JP5092421B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents
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前記透明プライマー層が、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシランと、アクリルポリオールと、トリレンジイソシアネートとの複合物からなる
ことを特徴とするガスバリアフィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記無機フィラーが、酸化チタン、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのいずれかであり、前記樹脂成分がウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記複合物中に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:アルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリアフィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記透明プライマー層の厚さが、0.001〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルムである。
請求項6に記載の発明は、前記無機蒸着層と前記無機フィラー含有層の間に、水溶性高分子化合物と、金属アルコキシドおよび/またはその加水分解物および/またはその重合物の少なくとも1種類以上とを成分に持つ複合被膜層を積層することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項7に記載の発明は、前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコール、セルロース、デンプンの少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項6に記載のガスバリアフィルムである。
請求項8に記載の発明は、前記金属アルコキシドが、シランアルコキシドであることを特徴とする請求項6に記載のガスバリアフィルムである。
また、透明プライマー層を設ける形態では、プラスチック基材と無機蒸着層との密着性を高めることができる。
図1は本発明のガスバリアフィルムの一実施形態を説明する断面図である。プラスチック基材1表面上に、透明プライマー層2、無機蒸着層3、複合被膜層4、無機フィラー含有層5が形成されている構造である。無機蒸着層3、複合被膜層4、無機フィラー含有層5は基材1の両面に形成しても、また複合被膜層4と無機フィラー含有層5の成分を混合した層を構成してもよく、また多層にしてもよい。
無機蒸着層3の厚さは、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることである。
なお、金属アルコキシドと水溶性高分子の混合からなる複合皮膜層は、水素結合からなるため、水に膨潤し溶解する恐れがある。これを防ぐために、金属アルコキシドにシランカップリング剤を添加することが好ましい。
水溶性高分子化合物と、金属アルコキシドおよび/またはその加水分解物および/またはその重合物との割合は、重量比として、前者1に対し、後者1〜2が好ましい。
A)希釈溶媒中、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン(以下EETMSと略す)とアクリルポリオールをEETMSに対し、5.0倍量(重量比)量りとり混合し、さらに触媒として塩化錫(SnCl2)/メタノール溶液(0.003mol/gに調液したもの)をEETMSに対し1/135molになるように添加し攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(以下TDIと略す)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈したものを複合溶液Aとする。
(3)液:ウレタン樹脂と硫酸バリウムを混練し、有機溶剤(イソプロピルアルコール:メチルエチルケトン:トルエン=1:3:2)にて希釈した溶液。無機フィラー含有層中に硫酸バリウムが20体積%となるようにした。
無機フィラー含有層中に硫酸バリウムが10体積%となるようにしたとしたこと以外は、実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。
無機フィラー含有層を塗布しないこと以外は、実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。
上記積層サンプルの過酷環境試験として、プレッシャークッカーテスト(PCT)(高温高圧による過酷環境試験)を105℃ 92時間保持条件にて実施した。この処理後の酸素透過度を、モダンコントロール社製(MOCON OXTRAN 10/50A)を用いて、30℃−70%RH雰囲気下で測定した。
結果を表1に示す。
<評価2>
PCT後のラミネート強度
上記PCT後の積層サンプルのガスバリアフィルム/PVFフィルム間のラミネート強度を、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いて測定した(JIS Z1707準拠)。但し、測定の際に測定部位を水で湿潤させながら行った。結果を表1に示す。
2 透明プライマー層
3 無機蒸着層
4 複合被膜層
5 無機フィラー含有層(応力緩和層)
Claims (8)
- ポリエチレンナフタレートフィルムの少なくとも一方の面に、透明プライマー層と、厚さ5〜300nmの無機蒸着層と、無機フィラーと樹脂成分とからなり前記無機フィラーを5〜60体積%含む無機フィラー含有層とを順次積層してなり、
前記透明プライマー層が、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシランと、アクリルポリオールと、トリレンジイソシアネートとの複合物からなる
ことを特徴とするガスバリアフィルム。 - 前記無機フィラーが、酸化チタン、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのいずれかであり、前記樹脂成分がウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- 前記複合物中に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:アルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
- 前記金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリアフィルム。
- 前記透明プライマー層の厚さが、0.001〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機蒸着層と前記無機フィラー含有層の間に、水溶性高分子化合物と、金属アルコキシドおよび/またはその加水分解物および/またはその重合物の少なくとも1種類以上とを成分に持つ複合被膜層を積層することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
- 前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコール、セルロース、デンプンの少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項6に記載のガスバリアフィルム。
- 前記金属アルコキシドが、シランアルコキシドであることを特徴とする請求項6に記載のガスバリアフィルム。
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