JP5092840B2 - 生物学的脱窒装置 - Google Patents

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Description

本発明は上向流汚泥床(USB:Upflow Sludge Blanket)方式の生物学的脱窒装置に係り、特に、脱窒反応槽内の脱窒菌粒状化汚泥(グラニュール)の形成及び維持のために、原水にカルシウム化合物を添加する生物学的脱窒装置において、カルシウム化合物添加量を適切に制御して反応槽内のVSS/SS比を好適範囲に維持することにより、汚泥の浮上、流出による槽内汚泥濃度の低下を防止すると共に、脱窒処理を担う微生物を反応槽内に高濃度に保持して、効率的な脱窒処理を行う生物学的脱窒装置に関する。
生物学的脱窒処理法は、脱窒菌がもつ硝酸呼吸能力を利用して、水中の硝酸性窒素(NO )、亜硝酸性窒素(NO )を、下記(i),(ii)の反応により窒素ガス(N)に還元することにより窒素を除去する方法である。
2NO +10(H)→N+2OH+4HO …(i)
2NO +6(H)→N+2OH+2HO …(ii)
上記の脱窒反応式において、水素(H)は、有機物の分解で与えられるものであり、従って、脱窒反応には有機物が必要となる。この有機物は、原水中に生分解可能な形で含まれている場合にはそれが利用され、また微生物体内中にある有機物も利用されるが、原水中に有機物が無いか不足している場合には、外部から有機物(通常はメタノール)の適当量が添加される。
このような生物学的脱窒処理法において、反応槽内に脱窒菌を高濃度で保持することができ、これにより処理効率の向上、装置の小型化が可能な生物学的脱窒装置として、グラニュールを利用したUSB方式の生物学的脱窒装置が提案されている。
USB方式の生物学的脱窒装置は、脱窒菌の付着担体を用いることなく、反応槽内に脱窒菌を高濃度の粒状に凝集させたグラニュールの汚泥床を形成し、原水(有機性廃水)を反応槽下部から導入してこのグラニュールと接触させて原水中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を分解し、脱窒処理水を反応槽上部の固気液分離部から取り出すものである。
従来、このようなUSB方式の生物学的脱窒装置において、グラニュールの形成及び維持を安定化させることを目的として、原水にカルシウム(Ca)化合物を添加する手段を設けた生物学的脱窒装置が提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、グラニュール形成におけるCaイオンの役割として、汚水中に含まれているHCO 、PO3−とCaイオンが反応して不溶体を形成し、これと微生物が分泌する凝集性物質によって凝集した微生物が混合体を形成することでグラニュールの形成が行なわれるものと考えられると記載され、グラニュール汚泥床形成のために必要なCaイオン濃度は、1mg/L以上、望ましくは10mg/L以上、また、100mg/L以下とすると良いとされている。
特開昭62−225294号公報
特許文献1に記載されるように、グラニュール内のCaイオンの存在でグラニュールの形成及び維持を安定化させることができるが、本発明者らの検討により、Caイオンが存在しても、脱窒反応によって形成する微生物体(有機物)の量とCaイオンによって形成される無機物の量のバランス(VSS/SS比)が悪いと、良好な処理が達成できないことが判明した。具体的には、脱窒反応に関与するN濃度に比べてCa濃度が低すぎるとグラニュールは有機物ばかりになってしまい、沈降速度が小さくなり、反応槽から流出してしまうために、脱窒処理性能が悪くなる。一方、N濃度に比べてCa濃度が高すぎると、グラニュールは無機物ばかりになってしまい、脱窒処理を担う微生物が少なくなるために、脱窒処理性能が損なわれる。
本発明は上記従来の問題点を解決し、USB方式の生物学的脱窒装置において、グラニュール形成及び維持のために原水にカルシウム化合物を添加する生物学的脱窒装置において、カルシウム化合物添加量を適切に制御して反応槽内のVSS/SS比を好適範囲に維持することにより、汚泥の浮上、流出による槽内汚泥濃度の低下を防止すると共に、脱窒処理を担う微生物を反応槽内に高濃度に保持して、効率的な脱窒処理を行なう生物学的脱窒装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、次のような知見を得た。
即ち、生物学的脱窒処理において、グラニュール内では、脱窒反応が起こっているために高pHでありかつ炭酸イオン濃度も高いことから、原水中にカルシウムイオンがある場合には、グラニュール内で炭酸カルシウムとして無機物質が発生する。一方、生物学的脱窒反応によって有機性の汚泥(微生物)が発生する。このため、窒素負荷毎に、窒素除去量とカルシウム濃度の比によってVSS/SS比が決定する。
一方で、USB方式の生物学的脱窒装置における硝酸性窒素や亜硝酸性窒素の除去率は、グラニュールのVSS/SSに関係する。即ち、VSS/SSが高すぎる場合には、グラニュールの沈降性が悪化し、反応槽外に流出してしまうために窒素除去率が悪化する。逆に、VSS/SSが低すぎる場合には、脱窒反応に有効に関与する微生物量が少ないために窒素除去率が悪化する。このため、グラニュールのVSS/SSは、後述の実験例1に示されるように、0.3〜0.8、特に0.4〜0.7に調整することが好ましい。
本発明者らは、このようにグラニュールのVSS/SSを好適範囲に維持するための条件について更に検討を重ねた結果、後述のCa/脱N比αが適正な値となるように、原水へのカルシウム化合物添加量を制御することが有効であることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
(1) 硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む原水を脱窒反応槽下部から導入して、該反応槽内で、有機物の存在下に、脱窒菌が高濃度に凝集したグラニュールと接触させて脱窒処理し、処理水を該反応槽上部より取り出す生物学的脱窒装置であって、該反応槽に導入される原水にカルシウム化合物を添加する手段を設けた生物学的脱窒装置において、
前記反応槽に導入される原水中の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素量、或いは、反応槽内で除去される硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素量に基いて、前記反応槽に導入される原水のカルシウム濃度が所定の値となるように、前記カルシウム化合物添加量を制御する手段を設けた生物学的脱窒装置であって、前記反応槽に導入される原水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度、或いは(原水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度−処理水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度)で求められる硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度(以下、これらの窒素濃度を「脱N濃度」と称す。)A(mg/L)に対する、前記反応槽に導入される原水のカルシウム濃度B(mg/L)の割合((B/A)×100(%) 以下、この割合を「Ca/脱N比」と称す。)αが、1〜23%の範囲において、前記反応槽の脱N濃度Aに基く容積負荷(以下、「脱N容積負荷」と称す。)X(kg−N/m ・d)に対して、下記式(I)を満たすように、前記カルシウム化合物添加量が制御されることを特徴とする生物学的脱窒装置
(−0.66X2+9.8X−13.4)≧α≧(−0.075X2+1.1X−1.64)
…(I)
) (1)において、一定期間内における前記、脱N濃度Aの平均値を算出し、この値に基いて、次の一定期間における前記カルシウム濃度Bが設定されることを特徴とする生物学的脱窒装置
(3) (1)又は2)において、前記反応槽内のグラニュールの床高と汚泥濃度を測定し、この測定値から演算される槽内汚泥保持量が減少傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを増加させ、該槽内汚泥保持量が増加傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを減少させることを特徴とする生物学的脱窒装置。
) (1)ないし()のいずれかにおいて、前記反応槽内のグラニュールの沈降速度を測定し、測定された沈降速度が減少傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを増加させ、該沈降速度が増加傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを減少させることを特徴とする生物学的脱窒装置。
) (1)ないし()のいずれかにおいて、前記グラニュールの破砕手段を有することを特徴とする生物学的脱窒装置。
) (1)ないし()のいずれかにおいて、前記反応槽に導入される原水にメタノールを添加する手段と、処理水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度を測定し、該処理水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度が2〜20mg/Lとなるように、メタノール添加量を制御する手段とを有することを特徴とする生物学的脱窒装置。
本発明によれば、原水に添加するカルシウム化合物量を適切に制御して、反応槽内のVSS/SS比を好適範囲に維持することにより、汚泥の浮上、流出による槽内汚泥濃度の低下を防止すると共に、脱窒処理を担う微生物を反応槽内に高濃度に保持して、効率的な脱窒処理を行なうことができる。
以下に図面を参照して本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。
図1において、1は原水槽、2は調整槽、3は処理水槽、4は脱窒反応槽、5は演算器である。
原水(硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む有機性排水)は、配管11より原水槽1に導入される。この配管11には、原水流量を測定する流量計11Fと原水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度(以下「N濃度」と称す。)を測定する窒素濃度計11Nが設けられており、これらの測定値は演算器5に入力される。
原水槽1内の原水は、配管12を経てポンプ12Pにより調整槽2に送給されて水質調整される。この調整槽2には、塩化カルシウム(CaCl)等のカルシウム化合物の注入配管13、メタノールの注入配管14、水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリの注入配管15、塩酸(HCl)等の酸の注入配管16とpH計2Aが設けられている。CaCl注入配管13のバルブ13Vとメタノール注入配管14のポンプ14Pは、演算器5からの出力信号で制御される。また、NaOH注入配管15のポンプ15P及びHCl注入配管16のポンプ16PはpH計2Aの測定値に基いて作動する。2Kは調整槽2内の撹拌手段である。
なお、原水に添加するカルシウム化合物としては特に制限はなく、例えば、酸化カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム等の1種又は2種以上を用いることができる。以下においては、カルシウム化合物としてCaClを用いる場合を例示して本発明を説明するが、何らCaClに限定されるものではない。
調整槽2で水質が調整された原水は、ポンプ17Pにより、配管17及び散水管18A,18Bを経て、脱窒反応槽4の下部に導入される。17Fは流量計である。
脱窒反応槽4に導入された原水は、槽内を上向流で流れる間に、槽内のグラニュールと接触して脱窒処理され、処理水は槽上部の固気液分離手段6を経て、配管19より取り出され、処理水槽3に送給され、さらに配管20を経て系外へ排出される。
この脱窒反応槽4には、粗大化した浮上グラニュールの破砕手段7が設けられており、破砕手段7で破砕したグラニュールを槽下部に戻す配管21が設けられている。21Vはサンプリングバルブである。
また、脱窒反応槽4の上部には、脱窒反応で発生したガス(窒素ガス)を抜き出す排ガス配管22が設けられており、発生ガス量は、この排ガス配管22に設けられた流量計22Fで測定され、測定値が演算器5に入力される。
処理水槽3には、処理水のpHを測定するpH計3Aと、処理水のN濃度を測定する窒素濃度計3Nが設けられており、これらの測定値は演算器5に入力される。
なお、この生物学的脱窒装置では、調整槽2と処理水槽3は、同一槽内に、下部に通水孔8Aを有する仕切壁8で区画形成されている。このようにすることで、通水孔8Aから処理水槽3内の処理水を調整槽2に流入させることにより、処理水の循環処理を行なうことができる。
このような生物学的脱窒装置において、本発明では、反応槽4に導入される原水中の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素、或いは、反応槽で除去される硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素量に基いて、前記反応槽に導入される原水のカルシウム濃度が所定の値となるように、配管13からのCaCl添加量を制御する。
好ましくは、脱N濃度A、即ち、反応槽4に導入される原水のN濃度、或いは反応槽4内で除去された窒素量に対応する原水N濃度(mg/L)に対する、反応槽4に導入される原水のカルシウム濃度B(mg/L)の割合として、(B/A)×100%で算出されるCa/脱N比αが、1〜23%となるように、CaCl添加量を制御する。
図1の生物学的脱窒装置において、原水のN濃度は、窒素濃度計11Nで測定される。脱窒反応槽4で除去された窒素量は、窒素濃度計11Nで測定される原水のN濃度と、窒素濃度計3Nで測定される処理水のN濃度と、流量計11Fで測定される原水流量とから演算することができる。即ち、演算器5では、これらの測定値の入力信号に基いて、脱窒反応槽4で除去された硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素量(以下「脱N量」と称す場合がある。)を下記式(1)で演算する。
脱N量=(原水N濃度−処理水N濃度)×原水流量 …(1)
また、脱N量に対応する原水N濃度は、(原水N濃度−処理水N濃度)で求められる。
なお、脱N量は、脱窒反応槽4で発生する窒素ガス量から演算することもできる。即ち、脱窒反応は前述の脱窒反応式(i),(ii)に従って起こるため、発生する窒素ガス量は、脱N量に対応したものとなる。従って、図1に示す如く、排ガス配管22に設けられた流量計22Fの発生ガス量の測定値に基いて脱N量を演算することもできる。
本発明では、このようにして測定される原水N濃度又は脱N濃度A(mg/L)に対して、反応槽4に導入される原水のカルシウム濃度B(mg/L)の割合(B/A)×100で算出されるCa/脱N比αが、好ましくは1〜23%となるようにCaCl添加量を制御する。
このCa/脱N比αが1%未満であっても23%を超えても、後述の実験例1に示されるように、反応槽4内のVSS/SSを0.3〜0.8、特に0.4〜0.7の好適範囲に調整することができず、高い窒素除去率を達成し得ない。
なお、反応槽4での脱窒量は、原水N濃度と等しいものではないが、窒素除去率が高い場合には、原水N濃度とほぼ等しいとみなすことができ、原水のN濃度或いはこれに係数をかけて補正した値を脱N濃度Aとすることができる。この場合には、処理水の窒素濃度計を不要とし、計器類を簡略化することができる。
なお、ここで脱N濃度Aとカルシウム濃度Bの単位は「mg/L」に何ら限定されず、重量基準の濃度単位であれば良い。また、例えば、「kg/d」のような単位時間当たりの値で代替することもできる。
また、後述の実験例1に示されるように、上記Ca/脱N比αは、1〜23%の範囲おいて、反応槽4の窒素負荷に対応して更に調整することが好ましく、Ca/脱N比α(%)が、反応槽4の脱N濃度Aの容積負荷(脱N容積負荷)X(kg−N/m・d)に対して、下記式(I)、好ましくは下記式(II)を満たすように、CaCl添加量が制御される。
(−0.66X2+9.8X−13.4)≧α≧(−0.075X2+1.1X−1.64)
…(I)
(−0.43X2+6.25X−8.44)≧α≧(−0.13X2+1.86X−2.59)
…(II)
即ち、脱N容積負荷が3kg−N/m・dのときには、Ca/脱N比αは1.0%以上10%以下が好ましく、より好ましくは1.8%以上6.4%以下である。
また、脱N容積負荷が4kg−N/m・dのときには、Ca/脱N比αは1.7%以上16%以下が好ましく、より好ましくは2.8%以上9.9%以下である。
また、脱N容積負荷が5kg−N/m・dのときには、Ca/脱N比αは2.0%以上19%以下が好ましく、より好ましくは3.4%以上12%以下である。
また、脱N容積負荷が7kg−N/m・dのときには、Ca/脱N比αは2.5%以上23%以下が好ましく、より好ましくは4.0%以上14.4%以下である。
なお、脱N容積負荷は、前述の脱N濃度Aと原水流量と予め設計された脱窒反応槽4の容積から求められる。
本発明においては、変動する原水N濃度に対して、平均的なカルシウム濃度B又はCa/脱N比αを設定することが好ましく、このような脱N濃度A、更には脱N容積負荷Xに基くCaCl添加量の制御を、一定期間内例えば1日〜2週間、好ましくは3日〜1週間における、脱N濃度Aの平均値を算出し、この値に基いて、次の一定期間におけるカルシウム濃度B又はCa/脱N比αを設定することが好ましい。
このCa/脱N比αは、更に、反応槽4内のグラニュールの床高と汚泥濃度を測定し、この測定値から演算される槽内汚泥保持量が減少傾向にある場合には、Ca/脱N比αを増加させ、槽内汚泥保持量が増加傾向にある場合には、Ca/脱N比αを減少させる、或いはまた、反応槽内のグラニュールの沈降速度を測定し、測定された沈降速度が減少傾向にある場合には、Ca/脱N比αを増加させ、沈降速度が増加傾向にある場合には、Ca/脱N比αを減少させるといった調整を行うことにより、より一層、適正な制御を行うことが可能となる。
このようにして設定されたカルシウム濃度Bとなるように、原水にカルシウム化合物を添加するには、設定されたカルシウム濃度Bから原水由来のカルシウム濃度を差し引いた値に相当するカルシウム化合物量を原水に添加すれば良い。
また、Ca/脱N比α(%)に基いて原水へのカルシウム化合物の添加量制御を行なう場合には、下記式(2)でカルシウム化合物添加量を演算して添加量制御を行なえば良い。
原水へのカルシウム化合物添加量(kg/d)
={α×脱N量(kg/d)/100−原水由来Caイオン濃度(kg/m)×原水流量(m/d)}×カルシウム化合物分子量/Ca原子量 …(2)
本発明では、このようにカルシウム濃度B、特にCa/脱N比αを調整して反応槽4内のグラニュールのVSS/SSを適正に保ち、汚泥の浮上を防止すると共に、脱窒処理に有効な微生物の濃度を確保することに併せて、更に、浮上したグラニュール汚泥を破砕手段7で破砕して、槽下部に循環させるようにすることにより、グラニュール汚泥の粒径を制御することが好ましく、これにより、より一層脱窒効率を高めることができる。
なお、このグラニュール汚泥の破砕手段7としては、水中ポンプ等を用いることができる。
また、処理水に微量の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素が残留するように、例えば処理水のN濃度が2〜20mg/L程度となるように、メタノール添加量を制御することにより、グラニュールの膨張を防ぐことができ、より一層確実に汚泥の槽外流出を防止することができる。
この場合、図1に示すように、窒素濃度計3Nで測定される処理水N濃度に基いて、演算器5からメタノールの注入ポンプ14Pに制御信号を出力するようにすれば良い。
本発明は、このように、脱窒反応槽に導入されるN量ないしは脱窒反応槽で除去されたN量に基いて原水のカルシウム濃度が所定の値となるように、原水へのカルシウム化合物添加量を制御すること以外は、常法に従って、例えば、以下のような通常の通水条件で脱窒処理を行なうことができる。
<脱窒反応槽通水条件>
SV(原水あたり):0.125〜1hr、特に0.25〜0.67hr
LV(循環流含む):0.5〜10m/hr、特に2〜6m/hr
脱N容積負荷:1〜10kg−N/m・d
pH:6.5〜9.0、特に6.5〜7.8
水温:15〜35℃、特に20〜30℃
図1は、本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態の一例を示すものであって、本発明の生物学的脱窒装置の構成は何ら図示のものに限定されるものではない。
例えば、処理水の循環は、反応槽に設けた循環配管で行うものであってもよく、また、汚泥の破砕手段としては、図1に示す如く、反応槽内上部に設ける型式の他、反応槽から汚泥を引き抜き槽外で破砕した後反応槽に返送する型式のものであってもよい。更に、調整槽を省略してカルシウム化合物を配管に直接注入するようにすることもできるが、カルシウム濃度や原水N濃度をより正確に把握して調整するためには、調整槽を設け、ここで原水水質を十分に均一に調整してその水質測定を行うことが好ましい。
以下に実験例を挙げて本発明の効果を示す。
[実験例1]
図1に示す生物学的脱窒装置における原水の処理に当たり、脱窒反応槽4の脱N容積負荷X(kg−N/m・d)と、Ca/脱N比α(%)を種々変えて、グラニュールのVSS/SSとの関係を調べたところ、図2に示す結果が得られた。
また、脱N容積負荷Xが5kg−N/m・dのときのグラニュールのVSS/SSと、窒素除去率({(原水N濃度−処理水N濃度)/原水N濃度}×100)との関係を調べたところ、図3に示す結果が得られた。
これらの結果から、グラニュールのVSS/SS比が0.3〜0.8、特に0.4〜0.7の範囲において、高い窒素除去率が得られること(図3)、また、このグラニュールのVSS/SSをこのような好適範囲におさめるためには、Ca/脱N比αに好適範囲が存在し、Ca/脱N比αは1〜23%の範囲内であって、更に、図4に示すように、脱N容積負荷毎に好適なCa/脱N比αが存在することが分かる。
従って、本発明により、脱N濃度Aに応じて所定のカルシウム濃度Bとなるように原水へのカルシウム化合物添加量を制御することにより、脱窒反応槽内のグラニュールのVSS/SS比を一定に保ち、高い窒素除去率で安定な脱窒処理を行えることが分かる。
本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。 Ca/脱N比α(%)とグラニュールのVSS/SSとの関係を示すグラフである。 グラニュールのVSS/SSと窒素除去率との関係を示すグラフである。 脱N容積負荷とCa/脱N比αとの関係を示すグラフである。
1 原水槽
2 調整槽
3 処理水槽
4 脱窒反応槽
5 演算器
6 固気液分離手段
7 破砕手段

Claims (6)

  1. 硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む原水を脱窒反応槽下部から導入して、該反応槽内で、有機物の存在下に、脱窒菌が高濃度に凝集したグラニュールと接触させて脱窒処理し、処理水を該反応槽上部より取り出す生物学的脱窒装置であって、該反応槽に導入される原水にカルシウム化合物を添加する手段を設けた生物学的脱窒装置において、
    前記反応槽に導入される原水中の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素量、或いは、反応槽内で除去される硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素量に基いて、前記反応槽に導入される原水のカルシウム濃度が所定の値となるように、前記カルシウム化合物添加量を制御する手段を設けた生物学的脱窒装置であって、
    前記反応槽に導入される原水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度、或いは(原水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度−処理水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度)で求められる硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度(以下、これらの窒素濃度を「脱N濃度」と称す。)A(mg/L)に対する、前記反応槽に導入される原水のカルシウム濃度B(mg/L)の割合((B/A)×100(%) 以下、この割合を「Ca/脱N比」と称す。)αが、1〜23%の範囲において、前記反応槽の脱N濃度Aに基く容積負荷(以下、「脱N容積負荷」と称す。)X(kg−N/m ・d)に対して、下記式(I)を満たすように、前記カルシウム化合物添加量が制御されることを特徴とする生物学的脱窒装置。
    (−0.66X 2 +9.8X−13.4)≧α≧(−0.075X 2 +1.1X−1.64)
    …(I)
  2. 請求項1において、一定期間内における、前記脱N濃度Aの平均値を算出し、この値に基いて、次の一定期間における前記カルシウム濃度Bが設定されることを特徴とする生物学的脱窒装置。
  3. 請求項1又は2において、前記反応槽内のグラニュールの床高と汚泥濃度を測定し、この測定値から演算される槽内汚泥保持量が減少傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを増加させ、該槽内汚泥保持量が増加傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを減少させることを特徴とする生物学的脱窒装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記反応槽内のグラニュールの沈降速度を測定し、測定された沈降速度が減少傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを増加させ、該沈降速度が増加傾向にある場合には、前記Ca/脱N比αを減少させることを特徴とする生物学的脱窒装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記グラニュールの破砕手段を有することを特徴とする生物学的脱窒装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記反応槽に導入される原水にメタノールを添加する手段と、処理水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度を測定し、該処理水の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素濃度が2〜20mg/Lとなるように、メタノール添加量を制御する手段とを有することを特徴とする生物学的脱窒装置。
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