JP5161434B2 - 抗癌剤 - Google Patents
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Description
本発明に係るフェロセン骨格を有するホスフィン遷移金属錯体は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスフィン誘導体と、金の遷移金属塩とを反応させて得られるものである。得られたホスフィン遷移金属錯体は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表されるホスフィン誘導体を配位子として少なくとも2個以上含有し、金原子を有する。
本発明のフェロセン骨格を有するホスフィン遷移金属錯体は、前記一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスフィン誘導体と、前述した金の遷移金属塩とを反応させて得られるものであるが、例えば、前記一般式(1)で表されるホスフィン誘導体と、金の遷移金属塩とを反応させることにより、前記一般式(3)で表されるフェロセン骨格を有するホスフィン遷移金属錯体を得ることができ、一方、一般式(2)で表されるホスフィン誘導体と、金の遷移金属塩とを反応させることにより、前記一般式(4)又は一般式(5)で表されるフェロセン骨格を有するホスフィン遷移金属錯体を製造することができる。
また、本発明のフェロセン骨格を有するホスフィン遷移金属錯体は、一般式(3)〜(5)の式中のX1、X2又はX3がハロゲン原子のものを合成し、次いで所望の無機酸、有機酸又はそれらのアルカリ金属塩を溶媒中で反応させることにより、式中のX1、X2、X3を他のアニオンに誘導することができる(特開平10−147590号公報、特開平10−114782号公報、特開昭61−10594号公報参照)。
一方、本発明で使用する原料の前記一般式(2)のホスフィン誘導体も公知の化合物であり、例えば下記反応スキーム(2)又は下記反応スキーム(3)に従って前記一般式(2)に相当するホスフィン誘導体(化合物(2a)〜(2h))を製造することができる(例えば、有機合成化学協会誌、Vol.61,No.3,2003,p211−225、特開平2−62886号公報、特開平9−59290号公報、特開平10−45787号公報等参照。)。また、例えば特開2000−256384号公報に記載されているように1,1−ビス(ジアルキルホスフィノ)フェロセン化合物等のボラン錯体を得た後、次に脱ボラン化しても容易に前記一般式(2)に相当するホスフィン誘導体を製造することができる。
本発明のホスフィン遷移金属錯体は、後述するように優れた抗癌作用を有し、抗癌剤として利用することができる。
本発明の抗癌剤が適用される癌の種類は特に限定されるものではなく、例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫などが挙げられ、さらに悪性腫瘍ばかりでなく良性腫瘍にも適用することができる。また、本発明の抗癌剤は、癌転移を抑制するために使用することもでき、特に、術後の癌転移抑制剤としても有用である。
本剤を錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤等の固形製剤とする場合には、前記ホスフィン遷移金属錯体を、常法に従って適当な添加剤、例えば、乳糖、ショ糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、合成もしくは天然ガム、結晶セルロース等の賦形剤、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボシキメチルセルーロースカルシウム、カルボシキメチルセルーロースナトリウム、デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム等の滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム等の充填剤または希釈剤等と適宜混合して製造することができる。錠剤等は、必要に応じて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール、酸化チタン等のコーティング剤を用いて、糖衣、ゼラチン、腸溶被覆、フイルムコーティング等を施しても良い。
[実施例1]
<ビス((R)−1−((S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジシクロヘキシルホスフィン)金(I)クロリド>
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに、(R)−1−((S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジシクロヘキシルホスフィン[ストレムケミカル社(Strem Chemicals Inc.)製]0.10g(0.17mmol)と、脱気したクロロホルム溶液3mlを入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.04g(0.09mmol)を加え室温で6時間撹拌した。得られた溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス((R)−1−((S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジシクロヘキシルホスフィン)金(I)クロリド0.11gを得た(収率89%)。
Mass(FAB,POS)m/z1409.(M+−Cl-)
<ビス((R)−1−((S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)エチルジシクロヘキシルホスフィン)金(I)クロリド>
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに、(R)−1−((S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)エチルジシクロヘキシルホスフィン(ストレムケミカル社製)0.13g(0.22mmol)と、脱気したクロロホルム溶液3mlを入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.07g(0.14mmol)を加え室温で4時間撹拌した。得られた溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス((R)−1−((S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)エチルジシクロヘキシルホスフィン)金(I)クロリド0.15gを得た(収率98%)。
Mass(FAB,POS)m/z1385.(M+−Cl-)
<ビス((R)−1−((S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジフェニルホスフィン)金(I)クロリド>
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに、(R)−1−((S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジフェニルホスフィン(ストレムケミカル社製)0.10g(0.17mmol)と、脱気したクロロホルム溶液3mlを入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.06g(0.12mmol)を加え室温で24時間撹拌した。得られた溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス((R)−1−((S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジフェニルホスフィン)金(I)クロリド0.10gを得た(収率83%)。
Mass(FAB,POS)m/z1385.(M+−Cl-)
<ビス((S)−1−((R)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジフェニルホスフィン)金(I)クロリド>
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに、(S)−1−((R)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジフェニルホスフィン(ストレムケミカル社)0.09g(0.15mmol)と、脱気したクロロホルム溶液2mlを入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.05g(0.08mmol)を加え室温で24時間撹拌した。得られた溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス((S)−1−((R)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル)エチルジフェニルホスフィン)金(I)クロリド0.09gを得た(収率84%)。
Mass(FAB,POS)m/z1385.(M+−Cl-)
また、実施例1〜4で得られた化合物について簡単に表1にまとめた。
<1,1−フェロセンジカルボン酸(化合物(23))の調製>
<1,1−ビス[(S)−N−(1−置換―2−ヒドロキシエチル)アミド]フェロセン(化合物(19))の調製>
1HNMR(CDCl3,400M):6.34(d,J=8.5Hz,2H,NH),4.76(brs,2H,FcH),4.50(brs,2H,FcH),4.47(brs,2H,FcH),4.38(brs,2H,FcH),3.93(m,2H,NCH),3.88(dd,J=3.0,11.6Hz,2H,OCH),3.75(dd,J=6.0,11.6Hz,2H,OCH),1.96(m,2H,Me2CH),1.02(d,J=6.6Hz,6H,CH3,1.00(d,J=6.9Hz,6H,CH3)
1HNMR(CDCl3,400M):4.77(brs,2H,FcH),4.74(brs,2H,FcH),4.35(brs,4H,FcH),4.31(dd,J=7.9,10.1Hz,2H,OCH),4.06(t,J=7.9Hz,2H,OCH),3.98(m,2H,NCH),1.86(m,2H,Me2CH),1.02(d,J=6.7Hz,6H,CH3),0.94(d,J=6.6Hz,6H,CH3)
1HNMR(CDCl3,400M):
7.30(dd,J=7.9,16.2Hz,8H,ArH),7.22(m,8H,PhH),7.16(m,4H,PhH),5.05(brs,2H,FcH),4.55(brs,2H,FcH),4.28(dd,J=8.2,9.7Hz,2H,OCH),3.87(m,2H,NCH),3.65(t,j=8.2Hz,2H,OCH),3.48(brs,2H,FcH),1.67(m,2H,Me2CH),0.82(d,J=6.8Hz,6H,CH3),0.62(d,J=6.8Hz,6H,CH3)
13CNMR(CDCl3,80%H3PO4,400M);
163.94,163.9,138.9,138.8,137.5,137.3,134.6(2C),134.2(2C),132.5(2C),132.3(2C),128.9(2C),128.2(2C),128.1(2C),128.05(2C),128.0(2C),127.9(2C),80.3,80.0,77.5,77.3,75.9,75.1,75.01,74.98,72.0(2C),69.5,31.8,18.7,17.3(2C)
31PNMR(CDCl3,85%H3PO4,400M);−16.81
IR(KBr,cm-1);
3051.3,1956.4,1585.8,1474.0,1434.9,1354.3,1269.2,1061.9,1030.7,876.7,829.7,635.7
HRMS;
calcd for C46H46FeN2O2P2 777.2384,found:777.2410
m.p.:75−75℃
[α] 20 D=−136.6(c=0.80,CHCl3)
窒素ガスで置換した100ml二口フラスコに前記で調製した前記一般式(2d)の式中のRがイソプロピル基である1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−イソプロピル−2−イル]フェロセン0.78(1.0mmol)の脱気したTHF溶液を入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.51g(1.0mmol)を加え室温で24時間撹拌した。得られた溶液を乾固し酢酸エチルに溶解した。この溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−イソプロピル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリド0.89gを得た(収率88%)。
Mass(ESI,POS)m/z1982.(M+−Cl-)
<ビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−tert−ブチル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリドの合成>
実施例5において一般式(18)の式中のRがtert−ブチル基のアミノアルコール化合物を用いた以外は実施例5と同様な条件下で反応を行ってビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−tert−ブチル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリド1.04gを得た(収率99%)。
Mass(ESI,POS)m/z2038.(M+−Cl-)
<ビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−イソブチル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリドの合成>
実施例5において一般式(18)の式中のRがイソブチル基のアミノアルコール化合物を用いた以外は実施例5と同様な条件下で反応を行ってビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−イソブチル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリド0.92gを得た(収率89%)。
Mass(ESI,POS)m/z2038.(M+−Cl-)
<ビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−sec−ブチル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリドの合成>
実施例5において一般式(18)の式中のRがsec−ブチル基のアミノアルコール化合物を用いた以外は実施例5と同様な条件下で反応を行ってビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−4−sec−ブチル−2−イル]フェロセン)二金(I)ジクロリド0.81gを得た(収率89%)。
Mass(ESI,POS)m/z2038.(M+−Cl-)
<1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−2−イソプロピル−2−アセチルアミノエチルエステル]フェロセン(化合物(2f−1))の合成>
1HNMR(CDCl3,400M):
7.29(m,8H,PhH),7.22(m,8H,PhH),7.12(m,4H,PhH),6.59(d,J=8.8Hz,2H,NH),5.06(brs,2H,FcH),4.66(brs,2H,FcH),4.41(dd,J=2.6,11.5Hz,2H,OCH),4.13(m,2H,NCH),3.95(dd,J=7.2,11.5Hz,2H,OCH),3.45(brs,2H,FcH),2.08(m,2H,Me2CH),1.88(s,6H,COCH3),1.07(d,J=6.5Hz,6H,CH3),1.02(d,J=6.5Hz.6H,CH3)
13CNMR(CDCl3,100M);
170.4,170.3,138.6,138.4,136.6,136.5,135.0,134.8,132.2,132.0,130.0,128.7,128.6,128.5,66.0,53.4,29.6,23.4,20.0,19.9
31PNMR(CDCl3,85%H3PO4,400M):
−17.370
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに前記で調製した1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−2−イソプロピル−2−アセチルアミノエチルエステル]フェロセン(化合物(2f−1))0.90g(1.0mmol)を脱気したTHF溶液を入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.31g(0.6mmol)を加え室温で2時間撹拌した。得られた溶液にジエチルエーテルを加え析出した固体をろ過した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ビス−[(S)−2−イソプロピル−2−アセチルアミノエチルエステル]フェロセン)金(I)クロリド0.96gを得た(収率96%)。
Mass(ESI,POS)m/z1990.(M+−Cl-)
<(−)−(S)−(S)−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2’−ビス(メトキシカルボニル)フェロセン(化合物(2h−2))の調製>
1HNMR(CDCl3,400M);
7.31−7.14(m,20H,PhH),5.09(brs,2H,FcH),4.60(brs,2H,FcH),3.74(s,6H,CH3),3.49(brs,2H,FcH)
13CNMR(CDCl3,100M);
170.3,139.0,138.8,137.7,137.6,135.0,134.8,132.6,132.6,132.4,129.5,128.5,128.5,52.0
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに前記で調製した(−)−(S)−(S)−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2’−ビス(メトキシカルボニル)フェロセン(化合物(2h−2))0.80g(1.2mmol)を脱気したTHFに入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.37g(0.7mmol)を加え室温で2時間撹拌した。得られた溶液を乾固し酢酸エチルに溶解した。この溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス((−)−(S)−(S)−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2’−ビス(メトキシカルボニル)フェロセン)金(I)クロリド0.78gを得た(収率83%)。
Mass(ESI,POS)m/z1537.(M+−Cl-)
<(−)−(S)−(S)−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2’−ビス(エトキシカルボニル)フェロセン(化合物(2h−3))の調製>
1HNMR(CDCl3,400M);
7.31−7.12(m,20H,PhH),5.08(brs,2H,FcH),4.67(brs,2H,FcH),4.33−4.11(m,4H,CH2),3.46(brs,2H,FcH),1.20(t,6H,CH3)
13CNMR(CDCl3,100M):
170.0,139.0,138.90,137.7,137.5,135.0,134.7,132.6,132.4,129.5,128.5,128.4,60.9,14.5
31PNMR(CDCl3,85%H3PO4,400M):
−17.607
窒素ガスで置換した25ml二口フラスコに前記で調製した(−)−(S)−(S)−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2’−ビス(エトキシカルボニル)フェロセン(化合物(2h−3))0.84g(1.2mmol)を脱気したクロロホルム溶液に入れた。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド0.37g(0.6mmol)を加え室温で3時間撹拌した。得られた溶液を乾固し酢酸エチルに溶解した。この溶液を水で洗浄し有機層を乾固した。得られた褐色固体を減圧下乾燥後ビス((−)−(S)−(S)−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2’−ビス(エトキシカルボニル)フェロセン)金(I)クロリド0.96gを得た(収率98%)。
Mass(ESI,POS)m/z1593.(M+−Cl-)
実施例5〜11で得られたホスフィン遷移金属錯体について、その構造式を表2及び表3にまとめた。
実施例1〜8で得られたフェロセン骨格を有するホスフィン金錯体の腫瘍細胞に対する活性評価を下記のように実施した。また、比較対象としてシスプラチン(比較例1)についても同様な試験を実施した。
散剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料50g、乳糖400gおよびトウモロコシデンプン50gをブレンダーで混合して散剤を得た。
顆粒剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料50g、乳糖250gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース50gを混合した後、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液150gを加えて混練した。これを押出し造粒機を用いて造粒、乾燥して顆粒剤を得た。
錠剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料50g、乳糖250g、トウモロコシデンプン120g、結晶セルロース75gおよびステアリン酸マグネシウム5gをブレンダーで混合した後、錠剤機で打錠して錠剤を得た。
カプセル剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料25g、乳糖300g、トウモロコシデンプン170gおよびステアリン酸マグネシウム5gをV型混合機を用いて混合した後、3号カプセルに180mgずつ充填してカプセル剤を得た。
注射剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料100mgおよびグルコース100mgを精製水2mlに溶解した後濾過し、濾液を2mlアンプルに分注、封入した後滅菌して注射剤を得た。
ローション剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料1g、エタノール3g、ヒドロキシエチルセルロース0.2gおよびパラオキシ安息香酸メチル0.1gを精製水100mlに混合溶解してローション剤を得た。
軟膏剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料2g、流動パラフィン6g、ミツロウ2g、自己乳化型モノステアリン酸グリセリド3gおよび白色ワセリン5gを加温して溶解、分散させ、軟膏剤を得た。
クリーム剤の製造
実施例1〜11と同様にして得られたホスフィン金錯体のそれぞれについて、試料2gを、モノステアリン酸グリセリド2g、ステアリルアルコール4g、オクチルドデカノール2gおよびモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン5gに加温しながら分散させ、これにパラオキシ安息香酸メチル0.1g、グリセリン5g及び精製水60gを加温して溶解させたものを加え、高速攪拌により乳化、冷却し、クリーム剤を得た。
Claims (1)
- 下記一般式(3)〜(5)で表されるフェロセン骨格を有するホスフィン遷移金属錯体を1種または2種以上含有することを特徴とする抗癌剤。
(一般式(3)中のR 1 、R 2 、R 3 、R 4 は直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を示す。Aは直鎖状又は分岐状のアルキル基、フェニル基、水素原子を示す。M 1 は金原子を示す。X 1 はアニオンを示す。)
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