JP5090180B2 - ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤 - Google Patents

ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5090180B2
JP5090180B2 JP2007549088A JP2007549088A JP5090180B2 JP 5090180 B2 JP5090180 B2 JP 5090180B2 JP 2007549088 A JP2007549088 A JP 2007549088A JP 2007549088 A JP2007549088 A JP 2007549088A JP 5090180 B2 JP5090180 B2 JP 5090180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bis
gold
transition metal
group
metal complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007549088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007066557A1 (ja
Inventor
浩明 兒玉
啓介 大渡
宣彦 大原
一博 中對
嘉郎 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP2007549088A priority Critical patent/JP5090180B2/ja
Publication of JPWO2007066557A1 publication Critical patent/JPWO2007066557A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5090180B2 publication Critical patent/JP5090180B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/6564Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having phosphorus atoms, with or without nitrogen, oxygen, sulfur, selenium or tellurium atoms, as ring hetero atoms
    • C07F9/6568Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having phosphorus atoms, with or without nitrogen, oxygen, sulfur, selenium or tellurium atoms, as ring hetero atoms having phosphorus atoms as the only ring hetero atoms
    • C07F9/65683Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having phosphorus atoms, with or without nitrogen, oxygen, sulfur, selenium or tellurium atoms, as ring hetero atoms having phosphorus atoms as the only ring hetero atoms the ring phosphorus atom being part of a phosphine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table compounds of the platinum group
    • C07F15/0086Platinum compounds
    • C07F15/0093Platinum compounds without a metal-carbon linkage

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
シスプラチン(cis−ジクロロジアンミン白金(II))、カルボプラチン(cis−1,1−シクロブタンジカルボキシラートジアンミン白金(II))、ネダプラチン(シス−O,O'−グリコラートジアンミン白金(II))等の白金錯体は強い抗癌活性を有し、現在主要な抗癌剤として利用されている。
【0003】
また、下記一般式(4)
【化1】
Figure 0005090180
において、R1'〜R8'が同一または異なってフェニル基、置換フェニルまたはピリジル基であり、A'が直鎖状のアルキレン基またはシスビニレン基であり、M'が金、銀または銅原子であり、B'がアニオン種であるホスフィン遷移金属錯体(特許文献1参照)や、R1'〜R8'が同一でフェニル基、置換フェニル基もしくはエチル基であるか、またはR1'、R2'、R7'およびR8'がフェニル基でR3'〜R6'がエチル基であり、Aが直鎖状のアルキレン基またはシスビニレン基であり、M'が金、銀または銅原子であり、B'がアニオン種であるホスフィン遷移金属錯体(特許文献2参照)が、シスプラチンに匹敵する抗癌作用を有することが知られている。
【特許文献1】
特表平10−509957号公報
【特許文献2】
特開昭61−10594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般に化合物の抗癌活性と抗癌スペクトルは化学構造に大きく依存し、僅かな構造の違いがこれらの特性に大きな差異をもたらすことが知られている。さらに、抗癌剤の効果は人によって様々であり、例えば、最高の抗癌剤とされるタキソールに至っても、有効率は30%程度である。従って、化学構造の異なる種々の新規な抗癌剤の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、優れた抗癌性を有する新規なホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、抗癌作用を有する新規なホスフィン遷移金属錯体について鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するホスフィン遷移金属錯体が優れた抗癌性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(2)
【化2】
Figure 0005090180
(式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。は金原子を示す。はアニオン原子を示す。1 およびD2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されるホスフィン遷移金属錯体である。
【0008】
本発明はまた、D1 およびD2 はテトラメチレン基である、前記ホスフィン遷移金属錯体である。
【0009】
本発明また、ビス(1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−ジイソプロピルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジエチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジイソプロピルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリドである前記ホスフィン遷移金属錯体である。
【0010】
また、本発明は、前記ホスフィン遷移金属錯体の光学活性体である。
【0011】
さらに、本発明は、下記一般式(2b)
【化3】
Figure 0005090180
(式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。D 1 およびD 2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されるビスホスフィン誘導体と、金の金属塩とを反応させることを特徴とする下記一般式(2)
【化4】
Figure 0005090180
(式中、A、D 、D 、R 、R 、R 、R 前記定義どおりであり、Mは金原子を表し、Cはアニオン種を表す)で示されるホスフィン遷移金属錯体の製造方法である。
【0012】
さらに、本発明は、下記一般式(2)
【化5】
Figure 0005090180
(式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。Mは金原子を示す。Cはアニオン原子を示す。D 1 およびD 2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されるホスフィン遷移金属錯体を含有する抗癌剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0014】
本発明に係るホスフィン遷移金属錯体は、下記一般式(2)
【化6】
Figure 0005090180
(式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。Mは金原子を示す。Cはアニオン原子を示す。D 1 およびD 2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されるものである。
【0015】
一般式(2)において、Aはエチレン基又はフェニレン基が特に好ましい。
【0016】
また、Mは、金原子が特に好ましい。
【0017】
また、Cはアニオン種であり、具体的には塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、四フッ化ホウ素、六フッ化リン酸、過塩素酸等が挙がられる。これらの中では、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が特に好ましい。
【0018】
一般式(2)において、D1 およびD2 は、同一のまたは互いに異なるアルキレン基である。アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数2〜10、好ましくは炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基が挙げられ、中でもテトラメチレン基が好ましい。
【0019】
また、R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一のまたは互いに異なる水素原子炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。これらの中では、メチル基が特に好ましい。
【0020】
本発明のホスフィン遷移金属錯体の好ましい化合物の例としては、ビス(1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−ジイソプロピルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジエチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジイソプロピルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド等が挙げられる。
【0021】
また、本発明のホスフィン遷移金属錯体は光学活性体であってもよく、特に好ましい光学活性体としては、下記一般式(5)〜(10)のホスフィン遷移金属錯体の(S,S)−体、(R,R)−体、メソ体が挙げられる。
【0022】
【化7】
Figure 0005090180
【化8】
Figure 0005090180
【化9】
Figure 0005090180
【化10】
Figure 0005090180
【化11】
Figure 0005090180
【化12】
Figure 0005090180
(式中、M、R1 、R2 、R3 、R4 およびCは前記定義どおりである)。
【0023】
次に、本発明のホスフィン遷移金属錯体の製造方法について説明する。本発明のホスフィン遷移金属錯体は、下記一般式(2b
【化13】
Figure 0005090180
(式中、A、B1 およびB2 は前記定義どおりである)で示されるビスホスフィン誘導体と、金の金属塩とを反応させることにより製造することができる。
【0024】
原料の一般式(2b)で示されるビスホスフィン誘導体は、公知の化合物であり、公知の方法により製造することができる。その一例を示せば、下記反応式(I)
【化14】
Figure 0005090180
(式中、A前記定義どおりであり、R5 はメチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基を表し、D3 は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。B は前記一般式(2b)で表される式中のAと共有結合する前記一般式(2b)の式中の片末端のD 、R 及びR を有する3価のリン原子を含む複素環基を示し、B はもう一方のAと共有結合する前記一般式(2b)の式中の片末端のD 、R 及びR を有する3価のリン原子を含む複素環基を示す)に従って、まず、ジオール(化合物(11))と塩化チオニルと反応させて対応するジオール環状亜硫酸エステルを生成させ、引き続いてこれとNaIO4 を触媒量のRuCl3 の存在下に反応させて原料となるジオール環状硫酸エステル(化合物(12))を得る。次に、ビスホスフィン化合物(化合物(13))をn―ブチルリチウム等の強塩基と反応させた後、前記で調製したジオール環状硫酸エステル(化合物(12))を反応液に加え、更にn−ブチルリチウム等の強塩基を加えて反応を行うことにより目的とするビスホスフィン誘導体(化合物(14))を製造することができる(例えば、特表平6−508848号公報、J.Am.Chem.Soc.,Vol.115,No.22,1993,p10125、Tetrahedron Lett.,Vol.38,1997,p2947、Synlett,1997,p1975、J.Org.Chem.,Vol63,1998,p8031、Chem.Euro.J.,Vol5,1999,p1160、Eur.J.Org.Chem.,2000,p4615、J.Org.Chem.,Vol65,2000,p600、J.Org.Chem.,Vol65,2000,p3489等参照)。
【0025】
また、本発明において、一般式(2)で示されるホスフィン遷移金属錯体の光学活性体を得るには、一般式(2)で示されるビスホスフィン誘導体の光学活性体を原料として用いて、該光学活性体と後述する金の遷移金属塩との反応を行えばよい。なお、一般式(2)で示されるビスホスフィン誘導体の光学活性体を得るには、反応式(1)において、出発原料の1,4−ジオール(化合物(11))の光学活性体を用いればよい。
【0026】
もう一方の原料の金の金属塩は、例えば、金のハロゲン化物や硝酸塩、過塩素酸塩、四フッ化ホウ素酸塩、六フッ化リン酸塩等を使用することができる。好ましい金の金属塩としては、例えば、塩化金(I)酸、塩化金(I)またはテトラブチルアンモニウムクロリド・塩化金(I)等(社団法人日本化学会編「第5版 実験化学講座21」平成16年3月30日丸善株式会社発行、p366〜380、Aust.J.Chemm.,1997,50,775−778頁参照)が挙げられるなお、これらの金属塩は無水物であっても含水物であってもよい。
【0027】
通常、一般式(2)で示されるビスホスフィン誘導体と、前記金属塩との反応は、前記金属塩に対するモル比で1〜5倍モル、好ましくは1.8〜2.2倍モル量の前記一般式(2)で示されるビスホスフィン誘導体とを、反応温度−20〜60℃、好ましくは0〜25℃、反応時間0.5〜48時間、好ましくは1〜3時間で、多くの場合、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール等の溶媒中で反応させることにより製造することができる。反応終了後、必要により常法の精製を行って製品とする。
【0028】
なお、本発明のホスフィン遷移金属錯体は、一般式(2)で示されるホスフィン遷移金属錯体の式中のCがハロゲン原子のものを合成し、次いで所望の無機酸、有機酸またはそれらのアルカリ金属塩を溶媒中で反応させることにより、式中のCを他のアニオンに誘導することができる(特開平10−147590号公報、特開平10−114782号公報、特開昭61−10594号公報参照)。
【0029】
本発明のホスフィン遷移金属錯体は、後述するように優れた抗癌作用を有し、抗癌剤として利用することができる。
【0030】
すなわち、本発明の抗癌剤は、一般式(2)で示されるホスフィン遷移金属錯体またはその光学活性体の1種または2種以上を含有してなるものである。
【0031】
本発明の抗癌剤が適用される癌の種類は特に限定されるものではなく、例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫などが挙げられ、さらに悪性腫瘍ばかりでなく良性腫瘍にも適用することができる。また、本発明の抗癌剤は、癌転移を抑制するために使用することもでき、特に、術後の癌転移抑制剤としても有用である。
【0032】
本発明の抗癌剤は、種々の形態でヒトまたは動物に投与することができ、経口投与でもよいし、静脈内、筋肉内、皮下または皮内等への注射、直腸内投与、経粘膜投与等の非経口投与でもよい。経口投与に適する製剤形態としては、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤などを挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、点鼻剤、噴霧剤、吸入剤、坐剤、または軟膏、クリーム、粉状塗布剤、液状塗布剤、貼付剤等の経皮吸収剤等を挙げることができる。さらに、埋め込み用ペレットや公知の技術により持続性製剤としてもよい。上述したうち、好ましい投与形態や製剤形態等は、患者の年齢、性別、体質、症状、処置時期等に応じて、医師によって適宜選択される。
【0033】
本剤を錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤等の固形製剤とする場合には、前記ホスフィン遷移金属錯体を、常法に従って適当な添加剤、例えば、乳糖、ショ糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、合成もしくは天然ガム、結晶セルロース等の賦形剤、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボシキメチルセルーロースカルシウム、カルボシキメチルセルーロースナトリウム、デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム等の滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム等の充填剤または希釈剤等と適宜混合して製造することができる。錠剤等は、必要に応じて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール、酸化チタン等のコーティング剤を用いて、糖衣、ゼラチン、腸溶被覆、フイルムコーティング等を施しても良い。
【0034】
本剤を注射剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、噴霧剤、ローション剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の液状製剤とする場合には、前記ホスフィン遷移金属錯体を、精製水、リン酸緩衝液等の適当な緩衝液、生理的食塩水、リンゲル溶液、ロック溶液等の生理的塩類溶液、カカオバター、ゴマ油、オリーブ油等の植物油、鉱油、高級アルコール、高級脂肪酸、エタノール等の有機溶媒等に溶解して、必要に応じてコレステロール等の乳化剤、アラビアゴム等の懸濁剤、分散助剤、浸潤剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系、ポリエチレングリコール系等の界面活性剤、リン酸ナトリウム等の溶解補助剤、糖、糖アルコール、アルブミン等の安定化剤、パラベン等の保存剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖、グリセリン等の等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、吸着防止剤、保湿剤、酸化防止剤、着色剤、甘味料、フレーバー、芳香物質等を適宜添加することにより、滅菌された水溶液、非水溶液、懸濁液、リポソームまたはエマルジョン等として調整できる。この際、注射剤は、生理学的なpH、好ましくは6〜8の範囲内のpHを有することが好ましい。
【0035】
本剤を、ローション剤、クリーム剤、軟膏等の半固形製剤とするには、前記ホスフィン遷移金属錯体を脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、蝋、硬膏剤、樹脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、グリセリン、水、乳化剤、懸濁化剤等と適宜混和することにより製造することができる。
【0036】
本発明の抗癌剤に含まれる前記ホスフィン遷移金属錯体の含有量は、投与形態、重篤度や目的とする投与量などによって様々であるが、一般的には、製剤の全重量に対して0.001〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%である。
【0037】
本発明の抗癌剤の投与量は、例えば患者の年齢、性別、体重、症状、および投与経路などの条件に応じて適宜医者が決定するものであるが、一般的には、成人一日あたりの有効成分の量として1μg/kgから1,000mg/kg程度の範囲であり、好ましくは10μg/kgから10mg/kg程度の範囲である。上記投与量の薬剤は一日一回に投与してもよいし、数回(例えば、2〜4回程度)に分けて投与してもよい。
【0038】
本発明の抗癌剤は、既知の化学療法、外科的治療法、放射線療法、温熱療法や免疫療法などと組み合わせて用いてもよい。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
[実施例1]
ビス((+)−1,2−ビス((2R, 5R)−2, 5−ジメチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリドの合成
【0041】
窒素気流下、よく脱気乾燥した2口フラスコに、(+)−1,2−ビス((2R,5R)−2,5−ジメチルホスホラノ)エタン(Strem社製)436mg(1.69mmol)を秤量し、ここに脱気したクロロホルム25mLを加えて溶解した。次いでテトラブチルアンモニウム金(I)ジクロリド430mg(0.84mmol)を一度に加え、室温(25℃)にて3時間攪拌し反応させた。この反応液を50mL分液ロートに移し、1規定塩酸水溶液5mL、純水10mL×3、飽和食塩水10mLの順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒をエバポレーターで留去して590mgの表題化合物が白色粉末として得られた。収率は94%であった。
【0042】
(同定データ)
1H NMR(CDCl3 );δ=1.0−1.3(m,24H),1.2−1.4(m,4H),1.3−1.5(m,4H),1.5−1.7(m,4H),1.9−2.1(m,8H),2.1−2.3(m,8H),2.2−2.4(m,4H)
13C NMR;δ=13.78(s),21.3(m),25.1(m),34.1,34.7,36.5(m),36.9(m)
31P NMR(1H decoupled, CDCl3 );δ=37.2(s)
IR(KBr);2927,2865,1454,1407,1375cm-1
MS(FAB,POS);m/z 713.(M+ −Cl-
【0043】
[実施例2]
ビス((−)−1,2−ビス((2S, 5S)−2, 5−ジメチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド
【0044】
窒素気流下、よく脱気乾燥した2口フラスコに、(−)−1,2−ビス((2S,5S)−2,5−ジメチルホスホラノ)エタン(Strem社製)423mg(1.64mmol)を秤量し、ここに脱気したクロロホルム25mLを加えて溶解した。次いでテトラブチルアンモニウム金(I)ジクロリド418mg(0.82mmol)を一度に加え、室温(25℃)にて3時間攪拌し反応させた。この反応液を50mL分液ロートに移し、1規定 塩酸水溶液5mL、純水10mL×3、飽和食塩水10mLの順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒をエバポレーターで留去して566mgの表題化合物が白色粉末として得られた。収率は94%であった。
【0045】
(同定データ)
1H NMR(CDCl3 );δ=1.0−1.3(m,24H),1.2−1.4(m,4H),1.3−1.5(m,4H),1.5−1.7(m,4H),1.9−2.1(m,8H),2.1−2.3(m,8H),2.2−2.4(m,4H)
13C NMR;δ=13.78(s),21.3(m),25.1(m),34.1,34.7,36.5(m),36.9(m)
31P NMR(1H decoupled, CDCl3 );δ=37.2(s)
IR(KBr);2927,2865,1454,1407,1375cm−1
MS(FAB,POS);m/z 713.(M+ −Cl-
【0046】
[実施例3]
ビス(1,2−ビス((2S,5S)−2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド
【0047】
窒素ガスで置換した50ml二口フラスコに1,2−ビス((2S,5S)−2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン(Strem社製)0.50g(1.60mmol)の脱気クロロホルム溶液を入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.42g(0.80mmol)を加え室温(25℃)で4時間撹拌した。得られた溶液を乾固しメタノール―ジエチルエーテルで再結晶した。得られたうす黄針状晶を洗浄し、減圧下乾燥後、表題化合物0.64gを得た(収率93%)。
【0048】
(同定データ)
1H NMR(300.4MHz,CDCl);δ=0.74−0.81(m,12H),1.16−1.25(m,12H),1.52−1.63(m,4H),1.74−1.88(m,4H),2.21−2.34(m,8H),2.54−2.68(m,8H),7.58−7.62(m,4H),7.71−7.74(m,4H)
13C NMR(75.5MHz,CDCl3 );δ=14.4(s),21.3(m),35.7(s),35.9(s),37.5(m),40.3(m),130.6(s),133.2(m),142.2(s)
31P NMR(121.5MHz,CDCl3 )δ=38.9(s)
Mass(FAB,POS);m/z 809.(M+ −Cl-
【0049】
[実施例4]
ビス(1,2−ビス((2R,5R)−2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド
【0050】
窒素ガスで置換した50ml二口フラスコに1,2−ビス((2R,5R)−2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン(Strem社製)0.50g(1.60mmol)の脱気クロロホルム溶液を入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.42g(0.80mmol)を加え室温(25℃)で4時間撹拌した。得られた溶液を乾固しメタノール―ジエチルエーテルで再結晶した。得られたうす黄針状晶を洗浄し、減圧下乾燥後、表題化合物0.61gを得た(収率89%)。
【0051】
(同定データ)
Mass(FAB, POS);m/z 809.(M+ −Cl-
【0052】
なお、実施例1〜4で得られた化合物を下記一般式(15)および表1にまとめた。
【化15】
Figure 0005090180
【表1】
Figure 0005090180
【0053】
[実施例5]
抗癌性の評価
【0054】
実施例1〜4で得られたホスフィン金錯体の腫瘍細胞に対する活性を以下の方法により評価した。なお、比較例としてシスプラチン(比較例1)についても同様に評価した。
【0055】
癌細胞としてHL−60(ヒト急性骨髄性白血病細胞)を使用し、10%ウシ胎児血清および1%抗生物質、抗真菌剤を補足したRosewell Park Memorial Institute培地(RPMI1640)中で、5%二酸化炭素雰囲気下、湿潤インキュベーター中、37℃で培養した。
【0056】
細胞はPBSで洗浄し、細胞数を算定後、同じ培地を用いて1×106 細胞/ml懸濁液を調製した。滅菌96ウエルのマイクロプレートに前記の懸濁液を50000細胞/ウエルの密度となるように加えた。
【0057】
つぎに、水もしくはジメチルスルホキシドに完全に溶解させた実施例1〜4で調製したホスフィン金錯体溶液またはシスプラチン溶液(比較例1)を加え、引き続き24時間インキュベータ中で培養した。
【0058】
その後、生存細胞数をMosmann(T.Mosmann, J.Immunnol.Method(1983))65,55−63)変法により評価した。即ち、テトラゾリウム塩(3,[4,5−dimethylthiazole−2−yl]−2,5−diphenyltetrazolium bromide,MTT)溶液を加え、さらに3時間、同条件で培養した。細胞内のミトコンドリアの酵素活性により生成したホルマザン結晶を0.04mol/HCl/イオソプロピルアルコールで溶解し、マイクロプレートリーダー(Bio−Rad 550)を用い、595nmの吸光度を測定した。バックグランドを排除するために630nmの吸光度を測定し、実測値から差し引いた。これを生存細胞数として評価し、50%細胞発育抑制濃度(IC50)を算出した。なお、IC50値の算出に当たっては、同様に実施した少なくとも3回以上の実験値の平均値を採用した。この結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0005090180
【0059】
表2の結果から明らかなように、本発明のホスフィン遷移金属錯体はシスプラチンよりも優れた抗癌作用を有することがわかった。
【0060】
[実施例5]
毒性試験
【0061】
実施例4で得られたホスフィン金錯体試料ついてラットによる単回経口投与によるシスプラチン(比較例1)との毒性比較試験を行った。
【0062】
Sprauge−Dawley系SPFラット(CrJ:CD(SD))の雌を約1週間検疫・馴化飼育した後、健康な8週齢のラットを選び、選ばれたラット5匹を1群とした。投与前一晩絶食させたラットに、溶媒としてコーンオイルを用い、ホスフィン金錯体は20、50、100、300mg/kg、シスプラチンは10、20、50、100mg/kgで単回経口投与し、投与後、10、30分、1、2、4時間および以後毎日、14日目まで観察し、ラットの生存率から50%致死量(LD50)を求めた。この結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0005090180
【0063】
表3の結果より、本発明のホスフィン金錯体を投与したラットは14日経過後も死亡は認められなく、また、この間、一般状態、体重推移及び内臓所見において特記すべき変化もないことから、本発明のホスフィン金錯体は低毒性であることが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のホスフィン遷移金属錯体は優れた抗癌活性を有し、各種癌の予防および治療剤として極めて有用である。また、本発明のホスフィン遷移金属錯体は、副作用が少なく、極めて安全に利用することができる。また、本発明の製造方法によれば、かかるホスフィン遷移金属錯体を工業的に有利な方法で提供することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(2)
    Figure 0005090180
    (式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。は金原子を示す。はアニオン原子を示す。1 およびD2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されることを特徴とするホスフィン遷移金属錯体。
  2. 1 およびD2 はテトラメチレン基である、請求項に記載のホスフィン遷移金属錯体。
  3. ビス(1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−ジイソプロピルホスホラノ)エタン)金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジメチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジエチルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリド、ビス(1,2−ビス(2,5−(ジイソプロピルホスホラノ)ベンゼン))金(I)クロリドである請求項1〜のいずれか1項に記載のホスフィン遷移金属錯体。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のホスフィン遷移金属錯体の光学活性体。
  5. 下記一般式(2b)
    Figure 0005090180
    (式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。D 1 およびD 2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されるビスホスフィン誘導体と、金の金属塩とを反応させることを特徴とする下記一般式(2)
    Figure 0005090180
    (式中、A、D 、D 、R 、R 、R 及びR 前記定義どおりであり、Mは金原子を表し、Cはアニオン種を表す)で示される請求項1記載のホスフィン遷移金属錯体の製造方法。
  6. 下記一般式(2)
    Figure 0005090180
    (式中、Aはエチレン基又はフェニレン基を示す。Mは金原子を示す。Cはアニオン原子を示す。D 1 およびD 2 はそれぞれ炭素数3〜6の直鎖状のアルキレン基を表し、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す)で示されるホスフィン遷移金属錯体を含有する抗癌剤。
JP2007549088A 2005-12-06 2006-11-30 ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤 Expired - Fee Related JP5090180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007549088A JP5090180B2 (ja) 2005-12-06 2006-11-30 ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005352466 2005-12-06
JP2005352466 2005-12-06
PCT/JP2006/323886 WO2007066557A1 (ja) 2005-12-06 2006-11-30 ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤
JP2007549088A JP5090180B2 (ja) 2005-12-06 2006-11-30 ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007066557A1 JPWO2007066557A1 (ja) 2009-05-14
JP5090180B2 true JP5090180B2 (ja) 2012-12-05

Family

ID=38122703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007549088A Expired - Fee Related JP5090180B2 (ja) 2005-12-06 2006-11-30 ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7655810B2 (ja)
EP (1) EP1958951A4 (ja)
JP (1) JP5090180B2 (ja)
CN (1) CN101326191B (ja)
TW (1) TW200728315A (ja)
WO (1) WO2007066557A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011078121A1 (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 日本化学工業株式会社 抗がん剤
US10111892B2 (en) * 2009-12-21 2018-10-30 Nippon Chemical Industrial Co., Ltd. Anti-cancer agent
WO2013024324A1 (en) 2011-08-16 2013-02-21 Università Degli Studi Di Padova [Cu(thp)4]n[X]-n COMPOUNDS FOR THE TREATMENT OF A BROAD RANGE OF HUMAN SOLID TUMORS, INCLUDING REFRACTORY TUMORS
SG11201610306RA (en) 2014-06-11 2017-01-27 Univ Texas Texaphyrin-pt(iv) conjugates and compositions for use in overcoming platinum resistance
US11564394B2 (en) * 2019-12-10 2023-01-31 University Of Kentucky Research Foundation Distorted gold (I)-phosphine complexes and and methods for use as antifungal agents
CN113861226B (zh) * 2021-10-11 2022-08-19 清华大学 一种超碳金簇离子型化合物及其制备方法和应用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6110594A (ja) 1984-06-04 1986-01-18 スミスクライン・ベツクマン・コーポレイシヨン ホスフイノ‐炭化水素‐金、銀または銅錯体含有腫瘍細胞成長抑制医薬組成物
US5171892A (en) 1991-07-02 1992-12-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company Chiral phospholanes via chiral 1,4-diol cyclic sulfates
JPH10509957A (ja) 1994-12-09 1998-09-29 グリフィス ユニヴァーシティ 抗癌剤
JPH10114782A (ja) 1996-10-08 1998-05-06 Nippon Chem Ind Co Ltd 第四級ホスホニウム有機酸塩及びその製造方法
JPH10147590A (ja) 1996-11-19 1998-06-02 Nippon Chem Ind Co Ltd 第四級ホスホニウム無機酸塩及びその製造方法
US6727377B2 (en) 1998-08-21 2004-04-27 The Penn State Research Foundation Asymmetric catalysis based on chiral phospholanes and hydroxyl phospholanes
EP1105400A1 (en) * 1998-08-21 2001-06-13 The Penn State Research Foundation Asymmetric catalysis based on chiral phospholanes
FR2807433B1 (fr) * 2000-04-06 2002-09-20 Centre Nat Rech Scient Molecules duales contenant un derives peroxydique, leur synthese et leurs applications therapeutiques

Also Published As

Publication number Publication date
US7655810B2 (en) 2010-02-02
EP1958951A4 (en) 2011-05-04
TWI370134B (ja) 2012-08-11
TW200728315A (en) 2007-08-01
CN101326191A (zh) 2008-12-17
CN101326191B (zh) 2012-09-19
US20090156850A1 (en) 2009-06-18
WO2007066557A1 (ja) 2007-06-14
JPWO2007066557A1 (ja) 2009-05-14
EP1958951A1 (en) 2008-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101372659B1 (ko) 포스핀 전이 금속 착체, 그의 제조 방법 및 항암제
JP5090180B2 (ja) ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤
JP5015451B2 (ja) ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤
KR101955135B1 (ko) 포스핀 전이 금속 착체를 함유하는 항암제의 제조 방법
HU193809B (en) Process for producing new platinum complexes
JP5327751B2 (ja) 白金錯体化合物およびその利用
JP5161434B2 (ja) 抗癌剤
JP5889550B2 (ja) 抗がん剤組成物
CN112585149B (zh) 膦过渡金属配位化合物、其制造方法和抗癌剂
JP6154231B2 (ja) 抗癌剤
JP6486639B2 (ja) 金属錯体およびこれを含有する抗癌剤
US7390915B1 (en) Phosphine transition metal complex having ferrocene skeleton, process for making the same, and anti-cancer agent
JPH02292292A (ja) 新規白金錯体および腫瘍治療剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120912

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5090180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees