JP5087852B2 - ビアダマンタン化合物 - Google Patents
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Description
また、従来より、上記のような材料において、有機材料として、ポリイミド樹脂等が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、一般的にポリイミド樹脂より構成される樹脂膜は、耐熱性が低い、誘電率が高い、更には吸湿性が高い等の問題があった。そのため、その用途は、信頼性の上で、バイポーラ半導体素子などの一部の半導体素子に限られていた。
(1) 一般式(1)で表されるビアダマンタン化合物、
(4) 前記アセチレン結合を含む基は、2−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシフェニル基またはビス(2−プロピニルオキシ)フェニル基である、第(1)項乃至第(3)項のいずれか1項に記載のビアダマンタン化合物、
(5) 前記ビアダマンタン化合物は、1,1’−ビアダマンチル骨格を有するものである、第(1)項乃至第(4)項のいずれか1項に記載のビアダマンタン化合物、
を提供するものである。
本発明のビアダマンタン化合物は、一般式(1)で表される化合物であり、アセチレン結合を含む基を2個以上有することを特徴とするものである。
前記一般式(2)で表される基は、Xとして、単結合または芳香族基を有するものであり、前記芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基及びビフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。上記芳香族基中の水素原子は、フッ素原子、メチル基、メトキシ基及びトリフルオロメチル基で置換されていても良い。
また、前記一般式(2)で表される基は、R1として、脂肪族基を有するものであり、前記脂肪族基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基及びデシレン基などの炭素数1〜10の鎖状脂肪族基が挙げられるが、これらに限定されない。上記脂肪族基中の水素原子は、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル及びペンチル基などの炭素数1〜5のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基及びペンチルオキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基及びトリフルオロメチル基で置換されていても良い。
また、前記一般式(2)で表される基は、R2として、水素原子または有機基を有するものであり、前記有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびヘキシル基などの鎖状脂肪族基;、シクロヘキシル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基などの環状脂肪族基;、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基などの芳香族基等が挙げられるが、これらに限定されない。上記有機基中の水素原子は、フッ素原子、メチル基、メトキシ基及びトリフルオロメチル基で置換されていても良い。
これらの中でも、より耐熱性安定性を有する材料を得る上で好ましくは、2−プロピニルオキシ基、(2−プロピニルオキシ)フェニル基およびビス(2−プロピニルオキシ)フェニル基であり、更に好ましくは、2−プロピニルオキシ基、4−(2−プロピニルオキシ)フェニル基および2,4−ビス(2−プロピニルオキシ)フェニル基である。なお、前記アセチレン結合を含む基中の水素原子は、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基およびフェニル基で置換されていても良い。
前記求核置換反応における反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、20℃以上、使用する溶媒の沸点以下が好ましい。
[3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2−プロピニルオキシ)−1,1’−ビアダマンタンの合成]
300mLナスフラスコに、3,3’−ジヒドロキシ−5,5’,7,7’−テトラメチルー1,1’−ビアダマンタン3.6g(10mmol)、3−ブロモ−1−プロピン23g(193mmol)、水酸化ナトリウム2g(50mmol)、テトラヒドロフラン60mL、水60mLおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、65℃で5時間攪拌して反応液を得た。上記反応液の有機液層を回収し溶媒を除去した後、メタノール200mLを加え攪拌し、析出した結晶をろ過し減圧乾燥し、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2−プロピニルオキシ)−1,1’−ビアダマンタン2.4gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):434(M+)
元素分析:理論値(/%):C,82.90;H,9.74;O,7.36
実測値(/%):C,82.97;H,9.78;O,7.25
1H NMR(/ppm):4.4(4H)、2.4(2H)、1.3−1.5(12H)、1.1−1.3(12H)、0.9(12H)
[3,3’,5,5’−テトラキス(2−プロピニルオキシ)−1,1’−ビアダマンタンの合成]
300mLナスフラスコに、3,3’,5,5’−テトラヒドロキシ−1,1’−ビアダマンタン3.3g(10mmol)、3−ブロモ−1−プロピン23g(193mmol)、水酸化ナトリウム3g(75mmol)、テトラヒドロフラン60mL、水60mLおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、65℃で5時間攪拌して反応液を得た。上記反応液の有機液層を回収し溶媒を除去した後、メタノール200mLを加え攪拌し、析出した結晶をろ過し減圧乾燥し、3,3’,5,5’−テトラキス(2−プロピニルオキシ)−1,1’−ビアダマンタン2.3gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):486(M+)
元素分析:理論値(/%):C,78.98;H,7.87;O,13.15
実測値(/%):C,78.94;H,7.90;O,13.14
1H NMR(/ppm):4.7(8H)、2.5(4H)、2.4(2H)、2.0(2H)、1.5−1.9(22H)
[3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成]
300mLナスフラスコに、3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン3.2g(6mmol)、3−ブロモ−1−プロピン17g(143mmol)、水酸化ナトリウム2g(50mmol)、テトラヒドロフラン60mL、水60mLおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、65℃で5時間攪拌して反応液を得た。上記反応液の有機液層を回収し溶媒を除去した後、メタノール200mLを加え攪拌し、析出した結晶をろ過し減圧乾燥し、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−1,1’−ビアダマンタン2.7gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:黄色固体
MS(FD)(m/z):586(M+)
元素分析:理論値(/%):C,85.96;H,8.59;O,5.45
実測値(/%):C,85.95;H,8.65;O,5.50
1H NMR(/ppm):7.2−7.3(4H)、6.9−7.0(4H)、4.7(4H)、2.5(2H)、1.3−1.5(12H)、1.1−1.3(12H)、0.9(12H)
[3,3’,5,5’−テトラキス(4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成]
300mLナスフラスコに、3,3’,5,5’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1’−ビアダマンタン3.2g(5mmol)、3−ブロモ−1−プロピン22g(185mmol)、水酸化ナトリウム3.2g(80mmol)、テトラヒドロフラン60mL、水60mLおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、65℃で6時間攪拌して反応液を得た。上記反応液の有機液層を回収し溶媒を除去した後、メタノール200mLを加え攪拌し、析出した結晶をろ過し減圧乾燥し、3,3’,5,5’−テトラキス(4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−1,1’−ビアダマンタン3.6gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:黄色固体
MS(FD)(m/z):790(M+)
元素分析:理論値(/%):C,85.03;H,6.88;O,8.09
実測値(/%):C,85.07;H,6.85;O,8.08
1H NMR(/ppm):7.3−7.4(8H)、6.9−7.0(8H)、4.7(8H)、2.5(4H)、2.4(2H)、2.0(2H)、1.5−1.9(22H)
[3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2,4−ビス(2−プロピニルオキシ)フェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成]
300mLナスフラスコに、3,3’−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン3.1g(6mmol)、3−ブロモ−1−プロピン25g(210mmol)、水酸化ナトリウム4g(100mmol)、テトラヒドロフラン60mL、水60mLおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、65℃で5時間攪拌して反応液を得た。上記反応液の有機液層を回収し溶媒を除去した後、メタノール200mLを加え攪拌し、析出した結晶をろ過し減圧乾燥し、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(2,4−ビス(2−プロピニルオキシ)フェニル)−1,1’−ビアダマンタン2.9gを得た。
以下に、外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
外観:黄色固体
MS(FD)(m/z):694(M+)
元素分析:理論値(/%):C,82.96;H,7.83;O,9.21
実測値(/%):C,82.99;H,7.90;O,9.31
1H NMR(/ppm):7.2−7.3(4H)、6.9−7.0(2H)、4.7(8H)、2.5(4H)、1.3−1.5(12H)、1.1−1.3(12H)、0.9(12H)
Claims (4)
- 一般式(1)で表されるビアダマンタン化合物。
- 前記アセチレン結合を含む基は、アルキニルオキシ基、アルキニルオキシフェニル基またはビス(アルキニルオキシ)フェニル基である、請求項1記載のビアダマンタン化合物。
- 前記アセチレン結合を含む基は、2−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシフェニル基またはビス(2−プロピニルオキシ)フェニル基である、請求項1または2に記載のビアダマンタン化合物。
- 前記ビアダマンタン化合物は、1,1’−ビアダマンチル骨格を有するものである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビアダマンタン化合物。
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