JP5090211B2 - 可視化エンジン及び可視化エンジン用ピストン - Google Patents

可視化エンジン及び可視化エンジン用ピストン Download PDF

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Description

本発明は、燃焼室内の可視化を行うための可視化エンジン及び可視化エンジン用ピストンに関する。
内燃機関の燃焼室内での燃焼挙動を計測するために、可視化エンジンが用いられている(例えば下記特許文献1)。この可視化エンジンにおいては、燃焼室内からの光をシリンダ側壁へ向けて反射させるための反射ミラーがシリンダ内に固定されており、ピストンの内部には光を通過させ反射ミラーを収容するための空間が形成されている。ピストンには燃焼室内から透過窓を通過し反射ミラーで反射された光をシリンダ側壁へ通過させるためのピストン開口部が形成されており、シリンダ側壁には反射ミラーで反射された光をシリンダ外部へ通過させるためのシリンダ側壁開口部が設けられている。シリンダ側壁開口部を通過した燃焼室内からの光は、高速度カメラで撮像されることで、燃焼室内の可視化が行われる。
特開2006−233789号公報
近年のエンジン開発において高負荷、高出力化が進んでおり、可視化エンジンにおいても、高負荷、高出力状態での燃焼挙動を計測できることが要求され、高負荷、高出力状態で運転できることが要求される。高負荷、高出力状態でエンジンの運転を行うと、エンジンの各部品にかかる負荷が増大するため、各部品の強度を十分に確保することが要求される。ただし、可視化エンジンにおいては、通常の(燃焼室内の可視化を行わない)エンジンと比較して、ピストンの内部に光を通過させ反射ミラーを収容するための空間を設ける必要があるので、ピストンの全高(シリンダ軸線方向長さ)が増大する。さらに、ピストンには、燃焼室内から透過窓を通過し反射ミラーで反射された光をシリンダ側壁へ通過させるためのピストン開口部を形成する必要がある。その結果、燃焼室内の高い燃焼圧力に対するピストンの強度が不足しやすくなる。特に、燃焼室内に面するピストントップ部に高い燃焼圧力が作用することで、ピストン開口部の幅が広がるようにピストンが変形して、ピストン開口部の上部付近に応力が集中しやすくなる。その結果、ピストンの座屈が生じやすくなる。
本発明は、燃焼室内の可視化を行うための可視化エンジンまたは可視化エンジン用ピストンにおいて、燃焼室内の高い燃焼圧力に対するピストンの強度を十分に確保することを目的とする。
本発明に係る可視化エンジン及び可視化エンジン用ピストンは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る可視化エンジンは、燃焼室内の可視化を行うための可視化エンジンであって、側壁に光を通過させる開口部が設けられたシリンダと、シリンダ内に固定され、燃焼室内からの光をシリンダ側壁開口部へ向けて反射させるための反射ミラーと、シリンダ内をその軸線方向に沿って往復運動するピストンであって、その内部に光を通過させ反射ミラーを収容するための空間が形成されたピストンと、を備え、ピストンは、燃焼室内に面し、燃焼室内の光を反射ミラーへ透過させるための透過窓が設けられたピストントップ部と、上部がピストントップ部と連結され、内部が中空の柱部であって、燃焼室内から透過窓を通過し反射ミラーで反射された光をシリンダ側壁開口部へ通過させるためのピストン開口部が上部から下部にかけて形成された柱部と、を含み、反射ミラーは、シリンダ軸線方向に対して、下部よりも上部の方がシリンダ側壁開口部との距離が大きくなるよう傾斜した状態で、シリンダ内に固定されており、反射ミラーの上部の外周は、シリンダ軸線方向と直交する平面に投影させた形状が円弧となる凸に湾曲した楕円弧形状を呈しており、反射ミラーは、前記楕円弧形状を呈する上部の外周が柱部の内周壁より内側に位置する状態でピストンの内部に収容されており、ピストン開口部においては、上部の幅w1が下部の幅w2よりも狭く、下部から上部に向かうにつれて幅が徐々に狭くなり、上部と下部の幅比率w1/w2が0.6以上且つ0.8以下であることを要旨とする。ピストンは、ピストントップ部よりシリンダ軸線方向下側に設けられ、柱部の下部と連結され、ピストンピンが嵌入されるピストンピン孔が形成されたピンボス部をさらに含むこともできる。
本発明の一態様では、ピストン開口部における上部と下部の幅比率w1/w2が0.7であることが好適である。
また、本発明に係る可視化エンジン用ピストンは、本発明に係る可視化エンジンにて用いられる可視化エンジン用ピストンであることを要旨とする。
本発明によれば、燃焼室内の可視化を行うための可視化エンジンまたは可視化エンジン用ピストンにおいて、燃焼室内の高い燃焼圧力に対するピストンの強度を十分に確保することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
「可視化エンジンの基本構成」
図1は、可視化エンジン1の基本構成の概略を示す図であり、シリンダ11の軸線方向及びクランクシャフトの軸線方向と直交する方向から見た内部構成の概略を示す。可視化エンジン1は、シリンダブロック9及びシリンダヘッド10を備え、シリンダブロック9及びシリンダヘッド10によりシリンダ11を形成する。シリンダ11内には、その軸線方向に沿って往復運動するピストン12が収容されている。ピストン12の頂面、シリンダブロック9の内壁面、及びシリンダヘッド10の下面に囲まれた空間は、燃焼室13を形成する。ピストン12には、ピストンピン19が嵌入されるピストンピン孔が形成されている。ピストン12は、ピストンピン19を介してコネクティングロッド15に連接され、コネクティングロッド15は、図示しないクランクシャフトに連接されている。
図1では、シリンダ11内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁18がシリンダヘッド10に配設された例を示しているが、ここでの可視化エンジン1は、ディーゼルエンジン等の圧縮自着火式内燃機関であってもよいし、ガソリンエンジン等の火花点火式内燃機関であってもよい。圧縮自着火式内燃機関の場合は、例えばピストン12が圧縮上死点付近に位置するときに燃料噴射弁18から燃焼室13内に燃料を噴射することで、燃焼室13内の燃料が自着火して燃焼する。火花点火式内燃機関の場合は、点火時期にて点火栓の火花放電により燃焼室13内の混合気に点火することで、燃焼室13内の混合気を火炎伝播燃焼させる。
燃焼室13内の可視化を行うために、シリンダブロック9の側壁(シリンダ側壁)には、燃焼室13内からの光を通過させるための開口部(シリンダ側壁開口部)29が形成されている。そして、シリンダ11内には、燃焼室13内からの光をシリンダ側壁開口部29へ向けて反射させるための反射ミラー21が固定されており、ピストン12の内部には、光を通過させ反射ミラー21を収容するための空間が形成されている。ピストン12には、燃焼室13内の光を反射ミラー21へ透過させるための透過窓41(例えば石英ガラス等)が燃焼室13内に面して設けられているとともに、燃焼室13内から透過窓41を通過(透過)し反射ミラー21で反射された光をシリンダ側壁開口部29へ通過させるためのピストン開口部43がシリンダ側壁開口部29と対向して形成されている。
燃焼室13内の光は、ピストン12の透過窓41を通過(透過)してから反射ミラー21で反射される。反射ミラー21で反射された燃焼室13内からの光は、ピストン開口部43及びシリンダ側壁開口部29を通ってシリンダ11の外部へ通過する。シリンダ11の外部には、高速度カメラ(撮像装置)30がシリンダ側壁開口部29と対向した状態で設置されており、シリンダ11の外部に通過した燃焼室13内からの光は、高速度カメラ30で撮像されることにより、燃焼室13内の可視化が行われる。
「実施形態」
図2〜7は、本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストン22の概略構成を反射ミラー21とともに示す図である。図2,3は、クランクシャフトの軸線方向から見たピストン22の概略構成を示す外観図であり、図4,5は、クランクシャフトの軸線方向から見たピストン22の概略構成を示す断面図であり、図6,7は、シリンダ11の軸線方向及びクランクシャフトの軸線方向と直交する方向から見たピストン22の概略構成を示す断面図である。そして、図2,4,6は、ピストン22が上死点に位置するときの状態を示し、図3,5,7は、ピストン22が下死点に位置するときの状態を示す。図1に示す基本構成のピストン12を以下に説明する構成のピストン22に置き換えることで、本実施形態に係るピストン22を備える可視化エンジンが得られる。以下の実施形態の説明では、図1に示した基本構成と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係るピストン22は、燃焼室13内に面するピストントップ部31と、ピストントップ部31よりシリンダ軸線方向下側に設けられたピンボス部32と、シリンダ軸線方向に関する上部がピストントップ部31と連結され、シリンダ軸線方向に関する下部がピンボス部32と連結され、内部が中空の柱部33と、を含む。ピンボス部32には、ピストンピン19が嵌入されるピストンピン孔32aが形成されており、ピンボス部32は、ピストンピン19を介してコネクティングロッド15に連接される。
ピストントップ部31には、燃焼室13内の光を反射ミラー21へ透過させるための透過窓41(例えば石英ガラス等)が燃焼室13内に面して設けられている。反射ミラー21は柱部33の内部に収容され、柱部33には、ピストン22と反射ミラー21との干渉を防止し、燃焼室13内から透過窓41を通過(透過)し反射ミラー21で反射された光をシリンダ側壁開口部29へ通過させるためのピストン開口部43がシリンダ側壁開口部29と対向して形成されている。ピストン開口部43は、柱部33の上部から下部にかけて形成されており、ピストン22の中心軸22aを通り且つクランクシャフトの軸線方向に平行な平面に対して対称な形状になるように形成されている。ピストン開口部43の内周面は、図3に示すように、ピストントップ部31側(シリンダ軸線方向上側)の上面43aと、ピンボス部32側(シリンダ軸線方向下側)の下面43bと、上面43aと下面43bとを結ぶ一対の側面43cと、により構成される。
本実施形態では、ピストン開口部43は、一対の側面43cの上端部間の距離w1が一対の側面43cの下端部間の距離w2よりも小さく、上部の幅w1が下部の幅w2よりも狭く設定されている。さらに、一対の側面43c間の距離を下端部から上端部に向かうにつれて徐々に小さくし、ピストン開口部43の下部から上部に向かうにつれてピストン開口部43の幅(シリンダ軸線方向に垂直な方向の幅)を徐々に狭くしている。図2〜7に示す例では、ピストン開口部43の側面43cの形状が凹曲面形状である。そして、ピストン開口部43の上面43a及び下面43bの形状は略円弧形状であり、上面43aの曲率半径はピストン開口部43の上部の幅w1のほぼ1/2であり、下面43bの曲率半径はピストン開口部43の下部の幅w2のほぼ1/2である。
さらに、柱部33におけるピストン開口部43と対向する位置には、ピストン開口部44が形成されている。ピストン開口部44の形状は、ピストン開口部43の形状と同様であり、ピストン22の中心軸22aに対してピストン開口部43,44が互いに対称になるように形成されている。ピストン開口部44をピストン開口部43と対称に形成することで、ピストン22の剛性に偏りが生じるのを防ぐとともに、ピストン22の軽量化を図ることができる。
反射ミラー21は、平面形状であり、シリンダ軸線方向における下部よりも上部の方がシリンダ側壁開口部29(ピストン開口部43)との距離が大きくなる(ピストントップ部31の透過窓41との距離が短くなる)ように、シリンダ軸線方向に対して傾斜した状態で、シリンダ11内に固定されている。図2〜7に示す例では、シリンダ軸線方向(ピストン22の中心軸22a)に対する反射ミラー21の傾斜角度は45°であり、燃焼室13内からシリンダ軸線方向に沿って反射ミラー21に入射する光の光路は、反射ミラー21でシリンダ半径方向へ折り曲げられる。
本実施形態では、図2,4,8に示すように、反射ミラー21の上部の外周21aは、柱部33の内周壁33aに沿って外側へ凸に湾曲した形状を呈している。反射ミラー21は、凸に湾曲した上部の外周21aが柱部33の内周壁33aよりシリンダ半径方向内側に位置する状態でピストン22の内部に収容されている。ここでは、反射ミラー21の上部の外周21aは、図9に示すように、シリンダ軸線方向と直交する平面50に投影させたときの形状が円弧となる楕円弧形状である。そして、反射ミラー21の下部の外周21bも、外側へ凸に湾曲した形状を呈しており、シリンダ軸線方向と直交する平面50に投影させたときの形状が円弧となる楕円弧形状である。つまり、図2,4,8に示す例では、反射ミラー21の外周は、シリンダ軸線方向と直交する平面50に投影させたときの形状が真円となる楕円形状である。反射ミラー21の外周(楕円)の長径aは、柱部33の内周壁33aの内径d1を20.5倍した値20.5×d1よりも若干小さい値に設定されており、反射ミラー21の外周(楕円)の短径bは、柱部33の内周壁33aの内径d1よりも若干小さい値に設定されている。そして、ピストン開口部43の下部の幅w2は、反射ミラー21の短径b以上の値に設定されている。ただし、反射ミラー21の下部の外周21bについては、必ずしも凸に湾曲させる(楕円弧形状にする)必要はなく、他の形状であってもよい。
前述のように、可視化エンジンにおいては、通常の(燃焼室内の可視化を行わない)エンジンと比較して、ピストン22(柱部33)の内部に光を通過させ反射ミラー21を収容するための空間を設ける必要があるので、ピストン22の全高(シリンダ軸線方向長さ)が増大する。その結果、ピストン22の質量が増大して、エンジン運転時におけるピストン22の慣性力が増大する。さらに、ピストン22(柱部33)には、燃焼室13内から透過窓41を通過し反射ミラー21で反射された光をシリンダ側壁開口部29へ通過させるためのピストン開口部43を形成する必要がある。ただし、柱部33にピストン開口部43を形成した場合は、図10に示すように、燃焼室13内に面するピストン22のヘッド部31に高い燃焼圧力が作用するのに応じて、ピストン開口部43の幅が広がるようにピストン22(柱部33)が変形しようとする。ピストン開口部43の幅が広がるようにピストン22が変形すると、ピストン22(柱部33)のピストン開口部43の上部付近に応力が集中しやすくなり、その結果、ピストン22の座屈が生じやすくなる。
これに対して本実施形態では、ピストン開口部43の上部の幅w1をピストン開口部43の下部の幅w2よりも狭くするとともに、ピストン開口部43の下部から上部に向かうにつれてピストン開口部43の幅を徐々に狭くしている。このピストン開口部43の形状により、ピストン22(柱部33)のピストン開口部43の上部付近の剛性を高めることができるので、ピストン22のピストントップ部31に高い燃焼圧力が作用しても、ピストン開口部43の幅が広がるようにピストン22(柱部33)が変形するのを抑制することができ、柱部33のピストン開口部43の上部付近に応力が集中するのを防ぐことができる。さらに、ピストン開口部43の幅を段階的ではなく徐々に狭くすることで、柱部33のピストン開口部43付近に応力の集中する箇所が生じるのを防ぐことができる。したがって、燃焼室13内の高い燃焼圧力に対するピストン22の強度を十分に確保することができる。その結果、高負荷、高出力状態での燃焼挙動を計測することができる。さらに、ピストン開口部43のシリンダ軸線方向長さも短縮することができ、ピストン22の全高も短縮することができる。その結果、ピストン22の軽量化を図ることができる。
ただし、ピストン開口部43の上部の幅w1を狭くすると、特にピストン22が下死点付近に位置するときに、反射ミラー21の上部の外周21aがピストン22(柱部33)の内周壁33aと干渉しやすくなる。これに対して本実施形態では、反射ミラー21の上部の外周21aを柱部33の内周壁33aに沿って凸に湾曲させた楕円弧形状とし、楕円弧形状の外周21aが柱部33の内周壁33aより内側に位置する状態で反射ミラー21をピストン22の内部に収容することで、ピストン22が下死点付近に移動しても、反射ミラー21の上部の外周21aがピストン22(柱部33)の内周壁33aと干渉するのを防止することができる。なお、図3,7に示すように、反射ミラー21の上部の外周21aが柱部33の内周壁33aより内側に位置している状態では、反射ミラー21の上部で反射された光が内周壁33aにより遮られるため、燃焼室13内の全視野で可視化を行えなくなる。ただし、ピストン22が下死点付近に位置するときには、燃焼室13内での燃焼は既に完了しているため、燃焼室13内の全視野で可視化を行えなくても問題とはならない。
本願発明者は、ピストン開口部43,44の形状がピストン22の最大応力及び燃焼室13内の可視化可能範囲に与える影響を調べるために、ピストン開口部43,44の下部の幅w2を一定にしてピストン開口部43,44の上部の幅w1を変化させながらピストン22の最大応力及び燃焼室13内の全視野可視化可能範囲を計算した。その計算結果を下表に示す。計算の際には、ピストン22の材質をアルミニウム合金、ピストン開口部43,44の下部の幅w2を60mm、ピストン開口部43,44の上部と下部の高さ差hを130mm、ピストン22のストロークsを96mm、ピストン22の外径d2を86mm、柱部33の内周壁33aの内径d1を60mm、楕円形状の反射ミラー21の長径aを82mm、反射ミラー21の短径bを58mmとした。
Figure 0005090211
上表に示すように、ピストン開口部43,44の上部と下部との幅比率w1/w2が減少するにつれて、ピストン22の最大応力は減少する傾向にある。例えば、20MPa程度の燃焼圧力に対するピストン22の強度を十分に確保するためには、ピストン22の最大応力が130MPa以下であることが好ましく、ピストン開口部43,44の幅比率w1/w2が0.8以下であることが好ましい。ただし、ピストン開口部43,44の幅比率w1/w2が減少するにつれて、燃焼室13内の全視野可視化可能範囲(上死点前後でのクランク角度範囲)も減少する。燃焼室13内の全視野で燃焼挙動を計測できるためには、燃焼室13内の全視野可視化可能範囲が上死点前後でのクランク角度で35°以上であることが好ましく、ピストン開口部43,44の幅比率w1/w2が0.6以上であることが好ましい。したがって、ピストン開口部43,44の幅比率w1/w2を0.6以上且つ0.8以下とすることで、20MPa程度の燃焼圧力に対するピストン22の強度を十分に確保することができるとともに、燃焼室13内の全視野で燃焼挙動を計測することができる。さらに、燃焼室13内の全視野で燃焼挙動を計測できるだけの全視野可視化可能範囲を確保しつつ、ピストン22の最大応力を低減するためには、ピストン開口部43,44の幅比率w1/w2を0.7に設定することが好ましい。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
可視化エンジンの基本構成の概略を示す図である。 本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストンの概略構成を反射ミラーとともに示す図である。 本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストンの概略構成を反射ミラーとともに示す図である。 本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストンの概略構成を反射ミラーとともに示す図である。 本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストンの概略構成を反射ミラーとともに示す図である。 本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストンの概略構成を反射ミラーとともに示す図である。 本発明の実施形態に係る可視化エンジン用ピストンの概略構成を反射ミラーとともに示す図である。 反射ミラーの構成例を示す図である。 反射ミラーの構成例を示す図である。 燃焼室内の燃焼圧力により可視化エンジン用ピストンに生じる変形を説明する図である。
符号の説明
1 可視化エンジン、9 シリンダブロック、10 シリンダヘッド、11 シリンダ、12,22 ピストン、13 燃焼室、15 コネクティングロッド、18 燃料噴射弁、19 ピストンピン、21 反射ミラー、29 シリンダ側壁開口部、30 高速度カメラ、31 ピストントップ部、32 ピンボス部、33 柱部、41 透過窓、43,44 ピストン開口部。

Claims (4)

  1. 燃焼室内の可視化を行うための可視化エンジンであって、
    側壁に光を通過させる開口部が設けられたシリンダと、
    シリンダ内に固定され、燃焼室内からの光をシリンダ側壁開口部へ向けて反射させるための反射ミラーと、
    シリンダ内をその軸線方向に沿って往復運動するピストンであって、その内部に光を通過させ反射ミラーを収容するための空間が形成されたピストンと、
    を備え、
    ピストンは、
    燃焼室内に面し、燃焼室内の光を反射ミラーへ透過させるための透過窓が設けられたピストントップ部と
    部がピストントップ部と連結され、内部が中空の柱部であって、燃焼室内から透過窓を通過し反射ミラーで反射された光をシリンダ側壁開口部へ通過させるためのピストン開口部が上部から下部にかけて形成された柱部と、
    を含み、
    反射ミラーは、シリンダ軸線方向に対して、下部よりも上部の方がシリンダ側壁開口部との距離が大きくなるよう傾斜した状態で、シリンダ内に固定されており、
    反射ミラーの上部の外周は、シリンダ軸線方向と直交する平面に投影させた形状が円弧となる凸に湾曲した楕円弧形状を呈しており、
    反射ミラーは、前記楕円弧形状を呈する上部の外周が柱部の内周壁より内側に位置する状態でピストンの内部に収容されており、
    ピストン開口部においては、上部の幅w1が下部の幅w2よりも狭く、下部から上部に向かうにつれて幅が徐々に狭くなり、上部と下部の幅比率w1/w2が0.6以上且つ0.8以下である、可視化エンジン。
  2. 燃焼室内の可視化を行うための可視化エンジンであって、
    側壁に光を通過させる開口部が設けられたシリンダと、
    シリンダ内に固定され、燃焼室内からの光をシリンダ側壁開口部へ向けて反射させるための反射ミラーと、
    シリンダ内をその軸線方向に沿って往復運動するピストンであって、その内部に光を通過させ反射ミラーを収容するための空間が形成されたピストンと、
    を備え、
    ピストンは、
    燃焼室内に面し、燃焼室内の光を反射ミラーへ透過させるための透過窓が設けられたピストントップ部と、
    ピストントップ部よりシリンダ軸線方向下側に設けられ、ピストンピンが嵌入されるピストンピン孔が形成されたピンボス部と、
    上部がピストントップ部と連結され、下部がピンボス部と連結され、内部が中空の柱部であって、燃焼室内から透過窓を通過し反射ミラーで反射された光をシリンダ側壁開口部へ通過させるためのピストン開口部が上部から下部にかけて形成された柱部と、
    を含み、
    反射ミラーは、シリンダ軸線方向に対して、下部よりも上部の方がシリンダ側壁開口部との距離が大きくなるよう傾斜した状態で、シリンダ内に固定されており、
    反射ミラーの上部の外周は、シリンダ軸線方向と直交する平面に投影させた形状が円弧となる凸に湾曲した楕円弧形状を呈しており、
    反射ミラーは、前記楕円弧形状を呈する上部の外周が柱部の内周壁より内側に位置する状態でピストンの内部に収容されており、
    ピストン開口部においては、上部の幅w1が下部の幅w2よりも狭く、下部から上部に向かうにつれて幅が徐々に狭くなり、上部と下部の幅比率w1/w2が0.6以上且つ0.8以下である、可視化エンジン。
  3. 請求項1または2に記載の可視化エンジンであって、
    ピストン開口部における上部と下部の幅比率w1/w2が0.7である、可視化エンジン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の可視化エンジンにて用いられる可視化エンジン用ピストン。
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