JP5093733B2 - 表面処理カーボンブラック水性分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
インクジェットで用いられる記録用インクとしては染料または顔料を用いる2つのタイプがあり、耐水性や耐光性など画像信頼性の観点からは一般に顔料が優れている。特にビジネス用途では文字を多用するケースが多いため、カーボンブラックに代表される黒色系顔料が必要不可欠であり、プリンターの印字方式、印字速度に最適化された水性顔料インクが数多く提供されるようになっている。
また、近年ビジネス用途ではプリントスピードの高速化が求められ、かつ専用紙を必要としないインクの開発も必須であり、顔料に求められるスペックも高速印字に対応したものが要求されるようになっている。
カーボンブラックは黒色インキの顔料として有用されているが、疎水性で水に対する濡れ性が低いために水中に安定して高濃度に分散させることは困難である。そこで、カーボンブラックを表面処理、特に酸化処理してカーボンブラック表面に水との親和性が高い官能基を生成させる方法が古くから開発され、提案されている。
例えば、特開昭48−018186号公報にはカーボンブラックを次亜ハロゲン酸塩水溶液で酸化処理する方法が、特開平08−319444号公報には酸化処理によりカーボンブラック表面に親水性の活性水素基を多く導入して水性媒体に対する分散性能の向上安定化を図る方法が、特開平11−049974号公報にはスルホン酸基導入後に1価金属イオンで処理する方法が、特開平09−286938号公報には次亜ハロゲン酸塩で処理した後、酸性基をアルカリ金属塩で置換し、アミン化合物を後添加する方法などが、提案されている。
更に、有機ラジカルによってカーボンブラックを表面変性する方法も提案されており、例えば、特開平11−323229号公報にはカーボンブラックからなる色材が水系媒体中に分散された記録用インクにおいて、構造式(A1−N=N−A2)に示すアゾ化合物からなるラジカル発生剤の分解によって発生した官能基が表面に化学結合されたカーボンブラックを色材として用いた記録用インクが提案されている。
また、本出願人は、カーボンブラックを液相酸化して生成したカルボキシル基に、ポリエチレンイミンの末端アミンを縮合重合させたカーボンブラックを黒色顔料として水中に分散させた水分散体は、水への分散性能および印字メディアへの付着性が改善され、印字物の耐水性も向上することを確認して、特開2005−255705号公報として提案した。
更に、上記反応においては、ポリエチレンイミン間での付加反応を副反応として伴うことになるので、カーボンブラック表面に化学結合した各ポリマー間にネットワークが形成されてしまうという技術課題がある。
本発明は、上記技術課題を解消するものであり、インクジェットプリンターをはじめとする水性黒色インキとして好適に使用することができる表面処理カーボンブラック水性分散体とその製造方法、特に、インクジェットヘッドが記録媒体の搬送方向に対して垂直方向に固定配置されたラインヘッドプリント方式の水性黒色インキとして好適に使用することができる表面処理カーボンブラック水性分散体とその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者が鋭意検討したところ、酸化処理して親水性表面官能基を生成したカーボンブラックを水に分散させ、該水分散液にアミノ基含有化合物およびトリアジン系縮合剤を添加して、常温で攪拌してカーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物を脱水縮合させた後、大粒子および未反応のアミノ基含有化合物、トリアジン系縮合剤の分解生成物及び未反応物を除去し、次いで、中和、精製、濃縮することにより得られる表面処理カーボンブラック水性分散体により上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)表面処理カーボンブラック水性分散体を製造する方法であって、
酸化処理して親水性表面官能基を生成したカーボンブラックを水性媒体に分散させてなる水性媒体分散液に、アミノ基含有化合物およびトリアジン系縮合剤を添加して、常温で攪拌してカーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物を脱水縮合させた後、
大粒子および未反応のアミノ基含有化合物、トリアジン系縮合剤の分解生成物及び未反応物を除去し、
次いで、中和、精製、濃縮する
ことを特徴とする表面処理カーボンブラック水性分散体の製造方法
を提供するものである。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体によれば、この表面処理カーボンブラック水性分散体を用いて調製した黒色インキは、画像濃度、裏抜け耐性、定着性などに優れた画像が得られるばかりでなく、高速印字においても画像信頼性の高い高品質の画像を提供することができるので、ラインヘッドプリント方式の水性黒色インキとして好適に使用することができる。
また、本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体の製造方法によれば、トリアジン系縮合剤を用いてカーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物とを脱水縮合反応させることにより、反応媒体として水系媒体を用い、副反応等を抑制しつつ、カーボンブラック水性分散体を製造することができる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体は、カーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物が、トリアジン系縮合剤により脱水縮合してアミド結合を形成し化学修飾された表面処理カーボンブラックが、水性媒体中に分散してなることを特徴とするものである。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体において、カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなど、その種類には特に制限はなく、何れも適用することができる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体を、インクジェットプリンター用などの水性黒色インキとして用いる場合には、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)や、JIS K 6221に規定するカーボンブラック100gが吸収するジブチルフタレート量(DBP吸収量)などのコロイダル特性が、水性媒体への分散性能およびインキ性能に大きく影響するため、本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体に適用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g以上、DBP吸収量が50cm3/100g以上であることが好ましい。
これらのカーボンブラックを具体的に例示すれば、トーカブラック#8500、トーカブラック#8500F、トーカブラック#7550SB、トーカブラック#7550F〔以上東海カーボン(株)製〕、#650、#750、MA600、#44B、#44、#45B、MA7、MA11、#47、#45、#33、#45L、#47、#50、#52、MA77、MA8〔以上三菱化学(株)製〕、FW200、FW2V、FWI、FW18PS、NIpex180IQ、FW1、Special Black6、S160、S170〔以上Degussa社製〕、Black Pearls 1000M、Black Pearls 800、Black Pearls 880、Monarch 1300、Monarch 700、Monarch 880、CRX 1444、Regal 330R、Regal 660R、Regal 660、Regal 415R、Regal 415、Black Pearls 4630、Monarch 4630〔以上Cabot社製〕、Raven 7000、Raven 3500、Raven 5250、Raven 5750、Raven 5000ULTRAII、HV 3396、Raven 1255、Raven 1250、Raven 1190、Raven 1000、Raven 1020、Raven 1035、Raven 1100ULTRA、Raven 1170、Raven 1200〔以上Columbian社製〕、DB1305〔以上KOSCO社製〕、SUNBLACK700、705、710、715、720、725、300、305、320、325、X25、X45〔以上旭カーボン(株)製〕、N220、N110、N234、N121〔以上Sid Richardson社製〕、ニテロン#300〔以上新日化カーボン(株)製〕、ショウブラックN134、N110、N220、N234、N219〔以上昭和キャボット社製〕などがあげられる。
カーボンブラックは、その表面に水性媒体中で分散性の向上に機能する親水性表面官能基を有し、更に、アミノ基と脱水縮合反応してアミド結合する反応性基を有しているものであることが必要である。親水性表面官能基としてはカルボキシル基や水酸基を挙げることができ、このうち、カルボキシル基は、上記反応性基としても機能し、縮合剤の反応選択性から最も好ましい。ヒドロキシル基は縮合剤による脱水反応には関与しないが、カーボンブラックの親水性の向上に微少ながら寄与する。なお、この親水性の反応性基は、カーボンブラックを気相酸化もしくは液相酸化することにより付与することができ、上記酸化条件を適宜に制御することにより、親水性表面官能基量を調整することができる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体において、アミノ基含有化合物としては、親水性を有するものを挙げることができ、分子内にアミノ基を1〜4個有するものであることが好ましく、分子内に一級又は二級アミノ基を1個有するモノアミン化合物、あるいは一級及び/又は二級アミノ基を2個有するアミン系化合物であることがより好ましい。
アミノ基が4個を越えるとカーボンブラックをアミノ基含有化合物が内包する形態となり、インクの黒色度が低下するため、上述したようにアミノ基の数は1〜4個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましく、1個又は2個であることがさらに好ましい。
また、本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体において、アミノ基含有化合物は、分子量が30〜10000であるものが好ましく、50〜5000であるものがより好ましく、60〜2000であるものがさらに好ましい。アミノ基含有化合物が分子内に所定数の窒素原子を有するとともに、その分子量が上記範囲内にあることにより、親水性を維持して、カーボンブラック表面への化学修飾を水性媒体中で行うことが可能となる。また、アミノ基含有化合物の分子量が上記範囲内にあることにより、アミノ基含有化合物由来の立体障害ならびに副反応が少なくなり、カーボンブラック表面にアミノ基含有化合物が結合する際に、カーボンブラック粒子表面に均一で収率良く結合が形成され易くなる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体において、アミノ基含有化合物は、pH6.2〜7.6の水に対する20℃における溶解度が1g/L以上であるものが好ましく、5g/L以上であるものがより好ましく、10g/L以上であるものがさらに好ましい。pH6.2〜7.6の水に対する20℃におけるアミノ基含有化合物の溶解度が1g/L以上であることにより、カーボンブラック表面への化学修飾を水性媒体中で行うことが可能となる。
上記アミノ基含有化合物としては、下記一般式(I)で示されるモノアミン化合物を挙げることができる。
R1−NH−R2 (I)
上記一般式(I)において、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基である。
また、上記一般式(I)で表される化合物において、置換基R1−NH−R2は、R1とR2が環状構造をなすものであるか、又はR1とR2とN原子が環状構造をなすものであるか、R1とR2のいずれか一方が複素芳香族系構造を有するものであってもよい。
上記モノアミン化合物の具体例としては、モノエタノールアミン、プロピルアミン、2,2’−イミノジエタノール、ビス(2−メトキシエチル)アミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)イソプロピルアミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−n−プロピルアミン、N−(2−メトキシエチル)メチルアミン、3−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、N−ベンジルエタノールアミン、N,N−ジメチル−n−プロパノールアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、p−アニシジン(p−メトキシアニリン)等を挙げることができる。
また、アミノ基含有化合物としては、ジアミン化合物を挙げることができ、ジアミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イミダゾール、ピペラジン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン等を挙げることができる。
さらに、アミノ基含有化合物としては、トリアミン化合物を挙げることができ、トリアミン化合物の具体例としては、3−アミノ−5−ターシャルブチル−4−シアノピラゾール、3−アミノ−5−イソプロピル−4−(1−ピラゾリル)−1H−ピラゾール等を挙げることができる。
その他、アミノ基含有化合物としては、アデニン等を挙げることができる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体において、カーボンブラックの表面に形成されるアミド結合を有する表面修飾基は、カーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物がトリアジン系縮合剤により脱水縮合することにより形成し得る。トリアジン系縮合剤としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール中で反応収率の良いトリアジン系縮合剤DMT−MMが最も好ましい。カルボジイミド系の水溶性縮合剤EDC(WSC)も使用可能であるが収率がDMT−MMの半分から半分以下であり、かつ副生成物のN−アシルウレアが分散体の凝集を促進する場合もあるためプロトン性溶媒、特に水中では好ましくない。また、従来のカルボジイミド系では反応促進剤としてヒドロキシベンゾトリアゾール系化合物を併用しないと十分な反応速度が得られないなどの問題もある。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体において、表面処理カーボンブラックの表面に形成されてなるアミド結合を有する表面修飾基は、親水性を発揮して、水性媒体中で表面処理カーボンブラックを好適に分散することができる。
本発明の表面処理カーボンブラックは、その表面に親水性表面官能基とアミノ基含有化合物がアミド結合を形成してなる表面修飾基を有するものであるが、上記表面修飾基以外にも、カルボキシル基や水酸基等の親水性表面官能基を有していてもよく、これらの親水性表面官能基は、その一部または全部がカウンターイオンにより中和されていてもよい。
上記カウンターイオンとしては、アルカリ金属のカチオン化物や、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジエチレングリコールアミン、フェネチルアミン、N−ベンジルエタノールアミン、ベンジルアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ビスメトキシエチルアミン、第4級アミンなどの有機アミン類、塩基性アミノ酸、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体のカチオン化物が挙げられる。
本発明の表面処理カーボンブラックは、アミノ基含有化合物に由来する結合基により、インク機能として紙にインクジェット印刷した場合に、紙との分子間相互作用や反応性を有して裏抜け(繊維間隙を流れ出て裏面に流出する)防止や定着性向上に寄与する。また、本発明の表面処理カーボンブラックが親水性表面官能基としてカルボキシル基を有する場合、溶媒が主成分としてアルコール性水酸基を有する化合物中において、溶媒との親和性、分散安定性等の性状を発揮し、本発明の表面処理カーボンブラックが親水性表面官能基としてヒドロキシル基を有する場合、溶媒が主成分としてアルコール性水酸基を有する化合物中において、溶媒との親和性を発揮する。
また、本発明の表面処理カーボンブラックが親水性表面官能基としてカルボキシル基や水酸基を有する場合、水媒体中で自己分散性(界面活性剤がなくても分散状態を維持できる性質)を呈し、インク組成としてグリセリン類などのアルコール性水酸基を有する水溶媒を用いて、紙にインクジェット印刷した場合に、紙との反応性を有して裏抜け(繊維間隙を流れ出て裏面に流出する)や定着性を向上させる作用をもつものとなる。
このように、カーボンブラックの親水性表面官能基であるカルボキシル基と、アミノ基含有化合物であるモノアミン化合物とが脱水縮合反応することにより化学修飾された表面処理カーボンブラックとして、カーボンブラックの表面に、−CO−NR1R2(ただし、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基である。)基と、−COO−M+(ただし、M+はカウンターイオンである。)基と、水酸基とを有するものを挙げることができ、この表面処理カーボンブラックを模式的に表すと、下記構造式(II)のとおりとなる。
(上記構造式(II)において、「CB」はカーボンブラック骨格を意味し、「−CO−NR1R2」は、カーボンブラックの親水性表面官能基であるカルボキシル基に、アミノ基含有化合物であるモノアミン化合物が脱水縮合してアミド結合を形成してなる化学修飾基を意味する。)
上記表面処理カーボンブラックにおいて、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基である。また、上記表面処理カーボンブラックにおいて、置換基−NR1R2は、R1とR2が環状構造をなすものであるか、又はR1とR2とN原子が環状構造をなすものであるか、R1とR2のいずれか一方が複素芳香族系構造を有するものであってもよい。
上記表面処理カーボンブラックにおいて、−CO−NR1R2基としては、上記モノアミン化合物がカルボキシル基と脱水縮合してアミド結合を形成してなる基、例えば、カルボキシル基と、モノエタノールアミン、プロピルアミン、2,2’−イミノジエタノール、ビス(2−メトキシエチル)アミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)イソプロピルアミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−n−プロピルアミン、N−(2−メトキシエチル)メチルアミン、3−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、N−ベンジルエタノールアミン、N,N−ジメチル−n−プロパノールアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、モルホリン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、p−アニシジン(p−メトキシアニリン)等のモノアミン化合物とが脱水縮合してアミド結合を形成してなる基を挙げることができる。
また、上記表面処理カーボンブラックにおいて、M+は、アニオン化したカルボキシル基(−COO−)のカウンターイオンであり、アルカリ金属のカチオン化物や、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジエチレングリコールアミン、フェネチルアミン、N−ベンジルエタノールアミン、ベンジルアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ビスメトキシエチルアミン、第4級アミンなどの有機アミン類、塩基性アミノ酸、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体のカチオン化物が挙げられる。
また、上記表面修飾カーボンブラックにおいて、ヒドロキシル基(−OH)は縮合反応を受けず、表面修飾カーボンブラック分散体として最終的に調製される中性付近のpH域(pH6.0〜7.6)では−OHの形態で存在する。
そして、上記表面処理カーボンブラックにおいて、−NR1R2基を構成するR1、R2の化学組成により、インク機能として紙にインクジェット印刷した場合に、紙との分子間相互作用や反応性を有して裏抜け(繊維間隙を流れ出て裏面に流出する)防止や定着性向上に寄与する。また、カルボキシル基に結合する分子構造は、溶媒が主成分としてアルコール性水酸基を有する化合物中において、溶媒との親和性、分散安定性等の性状を発揮し、ヒドロキシル基は溶媒が主成分としてアルコール性水酸基を有する化合物中において、溶媒との親和性を発揮する。
溶媒との親和性は分散媒の有する官能基と化学組成に由来する分子間力に主に影響され、本発明のカルボキシル基に結合する分子構造はオキシラン環の開環で生成するアルコール性水酸基が分散媒のアルコール性溶媒の分子間力との相互作用を促し、置換基構造の選択により種々のアルコール性媒体に適合した分散体を作製することが可能である。
−COO−M+基や−OH基は、本発明で用いられる表面処理カーボンブラックに、水性媒体中での自己分散性(界面活性剤がなくても分散状態を維持できる性質)を付与する。
また、本発明で用いられる表面処理カーボンブラックは、表面にアミド化処理されたカルボキシル基と−COO−M+基を共存させることにより、インク組成としてグリセリン類などのアルコール性水酸基を有する水溶媒を用いて、紙にインクジェット印刷した場合に、紙との反応性を有して裏抜け(繊維間隙を流れ出て裏面に流出する)や定着性を向上させる。
本発明で用いられる表面処理カーボンブラックは、上記した構造を有するものであるが、分散体中で自己分散性を有するためには、カーボンブラックの重量に対してヒドロキシル基が20〜150μmol/g、カルボキシル基に結合する−NR1R2の分子モル数が150〜1200μmol/gの範囲にあることが好ましい。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体は、このようにアミド結合を形成して化学修飾された表面処理カーボンブラックを水性媒体中に適宜な濃度に分散させたものであり、例えば水性インキとして用いる場合にはカーボンブラック固形分の濃度として5質量%〜20質量%の濃度に調整される。
表面処理カーボンブラック濃度が5質量%未満の場合には、インク処方作製時に所定の顔料濃度を得るために分散体の不要な溶媒を除去する必要があり、分散体の物性が変化する恐れもあるため好ましくない。また粘度が低すぎることで保存中に粒子が沈降しやすく、結果的に印字画像濃度が不安定化する副作用もある。また、表面処理カーボンブラックの濃度が20質量%を超える場合にはカーボンブラック粒子間の凝集が起こりやすくなり、保存中の増粘又は粒子の沈降が起こりやすくなる。
表面処理カーボンブラック水性分散体を構成する水性媒体としては、水の他、分散媒の主成分として用いる水とともに、アルコール性水酸基含有溶媒を分散媒全体の中に0〜50質量%の範囲で含むものも使用される。
アルコール性水酸基含有溶媒の種類は汎用溶剤としての低級アルコール、高級アルコール、さらにグリコール系溶剤とそのモノエーテル系等の多価アルコールを用いることができる。また、沸点の低いアルコールと沸点の高いアルコールを混合系で使用してもよく、表面処理カーボンブラックの種類に応じて選択すればよい。
アルコール性水酸基含有溶媒を具体的に例示すれば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘブタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、やその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルジオール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコールが挙げられ、グリコール系のモノエーテル系溶媒としてはエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチル工−テル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフュニルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体は、浸透剤、界面活性剤、定着助剤としての樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、他各種レベリング剤、水溶性溶剤などを添加して、インクジェットプリンターをはじめとする水性黒色インキとして使用することができる。
本発明の表面処理カーボンブラック水性分散体の製造方法は、酸化処理して親水性表面官能基を生成したカーボンブラックを水性媒体に分散させてなる水性媒体分散液に、アミノ基含有化合物およびトリアジン系縮合剤を添加して、常温で攪拌してカーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物を脱水縮合させた後、大粒子および未反応のアミノ基含有化合物、トリアジン系縮合剤を除去し、次いで、中和、精製、濃縮することを特徴とするものである。
本発明の方法を説明するための製造プロセスの例を参考までに図1にフローチャートで示す。
本発明の方法において、カーボンブラックとしては、上述したものと同様のものを挙げることができ、本発明の方法においては、カーボンブラックを酸化処理して親水性表面官能基を生成させてなるものが用いられる。カーボンブラックの酸化処理は気相酸化、液相酸化など適宜な方法で行うことができ、気相酸化はオゾン、空気などのガス雰囲気に曝すことにより酸化処理するもので、オゾン酸化、空気酸化などによる気相酸化は乾燥コストがかからず、操作も液相法に比べて容易である等の利点がある。カーボンブラックの液相酸化は、過酸化水素水、硝酸、硫酸、塩素酸塩、過硫酸塩、過炭酸塩などの酸化剤の水溶液中にカーボンブラックを投入し、攪拌して酸化処理するもので、酸化剤濃度、温度、処理時間などを制御して、所望のカルボキシル基量およびヒドロキシル基量となるように条件を設定する。
以下に、湿式酸化処理について詳述する。
カーボンブラックと酸化剤および水性媒体(好ましくは脱イオン水)を適宜な量比で攪拌槽にて混合し、混合攪拌槽中で適宜な温度、例えば室温〜90℃の温度で十分に攪拌混合して加温スラリーを作製する。加温スラリー中にて、カーボンブラックは酸化されて、それぞれのカーボンブラック粒子凝集体の表面にはカルボキシル基やヒドロキシル基などの親水性の官能基を生成する。好ましくはスラリー温度を60〜90℃に調整する。
この場合、カーボンブラックを予め湿式あるいは乾式酸化しておくとスラリー中にカーボンブラックを効率よく分散させることができるので、均一かつ効果的に酸化処理することができる。なお、スラリー中にカーボンブラックを均一に分散させるために界面活性剤を添加することも好ましい。界面活性剤としてはアニオン系、ノニオン系、カチオン系いずれも使用することができる。
酸化処理により生じた塩は中和反応を阻害し、またカーボンブラックの再凝集を引き起こすので還元塩を除去する。還元塩の除去は限外濾過膜(UF)、逆浸透膜(RO)、電気透析膜などの分離膜を用いて行うことができる。
その後、アルカリ溶液を加えながら攪拌して中和する。中和剤としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ塩類、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、第4級アミンなどの有機アミン類が例示される。
中和は常温で行ってもよいが、中和剤を撹拝槽中のスラリーに投入し、温度;95〜105℃、時間;2〜5時間、攪拌を行うことで完全に中和することができる。
中和により生成した塩類を限外濾過膜(UF)、逆浸透膜(RO)、電気透析膜などの分離膜を用いて除去した後、大きな未分散塊や粗粒を遠心分離や濾過などの方法により分級除去する。更に、スラリーを高圧下に高速流体として相互に衝突させ、その際の衝撃により顔料を解砕させることも好ましい。
このように酸化処理して親水性表面官能基を生成したカーボンブラックを水性媒体に分散させてなる水性媒体分散液に、アミノ基含有化合物とトリアジン系縮合剤を添加して常温で攪拌することにより、カーボンブラック表面の親水性表面官能基にアミノ基含有化合物を脱水縮合してアミド結合させる。
本発明の方法において、水性媒体や、アミノ基含有化合物や、トリアジン系縮合剤としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
アミノ基含有化合物の添加量はカーボンブラック表面の親水性官能基の数に対して、アミノ基含有化合物の数が0.03〜1.35倍になるように設定することが好ましく、アミノ基含有化合物の添加量が少ない場合には、表面処理カーボンブラック水性分散体を用いてインクを作製した場合に画像形成後の定着性が悪くなり、多い場合は保存安定性が悪化する。
トリアジン系縮合剤の添加量は、モル比で、アミノ基含有化合物量の1.0〜1.5倍に設定することが好ましい。また、分散液に水溶性有機溶剤を添加してもよく、この場合、水溶性有機溶剤の濃度が5〜80質量%であることが好ましい。
本発明の方法の例として、カーボンブラックの親水性表面官能基であるカルボキシル基に、アミノ基含有化合物としてモノアミン化合物を脱水縮合させて化学修飾することにより表面処理カーボンブラックを得る反応式の例を模式的に表すと、下記反応式(III)のとおりとなる。
(上記反応式(III)において、「CB」はカーボンブラック骨格を意味し、「Condensing agent」はトリアジン系縮合剤を意味し、「−CO−NR1R2」は、カーボンブラックの親水性表面官能基であるカルボキシル基(−COOH)に、アミノ基含有化合物であるモノアミン化合物(R1R2NH)が脱水縮合してアミド結合を形成してなる化学修飾基を意味する。)
上記反応により得られる表面処理カーボンブラックにおいて、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、また、上記反応により得られる表面処理カーボンブラックにおいて、置換基−NR1R2は、R1とR2が環状構造をなすものであるか、又はR1とR2とN原子が環状構造をなすものであるか、R1とR2のいずれか一方が複素芳香族系構造を有するものであってもよい。
次に、遠心分離機などにより大粒子を分級、除去し、更に、限外濾過などにより未反応のアミノ基含有化合物およびトリアジン系縮合剤を除去するととともに水性媒体を除去して濃縮する。
次いで、カーボンブラック水性媒体分散液中に残存するカルボキシル基やヒドロキシル基などの親水性表面官能基を中和するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ塩類、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、第4級アミンなどの有機アミン類、塩基性アミノ酸、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体などの中和剤を加えて中和する。中和は60〜95℃の温度で、pHを6.8〜7.6に調整して行う。
上記中和液を遠心分離器などを用いて分級処理して大粒子のカーボンブラックを除去し、更に、余剰の中和剤や水性媒体を取り除くために逆浸透膜、中空糸膜、メンブランフィルター、限外濾過膜などを用いて精製・濃縮して、表面処理カーボンブラック水性分散体を得ることができる。
このようにして、カーボンブラックの親水性表面官能基であるカルボキシル基に、アミノ基含有化合物であるモノアミン化合物を脱水縮合させ、アミド結合を形成させて化学修飾することができ、カーボンブラック表面に存するヒドロキシル基や、未反応のカルボキシル基は中和されて、水性媒体中に分散した表面処理カーボンブラック水性分散体が製造される。
このようにして製造された表面処理カーボンブラックの水性分散体は、浸透剤、界面活性剤、定着助剤としての樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、他各種レベリング剤、水溶性溶剤などを添加して、インクジェットプリンターをはじめとする水性黒色インキとして使用することができる。
(実施例1)
カーボンブラックとして東海カーボン社製シースト9H(商品名)(窒素吸着比表面積142m2/g、DBP吸収量130cm3/100g、pH6.0)を用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で8.5時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度5wt%のスラリーを作製した。
この酸化カーボンブラックを、下記の方法によりカルボキシル基量およびヒドロキシル基量を測定した結果は、カルボキシル基量は560μmol/g、ヒドロキシル基量は118μmol/gであった。
<カルボキシル基量の測定>
濃度0.976Nの炭酸水素ナトリウム水溶液に酸化カーボンブラックを約2〜5g添加して6時間程振とうした後、濾別し、濾液の滴定試験を行って測定した。
<ヒドロキシル基量の測定>
2、2′−Diphenyl−1−picrylhydrazyl(DPPH)を四塩化炭素中にて溶解し、5×10−4mol/l溶液を作製する。該溶液に酸化カーボンブラックを0.1〜0.6g添加し、60℃の恒温槽中にて6時間攪拌した後、濾別し、濾液を紫外線吸光光度計で測定して吸光度から算出した。
このスラリー1kgに、2,2’−イミノジエタノール[Mw:105.14]を10.5g(10wt%水溶液)とベンジルアミン[Mw:107.15]を42.8g(10wt%水溶液)とDMT−MM(トリアジン系縮合剤)11.1g(粉体)を添加し、25℃で5時間撹拌した。この反応液を限外濾過してカーボンブラック濃度5wt%の分散液とし、0.5Mアンモニア水を80g加え75℃で3時間撹拌した。この分散液を6000rpmで遠心処理して大粒成分を除去した上澄み液を限外濾過して精製後、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%%の水性分散体を得た。
(実施例2)
カーボンブラックとして東海カーボン社製シースト9H(商品名)を用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で8.2時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度5wt%のスラリーを作製した。
このスラリー1kgに、エタノールアミン[Mw:61.08]を2.75g(10wt%水溶液)とベンジルアミン[Mw:107.15]を40.7g(10wt%水溶液)とDMT−MM(トリアジン系縮合剤)11.1g(粉末)を添加し、常温で20時間撹拌後、この分散液を6000rpmで遠心処理して大粒成分を除去した上澄み液を限外濾過して精製後、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%の水性分散体を得た。
(実施例3)
カーボンブラックとして東海カーボン社製シースト9H(商品名)を用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で7.5時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度10wt%のスラリーを作製した。
このスラリー1kgに、ビス(2−メトキシエチル)アミン[Mw:133.19]を1.5g(10wt%水溶液)、N−ベンジルエタノールアミン[Mw:150.22]を6.4g(10wt%水溶液)、ベンジルアミン[Mw:107.15]を37.5g(10wt%水溶液)とDMT−MM(トリアジン系縮合剤)11.1g(粉末)を添加し、常温で20時間撹拌した。この分散液を6000rpmで遠心処理し上澄み液を限外濾過して精製後、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%分散液を得た。
この分散液を限外濾過してカーボンブラック濃度5wt%の分散液とし、0.5Mアンモニア水を0.1kg加え90℃で3時間撹拌した。この分散液を6000rpmで遠心処理し上澄み液を限外濾過して精製後、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%の水性分散体を得た。
(比較例1)
カーボンブラックとして東海カーボン社製シースト9H(商品名)を用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で7.5時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度10wt%のスラリーを作製した。このスラリーを70℃で2時間撹拌後、6000rpmで遠心処理し上澄み液を限外濾過して精製し、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%の水性分散体を得た。
(比較例2)
カーボンブラックとして東海カーボン社製シースト9H(商品名)を用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5l/分の条件で7.5時間オゾン酸化した。この酸化カーボンブラック20gを、メタノール(和光純薬社製)400gに加えた後、濃硫酸(98質量%、和光純薬社製)200mlを加えて、65℃の条件で6時間加熱攪拌を行い、エステル化した後、6000rpmで遠心処理し上澄み液を限外濾過して精製し、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%の水性分散体を得た。
(比較例3)
カーボンブラックとして東海カーボン社製シースト9H(商品名)を用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で7.5時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度10wt%のスラリーを作製した。
このスラリー1kgに、2,2’−イミノジエタノールを7gとDCC(カルボジイミド系縮合剤)15gを添加し、25℃で4時間撹拌した。この反応液を限外濾過してカーボンブラック濃度5wt%の分散液とし、0.5Mアンモニア水を0.1kg加え90℃で3時間撹拌した。この分散液を6000rpmで遠心処理し上澄み液を限外濾過して精製後、濃縮してカーボンブラック濃度15wt%の水性分散体を得た。
これらの水性分散体を用い、インク中のカーボンブラック濃度が4%、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPGME)/水=7/3、界面活性剤(サーフィノール104E、日信化学社製)を0.3%配合し十分に攪拌を行いインクを調製した。
このようにして調製したインクについて、下記の方法で裏抜け耐性、定着性、画像濃度を測定評価して、結果を表1に示した。
<裏抜け耐性>
画像の印刷面とその裏面について、反射濃度計(ステータスA)によりアンバー濃度を測定し、下式により裏抜け率を計算して下記基準に従って裏抜け耐性の評価を行った。
裏抜け率(%)=(裏面の反射濃度)/(印刷面の反射濃度)×100
○:裏抜け率20%未満
△:裏抜け率が20%以上、30%未満
×:裏抜け率が30%以上
<定着性>
印字排紙1分後の黒ベタ画像に旧500円玉(ギザなし)を用いて、手前から押し、向こうから引く感じで塗膜をひっかく、コインスクラッチテストを行って目視により、下記基準にしたがって判定した。
○:良好、変化なし
△:部分的に剥離が見られる
×:不良塗膜剥離し下地見える
<画像濃度評価>
ノズル口径が25μm、ノズル数512を、ノズル解像度が600dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数)となるようにアレイ状に配置したラインヘッド方式のピエゾ型記録ヘッドを搭載したラインヘッドプリンターを用いて、記録解像度600×600dpiの条件で、インク付着量が10ml/m2で、各インクを、コニカミノルタビジネステクノロジー社製J紙(64g/m2、A4サイズ)に各辺から5mmの余白が残るようベタ画像を印字した。
画像濃度:
このベタ印刷部分の濃度をマクベス濃度計で測定し、得られた結果を下記に示す基準により評価した。
A:ブラックインクのOD値:1.4以上
B:ブラックインクのOD値:1.3以上1.4未満
C:ブラックインクのOD値:1.3未満
また、本発明によれば、トリアジン系縮合剤を用いてカーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物とを脱水縮合反応させることにより、水系媒体中においてカーボンブラック間にネットワークを形成することなく、表面処理カーボンブラック水性分散体を製造することができる。
Claims (1)
- 表面処理カーボンブラック水性分散体を製造する方法であって、
酸化処理して親水性表面官能基を生成したカーボンブラックを水性媒体に分散させてなる水性媒体分散液に、アミノ基含有化合物およびトリアジン系縮合剤を添加して、常温で攪拌してカーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物を脱水縮合させた後、
大粒子および未反応のアミノ基含有化合物、トリアジン系縮合剤の分解生成物及び未反応物を除去し、
次いで、中和、精製、濃縮する
ことを特徴とする表面処理カーボンブラック水性分散体の製造方法。
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