JP5092166B2 - シャフトシール装置 - Google Patents
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シャフトシール装置700においては、端面リップシール720に形成されたリップ部723が相手材710の摺動面711に対して外径方向へ傾斜して密接摺動することにより、リップ部723の外周部側となる空間Aに存在する被密封流体が相手材(ハウジング)710より内径側及び背面側の空間Bへ漏洩するのを防止する(圧力はA>B)。
具体的に説明すると、端面リップシール720においては、端面リップシール720を相手材710に近づける方向に被密封流体の圧力が作用する面の面積と、端面リップシール720を相手材710から離す方向に被密封流体の圧力が作用する面の面積との差、すなわち受圧面積の差は、径方向の幅が図7に示す長さdであるような円環面の面積に相当する。すなわち、この径方向の長さdに相当する面積だけ、端面リップシール720を相手材710に近づける方向に被密封流体の圧力が作用する面の面積が大きく、その結果、端面リップシール720には、図7において矢印Dで示すような、端面リップシール720を相手材710に近づける方向の力が作用する。
図8に示すシール装置800も、図7に示したシャフトシール装置700と同様に、端面リップシール820に形成された突出リップ823が固定環(相手材)810の摺動面811に対して外径方向へ傾斜して密接摺動することにより、突出リップ823の外周部側となる機内側Aに存在する被密封流体が固定環810より内径側及び背面側の大気側Bへ漏洩するのを防止するシール装置である(圧力はA>B)。
具体的に説明すると、端面リップシール820においては、端面リップシール820を固定環810に近づける方向に被密封流体の圧力が作用する面の面積と、端面リップシール820を固定環810から離す方向に被密封流体の圧力が作用する面の面積との差、すなわち受圧面積の差は、径方向の幅が図8に示す長さdであるような円環面の面積に相当する。すなわち、この径方向の長さdに相当する面積だけ、端面リップシール820を固定環810から離す方向に被密封流体の圧力が作用する面の面積が大きく、その結果、端面リップシール820には、図8において矢印Dで示すような、端面リップシール820を固定環810から離れる方向の力が作用する。
例えば、図8に示したシール装置においてシール取付け長(L)が適切ではなく、固定環810と端面リップシール820との離間距離が長くなると、突出リップ823と固定環810との摺動面の面積が小さくなって、摺動面の負荷応力が大きくなる。そして、離間距離がさらに大きくなると、突出リップ823の摺動面の面積が極端に小さくなって負荷応力が集中し、摺動面の過剰摩耗や突出リップ823の破損が発生する可能性がある。さらには、突出リップ823が固定環810の摺動面に対して充分に追随できない状態、あるいは離接状態となり、いわゆる「シール面の開き」が発生する可能性がある。
そのために従来は、シール装置800を組み付ける前にコンプレッサを仮組みしてハウジング890とシャフト21との相対位置を計測し、その後一度コンプレッサを分解して、ハウジング段差端面890aあるいはシャフト段差端面21aの一方あるいは両方に計測した相対位置と規定値との差を修正するための例えばシムや金属ワッシャー等の別部品を装着し、再度、シール装置800を組み付けてコンプレッサを組み立てていた。しかしそのような方法は、コンプレッサを2度組み立てることとなり工数が多くなり作業が煩雑になる上に、装着する部品の寸法精度や再組み立て時の再現性等の問題から、最終的に組み付けられたシール装置800のシール取付け長(L)の誤差(ばらつき)が大きくなるという問題も生じていた。
しかし、突出リップ823の長さを長くすることは、突出リップ823と固定環810との摺動面の直径が大きくなり、摺動面の相対滑り速度を増大させ、また、摺動面の受圧面積を増大させ、摺動面にかかる圧力による荷重を増大させることになるため好ましくない。従って、突出リップ823の長さはできるだけ短くすることが望まれており、このような構成のシール装置のシール取付け長(L)の許容誤差は、例えばメカニカルシール等の端面シールと比較すると極めて小さい値に制限される。
前記ハウジング(10)又は前記シャフト(20)の一方に密封に取付けられて、軸方向の一方の端面に摺動面(111)を有する密封環(110)と、
前記ハウジング(10)又は前記シャフト(20)の他方に取付けられて、前記密封環(110)側の端部から前記密封環(110)の前記摺動面(111)方向に突出し、当該摺動面(111)に弾性接触して密接摺動する密接面(125)を有するリップ(121)を備えた端面リップシール(120)と、
前記端面リップシール(120)と前記密封環摺動面(111)との距離を規定するシール取付け長規定部材と、
前記端面リップシール(120)に一体的に保持されるスラスト軸受の一方の軌道盤(143)又はラジアル軸受の内径側軌道輪と、前記シール取付け長規定部材を介して前記密封環(110)に固定されるスラスト軸受の他方の軌道盤(142)又はラジアル軸受の外径側軌道輪と、を有し、前記端面リップシール(120)と前記密封環(110)との間に設置される転がり軸受(140)と、
を有するシャフトシール装置(100)において、
前記シール取付け長規定部材は、前記密封環摺動面(111)に対向して、前記スラスト軸受の前記他方の軌道盤(142)側面又は前記ラジアル軸受の前記外径側軌道輪側面に、軸方向に突出した鍔部(144)として一体形成されており、且つ、当該鍔部(144)端面は、前記密封環摺動面(111)に当接され、支持固定されている
ことを特徴とするものである。
前記ハウジング(10)又は前記シャフト(20)の一方に密封に取付けられて、軸方向の一方の端面に摺動面(211)を有する密封環(210)と、
前記ハウジング(10)又は前記シャフト(20)の他方に取付けられて、前記密封環(210)側の端部から前記密封環(210)の前記摺動面(211)方向に突出し、当該摺動面(211)に弾性接触して密接摺動する密接面(125)を有するリップ(121)を備えた端面リップシール(120)と、
前記端面リップシール(120)と前記密封環摺動面(211)との距離を規定するシール取付け長規定部材と、
前記端面リップシール(120)に一体的に保持されるスラスト軸受の一方の軌道盤又はラジアル軸受の内径側軌道輪(243)と、前記シール取付け長規定部材を介して前記密封環(210)に固定されるスラスト軸受の他方の軌道盤又はラジアル軸受の外径側軌道輪(242)と、を有し、前記端面リップシール(120)と前記密封環(210)との間に設置される転がり軸受(240)と、
を有するシャフトシール装置(200)において、
前記シール取付け長規定部材は、前記スラスト軸受の前記他方の軌道盤の側面又は前記ラジアル軸受の前記外径側軌道輪(242)の側面に対向して、前記密封環摺動面(211)に、軸方向に突出した鍔部(244)として一体形成されており、且つ、当該鍔部(244)端面は、前記他方の軌道盤の側面又は前記外径側軌道輪(242)の側面に当接され、支持固定されている
ことを特徴とするものである。
前記ハウジング(10)又は前記シャフト(20)の一方に密封に取付けられて、軸方向の一方の端面に摺動面(111)を有する密封環(110)と、
前記ハウジング(10)又は前記シャフト(20)の他方に取付けられて、前記密封環(110)側の端部から前記密封環(110)の前記摺動面(111)方向に突出し、当該摺動面(111)に弾性接触して密接摺動する密接面(125)を有するリップ(121)を備えた端面リップシール(120)と、
前記端面リップシール(120)と前記密封環摺動面(111)との距離を規定するシール取付け長規定部材(350)と、
前記端面リップシール(120)に一体的に保持されるスラスト軸受の一方の軌道盤(343)又はラジアル軸受の内径側軌道輪と、前記シール取付け長規定部材を介して前記密封環(110)に固定されるスラスト軸受の他方の軌道盤(342)又はラジアル軸受の外径側軌道輪と、を有し、前記端面リップシール(120)と前記密封環(110)との間に設置される転がり軸受(340)と、
を有するシャフトシール装置(300)において、
前記シール取付け長規定部材(350)は、前記スラスト軸受の前記他方の軌道盤(342)の外周又は前記ラジアル軸受の前記外径側軌道輪の外周に嵌合する環状の本体部(351)を有し、前記本体部(351)は前記密封環(110)側に配置される端部側に、前記密封環摺動面(111)に対向して、軸方向に突出した鍔部(344)が一体形成されており、且つ、当該鍔部(344)端面は前記密封環摺動面(111)に当接され、支持固定されている
ことを特徴とするものである。
さらに、転がり軸受(240)をすきまばめ状態で設置しており、端面リップシール(120)をラジアル方向にも精度よく支持することができる。従って、回転装置の軸の回転速度(周速)が大きい条件においても、シャフトシール装置(200)の偏心、揺動、振動等の影響を抑えることができ、端面リップシール(120)の摺動面からの被密封流体の漏れを確実に防ぐことができる。
さらに、シャフトシール装置(400)においては、円筒状部材(450)を用いて一体型に構成しているので、取り扱いが容易でメンテナンスも容易にすることができる。
本発明のシャフトシール装置の第1実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態のシャフトシール装置100の構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態のシャフトシール装置100は、回転装置において、シャフト20がハウジング10の開口11を通過する箇所に設置される。シャフトシール装置100は、シャフト20の軸方向に沿った機内側Aと大気側Bとの間で被密封流体の漏洩が無いように、シャフト20とハウジング10との間をシールする。
シャフトシール装置100においては、端面リップシール120に形成されたリップ(突出リップ)121が固定環110の摺動面111に対して外径方向へ傾斜して密接摺動することにより、リップ121の外周部側となる機内側Aに存在する被密封流体が固定環110より内径側及び背面側の大気側Bへ漏洩するのを防止する(圧力はA>B)。
Oリング113は、例えば、ゴム、合成樹脂あるいはソフトメタル等で形成される。
なお、このOリング113の代わりに、例えば断面がI字状やL字状のガスケット、Vリングあるいは角リングという形態のパッキン、あるいは、断面がC字形状の中空金属リング等を適用してもよい。
固定環110の材質は、後述する端面リップシール120よりも硬質の材料であればよく、例えば、超硬合金、炭化珪素、セラミックス、鋳鉄あるいはエンジニアリングプラスチック等である。なお、潤滑条件が厳しい回転装置においては、自己潤滑性に優れるカーボン、又はカーボンと硬質材の複合材を選定することも有効である。
端面リップシール120は、弾性材123の内部に補強環122が埋設された構成、換言すれば、補強環122の周囲を弾性材123により被覆した構成である。補強環122の固定環110から遠位側の端部は、弾性材123の外周側の端部から外部に露出し、径方向に円環面が形成されるように円板状フランジ124に形成されている。この円板状フランジ124は、転がりスラスト軸受140の回転側軌道盤である一方の軌道盤143を軸方向に支持する支持部124として構成されている。
また、弾性材123の材質は、被密封流体の種類により選定されるが、例えばニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、シリコンゴム(VMQ)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム材あるいはエンジニアリングプラスチック等である。
転がりスラスト軸受140は、回転側軌道盤である一方の軌道盤143が端面リップシール120の外周面に嵌合されて、さらにその軸方向外側の端面が端面リップシール120の補強環122の円板状フランジ124に当接されて支持されている。従って、前述したように端面リップシール120が、図1に矢印Dで示すように固定環110方向に押圧された場合には、回転側軌道盤143も一体的に、すなわち、転がりスラスト軸受140の全体も一体的に固定環110方向に押圧される。
転がりスラスト軸受140の固定側軌道盤142の固定環110側の端部の、固定環110の摺動面111と対向する面の外周部には、シール取付け長規定部材としての鍔部144が形成されている。そして、この鍔部144を固定環110の摺動面111に当接させた状態において、端面リップシール120と固定環110との距離、すなわち、シール取付け長(L)は、適切な所望の長さとなるように、シャフトシール装置100は設計されている。
また、端面リップシール120の固定環110側に被密封流体が流入することにより、端面リップシール120に対して、端面リップシール120を固定環110から遠ざける方向の圧力が適切に作用することとなる。
なお、この状態において、固定側軌道盤142に形成されている取付け長規定部材としての鍔部144が固定環110に支持固定されているので、固定環110と端面リップシール120については適切なシール取付け長(L)となっている。
なお、本実施形態では、転がり軸受として転がりスラスト軸受140を用いたが、転がり軸受として転がりラジアル軸受を用いることも可能である。この場合、固定側軌道盤142の部位に外径側軌道輪を用い、回転側軌道盤143の部位に内径側軌道輪を用いればよい。
本発明のシャフトシール装置の第2実施形態について、図2を参照して説明する。なお、以下の説明においては、先に説明した実施形態の構成と実質的に同一の構成については同一の符号を用いるとともにその説明は省略し、先に説明した実施形態との相違点についてのみ説明をする。
第2実施形態のシャフトシール装置200においては、適用する転がり軸受の種類及び設置形態が第1実施形態とは異なる。
図2に示すシャフトシール装置200においては、転がり軸受240として、ラジアル荷重とアキシャル荷重を同時に受けることができる「ラジアル軸受」タイプの転がり軸受(転がりラジアル軸受、アンギュラ玉軸受)を用い、外径側軌道輪242とハウジング10がすきまばめ、内径側軌道輪243と端面リップシール120は弾性材の弾性による嵌合としている。転がりラジアル軸受240は、外径側軌道輪242が軸方向に移動可能で、且つ、ハウジング10との径方向隙間が極めて小さい状態に設置されている。
また、これに伴って、流路245も、固定環210の摺動面211の外周面に形成されている鍔部244に対して適宜設けられている。
また、転がりラジアル軸受240を用いており、使用時の摺動トルクや摺動発熱を非常に小さく抑制することができ、被密封流体の圧力が高圧な場合においても適切に適用することができる。
なお、本実施形態では、転がり軸受として転がりラジアル軸受240を用いたが、転がり軸受として転がりスラスト軸受を用いることも可能である。この場合、外径側軌道輪242の部位に固定側軌道盤を用い、内径側軌道輪243の部位に回転側軌道盤を用いればよい。
本発明のシャフトシール装置の第3実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。ここでも、先に説明した実施形態の構成と実質的に同一の構成については同一の符号を用いるとともにその説明は省略し、先に説明した実施形態との相違点についてのみ説明をする。
第3実施形態のシャフトシール装置300も、基本的な構成は第1実施形態のシャフトシール装置100と同じである。
第3実施形態のシャフトシール装置300においては、シール取付け長(L)を所望の値に設定及び維持するための転がり軸受の鍔部を、スペーサー350なる別部品により構成したものである。
また、端面リップシール120の固定環110側に被密封流体が流入することにより、端面リップシール120に対して、端面リップシール120を固定環110から遠ざける方向の圧力が適切に作用することとなる。
なお、スペーサー350は、例えば鋼板をプレス成形して製作するのが好適である。
また、転がりスラスト軸受340を用いており、使用時の摺動トルクや摺動発熱を非常に小さく抑制することができ、被密封流体の圧力が高圧な場合においても適切に適用することができる。
また、本実施形態では、転がり軸受として転がりスラスト軸受340を用いたが、転がり軸受として転がりラジアル軸受を用いることも可能である。この場合、固定側軌道盤342の部位に外径側軌道輪を用い、回転側軌道盤343の部位に内径側軌道輪を用いればよい。
本発明のシャフトシール装置の第4実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、ここでも、先に説明した実施形態との相違点についてのみ説明をする。
第4実施形態のシャフトシール装置400は、アウターシリンダ450によって、固定環(密封環)110、端面リップシール120及び転がりスラスト軸受440等を一体型に構成したものである。
また、アウターシリンダ450の外周面の、ハウジング10に形成された流体供給ポート15の流体供給口に対応する箇所には、流体をアウターシリンダ450の内部に導入するための開口451が形成されている。
シャフトシール装置400の転がりスラスト軸受440の構成は、基本的には第1実施形態のシャフトシール装置100の転がりスラスト軸受140と同じであるが、第1実施形態のシャフトシール装置100において固定側軌道盤142の外周側に鍔部144が形成されている。この鍔部144は、流体供給ポート15及び開口451を介した流体の導入の障害にならないように、固定側軌道盤442の固定環(密封環)110の摺動面111と対向する面の内径側に取付け長規定部材として形成されている。
また、転がりスラスト軸受440を用いており、使用時の摺動トルクや摺動発熱を非常に小さく抑制することができ、被密封流体の圧力が高圧な場合においても適切に適用することができる。
さらに、第4実施形態のシャフトシール装置400においては、アウターシリンダ450を用いて一体型として構成したので、取り扱いが容易でメンテナンスも容易にすることができる。
なお、前述した実施形態は本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
例えば、前述した各実施形態は、いずれも、リップを回転環側に設けたものであったが、固定環側にリップ(端面リップシール)を形成するような構成であってもよい。
また、被密封流体をリップ部(摺動面)に導入するための流路の数、形状、配置等は、適宜決定してよい。
11…開口
12…軸方向端面
13…拡径部
14…溝
15…流体供給ポート
20、21…シャフト(回転軸)
21a…段差端面
100、200、300、400…シャフトシール装置
110、210…固定環(密封環)
111、211…摺動面
112…大気側端面
113…Oリング
120…端面リップシール
121…リップ(突出リップ)
122…補強環
123…弾性材
124…支持部(円板状フランジ)
125…密接面
140、340、440…転がりスラスト軸受
141…ボール(転動体)
142、342、442…転がりスラスト軸受の他方の軌道盤又は固定側軌道盤
143、343、443…転がりスラスト軸受の一方の軌道盤又は回転側軌道盤
144、344、444…鍔部
145、345…流路
240…転がりラジアル軸受
242…転がりラジアル軸受の外径側軌道輪
243…転がりラジアル軸受の内径側軌道輪
244…鍔部
245…流路
350…スペーサー
351…本体部分
450…アウターシリンダ
451…開口
452…カシメ部
470…ガスケット
700、800…従来のシャフトシール装置
710…相手材(ハウジング)
810…相手材(固定環)
711、811…摺動面
720、820…端面リップシール
723、823…突出リップ
725…鍔部
840…固定側シール
841、843…パッキン
845…補強ケース
847…シールリップ
890a…ハウジング段差端面
Claims (6)
- ハウジングと、当該ハウジングを通過するシャフトとの間で被密封流体をシールするシャフトシール装置であって、
前記ハウジング又は前記シャフトの一方に密封に取付けられて、軸方向の一方の端面に摺動面を有する密封環と、
前記ハウジング又は前記シャフトの他方に取付けられて、前記密封環側の端部から前記密封環の前記摺動面方向に突出し、当該摺動面に弾性接触して密接摺動する密接面を有するリップを備えた端面リップシールと、
前記端面リップシールと前記密封環摺動面との距離を規定するシール取付け長規定部材と、
前記端面リップシールに一体的に保持されるスラスト軸受の一方の軌道盤又はラジアル軸受の内径側軌道輪と、前記シール取付け長規定部材を介して前記密封環に固定されるスラスト軸受の他方の軌道盤又はラジアル軸受の外径側軌道輪と、を有し、前記端面リップシールと前記密封環との間に設置される転がり軸受と、
を有するシャフトシール装置において、
前記シール取付け長規定部材は、前記密封環摺動面に対向して、前記スラスト軸受の前記他方の軌道盤側面又は前記ラジアル軸受の前記外径側軌道輪側面に、軸方向に突出した鍔部として一体形成されており、且つ、当該鍔部端面は、前記密封環摺動面に当接され、支持固定されている
ことを特徴とするシャフトシール装置。 - ハウジングと、当該ハウジングを通過するシャフトとの間で被密封流体をシールするシャフトシール装置であって、
前記ハウジング又は前記シャフトの一方に密封に取付けられて、軸方向の一方の端面に摺動面を有する密封環と、
前記ハウジング又は前記シャフトの他方に取付けられて、前記密封環側の端部から前記密封環の前記摺動面方向に突出し、当該摺動面に弾性接触して密接摺動する密接面を有するリップを備えた端面リップシールと、
前記端面リップシールと前記密封環摺動面との距離を規定するシール取付け長規定部材と、
前記端面リップシールに一体的に保持されるスラスト軸受の一方の軌道盤又はラジアル軸受の内径側軌道輪と、前記シール取付け長規定部材を介して前記密封環に固定されるスラスト軸受の他方の軌道盤又はラジアル軸受の外径側軌道輪と、を有し、前記端面リップシールと前記密封環との間に設置される転がり軸受と、
を有するシャフトシール装置において、
前記シール取付け長規定部材は、前記スラスト軸受の前記他方の軌道盤の側面又は前記ラジアル軸受の前記外径側軌道輪の側面に対向して、前記密封環摺動面に、軸方向に突出した鍔部として一体形成されており、且つ、当該鍔部端面は、前記他方の軌道盤の側面又は前記外径側軌道輪の側面に当接され、支持固定されている
ことを特徴とするシャフトシール装置。 - ハウジングと、当該ハウジングを通過するシャフトとの間で被密封流体をシールするシャフトシール装置であって、
前記ハウジング又は前記シャフトの一方に密封に取付けられて、軸方向の一方の端面に摺動面を有する密封環と、
前記ハウジング又は前記シャフトの他方に取付けられて、前記密封環側の端部から前記密封環の前記摺動面方向に突出し、当該摺動面に弾性接触して密接摺動する密接面を有するリップを備えた端面リップシールと、
前記端面リップシールと前記密封環摺動面との距離を規定するシール取付け長規定部材と、
前記端面リップシールに一体的に保持されるスラスト軸受の一方の軌道盤又はラジアル軸受の内径側軌道輪と、前記シール取付け長規定部材を介して前記密封環に固定されるスラスト軸受の他方の軌道盤又はラジアル軸受の外径側軌道輪と、を有し、前記端面リップシールと前記密封環との間に設置される転がり軸受と、
を有するシャフトシール装置において、
前記シール取付け長規定部材は、前記スラスト軸受の前記他方の軌道盤の外周又は前記ラジアル軸受の前記外径側軌道輪の外周に嵌合する環状の本体部を有し、前記本体部は前記密封環側に配置される端部側に、前記密封環摺動面に対向して、軸方向に突出した鍔部が一体形成されており、且つ、当該鍔部端面は前記密封環摺動面に当接され、支持固定されている
ことを特徴とするシャフトシール装置。 - 前記シール取付け長規定部材の鍔部は、前記端面リップシールが前記密封環摺動面に密接摺動する密接面よりも外周側に位置し、前記端面リップシールが前記摺動面と密接摺動するリップ密接面に被密封流体を導入するための被密封流体の流路を前記鍔部に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシャフトシール装置。
- 前記端面リップシール、前記密封環及び前記転がり軸受が、前記ハウジングの内周面に嵌合される外周面を有する円筒状部材の内部に一体的に保持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシャフトシール装置。
- 前記円筒状部材は、外周面に流体を内部に導入するための開口を有し、大気側の端部が前記密封環の外周面に延伸して、ガスケットを介して前記密封環及び前記ハウジングと一体化され、機内側の端部が前記転がり軸受の外周面に延伸して、前記スラスト軸受の他方の軌道盤の外周又は前記ラジアル軸受の外径側軌道輪の外周に嵌合されることを特徴とする請求項5に記載のシャフトシール装置。
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