JP5451283B2 - 窒素含有排水の処理方法 - Google Patents

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本発明は、生物学的硝化脱窒理装置を用いて窒素含有排水を処理する排水処理方法に関し、特に好気性独立栄養細菌を硝化菌とする窒素含有排水の処理方法に関する。
排水中に含まれる窒素は、富栄養化現象の原因とされ、排水中の窒素を除去する技術が多く開発されている。この一つである微生物を利用して排水中の窒素を除去する生物学的窒素処理方法も、従来からよく使用されており、順送法、AO(Anaerobic−Oxic)法、A2O(Anaerobic−Anoxic−Oxic)及びUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)−DHS(Downflow Hanging Sponge Cube)法などの循環法を含め多くのプロセスが提案さている。生物学的窒素処理方法は、好気性細菌である硝化菌により排水中のアンモニア性窒素を、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素にまで酸化する硝化工程と、嫌気性細菌である脱窒菌を用いて硝酸性、亜硝酸性窒素を窒素に還元する脱窒工程とからなり、排水の性状等に応じた処理プロセス、リアクタが開発されている。
窒素含有排水を好気性独立栄養細菌である硝化菌で硝化処理するとき、硝化菌の増殖に無機炭素が必要となる。排水に含まれる窒素量が少ない場合には、曝気による排水への炭酸ガスの溶解により無機炭素を確保することができるが、高負荷処理の場合には、曝気のみでは無機炭素が不足する。これを解決するために重炭酸塩を排水中に添加し、さらにこの重炭酸塩をアリカリ剤として使用する硝化処理方法があるが、この方法では、重炭酸塩のコストが高く、排水処理コストが高くなるとして、新たな方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この方法は、アルカリ性水溶液中に二酸化炭素を含有する気体を供給し、気体中の二酸化炭素を炭酸イオン、炭素水素イオンの形でアルカリ水溶液に吸収させ、この水溶液を硝化菌の炭素源とするものであり、これにより充分な無機炭素の供給と処理コストの低減が図れるとする。
特開2006−320844号公報
特許文献1に記載の技術は、アルカリ性の水溶液に二酸化炭素を含む気体を吹き込み、液中に二酸化炭素を溶解させる方法ゆえ、水酸化ナトリウムなど薬剤を水又は排水に溶解させアルカリ性の水溶液を製造する必要がある。さらにこの水溶液に二酸化炭素を溶解させるための装置が別途必要となる。二酸化炭素として空気又は燃焼排ガス中の二酸化炭素を使用する場合には、二酸化炭素の入手にコストは殆ど掛からないものの二酸化炭素の濃度が低いので、アルカリ性水溶液に充分に溶解させるには、気液接触の高い溶解装置が必要となる。市販されているボンベに充填された二酸化炭素を使用すれば、濃度が高く比較的簡単な装置で水溶液に溶解させることが可能であるが、別途、二酸化炭素ボンベを準備する必要がありコストが掛かる。
本発明の目的は、特別な装置を使用することなく硝化菌の増殖に必要な無機炭素を供給可能で、処理コストの安い窒素含有排水の処理方法を提供することである。
請求項1に記載の本発明は、排水中のアンモニア性窒素を好気性独立栄養細菌である硝化菌で硝化処理する硝化塔と、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を嫌気性細菌である脱窒菌で脱窒処理する脱窒塔と、前記硝化搭に送る被処理水のpHを調整するpH調整装置と、前記硝化搭に送る被処理水の流量及び性状を制御する制御装置とを有する生物学的硝化脱窒装置を用い、硝化脱窒処理に伴い生成する二酸化炭素が溶解した硝化脱窒処理後の処理水を排水に供給し、該混合水のpHを調整後、これを被処理水として前記硝化塔に供給し、前記被処理水に溶解する二酸化炭素を前記硝化菌の増殖に必要な無機炭素源とする窒素含有排水の処理方法において、前記排水が、無機排水であり、前記硝化塔に供給する被処理水を、以下の全ての項目を満足するように前記硝化塔に供給することを特徴とする窒素含有排水の処理方法である。
(A)前記硝化塔に供給する被処理水は、前記硝化塔における反応時間及び硝化塔の大きさに基づき算出される予め定める流量を満足すること。
(B)前記排水に供給する処理水は、少なくとも前記硝化菌の増殖に必要な無機炭素源のうち前記排水から供給される無機炭素源の不足分を全て補うこと。
(C)前記硝化塔に供給する被処理水中のpHが硝化菌の高活性領域に調整され、かつ、前記硝化塔に供給する被処理水中のアンモニア性窒素濃度が硝化菌の高活性領域となるように前記処理水が前記排水に混合されていること。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の窒素含有排水の処理方法において、脱窒処理に必要な水素供与体としてメタノールを使用し、前記硝化塔へ供給する硝化脱窒処理後の処理水量が、排水に対して0.126倍以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の窒素含有排水の処理方法において、前記排水が、石炭火力発電所から排出される、復水脱塩装置から排出される排水、電気集じん機の洗浄排水、脱硫排水又はこれらが混合した排水であることを特徴とする。
本発明に係る窒素含有排水の処理方法は、硝化脱窒処理に伴い生成する二酸化炭素が溶解した硝化脱窒処理後の処理水を排水に供給し、該混合水のpHを調整後、これを被処理水として硝化塔に供給し、この処理水に溶解している二酸化炭素を硝化菌の増殖に必要な無機炭素源として使用する方法において、排水が、無機排水であり、硝化率が高く硝化処理を効率的に行うことができるように被処理水を硝化塔に供給する。この方法は、特別な装置を用いることなく簡単に無機炭素を供給することができる。またプロセスも簡単であり硝化率が高く窒素含有排水の処理を効率的に行うことができるので窒素含有排水を安処理することができる。
また本発明によれば、脱窒処理に必要な水素供与体としてメタノールを使用するとき、硝化塔へ供給する硝化脱窒処理後の処理水量が、排水に対して0.126倍以上であるので、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を十分に供給することができる。
また本発明に係る窒素含有排水の処理方法は、石炭火力発電所から排出される、復水脱塩装置から排出される排水、電気集じん機の洗浄排水、脱硫排水又はこれらが混合した排水の処理に好適に使用することができる。
本発明の窒素含有排水の処理方法を用いた生物学的硝化脱窒装置1のプロセスフロー図である。 図1の生物学的硝化脱窒装置1の処理水量を算出するためのフローチャートである。 本発明の窒素含有排水の処理方法を説明するための図であって、排水中のアンモニア性窒素濃度と硝化活性との関係を示す図である。
本発明に係る窒素含有排水の処理方法は、排水中のアンモニア性窒素を好気性独立栄養細菌である硝化菌で硝化処理し、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を嫌気性細菌である脱窒菌で脱窒処理した硝化脱窒処理後の処理水を、硝化塔に送り、該処理水に溶解する二酸化炭素を前記硝化菌の増殖に必要な無機炭素源とする方法である。
排水中のアンモニア性窒素を好気性独立栄養細菌である硝化菌で、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素に酸化するときの反応式は式(1)で示される。式(1)から分かるように、硝化反応では、アンモニア性窒素1モルに対して0.103モルの二酸化炭素が必要である。この二酸化炭素は、硝化菌の増殖に必要な無機炭素源となる。
NH +0.103CO+1.86O→0.0182CNO+0.00245CNO+0.979NO +1.98H+0.938HO・・・(1)
また、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を嫌気性細菌である脱窒菌で還元し窒素ガスとするときの反応式は、水素供与体をメタノールとすると式(2)で示される。メタノールは、水素供与体として硝化処理後の排水に注入され脱窒塔に送られる。式(2)から硝酸性窒素6モルから5モルの二酸化炭素が生成されることが分かる。
6NO +5CHOH→3N+5CO+7HO+6OH・・・(2)
アンモニア性窒素、硝酸性窒素及び二酸化炭素に着目し、式(1)及び式(2)を整理すると、概略的には式(3)で示される。式(3)から分かるように硝化脱窒反応全体では、1モルのアンモニア性窒素を処理するために、0.103モルの二酸化炭素が必要であるが、硝化脱窒反応後においては、1モルのアンモニア性窒素から0.816モルの二酸化炭素が生成することが分かる。
NH +0.103CO+1.86O+0.816CHOH→0.816CO+0.490N・・・(3)
本発明に係る窒素含有排水の処理方法は、上記関係から硝化脱窒処理後の処理水には、硝化脱窒反応に伴い生成する二酸化炭素が多く含まれることに着目し、処理水を硝化塔へ送ることで、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を供給しようとするものである。式(3)の関係から排水中のアンモニア性窒素が100%窒素に変換され、生成した二酸化炭素が全て処理水に溶解しているときには、排水1に対して0.126倍の処理水を硝化塔に供給することで、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を供給することができる。排水中のアンモニア性窒素の窒素への変換率、硝化塔及び脱窒塔からの二酸化炭素の放散量等を考慮する必要はあるが、排水1に対して0.126倍以上の処理水を硝化塔へ送ることで、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を充分に補給することができる。
上記の通り、本発明に係る窒素含有排水の処理方法では、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を硝化脱窒後の処理水を通じて供給することができるので、別途、無機炭素源、無機炭素を供給するための装置が不要となり、簡便かつ安価に排水処理を行うことができる。排水中のアンモニア性窒素濃度が非常に高く、処理水を通じて硝化菌の増殖に必要な無機炭素を完全に補給できない場合であっても、無機炭素を補給するための薬剤の使用量が低減され、従来以上に安価に排水処理を行うことができる。
図1は、本発明の窒素含有排水の処理方法を用いた生物学的硝化脱窒装置1のプロセスフロー図である。図1は、本発明の窒素含有排水の処理方法を用いた生物学的硝化脱窒装置1の一例であり、生物学的硝化脱窒装置がこれに限定されないことは言うまでもない。アンモニア排水を例として生物学的硝化脱窒装置1のプロセスフローを説明する。
排水貯槽内のアンモニア排水(以下単に排水と記す場合もある)は、排水供給ライン3に介装された排水ポンプ4を通じて混合槽5へ送られる。排水中の全窒素濃度及び排水中に溶解している二酸化炭素濃度が、供給ライン3に設けられたサンプリングポイト7で測定される。混合槽5へ送られた排水は、処理水供給ライン29を通じて送られる硝化脱窒処理後の処理水と混合される。さらに混合槽5には栄養塩供給装置9から表1に示される栄養塩が供給され、さらにpH調整剤供給装置11から塩酸、硫酸などのpH調整剤が供給される。表1に示すようにこの栄養塩からは、硝化菌の増殖に必要な無機炭素は補給されない。
Figure 0005451283
混合槽5で調整された排水は、DHS硝化塔13へ送られる。DHS硝化塔13内には、複数の微生物固定化担体(図示省略)が充填されており、DHS硝化塔13には下方から空気が供給される。排水は、DHS硝化塔13の上部から散水され、微生物固定化担体を通過するとき、微生物固定化担体に付着する硝化菌の作用により空気中の酸素で酸化され、排水中のアンモニア性窒素は、硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素となる。
硝化処理された排水は、ライン15を通じてUASB脱窒塔17へ送られる。ライン15の途中には、メタノール供給装置19が接続し、所定量のメタノールが供給され、硝化処理後の排水はメタノールと共にUASB脱窒塔17へ送られる。メタノールは脱窒反応に必要な水素供与体として与えられるものであり、DHS硝化塔13の入口の全窒素量に対応した量が供給される。
UASB脱窒塔17は、内部にグラニュール汚泥を保持し、UASB脱窒塔17に送られた排水中の硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素は、グラニュール汚泥中の脱窒菌の作用により、メタノールと反応し窒素ガスと炭酸ガスに分解される。
処理水は、ライン21を通り処理水貯槽23に送られる。ライン21の途中には、処理水中の全窒素濃度、COD濃度を測定するためのサンプリングポイト25が設けられている。処理水中の全窒素濃度及びCOD濃度が共に規制値以下であることが確認された後、処理水貯槽23の処理水は、処理水排出ライン27を通じて河川又は海域へ排出される。また、処理水の一部は、処理水供給ライン29を通り混合槽5に送られる。混合槽5に送る処理水は、制御装置35が流量を算出し、処理水供給ポンプ33を制御し所定量の処理水を混合槽5へ送る。
次に混合槽5に送る処理水量の算出要領を説明する。制御装置35は、排水に含まれる全窒素濃度及び排水流量と、処理水供給ライン29を通じて混合槽5に送られる処理水に含まれる全窒素濃度及び処理水量とからDHS硝化塔13に送られる全窒素量を算出する(ステップ1)。次にDHS硝化塔13に送られる全窒素を硝化処理するに必要な二酸化炭素量を算出する(ステップ2)。次に排水に含まれる二酸化炭素量を算出し、処理水から供給すべき二酸化炭素量を求める(ステップ3)。ステップ3で求めた二酸化炭素量と、サンプリングポイント31で測定される処理水中の二酸化炭素濃度とから必要な処理水量を求める(ステップ4)。このとき、排水ポンプ4を通じて送られる排水量と処理水量との合計が、所定の流量か否か判断する(ステップ5)。
所定の流量は、DHS硝化塔13の硝化反応に必要な時間及びDHS硝化塔13の大きさから算出され、これは予め決められている。制御装置35は、ステップ5において排水ポンプ4を通じて送られる排水量と処理水量との合計が、所定の流量でないと判断すると、排水ポンプ4を通じて送られる排水量を増減させ、同時にステップ1からステップ5の計算を繰り返し、混合槽5へ送る排水量及び処理水量を算出する。処理水量を算出するに当たり、DHS硝化塔13の装置特性等から二酸化炭素が途中で放散することが想定される場合は、予めこの量を加算しておいてもよく、さら安全率を考慮し処理水量を算出してもよい。このような制御装置35は、プログラマブルロジックコントーラ、コンピュータを用いて実現することができる。
硝化菌の増殖に必要な無機炭素は、ステップS4で算出した処理水を混合槽5へ供給することで確保することができる。硝化菌の増殖に必要な無機炭素を供給する観点からは、ステップ4で算出した処理水量以上の処理水を混合槽5へ供給してもよいけれども、必要以上に多く処理水を混合槽5へ供給すると、処理すべき排水の流量を減少させる必要が生じるので好ましくない。
さらに混合槽5に送る処理水量の算出するに当たり、排水中のアンモニア性窒素濃度を考慮することが好ましい。具体的には、排水中のアンモニア性窒素濃度が600mgNH−N/Lを越える排水にあっては、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を供給可能な量であると共に、DHS硝化塔13の入口部において、排水中のアンモニア性窒素濃度が400〜500mgNH−N/Lとなるように処理水量を決めることが好ましい。なお、排水中のアンモニア性窒素濃度が600mgNH−N/L以下の排水にあっては、上記ステップ1からステップ5の要領で処理水量を算出すればよい。
図3及び表2は、アンモニア含有排水を処理するDHSリアクタの排水中のアンモニア濃度と硝化活性との関係を示す実験結果である。このアンモニア含有排水は、有機物を殆ど殆ど含まない排水である。図3及び表2中、硝化活性とは、アンモニア濃度の減少量を示す。
Figure 0005451283
図3及び表2から、排水中のアンモニア濃度が400〜500mgN/Lにおいて硝化活性が一番高くなることが分かる。また排水中のアンモニア濃度が900mgN/Lを超える領域では、硝化活性が極端に低くなり、硝化菌のアンモニア硝化限界が900mgN/L以下であることが分かる。これらの結果から、アンモニア排水を硝化処理する場合、排水中のアンモニア濃度が400〜500mgNH−N/Lの排水を処理することが一番効率的であることが分かる。
排水中のアンモニア性窒素濃度が1000mgNH−N/Lの排水を例として、処理水の算出要領を説明する。硝化脱窒後の処理水には窒素は含まれておらず、処理水は、500mgNH−N/Lのアンモニア性窒素を硝化脱窒処理した後の二酸化炭素が全て溶解しているものとする。一方、処理すべき排水中のアンモニア性窒素濃度は1000mgNH−N/Lであり、排水中に二酸化炭素は溶解していないものとする。またDHS硝化塔13に供給する排水量は、2L/minとする。この場合、硝化菌の増殖に必要な二酸化炭素を供給するためには、排水量を1.6L/minとし、処理水量を0.4L/minとすればよい。このときDHS硝化塔13に送り込まれる排水中のアンモニア性窒素の濃度は、800mgNH−N/Lとなる。このように排水量及び処理水量を調節すると処理すべき排水流量を大きくすることができるが、この状態では図3に示すように硝化活性が低く効率が悪い。
一方、排水量を1.0L/minとし、処理水量を1.0L/minとすれと、処理水からは硝化菌の増殖に必要な二酸化炭素の4倍の量の二酸化炭素が供給される。このとき処理すべき排水量は、1.0L/minとなるが、DHS硝化塔13に送り込まれる排水中のアンモニア性窒素の濃度は、500mgNH−N/Lとなる。このためDHS硝化塔13での硝化活性を高くすることができる。排水中のアンモニア濃度が600mgNH−N/Lを越える排水が含まれることが想定される場合には、これらの関係を制御装置35に組み込み、処理水量を算出、制御させることが好ましい。
図1に示す実施形態では処理水に溶解する二酸化炭素の濃度を分析装置で測定し求める例を示したけれども、計算で求めることもできる。DHS硝化塔13とUASB脱窒塔17との滞留時間の合計時間(T1)を算出する。現時点からT1時間前のDHS硝化塔13入口部の排水中のアンモニア性窒素量と式(1)との関係、DHS硝化塔13での反応率α1から硝化処理後の硝酸性窒素量を算出する。また、反応率α1から反応に使用されなかった二酸化炭素量を算出し、これにDHS硝化塔13の装置特性β1を乗算し硝化処理後の排水中の二酸化炭素量を算出する。さらに硝酸性窒素量と式(2)との関係、脱窒率(α2)、UASB脱窒塔17の装置特性β2から硝化脱窒後の処理水中に溶解する二酸化炭素濃度を求める。ここでDHS硝化塔13の装置特性β1及びUASB脱窒塔17の装置特性β2は、反応により生成した二酸化炭素がガスとなって放散することなく排水又は処理水に溶解する割合を示すものである。これらは上記計算値から求めた硝化処理後の排水及び硝化脱窒処理後の処理水に含まれる二酸化炭素濃度と、分析装置で実測した値とから求めることが可能であり、予めこれら装置特性β1、β2を取得しておくことが望ましい。
上記のように本発明に係る窒素含有排水の処理方法は、硝化脱窒処理後の処理水を硝化塔へ送ることで、硝化菌の増殖に必要な無機炭素を供給しようとするものであるから、処理水に溶解する二酸化炭素量が多いことが好ましい。このためには硝化脱窒処理後の処理水に溶解する二酸化炭素をガスとして放散させないことが重要であり、硝化脱窒処理後の処理水を空気で曝気させるような操作は行うべきではない。さらに処理水貯槽の容量も小さくし滞留時間を短くすることが好ましい。また処理水貯槽を経由させることなく、脱窒塔から排出される処理水を直接、混合槽又は硝化塔へ送水してもよい。
また硝化脱窒処理後の処理水に含まれる有機物が多いと硝化菌の生育が阻害されるので、処理水に有機物が含まれないか、含まれる場合であっても硝化菌の生育を阻害しない量とする。排水がアンモニア排水で排水中に有機物を含まない場合であっても、脱窒反応に必要なメタノールの供給量が過剰であると、余剰メタノールが処理水に含まれるので、メタノールの供給量は適正量とする。
本発明に係る窒素含有排水の処理方法は、排水に含まれる有機物の量が少ない排水又は無機排水に好適に使用することができる。このような排水としては、石炭火力発電所から排出される復水脱塩装置から排出される排水、電気集じん機の洗浄排水、脱硫排水又はこれらが混合した排水などが例示される。なお、上記実施形態では、硝化塔にDHS硝化塔を脱窒塔にUASB脱窒塔を用いた例を示したけれども硝化塔及び脱窒塔がこれらリアクタに限定されないことは言うまでもない。
1 生物学的硝化脱窒装置
3 排水供給ライン
4 排水ポンプ
5 混合槽
7 サンプリングポイント
9 栄養塩供給装置
11 pH調整剤供給装置
13 DHS硝化塔
15 ライン
17 UASB脱窒塔
19 メタノール供給装置
21 ライン
23 処理水貯槽
25 サンプリングポイント
27 処理水排出ライン
29 処理水供給ライン
31 サンプリングポイント
33 処理水供給ポンプ
35 制御装置

Claims (3)

  1. 排水中のアンモニア性窒素を好気性独立栄養細菌である硝化菌で硝化処理する硝化塔と、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を嫌気性細菌である脱窒菌で脱窒処理する脱窒塔と、前記硝化搭に送る被処理水のpHを調整するpH調整装置と、前記硝化搭に送る被処理水の流量及び性状を制御する制御装置とを有する生物学的硝化脱窒装置を用い、硝化脱窒処理に伴い生成する二酸化炭素が溶解した硝化脱窒処理後の処理水を排水に供給し、該混合水のpHを調整後、これを被処理水として前記硝化塔に供給し、前記被処理水に溶解する二酸化炭素を前記硝化菌の増殖に必要な無機炭素源とする窒素含有排水の処理方法において、
    前記排水が、無機排水であり、
    前記硝化塔に供給する被処理水を、以下の全ての項目を満足するように前記硝化塔に供給することを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
    (A)前記硝化塔に供給する被処理水は、前記硝化塔における反応時間及び硝化塔の大きさに基づき算出される予め定める流量を満足すること。
    (B)前記排水に供給する処理水は、少なくとも前記硝化菌の増殖に必要な無機炭素源のうち前記排水から供給される無機炭素源の不足分を全て補うこと。
    (C)前記硝化塔に供給する被処理水中のpHが硝化菌の高活性領域に調整され、かつ、前記硝化塔に供給する被処理水中のアンモニア性窒素濃度が硝化菌の高活性領域となるように前記処理水が前記排水に混合されていること。
  2. 脱窒処理に必要な水素供与体としてメタノールを使用し、前記硝化塔へ供給する硝化脱窒処理後の処理水量が、排水に対して0.126倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒素含有排水の処理方法。
  3. 前記排水が、石炭火力発電所から排出される、復水脱塩装置から排出される排水、電気集じん機の洗浄排水、脱硫排水又はこれらが混合した排水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒素含有排水の処理方法。
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