。
3〜20週令のマウス、ラットまたはハムスターなどに上記のように調製した抗原を免疫して、その動物の脾臓、リンパ節、末梢血中の抗体産生細胞を採取する。
抗体産生細胞と骨髄腫細胞の融合に供するにあたって、抗原の最終投与後3〜7日目に、免疫したマウス、ラットまたはハムスターより脾臓などの抗体産生細胞を含む組織を摘出し、抗体産生細胞を採取する。脾臓細胞を用いる場合には、脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細断し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1200rpm、5分間)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理し赤血球を除去し、MEM培地で3回洗浄して融合用抗体産生細胞として提供する。
骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞を使用する。たとえば、8−アザグアニン耐性マウス(BALB/cマウス由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−U1(P3−U1)[Current Topics in Microbiology and Immunology,18,1(1978)]、P3−NS1/1−Ag41(NS−1)[European J. Immunology,6,511(1976)]、SP2/0−Ag14(SP−2)[Nature,276,269(1978)]、P3−X63−Ag8653(653)[J.Immunology,123,1548(1979)]、P3−X63−Ag8(X63)[Nature,256,495(1975)]などが用いられる。これらの細胞株は、8−アザグアニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン(1.5mmol/L)、2−メルカプトエタノール(5×10−5mol/L)、ジェンタマイシン(10μg/ml)および牛胎児血清(FCS)を加えた培地(以下、正常培地という。)に、さらに8−アザグアニン(15μg/ml)を加えた培地〕で継代するが、細胞融合の3〜4日前に正常培地に継代し、融合当日2×107個以上の細胞数を確保する。
前述した抗体産生細胞と骨髄腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.65g、蒸留水1リットル、pH7.2)でよく洗浄し、細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1になるよう混合し、遠心分離(1200rpm、5分間)した後、上清を捨て、沈澱した細胞群をよくほぐした後、攪拌しながら、37℃で、ポリエチレングライコール−1000(PEG−1000)2g、MEM 2mLおよびジメチルスルホキシド0.7mLの混液0.2〜1mLを、1×108個の抗体産生細胞に加え、1〜2分間毎にMEM培地1〜2mLを数回加えた後、MEM培地を加えて全量が50mLになるようにする。遠心分離(900rpm、5分間)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆるやかに細胞をHAT培地〔正常培地にヒポキサンチン(10−4mol/L)、チミジン(1.5×10−5mol/L)およびアミノプテリン(4×10−7mol/L)を加えた培地〕100mL中に懸濁する。この懸濁液を96ウェル培養用プレートに100μL/ウェルずつ分注し、5%CO2インキュベーター中、37℃で7〜14日間培養する。
プリスタン処理〔2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(Pristane)0.5mLを腹腔内投与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまたはヌードマウスに、(4)で得られた抗PERPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞2×106〜5×107細胞/匹を腹腔内注射する。10〜21日でハイブリドーマは腹水癌化する。このマウスから腹水を採取し、遠心分離(3000rpm、5分間)して固形分を除去後、40〜50%硫酸アンモニウムで塩析した後、カプリル酸沈殿法、DEAE−セファロースカラム、プロテインA−カラムあるいはゲル濾過カラムによる精製を行ない、IgGあるいは、IgM画分を集め、精製モノクローナル抗体とする。
抗体のサブクラスの決定は、サブクラスタイピングキットを用いて酵素免疫測定法により行う。蛋白量の定量は、ローリー法および280nmでの吸光度より算出する。
PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、かつ該細胞外領域に結合する抗体を生産するハイブリドーマを選択する方法としては、以下の方法があげられる。
V領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有する抗体の当該コンセンサス配列に改変を導入することにより、抗体のV領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗体を作製することができる。以下にその作製例を示す。
V領域の遺伝子配列またはアミノ酸配列を解析することにより、N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列である、Asn−Xaa−Ser/Thr(Xaaは任意のアミノ酸残基を、Ser/ThrはSer残基またはThr残基であることをそれぞれ示す)が、V領域に含まれているか否かを調べる。
マウス抗体などを産生するハイブリドーマ細胞よりmRNAを抽出し、cDNAを合成する。合成したcDNAをファージ或いはプラスミドなどのベクターにクローニングしてcDNAライブラリーを作製する。該ライブラリーより、マウス抗体のC領域部分或いはV領域部分をコードするDNAをプローブとして用い、VHまたはVLをコードするcDNAを有する組換えファージ或いは組換えプラスミドをそれぞれ単離する。組換えファージ或いは組換えプラスミド上の目的とするマウス抗体のVHまたはVLの全塩基配列をそれぞれ決定し、塩基配列よりVHまたはVLの全アミノ酸配列をそれぞれ推定する。
ハイブリドーマ細胞から全RNAを調製する方法としては、チオシアン酸グアニジン−トリフルオロ酢酸セシウム法[Methods in Enzymol.,154,3(1987)]、また全RNAからmRNAを調製する方法としては、オリゴ(dT)固定化セルロースカラム法[Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)]等があげられる。また、ハイブリドーマ細胞からmRNAを調製するキットとしては、Fast Track mRNA Isolation Kit(Invitrogen社製)、Quick Prep mRNA Purification Kit(Pharmacia社製)等があげられる。
BlueMid(Clontech社製)、λExCell、pT7T3 18U(Pharmacia社製)、pcD2[Mol.Cell.Biol.,3,280 (1983)]およびpUC18[Gene,33,103(1985)]等が用いられる。
V領域に、N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列(Asn−Xaa−Ser/Thr)を有さない抗体のV領域は、N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列のAsn残基および/またはSer残基/Thr残基を他のアミノ酸残基に置換することにより、作製することができる。
直接抗原との結合に影響する改変や抗体の立体構造に変化を及ぼし、間接的に抗原との結合に影響する改変を除外するためには、抗原への結合性に影響を与える可能性の少ないアミノ酸残基の部位特異的変異を如何に効率よく予測するかが、最も重要である。そのためにX線結晶解析[J.Mol.Biol.,112,535(1977)]或いはコンピューターモデリング[Protein Engineering,7,1501(1994)]等による抗体の立体構造の構築および解析を行う。しかしながら、これら抗体の立体構造の情報に基づいても、抗体のV領域、特にCDRへの変異の導入は、抗体の抗原への結合性を変化させる可能性がある。そのため、変異の導入に際しては、数種の改変体を作製し、アミノ酸の改変との抗原結合活性との相関を検討する等の、試行錯誤が必要である。
PCR後、増幅産物をpBluescript SK(−)(Stratagene社製)等のプラスミドにそれぞれクローニングし、本項(1)に記載の方法により塩基配列を決定し、抗体のV領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない遺伝子組換え抗体のV領域のアミノ酸配列をコードするDNA配列を有するcDNAを含むプラスミドが取得されたことを確認する。
遺伝子組換え抗体の作製例として、以下にヒト型キメラ抗体およびヒト化抗体の作製方法を示す。
(3)−1 ヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターの構築
ヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターとは、ヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた動物細胞用発現ベクターであり、動物細胞用発現ベクターにヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAをそれぞれクローニングすることにより構築することができる。
構築したヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターは、ヒト型キメラ抗体およびヒト化抗体の動物細胞での発現に使用できる。
本項(3)−1に記載のヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHまたはCLをコードするそれぞれの遺伝子の上流に、それぞれヒト以外の動物の抗体のVHまたはVLをコードするcDNAをそれぞれクローニングし、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することができる。例えば、ヒト以外の動物の抗体のVHまたはVLをコードするそれぞれのcDNAを、ヒト以外の動物の抗体のVHまたはVLの3’末端側の塩基配列とヒト抗体のCHまたはCLの5’末端側の塩基配列とから成り、かつ適当な制限酵素の認識配列を両端に有する合成DNAとそれぞれ連結し、それぞれを本項(3)−1に記載のヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHまたはCLをコードするそれぞれの遺伝子の上流にそれらが適切な形で発現する様にそれぞれクローニングし、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することができる。また、V領域のN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列に変異が導入された抗体VHまたはVLをコードするcDNAを、適当な制限酵素の認識配列を両端に有する合成DNAを用いてPCR法によりそれぞれ増幅し、それぞれを本項(3)−1に記載のヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターにクローニングすることもできる。
ヒト化抗体のVHまたはVLをコードするcDNAは、以下の様にして構築することができる。
まず、V領域のN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列に変異が導入された抗体のVHまたはVLのCDRのアミノ酸配列を移植するヒト抗体のVHまたはVLのフレームワーク領域(以下、FRと表記する)のアミノ酸配列をそれぞれ選択する。ヒト抗体のVHまたはVLのFRのアミノ酸配列としては、ヒト抗体由来のものであれば、いかなるものでも用いることができる。例えば、Protein Data Bank等のデータベースに登録されているヒト抗体のVHまたはVLのFRのアミノ酸配列、ヒト抗体のVHまたはVLのFRの各サブグループの共通アミノ酸配列[Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services(1991)]等があげられるが、その中でも、十分な活性を有するヒト型CDR移植抗体を作製するためには、目的のヒト以外の動物の抗体のVHまたはVLのFRのアミノ酸配列とできるだけ高い相同性(少なくとも60%以上)をそれぞれ有するアミノ酸配列を選択することが望ましい。次に、選択したヒト抗体のVHまたはVLのFRのアミノ酸配列に目的のヒト以外の動物の抗体のVHまたはVLのCDRのアミノ酸配列をそれぞれ移植し、ヒト化抗体のVHまたはVLのアミノ酸配列をそれぞれ設計する。設計したアミノ酸配列を抗体の遺伝子の塩基配列に見られるコドンの使用頻度[Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services(1991)]を考慮してDNA配列に変換し、ヒト化抗体のVHまたはVLのアミノ酸配列をコードするDNA配列をそれぞれ設計する。設計したDNA配列に基づき、100塩基前後の長さからなる数本の合成DNAを合成し、それらを用いてPCR法を行う。
ヒト化抗体は、V領域のN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列に変異が導入された抗体のVHおよびVLのCDRのみをヒト抗体のVHおよびVLのFRに移植しただけでは、その抗原結合活性は元のヒト以外の動物の抗体に比べて低下してしまうことが知られている[BIO/TECHNOLOGY,9,266(1991)]。この原因としては、元のヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLでは、CDRのみならず、FRのいくつかのアミノ酸残基が直接的或いは間接的に抗原結合活性に関与しており、それらアミノ酸残基がCDRの移植に伴い、ヒト抗体のVHおよびVLのFRの異なるアミノ酸残基へと変化してしまうことが考えられている。この問題を解決するため、ヒト化抗体では、ヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列の中で、直接抗原との結合に関与しているアミノ酸残基やCDRのアミノ酸残基と相互作用したり、抗体の立体構造を維持し、間接的に抗原との結合に関与しているアミノ酸残基を同定し、それらを元のヒト以外の動物の抗体に見出されるアミノ酸残基に改変し、低下した抗原結合活性を上昇させることが行われている[BIO/TECHNOLOGY,9,266(1991)]。ヒト化抗体の作製においては、それら抗原結合活性に関わるFRのアミノ酸残基を如何に効率よく同定するかが、最も重要な点であり、そのためにX線結晶解析[J. Mol. Biol.,112,535(1977)]或いはコンピューターモデリング[Protein Engineering,7, 1501(1994)]等による抗体の立体構造の構築および解析が行われている。これら抗体の立体構造の情報は、ヒト化抗体の作製に多くの有益な情報をもたらして来たが、その一方、あらゆる抗体に適応可能なヒト化抗体の作製法は未だ確立されておらず、現状ではそれぞれの抗体について数種の改変体を作製し、それぞれの抗原結合活性との相関を検討する等の種々の試行錯誤が必要である。
本項(3)−1に記載のヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAが組み込まれた抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHまたはCLをコードするそれぞれの遺伝子の上流に、構築したヒト化抗体のVHまたはVLをコードするcDNAをそれぞれクローニングし、ヒト化抗体発現ベクターを構築することができる。
作製したヒト型キメラ抗体またはヒト化抗体の抗原結合活性を効率的に評価するために、本項(3)−3および(3)−5に記載のヒト型キメラ抗体またはヒト化抗体発現ベクターを用いてヒト型キメラ抗体またはヒト化抗体の一過性発現を行うことができる。発現ベクターを導入する宿主細胞としては、ヒト型キメラ抗体またはヒト化抗体を発現できる宿主細胞であれば、いかなる細胞でも用いることができるが、その発現量の高さから、COS−7細胞(ATCC CRL1651)が一般に用いられる[Methods in Nucleic Acids Res.,CRC press,283(1991)]。COS−7細胞への発現ベクターの導入法としては、DEAE−デキストラン法[Methods in Nucleic Acids Res.,CRC press,283(1991)]、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,7413(1987)]等があげられる。
本項(3)−2および(3)−5に記載のヒト型キメラ抗体発現ベクターまたはヒト化抗体発現ベクターを適当な宿主細胞に導入することによりヒト型キメラ抗体またはヒト化抗体を安定に発現する形質転換株を得ることができる。
宿主細胞への発現ベクターの導入法としては、エレクトロポレーション法[特開平2−257891、Cytotechnology,3,133(1990)]等があげられる。
精製した本発明の遺伝子組換え抗体または抗体断片の抗原への結合性、PERP発現細胞株に対する結合性はELISA法および蛍光抗体法[Cancer Immunol.Immunother.,36,373(1993)]またはBIAcoreTMなどを用いた表面プラズモン共鳴等により測定できる。抗原陽性培養細胞株に対する細胞傷害活性は、CDC活性、ADCC活性等を測定し、評価することができる[Cancer Immunol.Immunother.,36,373(1993)]。また、これらの結果を、本発明の遺伝子組換え抗体作製の基となった、上記1.に記載の、V領域に改変を導入していない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、かつ該細胞外領域に結合するモノクローナル抗体での測定結果と比較することにより、V領域に導入した改変による、抗体の抗原への結合性への影響がわかる。
本発明の可変領域にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体または該抗体断片は、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドが関与する疾患の治療に用いることができる。
遺伝子組換え抗体の有するADCC活性やCDC活性は、例えば、特開平6−205694に記載の方法で測定することができる。このような活性を有する抗体は、in vivoにおいて、特定の抗原が発現した細胞を傷害することができるため、疾患の治療薬として用いることができる。ヒトIgGクラスの抗体定常領域を有するヒト型キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体は治療剤として、有効に用いられる[Cancer Res.,56,1118(1996)]。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
参考例1(2)に記載の方法で作製された、抗PERP抗体産生ハイブリドーマKM3411(FERM BP−8643)から生産される抗PERPマウス抗体KM3411を基に、本発明の遺伝子組換え抗体を作製した。該抗体は、参考例2(1)−3に記載されているように、配列番号21で示されるVH中に、N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有していた。以下、V領域にN結合型糖鎖結合のコンセンサス配列を有さない遺伝子組換え抗体のVHのアミノ酸配列の設計を行った。
(1)V領域にN結合型糖鎖結合のコンセンサス配列を有さない遺伝子組換え抗体のVHのアミノ酸配列の設計
V領域にN結合型糖鎖結合のコンセンサス配列を有さない改変抗体のVHのアミノ酸配列を以下のようにして設計した。
参考例2(1)−2で作製したプラスミドpKM3411H#9を鋳型として、アミノ酸改変を導入するための以下の配列番号22〜27で示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号28で示されるDNA配列を有するプライマーとを用いてPCRを行い、目的のcDNA断片を増幅した。ver.1を作製するためには配列番号24、ver.2を作製するためには配列番号25、ver.3を作製するためには配列番号23、ver.4を作製するためには配列番号22、ver.5を作製するためには配列番号26、ver.6を作製するためには配列番号27に記載の合成DNA(ファスマック社製)をそれぞれプライマーとして用いた。これら6種類の合成DNAの3’末端には、参考例2の(2)−1に記載のpKANTEX3411と組み換えるための制限酵素の認識配列が含まれる。PCRは94℃3分間加熱後、94℃30秒間、58℃30秒間、74℃1分間からなる反応サイクルを25回行った後、72℃で10分間反応させた。PCRはGeneAmp PCR system9700(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて行った。得られたPCR産物のサイズはいずれも約300bpであった。
得られた6種類のPCR産物は制限酵素NotI(宝酒造社製)とXhoI(宝酒造社製)で消化後、反応液をアガロースゲル電気泳動した後、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、約0.3kbのNotI−XhoI断片を回収した。pKANTEX3411を制限酵素NotI(宝酒造社製)とHindIII(New England BioLabs社製)で消化後、反応液をアガロースゲル電気泳動した後、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、約10kbのNotI−HindIII断片を回収した。また、pKANTEX3411を制限酵素HindIII(New England BioLabs社製)とXhoI(宝酒造社製)でも消化し、同様の方法で約3kbpのHindIII−XhoI断片も回収した。
本実施例の(2)−1で得られた改変抗体発現ベクターpKANTEX3411CDRv1〜v6を用いて、該抗体の動物細胞での発現を、常法[Antibody Engineering,A Practical Guide,W.H.Freeman and Company(1992)]により行い、pKANTEX3411CDRv1〜v6が導入された6種類の形質転換株を取得した。
本実施例(2)−2で得られた形質転換株を、通常の培養法で培養した後、細胞懸濁液を回収し、3000rpm、4℃の条件で5分間の遠心分離を行って培養上清を回収した後、培養上清は0.22μm孔径MillexGVフィルター(ミリポア社製)を用いて濾過滅菌した。得られた培養上清よりMab Select(アマシャム・バイオサイエンス社製)カラムを用いて、添付の説明書に従い、改変抗体ver.1〜6をそれぞれ精製した。
(1) 膜表面上のPERPへの結合性(蛍光抗体法)
実施例1で精製した抗PERPCDR改変抗体のPERP発現細胞株への結合活性を以下の方法により確認した。
1ウェル当たり2×105個のPC9細胞を96ウェルU字プレートに分注し、改変抗体をFCM用緩衝液(1%BSA−PBS、0.02%EDTA、0.05%NaN3)にて50μg/mLから5倍希釈で6段階に希釈した改変抗体を50μL/ウェルで分注し、氷中で30分間反応した。FCM用緩衝液で2回洗浄後、PE標識抗ヒトIgG(H+L)抗体(ベックマン・コールター社製)をFCM用緩衝液にて50倍に希釈した溶液を50μL/ウェルで加えた。遮光し氷中で30分間反応後、FCM用緩衝液で3回洗浄し、フローサイトメーターで蛍光強度を測定した。尚、対照として参考例2に記載の抗PERPキメラ抗体KM3481を、陰性対照として抗CCR4抗体KM2760(WO01/64754)を用いて、同様にして蛍光強度を測定した。
実施例1で取得した改変抗体のADCC活性を、以下のようにして測定した。標的細胞にはPC9を用い、エフェクター細胞溶液の調製にはlymphoprep(NYCOMED社製)を用いた。
RPMI1640−FBS(10)培地[FCSを10%含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)]を用いて培養した各細胞株を遠心分離操作および懸濁によりADCC活性測定用培地であるRPMI1640−FBS(5)[5%FBSを含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)]で洗浄した後、ADCC活性測定用培地によって、細胞濃度を2×105細胞/mLに調製し、標的細胞溶液とした。
健常人静脈血50mLを採取し、ヘパリンナトリウム(清水製薬社製)0.5mLを加え穏やかに混ぜた。これをlymphoprep(NYCOMED 社製)を用いて添付の使用説明書に従い、単核球(PBMC)画分を分離した。分離したPBMC画分は、ADCC活性測定用培地で遠心分離して3回洗浄後、適宜懸濁し、エフェクター細胞溶液とした。
96ウェルU字底プレート(Falcon社製)に上記(2)−1で調製した標的細胞溶液の50μL(1×104細胞/ウェル)を分注した。次いで(2)−2で調製したエフェクター細胞溶液を50μL(エフェクター細胞と標的細胞の比が20:1になるように希釈したもの)を添加した。更に、改変抗体をADCC活性測定用培地で希釈し、各最終濃度0.001〜1μg/mLとなるように加えて全量を150μLとし、37℃で4時間反応させた。反応後、プレートを遠心分離し、上清中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を、LDH−Cytotoxic Test(和光純薬社製)を用いて、添付の説明書にしたがって吸光度データを取得することで測定した。標的細胞自然遊離の吸光度データは、エフェクター細胞溶液および抗体溶液の代わりにADCC活性測定用培地を用いて、また、エフェクター細胞自然遊離の吸光度データは、標的細胞溶液および抗体溶液の代わりにADCC活性測定用培地を用いて、上記と同様の操作を行うことで取得した。標的細胞全遊離の吸光度データは、抗体溶液およびエフェクター細胞溶液の代わりにADCC活性測定用培地を用い、反応終了の45分前に15μLの9% Triton X−100溶液を添加して反応させ、上記と同様の操作を行うことで取得した。ADCC活性は次式により求めた。尚、対照として参考例2に記載の抗PERPキメラ抗体KM3481を用いて、以下の式によりADCC活性を測定した。
ADCC活性(%)={(検体の吸光度−エフェクター細胞自然遊離の吸光度−標的細胞自然遊離の吸光度)/(標的細胞全遊離の吸光度−標的細胞自然遊離の吸光度)}×100
結果を図4に示した。PC9細胞に対して、改変抗体はADCC活性を有しており、その活性は抗体の濃度依存的であった。
(1)N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗PERPヒト化抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列の設計
まず、N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗PERPヒト化抗体のVHのアミノ酸配列を以下のようにして設計した。
配列番号11〜13でそれぞれ示される抗体VLのCDR1〜3のアミノ酸配列を移植するためのヒト抗体のVLのFRのアミノ酸配列を選択した。カバットらは、既知の様々なヒト抗体のVLをそのアミノ酸配列の相同性から4種類のサブグループ(HSG I〜IV)に分類し、更に、それらのサブグループ毎に共通配列を報告している[Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services(1991)]。そこでVHの場合と同様にして、ヒト抗体のVLの4種類のサブグループの共通配列のFRのアミノ酸配列のうち、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、かつ該細胞外領域に結合する抗PERPモノクローナル抗体である、抗PERPマウスKM3411のVLのFRのアミノ酸配列と最も高い相同性を有するFRのアミノ酸配列を選択した。
本実施例(1)で設計した抗PERPヒト化抗体のVHのアミノ酸配列HV0をコードするcDNAを、PCRを用いて以下のようにして構築した。
0.1μmol/Lのアミノ酸変異を有する合成DNA(配列番号64、69、68、70)と、その両端に位置するプライマーM13RVプライマー(Takara Shuzo社製)および、M13M4プライマー(Takara Shuzo社製)を0.4μmol/L加え、PCR反応を行った。PCR反応液を、Gel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて精製し、0.8−1.5%のアガロース電気泳動を行い、目的の0.45kbp付近の遺伝子断片をGel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて抽出した。特異的な制限酵素SmaIで処理したpBlusecript II sk(−)(以下、pBS)にサブクローニングを行い、目的の遺伝子(配列番号51)を含むベクターpBS/HV8を取得した。
上記(a)と同様にして、合成DNA(配列番号64、79、66、70)とその両端に位置するM13RVおよびM13M4プライマーを用いて、PCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号52)を含むベクターpBS/HV3を取得した。
上記と同様にして、合成DNA(配列番号64、79、80、70)とその両端に位置するプライマーを用いて、PCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号53)を含むベクターpBS/HV4を取得した。
上記(b)で作製したpBS/HV3を鋳型にして、M13RVプライマー(Takara Shuzo社製)と合成オリゴDNA(配列番号84)を用いてPCR反応を行い、約0.3kbpの遺伝子断片5’−GSを取得した。また、同様にpBS/HV3を鋳型にして合成オリゴDNA(配列番号85)およびM13M20プライマーを用いてPCR反応を行い、約0.4kbpの遺伝子断片3’−PAを取得した。これら、作製した遺伝子断片およびM13RV、M13M20 プライマーを用いて、PCR反応を行い、Gel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて増幅遺伝子断片を抽出した。その後、特異的な制限酵素NotIおよびApaIで酵素処理を行い、0.8−1.5%のアガロース電気泳動を行い、目的の0.45kbp付近の遺伝子断片をGel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて抽出した。抽出した遺伝子断片を、pBSの適切な場所に挿入し、目的の遺伝子(配列番号54)を含むベクターpBS/HV4−2を取得した。
上記(d)で作製した、pBS/HV4−2を鋳型にして、T3プライマー(Takara Shuzo社製)および合成オリゴDNA(配列番号86)を用いてPCR反応を行い、5’−GSPI遺伝子断片を取得した。また、上記(c)で作製したpBS/HV4を鋳型にして、T7プライマー(Takara Shuzo社製)および合成オリゴDNA(配列番号87)を用いてPCR反応を行い、3’‐VA遺伝子断片を取得した。これら、作製した遺伝子断片とT3、T7プライマーを用いてPCR反応を行い、約0.5kbpのGSPIVA遺伝子断片を作製した。この遺伝子断片を鋳型にして、T3プライマーと合成オリゴDNA(配列番号92)を用いてPCR反応を行い5’−HV5−2遺伝子断片を、またT7プライマーと合成オリゴDNA(配列番号91)を用いてPCR反応を行い3’−HV5−2遺伝子断片を取得した。作製した2つの遺伝子断片およびT3、T7プライマーを用いてPCR反応を行い、以下は上記(c)と同様にして、目的の遺伝子(配列番号55)を含むベクターpBS/HV5−2を取得した。
上記(c)で作製したHV4を鋳型にして、T3プライマー(Takara Shuzo社製)と合成オリゴDNA(配列番号86)を用いてPCR反応を行い、5’−GPI遺伝子断片を取得した。また、同様にしてT7プライマー(Takara Shuzo社製)と合成オリゴDNA(配列番号87)を用いてPCR反応を行い、3’−VA遺伝子断片を取得した。作製した遺伝子断片とおよびT3、T7プライマーを用いてPCR反応を行い、以下は上記(c)と同様にして、目的の遺伝子(配列番号56)を含むベクターpBS/HV5−3を取得した。
本実施例(1)で設計した抗PERPヒト化抗体のVLのアミノ酸配列をコードするcDNAを、PCRを用いて以下のようにして構築した。
また以下、特に記載の無い場合、94℃ 30秒間、55℃ 30秒間、72℃ 60秒間のサイクルを35サイクルのPCR反応で反応させた。PCR反応はKOD−plus polymerase(TOYOBO社製)を使用して行った。また、以下で使用した合成オリゴDNAはファスマック社製のものである。以下において、改変するアミノ酸残基はアルファベット一文字で標記し、右上に改変するアミノ酸残基の番号を記載した。
0.1μmol/Lのアミノ酸変異を有する合成DNA(配列番号75〜78)と、その両端に位置するプライマーM13RVプライマー(Takara Shuzo社製)および、M13M4プライマー(Takara Shuzo社製)を0.4μmol/L加え、PCR反応を行った。PCR反応液を0.8−1.5%のアガロース電気泳動を行い、目的の0.4kbp付近の遺伝子断片をGel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて抽出した。制限酵素SmaIで処理したpBlusecript II sk(−)(以下、pBS)にサブクローニングを行い、目的の遺伝子(配列番号58)を含むベクターpBS/LV7を取得した。
上記(a)と同様に、4本の合成オリゴDNA(配列番号71、72、81、74)と両端に位置するM13RVプライマー、M13M4プライマーを用いてPCR反応を行い、以下は上記(a)同様にして、目的の遺伝子(配列番号59)を含むベクターpBS/LV2を取得した。
上記(a)と同様に、4本の合成オリゴDNA(配列番号71、72、81、78)と両端に位置するM13RVプライマー、M13M4プライマーを用いてPCR反応を行い、以下は上記(a)同様にして、目的の遺伝子(配列番号60)を含むベクターpBS/LV3を取得した。
上記(b)で作製したpBS/LV2を鋳型として、M13RVプライマーと合成オリゴDNA(配列番号94)を用いてPCR反応を行い、5’−AL遺伝子断片を取得した。また、M13M20プライマー(Takara Shuzo社製)と合成オリゴDNA(配列番号93)を用いて、3’−F遺伝子断片を取得した。これらの遺伝子断片およびM13RVプライマー、M13M20プライマーを用いてPCR反応を行い、Gel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて増幅遺伝子断片を抽出した。その後、特異的な制限酵素EcoRIおよびBsiWIで酵素処理を行い、0.8−1.5%のアガロース電気泳動を行い、目的の0.4kbp付近の遺伝子断片をGel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて抽出した。抽出した遺伝子断片を、制限酵素BsiWI認識配列を組み込んだpBSの適切な場所に挿入し、目的の遺伝子(配列番号61)を含むベクターpBS/LV3−2を取得した。
上記(c)で作製したpBS/LV3を鋳型として、T3プライマーおよび合成オリゴDNA(配列番号90)を用いてPCR反応を行い、5’−LV4遺伝子断片を取得し、また同様にしてT7プライマーおよび合成オリゴDNA(配列番号89)を用いてPCR反応を行い、3’−YLFL遺伝子断片を取得した。これらの遺伝子断片およびT3、T7プライマーを用いてPCR反応を行い、以下は(d)と同様にして目的の遺伝子(配列番号62)を含むベクターpBS/LV4を取得した。
上記(d)で作製したpBs/LV3−2を鋳型とし、T7プライマーと合成オリゴDNA(配列番号83)を用いてPCR反応を行い、5’−DFT遺伝子断片を取得し、また、同様にしてT3プライマーと合成オリゴDNA(配列番号82)を用いてPCR反応を行い、3’−DFT遺伝子断片を取得した。これらの遺伝子断片およびT7,T3プライマーを用いてPCR反応を行い、以下は(d)と同様にして目的の遺伝子(配列番号63)を含むベクターpBS/LV5−2を取得した。
WO97/10354に記載のヒト化抗体発現用ベクターpKANTEX93の適当な位置に本実施例(2)および(3)で得られたHV0およびLV0をコードするそれぞれのcDNA、あるいはそれらの改変体をコードするcDNAを挿入し、各種抗PERPヒト化抗体発現ベクターを構築した(図11)。
HV0LV0、HV8LV0、HV0LV7、HV4LV2、HV4LV3、HV8LV7、HV4LV7、HV4LV5−2、HV5−2LV4、HV5−3LV4およびHV4LV4の11種類のN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗PERPヒト化抗体を作製した。
(5)抗PERPヒト化抗体の動物細胞を用いた安定発現および精製抗体の取得
抗PERPヒト化抗体の動物細胞を用いた安定発現および培養上清からの抗体の精製は、実施例1(2)−2および(3)に記載の方法と同様にして行った。
(1)ヒトPERP(hPERP)発現細胞の作製
参考例1(1)と同様にして、pcPERPmHを用いてCHO/DG44(KC861)の形質転換株を作製した。その結果、hPERPを中程度発現する形質転換株(KC1359)、および高発現している形質転換株(KC9033)を取得した。
実施例3(5)で精製したN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗PERPヒト化抗体の、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドが発現しているCHO/PERP(KC1359)あるいは実施例1(1)で用いているPC9細胞に対する結合活性を、蛍光抗体法を用いて、下記のように実施した。
その結果、KM3821のCDRを単にヒトフレームワークに移植したHV0LV0、およびL鎖のみアミノ酸改変を加えたHV0LV7は、CHO/PERPに対する結合活性が殆ど無かったが、H鎖のアミノ酸改変を加えたHV8LV0は、KM3821の約1/5まで結合活性が増加した(図12−A)。更に、アミノ酸改変残基数を減らし、H鎖L鎖両方にアミノ酸改変を加えたHV4LV2およびHV4LV3では、HV8LV0と同等まで結合活性が増加した(図12−B)。
以下の方法を用いて、改変抗体であるHV5−2LV4、HV5−3LV4、HV4LV4およびHV4LV5−2のADCC活性のADCC活性の測定を行った。
ヒト膵癌細胞株BxPC−3およびヒト肺癌細胞株PC−9は、RPMI1640−FBS(10)培地[10%FCSおよび50μg/mLゲンタマイシンを含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)]を用いて培養を行い、ヒトPERP発現CHO/DG44細胞(KC1359およびKC9033)はIMDM−CHO培地[10%FCS、1×HT supplement(Invitrogen社製)、50μg/mLゲンタマイシンおよび0.5mg/mLG418(ナカライテスク社製)を含むIMDM培地(Invitrogen社製)]を用いて培養した。各細胞を拡大培養後、遠心分離操作および懸濁によりADCC活性測定用培地であるRPMI1640−FBS(1)[1%FBSを含むフェノールレッド不含RPMI1640培地(Invitrogen社製)]で洗浄した後、ADCC活性測定用培地によって、細胞濃度を2×105細胞/mLに調整し、標的細胞溶液とした。
健常人静脈血50mLを採取し、ヘパリンナトリウム(清水製薬社製)0.5mLを加え穏やかに混ぜた。これをpolymorphoprep(NYCOMED社製)を用いて添付の使用説明書に従い、単核球(PBMC)画分を分離した。分離したPBMC画分は、ADCC活性測定用培地で遠心分離して2回洗浄後、適宜懸濁し、エフェクター細胞溶液とした。
96ウェルU字底プレート(Falcon社製)に上記(2)−1で調製した標的細胞溶液の50μL(1×104細胞/ウェル)を分注した。次いで(2)−2で調製したエフェクター細胞溶液を50μL(エフェクター細胞と標的細胞の比が20:1になるように希釈したもの)を添加した。更に、改変抗体をADCC活性測定用培地で、3μg/mLから5倍希釈で8段階希釈したものを50μL加え、全量を150μLとし、37℃で4時間反応させた。反応後、プレートを遠心分離し、上清中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を、LDH−Cytotoxic Test(和光純薬社製)を用いて、添付の説明書にしたがって吸光度データを取得することで測定した。標的細胞自然遊離の吸光度データは、エフェクター細胞溶液および抗体溶液の代わりにADCC活性測定用培地を用いて、また、エフェクター細胞自然遊離の吸光度データは、標的細胞溶液および抗体溶液の代わりにADCC活性測定用培地を用いて、上記と同様の操作を行うことで取得した。標的細胞全遊離の吸光度データは、抗体溶液およびエフェクター細胞溶液の代わりにADCC活性測定用培地を用い、反応終了の45分前に20μLの9% Triton X−100溶液を添加して細胞を破壊し、上記と同様の操作を行うことで取得した。ADCC活性は次式により求めた。尚、対照としてKM3821を用いて、実施例2と同様にしてADCC活性を測定した。
(1)変異PERP発現ベクターの構築
ヒトPERPとマウスPERPの細胞外領域ループ1あるいはループ2のアミノ酸残基を比較し、アミノ酸残基の異なる部分をマウスのアミノ酸残基に改変するため、参考例1で作製したヒトPERP発現ベクターpcPERPmHを鋳型にして、アミノ酸変異有するプライマーおよびpcDNA3.1+ベクターに特異的なプライマー(配列番号112あるいは113)を用いて、各変異PERP発現ベクターを作製した(図18)。アミノ酸残基改変後のアミノ酸残基の遺伝子コドンについては、マウスPERP(accession No.NP_071315)で見られる遺伝子コドンとなるように行った。また、以下、特に記載の無い場合、94℃ 30秒間、58℃ 30秒間、72℃ 60秒間のサイクルを25−35サイクルのPCR反応で反応させた。PCR反応はKOD−plus polymerase(TOYOBO社製)を使用して行った。また、以下で使用した合成オリゴDNAはファスマック社製のものである。以下において、改変するアミノ酸残基はアルファベット一文字で標記し、右上に改変するアミノ酸残基の番号を記載した。
参考例1で作製されたpcPERPmHを鋳型として、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号103)を用いてPCR反応を行い、1.5%アガロース電気泳動を行い約0.3kbpの遺伝子断片を、Gel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて抽出し、5’−mL−1遺伝子断片を取得した。同様にして、pcPERPmHを鋳型として、ベクター側に位置するプライマー(配列番号113)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号102)を用いてPCR反応を行い、約0.7kbpの3’−mL−1遺伝子断片を取得した。取得した遺伝子断片及び、ベクター側のプライマー(配列番号112、113)を用いてPCR反応を行い、増幅させた約0.8kbpの遺伝子断片ををGel extraction kit(QIAGEN社製)を用いて抽出した。抽出後、特異的な制限酵素EcoRIおよびXbaIで酵素処理を行い、アガロース電気泳動を行い、約0.7kbpの遺伝子断片を上記と同様に抽出した。取得した遺伝子断片を、制限酵素EcoRIおよびXbaIで処理し、pcDNA3.1+の適切な位置に挿入し、目的の遺伝子(配列番号96)を含むベクターpcDNA3.1+/mL−1を取得した。
(a)と同様にして、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号105)を用いて、約0.6kbpの5’−mL−2遺伝子断片を作製し、一方、ベクター側に位置するプライマー(配列番号113)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号104)を用いて、約0.4kbpの3’−mL−2遺伝子断片を作製した。取得した遺伝子断片及び、ベクター側のプライマー(配列番号112、113)を用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号97)を含むベクターpcDNA3.1+/mL−2を取得した。
(b)で作製したpcDNA3.1+/mL−2を鋳型にして、(a)と同様にして、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号103)を用いてPCR反応を行い、約0.3kbpの5’−mPERP遺伝子断片を作製し、同様にpcDNA3.1+/mL−2を鋳型として、ベクター側に位置するプライマー(配列番号113)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号102)を用いてPCR反応を行い、約0.7kbpの3’−mPERP遺伝子断片を取得した。取得した遺伝子断片及び、ベクター側のプライマー(配列番号112、113)を用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号98)を含むベクターpcDNA3.1+/mPERPを取得した。
(a)と同様にして、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号107)を用いて、約0.35kbpの5’−DG遺伝子断片を作製し、一方、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号106)を用いて、約0.7kbpの3’−DG遺伝子断片を作製した。取得した遺伝子断片及び、ベクター側のプライマー(配列番号112、113)を用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号99)を含むベクターpcDNA3.1+/DGを取得した。
(a)と同様にして、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号109)を用いて、約0.4kbpの5’−KSQ遺伝子断片を作製し、一方、ベクター側に位置するプライマー(配列番号113)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号108)を用いて、約0.6kbpの3’−KSQ遺伝子断片を作製した。取得した遺伝子断片及び、ベクター側のプライマー(配列番号112、113)を用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号100)を含むベクターpcDNA3.1+/KSQを取得した。
(a)と同様にして、ベクター側に位置するプライマー(配列番号112)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号111)を用いて、約0.4kbpの5’−EE遺伝子断片を作製し、一方、ベクター側に位置するプライマー(配列番号113)と、PERP遺伝子内に位置し、変異アミノ酸を含む合成オリゴDNA(配列番号110)を用いて、約0.6kbpの3’−KSQ遺伝子断片を作製した。取得した遺伝子断片及び、ベクター側のプライマー(配列番号112、113)を用いてPCR反応を行い、目的の遺伝子(配列番号101)を含むベクターpcDNA3.1+/EEを取得した。
国立感染症研究所カニクイザルcDNAライブラリーから、ヒトPERP遺伝子配列を検索子にして検索を行った結果、カニクイサル延髄由来cDNAクローン(QmoA−11464)と高い相同性を示した。この遺伝子から予測されるアミノ酸配列(配列番号116)から、サルPERP細胞外領域ループ1およびループ2に、ヒトPERPヒトPERPの細胞外領域と2つのアミノ酸が異なることが分かった。従って、サルPER遺伝子をクローニングし、サルPERPを発現させた細胞を構築した。
上記実施例5(1)で作製した各発現ベクターおよび参考例1で作製したヒトPERP発現ベクターpcPERPmHを、エレクトロポレーション法によりCHO/DG44(KC861)に遺伝子導入を行い、形質転換株の取得を行った。エレクトロポレ―ション後、G418(ナカライテスク社製)薬剤耐性を獲得した変異PERP発現細胞を取得した。エレクトロポレ―ションを行った後、終濃度0.6mg/mLのG418(ナカライテスク社製)を添加し、10−20日間培養を行い、変異PERPが導入された各形質転換株、CHO/hPERP、CHO/mPERP、CHO/mL−1、CHO/mL−2、CHO/DG、CHO/KSQ、およびCHO/EEを作製した。
実施例3(5)で精製したN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗PERPキメラ抗体の、上記実施例5(2)で作製したヒトPERPあるいは変異PERP形質転換株に対する結合活性を、蛍光抗体法を用いて、下記のように実施した。
1ウェル当たり1‐3×105個の新鮮な各形質転換株、あるいは上記細胞内染色処理を行った形質転換細胞株に、各N結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない抗PERPキメラ抗体をFCM用緩衝液(1%BSA−PBS、0.02%EDTA、0.05%NaN3)にて10μg/mLに希釈した溶液を、100μL/ウェルで分注し、氷中で30−60分間反応した。FCM用緩衝液で1回洗浄後、PE標識抗ヒトIgG(H+L)抗体(ベックマン・コールター社製)をFCM用緩衝液にて50倍に希釈した溶液を100μL/ウェルで加えた。遮光し氷中で30−60分間反応後、FCM用緩衝液で2回洗浄し、フローサイトメーターで蛍光強度を測定した。
(1)PERP発現細胞の造成
ヒトPERP遺伝子を含むプラスミドHEMBA1006335(GenBankアクセッション番号;AK074585、1ng/μL)を1μL、10×ExTaq 緩衝液2μL、2mmol/L dNTPを2μL、10μmol/Lの配列番号39および配列番号40に示される塩基配列からなるプライマーをそれぞれ 2μL、ExTaq polymerase(宝酒造社製)0.5μL、滅菌水10.5μLからなる溶液を、94℃で5分間加熱後、94℃で30秒間、65℃で30秒間、72℃で1分間からなる反応を25サイクル、72℃で7分間反応させた。反応産物をアガロースゲル電気泳動で分離し、約0.6kbの増幅断片をGENECLEAN Spin Kit(BIO101社製)を用いて抽出した。該断片と、pCRII−TOPOベクターとをTOPO TA cloning Kit(Invitrogen社製)を用いて連結した後、コーエンらの方法[Proc.Nalt.Acad.Sci.,USA,69,2110(1972)]により大腸菌DH5α株を形質転換した。得られた形質転換体よりプラスミド抽出キット(キアゲン社製)を用いてプラスミドを抽出し、ヒトPERP遺伝子を含むプラスミドpCRII−PERPを取得した。
pcDNA3.1(−)/myc−HisC(Invitrogen社製]をPmeIで消化し、上記と同様にして約170bpのmyc−Hisタグをコードする遺伝子を含むDNA断片を取得した。該断片と、XbaIおよびKpnIで消化後、T4 DNA polymerase(宝酒造社製)で末端の平滑化を行ったpBluescriptII SK(−)(ストラタジーン社製)とをDNAライゲーションキットver.2(宝酒造社製)により、連結した後、大腸菌DH5α株を形質転換した。得られた形質転換体よりプラスミド抽出キット(キアゲン社製)を用いてプラスミドを抽出し、プラスミドpBSmHを取得した。pBSmHは、制限酵素XbaIで該プラスミドを消化し、約2.9kbpおよび約160bpの2本の断片が生じた。
細胞は、10%ウシ胎児血清(ライフテクノロジー社製)、1×HT supplement(ライフテクノロジー社製)、1% Penicillin−streptomycin(ライフテクノロジー社製)を添加したIMDM培地(ライフテクノロジー社製)(以下、A3培地と表記する)で培養したものを用いた。CHO/DG44細胞をK−PBS緩衝液[137nmol/L塩化カリウム、2.7nmol/L塩化ナトリウム、8.1mmol/Lリン酸一水素二ナトリウム、1.5nmol/Lリン酸二水素一ナトリウム、4mmol/L塩化マグネシウム緩衝液]に懸濁して8×106細胞/mLの濃度に調製し、該細胞懸濁液200μLを上記発現プラスミドpcPERPmH 4μgと混和した。該混和液をキュベット(電極間距離2mm)に移し、GenePulserII(バイオラッド社製)装置を用いてパルス電圧0.35kV、電気容量250μFの条件で遺伝子導入を行った。キュベットを氷上で静置後、キュベット中の細胞懸濁液をA3培地中に懸濁し、37℃、5%CO2インキュベーター中で培養した。1日間培養後、0.5mg/mL G418(カルビオケム社製)を添加したA3培地に培地交換し、培養を続けた。途中希釈しながら継代を続け、遺伝子導入より約2週間後に、G418に耐性を有する形質転換細胞株を取得した。
上記で取得された形質転換細胞 1〜5×105個を15μLの1×PAGE bufferに溶解して95℃で5分間処理し、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動〔Antibodies−A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,1988)〕にて分画後、PVDF膜にブロッティングした。BSA−PBSでブロッキング後、抗mycモノクローナル抗体9E10(MBL社製)を室温で1時間反応させた。Tween−PBSで洗浄した後、第二抗体としてペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体(ダコ社製)を室温で1時間反応させた。Tween−PBSでよく洗浄した後、検出はECL−detection kit(アマシャム社製)を用いて行い、X線フィルム上に感光させた。
図5に結果を示した。分子量25kDa付近にシグナルが認められた株をPERP発現株(以下、PERP/CHO細胞と表記する)とした。
(2)−1 免疫原の調製
上記(1)で造成したPERP発現株を10%牛胎児血清入りIscove’s Modified Dulbecco’s培地(インビトロジェン社製)で2〜3日培養後、1匹あたりの細胞数が6×106個から1×107個の細胞数となるようにPBSに懸濁した。
参考例1(2)−1で調製した細胞を、百日咳ワクチン(千葉県血清研究所製)1×109細胞とともに6週令雌Balb/Cマウス3匹に投与した。投与1週間後より、毎週1回、計5回投与した。該マウスの眼底より部分採血し、その血中抗体価を以下に示す細胞を用いた蛍光抗体染色法を行い、FMAT8100HTSシステム(アプライドバイオシステム社製)およびフローサイトメーター(ベックマンコールター社製)で測定し、十分な抗体価を示したマウスから最終免疫3日後に脾臓を摘出した。
アッセイ用の細胞は参考例1(1)で造成したPERP/CHO細胞とCHO/DG44細胞を用いた。10%牛胎児血清入りIscove’s Modified Dulbecco’s培地[インビトロジェン社]で2〜3日培養し、Tripsin−EDTA溶液(インビトロジェン社製)で剥離した細胞を同一の培地に懸濁し、FMAT用黒色96ウエルプレートに7×103個/100μL培地/ウェルで播種し、1晩培養した。該プレートに一次抗体として被免疫マウス抗血清あるいはハイブリドーマ培養上清を5μL/ウェルで分注し、二次抗体としてALEXA647標識抗マウスイムノグロブリンG(H+L)(モレキュラープローブ社製)を50μL/ウェルで分注し、遮光下で4時間放置した。レーザー光633nmHe/Neで励起される 650nm〜685nmの波長をFMAT8100HTSシステム(アプライドバイオシステム社製)で測定した。
アッセイ用の細胞は参考例1(1)で造成したPERP/CHO細胞とCHO/DG44細胞を用いた。10%牛胎児血清入りIscove’s Modified Dulbecco’s培地(インビトロジェン社製)で2〜3日培養し、0.02%EDTA溶液(ナカライテスク社製)で剥離した細胞をPBSで洗浄し、抗体の非特異的な吸着を避けるためにBSA−PBSを用いて、氷温中で20分ブロッキングした。1×106個/100μL/BSA−PBSとなるように96ウェルU字プレートに分注し、遠心分離(1800rpm、2分間)した後、上清を除いて一次抗体として被免疫マウス抗血清、ハイブリドーマ培養上清を50μL/ウェル分注し、氷温中で30分間反応させた。PBSを用いて遠心分離法で3回洗浄し、二次抗体としてALEXA488標識抗マウスイムノグロブリンG(H+L)(モレキュラープローブ社製)を20μL/ウェル加えて氷温で遮光下、30分間反応させた。再びPBSを用いて洗浄し、PBSに懸濁してレーザー光488nmArで励起される510〜530nmの波長をフローサイトメーター(ベックマンコールター社製)で測定した。
8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞株P3X63Ag8U.1:P3−U1[ATCC CRL−1597:European Journal of Immunology,6,511(1976)]を正常培地(10%ウシ胎児血清添加RPMI培地)で培養し、細胞融合時に2×107個以上の細胞を確保し、細胞融合に供した。
上記(2)−2で得られたマウス脾細胞と(2)−5で得られた骨髄腫細胞とを10:1になるよう混合し、遠心分離(250×g、5分間)した後、上清を捨て、沈澱した細胞群をよくほぐした後、攪拌しながら、37℃で、ポリエチレングライコール−1000(PEG−1000)2g、MEM培地2mLおよびジメチルスルホキシド0.7mLの混液0.2〜1mL/108マウス脾細胞を加え、1〜2分間毎にMEM培地1〜2mLを数回加えた後、MEM培地を加えて全量が50mLになるようにした。遠心分離(900rpm、5分間)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、メスピペットによる吸込み、吸出しでゆるやかに細胞をHAT培地100mL中に懸濁した。
プリスタン処理した8週令ヌード雌マウス(BALB/c)に参考例1(2)−5で得られたハイブリドーマ株を5〜20×106細胞/匹それぞれ腹腔内注射した。10〜21日後、ハイブリドーマが腹水癌化することにより腹水のたまったマウスから、腹水を採取(1〜8mL/匹)した。
上記(2)−4 に示した方法に従って行なった。結果を図7に示す。KM3411はPERP/CHO細胞および大腸癌細胞株Colo205に反応して、CHO/DG44細胞およびPERPmRNAが発現してないPC1には反応しなかった。
(1) PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、かつ該細胞外領域に結合する抗PERPマウス抗体の可変領域をコードするcDNAの単離、解析
参考例1に記載のハイブリドーマKM3411より、mRNAの調製キットであるFast Track 2.0 Kit(Invitrogen社製)を用いて、添付の使用説明書に従い、ハイブリドーマ細胞4×107細胞より約39μgのmRNAを調製した。
上記(1)−1で取得した抗PERPマウス抗体KM3411のmRNAの1μgから、BD SMARTTM RACE cDNA Amplification Kit(BD Biosciences社製)を用いて、添付の使用説明書に従い、5’側にキット添付のBD SMART IITM A Oligonucleotide配列を有するcDNAを取得した。そのcDNAを鋳型として、キット添付のユニバーサルプライマーAmixと、配列番号41で示したマウスIg(γ)特異的プライマーを用いてPCR反応を行いVHのcDNA断片を増幅した。またIg(γ)特異的プライマーの代わりに配列番号42で示したマウスIg(κ)特異的プライマーを用いてPCRを行いVLのcDNA断片を増幅した。
プラスミドpKM3411H#9に含まれていたVHの全塩基配列を配列番号43に、該配列から推定された、シグナル配列を含んだ分泌型VHの全アミノ酸配列を配列番号37に、プラスミドpKM3411L#4に含まれていたVLの全塩基配列を配列番号44におよび該配列から推定された、シグナル配列を含んだ分泌型VLの全アミノ酸配列を配列番号38にそれぞれ示した。既知のマウス抗体の配列データ[SEQUENCES of Proteins of Immunological Interest, US Dept.Health and Human Services(1991)]との比較、並びに精製した抗PERPマウス抗体KM3411のH鎖およびL鎖のN末端アミノ酸配列をプロテインシーケンサー(島津製作所社製:PPSQ−10)を用いて解析した結果との比較から、単離した各々のcDNAは分泌シグナル配列を含む抗PERPマウス抗体KM3411をコードする完全長cDNAであり、H鎖については配列番号37に記載のアミノ酸配列の1から18番目が、L鎖については配列番号38に記載のアミノ酸配列の1から22番目が分泌シグナル配列であることが明らかとなった。
(2)−1 抗PERPキメラ抗体発現ベクターpKANTEX3411の構築
WO97/10354に記載のヒト化抗体発現用ベクターpKANTEX93と上記(1)−2で得られたプラスミドpKM3411H#9およびpKM3411L#4を用いて抗PERPキメラ抗体発現ベクターpKANTEX3411を以下のようにして構築した。
上記(2)−1で得られた抗PERPキメラ抗体発現ベクターpKANTEX3411を用いて抗PERPキメラ抗体の動物細胞での発現を、常法[Antibody Engineering,A Practical Guide,W.H.Freeman and Company(1992)]により行い、pKANTEX3411が導入された形質転換株KM3481を取得した。
上記(2)−2で得られた形質転換株を、通常の培養法で培養した後、細胞懸濁液を回収し、3000rpm、4℃の条件で5分間の遠心分離を行って培養上清を回収した後、培養上清は0.22μm孔径MillexGVフィルター(ミリポア社製)を用いて濾過滅菌した。得られた培養上清よりMab Select(アマシャム・バイオサイエンス社製)カラムを用いて、添付の説明書に従い、抗PERPキメラ抗体KM3481を精製した。
結果を図10に示した。精製した抗PERPキメラ抗体KM3481は、非還元条件下では分子量が約150キロダルトン(以下、Kdと表記する)の1本のバンドが、還元条件下では約50Kdと約25Kdの2本のバンドが認められた。これらの分子量は、IgGクラスの抗体は、非還元条件下では分子量は約150Kdであり、還元条件下では分子内のS−S結合が切断され、約50Kdの分子量を持つH鎖と約25Kdの分子量を持つL鎖に分解されるという報告[Antibodies−A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Chapter 14(1988)、Monoclonal Antibodies−Principles and Practice, Academic Press Limited(1996)]と一致し、抗PERPキメラ抗体KM3481が正しい構造の抗体分子として発現されていることが確認された。
Claims (19)
- 抗体の可変領域(以下、V領域と記す)にN結合型糖鎖が結合するコンセンサス配列を有さない、PERP遺伝子によりコードされるポリペプチドの細胞外領域の立体構造を特異的に認識し、該細胞外領域に結合する遺伝子組換え抗体または抗体断片であって、該抗体の重鎖可変領域(以下、VHと記す)の相補性決定領域(Complementarity Determining Region;以下、CDRと記す)1およびCDR3が、それぞれ配列番号3および5で示されるアミノ酸配列を含み、かつCDR2が、配列番号4、6、8および9から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含み、抗体の軽鎖可変領域(以下、VLと記す)のCDR1、2および3が、それぞれ配列番号11、12および13で示されるアミノ酸配列を含む遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト型キメラ抗体であって、VHが配列番号14、15、16および18から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト型キメラ抗体であって、VLが配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト型キメラ抗体であって、VHが配列番号14、15、16および18から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含み、かつ、VLが配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト化抗体であって、VHが配列番号30、31、32および34から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列または配列番号30、31、32および34から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列の27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト化抗体であって、VLが配列番号36で示されるアミノ酸配列または配列番号36で示されるアミノ酸配列の3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト化抗体であって、VHが配列番号30、31、32および34から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列または配列番号30、31、32および34から選ばれるいずれか1つで示されるアミノ酸配列の27番目のGlyをPheに、30番目のSerをThrに、41番目のProをPheに、44番目のLysをAsnに、45番目のGlyをArgに、49番目のIleをMetに、72番目のValをArgに、および97番目のAlaをThrに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含み、かつ、ヒト化抗体のVLが、配列番号36で示されるアミノ酸配列または配列番号36で示されるアミノ酸配列の3番目のGlnをValに、5番目のThrをIleに、35番目のTyrをPheに、42番目のAlaをSerに、46番目のLeuをTrpに、69番目のAspをSerに、70番目のPheをTyrに、71番目のThrをSerに、および77番目のLeuをMetに置換する改変から選ばれる少なくとも1つの改変が導入されたアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト化抗体であって、VHが配列番号51〜56のいずれか1つに示されるアミノ酸配列の19〜130番目のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト化抗体であって、VLが配列番号58〜63のいずれか1つに示されるアミノ酸配列の23〜128番目のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 遺伝子組換え抗体がヒト化抗体であって、VHが配列番号51〜56のいずれか1つに示されるアミノ酸配列の19〜130番目のアミノ酸配列を含み、かつヒト化抗体のVLが、配列番号58〜63のいずれか1つに示されるアミノ酸配列の23〜128番目のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- ハイブリドーマKM3411(FERMBP−8643)から生産されるモノクローナル抗体が認識するエピトープに結合する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖抗体(scFv)、二量体化V領域(Diabody)、ジスルフィド安定化V領域(dsFv)およびCDRを含むペプチドから選ばれる抗体断片である請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体断片。
- 該立体構造が、配列番号2で示されるアミノ酸配列の40番目のAsp、62番目のGluおよび63番目のGluを少なくとも含む立体構造である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片をコードするDNA。
- 請求項14に記載のDNAを含有する組換え体ベクター。
- 請求項15に記載の組換え体ベクターを宿主細胞に導入して得られる形質転換株。
- 請求項16に記載の形質転換株を培地に培養し、培養物中に請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片を生成蓄積させ、培養物から該抗体または該抗体断片を採取することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片の製造方法。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の遺伝子組換え抗体または抗体断片を有効成分として含有するPERP遺伝子が関与する疾患の治療剤。
- PERP遺伝子が関与する疾患が癌である、請求項18に記載の治療剤。
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