以下、本願発明にかかる遊技機の実施の形態について、パチンコ機を例に挙げ図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本願発明の実施の形態におけるパチンコ機の斜視図である。
本実施の形態におけるパチンコ機100は、図1(a)に示すように、外枠111、前枠112、窓枠113などを備えている。また、パチンコ機100の背部には、図1(b)に示すように、液晶ディスプレイなどの表示制御を行なう演出表示基板121、各種遊技音の出力制御を行なう音サブ基板122、入賞時におけるパチンコ機100の動作等を含むパチンコ機100の主要な動作を制御する主制御基板123、遊技球の払い出し動作を制御する払出基板124、各基板等に電源を供給する電源基板125等の各種基板が例えば透明の樹脂製筐体129に収納された状態で取り付けられている。
外枠111は、パチンコホールの内部にパチンコ機100を取り付けるための設備として設けられている台島と直接接合される部材である。外枠111は、前後面が開口する薄い四角筒状の枠体であり、パチンコ機100の多くの部材が外枠111の内方に配置されている。
前枠112は、外枠111に対し開閉可能に取り付けられる薄い四角筒状の枠体であり、パチンコ機100のほとんどの部材が前枠に取り付けられている。従って、パチンコ機100が台島に取り付けられた状態、すなわち、台島に外枠111が固定された状態においても、前枠112を外枠111に対して開けることによりパチンコ機100の裏側に対して作業することも可能となる。
なお、前枠112は外枠111に対し、ヒンジを介して強固に固定されている。さらに、前枠112の前側下部には、上部が開口する下皿114と、上皿115とが固定されている。従って、下皿114や上皿115等を掴んで力を加えることでパチンコ機100全体を不正に揺すったり傾けたりすることが可能となる。
さらに、前枠112には、下皿114の右側方部にハンドル台116が固定されており、ハンドル台116には発射ハンドル119が回動自在に装着されている。この発射ハンドル119の後方には発射モータ(図示せず)が固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。発射ハンドル119が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が与えられ、打球槌が駆動することに基づいて上皿115内から供給される遊技球が遊技盤に弾き出される。この場合、パチンコ機100には振動が発生するが、当該振動は正常な振動である。
窓枠113は、遊技盤上を転落する遊技球の挙動を見ることができるように遊技盤の前面に配置されるガラス窓126を固定する枠体である。また、窓枠113は、パチンコ機100の最も前側に配置される枠体であり、種々の装飾が施され、遊技音を出力するスピーカ118が背部に備えられている。窓枠113は、遊技盤上で遊技球が詰まった場合などのために、前枠112に対して開閉可能に取り付けられており、窓枠113を開閉する際にも振動が発生する。
また、下皿114の左側方部には、押しボタン128が二つ上向きに設けられている。押しボタン128は、例えば、リーチアクションなどにおいて、押しボタンを押すことを促す演出がある場合、いずれかの押しボタンを押すことにより異なる演出がなされるなど、遊技者を演出に参加させるための装置である。例えば、押しボタンを短時間の間にたくさんの回数押さなければ(連打)ならないような演出である場合、ボタンを連打することによる正当な振動が発生する。
図2は、遊技盤の正面図である。
遊技盤130は、発射された遊技球199が複雑に転落し、遊技球199が入賞するか否かなど、遊技者にとって遊技の中心となる部分である。遊技盤130は、板体131に、特定入賞口132と、始動ゲート133と、大入賞口134と、一般入賞口135と、役物136と、役物口137と、遊技球通路138と、振分手段201と、釘(図示せず)とが取り付けられたものとなっており、窓枠113のガラス窓126を介して遊技盤130が見えるように配置されている。
板体131は、遊技盤130を構成する各構成部材を固定するための板である。なお、上記の他に、板体131には遊技球の転落方向を複雑にするための釘(図示せず)も植設されている。
一般入賞口135は、上面が常時開口しているポケット状に形成されており、一般入賞口135に遊技球が入賞したことを検知するスイッチ(図示せず)を備えている。
始動ゲート133は、上面及び下面が常時開口しているゲート状に形成されており、始動ゲート133内を遊技球が通過したことを検知するスイッチ(図示せず)を備えている。なお、始動ゲート133内を遊技球が通過しても賞球の払出は行われない。
役物口137は、遊技球199を遊技球通路138に導くための板体131に設けられた横長矩形の孔である。また、役物口137には、役物口137を通常閉塞状態とし、所定の電圧(例えば始動ゲート133への遊技球の通過)に基づき役物口137を一定時間開放する横長矩形の蓋体141が設けられている。この蓋体141は、下縁を軸とし、役物口137の上部を広く開放できるように遊技盤130の前方に向かって上縁部が傾倒し、蓋体141の裏側で転落してくる遊技球199を受け止めることが可能となっている。
遊技球通路138は、役物口137に入った遊技球199を振り分け装置まで導くための通路である。なお、同図中には遊技球通路138内の遊技球199の経路を矢印で示している。
役物136は、遊技球199の転落を阻害する障害物を回転させることなどにより遊技球199の転落経路を複雑化しランダム化する装置である。同図に示される役物136は、障害物である複数の突起を備えた円板を傾斜状に配置し、円板の中心を軸として回転させることで、役物口137と遊技球通路138を経て振分手段201により役物側に振り分けられた遊技球199の転落を阻害している。
特定入賞口132は、上面が常時開口したいわゆるVゾーンと称されるポケット状の部材であり、当該特定入賞口132に遊技球199が入賞した場合、大当たりとなる。従って、遊技者にとっては特定入賞口132に入賞するか否かは大きな関心事であり、特定入賞口132の近傍に遊技球199が位置した際に、遊技者によりガラス窓126が叩かれる場合が多い。
振分手段201は、遊技球通路138を通り落下する遊技球199を受け止めつつ、振分手段201自らが揺動し傾斜状態が変動することにより、遊技球199を左右に振り分ける部材である。振分手段201は、遊技球199が特定入賞口132側に向かうか向かわないかを決定する部材であり、振分手段201に遊技球199が乗った際も、ガラス窓126が叩かれる場合が多い。
大入賞口134は、板体131に設けられる横長矩形の孔であり、遊技球199が入賞したことを検知するスイッチ(図示せず)を備え、大入賞口134に入賞した遊技球199の数に応じた賞球の払い出しを実行させる電圧を発生させるものである。また、大入賞口134は、役物口137と同様、大入賞口134を通常閉塞状態とし、所定の電圧(特定入賞口132への遊技球の入賞)に基づき大入賞口134を一定時間毎に所定の回数開放する扉体142を備えている。
図3は、パチンコ機の振動検知にかかわる装置構成、機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、パチンコ機100は、振動検出装置301と、判定部361と、計時部362と、初期化部363と、報知部313と、入力ポート341を有するCPU(central processing unit)304と、記憶装置306とを備えている。また、CPU304と記憶装置306とは、主制御基板123に設けられている。また、記憶装置306は、判定部361と、計時部362と、初期化部363と、報知部313とを保持している。なお、本実施の形態では、判定部361と、計時部362と、初期化部363と、報知部313とは、プログラムであって、適宜CPU304で実行されることにより、それらの機能が手段として実現されるものである。
振動検出装置301は、パチンコ機100に発生する所定値以上の振動に対応してパルス状の検出電圧を出力するセンサである。具体的には、振動による重りの変位や、重りの速度や重りの加速度が所定の変位、速度、加速度以上となる場合にパルス信号を出力するセンサを例示できる。パルス状の検出電圧を出力するセンサとしては、例えば、重りが所定の変位以上に変位した場合に、その変位が持続している間はスイッチがON状態に維持されるような、機械的に閾値が定められるものでもよい。また、振動検出装置301の感振部分は、振動をそのまま電圧などに変換し、いわゆる生波形を出力するものであり、この生波形をコンパレータなどによりパルス状の検出電圧に変換するものでもよい。
ここで、検出電圧とは、振動検出装置301が出力する電圧のことである。振動検出装置301が出力する検出電圧は、図4に示すように、デジタル信号であり、low状態から急激に立ち上がってhi状態となり、hi状態が維持されて、low状態に急激に立ち下がるパルス信号である。なお、同図は説明のため単純化された信号を示している。なお、「エッジ」とは、立ち上がった部分の信号状態、または、立ち下がった部分の信号状態を意味している。
入力ポート341は、CPU304に設けられるインターフェースであり、CPU304が外部の信号を取得するための入力端子である。本実施の形態の場合、振動検出装置301からの検出電圧の変化は、CPU304が信号を取得するタイミングに比べ緩やかであるため、所定間隔のタイミングでCPU304が電圧状態を取得する通常の入力ポート(割り込みではない)を用いている。
なお、本記載は割り込み端子を用いることを否定するものではない。
記憶装置306は、プログラムを記憶し、記憶したプログラムを適宜CPU304に提供することのできる装置である。具体的にはROMやRAM、または、ハードディスクなどである。
CPU304は、記憶装置306からプログラムを取得し、取得したプログラムに基づき種々の演算を行う素子であり、中央演算装置である。従って、例えばCPU304がプログラムである判定部361を取得し処理している間は、CPU304は、判定手段として機能することとなる。また、CPU304は、並列処理(擬似も含む)を行うことができるものであり、N−1個の判定手段として機能することが可能となっている。
なお、CPU304は、計時部362を読み込み処理することで計時手段として機能し、また、複数の計時手段として機能することも可能である。また、初期化部363、報知部313も同様である。
判定部361は、パルスをカウントすることができる処理部であり、初期状態から計時部362からの後述の計時終了情報を取得するまでの間までパルスをカウントする処理部である。加えて、判定部361は、計時終了情報を取得するまでにパルスをN個カウントした場合、その旨を示す報知情報を出力する。
ここでNとは、2以上の自然数であり、事前に設定しておく数値である。例えば、Nを3と設定すれば、判定部361が計時終了情報を所得する前にパルスを3個カウントすれば報知情報を出力することとなる。
さらに、判定部361は、計時終了情報を取得する前にパルスをN個カウントするか、計時終了情報を取得した場合、自己を初期化する自己初期化部(図示せず)を備えている。
なお、判定部361は、初期化部363が出力する後述の初期化情報を取得した場合も初期化する。
また、判定部361は、同時期にN−1個機能することができるものとなっている。つまり、Nが3と設定された場合、同時期に2個の判定部361が機能することとなる。また、図4に示すように、第一の判定部361がパルス<1>からパルスのカウントを開始した場合、第二の判定部361は、パルス<2>からカウントを始めるものとなっている。つまり、順次出力される検出電圧のパルスを第一の判定部の次に第二の判定部が順番に検知するものとなっている。なお、判定部361が3個以上ある場合は、順送りにパルスのカウントが開始される。そして、各判定部361は、それぞれカウントした値を保持するものとなっている。また、各判定部361は、独自に報知情報を出力し、独自に自己初期化部を備えている。
計時部362は、前記検出電圧のパルスを検知してから計時を開始し、所定の時間が経過した時点で計時終了情報を出力する処理部であり、判定部361の数と同じ数だけ機能することができるものとなっている。また、同じパルスに基づきパルスのカウントを開始した判定部361と計時を開始した計時部362とはひも付けられており検出部370を形成するものとなっている。当該検出部370において、計時部362が出力した計時終了情報を、対応する判定部361は認識できるものとなっている。また、計時部362は、ひも付けられた判定部361が自己を初期化した場合、同様に自己を初期化するものとなっている。
なお、計時部362は、初期化部363が出力する後述の初期化情報を取得した場合も初期化する。
また、計時部362と判定部361とから構成される検出部370は、振動検出装置301から順次出力されるパルス状の検出電圧について、全てのパルスを検出できるとは限らないが、この場合、検出できるパルスについて順次検出すればよく、このような処理も本願発明に含まれる。つまり、本願発明において「一つづつ」という語は、検出できるものについてひとつづつの意である。
初期化部363は、N−1個の判定部361の内いずれかの判定部361が計時終了情報を取得する前にN個のパルスをカウントして出力した報知情報を取得した場合、他の判定部361、及び、全ての計時部362に対し初期化情報を出力する処理部である。
報知部313は、N−1個の判定部361の内いずれかの判定部361が出力する報知情報を取得した際は、種々の装置に対し警告情報を送信する処理部であり、プログラムにより実現されるものである。
なお、判定部361と、計時部362と、初期化部363などをCPU304によって機能するプログラムであるとして説明したが、本願発明はこれに限定されるわけではない。例えば、判定部361は、独立した装置である判定手段として実現させてもかまわない。また、計時部362は、CPU304外で機能する装置としての計時手段であってもかまわない。
次に、パチンコ機100における不正振動検出の流れを説明する。以下の説明は、所定の時間にパルスを3回検知した場合、不正な振動が発生したものとする場合の説明である。
まず、CPU304が振動検出装置301から検出電圧のパルス<1>(図4参照)を取得する。パルス<1>を取得すると、第一の判定部361がパルス<1>を1(起算パルス)としてパルスのカウントを開始する。また、第一の計時部362が計時を開始する。
次に、所定の時間内に次のパルス<2>を取得すると、第一の判定部361はカウントを一つアップする。一方、第二の判定部361がパルス<2>を1(起算パルス)としてパルスのカウントを開始する。また、第二の計時部362が計時を開始する。
次に、第一の計時部362が所定の時間を計時し計時終了情報を出力すると、当該第一の計時部362とひも付けられている第一の判定部361は自己を初期化する。
その後パルス<3>を取得すると、第二の判定部361はカウントを一つアップする。一方、初期化した第一の判定部361がパルス<3>を1(起算パルス)として再びパルスのカウントを開始する。また、第一の計時部362が計時を開始する。
その後パルス<4>を取得すると、第二の計時部362は計時終了情報を出力していないため、第二の判定部361がカウントを一つアップさせる。
ここで、第二の判定部361は、所定の時間内(つまり計時終了情報を取得する前に)パルスを3個検知したため、報知情報を出力する。
報知情報を取得した初期化部363は、第一の判定部361、及び、第一の計時部362に対し初期化情報を出力する。一方、第二の判定部361は自己を初期化する。従って、第二の判定部361がパルスを3個検知した後は、第一の判定部361、第二の判定部361、第一の計時部362、第二の計時部362全てが初期状態となる。(図4中の破線は、初期化されなかったら計時されていたであろう時間を示している。)
次にパルス<5>が取得された段階で、第一の判定部361はパルス<5>を1(起算パルス)としてカウントを開始し、第一の計時部362は計時を開始する。続いてパルス<6>が取得された段階で、第二の判定部361はパルス<6>を1(起算パルス)としてカウントを開始し、第二の計時部362は計時を開始する。第一の判定部361はカウントを一つアップさせる。
続いてパルス<7>を取得した段階で、第一の計時部362は、未だ計時終了情報を出力していないため、第一の判定部361は、カウントを3にした、つまりパルスを3個検知した段階で、報知情報を出力する。従って第二の判定部361と第二の計時部362は初期化部363によって初期化され、第一の判定部361と第一の計時部362は自己初期化部に基づき初期化する。
以上のように、所定の時間内に3個のパルスが発生すれば、発生パターンが如何なる場合であろうと前記3個のパルスを検知して、報知情報を出力することができる。従って、当該報知情報を取得する報知部313は、種々の装置に対し確実に警告情報を送信することができ、不正な振動が発生したとして種々の処理を行うことが可能となる。
なお、上記説明ではNを3として説明したが、Nと計時終了情報を出力するまでの時間とを様々な組合せで設定することで、様々な振動から不正な振動と正当な振動とを区別して処理することが可能となる。
(実施の形態2)
次に、検出電圧の取得に関する他の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態もパチンコ機100の振動を検出するものである。
図5は、パチンコ機の振動検知にかかわる装置構成、機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、パチンコ機100は、振動検出装置301と、判定部361と、計時部362と、初期化部363と、検知部364と、割込端子342を有するCPU(central processing unit)304と、記憶装置306とを備えている。また、CPU304と記憶装置306とは、主制御基板123に設けられている。また、記憶装置306は、判定部361と、計時部362と、検知部364と、報知部313とをプログラムとして保持している。なお、本実施の形態では、判定部361と、計時部362と、初期化部363と、検知部364と、報知部313とは、プログラムであって、適宜CPU304で実行されることにより、それらの機能が実現されるものである。
振動検出装置301は、上記と同様であるため、説明を省略する。
割込端子342は、CPU304に設けられるインターフェースであり、INT端子とか、IRQ端子などと記載される入力端子である。当該割込端子342にデジタル信号が入力された場合、CPU304が実行している処理を一時的に中断し、予め定められる別の処理が実行される。例えば、割込端子342に印加される電圧がlow状態からhi状態になる、いわゆる立ち上がった場合にデジタル信号が入力されたと判断するCPU304であった場合、当該CPU304はパルスの立ち上がりを取得し割り込みが実行されることになる。従って、CPU304が通常行う処理サイクルに関係なく、いつでも振動を検出することが可能となる。
なお、CPU304の種類によっては、割込端子342に印加される電圧がhi状態からlow状態になる際に割り込みが発生するものもある。また、振動検出装置301の種類によれば、振動を検出した際にhiの状態となるものや、hiの状態がlowの状態となるものなど様々である。従って、CPU304と振動検出装置301とをマッチングさせるために、インバータを介して割込端子342と振動検出装置301とを接続する場合もある。
記憶装置306は、CPU304は、上記説明と同様である。
検知部364は、割込端子342に印加される電圧の変化により、CPU304に割り込みが発生した場合に、振動が発生したものとして検知情報を出力する処理部である。
計時部362は、検知部364が出力する検知情報を取得してから次の検知情報を取得するまでの時間を計時する処理部であり、計時結果である計時情報を都度出力する。
判定部361は、計時情報が所定値以下である場合、その旨を示す報知情報を出力する処理部である。なお、判定部361は、計時情報が第一の所定値以上、第二の所定値以下の範囲にある場合にその旨を示す報知情報を出力してもよい。
なお、判定部361は、前記所定値以下の計時情報を所定回数連続して取得した場合に報知情報を出力するものとしてもよい。
報知部313は、上記と同様である。
以上の構成によれば、パチンコ機100に非常に周波数の高い振動が発生したとしても、CPU304がポートに対し情報を取得に行くタイミングにかかわりなく、振動検出装置301からのパルスを検出し、パルスの発生状態に基づいて当該振動が不正か否かを判定することができる。従って、高い精度で不正な振動を検出することが可能となる。
(実施の形態3)
次に、検出電圧の取得に関する他の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態もパチンコ機100の振動を検出するものである。
図6は、パチンコ機の振動検知にかかわる装置構成、機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、パチンコ機100は、振動検出装置301と、判定部361と、計時部362と、検知部364と、第一累積部365と、第二累積部366と、報知部313と、割込端子342を有するCPU(central processing unit)304と、記憶装置306とを備えている。また、CPU304と記憶装置306とは、主制御基板123に設けられている。また、記憶装置306は、判定部361と、計時部362と、検知部364と、第一累積部365と、第二累積部366と、報知部313とを保持している。なお、本実施の形態では、判定部361と、計時部362と、検知部364と、第一累積部365と、第二累積部366と、報知部313とは、プログラムであって、適宜CPU304で実行されることによりそれらの機能が実現されるものである。
振動検出装置301は、上記と同様であるため、説明を省略する。
割込端子342は、CPU304に設けられるインターフェースであり、INT端子とか、IRQ端子などと記載される入力端子である。本実施の形態の場合、振動検出装置301からの検出電圧(デジタル信号)が入力される割込端子342は、立ち上がった信号が入力される場合に割り込みが発生し、また、立ち下がった信号が入力される場合にも割り込みが発生する端子である。また、立ち上がった信号により割り込みが発生したのか、立ち下がった信号により割り込みが発生したのか、をCPU304が区別して認識できるものとなっている。具体的に割込端子342は、インプットキャプチャー端子と称される端子を例示することができる。
記憶装置306は、CPU304は、上記説明と同様である。
検知部364は、割込端子342に印加される電圧に立ち上がりが発生し、割り込みが発生した場合には、立ち上がりによる割り込みである旨を示す情報を含むエッジ情報を出力し、また、割込端子342に印加される電圧に立ち下がりが発生し、割り込みが発生した場合には、立ち下がりによる割り込みかである旨を示す情報を含むエッジ情報を出力する処理部である。また、前記エッジ情報と共に、割り込みが発生した旨の情報である検知情報を出力する処理部である。
計時部362は、検知部364が出力する検知情報を取得してから次の検知情報を取得するまでの時間をカウンタ(プログラムタイマカウンタ)の値から算出する処理部であり、算出結果である計時情報を都度出力する処理部である。
第一累積部365は、計時部362から順次出力される計時情報と、検知部364から出力されるエッジ情報とに基づき、検出信号が立ち上がってから立ち下がるまでの時間(以下「Hパルス幅」と記す。)を示す計時情報のみを抽出し、Hパルス幅を累積する処理部である。
なお、Hパルス幅として採用する最小の値を閾値として設定しておき、当該閾値とHパルス幅とを逐一比較し、閾値以上のHパルス幅のみを累積するものとしてもかまわない。これにより、微振動を除去することができ、不正振動検出の精度を向上させることが可能となる。さらに、最大の値を閾値として設定してもかまわない。また、採用する範囲を設定してもかまわない。
第二累積部366は、計時部362から順次出力される計時情報と、検知部364から出力されるエッジ情報とに基づき、検出信号が立ち下がってから立ち上がるまでの時間(以下「Lパルス幅」と記す。)を示す計時情報のみを抽出し、Lパルス幅を累積する処理部である。
なお、Lパルス幅として採用しうる最大の値を閾値として設定しておき、閾値を越えるLパルス幅を取得した時点で、Hパルス幅の累積とLパルス幅の累積を初期化するための初期化情報を出力することが望ましい。さらに、最小の値を閾値として設定し、累積する計時情報と累積しない計時情報とを当該閾値により選別してもかまわない。これにより、不正振動検出の精度を向上させることが可能となる。
判定部361は、累積されたLパルス幅の値に対する累積されたHパルス幅の値の比率が所定値以上、すなわち、頻繁にパルスが発生していた場合に報知情報を出力する処理部である。なお、判定部361は、累積されたLパルス幅の値に対する累積されたHパルス幅の値の比率が第一の所定値以上、前記比率が第二の所定値以下の範囲にある場合にその旨を示す報知情報を出力してもよい。
報知部313は、上記と同様である。
以上の構成によれば、パチンコ機100に発生する振動をより詳細に解析し、当該振動が不正な振動か否かを判定することができる。従って、振動の判定精度が向上し、間違って不正と判定し、遊技者に報知して不快な思いをさせたり、不正振動を見落として、ホールに損失を与えたりすることを抑制することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、検出電圧の立ち上がりと立ち下がりを認識し区別することでHパルス幅とLパルス幅を求めたが、本願発明はこれに限定されるわけではない。
例えば、立ち上がりと立ち下がりは必ず交互に発生すること、及び、特殊な振動が発生していない定常状態(パチンコホールの開店直前の状態など)では、十分に長いパルス幅はLパルス幅であることなどの仮定に基づきHパルス幅とLパルス幅を累積してもかまわない。この場合、検出電圧の立ち上がりと立ち下がりを区別する必要はなくなる。
(実施の形態4)
図7は、パチンコ機の振動検知にかかわる装置構成、機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、パチンコ機100は、振動検出装置301と、周波数変換装置307と、電圧変換装置308と、パラレルポート305を有するCPU(central processing unit)304と、記憶装置306とを備えている。また、周波数変換装置307と、電圧変換装置308と、CPU304と、記憶装置306とは、主制御基板123に設けられている。また、記憶装置306は、判定部361と、報知部313とを保持している。なお、本実施の形態では、判定部361と、報知部313とは、プログラムであって、適宜CPU304で実行されることにより、それらの機能が実現されるものである。
振動検出装置301は、パチンコ機100に発生する振動の強さ(強度)を電圧に対応させ、当該振動の強さの変化を経時的に検出電圧として出力することのできる、いわゆる振動の生波形を出力できるセンサである。具体的には、振動による変位や速度や加速度を振動の強度として検出するセンサを例示できる。また、振動を静電容量の変化として検出するセンサや、渦電流を用いて検出するセンサ、曲面内を転がる球体の挙動を利用して検出するセンサなどを例示することができる。
なお、振動検出装置301は、上記実施の形態に記載したようなパルス信号を検出電圧として出力するものでもかまわない。
周波数変換装置307は、振動検出装置301から出力される検出電圧の周波数を電圧に変更する装置である。例えば、周波数変換装置307は、入力される周波数に比例した(または逆比例した)電圧が出力されるF/Vコンバータと称される装置である。
電圧変換装置308は、入力される電圧に対応するデジタルの数値情報を出力する装置であり、A/Dコンバータと称される装置を例示できる。
パラレルポート305は、CPU304に設けられるインターフェースであり、電圧変換装置308から送信されるデジタルの数値情報を受信する入出力部である。
記憶装置306は、プログラムを記憶し、記憶したプログラムを適宜CPU304に提供することのできる装置である。具体的にはROMやRAM、または、ハードディスクなどである。
CPU304は、記憶装置306からプログラムを取得し、取得したプログラムに基づき種々の演算を行う素子であり、いわゆる中央演算装置である。従って、CPU304がプログラムである判定部361を取得し処理している間は、CPU304は、判定手段として機能することとなる。また、報知部313も同様である。
判定部361は、パラレルポート305を介して取得した数値情報と所定の閾値とを比較した結果である報知情報を出力する処理部である。例えば、数値情報が閾値を上回った場合に報知情報を出力する。この場合、検出電圧の周波数が高いほど、大きな数値情報が入力されるとすると、所定の周波数より高い周波数の振動が発生した場合に報知情報が出力されることになる。なお、これらの関係は周波数変換装置307や電圧変換装置308の性能や仕様により変化する。
報知部313は、判定部361からの報知情報を取得した際は、種々の装置に対し警告情報を送信する処理部であり、プログラムにより実現されるものである。
なお、判定部361、報知部313をCPU304によって機能するプログラムであるとして説明したが、本願発明はこれに限定されるわけではない。例えば、判定部361は、独立した装置である判定手段として実現させてもかまわない。また、報知部313を報知手段として実現させても良い。
以上のように、振動検出装置301から出力される検出電圧の周波数に対応するデータを用いて振動の状態を判定するため、CPU304に負担をかけることなく発生した振動を検知して判断材料とすることができる。従って、CPU304に負担をかけることなく高い精度で不正な振動を検出することが可能となる。
上記実施の形態1〜4においては、CPUなどは主制御基板が備えているとして説明したが、本願発明は基板の種類に限定されるものではない。例えばサブ制御基板や演出制御基板などパチンコ機100が備えるあらゆる基板に適用してもかまわない。さらに、CPUを一の基板に備え、記憶装置を他の基板に備えるなどパチンコ機100が備える基板であれば、複数の基板にまたがっていてもかまわない。
なお、遊技機は、振動を検知して不正な振動か否かを検出する機能を備える遊技機であって、遊技機に発生する所定値以上の振動に対応したパルス状の検出電圧を前記振動の発生に対応して順次出力する振動検出装置と、前記検出電圧であるパルスを検知することにより時間の計測を開始し、所定の時間経過時に計時終了情報を出力する計時手段と、前記計時手段が検知した前記パルスから当該パルスも含めて所定のN個(Nは2以上の自然数)のパルスを前記計時終了情報が出力されるまでに検知した場合、その旨を示す報知情報を出力する判定手段とを備え、さらに、N≧3の場合、前記計時手段と前記判定手段とで構成される検出手段がN−1個設けられ、複数の前記検出手段は、パルスの発生毎に一つづつ順番に機能するものでもかまわない。
これによれば、受信するパルス信号に対応してサンプリング時間が順次発生するため、連続して発生するパルス信号の群れが一のサンプリング時間をまたいで発生したとしても、他のサンプリング時間に納まるため、不正とみなされる振動を取りこぼすことなく、高い精度で検知することが可能となる。
また、遊技機は、遊技に関する制御を行う制御基板を有する遊技機であって、遊技機に発生する所定値以上の振動に対応したパルス状の検出電圧を出力する振動検出装置を備え、前記制御基板は、前記検出電圧が入力される割込端子を有するCPU(Central Processing Unit)と、前記割込端子に入力される前記検出電圧の立ち上がりにより割り込みが発生した場合に検知情報を出力し、立ち下がりにより割り込みが発生した場合にも検知情報を出力する検知手段と、前記検知情報を取得してから次の検知情報を取得するまでの時間を計測し、計測された時間に関する計時情報を順次出力する計時手段と、前記順次出力される計時情報を1個飛びに取得し累積する第一累積手段と、前記第一累積手段が取得する計時情報と異なる計時情報を所得し、累積する第二累積手段と、所定時間内の第一累積時間と第二累積時間との比率が所定値以上である場合、その旨を示す報知情報を出力する判定手段とを備えるものでもよい。
これによれば、パルス幅とパルスが発生する間隔とに基づき、発生した振動が不正か否かを判断している。すなわち、多くの要素で不正か否かを判定することができるため、より正確に振動の種類を判定することが可能となる。
また、遊技機は、遊技に関する制御を行う制御基板を有する遊技機であって、遊技機の振動の状態を検出し、前記振動の強さに対応する電圧を検出電圧として出力する振動検出装置を備え、前記制御基板は、前記検出電圧の周波数に対応する電圧をアナログの電圧信号として出力する周波数変換装置と、前記電圧信号に対応したデジタルの数値情報を出力する電圧変換装置と、前記数値情報と所定の閾値とを比較した結果を示す報知情報を出力する判定手段とを備えることを特徴とするものでもかまわない。
これによれば、CPUの外でセンサが検出した信号の周波数をデジタルの数値に変換し、CPUは当該デジタルの数値を取得して不正な信号か否かを判断する。従って、CPUに負担をかけることなく、高い周波数の振動や、逆に低い周波数の振動も判断に供することができるようになり、振動を取りこぼすこと無く判断して、不正か否かを決定することが可能となる。