JP5089455B2 - 直動案内ユニット - Google Patents
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Description
そこで、スライダの外側にシール部材を設けて、上記摺動部分への異物の侵入を防止することが行なわれている。さらに、上記シール部材より外側にスクレーパを設けたり、ガイド面にオイルを供給して異物を浮かせたりして、異物の侵入を防ぐようにしているものがある。
この従来の直動案内ユニットは、図7、図8に示すように、ガイドレール1をまたいでスライドするスライダ2を備えたものであるが、スライダ2の両端に取り付けたエンドキャップ2aの外側に、ゴム製のエンドシール4を備え、さらにその外側に、樹脂製の取付板5を介して樹脂製のワイパーシール組立体6を取り付けている。
そして、このエンドシール4の外側に設けた上記取付板5は、図9に示すように、エンドシール4側で、上記リップ部4bを保護する空間10を形成する形状にしている。
なお、図11中符号3は、エンドキャップ2aの端面に形成した凹部にはめ込まれたオイル含浸部材で、上記エンドシール4より内側で、エンドキャップ2a内に設けられた転動体などにオイルを供給するためのものである。
第1,第2の発明によれば、ワイパーシールに腰を付与して折れ曲がり難くすることができ、ワイパーシールの機能を安定化できる。また、ワイパーシールが折れ曲がって、エンドシールのリップ部に接触するなど、悪影響を与えることも防止できる。例えば、ワイパーシールが折れ曲がって上記リップ部に接触すれば、上記リップ部に対して外力が作用し、上記リップ部のガイドレールに対する押圧状態が変化してしまうので、防塵性能が損なわれるおそれがある。しかし、本願発明は、ワイパーシールに腰を与えて折れ曲がり難くして、ワイパーシールがリップ部に接触することを防止することができるので、防塵性能が損なわれることを抑制することができる。
第2の発明によれば、エンドシールを複数設けることによってより高いシール性を発揮させることができる。
この第1実施形態の直動案内ユニットは、図1に示すようにガイドレール1にまたいで摺動自在に取り付けたスライダ2を備えたものであり、このガイドレール1とスライダ2とは、図7、図8に示した上記従来の直動案内ユニットと同様の構成である。そして、上記スライダ2は、上記エンドキャップ2a内で方向転換する図示していない転動体を介して、ガイドレール1のガイド面に接触するようにしている。また、上記スライダ2のエンドキャップ2aには、潤滑オイルの給油口が設けられ、そこにグリースニップル24を取り付けている。
ただし、この発明の直動案内ユニットとしては、スライダ2がガイドレール1に沿って往復移動可能であればよく、スライダ2の内部構造やレール形状などはどのようなものでもよい。
上記ワイパーシール17、封止プレート18及びスクレーパ9は、上記従来のワイパーシール7、封止プレート8およびスクレーパ9と同様の機能を備えたものであるが、上記封止プレート18及びワイパーシール17をエンドシール14に組み込んだ点がこの第1実施形態の最大の特徴である。
そして、この第1実施形態のエンドシール14は、図2〜図4に示すように、芯金14aにゴムを焼き付けて形成した部材で、ガイドレール1をまたぐ部分に、リップ部14bを形成している。
なお、図3,図4は、上記エンドキャップ2aの外側に設けたシール部分の断面図であるが、その断面位置を図2に示している。
上記リップ部14bは、適度に変形し、ガイドレール1のガイド面に押し付けられてシール性を保つものである。このようなリップ部14bに、上記凹部に組み込んだ封止プレート18などの部材が接触して、外力を作用させることがあると、リップ部14bのガイドレール1に対する押圧状態が変化して、シール性が損なわれる可能性がある。そのため、上記の位置関係を維持して、リップ部14bに悪影響を与えないようにしているのである。
また、このエンドシール14の外周付近には、複数のボルト孔20を形成するとともに、上記凹部底面14cには、位置決めピン21と、この発明の補強用のリブ16とを形成している。このリブ16には、後で説明するこの発明の棒状の補強部材を貫通させるための貫通孔16aを形成している。
ただし、この実施形態では、上記スクレーパ9を取り付ける前に、エンドシール14の貫通孔16aに、この発明の補強部材である樹脂製の筒部材19を貫通させる。この筒部材19は、上記貫通孔16aに挿入したとき、一端がスライダのエンドキャップ2aの端面に当接し、他端がスクレーパ9に当接する長さを有するものである。この筒部材19によって、上記エンドキャップ2aとスクレーパ9との距離を保持し、エンドシール14の変形を防止することができる。
また、上記スライダ2の端面からスクレーパ9までの距離が短くなれば、スクレーパ9及びエンドシール14をスライダ2に固定するためのボルトも、1本で足りる。
上記輪郭が鮮明なオープンポアを有する三次元構造の骨格組織からなるポリエステル系ポリウレタンフォームとは、ポリエステル系ポリウレタンフォームの発泡膜を後処理で除去して、表面に輪郭が明確な開口を形成した素材のことであり、この輪郭が鮮明なオープンポアによってオイルの保持能力を高めることができる。
また、上記ポリエステル系ポリウレタンフォームの骨格構造から、高摺動性と高耐摩耗性を実現できる。
その結果、上記エンドシール14のリップ部14bをより長期にわたって保護でき、良好な密封性と、スライダ2のスムーズな摺動を維持できることになる。
例えば、上記したように、ワイパーシール17を構成する樹脂フォームを厚み方向に圧縮して、ワイパーシール17の硬度を適当な値に保てば、封止プレート18を設けなくても、ワイパーシール17の腰を維持し、耐久性を上げることができる。
エンドシール14が歪んでしまうと、ワイパーシール17部分でのシール性及び、異物の払拭機能が低下するだけでなく、リップ部14bでのシール性も低下してしまうが、上記筒部材19を用いれば、そのようなことがない。特に、エンドシール14内に複数枚のワイパーシール17を組み込んで、凹部底面14cとスクレーパ9との距離が長くなる場合には、上記筒部材19を設けることは有用である。なお、この発明の補強部材は筒部材に限らず、所定の長さを有する棒状部材ならよい。
上記したように、この第2実施形態では、エンドシール14に組み込むワイパーシール17が1枚なので、第1実施形態のエンドシール14と比べて、ワイパーシール17の厚み分だけ凹部の深さを浅くするが、その他の構成は上記第1実施形態と同じである。そして、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成要素には、同じ符号を用いて説明する。
そして、上記第2のエンドシール14と第1のエンドシール14の凹部底面14cとによって、第1のエンドシール14に組み込んだワイパーシール17及び封止プレート18を挟持し、スクレーパ9と第2のエンドシール14の凹部底面14cとによって、第2のエンドシール14に組み込んだワイパーシール17及び封止プレート18を挟持している。
このように、2つのエンドシール14,14と2つのワイパーシール17,17を備えているこの第2実施形態の直動案内ユニットも、図8に示す従来の直動案内ユニットのシール構造を2つ設ける場合と比べると、部品点数はもちろん、摺動方向の寸法も小さくできる。
このように、エンドシール14の枚数を多くすればするほど、スライダ2の摺動方向の長さは長くなるが、それでも、従来の取付板5及び組立体6を不要にすることによって、部品点数は少なくでき、摺動方向長さも小さくできる。
また、第2実施形態でも、上記封止プレート18の機能及び、これを設けなくてもよいことは、上記第1実施形態と同様である。
2 スライダ
2a エンドキャップ
14 エンドシール
14b リップ部
14c 凹部底面
16 リブ
16a 貫通孔
17 ワイパーシール
18 封止プレート
19 筒部材
Claims (3)
- 長手方向に沿ってガイド面が形成されたガイドレールと、このガイドレールにまたがって摺動するスライダと、ガイドレールにまたがってスライダの端面に取り付けられるとともにガイドレールの接触面にリップ部を一体に設けたゴム製のエンドシールと、このエンドシールの外側に設け、オイルを含浸したワイパーシールとを備えた直動案内ユニットにおいて、上記エンドシールは、スライダに取り付ける取り付け面とは反対側に凹部を形成し、上記リップ部が上記凹部の底面よりもスライダ側に位置する構成にするとともに、上記凹部にオイルを含浸したワイパーシールを組み込み、上記凹部底面とワイパーシールとの間に、金属製の封止プレートを介在させ、この凹部に組み込んだワイパーシールの外側にスクレーパを沿わせ、このスクレーパと上記凹部底面との間で、ワイパーシールを挟持させ、上記ワイパーシールは、輪郭が鮮明なオープンポアを有する三次元構造の骨格組織からなるポリエステル系ポリウレタンフォームを、厚さ方向に圧縮成形したシート状部材である直動案内ユニット。
- 長手方向に沿ってガイド面が形成されたガイドレールと、このガイドレールにまたがって摺動するスライダと、ガイドレールにまたがってスライダの端面に取り付けられるとともにガイドレールの接触面にリップ部を一体に設けたゴム製のエンドシールと、このエンドシールの外側に設け、オイルを含浸したワイパーシールとを備えた直動案内ユニットにおいて、上記エンドシールを複数備え、これらエンドシールは、スライダ側とは反対側面に凹部を形成し、上記リップ部が上記凹部の底面よりもスライダ側に位置する構成にするとともに、上記凹部にオイルを含浸したワイパーシールを組み込み、上記凹部底面とワイパーシールとの間に、金属製の封止プレートを介在させ、これらエンドシールを重ね合わせてエンドシール間でワイパーシールを挟持し、最も外側に位置するエンドシールの凹部に組み込んだワイパーシールの外側にスクレーパを沿わせ、このスクレーパと上記凹部底面との間で、ワイパーシールを挟持させ、上記ワイパーシールは、輪郭が鮮明なオープンポアを有する三次元構造の骨格組織からなるポリエステル系ポリウレタンフォームを、厚さ方向に圧縮成形したシート状部材である直動案内ユニット。
- 上記エンドシールの凹部底面には、補強用のリブを形成するとともに、このリブの中央にはエンドシールを貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に棒状の補強部材を貫通させた請求項1または2に記載の直動案内ユニット。
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