JP5090915B2 - 両親媒性スターブロックポリマー - Google Patents

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Description

本発明は、多官能性コア、疎水性ブロックおよび親水性ブロックを含ブロックコポリマーに関する。さらに本発明は、ブロックコポリマーから形成されたナノカプセルおよびブロックコポリマーを製造するための方法に関する。
発明の背景技術および解決すべき課題
機能性薬剤、分子、成分または組成物、たとえばフレーバー、フレグランス、医薬、農薬、たとえば殺菌剤、殺かび剤または殺虫剤、染料等の送達は、ほぼすべての適用技術のための重要な問題である。機能性薬剤の、濃縮され、容易に運搬かつ加工可能な形の安定化なしに送達は実現されず、かつこの薬剤は、予定された場所および時間において、その有益な性質をめったに示すことはない。さらに、効果的なカプセル封入が、広範囲の適用において、敏感な添加剤を分解から保護し、かつこれらの放出を制御するために、かつそれによって、適用の要求にしたがってその性能を最適化するために、必要とされる。
したがって、安定化された機能性薬剤の送達を実現するためには、カプセル封入が重要であり、かつこれまで多くの異なるカプセル封入技術および系が開発されてきた。カプセル封入系の特別な群、マイクロ−、ナノカプセルは、疎水性機能性薬剤、たとえばフレグランスまたはフレーバーを含むが、水性環境下、たとえばエマルションの水相、たとえばシャンプー、ローションまたはシャワーゲル中で分散可能であるかまたは溶解可能な粒子の提供の問題に関する。
ポリサッカリド骨格および両親媒性ジブロックコポリマーを含生分解可能なコポリマー組成物は、EP04101930.8に開示されている。しかしながら、より高い装填量の生物活性分子をカプセル封入することが可能な、他の送達系を有することが有利である。さらに、より球状のカプセルを有することも有利である。
球状の単一分子から形成された、ポリマーマイクロ−およびナノカプセルは、EP1443058A1の対象である。これらのカプセルは、単一の架橋された疎水性ポリマーから構成され、この場合、これらは、化学薬品を用いて化学的に改され、親水性部分をその表面に含ものである。化学的改は、カルボン酸、第4級アンモニウム塩、ヒドロキシ、スルホネートまたはさらにはチオール部分を添加することにより、その粒子表面に生じる。しかしながら、これらのカプセルは、乳化重合により製造され、この場合、これは、カプセル封入物が、カプセルの完全な中心を占めることを意味し、その一方で、ポリマーは、カプセル封入物の周囲にシェルの形で位置する。このようなカプセルは、機械的応力にあまり耐性ではない。
US6723789B1、US6552146B1およびUS6476124B1において、式A−[(M1)p1−(M2)p2...(Mi)pjのスター構造を有するブロックコポリマーが開示されており、この場合、これは、基本的に化粧品(ネイル、アイラッシュ、アイブロウおよび毛髪)適用のためのものである。しかしながら、これらのコポリマーは両親媒性であり、かつカプセル封入系としては適していない。
ハイパーブランチ両親媒性ポリマー添加剤は、WO01/58987A2中に開示されている。しかしながら、生物活性薬剤のカプセル封入に関するものではない。これとは対照的に、EP0858797A1では、末端アミノ官能基を有するデンドリックポリマーに関し、この場合、これは、わきが治療のためのものである。他方で、親油性活性成分を含有する脂質コアおよび水不溶性連続ポリマー外皮は、US6379683B1の対象である。
ポリマーによるカプセル封入の分野における他の文献は、WO02/26867A2であり、この場合、これは、デンドリマーの特定の群を、薬送達に使用するものである。しかしながら、これらの分子は相対的に小さく、したがって、送達すべきカプセル封入物の量を制限するものである。
従来技術において、他のカプセル封入系が必要とされることが明らかとなり、これは、特に水性環境下において、親油性の、場合により揮発性の生物活性薬剤をカプセル封入するのに適したものである。一般に、水中でのカプセルの良好な溶解性または分散性は、水性液体表面上の、カプセルの沈澱ならびに浮動が回避されることを意味する。他の重要なパラメーターは、カプセル1質量単位に対して装填またはカプセル封入されてもよい生物活性薬剤の量、その放出の制御能力ならびにカプセルの物理的安定性である。
本発明は、前記問題に関する。
本発明の概要
注目に値すべきは、基本的に球状のブロックコポリマーが提供され、この場合、これは、多官能性中心、疎水性ブロック、この場合、これは、中心または適切なリンカー分子上に重合されたもの、および、隣接する親水性ブロック、この場合、これは、水性液体中での良好に溶解または分散可能なもの、を含む。疎水性ブロックのおかげで、コポリマーは相対的に大きい球または層を含み、その際、疎水性の(生物)活性薬剤は、容易に会合または結合される。
したがって、本発明は、第1の態様において、一般式(I)
Figure 0005090915
[式中、Aは、官能性を有するコアであり;zに掛けられたsは、コポリマーのアーム数を示し、それにより、szの積は>6であり;
XmおよびYnは、それぞれ互いに独立して、mまたはn(それぞれ互いに独立して0または1である)を有する直鎖または分枝鎖のリンカー部分であり、この場合、これらは、コアにグラフトすると、少なくとも1種の重合反応のための開始点として適しているものであり;
zおよびtは、それぞれリンカー部分XおよびYにより提供される分枝の数であり、その際、zおよびtは、独立して1〜10の範囲であり;
Bは、算定されたハンセン溶解性パラメーター≦25を有する重合された部分であり、この場合、これは、Aの官能基またはXの官能基と共有結合されており、その際、pは重合されたB部分の平均の数であり、pは3〜300の範囲であり;
Dは、ハンセン溶解性パラメーター>25を有する重合された部分であり、その際、qは重合されたD部分の平均の数であり、qは3〜300の範囲である]を含、ブロックコポリマー化合物を提供する。
第2の実施態様において、本発明は、本発明によるブロックポリマーから本質的に構成されるナノカプセルを提供する。
第3の実施態様において、本発明はブロックコポリマーを提供し、この場合、これは、疎水性生物活性分子のカプセル封入に適しており、その際、ブロックコポリマーは、以下の順序で、
−中心の、親油性または親水性の、多官能性コア(A)、
−親油性ブロック(B)および、
−親水性ブロック(D);
を含、かつ場合によっては、コアと親油性ブロックとの間(X)および/または親油性ブロックと親水性ブロックとの間(Y)に1種またはそれ以上のリンカー分子を含
第4の態様において、本発明は、ブロックコポリマーを製造するための方法を提供し、この場合、この方法は、
官能性を有するコア(A)を提供し、その際、s>5であり、
−場合によっては、コアの官能基をリンカー部分(X)に結合させ、
−疎水性ブロック(B)をコアの官能基上で重合させるか、あるいは、存在する場合には、リンカー部分(X)上に重合させ、
−場合によっては、他のリンカー部分(X)を疎水性ブロック(B)上に結合させ、かつ、
−親水性ブロック(D)を疎水性ブロック(B)または他のリンカー部分(X)の官能基上に重合させるか、あるいは、二者択一的に、第2の疎水性ブロックを、第1のブロックまたは他のリンカー部分上に重合させ、引き続いて、第2の疎水性ブロックを親水性ブロック(D)に化学的に転換する、工程を含む。
さらに本発明は、少なくとも1種の親油性機能性薬剤をカプセル封入するか、および/または、会合するために、前記開示にしたがって、ブロックコポリマーの使用を提供する。さらに本発明は、本質的に、特許請求の範囲にあるように、カプセル封入するか、および/または、会合するための方法を提供する。さらに本発明は、本発明のブロックコポリマーを含賦香製品を提供する。
図において、
図1は、本発明のコポリマーの構造に関する例を、より詳細に、本発明のコポリマーの分枝の一つ(ここでは、s=11)を示すことにより例証する。この構造によれば、リンカー分子XおよびYが存在し、かつ双方は、t、z=3の官能基を有する。破線は、図を簡略化するために使用し、かつその際、ポリマーの分枝が、前記式(I)の原理にしたがって伸長されることを示す。
図2は、フレグランスの両親媒性H40−X−(Pn−BuMA)30−(PPEGMA)32スターブロックコポリマーへのカプセル封入に関して得られたH−NMR定量データを示す。カーブは、溶液中のポリマーの量と、検出されたフレグランスの量との線形の相関関係を示すものであり、これによって、ポリマー中のフレグランス分子の良好なカプセル封入を実証する。
図3は、それぞれ、H40−X−(PPEGMA)40およびH40−X−(Pn−BuMA)30−(PPEGMA)32中にカプセル封入されたベンジルアセテートの量の比較を示す。カーブは、疎水性ブロックおよび親水性ブロックを有するスターブロックコポリマーの有する利点を証明する
図4は、シトラールがカプセル封入されていない純粋な参考試料と比較した、本発明のコポリマーまたはナノカプセル中でのフレグランス化合物(シトラール)の増加した保持力を示す。本発明のナノカプセル中でのシトラールの放出は、10時間を上回って、カプセル封入されていないシトラールと比較して顕著にゆっくりであることがわかる。
図5は、ゲラニオール単独、Boltorn(R) H40 HBPの存在下でのゲラニオールおよび両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70の存在下でのゲラニオールの蒸発率を例証する熱重量分析を示す(時間の関数を分として、試験の開始時の最初の質量に対する質量%)。
図6は、モデルとなる香料の動的ヘッドスペース分析により測定された、両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70の存在下
Figure 0005090915
または不存在下(−−o−−)での、アリル3−シクロヘキシルプロパノエートの蒸発プロフィールを示す。
図7は、繊維柔軟剤適用中の、動的ヘッドスペース分析により測定された、両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70の存在下
Figure 0005090915
または不存在下(−−o−−)での、アリル3−シクロヘキシルプロパノエートの放出のために、時間に亘って測定されたヘッドスペース濃度を示す。
発明の詳細な説明
本明細書の内容において、用語「含む」は、「数ある中で特に包含する」の意味と解される。「のみから成る」と理解されるべきではない。
本発明の範囲において、%は、別記しない限りにおいて乾燥分の質量%である。同様に、割合が部で示される場合には、乾燥分の質量部の意味である。
用語「平均」を使用する場合、たとえば「平均直径」の表現においては、相加平均を意味するものである。
用語「官能性」は、他の化合物に対して共有結合されるのに適しているか、あるいは、共有結合反応を介在するのに適している化合物の官能基、リンカー化合物または重合することができる部分に関する。前記の適した官能基は、たとえば、−OH、−NH、−CN、−NCO、−COOH、−Xであり、その際、Xはハロゲン、好ましくはClおよび/またはBrである。したがって、「多官能性」とは、特定の化合物が、いくつかの、たとえばs個の官能基を有することを意味する。
≦22または>22のハンセン溶解性パラメーターは、たとえば、重合された部分の親水性/疎水性を測定するための尺度であり、かつ本発明の目的のために、ソフトウエアMolecular Modeling Pro, version 5.22(Norgwyn Montgomery Software Inc,(c)2003)により算定された。(MPa)1/2のハンセン溶解性パラメーターの大きさは、本発明の文献を通して適用される。
本発明の目的のためのハンセン溶解性パラメーターを明確に測定するために、これに関して、H−により置換された繰り返しのない末端基を有する8個の重合されたモノマー単位の数を、前記ソフトウエアを用いて、パラメーターを算定するために採用した。たとえば、モノマー部分として、tert−ブチルアクリレートを含ポリマーに関しては、ハンセン溶解性パラメーターを算定するために、以下の分子を使用する。Molecular Modeling Proで得られた値は19.84である。
Figure 0005090915
ハンセン溶解性パラメーターのための値25は、本発明者によって、親水性ブロック(D)の値が、この値を上回れば、本発明のコポリマーが、水中で分散可能または溶解性になることを見出したものである。
用語「親油性機能性薬剤」または「疎水性機能性薬剤」は、算定されたオクタノール/水分配係数(clogP)≧1、好ましくは≧0、より好ましくは≧2、最も好ましくは≧4を有する分子に関する。このパラメーターは、ソフトウエアT. Suzuki, 1992, CHEMICALC 2, QCPE Program No 608, Department of chemistry, Indiana University.によって算定された。さらにT. J. Suzuki, Y. Kudo, J. Comput.-Aided Mol Design (1990), 4, 155-198を参照してください。
本発明の態様において、本発明にしたがって本質的にブロックポリマーから成るナノカプセルが提供され。ナノカプセルは、本発明のコポリマーによりコアの多官能性(s>5)、場合によってはさらにコア(A)から伸長する分枝のアームのために形成され。ブロックコポリマーのアームの数は、コア(s)上の官能基の数およびリンカー部分Xの潜在的分枝の数(z)の積によって定められる。リンカー部分Xが存在しない(m=0)場合には、zは1であり、したがって、以下のジブロックは直接的に、コアの官能基sと結合する。この場合において、ブロックコポリマーはs個のアームを含む。他の例によれば、リンカーXが存在する場合には、単一分枝を含、zは2になり、かつ全アーム数は、コアの官能基の数の2倍になる。
好ましくは、アームの数(sz)は>8である。本発明による実施態様によれば、本発明のブロックコポリマーは、>12個のアーム(sz)を含。より好ましくは、アームの数は>15であり、より好ましくは>20であり、かつ最も好ましくは>25である。本発明による好ましい実施態様において、アームの数は>30、>40またはさらに>50である。より多くのアームが存在すればするほど、本発明のブロックコポリマーは大きくなり、かつコポリマーの内部の疎水性部分は大きくなればなるほど、より多くの親油性薬剤が、本発明のブロックコポリマーの内部会合する。ブロックコポリマーは、好ましくは≦100、より好ましくは≦800およびさらに好ましくは≦70および最も好ましくは≦64のアームを有する。分析的に、アームの数は、コアAの官能基の数sから導き出すことが可能であってもよい。
本発明のコポリマーのそれぞれのアームは、少なくとも1種の疎水性ブロックBおよび少なくとも1種の親水性ブロックDの存在によって定められる。ブロックBは、本発明のコポリマーの全球状の内部で疎水性の層を形成する。さらにアームは、より遠位に少なくとも1種の相対的により親水性のブロックDを含、これによりカプセルの外層を形成する。外層は、水中でカプセルを溶解可能にし、および/または分散可能にするのに適している。
それぞれのブロック、BまたはDは、非分枝の、線状のポリマーとして定義する。本発明のコポリマーの分枝は、位置XまたはYで生じていてもよく、その際、場合によるリンカーは、異なるブロックを分離する。分枝は、コアA中に存在していてもよい。
さらに本発明は、機能性薬剤のための送達系を提供し、その際、送達系は、本発明のナノカプセルを含ものである。
好ましくは、本発明の化合物は、スターブロックコポリマーであり、より好ましくは、両親媒性のスターブロックコポリマーであり、最も好ましくは、マルチプルアームの両親媒性スターブロックコポリマーである。
実施態様において、本発明のコポリマーは、2〜150nmの平均直径を有する。好ましくは10〜100nm、より好ましくは15〜80nmの直径を有する。実施態様において、本発明のコポリマーは、分子量Mn>100’000g/モルを有する。好ましくは、Mnは>120’000、たとえば>140’000、より好ましくは>160’000、たとえば>180’000である。さらにより好ましくは、Mnは>200’000、たとえば>250’000および最も好ましくはMn>300’000g/モルである。
本発明は、一般式(I)
Figure 0005090915
[式中、Aはコアを示す]のコポリマーを提供する。コアは、リンカー分子を結合させるための開始点(いわゆる開始剤)であるか、あるいは、重合反応のための開始点として、適した官能基を提供する任意の分子であってもよい。したがって、コアは好ましくは、表面上に前記のような官能基(s>5)、好ましくは10を超える官能基(s>10)、より好ましくは15を超える(s>15)、20を超える(s>20)、30を超える(s>30)および最も好ましくは40を超える(s>40)を有する。たとえば、100を超える(s>100)の官能基を、前記に示したようにその表面上に有していてもよい。したがって、コアはポリマー、たとえばハイパーブランチポリマー、デンドリマーまたは多官能性の低分子量の分子であってもよい。この意味において、低分子量分子は、500〜1500の固定または一定の分子量を有する分散性分子である。
本発明の好ましい実施態様において、コアAはハイパーブランチポリマーまたはデンドリックポリマーである。
本発明の範囲内で使用されてもよい適したコアは、たとえば、C. Hawker and J.M.J. Frechet, "A New Convergent Approach to Monodisperse Dendritic Macromolecules", J. Chem. Soc, Chem Commun.1990, 1010-1013で開示されているように、一度その表面上で官能化されたポリ(アリールエーテル)であるか、あるいは、Y. Zhao, et al, "Synthesis of novel dendrimer-like star block copolymers with definite numbers of arms by combination of ROP and ATRP", ChemCommun, 2004, 1608-1609中で開示されたものであって、その表面上にOH基を有するものである。本発明による適したハイパーブランチコアまたはデンドリックコア(A)のもう一つの群は、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)であり、この場合、これらは、その表面上に−NH官能基を有し、この場合、これらは、Dendritech(R) Inc., USAから商業的に得ることが可能である。
二者択一的に、−NH官能基を表面上に有する同様に適したコア分子は、この場合、ポリ(エチレンイミン)、これはHyperpolymers GmbH, Germanyにより市販されているもの、であるか、あるいは、ポリ(プロピレンイミン)、AstramolTM、これは、DSM, The Netherlandsにより市販されているもの、を引用することができる。
適したコア構造(A)の他の群は、ポリ(アミエステル)であり、この場合、これは、J. Parkらにより, "Cationic Hyperbranched Poly(amino ester):A Novel Class of DNA Condensing Molecule with Cationic Surface, Biodegradable Three-Dimensional Structure, and Tertiary Amine Groups in the Interior", J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 2460-2461に開示されている。
本発明により使用されてもよい他のコア(A)は、ポリウレタンであり、この場合、これは、その表面上に−OHおよび/または−NCO官能基を有している、DE 195 24 045 Alに開示されているものであるか、あるいは、その表面上に−OH官能基を有するポリグリコールであり、Hyperpolymers GmbH, Germany.により市販されているものである。
本発明のコポリマー中の、適したコア物質の前記の純粋な説明のためのリストは、さらに、その表面上に−OH官能基を有するポリエステル、たとえば、WO 01/46296 Al中に開示されたもの、によってか、あるいは、好ましくは、商標 Boltorn(R)として、Perstorp, Swedenにより市販されているもの、特に製品H20、H30およびH40で市販されている。本発明の実施態様において、コア(A)はハイパーブランチポリエステルである。
US 6,476,124 B1の例1中で開示された、カリックス[8]アレーン−ベースの開始剤は、本発明の目的のためのコア(A)として使用することができる。これは、分散性の低分子量分子に関する例である。
基本的に、その表面上に官能基を有する任意のハイパーブランチポリマーまたはデンドリマーを選択することができる。当業者は、技術的能力に基づき、たとえば Newkomeら、"Dendrimers and Dendrons", Wiley-VCH、Verlag GmbH, 2001または他の文献から、適したコアを選択することが可能である。
本発明は、ブロックBおよびブロックDを含ブロックコポリマーを提供し、この場合、これは、それぞれ重合した場合に、算定されたハンセン溶解性パラメーター≦25(ブロックB)または>25(ブロックD)を有する重合部分である。ブロックBは、Aの表面上で官能基に共有結合されるか、あるいは、存在する場合には、Xの官能基に対して共有結合され、その際、pは重合されたB部分の数である。pの値は3〜300の範囲である。好ましくは、pは5〜200の範囲であり、たとえば1〜100、より好ましくは8〜60、さらにより好ましくは9〜40、最も好ましくは10〜35である。
さらにブロックBは、疎水性または親油性ブロックとして呼称され、それというのも、親油性または疎水性の生物活性分子をカプセル封入、吸収または会合する目的を有するためである。
本発明の目的のために、算定されたハンセン溶解性パラメーター≦25は、親油性化合物と会合するかまたはカプセル封入することができるポリマーを含む。
重合された部分Bの実際の構造に関して、ハンセン溶解性パラメーター≦25の基準を充足する任意の構造を使用することができることは明らかであり、それというのも、この溶解性パラメーターのみが、疎水性の生物活性薬剤をカプセル封入および/または会合するためのブロックコポリマーの能力を定めるためである。任意の疑いを回避するために、溶解性パラメーターが、最終的なブロックコポリマーの一部である部分に基づいて算定することを要求することを明らかにする。したがって、ブロック、たとえばBおよび/またはDの一つを、重合に引き続いての付加的な工程中で化学的に改変して、ハンセン溶解性パラメーターの要求される値を得ることが可能である。
一般的に、ブロックBのモノマー部分は、従来技術から選択することができる。分子移動ラジカル重合(ATRP)の場合の適したモノマーの例は、US6692733、第4欄第12行〜第6欄第38行に記載されており、その際、一般的構造は、式(II)
Figure 0005090915
[式中、R、R、RおよびRは、前記文献において定義されている]によって前記文献の箇所に示されており、この場合、これらは参考のためにここに示すものである。これらのモノマー部分は、重合の他の型において使用するのに適しており、これについては当業者に知られている。勿論、前記構造による可能なモノマーは、本発明のハンセン溶解性パラメーターの要求を充足する場合にのみ、選択することができる。
好ましくは、本発明のブロックBを製造するためのモノマーは、式(III)
Figure 0005090915
[式中、RはHまたはCHであり、かつRはC2n+1、直鎖または分枝であって、その際、n=1〜10である]を有するモノマーから選択することができる。
モノマーのこの型の例はメチルメタクリレート、メチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、tetrt−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘキシルアクリレートである。
本発明のブロックBの製造において、典型的に適している他の適したモノマー部分は、式(IV)
Figure 0005090915
[式中、wは1または2である]を有する。
疎水性ブロックBを製造するのに適した他のモノマー部分は、ビニルアセテートである。
アルキルスチレンは、ブロックBを製造するための、なおも他のモノマーの部分である。アルキルは、好ましくはC〜Cの直鎖または分枝のアルキル基である。アルキル残基を欠くスチレン自体を使用してもよい。
開環重合(ROP)に関する特別なものは、モノマーε−カプロラクトンが、ハイパーブランチコア(A)または場合によりリンカー(X)の−OH基上に、直接重合していてもよいものであり、かつ好ましくは、本発明によるブロックBの製造における部分として使用することができる。一般には、ブロックBはポリラクチド、ポリカプロラクトン、ポリプロピレングリコールおよびポリアンヒドリドから成る群から選択されたポリマーであってもよい。
したがって、本発明の実施態様において、本発明のコポリマーのブロックBは、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、たとえばポリ(ε−カプロラクトン)、ポリプロピレングリコール、ポリアンヒドリド、ポリシロキサン、ポリホスファゼン、ポリアゾリンおよびこれらの組合せである。
本発明のブロックコポリマー化合物は、ブロックDを含、この場合、これらはハンセン溶解性>25を有する重合された部分であり、その際、qは重合されたD部分の数である。qの値は、3〜300の範囲である。好ましくは、qは5〜200の範囲であり、より好ましくは10〜150、たとえば10〜100、より好ましくは15〜80、たとえば15〜70および最も好ましくは25〜7、たとえば30〜73である。
ブロックDは、一般には、親水性ブロックまたは疎油性ブロックと呼称され、それというのも、このブロックの目的は、コポリマーを水中で溶解させるか、あるいは、分散させるものであるためである。ハンセン溶解性パラメーターに関しては上記のとおりであるが、その際、パラメーターの値は、ブロックBとDとの間の重合な差異である。
したがって、ブロックDのモノマー部分は、重合した場合に、ハンセン溶解性パラメーター>25に上昇させる任意の部分から、選択することができる。ブロックDは、中性であってもよいか、あるいは、正および/または負の電荷を有するものであってもよい。
ブロックDを重合させるためまたは本発明のコポリマーのための適した部分は、以下の式(V)
Figure 0005090915
[式中、R、RおよびR10 、それぞれ互いに独立して、H、−CH、−CH−CH から選択される]により包含される化合物から選択されてもよい。これらの化合物の例は、ジエチルアミノメタクリレート、ジエチルアミノアクリレート、ジメチルアミノメタクリレート、ジメチルアミノアクリレートを包含する。式(VI)の化合物は、重合後にN原子の四級化によりさらに改変され、正の電荷部分を得ることができる。
本発明のブロックDの製造において、有用なモノマー部分の他の例は、tert−ブチルメタクリレートまたはtert−ブチルアクリレートであり、この場合、これらは、適したブロックBの部分の内容において、すでに前記に挙げられている。しかしながら、ハンセン溶解性パラメーター>25の要求を充足するために、tert−ブチルメタクリレートまたはアクリレートから構成されるブロックDは、さらに改され、これをより極性または親水性にする。これは、重合に引き続いてのtert−ブチル基の加水分解によって容易に実施することができ、その際、tert−ブチルエステルの位置で−OH基を後に残す。加水分解は、選択された反応体および条件によっては不十分であってもよい。水中の本発明のコポリマーを溶解させるのに必要とされる加水分解の度合いは、当業者により定められてもよく、かつ異なるファクターに依存していてもよく、たとえばブロックBおよびDのDP、ポリマーの性質特性等である。
さらに、ブロックDの疎水性部分は、式(VI)
Figure 0005090915
[式中、R11およびR12は、それぞれ互いに独立して、Hまたは−CHであり、かつvは1〜10である]の化合物から選択されてもよい。
他の例として、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびヒドロキシエチルアクリレートは、ブロックDの製造におけるモノマー部分として使用することができる。
さらに他の例として、重合後に加水分解され、ブロックDの親水性部分になる場合には、ビニルアセテートをモノマー単位として使用することができる。この場合、ブロックDはポリ(ビニルアルコール)であってもよい。
ブロックBの内容において前記に示したように、ブロックDのためのモノマー単位は、ブロックDのハンセン溶解度の要求を充足する限りにおいて、式(II)から選択されてもよい。これらのモノマー単位は、特にATRPに適している。
本発明の実施態様において、本発明のコポリマーのDは、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(トリメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(トリメチルアミノエチルアクリレート)、ポリ(トリメチルアンモニウムチルメタクリレート塩)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルエーテルジエチレングリコールメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ポリエチレングリコールアクリレート)、ポリ(ポリエチレングリコールメタクリレート)、ポリアミノ酸、ポリアクリロニトリル、ポリ(エチレンイミン)およびポリオキサゾリン、およびこれらの組合せ物である。
双方のブロック、疎水性ブロックBおよび/または親水性ブロックDは、さらに、いわゆるAB−型モノマーを含んでいてもよく、この場合、これらは、自己縮合型ビニル共重合により、ブロックBおよび/またはDの内部で、分枝を導入するために使用することができる。このようなモノマーの例は、2−(ブロモイソブチリルオキシ)エチルメタクリレートであり、他の例は、 H. Mori, A.H.E. Mueller, Adv. Polym. Sci. 2003, 228, 1-37に開示されている。この方法において、本発明のナノカプセルのシェルは、他のブランチポリマーを含んでいてもよく、かつしたがって、より密であってもよい。AB−型のモノマーは、ブロックの製造中に、ブロックBおよび/またはDの疎水性/親水性モノマーに、0.5〜5モル%の量で添加することができる。
原則として、重合の任意の型は、疎水性ブロックBまたは親水性ブロックDを重合するために使用することができる。可能な重合方法の例は、アニオンおよび/または、カチオン重合、重付加、重縮合、ラジカル重合、たとえば制御されたラジカル重合であり、この場合、後者は、原子移動ラジカル重合(ATRP)、および可逆的付加−開裂連鎖移動重合(RAFT)、および安定ラジカル重合(SFRP)、たとえばニトロキシド媒介重合、および重合の他の型:開環重合(ROP)を包含する
好ましくは、本発明のコポリマーは、ATRP、RAFT、ROPまたはこれらの2種による製造される。
本発明のコポリマーのブロックBおよびDは、重合の同一または異なる型を使用して製造することができる。
本発明のブロックコポリマーは、場合によってはコア、および/または疎水性ブロックBと共有結合して、直鎖または分枝のリンカー化合物(Xおよび/またはY)を含。リンカー化合物は、適した開始点を提供するために使用してもよく、重合のためのいわゆる開始剤である。リンカーXが、たとえば、2個の開始点を提供する場合には、zが2である分枝のリンカー部分である。好ましくは、zおよびtは、互いに独立して、1〜5の範囲である。
リンカーは、多価であってもよく、すなわち、1個のリンカー当たり、1を超える重合反応のための開始剤として役立つ方法で分枝されていてもよい。リンカーが多価または分枝である場合には、式(I)の化合物中のtおよび/zの値は、>1になりすなわち、tおよび/またはzは、リンカーにより開始された分枝の数に相当していてもよい。
ブロックBおよび/またはDを重合するために選択された重合の型に依存して、当業者は、開始剤として適したリンカー化合物(Xおよび/またはY)を選択することが可能である。適したリンカーの例は、以下のとおりである。ATRPのために、リンカーは、第二級C〜C 15 アルキルハロゲン化物、好ましくは第二級C〜C10アルキルハロゲン化物であってもよい。好ましくは、ハロゲン化物は、塩化物、ヨウ化物および/または臭化物から成る群から選択される。好ましくは、ハロゲン化物は臭化物である。ATRPのための他の適したリンカーは、たとえば、ベンジルハロゲン化物、ハロエステル、ハロケトン、ハロニトリル、スルホニルハロゲン化物、アリルハロゲン化物、ハロアミドである。
たとえば、リンカー化合物は、少なくとも1種のラジカル移動可能な原子または基の存在下により特徴される。たとえば、一般式(VII)
Figure 0005090915
[式中、R13およびR14は、それぞれ互いに独立して、臭素、Hまたは場合によりさらに置換されたC〜Cアルキル基、好ましくはメチル基である]の分子である。
このようなおよび他のリンカーの例は、2−ブロモイソブチリルブロミド、2−ブロモプロピオニルブロミドであり、その際、C2位での1個または複数個の臭素原子は、ラジカル移動される。勿論、前記化合物の相当する塩化物またはヨウ化物も同様に適している。分枝のリンカーの例は、2,2−ジブロモプロピオニルブロミドである。
ATRP中の適したリンカー(X,Y)のための他の例は、K. Matjaszewski, J. Xia, Chem. Rev. 2001, 101, 2921-2990およびin M. Kamigaito, T. Ando, M. Sawamoto, Chem. Rev. 2001, 101, 3689-3745中に開示されている。
RAFTのための適したリンカーは、たとえば、アルキルヨージド、キサンテート(M. H. Stenzel, L. Cummins, E.Roberts, T. P. Davis, P. Vana, C. Barner-Kowollik, Macromol. Chem. Phys. 2003, 204, 1160-1168を参照) およびジチオカルバメート(WO 9935177)である。
SFRPのための適したリンカーは、ニトロキシドおよびアルコキシアミン(ニトロキシド媒介重合、C. J. Hawker, A. W. Bosman, E. Harth, Chem Rev. 2001, 101, 36613688参照)、ボリナート、(アリールアゾ)オキシ基をベースとする系、置換および非置換のトリフェニル、ベルダジル、トリアゾリニル、セレニルをベースとする系(T. S. Kwon, S. Kumazawa, T.Yokoi, S. Kondo, H. Kunisada, Y. Yuki, J. Macromol. Sci., Pure Appl. Chem. 1997, A34, 1553参照)、テトラフェニルエタン誘導体、およびKamigaitoらおよびHawlerらで挙げられたリンカーであり、この場合、これら双方が前記に示す。
ROPに特に適したリンカーは、OH−、NH−またはトシレート(OTs)基を含化合物であり、その際、後者は、オキサゾリンのROPのための開始剤である。
疑いを回避するために、リンカー分子XおよびYが、本発明のコポリマーの範囲内において2つの位置で存在していてもよく、この場合、これは、コア(A)と疎水性ブロック(B)との間および/または疎水性ブロック(B)と親水性ブロック(D)との間である。勿論、2種のリンカーは、双方の位置において存在し(XおよびY)、リンカーは同一または異なる構造を、互いに独立して有していてもよい。本発明のコポリマーのリンカーは、当業者に有利なように、前記に挙げられたリストの範囲内で、互いに独立して選択されてもよい。
リンカー部分(Xおよび/またはY)は、前記化合物のいくつかから構成される化合物であってもよく、これにより、分枝されたリンカーを生じ、結果として、たとえば、tおよび/またはzは>1である。
一つの実施態様において、本発明によるコポリマーはさらに、コポリマー中にカプセル封入されるか、あるいは、コポリマーに会合される、少なくとも1種の親油性機能性薬剤を含。本発明の好ましい実施態様において、機能性薬剤は、フレーバー、フレグランス、薬、農薬、染料およびこれらの混合物の群から選択される。用語「機能性分子」または「機能性薬剤」は、特定の好ましい活性または機能を有する分子に関する。したがって、機能性薬剤は薬、たとえばヒトまたは動物のための医薬、ビタミン、微量元素等であってもよい。農薬であってもよ、この場合、これらは除草剤、殺虫剤、殺菌剤等を包含する
機能性薬剤の他の例は食品添加物、たとえば脂肪、油、酸味料、プレミックスコンディショニング剤、肉加工剤、着色剤、膨張剤、ミネラルおよび酵素である。機能性薬剤は、一定の効果、たとえば栄養または健康における効果を、製品、たとえば食品または賦香製品に提供する任意の薬剤であってもよい。
好ましくは、機能性薬剤は、医薬である。好ましくは、生物学的活性を有する。
好ましくは、機能性薬剤は、フレーバーおよび/またはフレグランスである。
用語「フレーバー」は、単独で使用されるか、あるいは他の化合物との組み合わせにおいて使用され、好ましい味覚的効果を付与する化合物を意味する。フレーバーとして考慮されるべきものは、いわゆる当業者により、好ましい方法で、組成物の味を改可能なものであるとして認識されるべきものである。このような組成物は、経口適用を意図するものであって、したがって、しばしば食品、栄養食品等である。用語「フレグランス」は、それぞれ、単独で使用されるか、あるいは他の化合物との組み合わせにおいて使用され、好ましい嗅覚的効果を付与する化合物に関する。フレグランスとして考慮されるものは、いわゆる当業者により、好ましい方法で、組成物の香気を改可能なものであるとして、認識されるべきである。
文献"Perfume and Flavour Chemicals" Steffen Arctander(1969年、著者により発表)は、当業者に公知の香料およびフレーバー集めたものであり、かつここではそのすべてを参考のために記載するものである。同様に、"Fenaroli's Handbook of Flavour Ingredients", CRC Press or Synthetic Food Adjuncts by M.B. Jacobs, van Nostrand Co., Inc.は、香料消費製品、フレーバーリング消費製品および/または芳香消費製品の、すなわち、消費製品に香気または味を付与する当業者に公知のフレーバーおよび/またはフレグランスを集めたものである。これらの文献中に開示された化合物は、本発明の内容に含まれるフレーバーおよび/またはフレグランスである。
一つの実施態様において、本発明のコポリマーは、マルチプル−アームスターブロックコポリマーである。マルチプルアームスターブロックコポリマーは、多くの重合されたアームが中心構造から伸長されており、これにより当該ポリマーは、星形状の外観を生じ、かつアームの数に依存して、全部球状のカプセルを提供することができる。さらに、アームは、ポリマーの異なるブロックを含、それによりそれぞれのブロックは、化学的に類似または全体として異なるモノマーの部分からなるポリマーであってもよい。スターブロックコポリマーのアームは、線状および/または分枝であってもよい。
本発明の態様において、ブロックコポリマーを製造するための方法が提供される。したがって、コア(A)を提供し、この場合、これは、前記Aとして定義され、かつ、市販されているか、あるいは、この合成については文献中に記載されている。
方法の場合による工程において、コア(A)の官能基を、リンカー部分(X)に結合させる。AおよびXの選択された構造に依存して、いわゆる当業者は、適した反応条件、たとえば、この反応のための適切な溶剤を選択することができる。
他の工程において、疎水性ブロック(B)は、コア(A)の官能基上で重合されるか、あるいは、存在する場合にはリンカー部分上で重合する。疎水性ブロックBのためのモノマー部分については前記に示した。選択された特定の重合反応に依存して、当業者であれば反応条件を調節することができる。好ましくは、ブロックBの重合は、触媒の存在下で20〜150℃の温度で実施する。
さらに場合による工程において、可能な他のリンカー部分(Y)を、疎水性ブロック(B)に結合させる。勿論、このリンカーは、コア(A)の後方に場合により存在するリンカーとは独立して選択することができ、したがって、同じかまたは異なる構造を有していてもよい。
方法のさらなる工程において、親水性ブロック(D)を、疎水性ブロック(B)の官能基上に直接重合させるか、あるいは、場合による他のリンカー部分(Y)上に重合させるか、あるいは、二者択一的に、他の疎水性ブロックをブロック(B)上または場合によるリンカー(Y)上で重合させ、存在する場合には、この疎水性ブロックの親水性ブロック(D)への転換を、化学的改変、たとえば疎水性残基の加水分解によって実施する。
前記ブロックBに関するのと同様に、反応条件は、使用された重合の型に大きく依存して、かつ、種々の重合反応に関する最適な条件を知る当業者が定めることができる。
さらに本発明は、式(I)の化合物を包含し、その際、疎水性ブロック(B)および親水性ブロック(D)の位置は逆であり、その際、化合物(A、X、Y)の他の成分は、変更しない。これらの化合物は、たとえば親水性機能性薬剤をカプセル封入させるべき場合には好ましく、かつ、ナノカプセルは、疎水性マトリックス、たとえば軟膏中、またはエマルションの油相中に分散または溶解する。
したがって、本発明はさらに、一般式A−X−D−Y−Bの化合物を包含し、その際、成分の意味は、前記に示すとおりである。同様に、このような化合物の合成ならびにモノマー部分は、前記に示すものであるが、但し、ブロックBの代わりにブロックDが、かつブロックDの代わりにブロックBがそれぞれ重合される。
さらに本発明は、本発明のブロックコポリマーを含賦香製品を提供する。香製品の例は、ファインフレグランス(パヒューム、オードトワレ)、ボディケア製品、たとえばシャンプー、他のヘアケア製品、シャワージェル、ボディーローション、クリーム、アフターシェイブローション、シェービングクリーム、石鹸、ホームケア製品、たとえばランドリー製品、洗浄剤、繊維柔軟剤、液体洗剤等を包含する
好ましくは、賦香製品は、香料配合物である。製品のこれらの種類は、US 2003/0148901中、特に[0026-0034]段落に十分示されており、この場合、これらは参考のために特別に記載するものである。
特に好ましい実施態様において、賦香製品はファインフレグランスである。好ましくは、アルコール、エマルションまたは他の溶剤および/または担体系中の香料製品の溶液である。これらの適用において、本発明のコポリマーの緩慢な放出効果は、特に有用かつ有利である。たとえば、香料を含むコポリマーが、表面(テキスタイル、皮膚等)に適用される場合には、たとえば噴霧および/または分散によって適用され、その際、フレグランスまたは香料成分は、表面からゆっくりと放出され、結果として長期持続性の香料効果を生じる。
本発明は、詳細には以下の例により例証されてもよく、その際、略記は、当該技術分野において常用の意味を有する。NMRスペクトルデータは、Hに関して400または500MHzおよび13Cに関して101または126MHzで記録され、化学変位δは、標準としてのTMSに対してppmで示され、NMR積分は、ポリマーの一つの枝上に位置する水素の数を示し、かつすべての略記は、当該技術分野において常用の意味を有するものである。UV/Visスペクトルは、Perkin Elmer Lambda 900装置上で記録され。使用された熱重量分析装置はMettler Toledo Module TGA/SDTA 851eであった。
商業的に使用可能な薬剤および溶剤は、別記しない限りにおいて、他の精製なしに使用される。反応は、不活性雰囲気下で標準的なガラス容器中で実施される。GPC分析は、2個の連続したTSK-Gel Alpha 3,000 + 4,000および/または4,000 + 5,000カラムを備えたWaters 150cv装置(異なる粘度のために改変されたもの)上で実施し、かつ60℃で、0.6mL/分の流速でLiBr 1g/Lを含有するジメチルホルムアミド(DMF)で溶離した。公知の分子量のポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を、キャリブレーションスタンダードとして使用した。ポリマー濃度は4mg/mLであった。
実施例は、本発明の範囲を制限することなく、前記で説明された方法の工程の詳細について例証すると同時に、異なる重合型のための最適な反応条件を示す。
実施例
例1
2段階開環および原子移動ラジカル重合方法による両親媒性スターブロックコポリマーの製造
Boltorn(R) H40 HBP(出所:Perstorp, Sweden)を、ε−カプロラクトンの開環重合のための開始剤として使用した。Boltorn(R) H40 HBP自体と一緒に、得られるポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)ブロックは、最終的なマルチプルアームスターブロックコポリマーの親油性内部を提供する。水性ブロックを前駆物質にグラフトするために、ATRPのための開始剤として役立つ官能基、たとえば2−ブロモイソブチリルブロミドを、PCLアームの末端(リンカー部分Y)に導入した。モノマー、たとえばポリエチレングリコールメタクリレート(PEGMA)、またはtert−ブチルアクリレート(tert−BuA)の引き続いての重合は、ポリ(ポリエチレングリコールメタクリレート)(PPEGMA)およびポリ(tert−ブチルアクリレート)(Ptert−BuA)をそれぞれ生じる。前者の場合において、外部シェルは、水中に分散させるのに十分に親水性であり、後者の場合には、tert−ブチルエステル保護基の除去は、分子を水溶解性にする相当するポリ(アクリル酸)(PAA)を与える
1.i 市販のハイパーブランチコア上のブロックB の製造:H40-(PCL) を得るためのBoltorn (R) H40 HBP上でのε−カプロラクトンの重合
H40-(PCL)17の合成
ジエチルエーテル中への沈澱後に、Boltorn(R) H40 HBP(M〜7300g/mol)を、真空下で2日間に亘って乾燥させた。ε−カプロラクトンを、CaH上で乾燥させ、かつ使用前に蒸留させた。3首フラスコ250mlを、Boltorn(R) H40 HBP(2.50g、5.65・10−4mol)で、不活性雰囲気中に装填し、かつ油浴中に107℃で置いた。ε−カプロラクトン(43ml、407mmol)をゆっくりと装入した。触媒量の錫2−エチルヘキサノエートを添加した。重合反応混合物を、21時間に亘って撹拌し、THF(100mL)で希釈し、かつ冷ヘプタン(800mL)中に沈澱させ、白色の結晶粉末45.5g(93%)を生じた。
Figure 0005090915
重合度DP=17は、アームあたりのカプロラクトンの繰り返し単位の数に相当し、以下の式によって、H−NMR分光分析法により測定した:
Figure 0005090915
したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)17として示された。
H40-(PCL)10の合成
前記に示したように、2.00gのBoltorn(R) H40 HBPおよび17.4mLのε−カプロラクトンを用いて、16時間に亘って、白色の結晶粉末19.6g(95%)を生じた。
Figure 0005090915
重合度DP=10は、アームあたりのカプロラクトンの繰り返し単位の数に相当し、したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)10として示された。
H40-(PCL)50の合成
前記に示したように、0.40gのBoltorn(R) H40 HBPおよび19.09mLのε−カプロラクトンを用いて、14時間に亘って、白色の結晶粉末19.8g(94.6%)を生じた。
Figure 0005090915
重合度DP=50は、アームあたりのカプロラクトンの繰り返し単位の数に相当し、したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)50として示された。
同様の条件を用いて、以下の化合物を製造し、かつ十分に特徴付けた:
H40-(PCL)20、H40-(PCL)28およびH40-(PCL)40
1.ii リンカー部分YのブロックB上へのグラフト:H40-(PCL) p -Yを得るためのPCLの官能化
H40-(PCL)17-Yの合成
H40-(PCL)17(43g、5.79・10−4mol)を、15分に亘って真空下で乾燥させた。乾燥THF(108mL)を添加し、引き続いて2−ブロモイソブチリルブロミド(5.2mL、4.17・10−2mol)を、シリンジから滴加し、かつ最終的にトリエチルアミン(5.8mL、4.17・10−2mol)を添加した。反応は、周囲温度で実施し、かつ65時間後に停止させた。反応混合物を、冷水中に沈澱させ、かつ真空下で2時間に亘って乾燥させ、ポリマーを再度冷水中に沈澱させ、その後にヘプタンに入れた。真空下で、50℃で一晩に亘って乾燥させた後に、43.3g(93%)のH40-(PCL)17-Yが、白色の結晶粉末として得られた。
Figure 0005090915
H40-(PCL)10-Yの合成
前記に示したように、15gのH4O-(PCL)10、2.95mLの2−ブロモイソブチリルブロミド(2.37・10−2mol)および3.30mlのトリエチルアミン(2.37・10−2mol)を使用して、48時間に亘って、白色結晶粉末として9.50g(56.6%)H40-(PCL)10-Yを生じた。
Figure 0005090915
H40-(PCL)50-Yの合成
前記に示したように、15gのH4O-(PCL)50、3.13mLの2−ブロモイソブチリルブロミド(2.53・10−2mol)および2.10mlのトリエチルアミン(1.51・10−2mol)を用いて、63時間に亘って、白色結晶粉末として14.10g(93.4%)のH40-(PCL)50-Yを生じた。
Figure 0005090915
同様の条件を用いて、以下の化合物を製造し、かつ十分に特徴付けた:
H40-(PCL)20-Y、H40-(PCL)28-YおよびH40-(PCL)40-Y
1.iii リンカー部分Y上のブロックDの重合:H40-(PCL) p -Y-(Ptert-BuA) を得るためのH40-(PCL) -Yからのtert−BuAのATRP
H40-(PCL)17-Y-(Ptert-BuA)50の合成
三首フラスコを、多官能性マクロ開始剤(H40-(PCL)17-Y)(7g、8.758・10−5mol)、エチレンカーボネート (4.04g、10質量%)および2,2’−ビピリジル (984.80mg、6.306・10−3mol)および内容物を、真空下で1時間30分に亘って乾燥させた。tert-BuA(40.41g、45.76mL、0.315mol)を、精製(任意の開始剤を除去するための)後に添加し、かつ得られた混合物を3個の凍結−真空−融解サイクルに導いた。CuBr(452mg、3.153・10−3mol)を添加後に、一つの他の凍結−真空−融解サイクルに導いた。その後にフラスコを、恒温的に制御された油浴中に100℃で置いた。17時間後に、反応を氷浴中にフラスコを置くことにより停止させた。撹拌後に、ポリマーをTHF中で希釈し、かつ内容物を、中性アルミナのカラムを通過させ、銅塩を除去した。THFを蒸発させ、かつポリマーをメタノール/水9:1(v/v)の混合物中に沈澱させ、濾過し、かつ真空下で数時間に亘って乾燥させた。変換率をNMRにより測定し、かつGPCで確認した。
Figure 0005090915
重合度DP=50は、アームあたりのtert−BuAの繰り返し単位の数に相当し、以下の式によって、H−NMR分光分析法により測定した:
Figure 0005090915
したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)17-Y-(Ptert-BuA)50として示された。
H40-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)70の合成
前記のように、1gのH40-(PCL)10-Y、2.05gのエチレンカーボネート、222mg(1.41・10−3mol)の2,2’−ビピリジル、20.6mLのtert−BuA(1.41・10−1mol)および101.6mg(7.08・10−4mol)のCuBrを、21時間に亘って90℃で、14.28gの白色結晶粉末を生じた。
Figure 0005090915
重合度DP=70は、アーム当たりのtert−BuAの繰り返し単位の数に相当し、したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)70を示した。
H40-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)115の合成
前記のように、1gのH40-(PCL)10-Y、2.05gのエチレンカーボネート、222mg(1.41・10−3mol)の2,2’−ビピリジル、20.6mLのtert−BuA(1.41・10−1mol)および101.6mg(7.08・10−4mol)のCuBrを、48時間に亘って90℃で、14.28gの白色結晶粉末を生じた。
Figure 0005090915
重合度DP=115は、アーム当たりのtert−BuAの繰り返し単位の数に相当し、したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)115を示した。
H40-(PCL)50-Y-(Ptert-BuA)54の合成
前記に示したように、2gのH40-(PCL)50-Y、972mgのエチレンカーボネート、104.6g(6.7 10−4mol)の2,2’−ビピリジル、9.72mLのtert−BuA(6.69・10−2mol)および48mg(3.3・10−4mol)のCuBrを、20時間に亘って、90℃で、白色の結晶粉末3.31gを生じた。
Figure 0005090915
重合度DP=54は、アーム当たりのtert−BuAの繰り返し単位の数に相当し、したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)50-Y-(Ptert-BuA)54を示した。
同様の条件を用いて、以下の化合物を製造し、かつ十分に特徴付けた;
H4O-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)17、H4O-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)68、H40-(PCL)17-Y-(Ptert-BuA)18、H40-(PCL)17-Y-(Ptert-BuA)20、H40-(PCL)50-Y-(Ptert-BuA)22、H40-(PCL)50-Y(Ptert-BuA)28およびH40-(PCL)50-Y-(Ptert-BuA)64
1.iv ハンセン溶解性パラメーターの望ましい値を得るためのブロックDのさらなる改変:H40-(PCL) p -Y-(Ptert-BuA) からのH40-(PCL) p -Y-(PAA) q を得るためのtert−ブチル基の加水分解
H40-(PCL)17-Y-(PAA)50の合成
多官能性スターポリマーH40-(PCL)17-Y-(Ptert-BuA)50(10g、3.253・10−5mol)を、ジクロロメタン(100mL)中に溶解した。その後にトルフルオロ酢酸(43mL、5.854・10−1mol)をフラスコに添加した。溶剤が蒸発により除去される前に、溶液を室温で2時間に亘って撹拌した。生成物を、THF(60mL)中に再溶解させ、650mLのヘプタン中に沈澱させ、かつ真空下で3日間に亘って50℃で乾燥させ、4.98gのH40-(PCL)17-Y-(PAA)50を、部分加水分解生成物の白色粉末(30%を上回るまで)として生じた。
Figure 0005090915
H4O-(PCL)10-Y-(PAA)7Oの合成
前記に示したように、36.5mLのジクロロメタンおよび16.5mL(2.22・10−1mol)のトリフルオロ酢酸中の3.22g(8・10−6mol)のH40-(PCL)10-Y-(Ptert-BuA)70を用いておこなった。生成物を、エタノール(30mL)中に再溶解させ、エーテル300mL中に沈澱させ、かつ真空下で3日間に亘って乾燥させ、1.75gのH40-(PCL)10-Y-(PAA)70を、部分加水分解生成物の白色粉末(30%を上回るまで)として生じた。
Figure 0005090915
H40-(PCL)1O-Y-(PAA)115の合成
前記に示したように、52mLのジクロロメタンおよび24.3mL(3.27・10−1mol)のトリフルオロ酢酸中の、4.56g(7.9・10−6mol)のH4O-(PCL)10-Y-(Pter-BuA)115を用いて、2時間15分に亘っておこなった。生成物をエタノール(30mL)中に再溶解させ、エーテル300mL中で沈澱させ、かつ真空下で2日間に亘って乾燥させ、2.28gのH4O-(PCL)10-Y-(PAA)115を、部分加水分解生成物の白色粉末として(30%を上回るまで)生じた。
Figure 0005090915
H40-(PCL)50-Y-(PAA)54の合成
前記に示したように、11.5mLのジクロロメタンおよび1.95mL(2.63・10−2mol)のトルフルオロ酢酸中、0.79g(1.82・10−6mol)のH4O-(PCL)50-Y-(Ptert-BuA)54を用いて、1時間に亘っておこなった。生成物をエタノール(20mL)中に再溶解させ、200mLのエーテル中に沈澱させ、かつ真空下で一晩に亘って乾燥させ、333.5mgのH4O-(PCL)50-Y-(PAA)54を、部分加水分解生成物の白色粉末(少なくとも27%まで)として生じた。
Figure 0005090915
1.v リンカー部分Y上の親水性ブロックDの重合:H40-(PCL) p -Y-(PPEGMA) q を得るためのH40-(PCL) p -YからのPEGMAのATRP
三首フラスコを、多官能性マクロ開始剤(H40-(PCL)p-Y)(0.5g、6.256・10−6mol)、エチレンカーボネート(990mg、10質量%)および2,2’−ビピリジル(70.2mg、4.5・10−4mol)および内容物を真空下で1時間に亘って乾燥した。精製したPEGMA(10.70g、9.9mL、2.25・10−2mol、その際、8個のエチレングリコール単位を有する)および5mLの蒸留トルエンを添加し;得られた混合物を、3個の凍結−真空−融解サイクルに導いた。CuBr(32mg、2.25・10−4mol)の添加に引き続いて、1個の他の凍結−真空−融解サイクルに導いた。その後にフラスコを、恒温的に制御された油浴中に75℃で置いた。4時間45分後に、反応を氷浴中のフラスコ中に置くことにより停止させた。撹拌後に、トルエンを蒸発させ、かつポリマーを水中に分散させた。白色分散液を、6〜8,000g/molの分子量ふるいを備えた透析バック中に入れた。3日後に、分散液を凍結乾燥させ、かつ1.16g(10.9%)の白色の、弱くかつ粘着性の粉末が得られた。
Figure 0005090915
重合度DP=6は、アームあたりのPEGMAの繰り返し単位の数に相当し、以下の式によって、H−NMR分光分析法から測定した:
Figure 0005090915
したがって、化合物の平均構造は、H40-(PCL)17-Y-(PPEGMA)6として示された。
例2
2段階ラジカル原子移動重合方法による両親媒性スターブロックコポリマーの製造
Boltorn(R)H40 HBPを、ATRPを開始させる能力を有する官能基を、コア上に直接導入するために使用した。親油性ブロックBを、モノマー、たとえばメチルメタクリレート(MMA)を用いて、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を、あるいは、またはn−ブチルメタクリレート(n−BuMA)を用いてポリ(n−ブチルメタクリレート)(Pn−BuMA)をそれぞれ、最初のATRP工程を介して形成させた。第2のATRP工程を、例1と同様に使用し、親水性ブロックDを製造した。たとえば、ポリエチレングリコールメタクリレート(PEGMA)の重合は、ポリ(ポリエチレングリコールメタクリレート)(PPEGMA)を生じた。
2.i H40-Xを得るためのハイパーブランチポリマーA上へのリンカー部分Xのグラフト
80mLの乾燥THF中の真空乾燥Boltorn(R) H40 HBP(2.8g)の溶液、この場合、これは、全部で25mmolのヒドロキシ官能基を含有するもの、を、乾燥THF(20ml)中の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(4.79g、39.3mmol)およびトリエチルアミン(2.53g、3.48mL、25.0mmol)の溶液に、不活性雰囲気中で添加した。その後に、2−ブロモイソ酪酸ブロミド(17.24g、9.27mL、75.0mmol)を室温で滴加した。48時間後に、沈澱塩を濾別し、かつ溶剤を部分的に蒸発させた。残留溶液をメタノール中に注ぎ入れ、かつ沈殿物を真空下で乾燥させた。
Figure 0005090915
2.ii H40-X-(PMMA) を得るためのリンカー部分Xから出発してのATRPによる親油性ブロックBの重合
窒素挿入口を備えたフラスコを、マクロ開始剤H40-X(132.5mg、約0.5molの開始剤基)、トルエン(25g)、新鮮に蒸留したMMA(25g、250mmol)、CuBr(140mg、1.0mmol)およびn−プロピル−2−ピリジニルメタンイミン(296mg、2.0mmol)で装填した。この混合物を引き続いて、3個の凍結−ポンプ−融解サイクルにより脱酸素化した。重合を、恒温的に制御された油浴中で、60℃で実施し、かつ変換率は、窒素パージされた気密シリンジを用いて、反応の異なる段階で採取された試料のH−NMR分光分析法によりおこなった。後処理のために、触媒複合体を、短いシリカゲルカラム中に反応混合物を通過させることにより除去した。得られたポリマー溶液を、最終的にメタノール中に沈澱させた(反応混合物の容量の20倍)。
Figure 0005090915
重合度DP=10は、アームあたりのMMAの繰り返し単位の数に相当し、以下の式によりH−NMR分光分析法から定めた:
Figure 0005090915
したがって、化合物の平均構造は、H40-X-(PMMA)10として示された。
2.iii H40-X-(PMMA) p -(PPEGMA) q を得るための親水性ブロックDのATRP
窒素挿入口を備えたフラスコを、H40-X-(PMMA)10スターポリマー(1.6g、〜0.75molの開始剤基)、トルエン(17.8g)、PEGMA(17.8g、50mmol、Mn〜475g/mol、アルミニウム上に予め通過させ、開始剤を除去した)、CuBr(215mg、1.5mmol)およびn−プロピル−2−ピリジニルメタンイミン(445mg、3.0mmol)で装填した。この混合物を、引き続いて、3個の凍結−ポンプ−融解サイクルにより脱酸素化した。重合を、恒温的に制御された油浴中で、60℃で実施し、かつ変換率を、窒素パージされた気密シリンジを用いて、反応の異なる工程で採取された試料のH−NMR分光分析法により実施した。後処理のために、触媒複合体を、反応混合物を短いシリカゲルカラムに通すことにより除去した。得られたポリマー溶液を、最終的にジエチルエーテル中に沈澱させた(反応混合物の容量の20倍)。得られたミルクを遠心分離し、かつ得られた沈殿物をジエチルエーテルで数回に亘って洗浄し、任意の残存するモノマーを抽出した。さらなる精製を、メタノール中の透析により実施した(分子量カットオフ=7000g/mol)。生成物を、溶剤の蒸発および真空乾燥後に得た。
Figure 0005090915
重合度DP=8は、アームあたりのPEGMAの繰り返し単位の数に相当し、以下の式によって、H−NMR分光分析法から測定した:
Figure 0005090915
したがって、化合物の平均構造は、H40-X-(PMMA)10-(PPEGMA)8として示された。
2.iv H40-X-(Pn-BuMA) p を得るためのリンカー部分Xから出発してのATRPによる親油性ブロックBの重合
窒素挿入口を備えたフラスコを、マクロ開始剤H40-X(1.325g、〜5mmolの開始剤基、例2.i参照)、トルエン(71.1g)、新鮮に蒸留されたn−BuMA(71.1g、500mmol)、CuBr(700mg、5.0mmol)およびn−プロピル−2−ピリジニルメタンイミン(1.48g、10.0mmol)で装填した。
その後に、この混合物を、3個の凍結−ポンプ−融解サイクルにより脱酸素化した。重合を、恒温的に制御された油浴中で、60℃で実施した。100分後に、反応混合物を氷浴中で冷却し、触媒複合体を、シリカゲル層を介して反応混合物の吸引濾過により除去した(3cm)。得られたポリマー溶液を、部分的に蒸発させ、かつ、最終的にメタノール中に沈澱させた(反応混合物の容量の20倍)。
Figure 0005090915
重合度DP=30は、アームあたりのn−BuMAの繰り返し単位の数に相当し、以下の式によって、H−NMR分光分析法から測定した:
Figure 0005090915
したがって、化合物の平均構造は、H40-X-(Pn-BuMA)30として示された。
2.v H40-X-(Pn-BuMA) p -(PPEGMA) を得るための親水性ブロックDのATRP
窒素挿入口を備えたフラスコを、CuBr(140mg、1.0mmol)およびPEGMA(23.8g、50.0mmol、Mn〜475g/mol、開始剤を除去するために予めアルミナ上を通過させたもの)で装填した。混合物中で窒素を30分に亘って起泡させることにより脱ガスした後に、n−プロピル−2−ピリジニルメタンイミン(380μL、369mg、2.5mmol)を添加し、その一方で、脱ガスを継続した。トルエン(23.8g)中のH40-X-(Pn-BuMA)30(2.23g、〜0.5mmolの開始剤基)の予め脱ガスした溶液を、混合物に添加し、窒素パージを15分に亘って継続した。反応フラスコをその後に、恒温的に制御された油浴中に60℃で入れた。重合を5時間に亘って、反応混合物を0℃に冷却することにより停止させ、かつ触媒を、シリカゲルの層(〜3cm)を介しての吸引濾過により除去した。トルエンを、得られたポリマー溶液から蒸発させ、ポリマーを単離し、かつ繰り返しの沈澱によりジエチルエーテルを精製した(反応混合物の容量の20倍)。さらなる精製を、水中の透析により実施した(分子量カットオフ=10000g/mol)。生成物を、溶剤の蒸発および真空乾燥後に得た。
Figure 0005090915
重合度DP=32は、アーム当たりのPEGMAの繰り返し単位の数を測定し、したがって、化合物の平均構造は、H40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32として示した。
2.vi 疎水性内部層なしの参考化合物としてH40-X-(PPEGMA) q を得るための親水性ブロックDのATRP
前記に示したように(例2.v)、59.8gのトルエン中、59.5g(125.0mmol)のPEGMAおよび189mgのH40-X(H40-X-(Pn-BuMA)qの代わりに)を用いて、50℃で18時間に亘っておこなった。
Figure 0005090915
重合度DP=40は、アーム当たりのPEGMAの繰り返し単位の数に相当するものを測定し、したがって、化合物の平均構造は、H40-X-(PPEGMA)40として示した。
例3
親油性染料のカプセル封入に引き続いてのUV分光分析法
スターブロックコポリマーH4O-X-(PMMA)10-(PPEGMA)8(例2iii中に記載されたようにして製造した)を、疎水性薬剤としてのルブレンをカプセル封入するために使用した。
5mgの親油性の水不溶性の染料ルブレン(出所:Sigma-Aldrich)を、50mgの両親媒性スターブロックコポリマー50mgと一緒に撹拌した。その後に、2.0mLの水を、得られた混合物に添加し、かつ撹拌をポリマーが溶解するまで継続した。残存する不溶性のルブレンを、遠心分離により除去した。赤茶色の上清を、UV/Vis分光分析法により試験し、水性ポリマー溶液中のルブレンの存在を確認した。結果として、本発明のコポリマーは、効果的にルブレンをカプセル封入した。
UV分光分析法の結果の評価を、水性ポリマー溶液中のルブレンのための吸収大(538nm;501nm;333nm)をベースとし、供給元が特定したようなヘプタン溶液中のルブレンに関する吸収大と比較した(523±3nm;488±3nm;299±3nm)。
スターブロックコポリマーH40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32(例2.vで記載されたようにして製造した)を、疎水性薬剤としてReichardt's染料をカプセル封入した。
カプセル封入に関して、28.5mgの両親媒性スターブロックコポリマーおよび1.7mgのReichardt's染料を、4.0mlのメタノールまたはTHF中にそれぞれ溶解した。少量の水を添加し、かつ溶剤を部分的に蒸発させ、すべての有機溶剤が水により置換されるまで反復した。得られた混合物を、0.22μmのシリンジフィルターを介して濾別し、かつUV分光分析法により分析した。スペクトルを、Cary Bio 100 UV分光分析装置上で、1cmの経路長を有する石英キュベットを用いて記録した。メタノールおよび酢酸エチル中のReichardt's染料の溶液を、参考として製造し、かつ実験準備について確認した。長波長の吸収の波長から、染料周囲の極性を示すE(30)値は、式E(30)=hcN/λmaxで算定した。以下に結果を示す:
Figure 0005090915
メタノールおよびエチルアセテート中の、染料の溶液のために得られた結果は、実験準備について確認し、得られたE(30)値は、文献の値に相当するものであった(参考:C. Reichardt, Chem Rev. 1994, 94, 2319-2358)。
スターブロックコポリマーを含有する溶液に関して得られたET(30)値は、カプセル封入がコアのための非溶剤(メタノール)で実施されるか、あるいは、コアのための良好な溶剤(THF)で実施されるかどうかが、副次的に重要であることを示す。さらに、系の溶剤特性を評価することが可能である。いいかえれば水不溶性染料の可溶化は、両親媒性スターブロックコポリマーのカプセル封入効果として説明することができる。
例4
親油性染料のカプセル封入に引き続いてのGPC分析
両親媒性スターブロックコポリマーH40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32(例2.vで記載されたようにして製造した)を、疎水性薬剤をカプセル封入するために使用した。
20.0mgのスターブロックコポリマーおよび2.0mgのルブレンを、ジクロロメタン中に溶解し、かつ、溶剤を蒸発させた。得られた混合物を、4.0mlのGPC緩衝溶液(0.1mol/Lの水性NaHCO−溶液)中に入れ、かつ、0.22μmのシリンジフィルターを介して濾過した。フィルターを通過させた微細な染料粒子を除去するために、混合物をジエチルエーテルで一度抽出した。得られた溶液を、ビルトイン屈折指数検出器およびKontron 430 UV検出装置を備えたWaters 150CV装置上で、GPCにより分析し、試験のために306nmにキャリブレーションした。別個のカラムとして、Shodex OH-pak SB-803 + SB-804 (直径8.0 mm、長さ300 mm)をそれぞれ使用した。試料を、0.1mol/Lの水性NaHCO溶液で、0.50mL/分の流速で抽出した。ジエチルエーテルで遊離染料を抽出した後に、ルブレンを、ポリマーと一緒に、約12mLの保持容量で溶離し、これによって染料のポリマー中への十分なカプセル封入が示された。
例5
フレグランスのカプセル封入および放出に引き続いてのUV分光分析
両親媒性スターブロックコポリマーH40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32(例2.vで記載されたようにして製造した)を、疎水性かつUV活性のフレグランス分子として1−(2−ナフタレニル)−1−エタノンをカプセル封入するために使用した。本発明によるポリマーのカプセル封入および放出特性を、改されていないBoltorn(R)H40 HBPと比較した。
10.0mgの1−(2−ナフタレニル)−1−エタノンおよび18.7mgのH40-X-(Pn-BuMA)30(PPEGMA)32またはBoltorn(R)H40 HBPを、それぞれ4.0mlのTHF中に溶解させた。少量の水を添加し、かつ溶剤を部分的に蒸発させ、すべての有機溶剤が水により置換されるまで反復した。純粋な水中の参考溶液を、同様の方法で製造した。得られた混合物を、0.22μmのシリンジフィルターを介して濾別し、かつ、UV分光分析法により分析した。スペクトルは、Cary Bio 100 UV分光分析装置上で、経路長1cmを有する石英キュベットを用いて、参考として水を用いて記録した。H40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32を含有する試料を1:10に希釈し、吸光度を減少させた。340nmで測定した1−(2−ナフタレン)−エタノンの測定されたUV吸光度は、以下のとおりである:
水中 0.69
水中のBoltorn(R)H40 HBPを用いた場合 1.08
水中のH40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32を用いた場合 1.57
データは、Boltorn(R)H40 HBPと比較したH40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32の傑出性を実証した。同様の質量濃度で、疎水性ゲストが、Boltorn(R)H40 HBP中の場合よりも本発明によるポリマー中で10倍を上まわる程度に多くカプセル封入された。比較のための放出試験のために、溶液を有するキュベットを、換気場所においた。定められた時間の後に、蒸発した水を添加し、かつスペクトルを記録した。340nmで記録したUV吸収率を、表にまとめた:
Figure 0005090915
データは、フレグランス分子の放出が、両親媒性のスターブロックコポリマーH4O-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32が、参考試料よりもゆっくりであることを示した。たとえば、60時間後に、66%のフレグランスが、依然として両親媒性スターブロックコポリマー中に存在し、比較すると、Boltorn(R) H40 HBP中では26%にすぎないものであった。150時間後に、沈殿物が、Boltorn(R) H40 HBP溶液から形成され、かつ、痕跡量のフレグランスは発見されなかった。
例6
NMR分光分析法によるフレグランスのカプセル封入の定量
両親媒性スターブロックコポリマーH4O-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32(例2.V中に記載したようにして製造した)(〜10/20/30/40mg)を正確に計量し、かつ、1.4gのDO中に溶解した(純粋なDOをブランク試料として使用した)。ポリマーを溶解した後に、フレグランス分子50mg(ベンジルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール、4−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート(それぞれ、Vertenex(R)、出所:International Flavors & Fragrances, USAまたはデカナール)を、溶液に添加した。一晩に亘って振とうさせた後に、試料を0.22μmのシリンジフィルターを通してエッペンドルフキャップ中に濾過した。遠心分離後に、水相のアリコートを、NMRチューブに計量し、かつDMSOの正確な量を、定量のための参考試料に添加した。NMRスペクトルは、以下の取得条件を用いて記録した:前取得遅延時間20秒、取得時間5秒、データ点の数64k、64スキャン。スペクトルを処理する場合に、0.1Hzの線の拡がりおよび1024kのファイリング0を使用した。スペクトルを、付加的なベースラインの補正をおこなうことなく手動で積分した。
以下のシグナルを、定量のために使用した:ベンジルアセテート、−(CO)−CH−、s、δ=2.02〜1.81ppm、この場合、これは、ポリマーの型および濃度に依存する;(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール(ゲラニオール)、C=CH−C、t、δ=5.3ppmおよび/またはC=CH−C、t、δ=5.1ppm;デカナール、−CH−CHO、pert t、δ=水中2.1ppm、ポリマー溶液中2.31ppm; Vertenex(R)、−C(CH、br.s、δ=0.95〜0.80ppm、この場合、これは、ポリマー濃度に依存する。すべてのシグナルは、Vertenex(R)に関して予測されるポリマーシグナルとは全く別個であり、このプローブ分子のために正確に制限されている。
図2中のデータポイントは、溶液中のポリマー量の増加に伴って、増加したフレグランス量がカプセル封入されることを示す。データは、溶液中のポリマーの量と定量されたフレグランス分子の量との線形の相関関係を示すものであり、これによって、ポリマー中のフレグランス分子の良好なカプセル封入が提供された。
ベンジルアセテートのH40-X-(Pn-BuMA)3O-(PPEGMA)32へのカプセル封入に関して得られたデータと、内部親水性シェルを有しないスターコポリマー、たとえば、参考化合物H4O-X-(PPEGMA)40(例2.vi中で製造されたもの)に関して得られたデータとを比較して、顕著に高いフレグランス分子の量が、本発明中に記載されたコアシェル構造の内部にカプセル封入できることを示し(図3)、これによって、疎水性ブロックおよび親水性ブロックを有する利点を例証する。
例7
自己拡散型NMR分光分析法によるフレグランスカプセル封入の実証
フレグランス分子および両親媒性スターブロックポリマーを含有する試料を、前記のようにして製造した(例6)。使用したポリマーは、H4O-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32であり、DO中の10.7mg/mlの濃度で使用した。純粋な水中でのフレグランスの測定のために、1μlのフレグランスを、700μlのDOと激しく混合した。4−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート (Vertenex(R))およびデカナールに関しては、さらなる希釈が必要とされる。
測定を、Bruker Avance 500 MHz NMR分光分析装置上で実施し、この場合、この装置は、5mmのBBQプローブおよび54/cm(=0.54/m)までの勾配強度を送達するのが可能なGAD勾配増幅器を備えている。二重刺激スピンエコーシークエンス(A. Jerschow and N. Mueller, J. Magn. Reson. 1997, 125, 372-375)を、フレグランス分子およびスターブロックコポリマーの双方のための溶液中で、拡散効率を測定するために使用した。すべてのスペクトルを25℃で、4秒の前取得遅延時間、2秒の取得時間および15ppmのスペクトル幅を用いて記録した。スキャンの数は8〜64の間で可変であり、この場合、これは、フレグランス分子のシグナル強度に依存する。典型的には、一連の16の試験を、増加した勾配強度(g)1〜50G/cmで、台形の勾配形を用いて記録した。勾配持続時間(δ)および拡散時間(Δ)を、すべての試験中で一定に維持した。生じる拡散効率の値に依存して、δ(3−6ms)およびΔ(50〜250ms)のための値は、95%の勾配強度で、シグナルが、オリジナルシグナル強度の5〜10%の間に減衰する程度に調整した。
すべてのスペクトルを、Bruker XWININMRソフトウエアを用いて処理した。1Hzの指数減衰関数およびファイリング0でアポダイゼーションした後に、データはフーリエ変換ンされ、かつベースライン補正された。これは、一連の1Dスペクトルを取得し、この場合、これは、適用された勾配強度に依存してシグナル増幅の減衰を示した。重要なピークの積分は、すべての試験において測定され、かつ勾配強度に対してプロットされた。固有のフィッティング関数を使用して、拡散効率を抽出した。
以下のNMRシグナルを、分析のために使用した:ベンジルアセテート、−(CO)−CH−、δ=1.96ppm;(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール(ゲラニオール)、C=CH−C、t、δ=5.39ppm;デカナール、−CH−CH−、δ=0.93ppm; Vertenex(R)、−C(CH、δ=0.92ppm、ヘキシルイソブチレート、(CH−CH−、δ=1.17ppm;イソボルニルアセテート、(CH−C、δ=0.88ppm;H4O-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32、−O−CH−CH−O−、δ=3.72ppm。
NMR拡散分光分析法を使用して、ポリマー系中の小さい分子のカプセル封入を試験した。溶液中の分子の移動性を、その拡散効率により規定した。これは、分子の大きさ、ゆえにその分子量に反比例した。したがって、フレグランス分子とスターブロックコポリマーとの間の質量の大きな相違によって、純粋な水中のフレグランス分子の拡散効率は、コポリマー中に封入されたものとは異なりうる。
純粋な水中のすべてのフレグランス分子は、拡散効率を示し、この場合、これらは、極めて高いものであって(6×10−10/s前後)、制限のない動きを示した(表参照)。フレグランス分子をポリマーの水性溶液に添加するやいなや、その拡散挙動は劇的に変化した。すべての分子試験は、その移動性を減少させ、かつ拡散効率を、純粋な水中よりも顕著に低いものとした。いくつかの分子は、20倍を上回って減少する拡散効率を示し、スターブロックコポリマーの値に近づいた(1×10−12/s前後)。これは、フレグランス分子が、ポリマー中に包接されることを明らかに示すものであった。それというのも、NMRスペクトル中のそれぞれのフレグランス分子のためのシグナルの単一セットのみが観察することができる事実によって、遊離および結合状態との間の交換が、NMR時間スケール上で早いと推定され、かつ観察された拡散効率は、双方の状態の質量平均である。他の要因、たとえばアフィニティーおよびスターブロックコポリマー内部の位置は、さらに明らかに拡散効率に影響する。
フレグランス分子および両親媒性スターブロックコポリマー分子の以下の拡散効率は、DO中で、25℃で測定した:
Figure 0005090915
例8
フレグランス放出に引き続いての熱重量分析(TGA)
両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)17-Y-(PAA)50(例 l.iv中に記載されたようにして製造した)を乾燥させ、かつ直接、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール(シトラール)と一緒に、64/36%(w/w)の混合比で混合した。この試料を、室温で、少なくとも1日に亘って保持した。その後に、約5mgの質量を、酸化アルミニウムるつぼ中に導入し、かつ熱重量分析装置(TGA, Mettler Toledo)で、30℃で、等温で記録することにより、窒素ガス(20mL/分)の一定流下で分析した。分析を3回に亘って反復し、かつ純粋なシトラールの一つと比較した。図4は、純粋なシトラールおよびシトラール/H40-(PCL)17-Y-(PAA)50混合物の質量の評価を、時間の関数として表す、相当する平均曲線を示す。
これは、シトラールの蒸発が、両親媒性スターブロックコポリマーの存在によって強力に緩慢になることを観察することができた。H40-(PCL)17-Y-(PAA)50マトリックスからのシトラールの放出の等温線は、2種の型から成るようにみえた:等温の開始時での速い型に引き続いて、遅い型がみられた。純粋なシトラールの放出の等温線は、一つの速い型から構成される。
本発明の両親媒性スターブロックコポリマーは、シトラール上の強力な保持効果を有すると結論付けられた。
同様の試験において、両親媒性のスターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70およびH40-(PCL)50-Y-(PAA)54のいずれか一方(例1.iv中に記載のようにして製造)またはH4O-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32(例2.v中に記載したようにして製造)を、エタノール1.70g(85%(w/w))中で可溶化した。撹拌した後に、160mg(8%w/w)の純粋な水および100mg(5%(w/w))の以下のフレグランス分子のいずれか一つを添加した:4−tert−ブチル−シクロヘキシルアセテート(Vertenex(R))、ベンジルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエノール(ゲラニオール)またはデカナール。この試料を、室温で撹拌しながら、少なくとも2日間に亘って保持した。同様の方法で、参考の試料をBoltorn(R)H40 HBPを用いて製造した。
前記の製造された試料10μl容量を、酸化アルミニウムるつぼ中に置き、かつ熱重量分析装置で(TGA、Mettler Toledo)で、一定の窒素ガス流下で(20mL/分)分析した。純粋なフレグランス分子の蒸発は、以下の方法を用いて測定し、この場合、この方法は、試料を25〜50℃で、5℃/分で加熱し、引き続いて等温で、50℃で、115分間に亘って加熱し、その後に50〜130℃で4℃/分で加熱し、かつ最終的に等温で、130℃で15分に亘って加熱することから成る。分析を、2回に亘って繰り返し、かつ純粋なフレグランス分子ならびに Boltorn(R)H40 HBP 参考例のものと比較した。
すべての4個のフレグランス分子に関して、測定されたフレグランスの蒸発は、両親媒性スターブロックコポリマー(H40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32、H40-(PCL)10-Y-(PAA)70またはH40-(PCL)50-Y-(PAA)54)のいずれか一つのものの存在下で、Boltorn(R)H40 HBP参考例またはそれぞれフレグランス単独の場合と比較して、より緩慢である。
本発明による両親媒性スターブロックコポリマーの、フレグランス化合物の保持における効果を例証するために、フレグランスの質量(%)を、80分後に、50℃で、両親媒性スターブロックコポリマー(H40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32またはH40(PCL)10-Y-(PAA)70)、Boltorn(R) H40 HBP参考例、あるいは、任意のポリマーの不含下で比較した。フレグランス単独の蒸発のために得られたデータを、他の試料中のポリマー含量(2質量%)に対して標準化した。
Figure 0005090915
図5は、ゲラニオール単独、Boltorn(R)H40 HBPの存在下でのゲラニオールおよび両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70の存在下でのゲラニオールの蒸発率(時間の関数、分として、試験開始時の最初の質量に対する質量%)を示す。2種の型が、フレグランス分子の蒸発においてみられる。第1の型は、エタノールの蒸発に相当し、かつ第2の型は、スターブロックコポリマーの存在下でのゲラニオールを含む水の蒸発に相当する。
このデータは、フレグランス分子の蒸発が、本発明による両親媒性スターブロックコポリマーのいずれか一つの存在によって顕著に緩慢になることを示すものである。この効果は、Boltorn(R)H40 HBP参考例の場合よりも顕著である。
例9
ファイン香料適用中での、両親媒性スターブロックコポリマーの存在下でのフレグランス放出の長期持続性
モデル香料を、異なる化学的官能基を有する等分子量(0.2mol)の15個のフレグランス化合物(アルデヒド、ケトン、アルコール、ニトリルおよびエステル)を混合することにより得た。以下の化合物を秤量した:(Z)−3−ヘキセノール(ピポール、2.00g)、3,5,5−トリメチルヘキサナール(2.84g)、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール(ジメトール、2.88g)、アセトフェノン(2.40g)、エチル(E)−2,4−ジメチル−2−ペンテノエート(3.12g)、ベンジルアセテート(3.00g)、ジャスモニトリル(3.06g)、デカナール(3.12g)、4−フェニル−2−ブタノン(ベンジルアセトン2.96g)、2−ペンチルシクロペンタノール(3.12g)、(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエノール(ゲラニオール、3.08g)、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール(3.40g)、10−ウンデセナール(3.36g)、4−tert-ブチル−1−シクロヘキシルアセテート(Vertenex(R)、3.96g)、アリル3−シクロヘキシルプロパノエート(3.92g)。
40mg(2%(w/w))の両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70(例1.ivに記載のようにして製造したもの)を、1.70g(85%(w/w))のエタノール中に可溶性にした。撹拌後に、水160mgおよび前記モデル香料100mg(5%(w/w))を添加した。試料を、少なくとも3日間に亘って室温で撹拌しながら維持した。試料全部で2μlを、その後に、ヘッドスペースサンプリングセル(160mL)中に入れ、25℃で温度調節し、かつ200mL/分の一定の空気流に対して、それぞれ暴露した。空気を、活性炭を通して濾過し、かつNaCl飽和溶液を通して吸引した。揮発物を連続的に100mgのTenax(R)TAカートリッジ上に吸着させ、この場合、これは、t=3.5、4.5、6、8、10、13、16、20、30、45および60分後に交換した。このカートリッジを熱的にPerkin Elmer TurboMatrix ATD 脱着装置中で脱着し、かつ揮発分を、FID検出器を備えたCarlo Erba MFC 500ガスクロマトグラフを用いて分析した。分析を、J&W Scientific DB キャピラリーカラム(30m×0.45mm内径、フィルム厚0.42μm)、70℃〜130℃(3℃/分)で、その後に260℃まで、35℃/分で実施した。注入温度は240℃で、検出器温度は260℃であった。ヘッドスペース濃度(ng/L)を、相当するフレグランス分子の外部標準キャリブレーションによって、エタノール中の6種の異なる濃度を用いて得た。0.2μlのそれぞれのキャリブレーション溶液をTenax(R)TAカートリッジ上に注入し、この場合、これは、前記と同様の条件下で脱着した。結果は、2個の測定の平均である。
同様の試験を、2μlの前記モデル香料を用いて、参考資料として、両親媒性ブロックコポリマーを用いることなく繰り返し、両親媒性スターブロックコポリマーの存在下または不在下で、フレグランス蒸発の長期持続性を比較した。
データを比較するために、任意の選択されたヘッドスペースの濃度50ng/Lの到達時間を測定した。以下のデータが得られた:
Figure 0005090915
図6は、香料中に含まれる化合物(アリル3−シクロヘキシルプロパノエート)の一つの蒸発プロフィールを示し、この場合、これは、たとえば、両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70の存在下で、フレグランス化合物の長期持続性を示すために選択した。
一般に、フレグランス分子の強度は、本発明による両親媒性スターブロックコポリマーが存在する場合には、より高いものであることが見出された。
例10
繊維柔軟剤適用中の両親媒性スターブロックコポリマーの存在下での、フレグランス放出の長期持続性
本発明による両親媒性スターブロックコポリマーの使用は、繊維柔軟剤適用中の制御されたフレグランス放出に関して試験した。以下の組成を有する繊維柔軟剤ベースが製造された:
Stepantex(R) VK90またはVHR90(出所:Stepan) 16.5質量%
塩化カルシウム 0.2質量%、
水 83.3質量%
繊維柔軟剤中のフレグランス分子の混合物の性能は、両親媒性スターブロックコポリマーの存在下および不含下で、フレグランス蒸発の性能を比較することにより測定した。試験を以下のようにして実施した:
10.i 両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL) 10 -Y-(PAA) 70 を用いての繊維柔軟化方法
10mLのエタノール中の、4−フェニル−2−ブタノン(ベンジルアセトン、63.8mg)、アリル−3−シクロヘキシルプロパノエート(86mg)、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール(78.7mg)およびベンジルアセテート(69.3mg)のモル量(0.45mmol)の溶液を製造した。3.30mLのこの溶液を、40mg(1.33.10−4mmol)の両親媒性スターブロックコポリマーH40-(PCL)10-Y-(PAA)70に添加し、かつ1日間に亘って撹拌した。前記繊維柔軟剤ベースの全量1.80gを、それぞれ2個の小さいバイアル中に秤量した。その後に、フレグランス分子およびポリマーを含有する溶液1mLを、試料の一つに添加し、かつフレグランスを含有するがポリマーを含有しない溶液1mlをもう一方に添加した。双方のバイアルを密閉し、かつ撹拌しながら室温で4日間に亘って放置した。その後に試料を、600mLの脱イオン化された冷水道水を含むビーカー中にそれぞれ分散させた。一つのコットンタオル(EMPAコットン試験Nr.221、出所:Eidgenoessische Materialpruefanstalt(EMPA)、無香料の洗剤粉末を用いて予め洗浄し、かつ約12×12cmのシートに切断したもの)を、それぞれのビーカーに添加し、かつ手動で3分に亘って撹拌し、2分に亘って放置し、その後に手動でしぼり、かつ計量し、一定量の残留水を得た。2つのタオル(一つは両親媒性スターブロックコポリマーを含むものおよび一つは含まないもの)を、柔軟剤で処理した後に直ぐに分析した。測定に関して、1つのタオルをヘッドスペースサンプリングセル(160mL)中に入れ、25℃で熱調節し、かつそれぞれ200mL/分の一定の空気流に暴露した。空気を、活性炭を通して濾過し、かつNaCl飽和溶液を通して吸引した。ヘッドスペース系を、75分に亘って平衡化し、その後に揮発物を、5分間に亘って、清浄なTenax(R)カートリッジ上で吸着させた。サンプリングを7回に亘って50分毎に繰り返した。カートリッジを、前記のPerkin Elmer TurboMatrix ATD脱着装置上で脱着した(例9)。
図7は、H4O-(PCL)10-Y-(PAA)70の存在下または不在下で、フレグランス分子(アリル3−シクロヘキシルプロパノエート)の一つを放出するための典型的な例を示す。
装置の開始時において、より高いヘッドスペース濃度を、両親媒性スターブロックコポリマーの不在下で測定した。にもかかわらず、試験の終了時に、すべてのヘッドスペース濃度は、両親媒性スターブロックコポリマーの存在下でより高いものであって、それにより、好ましいフレグランス放出の長期持続性を示した。
430分後に、以下のヘッドスペース濃度が得られた:
Figure 0005090915
10.ii 両親媒性スターブロックコポリマーH40-X-(Pn-BuMA) 30 -(PPEGMA) 32 を用いての繊維柔軟化方法
試験を、前記のようにして、H40-(PCL)10-Y-(PAA)70の代わりに、両親媒性スターブロックコポリマーH40-X-(Pn-BuMA)30-(PPEGMA)32を用いて実施した。ヘッドスペース系を15分に亘って平衡化し、かつ揮発分を5分に亘って吸着した。サンプリングを50分毎に7回繰り返した。
装置の開始時において、より高いヘッドスペース濃度を、両親媒性スターブロックコポリマーの不在下で測定した。にもかかわらず、試験の終了時に、すべてのヘッドスペース濃度は、両親媒性スターブロックコポリマーの存在下でのものより高く、それにより、好ましいフレグランス放出の長期持続性を示した。370分後に、以下のヘッドスペース濃度が得られた:
Figure 0005090915
本発明のコポリマーの構造に関する例を示す図 フレグランスの両親媒性H40−X−(Pn−BuMA)30−(PPEGMA)32スターブロックコポリマーへのカプセル封入に関して得られたH−NMR定量データを示す図 H40−X−(PPEGMA)40およびH40−X−(Pn−BuMA)30−(PPEGMA)32中にカプセル封入されたベンジルアセテートの量の比較を示す図 シトラールがカプセル封入されていない純粋な参考試料と比較した、本発明のコポリマーまたはナノカプセル中でのフレグランス化合物(シトラール)の増加した保持力を示す図 ゲラニオール単独、Boltorn(R)H40HBPの存在下でのゲラニオールおよび両親媒性スターブロックコポリマーH40−(PCL)10−Y−(PAA)70の存在下でのゲラニオールの蒸発率を例証する熱重量分析を示す図 モデルとなる香料の動的ヘッドスペース分析により測定された、両親媒性スターブロックコポリマーH40−(PCL)10−Y−(PAA)70の存在下または不存在下での、アリル3−シクロヘキシルプロパノエートの蒸発プロフィールを示す図 繊維柔軟剤適用中の動的ヘッドスペース分析により測定された、両親媒性スターブロックコポリマーH40−(PCL)10−Y−(PAA)70の存在下または不存在下での、アリル3−シクロヘキシルプロパノエートの放出のために、時間に亘って測定されたヘッドスペース濃度を示す図

Claims (8)

  1. 一般式(I)
    Figure 0005090915
    [式中、Aは、官能性を有するコアであり;zに掛けられたsは、コポリマーのアーム数を示し、それにより、szの積は>30であり;
    XmおよびYnは、それぞれ互いに独立して、mまたはn(それぞれ互いに独立して0または1である)を有する直鎖または分枝鎖のリンカー部分であり、これは、コアにグラフトされるやいなや、少なくとも1種の重合反応のための開始点とし適しているものであり;
    zおよびtは、それぞれリンカー部分XおよびYにより提供される分枝の数であり、その際、zおよびtは、独立して1〜10の範囲であり;
    Bは、算定されたハンセン溶解性パラメーター≦25を有する重合された部分であり、この場合、これは、Aの官能基またはXの官能基と共有結合されており、その際、pは重合されたB部分の平均の数であり、pは3〜300の範囲であり;
    Dはハンセン溶解性パラメーター>25を有する重合された部分であり、かつブロックDは、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(トリメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(トリメチルアミノエチルアクリレート)、ポリ(トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート塩)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルエーテルジエチレングリコールメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ポリエチレングリコールアクリレート)、ポリ(ポリエチレングリコールメタクリレート)、ポリアミノ酸、ポリアクリロニトリル、ポリ(エチレンイミン)、およびポリオキサゾリン、およびこれらの組合せ物から成る群から選択されており、その際、qは重合されたD部分の平均の数であり、qは3〜300の範囲である]を含ブロックコポリマー化合物。
  2. 2〜150nmの平均粒径を有する、請求項1に記載のコポリマー。
  3. 分子量Mn>100,000g/モルを有する、請求項1または2に記載のコポリマー。
  4. 請求項1に記載のコポリマーおよびコポリマー中にカプセル封入されたかまたはコポリマーに会合した、少なくとも1種の親油性機能性薬剤を含、その際、機能性薬剤が、フレーバー、フレグランス、薬、農薬、染料およびこれらの混合物から成る群から選択される、ナノカプセル
  5. ブロックBが、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリクチド、ポリカプロラクトン、ポリプロピレングリコール、ポリアンヒドリド、ポリシロキサン、ポリホスファゼン、ポリアゾリンおよびこれらの組合せから成る群から選択されている、請求項1に記載のコポリマー。
  6. 請求項1に記載のブロックポリマーと、少なくとも1種の親油性機能性薬剤とら構成される、ナノカプセル。
  7. 請求項1に記載のブロックコポリマーを含有する、賦香製品。
  8. 請求項1に記載のブロックコポリマーを製造するための方法において、この方法が、
    官能性を有するコア(A)を提供し、その際、s>5であり、
    −場合によっては、コアの官能基をリンカー部分(X)に結合させ、
    −疎水性ブロック(B)をコア(A)の官能基上で重合させるか、あるいは、存在する場合には、リンカー部分(X)上に重合させ、
    −場合によっては、他のリンカー部分(Y)を疎水性ブロック(B)上に結合させ、かつ、
    −親水性ブロック(D)を疎水性ブロック(B)の官能基上に重合させるか、あるいは、存在する場合には、他のリンカー部分(Y)上に重合させるか、あるいは、二者択一的に、
    −第2の疎水性ブロックを、疎水性ブロック(B)上に重合させるか、あるいは、存在する場合には、他のリンカー部分(Y)上に重合させ、引き続いて、第2の疎水性ブロックを親水性ブロック(D)に化学的に転換する、
    工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載のブロックコポリマーを製造するための方法。
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