以下、本発明の第1の実施形態について図1〜7を参照しつつ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略構成)
まず、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1(画像形成装置に相当)について、図1を用いて構造の概略と、画像出力動作を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1の概略構造を示す模型的垂直断面左側面図である。尚、図1の右方がプリンタ1の前面側、左方が背面側である。
まず、図1に示すように、プリンタ1の正面上方に、使用者に対するメッセージ等を表示する操作パネル2(表示部に相当)が設けられる。操作パネル2は複数のLEDからなるインジケータ21や液晶表示部22や各種設定用の複数のキー23からなる。操作パネル2では、用紙切れやジャム発生等のエラー発生や印刷状況(印刷中や印刷完了)等の各種メッセージの表示をインジケータ21や液晶表示部22が行う(例えば、インジケータ21の点滅、点灯や液晶表示部22での文字表示等)。又、各キー23により、例えば、使用する用紙サイズの選択等、プリンタ1に関する各種操作、設定が行える。
又、図1に示すように、プリンタ1の本体の内部下方には、用紙供給を行うカセット30が配され、用紙がカセット30の内部に積載される。そして、給紙ローラ31が配され、モータ等の駆動装置(不図示)により回転駆動する。この給紙ローラ31の駆動により、用紙は、図1において、カセット30の右上方に向けて送り出される。
カセット30の用紙搬送方向下流に、用紙搬送路32(搬送ローラ対32a)、レジストローラ対33、画像形成部4a、及び転写部4bが配置される。カセット30から送り出された用紙は、用紙搬送路32を通ってレジストローラ対33に到達する。レジストローラ対33は、用紙の斜め送りを矯正し、画像形成部4aで形成されるトナー画像とのタイミングを計り、用紙を転写部4bへと送り出す。
画像形成部4aは、トナー像の形成を行う。この画像形成部4aが形成するトナー像が、転写部4bにより用紙に転写される。具体的に、画像形成部4aには、トナー像担持体としての感光体ドラム41が設けられる。本実施形態の感光体ドラム41は、アルミ等の金属の基体に、アモルファスシリコンの感光層が設けられる。尚、アモルファスシリコンに代え、OPC(organic photo conductor)による感光層が設けられていても良い。
画像形成(トナー像形成)を説明すると、感光体ドラム41の上部の帯電装置42が、コロナ放電により感光体ドラム41を所定の電位で帯電させる。尚、帯電装置42は、ローラや帯電ブラシを用いるものでも良い。その後、ユーザ端末100(図6参照)等からプリンタ1に送信された文字、図形等の画像データ等に基づき、画像形成部4a上方の露光装置43にて制御されるレーザ光Lが、感光体ドラム41に照射される。これにより、感光体ドラム41上に画像データに対応した静電潜像が形成される。そして、図1において感光体ドラム41の右側方の現像装置44が静電潜像にトナーを供給し、トナー像が現像される。
トナー像は、感光体ドラム41の回転により、感光体ドラム41と転写部4bの転写ローラ45とが圧接して形成される転写ニップ部46に進入する。この時、レジストローラ対33によって同期をとって用紙も転写ニップ部46に進入するとともに、転写ローラ45には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、用紙に、トナー像が転写される。
図1の感光体ドラム41の左方には、清掃装置5が設けられる。清掃装置5は、転写されずに残ったトナーや感光体ドラム41の付着物(以下、「廃トナー51」という。)を取り除き、清掃するものであり、感光体ドラム41の軸線方向と平行な方向にのび、感光体ドラム41に接する摺擦ローラ52が設けられる。摺擦ローラ52は、トナー像形成時、例えば、感光体ドラム41と同じ方向に回転し、感光体ドラム41の表面を研磨するようにして残トナー等を取り除く。尚、摺擦ローラ52の代わりに、清掃用のブラシや、樹脂等のブレードを感光体ドラム41に当接させ、清掃が行われても良い。
そして、図1において、摺擦ローラ52の左方に、摺擦ローラ52の軸線方向にのびる廃トナー搬送部材53が設けられる。廃トナー搬送部材53は、スクリュー状、螺旋状の羽などを有し、トナー像形成時などに回転する。この回転により、摺擦ローラ52により感光体ドラム41から除去された廃トナー51が図1の紙面奥行き方向(プリンタ1の左右側面の方向)のいずれか一方に向けて搬送される。そして、詳細は後述するが、最終的に廃トナー51は、廃トナー容器6(容器に相当)に収容、回収される。即ち、本実施形態のプリンタ1は、トナーを収容し、廃トナー容器6(詳細は後述するが、透光性)を有する。
次に、画像形成部4a及び転写部4bの用紙搬送方向下流には、トナー像が転写された用紙に加熱・加圧を行う定着装置47、用紙搬送路34(排出ローラ対34a、排出ローラ対34b)、及び排出トレイ35が配置される。転写部4bで未定着トナー像を担持した用紙は、定着装置47に送られる。具体的に、定着装置47には、例えば。発熱体を内蔵する加熱ローラ47aと、加熱ローラ47aに圧接して定着ニップ部48を形成する加圧ローラ47bが設けられ、このニップに用紙が進入してトナー像の定着が行われる。定着装置47から排出された用紙は、用紙搬送路34を通って上方へ送られ、排出口36から、本体の最上部の排出トレイ35に排出され、1枚の用紙の画像形成(印刷)が完了する。
(廃トナー容器6と、廃トナー容器内のトナー量検出)
ここで、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1では、トナー収容容器(本実施形態の説明では、廃トナー容器6。その他の容器としては、トナーコンテナ等)内のトナー量を検出する光センサ7を利用して、側面カバー1aを開閉を検出するためのスイッチを設けずとも側面カバー1aの開閉を確実に検出する点に特徴があるので、廃トナー容器6と、廃トナー容器内のトナー量検出の概要を図2乃至5を用いて、以下、説明する。
尚、図2は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1を左斜め上方から見た斜視図の一例である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る廃トナー回収機構の一例を説明するための説明図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る廃トナー容器内のトナー量検出の一例を説明するための説明図であり、(a)は、未満杯状態、(b)は満杯状態、(c)は、外乱光による満杯検出不可状態を示す。図5は、本発明の第1の実施形態に係る廃トナー量検出回路の一例を示す回路図である。
まず、図2に示すように、本実施形態のプリンタ1には、装置の筐体の一部として、開閉可能な側面カバー1a(カバーに相当)が設けられる(開閉方向を実線矢印で図示)。そして、廃トナー容器6は、側面カバー1aの開状態で露出する位置に配され、具体的に、プリンタ1の左側面内部に取り付けられる。そして、廃トナー容器6の取付時や、廃トナー容器6の満杯検出による廃トナー容器6の交換時には、プリンタ1の側面カバー1aが開けられ、取付、交換の作業がなされる。尚、図2おいて破線で示す回転体は、感光体ドラム41である。尚、プリンタ内部における感光体ドラム41や廃トナー容器6の設置位置には、ある程度制限があるので、通常、側面カバー1aを開けた状態では、外乱光が感光体ドラム41に照射される場合がある位置関係となる。尚、図2におけるプリンタ1上部の実線矢印は、印刷済み用紙の排出方向の一例を示す。
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る廃トナー回収機構について説明する。尚、図3では、画像形成部4aの構成は、感光体ドラム41と清掃装置5以外の部分は、便宜上図示を省略している。
図3に示すように、感光体ドラム41の軸線方向に沿って、清掃装置5が設けられ、この清掃装置5内に、摺擦ローラ52と廃トナー搬送部材53とが設けられる(図3では不可視)。尚、図1を用いて説明したように、摺擦ローラ52と廃トナー搬送部材53は、感光体ドラム41の軸線方向に沿って設けられる。そして、清掃装置5の一端の下面には、例えば、清掃装置5から廃トナー51を排出するための穴部54が設けられ、この穴部54に清掃装置5内の廃トナー51を運び出すための搬送管55が接続される。尚、清掃装置5からの廃トナー51の排出は、吸引装置(不図示)等を別途設けて行われてもよい。
そして、廃トナー搬送部材53は、穴部54及び搬送管55に向けて清掃装置5内の廃トナー51を搬送し、廃トナー51は、清掃装置5から搬送管55に送り出される。この搬送管55の他端側には、廃トナー容器6が接続される。この構成により、廃トナー51は、廃トナー容器6に送り込まれ、回収される。
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る廃トナー容器6での廃トナー量の検出機構(満杯検出機構)を説明する。
本実施形態のプリンタ1の廃トナー容器6は、最上部に、例えば円筒状の突出部6aを有する。この突出部6aの上面が開口し、この開口が、廃トナー51の投入口6bとなる。そして、光センサ7は廃トナー51の投入口6b部分を挟み込むように配される。そして、廃トナー容器6は、透光性(例えば、透明、半透明)を有する樹脂で形成される。
廃トナー容器6の取付位置で、プリンタ1には、突出部6aを挟むように光センサ7が設けられる。光センサ7は、発光部71と受光部72からなる。発光部71は、廃トナー容器6の満杯検出等を行う際に発光する光源(例えば、LED71a)を有し、受光部72に向けて光を発する。一方、受光部72は、光を受光すると、電流又は電圧を出力する受光素子を備える。受光素子としては、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いることができる(詳細は後述。本実施形態では、フォトトランジスタ72aを使用)。即ち、本実施形態のプリンタ1は、光源を有する発光部71と、受光した光量に応じて電圧又は電流を出力する受光部72とを有する光センサ7を備える。又、発光部71と受光部72は、廃トナー容器6の一部を挟むように配される。
図4(a)に示す状態では、廃トナー容器6は透光性を有するので、発光部71の光は廃トナー容器6を通り抜け、受光部72に到達する(透過光)。一方、図4(b)に示す状態では、廃トナー容器内には、廃トナー51が満たされて、ほぼ満杯の状態である。言い換えると、突出部6aまで廃トナー51が充填されている。この場合、発光部71を発光させても、突出部6aにまで到る廃トナー51の存在で、発光部71が発する光を受光部72は受光できない。即ち、発光部71を発光させた場合、図4(a)に示す未満杯状態と、図4(b)に示す満杯状態での、受光部72の出力は異なる。従って、受光部72の出力を監視し、側面カバー1aの閉状態で、発光部71が発光しても、受光部72が未受光状態であれば、廃トナー容器内の廃トナー51は、満杯と言うことができる。
図4(c)は、側面カバー1aが開けられているために、外乱光が受光部72に照射されて、満杯検出不可状態を示している。通常、プリンタ1は、室内に設置されるところ、外乱光としては、窓から室内に入る太陽光や、室内の蛍光灯、電気スタンド等のなどによる照明光などがある。この外乱光が受光部72に入射されると、廃トナー容器6が満杯であっても外乱光により、受光部72の出力が未満杯状態と区別ができない状態となり得る。従って、満杯検出を行う場合は、側面カバー1aは閉じ、外乱光のない状態で行うべきである。
ここで、図5に基づき、廃トナー容器内の廃トナー量検出用回路8の一例を述べる。
図5に示す廃トナー量検出用回路8では、光センサ7の発光部71と受光部72を含む回路である。まず、光センサ7の発光部71としてのLED71aは一端に電流制限用の抵抗R1を介して電源VDD1が接続され、他端はグランドに接続される。そして、LED71aと電源VDD1の間には、LED71aの点灯制御用のスイッチSWが設けられる。このスイッチSWのON/OFF制御は後述する制御部9のCPU91(図6参照)が行い得る。もし、CPU91が、そのポートP1を例えばHigh状態として、スイッチSWをONすれば、LED71aが点灯する。
そして、廃トナー容器6を挟み、LED71aの光を受ける位置に、受光部72としてのフォトトランジスタ72aが設けられる。フォトトランジスタ72aのエミッタは、グランドに接続され、コレクタは、抵抗R2とR3の2つの抵抗を介し、電源VDD2に接続される。尚、例えば、商用電源に接続され整流や降圧等を行い、プリンタ内の各部に電力を供給するためプリンタ内に設けられる電源装置94(図6参照)から、電源VDD1、VDD2は電力の供給を受ける。尚、電源VDD1と電源VDD2は、同じ電源としてもよい。
そして、抵抗R2と抵抗R3の間の電圧VoがCPU91のポートP2に取り込まれる。ここで、本実施形態では、このVoをフォトトランジスタ72aの出力電圧として利用し、CPU91に取り込まれた出力電圧Voは、CPU91内のA/D変換回路で、その電圧値が認識される。言い換えると、フォトトランジスタ72aに流れる電流を抵抗R2で電圧に変換し、その結果がCPU91に入力される。
もし、LED71aの発光時、廃トナー容器6が未満杯状態であれば(図4(a)の状態)、フォトトランジスタ72aにLED71aの光は到達しON状態となる。そうすると、出力電圧Voの電圧値は、ほぼ、電源VDD2を、抵抗R2とR3とで分圧した値となる。そうすると、CPU91のポートP2に入力される出力電圧Voは、未満杯状態では、電源VDD2よりも小さくなる(Low状態)。例えば、抵抗R2を抵抗R3に対して十分小さい抵抗値にしておけば、未満杯状態と満杯状態での出力電圧Voの変化は、大きくなる。
一方、LED71aの発光時に、廃トナー容器6が満杯状態であれば(図4(b)の状態)、フォトトランジスタ72aにLED71aの光は到達せず、OFF状態のままである。そうすると、フォトトランジスタ72aは導通せず、出力電圧Voは、ほぼ電源VDD2の電圧値を示す。そうすると、CPU91のポートP2に入力される出力電圧Voは、未満杯状態では、電源VDD2とほぼ同じとなる(High状態)。
更に、側面カバー1aが開いていて、外乱光がフォトトランジスタ72aに照射されている状態であれば(図4(c)の状態)、フォトトランジスタ72aはLED71aの点灯、非点灯にかかわらず、ON状態となる。従って、LED71aが消灯状態で、CPU91のポートP2に入力される出力電圧Voが、満杯状態での出力電圧Voよりも小さければ、側面カバー1aは開いていると判定することができる。又、外乱光の光量に応じ、フォトトランジスタ72aは流れる電流が変化し、出力電圧Voの値は、外乱光のフォトトランジスタ72aへの入射光量が多いほど小さくなる。従って、出力電圧Voの電圧値をみれば、側面カバー1aの開口部から、プリンタ内部に照射される光の光量を把握することができる。
(画像形成装置のハードウェア構成)
次に、図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1のハードウェア構成について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1の一例を示すブロック図である。
まず、図6に示すように、本実施形態のプリンタ1本体内に、装置の制御を行うとともに受光部72の出力が入力される制御部9を備え、制御部9は、CPU91、I/F部92、記憶部93等で構成される。前記CPU91は、中央演算処理装置として機能し、記憶部93に記憶され、又は入力されるプログラム、データに基づき、各種演算を行い、プリンタ1の各部を制御する。又、CPU91は、フォトトランジスタ72aのコレクタの出力電圧Voが入力され、その電圧値を把握し、廃トナー容器6の満杯検出及び側面カバー1aの開閉状態を判断する。
記憶部93は、例えば、RAM、HDD、フラッシュROM等のメモリで構成される。この記憶部93により、制御用プログラム、制御用データ、画像データ、使用者によるプリンタ1の設定情報等を、不揮発的に記憶し、展開することができる。又、本発明を実施するため、記憶部93は、光センサ7を用いて、廃トナー容器6の廃トナー量を検出や側面カバー1aの開閉状態を検出し、その表示を行うためのプログラムやデータを記憶する。
前記I/F部92は、複数種のコネクタ、ソケットを有し、プリンタ1に外部コンピュータとしてのユーザ端末100等を、直接又はネットワーク等により通信可能に接続するためのインターフェイスである。そして、プリンタ1の制御部9は、ユーザ端末100等から画像データや、画像形成の際の設定データの送信を受けて画像形成を行う。尚、図4では、便宜上1つのみユーザ端末100を図示しているが、当然複数のユーザ端末100を接続してもよい。又、例えば、I/F部92に携帯メモリ(不図示)を挿入し、携帯メモリ内の画像データに基づいて印刷を行うこともできる。
そして、制御部9は、I/Oポート(不図示)やバス(不図示)でプリンタ内の各部と接続され、制御部9は、カセット30、用紙搬送路32、34、画像形成部4a、転写部4b、操作パネル2、光センサ7、定着装置47等の各部の動作を制御する。
特に、画像形成部4aについて言えば、制御部9は、帯電装置42、露光装置43、現像装置44での電気的な動作(帯電、露光装置43のレーザ出力、現像装置44でのバイアス等)を制御する。又、制御部9は、感光体ドラム41や、現像装置44の現像ローラや、清掃装置5の摺擦ローラ52、廃トナー搬送部材53を回転させる際の駆動力を供給するメインモータM1のON/OFFの制御を行う。例えば、制御部9は、印刷時、メインモータM1をONして、感光体ドラム41、摺擦ローラ52、廃トナー搬送部材53を回転させる。
又、特に、本発明に関し、制御部9(CPU91)は、上述したように光センサ7の発光部71(LED71a)の点灯を制御する。又、制御部9(CPU91)は、光センサ7の受光部72(フォトトランジスタ72a)の出力を受け、廃トナー容器6の満杯、未満杯、側面カバー1aの開閉状態等を検出する(詳細は後述)。
(光センサ7を用いたカバー開閉状態検出と廃トナー量の検出)
次に、図7に基づき、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1について、側面カバー1aの開閉を検出するためのスイッチ(例えば、インターロックスイッチ)を設けずに、光センサ7を用いたカバー開閉状態検出と廃トナー量の検出を行う際の制御の流れの一例を説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係るカバー開閉状態検出と廃トナー量の検出の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図7のスタートは、光センサ7のカバー開閉状態検出と廃トナー量の検出の実行時である。ここで、これらの検出動作の実行動作の周期は、例えば、数秒間程度、より好ましくは1秒間程度とすることが好ましい。言い換えると、廃トナー容器6の交換等のため、側面カバー1aを開けられたと遅滞なく検出できる時間である。即ち、フローが終了するごとに、一定の周期で、再度フローを開始することができる。尚、このような制御により、光センサ7の発光部71(LED71a)は常時点灯状態とはならず、光センサ7の長寿命化を図ることができる。
次に、フロー開始後、制御部9は、LED71aの状態を消灯状態で保持する(ステップ♯1)。次に、制御部9(CPU91)は、受光部72(フォトトランジスタ72a)が、受光状態であるかを確認する(ステップ♯2)。即ち、フォトトランジスタ72aの出力電圧Voから、側面カバー1aが開いているため、フォトトランジスタ72aに光が照射された状態かを確認する。
もし、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出し、受光状態であれば(ステップ♯2のYes)、側面カバー1aが開いているので、制御部9は、操作パネル2の液晶表示部22やインジケータ21により、側面カバー1aを閉じる旨の表示を行う(ステップ♯3)。例えば、液晶表示部22に「ソクメンカバーガアイテイマス。トジテクダサイ」といった表示を行うことができる。
一方、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出せず、受光状態ではない場合(ステップ♯2のNo。CPU91に入力されるフォトトランジスタ72aの出力電圧VoはHigh)、制御部9は、側面カバー1aは閉じていると(閉状態)認識し、LED71aを発光させる(ステップ♯4)。
そして、ステップ♯2と同様に、制御部9(CPU91)は、フォトトランジスタ72aが、受光状態であるかを確認する(ステップ♯5)。もし、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出し、受光状態である場合(ステップ♯5のYes)、制御部9は、廃トナー容器6が未満杯状態と判断し(ステップ♯6)、処理を終了する(エンド)。
一方、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出せず、受光状態でない場合(ステップ♯5のNo)、廃トナー容器6が満杯状態であると判断し、満杯状態判断回数のカウント数に1を加える(ステップ♯7)。次に、満杯状態判断回数のカウント数が所定回数を超えていないか確認する(ステップ♯8)。このステップ♯7とステップ♯8を行う理由は、搬送管55からちょうど廃トナー容器6に廃トナー51が投入されたタイミングでフォトトランジスタ72aの出力をCPU91が確認した場合、満杯状態と誤検知してしまう場合があるためである。この誤検知を避けるため、所定回数連続して満杯状態と判断された場合のみ(ステップ♯8のNo)、制御部9は、操作パネル2に廃トナー容器6が満杯状態である旨の表示を行う(ステップ♯9)。例えば、液晶表示部22に「ハイトナーガマンパイジョウタイデス。ヨウキヲコウカンシテクダイ。」といった表示を行うことができる。尚、所定回数は、任意に定めることができる(例えば、数回〜十数回。)。
尚、満杯表示時、廃トナー容器6の交換確認のため、廃トナー容器6交換が完了し、側面カバー1aを閉じた段階で、使用者が、液晶表示部22等による操作パネル2へのキー操作を行うことを要求しても良い(例えば、液晶表示部22でその旨を表示)。廃トナー容器6が未装着で印刷が行われれば、廃トナー51で機内を汚染してしまうからである。
一方、満杯状態判断回数が所定回数に到っていない場合(ステップ♯8のYes)、例えば、ステップ♯1に戻ればよい。尚、ループした結果、ステップ♯6に到った場合、制御部9は、満杯状態の誤検知のため、制御部9は、満杯状態判断回数をクリアする。
このように、制御部9は、発光部71の点灯状態における受光部72の電圧値又は電流値から、廃トナー容器内のトナー量を判断するとともに、発光部71の消灯状態における受光部72の電圧値又は電流値から、側面カバー1aの開閉状態を判断し、側面カバー1aが開いていると判断した場合、操作パネル2に、側面カバー1aを閉じる旨のメッセージを表示させる。具体的に、制御部9は、発光部71が発光状態で、受光部72が受光していることを検出できない場合、廃トナー容器6は満杯状態と判断する。又、最初に、発光部71が消灯している状態で、受光部72が受光状態であるか否かで、制御部9は、側面カバー1aの開閉状態を判断し、その後、側面カバー1aが閉状態と判断された場合、発光部71が発光し、受光部72の出力により、制御部9は、廃トナー容器6のトナー量を判断する。
このようにして、本発明の第1の実施形態の構成によれば、発光部71の消灯状態における受光部72の電圧値又は電流値から、カバー(側面カバー1a)の開閉状態を判断し、インターロックスイッチ等のカバー開閉用検知用のスイッチを設けなくてもカバーの開閉状態を検出できるので、従来設けられていたスイッチを削除することができ、製造コストを削減することができる。又、制御部9は、カバーが開状態と判断した場合、表示部(操作パネル2)に、カバーを閉じる旨のメッセージを表示させるので、カバーが開いていれば、室内の照明による光や室内に照射される太陽光等の何らかの光(以下、「外乱光」という。)が機内の感光体ドラム41に照射されて異常画像の発生の危険性を使用者に警告できる。
又、感光体ドラム41に外乱光が照射されると(例えば、紫外線)、感光体ドラム41の帯電特性に変化が生じ、感光体ドラム41の劣化の原因となる。この感光体ドラム41の劣化が生ずると、例えば、形成しようとする画像の濃度と異なる画像が形成されてしまう要因となり、画像品質低下の要因となり好ましくない。従って、カバーを閉じる旨のメッセージを表示させ、感光体ドラム41の劣化の危険性も使用者に警告することができる。
又、制御部9は、発光部71が発光状態で、受光部72が受光していることを検出できない場合、容器は満杯状態と判断するので、光センサ7を、カバーの開閉状態検出に利用しつつ、確実に廃トナー容器内の廃トナー量を検出できる。又、最初にカバーの開閉状態を検出した後、容器内のトナー量を検出することができる。従って、カバーの開状態では、受光部72に外乱光が照射されるため、カバー開状態では、トナー容器内のトナー量を検出せず、カバー閉状態でのみ、廃トナー容器内の廃トナー量を検出する制御を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、図8を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係るカバー開閉状態検出と廃トナー量の検出の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
第2の実施形態は、光センサ7を用いて、カバー開閉状態検出と廃トナー量の検出する点など、基本的に同じであるが、第1の実施形態とは、最初に発光部71(LED71a)を発光させ、廃トナー容器6の廃トナー量を確認する点で異なるなど、確認、制御の順序の点で異なる。又、外乱光照射による感光体ドラム41の劣化の有無の判断や、印刷の停止をさせるかどうかの判断を行う制御を追加した応用である点でも異なる。そこで、以下、第2の実施形態について説明する。尚、プリンタ1の構成自体は、第1と第2の実施形態では異ならず、同一の部分については、説明、図示を省略し、又、同一の符号を用いて説明を行う。
まず、図8のスタートは、光センサ7のカバー開閉状態検出と廃トナー量の検出の実行時である。ここで、これらの検出動作の実行動作の周期は、第1の実施形態と同様でよい。次に、制御部9は、LED71aを発光させる(ステップ♯11)。次に、制御部9(CPU91)は、受光部72(フォトトランジスタ72a)が、受光状態であるか確認する(ステップ♯12)。もし、フォトトランジスタ72aが受光状態ではない場合(ステップ♯12のNo。CPU91に入力されるフォトトランジスタ72aの出力電圧VoはHigh)、廃トナー容器6が満杯状態であると判断し、満杯状態判断回数のカウント数に1を加える(ステップ♯13)。即ち、LED71aを点灯させても、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出しなければ、側面カバー1aが閉じられていることが確認される。更に、満杯状態であることも検出できる。
次に、満杯状態判断回数のカウント数が所定回数を超えていないか確認する(ステップ♯14)。このステップ♯13とステップ♯14を行う理由は、第1の実施形態と同様、満杯状態の誤検知を回避するためである。所定回数連続して満杯状態と判断された場合(ステップ♯14のNo)、制御部9は、操作パネル2に廃トナー容器6が満杯状態である旨の表示を行う(ステップ♯15→エンド)。尚、その表示内容は、第1の実施形態と同様でよい。一方、満杯状態判断回数が所定回数に到っていない場合(ステップ♯14のYes)、例えば、ステップ♯11に戻ればよい。
もし、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出し、受光状態である場合(ステップ♯12のYes)、制御部9は、側面カバー1aが開いている又は、廃トナー容器6は未満杯状態と認識し(ステップ♯16)、制御部9は、LED71aを消灯させる(ステップ♯17)。そして、制御部9は、フォトトランジスタ72aが、受光状態であるかを確認する(ステップ♯18)。フォトトランジスタ72aが、光の照射を検出せず、受光状態ではない場合(ステップ♯18のNo)、制御部9は、廃トナー容器6が未満杯状態と判断し(ステップ♯19)、処理を終了する(エンド)。
もし、フォトトランジスタ72aが光の照射を検出し、受光状態である場合(ステップ♯18のYes)、制御部9は、側面カバー1aが開いていて、外乱光が機内に入り込む状態と認識する(ステップ♯20)。次に、制御部9は、フォトトランジスタ72aの出力を確認し(ステップ♯21)、プリンタ1の内部に照射される光が一定量以上かを確認する(ステップ♯22)。
ここで、感光体ドラム41における感光層への太陽光や室内照明光の直接照射は、帯電特性の変化(感光層の組成の変化)の原因となり、一般的に避けるべきとされる。尚、アモルファスシリコンの感光体ドラム41の場合は、室内照明光程度ならば耐え得る場合もあるが好ましくない。そして、図2に示すように、側面カバー1aが開いているため、プリンタ1の内部に照射される光が一定量以上であると、感光体ドラム41の急速な劣化を招く畏れがある。そこで、CPU91に入力されるフォトトランジスタ72aの出力電圧Voを確認して、プリンタ1の内部の感光体ドラム41に照射される光量を確認する。
そして、制御部9がプリンタ1の内部に照射される光が一定量以上であると判断した場合(ステップ♯22のYes)、制御部9は、操作パネル2に感光体ドラム41の劣化を招く畏れがあるため、側面カバー1aを閉じる旨の表示を行う(ステップ♯23)。この場合、例えば、制御部9は、液晶表示部22に「ソクメンカバーヲトジテクダサイ(カンコウタイドラムノレッカ)」のような表示を行わせることができる。これにより、側面カバー1aを閉じることの緊急性を使用者は把握できる。
具体的に、プリンタ1の内部に照射される光が一定量以上であるか否かは、CPU91に入力されるフォトトランジスタ72aの出力電圧Voが閾値を下回るか否かにより判断することができる。そして、第2の実施形態でも適用される図5に示した回路では、フォトトランジスタ72aへの光の照射量が多いほど、CPU91に入力される出力電圧Voは低くなる。そして、出力電圧Voの最低値は、抵抗R2とR3の抵抗値や、電源VDD2や、フォトトランジスタ72aの特性によって定まり、閾値は、出力電圧Voがとり得る最低値と、最高値(ほぼ電源VDD2の電圧値)の間で任意に定めることができる。
例えば、感光体ドラム41の劣化を急速に招くほどの光量を繰り返しの実験により導き出し、その光量で側面カバー1aを照射した際の出力電圧Voの値が、閾値と定められても良い。又、感光体ドラム41に光が照射されると、照射部分の帯電がキャンセルされ(露光装置43による露光と同様)、異常画像が発生する場合があるので、異常画像が発生し始める側面カバー1aへの照射光量を実験により導き出し、その光量で側面カバー1aを照射した際の出力電圧Voの値が閾値と定められても良い。又、例えば、側面カバー1aに太陽光が照射された場合の出力電圧Voと定めても良い(この場合、閾値は、出力電圧Voがとり得る最低値となり得る)。又、プリンタ1は、事務所、事務室に設置されることが多い点を勘案して、例えば、JISの照度基準(JIS Z 9110 付表1)における300〜1500ルクス程度での室内照明下での出力電圧Voを基準に定めても良い。このように閾値は、適宜設定できる。
そして、更に、プリンタ1の内部に照射される光が一定量以上である場合、制御部9は、印刷を実行しようとする印刷ジョブを有するか確認する(ステップ♯24)。もし、印刷ジョブがあれば(ステップ♯24のYes)、制御部9は、印刷ジョブの実行を停止させる(ステップ♯25)。これは、プリンタ1の内部に照射される光が一定量以上であると異常画像が形成される蓋然性が高いためである。そして、制御部9は、LED71aの消灯状態で、出力電圧Voを確認し、側面カバー1aが閉じられたかを確認する(ステップ♯26)。もし、側面カバー1aが閉じられたことを検出できなければ(ステップ♯26のNo)、確認作業を継続し(ステップ♯26のループ)、側面カバー1aが閉じられたことを検出できれば(ステップ♯27のYes)、印刷を再開する(ステップ♯27→エンド)。
一方で、制御部9がプリンタ1の内部に照射される光が一定量以上でないと判断した場合(ステップ♯22のNo)、又、印刷ジョブがない場合(ステップ♯24のNo)、本制御は終了する(エンド)。尚、制御部9が、プリンタ1の内部に照射される光が一定量未満であると判断した場合(ステップ♯22のNo)、異常画像が形成される蓋然性は低いので、印刷ジョブがあった場合、使用者の利便性を優先して、印刷動作は継続される。
このように、本実施形態では、最初に、発光部71が点灯している状態で、受光部72が受光状態であるか否かで、制御部9は、廃トナー容器6のトナー量を判断し、その後、発光部71が消灯し、受光部72が受光状態であるか否かで、制御部9は、カバー(側面カバー1a)の開閉状態を判断する。又、カバーが開状態と判断された場合、制御部9は、機体内部に照射される光が一定量を以上か否かを判断するための予め設定される閾値と、受光部72の出力とを比較し、印刷時、制御部9は、機体内部に照射される光が一定量を以上と判断した場合、印刷動作を停止させ、機体内部に照射される光が一定量未満と判断した場合、印刷動作を継続させる。
このようにして、本発明の第2の実施形態の構成によれば、最初に発光部71が点灯し、受光部72が受光状態であるか否かで、制御部9は、容器(廃トナー容器6)のトナー量を判断するので、この時、受光部72が受光状態でなければ、制御部9は容器が満杯であること、及び、カバーの閉状態であることを認識できる。その後、発光部71が消灯し、受光部72が受光状態であれば、カバー(側面カバー1a)が開状態であることを、受光部72が受光状態でなければ容器が未満杯状態であることを、制御部9はそれぞれ認識することができる。従って、最初の発光部71の発光時の受光部72の出力が、受光状態を示す場合のみ、発光部71を消灯すればよい。
又、機体内部に照射される光が一定量未満程度であれば、印刷を継続することができる。一方、機体内部に照射される光が一定量以上と判断した場合、異常画像が発生する可能性が高いため、印刷動作を停止させることができる。従って、使用者の利便性の高い画像形成装置(例えば、プリンタ1)を提供することができる。
次に、他の実施形態について説明する。上記の第2の実施形態では、プリンタ1の内部に照射される光が一定量未満であると判断した場合、印刷を継続していたが、側面カバー1aの開状態を検出すれば、印刷動作を開始しない又は停止させ、印刷ジョブの実行を全て停止させても良い。これにより、カバーが開状態であると、例えば、感光体ドラム41等に光が照射され、異常画像発生等の原因となりうるが、制御部9は、カバーが開状態であると印刷動作を開始しない又は停止させるので、エラーの発生を確実に防止することができる。
又、上記実施形態では、モノクロ(白黒)の画像形成装置について説明したが、複数色のトナーを使用する画像形成装置であって、各色の廃トナーを容器に回収し、廃トナー容器の取付、交換のためにカバーを有する画像形成装置であれば、本発明は適用される。即ち、本発明は、カラー、モノクロを問わす適用され得る。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。