JP5087797B2 - Ndフィルターの製造方法 - Google Patents

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本発明は、可視域の透過光を減衰させる吸収型多層膜NDフィルターに係り、特に、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して設けられた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルター(以下、マスク型NDフィルターと称する場合がある)の製造方法に関するものである。
デジタルスチルカメラやビデオカメラ等においては、過大な光の入射によって撮像素子であるCCDやCMOS素子が飽和することを防ぐため、光を減衰させるND(Neutral Density Filter)フィルターが使用されている。特に、上記カメラシステムにおいては、カメラ内部の反射光が問題視されるため、レンズ光学系にNDフィルターを組み込む場合、一般的に吸収型NDフィルターが用いられている。また、上記吸収型NDフィルターには、基板自体に吸収物質を混ぜたタイプ(色ガラスNDフィルター)や基板に吸収物質を塗布するタイプと、基板自体に吸収はないが表面に形成された薄膜に吸収があるタイプとが存在する。また、後者の場合、薄膜表面の反射を防ぐため、上記薄膜を多層膜(吸収型多層膜)で構成し、透過光を減衰させる機能と共に反射防止の効果を持たせている。
そして、上記薄膜を多層膜(吸収型多層膜)で構成した吸収型多層膜NDフィルターとして、特許文献1には、基板上にSiOのような酸化物誘電体膜層とTiやCr等から成る金属膜とを交互に積層した構造のNDフィルターが開示されている。また、この特許文献1においては吸収膜層として金属膜が用いられているが、成膜時に意図的に酸素導入を行うことで酸素欠損による吸収を有するTiOxやTaOx等の金属酸化物膜を上記吸収膜層として用いることも知られている。但し、TiOxやTaOx等の金属酸化物膜は金属膜に較べて消衰係数が低いため、同じ消衰係数を得る場合には、成膜時に意図的に酸素導入を行っていない金属膜の方が吸収膜層の膜厚を薄くすることができる。
また、小型で薄型のデジタルカメラ等に組み込まれる吸収型多層膜NDフィルターにおいては、組込みスペースが狭く基板自体を薄くする必要があるため、フレキシブル性を有する樹脂フィルムが最適な基板とされている。このフレキシブル性を有する樹脂フィルム基板に上記吸収型多層膜を成膜する場合、樹脂フィルム基板の反り、膜の割れ、成膜時間等を考慮すると、金属酸化物膜に較べて吸収膜層の膜厚を薄く設定できる上記金属膜を採用した方が有利である。そして、特許文献1においては、上述したように吸収膜層としてTiやCr等の金属膜が適用されており、また、吸収型多層膜NDフィルターに係る発明を開示する特許文献2や特許文献3においては、NiにTiやWが添加された成膜材料を用いて成膜された金属膜が記載されている。
そして、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等の透明樹脂フィルム基板上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的気相成長法により酸化物誘電体膜層と金属膜とで構成される吸収型多層膜を成膜して所望の透過特性と反射特性を有する吸収型多層膜NDフィルターが得られている。尚、このようにして製造された吸収型多層膜NDフィルターは、所定の形状、サイズに裁断してNDフィルターチップとし、上述したデジタルカメラ等に組み込まれる。
ところで、NDフィルターを機能させるには、外部の光量や絞り、シャッター速度等の撮影条件によって、光軸上の位置にセットしたり、光軸上から外れる位置に移動させる必要がある。そして、これ等の移動動作は、通常、小型のソレノイドや可動絞り羽根等の先端に上記NDフィルターチップを取り付けることによって実現され、NDフィルターチップの上記可動部分(ソレノイドや可動絞り羽根等)への取り付けは、融着若しくは接着剤等の固定手段によってなされている。
しかし、可動部分(ソレノイドや可動絞り羽根等)へ取り付けられる上記NDフィルターチップの最表面は、通常、吸収型多層膜の酸化物誘電体膜層で構成されているため、融着による固定法を利用することができず、また、上記接着剤を用いた固定方法も強度が出し難いため信頼性の点で改良が求められていた。
この問題を解決する方法として、樹脂フィルム基板全面に吸収型多層膜が形成されている従来のNDフィルターチップ構造に代え、樹脂フィルム基板の略中央に吸収型多層膜が形成されかつ吸収型多層膜の周縁部に樹脂フィルム基板が露出する構造のNDフィルターチップが多く使用されはじめている。樹脂フィルム基板の一部が露出する構造のNDフィルターチップを適用した場合、露出する樹脂フィルム基板面を可動部分(ソレノイドや可動絞り羽根等)へ直接固定することができるため、取り付け強度の改善が図れる。
ところで、樹脂フィルム基板の一部が露出する構造のNDフィルターチップを得るには、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して設けられた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルター(マスク型NDフィルター)をまず製造し、製造されたマスク型NDフィルターの吸収型多層膜が形成されていない樹脂フィルム基板の上記間隔部位を裁断してNDフィルターチップを求める必要があった。
そして、特許文献4においては、ロール・トウ・ロール方式により搬送される長尺状樹脂フィルム基板に対して薄膜状のマスク基材を密着させ、かつ、薄膜状のマスク基材から露出する樹脂フィルム基板面にスパッタリング等の成膜手法を用いて金属膜と誘電体膜とを交互に成膜して上述した複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルター(マスク型NDフィルター)を製造する方法が記載されている。
特開平05−093811号公報 特開2006−058854号公報 特開2006−091694号公報 特開2003−207608号公報
しかし、特許文献4に記載されたマスク型NDフィルターの製造方法は、連続的に移動している長尺状樹脂フィルム基板に対し、その薄膜状マスク基材から露出する基板面へ金属膜と誘電体膜とを交互に成膜してマスク型NDフィルターを得る方法であり、成膜時に薄膜状マスク基材が介在してしまう分、金属膜と誘電体膜の膜厚制御を高精度で行うことが困難なため、所望の透過特性と反射特性を具備する吸収型多層膜が形成され難い欠点を有していた。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、特許文献4に記載された製造方法と較べて吸収型多層膜の透過特性と反射特性が良好なマスク型NDフィルターの製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため、本発明者は、パターニングされた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルター(マスク型NDフィルター)を製造する方法であって、吸収型多層膜の膜厚精度を低下させない製造方法を開発するため鋭意研究を行なった。そして、マスク基材等を介さずに物理的気相成長法を用いて樹脂フィルム基板全面に一様に形成した膜厚精度の高い吸収型多層膜に対し、この吸収型多層膜を高い精度でパターニング加工できる方法を見つけるために種々検討を行なった結果、ガラス、シリコン、セラミックス等の硬脆材料に対しては高い加工能力を有する反面、衝撃を吸収してしまう樹脂フィルムに対しては加工能力の低いサンドブラスト(ショットブラストを含む)加工法を発見するに至った。すなわち、樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に成膜された吸収型多層膜に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって、吸収型多層膜をパターニング加工することにより、吸収型多層膜の透過特性と反射特性が良好なマスク型NDフィルターを製造できることを見出すに至った。本発明はこのような技術的発見により完成されている。
すなわち、請求項1に係る発明は、
樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に成膜された吸収型多層膜に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって吸収型多層膜の一部を削り取り、上記樹脂フィルム基板と、この樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して設けられた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルターを製造する方法において、
長尺状樹脂フィルム基板がロール・トウ・ロール方式で搬送される物理的気相成長装置を用いて、長尺状樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に吸収型多層膜を成膜する成膜工程と、
少なくとも片面全面に吸収型多層膜が成膜された長尺状樹脂フィルム基板をカッティング処理して、少なくとも片面全面に吸収型多層膜が成膜されたシート状の樹脂フィルム基板を得るカッティング工程と、
一方の面にドライレジストベースフィルムが貼り付けられかつ他方の面にドライレジストカバーフィルムが貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストカバーフィルムを剥離して、上記シート状樹脂フィルム基板の吸収型多層膜にドライレジストフィルムを貼り付けるドライレジストフィルム貼り付け工程と、
上記吸収型多層膜に貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストベースフィルム面にフォトマスクを密着させて露光処理を行う露光処理工程と、
上記フォトマスクを外しかつドライレジストベースフィルムを剥離した後、露光された部位以外のドライレジストフィルムを現像処理して除去する現像工程と、
残留するドライレジストフィルムにより部分的に被覆された吸収型多層膜に対しサンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって、上記ドライレジストフィルムから露出する吸収型多層膜を削り取るサンドブラスト工程と、
残留するドライレジストフィルムを除去して樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して複数の吸収型多層膜を形成するドライレジストフィルム除去工程、
を具備することを特徴とするものである。
次に、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係るNDフィルターの製造方法において、
物理的気相成長法により酸化物誘電体膜層と吸収膜層が交互に積層されて成る多層膜により上記吸収型多層膜が構成されていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項2に記載の発明に係るNDフィルターの製造方法において、
SiCおよび/またはSiを主成分とする成膜材料を原料として成膜されたSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)膜若しくはSiO2膜により上記酸化物誘電体膜層が構成され、NiまたはNi合金から成る成膜材料を原料としかつ酸素の導入を絶って成膜された金属膜により上記吸収膜層が構成されると共に、上記吸収型多層膜の最外層が酸化物誘電体膜層で構成されていることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項2または3に記載の発明に係るNDフィルターの製造方法において、
上記吸収膜層の各膜厚が2〜10nm、酸化物誘電体膜層の各膜厚が10〜100nmに設定されていることを特徴とし、
請求項5に係る発明は、
請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係るNDフィルターの製造方法において、
上記吸収型多層膜の樹脂フィルム基板と接する膜が酸化物誘電体膜層で構成され、かつ、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に設けられる上記吸収型多層膜が5層構造であることを特徴とする。
本発明に係るNDフィルターの製造方法は、
樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に成膜された吸収型多層膜に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって吸収型多層膜の一部を削り取り、上記樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して複数の吸収型多層膜を形成することを特徴としている。
そして、樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に一様に成膜される吸収型多層膜は、特許文献4に記載されたマスク基材等を介さずに、スパッタリング等の成膜手段により高精度でもって形成されるため、良好な透過特性と反射特性を具備している。
更に、ガラス、セラミックス等に対して高い加工能力を有し、衝撃を吸収してしまう樹脂フィルム基板に対しては加工能力の低いサンドブラスト(ショットブラストを含む)加工法を利用して上記吸収型多層膜のパターニング処理を行なっているため、上記樹脂フィルム基板が削り取られることなく、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して複数の吸収型多層膜を高い加工精度でもって形成することができる。
従って、吸収型多層膜の透過特性と反射特性が良好なマスク型NDフィルターを製造することが可能となる。
特に、本発明に係るNDフィルターの製造方法においては、長尺状の樹脂フィルム基板がロール・トウ・ロール方式で搬送される物理的気相成長装置を用いて、樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に吸収型多層膜を成膜しているため生産性に優れており、かつ、吸収型多層膜が成膜された長尺状の樹脂フィルム基板をカッティング処理してシート状の樹脂フィルム基板とし、このシート状の樹脂フィルム基板に対しドライレジストフィルムとフォトマスクを用いて高精度のレジストパターンを形成している。
従って、透過特性と反射特性が良好でかつパターニング精度も良好な吸収型多層膜を複数有するマスク型NDフィルターを生産性よく製造することが可能となる。
図1(A)〜(F)は本発明に係るNDフィルターの製造方法の概略工程を示す説明図。 長尺状樹脂フィルム基板がロール・トウ・ロール方式で搬送される物理的気相成長装置の概略構成を示す説明図。 図3(A)は実施例に係る吸収型多層膜NDフィルターの分光透過率を示すグラフ図、図3(B)は実施例に係る吸収型多層膜NDフィルターの分光反射率を示すグラフ図。 実施例で用いられたフォトマスクのパターンを示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、樹脂フィルム基板の少なくとも片面にパターニングされた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルター(すなわち、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して設けられた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルターであり、上述したようにマスク型NDフィルターと称する場合がある)に係り、特に、パターニングされた吸収型多層膜の透過特性と反射特性が良好なマスク型NDフィルターに関する。
尚、このマスク型NDフィルターは、複数の吸収型多層膜が配列された各吸収型多層膜の間隙から露出する樹脂フィルム基板を裁断して複数個のNDフィルターチップを得、このNDフィルターチップを上述したデジタルカメラ等に組み込んで利用される。
そして、本発明に係るマスク型NDフィルターの製造方法は、上記樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に成膜された吸収型多層膜に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって吸収型多層膜の一部を削り取り、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介し複数の吸収型多層膜を形成することを特徴とする。
(1)マスク型NDフィルター
まず、マスク型NDフィルターは、樹脂フィルム基板とこの樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介し設けられた複数の吸収型多層膜とで構成され、上記吸収型多層膜は、物理的気相成長法により樹脂フィルム基板上に交互に成膜された酸化物誘電体膜層と吸収膜層の多層膜で構成される。
そして、上記酸化物誘電体膜層は、SiCおよび/またはSiを主成分とする成膜材料を原料として成膜されたSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)膜若しくはSiO膜で構成されることが好ましく、上記吸収膜層は、NiまたはNi合金から成る成膜材料を原料としかつ酸素の導入を絶って成膜された金属膜で構成されることが好ましく、また、上記吸収膜層の各膜厚が2〜10nm、酸化物誘電体膜層の各膜厚は10〜100nmであることが好ましい。
上記吸収膜層の膜厚が2nm未満の場合、金属膜が島状成長(アイランド成長)となってしまい、光学的に均一な膜にならないことがある。他方、吸収膜層の膜厚が10nmを超えた場合、吸収型多層膜NDフィルターの透過率が5%未満になってしまい、透過率が低すぎて吸収型多層膜NDフィルターとして適さなくなることがある。従って、上記吸収膜層の各膜厚は2〜10nmの範囲が好ましい。
また、上記酸化物誘電体膜層のいずれかの膜厚が10nm未満の場合、光学薄膜としての寄与が少なくなるばかりか膜厚制御が困難となることがある。また、NDフィルターが高温高湿の環境下に晒された場合に、吸収膜層の酸化により透過率が増加する現象を抑制することが難しくなるからである。他方、酸化物誘電体膜層の各膜厚が100nmを越えた場合、このような厚い膜は可視波長域の光学薄膜の設計において必要がなくまた生産効率の上でも好ましくない。
また、上記物理的気相成長法としては、真空蒸着法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。また、吸収膜層を構成する金属材料としては、上述したNi若しくはNi合金に加えて、Ti、Cr、Ta、Nd等の金属若しくはその合金も考えられるが、Ti、Cr、Ta、Nd等の金属若しくはその合金と比較して上記Ni若しくはNi合金は酸化され難い金属であるため、Ti、Cr、Ta、Nd等の金属若しくはその合金より、Ni若しくはNi合金の適用が好ましい。
ところで、成膜時に意図的に酸素の導入を行わずに成膜した金属膜は、成膜時に意図的に酸素導入を行って成膜された酸素欠損による吸収を有するTiOxやTaOx等の金属酸化物膜と比較して消衰係数が高くなる。そして、フレキシブル性を有する樹脂フィルム基板に酸化物誘電体膜層と吸収膜層とを交互に積層させて吸収型多層膜を成膜する場合、樹脂フィルム基板の反り、膜の割れ、成膜時間等を考慮すると、上述したように消衰係数の高い金属膜を採用した方が有利である。但し、一般に、金属膜は容易に酸化が進行して消衰係数が低下し、NDフィルターの透過率が高くなってしまうことが知られている。しかし、酸化され難い金属である上記Ni若しくはNi合金を適用することにより回避することが可能となる。
尚、上記金属膜層は、上述したように酸素ガスの導入を停止した物理的気相成長法により成膜されるが、後述する酸化物誘電体膜層の成膜に起因して物理的気相成長装置内に僅かに残留する酸素ガスにより僅かに酸化される場合がある。しかし、酸素欠損による吸収を有する上述のTiOxやTaOx等の金属酸化物膜と較べて成膜時における酸化の程度は極めて低い。
そして、NiまたはNi合金から成る成膜材料を原料としかつ酸素の導入を絶って成膜された金属膜で構成された吸収膜層に隣接する上記酸化物誘電体膜層について、SiCおよび/またはSiを主成分とする成膜材料を原料として用い、物理的気相成長法により成膜された酸化物誘電体膜で構成することにより、上記金属膜の酸化を抑制することができる。更に、酸化物誘電体膜層とNiまたはNi合金から成る金属膜層の組み合わせにより、(最大透過率−最小透過率)/平均透過率波長で表した可視波長域(400nm〜700nm)における吸収型多層膜NDフィルターの透過率均一性について、従来得られなかった10%以下という極めて高いレベルにすることができる。
すなわち、上記酸化物誘電体膜層は、SiCおよび/またはSiを主成分とする成膜材料を原料として用い、酸素ガスの導入量を制御しかつ極力制限した条件下で物理的気相成長法により成膜する。これにより、SiO膜または炭素Cが残留した組成の酸化物誘電体膜、すなわち、SiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)膜あるいはSiO膜が得られる。この方法により得られる酸化物誘電体膜は、波長550nmにおける消衰係数が0.005〜0.05であるSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)膜である。尚、SiO膜は波長550nmにおける消衰係数がほぼゼロである。酸化物誘電体膜層を構成する上記SiCyOx膜において、xが1.5以下では消衰係数が0.05より高くなり、NDフィルターの透過率の均一性を向上させる効果が極端に低下してしまう。また、SiCyOx膜の成膜中に炭素Cを導入していないので膜中の炭素CはSiCターゲットに起因するものである。従って、酸素導入量が少なくSiCyOx膜が完全に酸化しなかった場合、すなわちSiO膜ではない場合、SiCyOx膜中に炭素Cが残留するが、ほとんどの炭素Cは真空中で排気されてしまうため、最終的にyは0.1以下(但し、y=0ではない)となる。
また、NDフィルターの吸収型多層膜において、吸収膜層を構成する金属膜層の酸化を防ぐため、吸収型多層膜の最外層は酸化物誘電体膜層とすることが好ましい。また、樹脂フィルム基板から吸収型多層膜への酸素の供給を抑制するため、樹脂フィルム基板と接する吸収型多層膜の膜も酸化物誘電体膜層とすることが好ましい。更に、吸収型多層膜の積層数は、透過率等の光学特性からみて片面において5層構造であることが好ましい。
次に、上記吸収膜層の成膜材料としてNi合金を用いる場合、例えば、添加元素としてWを用い、Wの添加割合が18〜32重量%であるW−Ni合金を用いると、成膜材料のターゲットとしてのNi金属が有している強磁性特性を極端に弱めることができるため、単純な構造の直流マグネトロンスパッタリング法により、磁力の低い通常のマグネットを配置したカソードで成膜を行うことが可能となる。また、ターゲットによる磁界の遮蔽能力が低いため、ターゲット消耗に依存するプラズマ空間の漏洩磁界の変化も小さく、一定の成膜速度を維持でき、安定して成膜できる好ましい特性を有する。
すなわち、純Niは強磁性体であるため、Niターゲットを用いた直流マグネトロンスパッタリング法で金属膜を成膜する場合、ターゲット裏側に配置したマグネットからの磁力がNiターゲットで遮蔽されて表面に漏洩する磁界が弱くなり、プラズマを集中させて効率よく成膜することが難しくなる。これを回避するためには、マグネットの磁力を強く(例えば400ガウス以上)したカソード(強磁場カソード)を用い、Niターゲットを通過する磁界を強めてスパッタリング成膜を行う方法がある。しかし、このような方法を採った場合でも、以下に述べるような別の問題が生ずることがある。すなわち、Niターゲットの連続使用に伴ってターゲットの厚みが減少していくと、ターゲットの厚みが薄くなった部分ではプラズマ空間の漏洩磁界が強くなっていく。そして、プラズマ空間の漏洩磁界が強くなると、放電特性(放電電圧、放電電流等)が変化して成膜速度が変化する。その結果、特性の揃った吸収型多層膜NDフィルターを安定して生産することが難しくなるという問題を有していた。
このような問題に対して、Wの添加割合が18〜32重量%であるNiとWの合金からなる成膜材料のターゲットを用いると、Niターゲットの強磁性特性を極端に弱めることができ、磁力の低い通常のマグネットを配置したカソードでも、直流マグネトロンスパッタリング法で成膜することが可能となる。また、ターゲットによる磁界の遮蔽能力が低くなるため、ターゲット消耗に依存するプラズマ空間の漏洩磁界の変化も小さくなり、一定の成膜速度を維持しながら連続的に安定して成膜することができる。ここで、吸収膜層の成膜材料であるW−Ni合金中のWの添加割合を18重量%以上としているのは、Niターゲットの強磁性特性を極端に弱めることができるからである。しかし、Wの添加割合が32重量%を超えると、Wの含有量が増えすぎるため、多量の金属間化合物を形成してNi本来の光学定数から外れてしまうことが考えられるからである。
尚、酸化物誘電体膜層がSiCyOx膜で構成され、かつ、吸収膜層がNi−W膜で構成された吸収型多層膜NDフィルターについて、温度90℃、相対湿度80%の環境下に24時間放置する環境試験を行ったが、吸収膜層がNi−W膜で構成された吸収型多層膜NDフィルターは透過率の変化が少ないことが確認されている。これは、吸収膜層を構成するNi−W膜が酸化され難いためであると考えられる。
ところで、NDフィルターの膜構成を設計するためには、酸化物誘電体膜層と吸収膜層の光学定数(屈折率、消衰係数)を知らなければならない。上述したように吸収膜層に使用する金属を原料とする膜は、成膜後大気に曝されたときから酸化が進行するので、吸収膜層(単層)のみで測定した光学定数と、NDフィルターを構成したときの光学定数の測定値が大きく異なる場合がある。そこで、NDフィルターを構成した状態で、酸化物誘電体膜層と吸収膜層の光学定数を測定し、得られた光学定数をもとに、もう一度NDフィルターの膜構成を再設計することを繰り返して、最適な膜構成を求めることが理想的である。尚、光学定数を測定する方法には、分光エリプソメトリー法と分光干渉法がある。
次に、本発明に係るマスク型NDフィルターにおいて、基板を構成する樹脂フィルムの材質は特に限定されないが、透明であるものが好ましく、量産性を考慮した場合、後述する乾式のスパッタリングロールコーティングが可能となるフレキシブル基板であることが好ましい。フレキシブル基板は、従来のガラス基板等に比べて廉価・軽量・変形性に富むといった点においても優れている。フレキシブル基板を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、およびノルボルネン等の樹脂材料から選択された樹脂フィルムがある。これらの樹脂フィルムは、単体であっても良いし、樹脂フィルムの片面または両面をアクリル系有機膜で覆った複合体であっても良い。尚、ノルボルネン樹脂材料については、代表的なものとして、日本ゼオン社から市販されているゼオノア(商品名)およびJSR社から市販されているアートン(商品名)等が挙げられる。
(2)マスク型NDフィルターの製造方法
本発明に係るマスク型NDフィルターの製造方法は、上述したように樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に一様に成膜された吸収型多層膜に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって吸収型多層膜の一部を削り取り、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介し複数の吸収型多層膜を形成することを特徴とするものである。
そして、マスク型NDフィルターの製造方法をより具体的に説明すると、この方法は、 長尺状樹脂フィルム基板がロール・トウ・ロール方式で搬送される物理的気相成長装置を用いて、長尺状樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に吸収型多層膜を成膜する成膜工程と、
少なくとも片面全面に吸収型多層膜が成膜された長尺状樹脂フィルム基板をカッティング処理して、少なくとも片面全面に吸収型多層膜が成膜されたシート状の樹脂フィルム基板を得るカッティング工程と、
一方の面にドライレジストベースフィルムが貼り付けられかつ他方の面にドライレジストカバーフィルムが貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストカバーフィルムを剥離して、上記シート状樹脂フィルム基板の吸収型多層膜にドライレジストフィルムを貼り付けるドライレジストフィルム貼り付け工程と、
上記吸収型多層膜に貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストベースフィルム面にフォトマスクを密着させて露光処理を行う露光処理工程と、
上記フォトマスクを外しかつドライレジストベースフィルムを剥離した後、露光された部位以外のドライレジストフィルムを現像処理して除去する現像工程と、
残留するドライレジストフィルムにより部分的に被覆された吸収型多層膜に対しサンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって、上記ドライレジストフィルムから露出する吸収型多層膜を削り取るサンドブラスト工程と、
残留するドライレジストフィルムを除去して樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して複数の吸収型多層膜を形成するドライレジストフィルム除去工程、
を具備することを特徴とする。
以下、マスク型NDフィルターの製造方法について工程ごと説明する。
(1−1)成膜工程
長尺状の樹脂フィルム基板がロール・トウ・ロール方式で搬送される物理的気相成長装置(例えば、図2に示すスパッタリングロールコーター装置)を用いて、長尺状の樹脂フィルム基板の例えば両面全面に吸収型多層膜を一様に成膜して吸収型多層膜NDフィルターを製造する。
尚、ロール・トウ・ロール方式の物理的気相成長装置(スパッタリングロールコーター装置)を用いて吸収型多層膜が形成されているため生産性に極めて優れ、かつ、上記特許文献4に記載されたマスク基材等を介さずに吸収型多層膜が成膜されているため良好な透過特性と反射特性を具備している。
(1−2)カッティング工程
両面全面に吸収型多層膜が一様に成膜された長尺状の樹脂フィルム基板をカッティング処理して、両面全面に吸収型多層膜が一様に成膜されたシート状の樹脂フィルム基板を得る。
尚、長尺状の樹脂フィルム基板がカッティング処理されてシート状の樹脂フィルム基板になっているため、一方の面にドライレジストベースフィルムが貼り付けられ他方の面にドライレジストカバーフィルムが貼り付けられたドライレジストフィルムを簡便かつ確実に貼り付けることが可能となる。
(1−3)ドライレジストフィルム貼り付け工程
一方の面にドライレジストベースフィルムが貼り付けられ他方の面にドライレジストカバーフィルムが貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストカバーフィルムを剥離して、上記シート状樹脂フィルム基板の吸収型多層膜にドライレジストフィルムを貼り付ける。
すなわち、図1(A)に示すようにその両面全面に吸収型多層膜30が一様に成膜されたシート状樹脂フィルム基板31の吸収型多層膜30面に対し、一方の面にドライレジストベースフィルム41が貼り付けられ他方の面にドライレジストカバーフィルム42が貼り付けられたドライレジストフィルム40のドライレジストカバーフィルム42を剥離して貼り付ける。
ここで用いるドライレジストフィルム40は、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理の際、その衝撃を吸収してドライレジストフィルム40の下側に存在する吸収型多層膜30を保護する能力を有している必要がある。通常は、厚み10〜200μmのフォトレジストフィルムの感光性樹脂組成物からなっていることが多く、フォトレジストフィルムの感光性樹脂組成物として、典型的には、ベースポリマー、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤からなるものが用いられる。上記ベースポリマーとしては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられ、これらの中では(メタ)アクリルレートを主成分とし、必要に応じてエチレン性不飽和カルボン酸や他の共重合可能なモノマーを共重合したアクリル系共重合体が重要である。アセトアセチル基含有アクリル系共重合体を用いることもできる。
(1−4)露光処理工程
上記吸収型多層膜に貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストベースフィルム面にフォトマスクを密着させて露光処理を行う。
すなわち、図1(B)に示すように吸収型多層膜30に貼り付けられたドライレジストフィルム40のドライレジストベースフィルム41面上にパターンが描かれたフォトマスク50を密着させ、かつ、平行光線で露光させて露光部分の感光性を有するドライレジストフィルム40を光硬化させる。
尚、NDフィルターチップをカメラに搭載する場合、NDフィルターチップの吸収型多層膜は、レンズ等の開口に合わせて直径1〜20mm程度の円形となっていることが多いため、上記フォトマスク50もこの形状に合わせ、例えば、直径10mm程度の円孔を有していればよい(図4参照)。また、フォトマスク50の材質は、1:1の転写(フォトマスクパターンと同一寸法のレジストパターンを転写)であれば、10μm程度の誤差まで許容されるため、一般的に使用されるガラス上にクロム蒸着膜を形成しエッチング加工を施したフォトマスク以外でも、遮光性があれば、例えば、メタルプレートにプレス加工、エッチング加工、レーザーカットによって加工したもの等でもフォトマスクとして使用することができる。
(1−5)現像工程
上記フォトマスクを外しかつドライレジストベースフィルムを剥離した後、露光された部位以外のドライレジストフィルムを現像処理して除去する。
すなわち、図1(C)に示すようにフォトマスク50を外してドライレジストベースフィルム41を剥離し、かつ、図1(D)に示すように露光された部位以外のドライレジストフィルム40をアルカリ溶液で現像処理して除去する。そして、残留する硬化したドライレジストフィルム40の感光層がサンドブラスト(ショットブラストを含む)処理のマスクとして機能する。一般に、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理は、ガラス、シリコン、セラミックス等の硬脆材料に対して加工の能力を有しているが、衝撃を吸収するドライレジストフィルム等の樹脂材料に対しては加工能力が著しく低いため、残留するドライレジストフィルム40の感光層はマスクとして機能する。
そして、光学濃度を有する上記吸収型多層膜30は、大半が硬脆材料ある無機酸化膜で構成されているため、サンドブラスト(ショットブラストを含む)による膜の削り取りに関しては比較的効率よく加工が進む。しかし、吸収型多層膜30が除去された樹脂フィルム基板31については、上記ドライレジストフィルム40と同様に衝撃を吸収する材料であるため、削り取り加工が進まずに自己制御の効果が現れる。
尚、ここで用いられる現像処理液としてのアルカリ溶液は弱アルカリが利用され、例えば、0.5〜1.0%の炭酸ナトリウム水溶液が使用される。一般的には、1.0%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、レジスト膜厚に応じて20秒〜300秒程度の処理によって、露光していない部分の除去が行なわれる。
(1−6)サンドブラスト工程
残留するドライレジストフィルムにより部分的に被覆された吸収型多層膜に対しサンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって、上記ドライレジストフィルムから露出する吸収型多層膜を削り取る。
すなわち、図1(E)に示すようにドライレジストフィルム40により部分的に被覆された吸収型多層膜30に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって、上記ドライレジストフィルム40から露出する吸収型多層膜30を削り取る。
吹き付けるブラスト材料としては、ガラスビーズ、アルミナサンド等の研磨剤粒子が用いられるが、加工速度とサンドブラスト(ショットブラストを含む)処理後の樹脂フィルム基板31の表面仕上がりの観点から、平均粒径が10〜20μm程度の球形粒子を用いることが好ましい。粒径が大きすぎる場合、加工後における樹脂フィルム基板31のダメージが大きくなり、平均粒径が上記よりも小さい場合は加工処理能力が低下する。また、形状が球状からはずれ、針状成分を含むと、樹脂フィルム基板31中にこの研磨剤成分が残留してしまう可能性がある。
尚、ブラスト材料として砂粒を用い、表面研磨の意味合いが強い加工方法を一般にサンドブラストと称しているのに対し、ブラスト材料として金属粒子(ショット)が用いられる加工方法(ショットブラスト)は、従来、表面ひずみを発生させて強度を上げるための手法との意味合いが強かったが、最近ではサンドブラストとの差がなくなってきており、本発明においてはショットブラストをサンドブラストに含ませる扱いとしている。
また、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理後、よく洗浄して、削り取られた吸収型多層膜の材料、ブラスト材料を取り除いておく必要がある。
(1−7)ドライレジストフィルム除去工程
残留するドライレジストフィルムを除去して樹脂フィルム基板の両面に互いに間隔を介して複数の吸収型多層膜を形成する。
すなわち、図1(F)に示すように強アルカリ溶液を用いて残留するドライレジストフィルム(マスク部)を除去し、マスクパターンの下側に存在した吸収型多層膜30が残ったマスク型NDフィルターが得られる。
ここで、用いられる強アルカリ溶液は、例えば、1.5〜5.0%の水酸化ナトリウム水溶液が用いられる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
尚、図2は、実施例において用いられたロール・トウ・ロール方式の物理的気相成長装置(スパッタリングロールコーター装置)の概略構成を示す説明図である。
すなわち、この物理的気相成長装置(スパッタリングロールコーター装置)は、図2に示すように真空ポンプ(図示せず)を備えたスパッタリング室12と、このスパッタリング室12内に設けられ長尺状の樹脂フィルム基板13の巻取りと巻出しをする第一ロール1並びに第二ロール2と、第一ロール1と第二ロール2間の搬送路中に設けられ長尺状の樹脂フィルム基板13が巻き付けられる水冷キャンロール3と、上記第一ロール1と水冷キャンロール3との間並びに第二ロール2と水冷キャンロール3との間に設けられた四つのガイドロール8、9、10、11とを備えており、かつ、第一ロール1と第二ロール2はパウダークラッチにより張力バランスが保たれている。また、水冷キャンロール3の回転により長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送方向が決められるようになっており、本明細書においては、長尺状の樹脂フィルム基板13が第一ロール1から第二ロール2側に巻き取られる水冷キャンロール3の回転方向を正転方向、第二ロール2から第一ロール1側に巻き取られる水冷キャンロール3の回転方向を逆転方向と定義している。
また、上記スパッタリング室12内には、水冷キャンロール3の外周面に沿ってスパッタリングカソード(デュアルマグネトロンスパッタリングカソード)71とスパッタリングカソード72が配置されており、一方のスパッタリングカソード71には酸化物誘電体膜層(例えばSiO膜層)を形成するための図示外のターゲットが取り付けられ、他方のスパッタリングカソード72には金属吸収膜層(例えばNi合金層)を形成するためのターゲット(図示せず)が取り付けられている。
そして、長尺状の樹脂フィルム基板13が第一ロール1から第二ロール2側に巻き取られる正転搬送時に、水冷キャンロール3外周面に沿って搬送される長尺状の樹脂フィルム基板13に対し一方のスパッタリングカソード71により酸化物誘電体膜層(例えばSiO膜層)を成膜しながら第二ロール2により長尺状の樹脂フィルム基板13を巻き取った後、水冷キャンロール3の回転方向を反転させて長尺状の樹脂フィルム基板13の逆転搬送時に、水冷キャンロール3外周面に沿って搬送される長尺状の樹脂フィルム基板13に対し他方のスパッタリングカソード72により吸収膜層(例えばNi合金層)を成膜しながら第一ロール1により巻取り、以下、これ等工程を繰り返して酸化物誘電体膜層と吸収膜層が交互に積層された吸収型多層膜を長尺状の樹脂フィルム基板13の片面に形成することができる。尚、吸収型多層膜の膜厚制御は長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を制御することで行うことができる。
[実施例1]
はじめに、波長400〜700nmにおける平均透過率が6.3%である吸収型多層膜NDフィルター(多層膜の膜構造は表1参照)を製造した。平均透過率が6.3%である吸収型多層膜NDフィルターの分光透過率と分光反射率を図3(A)〜(B)に示す。
尚、樹脂フィルム(フィルム厚さ100μmのPETフィルム)基板の透過特性も含め、上記吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性は自記分光光度計(日本分光社製 V570)を用いて測定した。
Figure 0005087797
吸収型多層膜を構成する酸化物誘電体膜層と吸収膜層の成膜には、図2に示したロール・トウ・ロール方式の物理的気相成長装置(スパッタリングロールコーター装置)を用い、吸収膜層を成膜するためのターゲットにはNi−19重量%W合金ターゲット[住友金属鉱山(株)社製のW添加割合が19重量%であるW−Ni合金ターゲット]を用い、酸化物誘電体膜であるSiOを成膜するためのターゲットとしてSiターゲット[住友金属鉱山(株)社製]を用いた。また、W−Ni合金ターゲットはArガスを導入するDCマグネトロンスパッタリングにより成膜され、一方、SiターゲットはArガスを導入するデュアルマグネトロンスパッタリングにより成膜され、SiからSiOを成膜するためにインピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
ここで、デュアルマグネトロンスパッタリングとは、絶縁膜を高速成膜するため2つのターゲットに中周波(40kHz)パルスを交互に印加してアーキングの発生を抑制し、ターゲット表面の絶縁層の形成を防ぐスパッタリング方法である。また、インピーダンスモニターは、酸素導入量によってターゲット電極間のインピーダンスが変化する現象を応用し、形成する膜が金属モードと酸化物モードの間の遷移領域にある所望のモードの膜となるように酸素導入量を制御かつモニターして、酸化物誘電体膜層を高速成膜するために使用される。
尚、上記成膜法による膜厚は、樹脂フィルム基板の搬送速度とスパッタリング電力により決定されるが、酸化物誘電体膜層における成膜時のスパッタ電力を2kW、吸収膜層における成膜時のスパッタ電力を1kWに固定し、目的の物理的膜厚になるように樹脂フィルム基板の搬送速度を調整した。樹脂フィルム(PETフィルム)基板の片面に、表1に示す膜構造となるように5層成膜した後、フィルムを裏返してセットし、他方の面にも同様に表1に示す膜構造となるように5層成膜を行った。
具体的には、以下の手順により吸収型多層膜の成膜を行った。
[成膜工程]
1)図2に示すロール・トウ・ロール方式の物理的気相成長装置(スパッタリングロールコーター装置)のスパッタリング室12を1×10−4Pa程度まで排気した。
2)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.38m/minに調整して、第一ロール1から第二ロール2へ向け長尺状の樹脂フィルム基板13を正転方向に搬送した。
3)Siターゲットが取付けられたスパッタリングカソード71側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力2kWにてSiOの成膜を行った。また、インピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
4)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.94m/minに調節し逆転方向に搬送した。
5)Ni合金ターゲット(W−Ni合金ターゲット)が取付けられたスパッタリングカソード72側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力1kWにてNi合金膜層の成膜を行った。
6)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.11m/minに調整して正転方向に搬送した。
7)Siターゲットが取付けられたスパッタリングカソード71側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力2kWにてSiOの成膜を行った。また、インピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
8)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.94m/minに調節し逆転方向に搬送した。
9)Ni合金ターゲット(W−Ni合金ターゲット)が取付けられたスパッタリングカソード72側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力1kWにてNi合金膜層の成膜を行った。
10)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.12m/minに調整して正転方向に搬送した。
11)Siターゲットが取付けられたスパッタリングカソード71側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力2kWにてSiOの成膜を行った。また、インピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
12)片面(表面)の成膜が完了した長尺状の樹脂フィルム基板13を取り出すと共に、表裏を反転させて第一ロール1にセットし、上記1)〜11)の工程を繰り返して長尺状の樹脂フィルム基板13の裏面にも吸収型多層膜を形成した。
13)表裏両面に吸収型多層膜が形成された長尺状の樹脂フィルム基板13をスパッタリング室から取り出した。
[カッティング工程からドライレジストフィルム除去工程]
次に、両面に吸収型多層膜が形成された長尺状の樹脂フィルム基板13を303mm×200mmのサイズにカットしてシート状の樹脂フィルム基板を得、かつ、シート状樹脂フィルム基板の両面側に対して、同サイズで厚さ50μmのドライレジストフィルムを貼り付けた後、ドライレジストフィルムのドライレジストベースフィルム上にフォトマスクを合わせ、平行光としたキセノンランプよりの光をフィルムに照射し露光を行った。尚、フォトマスクとしては、図4に示すように10mmφの円形パターンが複数開孔されたマスクを使用した。
次に、上記ドライレジストベースフィルムを剥離し、かつ、1.0%の炭酸ナトリウム水溶液内で現像処理を行い、部分的にドライレジストフィルムが残留する(レジストマスク)NDフィルターを得た。
次に、ドライレジストフィルムが部分的に残留する(レジストマスク)NDフィルターに対し、アルミナサンドWA#800(中心粒径14μm)を用いて0.2MPaのサンド照射を行い、サンドブラスト加工を実施した。
次いで、サンドブラスト加工されたNDフィルターを、5.0%の水酸化ナトリウム水溶液内に入れ、部分的に残留するレジストを溶解かつ除去した。これにより、最終的にマスク型NDフィルターを得ることが出来た。
尚、完成したマスク型NDフィルターの吸収型多層膜については、サンドブラスト加工中、レジストに保護されており、サンドブラスト加工による傷の発生は無かった。また、吸収型多層膜が削り取られた樹脂フィルム基板の表面粗さRzは3μm以下で、フィルムのダメージも少ない状況と考えられ、実用可能な加工方法であることが確認できた。更に、樹脂フィルム基板の表面ついては、上述した可動部分(ソレノイドや可動絞り羽根等)への融着、接着についても有効な表面粗さであることが判った。
[実施例2]
実施例1のSiターゲットに代え、酸化物誘電体膜層のターゲットとしてSiCにSiが添加されたターゲットを用いてSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)膜を成膜した点を除き実施例1と同様の方法によりマスク型NDフィルターを製造した。
以下、成膜工程について具体的に記載する。
[成膜工程]
1)図2に示すロール・トウ・ロール方式の物理的気相成長装置(スパッタリングロールコーター装置)のスパッタリング室12を1×10−4Pa程度まで排気した。
2)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を1.50m/minに調整して、第一ロール1から第二ロール2へ向け長尺状の樹脂フィルム基板13を正転方向に搬送した。
3)SiCにSiが添加されたターゲットが取付けられたスパッタリングカソード71側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力7.5kWにてSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)の成膜を行った。また、インピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
4)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.94m/minに調節し逆転方向に搬送した。
5)Ni合金ターゲット(W−Ni合金ターゲット)が取付けられたスパッタリングカソード72側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力1kWにてNi合金膜層の成膜を行った。
6)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.43m/minに調整して正転方向に搬送した。
7)SiCにSiが添加されたターゲットが取付けられたスパッタリングカソード71側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力7.5kWにてSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)の成膜を行った。また、インピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
8)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.94m/minに調節し逆転方向に搬送した。
9)Ni合金ターゲット(W−Ni合金ターゲット)が取付けられたスパッタリングカソード72側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力1kWにてNi合金膜層の成膜を行った。
10)長尺状の樹脂フィルム基板13の搬送速度を0.46m/minに調整して正転方向に搬送した。
11)SiCにSiが添加されたターゲットが取付けられたスパッタリングカソード71側にArガスを100sccm導入し、スパッタ出力7.5kWにてSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)の成膜を行った。また、インピーダンスモニターにより酸素導入量を制御した。
12)片面(表面)の成膜が完了した長尺状の樹脂フィルム基板13を取り出すと共に、表裏を反転させて第一ロール1にセットし、上記1)〜11)の工程を繰り返して長尺状の樹脂フィルム基板13の裏面にも吸収型多層膜を形成した。
13)表裏両面に吸収型多層膜が形成された長尺状の樹脂フィルム基板13をスパッタリング室から取り出した。
本発明に係るマスク型NDフィルターの製造方法は生産性に優れ、かつ、マスク型NDフィルターから求められるNDフィルターチップの金属板や樹脂板に対する接合性にも優れているため、小型で薄型のデジタルカメラやカメラ付携帯電話等に用いられる産業上の利用可能性を有している。
1 第一ロール
2 第二ロール
3 水冷キャンロール
8 ガイドロール
9 ガイドロール
10 ガイドロール
11 ガイドロール
12 スパッタリング室
13 長尺状樹脂フィルム基板
30 吸収型多層膜
31 シート状樹脂フィルム基板
40 ドライレジストフィルム
41 ドライレジストベースフィルム
42 ドライレジストカバーフィルム
50 フォトマスク
71 スパッタリングカソード(デュアルマグネトロンスパッタリングカソード)
72 スパッタリングカソード

Claims (5)

  1. 樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に成膜された吸収型多層膜に対し、サンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって吸収型多層膜の一部を削り取り、上記樹脂フィルム基板と、この樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して設けられた複数の吸収型多層膜を具備するNDフィルターを製造する方法において、
    長尺状樹脂フィルム基板がロール・トウ・ロール方式で搬送される物理的気相成長装置を用いて、長尺状樹脂フィルム基板の少なくとも片面全面に吸収型多層膜を成膜する成膜工程と、
    少なくとも片面全面に吸収型多層膜が成膜された長尺状樹脂フィルム基板をカッティング処理して、少なくとも片面全面に吸収型多層膜が成膜されたシート状の樹脂フィルム基板を得るカッティング工程と、
    一方の面にドライレジストベースフィルムが貼り付けられかつ他方の面にドライレジストカバーフィルムが貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストカバーフィルムを剥離して、上記シート状樹脂フィルム基板の吸収型多層膜にドライレジストフィルムを貼り付けるドライレジストフィルム貼り付け工程と、
    上記吸収型多層膜に貼り付けられたドライレジストフィルムのドライレジストベースフィルム面にフォトマスクを密着させて露光処理を行う露光処理工程と、
    上記フォトマスクを外しかつドライレジストベースフィルムを剥離した後、露光された部位以外のドライレジストフィルムを現像処理して除去する現像工程と、
    残留するドライレジストフィルムにより部分的に被覆された吸収型多層膜に対しサンドブラスト(ショットブラストを含む)処理を行なって、上記ドライレジストフィルムから露出する吸収型多層膜を削り取るサンドブラスト工程と、
    残留するドライレジストフィルムを除去して樹脂フィルム基板の少なくとも片面に互いに間隔を介して複数の吸収型多層膜を形成するドライレジストフィルム除去工程、
    を具備することを特徴とするNDフィルターの製造方法。
  2. 物理的気相成長法により酸化物誘電体膜層と吸収膜層が交互に積層されて成る多層膜にて上記吸収型多層膜が構成されていることを特徴とする請求項1に記載のNDフィルターの製造方法。
  3. SiCおよび/またはSiを主成分とする成膜材料を原料として成膜されたSiCyOx(但し、0<y≦0.1、1.5<x<2)膜若しくはSiO2膜により上記酸化物誘電体膜層が構成され、NiまたはNi合金から成る成膜材料を原料としかつ酸素の導入を絶って成膜された金属膜により上記吸収膜層が構成されると共に、上記吸収型多層膜の最外層が酸化物誘電体膜層で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のNDフィルターの製造方法。
  4. 上記吸収膜層の各膜厚が2〜10nm、酸化物誘電体膜層の各膜厚が10〜100nmに設定されていることを特徴とする請求項2または3に記載のNDフィルターの製造方法。
  5. 上記吸収型多層膜の樹脂フィルム基板と接する膜が酸化物誘電体膜層で構成され、かつ、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に設けられる上記吸収型多層膜が5層構造であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のNDフィルターの製造方法。
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