JP5094079B2 - レジストの剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レジストの剥離方法に関するものであり、半導体デバイスの製造工程において好適に使用可能なレジストの剥離方法に関するものである。特に半導体デバイスの製造工程における基板上に存在するレジストの剥離に好適に使用できる。また、本発明のレジスト剥離方法はイオンインプランテーションされたレジストの剥離方法に好適に使用できる。
半導体集積回路は、基板上にフォトレジストを塗布し、露光、現像の後エッチングを行い、回路を形成した後、フォトレジストを基板上から剥離するか、回路形成の後、アッシングを行い、レジストを除去した後、残ったレジスト残渣を剥離する方法で製造される。
半導体製造装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体基板上からレジストを除去する工程があり、色々な方法により除去される。従来、レジストの除去方法としては酸素・オゾンなどの活性プラズマを用いて灰化して除去する方法、過酸化水素、硫酸等の薬液によりレジストを酸化もしくは水溶化することにより除去する方法、アミン類と有機溶媒により構成される除去剤により溶解除去する方法がある。これらの技術は例えば特許文献1及び2に開示されている。
酸素・オゾンなどの活性プラズマを用いて灰化する方法では、基板損傷の問題に加え、プロセス数が多いため、処理に時間がかかることや、大量の廃液が発生するという問題がある。
また、近年はリソグラフィーにおいて、イオン注入などの工程が実施され、イオン注入量も増加の傾向にある。イオン注入されたレジストは炭化、架橋し、レジストの最表面が変質することが知られている。その変質した表面硬化層は、通常の過酸化水素、硫酸等の薬液による酸化除去、アミン類と有機溶媒により構成される除去剤による溶解除去では除去が困難になりつつある。
このため、先のプラズマを用いた手法と過酸化水素、硫酸等の薬液により酸化する手法とを併用することによってレジストを除去しているが、実用十分なレジストの除去は達成できていない。
また、アミン類と有機溶媒により構成される除去剤により溶解除去する方法では、剥離に要する処理時間が長く、またイオン注入されて変質したレジストを完全に溶解することは困難である。
特開2002−156765号公報 特開2005−43874号公報
本発明の課題は基板の表面に存在するレジストの剥離性能を向上させることができるレジスト剥離方法を提供することである。
上記のレジスト剥離に関わる問題点について、本発明者は鋭意検討した結果、下記<1>に記載の手段により問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。好ましい実施態様である<2>〜<4>と共に以下に記載する。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
<1> アミン化合物及びアルキレングリコール類を含有する剥離液でレジストを剥離する第1の剥離工程、並びに、酸化剤を含む溶液でレジストを剥離する第2の剥離工程をこの順で含むことを特徴とするレジストの剥離方法、
<2> 第1の剥離工程及び第2の剥離工程を、この順で2回以上繰り返す、<1>に記載のレジストの剥離方法、
<3> 酸化剤を含む溶液が過酸化水素を含有する溶液である<1>又は<2>に記載のレジストの剥離方法、
<4> 上記レジストがイオンインプランテーションされたレジストである<1>〜<3>いずれか1つに記載のレジストの剥離方法。
本発明によれば、優れた剥離効果を示すレジストの剥離方法を提供することができる。特に、本発明のレジストの剥離方法は、イオンインプランテーションされたレジストの剥離方法に好適に使用される。
本発明のレジストの剥離方法は、アミン化合物及びアルキレングリコール類を含有する剥離液でレジストを剥離する第1の剥離工程及び、酸化剤を含む溶液でレジストを剥離する第2の剥離工程をこの順で含むことを特徴とする。

本発明は、アミン化合物及びアルキレングリコール類を含有する剥離液でレジストを溶解もしくは、軟化させて一部分を剥離した後、酸化剤を含む溶液を用いて残りのレジストを酸化分解、剥離する方法であり、特にこれらの操作を繰り返すことにより基板上に存在するレジストを効果的に除去することができる。
本発明は半導体基板上のレジストの剥離に好適に使用することができる。
以下発明を詳細に説明する。
<剥離液>
本発明において、レジスト剥離液(単に剥離液ともいう。)はアミン化合物及びアルキレングリコール類を含有する。
アミン化合物の濃度は、剥離液に対して10〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜55重量%であり、更に好ましくは20〜50重量%である。アミン化合物の濃度10重量%以上であると、剥離性能が高いため好ましい。また、60重量%以下であると基板へのダメージが少ないため好ましい。
アルキレングリコール類は、剥離液に対して5〜70重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましく、15〜50重量%であることが更に好ましい。アルキレングリコール類の添加量が5重量%以上であると剥離性能が高いため好ましい。また、アルキレングリコール類の添加量が70重量%以下であると剥離液の粘性が高くなりすぎないため好ましい。
また、本発明において、アミン化合物とアルキレングリコール類の総量が、剥離液の30〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜90重量%であり、更に好ましくは50〜85重量%である。アミン化合物とアルキレングリコール類の総量が上記範囲内であると剥離性濃が高く、基板へのダメージが少ないため好ましい。
尚、アミン化合物とアルキレングリコール類の他に、水、pH調整剤等を添加することが好ましい。
(アミン化合物)
本発明において、剥離液に含まれるアミン化合物としてはヒドロキシルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N−エチルエタノールアミン(エチルアミノエタノール)、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン(ジエチルアミノエタノール)、N−n−ブチルエタノールアミン、ジ−n−ブチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物等やその塩が例示できる。
アミン化合物としては、有機アミン化合物であることが好ましく、ジエチルアミン、エチルアミノエタノール、ブチルアミノエタノール、テトラメチルアンモニウム水酸化物が特に好ましく例示できる。
本発明において、レジスト剥離液は少なくとも1種のアミン化合物を含有するが、2種以上のアミン化合物を併用することもできる。
(アルキレングリコール類)
本発明の剥離液に含まれるアルキレングリコール類としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール化合物及びそれらのモノエーテル又はジエーテル化合物並びにそれらの塩が例示できる。更に、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコール、テトラアルキレングリコール等のアルキレングリコール数が2〜4の化合物及びそれらのモノエーテル又はジエーテル化合物並びにそれらの塩が例示できる。本発明において、好ましいアルキレン基は、エチレン基である。すなわち、本発明において、アルキレングリコール類として、エチレングリコール類を使用することが好ましい。
具体的にはエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート及び、これらのエチレングリコール数が2〜4の化合物(ジエチレングリコール類、トリエチレングリコール類及びテトラエチレングリコール類)が例示でき、好ましくはジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを挙げることができる。
また、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート及び、これらのプロピレングリコール数が2〜4の化合物(ジプロピレングリコール類、トリプロピレングリコール類及びテトラプロピレングリコール類)が例示でき、好ましくはジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルを挙げることができる。
<酸化剤を含む溶液>
本発明に使用する酸化剤としては、具体的には、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水及び銀(II)塩、鉄(III)塩及び過酸化水素と硫酸の混合物が例示できる。過酸化水素と硫酸の混合物がより好ましく用いられる。
酸化剤を含む溶液の溶剤としては超純水イオン交換水、蒸留水などの各種の水、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン等のラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類の極性有機溶媒が例示できる。溶剤は水、アルコール類、スルホキシド類、イミダゾリジノン類であることが好ましく、水であることがより好ましい。
また、本発明において、酸化剤を含む溶液は過酸化水素を含む溶液であることが好ましく、過酸化水素と硫酸の混合物溶液であることがより好ましい。
本発明において、酸化剤を含む溶液は、酸化剤の5〜20重量%溶液であることが好ましく、10〜15重量%溶液であることがより好ましい。
(pH調整剤)
本発明において、剥離液を所望のpHとするために、酸又は緩衝剤を添加することも好ましい。
酸又は緩衝剤としては、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの有機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等の緩衝剤を挙げることができる。特に好ましい酸として乳酸がある。
本発明の剥離液に使用可能な溶媒としてはメタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン等のラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類の極性有機溶媒が挙げられる。これらの中でもN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドを好ましく使用することができる。
<剥離方法>
本発明のイオンインプランテーションされたレジストの剥離方法は、アミン化合物及び、アルキレン化合物を含む剥離液で剥離する第1の剥離工程及び酸化剤を含む溶液で剥離する第2の剥離工程をこの順で含むことを特徴とする。
(アミン化合物及び、アルキレン化合物を含む剥離液で剥離する第1の剥離工程)
第1の剥離工程は公知のいずれの方法により行うことができる。具体的には剥離液と剥離するレジストが接触可能な方法であることが好ましい。
第1の剥離工程としては、浸漬法、噴霧法及び、枚葉方式を用いた方法等が例示でき、適切な温度、適切な時間処理される。
第1の剥離工程において剥離温度は、用いる溶媒、方法によっても異なるが、一般的には20〜80℃であることが好ましく、40〜60℃であることがより好ましい。剥離温度が上記範囲内であると濃度変化が少なく、剥離性能が維持できるため好ましい。
(酸化剤を含む溶液で剥離する第2の剥離工程)
本発明において、酸化剤を含む溶液による第2の剥離工程は、公知のいずれの方法も使用できる。具体的には、浸漬法、噴霧法、塗布法などのいずれの方法も使用できる。これらの中でも浸漬法、噴霧法が好ましく、浸漬法がより好ましい。
また、第2の剥離工程は100〜160℃で行われることが好ましく、120〜150℃で行われることがより好ましい。
第2の剥離工程において、レジストに酸化剤を含む溶液を5〜30分接触させることが好ましく10〜20分接触させることがより好ましい。接触時間が5分以上であると、イオンインプランテーションされたレジストを剥離することができるので好ましい。また、接触時間が30分以下であると、剥離方法に要する時間が短時間であるので好ましい。
本発明のレジストの剥離方法において、上記のアミン化合物及びアルキレングリコール化合物を含む剥離液による剥離工程及び酸化剤を含む溶液で剥離する剥離工程を2回以上繰り返してレジストを剥離することも好ましい。即ち、一連の剥離工程(第1及び第2の剥離工程)の後、再び一連の剥離工程を繰り返すものである。
このようにアミン化合物及び、アルキレン化合物を含む剥離液で剥離する第1の剥離工程及び酸化剤を含む溶液で剥離する剥離工程を2回以上繰り返すことにより、レジストの除去のが向上するので好ましい。一連の工程はレジストが完全に除去されるまで任意の回数で繰り返すことができるが、1〜3回繰り返すことが好ましく、1〜2回繰り返すことが更に好ましい。
本発明のレジストの剥離方法は、イオンインプランテーション(イオン注入)されたレジストの剥離方法に好適に使用される。イオンインプランテーションにより剥離が困難となったレジストに対し、改質工程を行うことによって、効果的に剥離をすることが可能となるものである。
本発明は、半導体工業に使用される公知のレジストに適用可能であり、特にKrFポジティブフォトレジストに使用することが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するがこれらの実施例に本発明が限定されるものではない。実施例中「部」とあるのは、特にことわりがない限り重量部を表す。
レジスト除去試験は以下の通りに行った。
(試料の作製)
シリコンウエハ上に汎用レジスト(市販のKrFレジスト)をレジストの厚さが1000Å程度になるように塗布した。次に、このレジストが塗布された試料を、プリベークし、マスクパターンを介して露光し、現像した。
その後、イオン注入操作を行った。イオンはAsイオンを用い、ドーズ量は1E15〜16atoms/cm2として試料を作製した。
(実施例1〜5、比較例1〜6)
<レジスト剥離試験>
下記表1に示す組成で、剥離液を調製した。
次に得られたレジスト剥離液を用いて、各基板からレジストを除去した。はじめに、表1に記載の剥離液に浸漬させて、その後酸化剤を含む溶液を用いて剥離した。アミン化合物及び、アルキレングリコール類を含む剥離液での第1の剥離工程では溶液の温度を50℃、浸漬時間を20分とした。
その後、硫酸:過酸化水素=2:1(98%硫酸水:30%過酸化水素水=2:1(体積比))とした溶液に150℃で5分間浸漬し、レジストを剥離させた。比較例1〜3は酸化剤を含む溶液による処理を行わなかった。
また、実施例5では、実施例4と同様の方法で第1の剥離工程及び第2の剥離工程を行った後、第1の剥離工程及び第2の剥離工程をこの順で再度行った。
レジストの剥離性は以下のように評価した。
○:剥離性良好
△:一部残存有り
×:大部分残存
結果を以下の表1に示す。
Figure 0005094079
表1に示すように、アミン化合物及びアルキレングリコール類を含む剥離液を用いて剥離し、その後酸化剤を含む溶液を用いて剥離する方法、もしくはこれを繰り返すことにより、優れたレジストの剥離効果を示すことが分かる。特に、本発明の剥離方法は、イオンインプランテーションされたレジストに対しても十分な剥離効果を示すことが分かる。

Claims (4)

  1. アミン化合物及びアルキレングリコール類を含有する剥離液でレジストを剥離する第1の剥離工程、並びに、
    酸化剤を含む溶液でレジストを剥離する第2の剥離工程をこの順で含み、
    酸化剤を含む溶液が、過酸化水素と硫酸の混合物溶液であり、
    アミン化合物とアルキレングリコール類の総量が、剥離液の30〜90重量%であり、
    第1の剥離工程は、20〜80℃で行われ、
    第2の剥離工程は、100〜160℃で行われることを特徴とする
    イオンインプランテーションされたレジストの剥離方法。
  2. 第1の剥離工程及び第2の剥離工程を、この順で2回以上繰り返す、請求項1に記載のレジストの剥離方法。
  3. アルキレングリコール類の含有量が、剥離液に対して5〜70重量%である、請求項1又は2に記載のレジストの剥離方法。
  4. アミン化合物の含有量が、剥離液に対して10〜60重量%である、請求項1〜いずれか1つに記載のレジストの剥離方法。
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