<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、本体枠2と、本体枠2にヒンジ結合されて開閉可能な前面枠3と、を備えて構成されている。本体枠2は、外枠(機枠)2aと、外枠2aにヒンジ結合されて開閉可能とし、遊技盤5を設けてなる中枠(内枠)2bと、を備えて構成されている。前面枠3は、遊技盤5の前方側に配置される透明なガラス部41と、ガラス部41の下方に配置されて、球受け皿44を設けた皿ユニット部43と、を備えて構成されている。皿ユニット部43には、遊技球を遊技盤5の遊技領域12に打ち出すために操作するハンドル48や皿球抜きボタン49、通路球抜きボタン50、演出ボタン51が配設されている。
遊技盤5の外縁側には、外側レール部9と内側レール部10とを有してなるレール部8が配設され、レール部8の内側の遊技領域12には、中央に配置された画像表示装置15を設けてなるセンター役物14や、その周囲に配置される図示しない釘、風車17、普通入賞口18、賞球の無い入賞口(ゲート)19、第1始動口20、第2始動口(電動チューリップ)21、大入賞口(アタッカー)22、アウト口23等の公知の部材が、配設されている。
このパチンコ遊技機1では、ハンドル48を操作すれば、皿ユニット部43の内部に設けられた球送り装置60の後述する送り部材70(図7参照)と、遊技盤5の下方に配置された発射装置30の発射杆32(図5,6参照)と、が連動するように作動されて、球受け皿44上の遊技球が、球送り装置60の送り部材70によって、1球ずつ、発射装置30の後述する発射レール35上に送られ、ついで、発射装置30の発射杆32が、発射レール35上の遊技球を、叩いて発射させることから、遊技球が、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されることとなる。
そして、遊技領域12に打ち出された遊技球は、普通入賞口18、ゲート19、第1始動口20、第2始動口21、大入賞口22、アウト口23のいずれかに入球する。この時、遊技球が、普通入賞口18、第1始動口20、開放時の第2始動口21や大入賞口22に入賞すれば、所定数の遊技球が球受け皿44上に払い出され、ゲート19を通過すれば、抽選により第2始動口21を所定時間若しくは所定回数開放させることとなる。また、遊技球が、第1始動口20や開放時の第2始動口21に入賞すれば、抽選により、大当たり、中当たり、小当たり等の当たりや外れが決定され、当たりとなれば、大入賞口22を、その当たりに応じて開放時間、開放回数、入賞個数等を制限して、開放することとなる。これらの作動や遊技フローは、公知のものであり、遊技盤5の背面側(後面側)に配置された図示しないメイン制御基板が、入賞時のセンシングに基づき、各種の作動信号を出力し、そして、メイン制御基板からの当たりや外れ等の抽選結果に基づいて、図示しないサブ制御基板が、所定数の遊技球を払い出したり、所定のランプ27やスピーカ28等を作動させつつ、所定の演出を画像表示装置15に表示することとなる。
このようなパチンコ遊技機1に対し、不正行為者は、可撓性を有した0.1〜0.3φ程度の細い釣り糸のような連結材Sを付けた遊技球Bを、通常の遊技球と同様に、球受け皿44から、ハンドル48を操作し、球送り装置60を経て、発射装置30に送り、発射装置30から遊技領域12へ打ち出す。その際、連結材Sの元部端側は、球受け皿44側に残しておく。そして、不正行為者は、その連結材Sの元部側を引張ったり繰出したりして、遊技球Bを操作し、遊技球Bを、賞球のある既述の入賞口18,20,21,22に入球させ、それらの入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の部位で、連結材Sを操作して、遊技球Bを往復移動させることにより、入賞スイッチ25を何回もオンさせて、賞球を得ようと、不正を働くこととなる。
発射装置30について説明すると、発射装置30は、図4〜6に示すように、前方側をカバー33に覆われた発射杆32と、発射通路34と、を備えて構成されている。発射杆32は、揺動中心部32aから放射状に延びる打球部32bとアーム部32cとを備え、揺動中心部32aが図示しないロータリソレノイドの通電によって回動されれば、発射杆32が、正面視で、打撃位置BPまで時計回り方向に回転し、発射通路34の発射レール35上にある遊技球Bを打球部32bによって叩き、ついで、ロータリソレノイドの通電停止により、発射杆32が、図示しない磁石の吸着力と自重とにより、反時計回り方向に回転して、原位置FPに復帰することとなる。なお、アーム部32cは、発射杆32の打撃位置BPと復帰位置(原位置)FPとへの配置を的確に行えるように、図示しない所定のストッパに当接して、発射杆32を一定位置に配置できるように、構成されるとともに、所定位置に配置される磁石に対応して、発射杆32の復帰時に吸着される部位、として形成されている。
発射通路34は、板金製として上面側をV字状に凹ませた発射レール35と、その周囲の下ガイドレール36及び上ガイドレール37と、を備えて構成され、さらに、後面側を、発射装置30のベース板31に囲われ、前面側を、前面枠3側の球送り装置60等の部材に囲われて、構成されている。
そのため、発射レール35上で打球部32bに叩かれた遊技球Bは、図5に示すように、発射通路34を上昇し、中枠2bに設けられた転動路2c等を経て、レール部8側に発射され、そして、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出される。
なお、レール部8の下方には、図2,5に示すように、前面枠3側に設けられた球案内樋部53が配設されている。この球案内樋部53は、発射装置30によって発射された遊技球Bが遊技領域12に打ち出されずにレール部8内を戻ってくる遊技球Bを、球受け皿44側に戻す戻し通路54を備えて構成され、外側レール部9の下端9aの下方に、戻し通路54の流入口54aを開口させている。さらに、球案内樋部53には、戻し通路54の後方側に配置されて、賞球や貸し出しで払い出される遊技球を、球受け皿44側に転動させる払出側通路55も、配設されている。図2に示す符号55aの部位は、払出側通路55の流入口である。さらに、図2に示す符号56は、発射通路34を上昇する遊技球を転動させる転動路56である。
そして、このパチンコ遊技機1では、図6〜10に示すように、球送り装置60に、第1実施形態の挟持部位PH1を設けている。
球送り装置60は、図2〜4に示すように、球受け皿44の遊技球Bの転動路45(図1参照)における終端(下端)の排出口46に連なるように、配設されている。なお、排出口46は、図3に示すように、前面枠3の後面に開口されており、その下縁側には、通路球抜きボタン50の操作により、スライドして、球送り装置60側ではなく、球受け皿44から下方に遊技球を排出するように開口するシャッタ47(図13参照)が、配設されている。
球送り装置60は、図7に示すように、ケース61、ソレノイド64、揺動プレート65、送り部材70、ガイドレール部材77、及び、挟持用部品90、を備えて構成され、ケース61は、相互に締結される前カバー62と後カバー63とを備えて構成されている。実施形態の場合、ケース61や挟持用部品90以外のソレノイド64等の部品は、前カバー62と後カバー63との少なくとも一方に組み付けられたり、あるいは、前カバー62と後カバー63との両者の締結時に、位置決めされるように、ケース61に組み付けられている。
ソレノイド64は、コ字形の支持プレート66に保持されて、通電時、揺動プレート65を吸着する。揺動プレート65は、上端を、支持プレート66に締結される引張りコイルばね67と連結させ、上下方向の中間の支持部65aを支持プレート66の係止片66a,66aに支持させている。そのため、揺動プレート65は、支持部65aを揺動中心として、ソレノイド64の通電により、先端部65bをソレノイド64側に接近させ、ソレノイド64の通電停止により、コイルばね67の付勢力により、先端部65bをソレノイド64から離すように、揺動する。
送り部材70は、図7,13に示すように、平面視としてU字状として、「U」の字の底部71に軸支部71aを配置させ、軸支部71aに、後カバー63に上下両端を支持される支持ピン68を挿通させることにより、支持ピン68を中心に、左右方向に揺動可能に配設されている。そして、送り部材70は、底部71の上面に、湾曲した半割り円筒状の突起74,75を突設させ、突起74,75間に、揺動プレート65の先端部65bを嵌め込んでいる。そのため、ソレノイド64の通電と通電停止とにより、揺動プレート65が左右に揺動すれば、送り部材70は、支持ピン68を中心として、左右に揺動する。
また、送り部材70は、底部71から左右両側の前方に延びる二つの規制杆部72,73を備え、規制杆部72,73の間に、1個分の遊技球Bを収納できる凹部70aを形成している。規制杆部72は、ソレノイド64の非通電時における揺動プレート65がソレノイド64から離れた位置に配置されている際、球受け皿44側の排出口46の後方を塞ぐ位置に、前面の受止面72aを配置させて、球受け皿44側の排出口46に位置する遊技球Bの球送り装置60側への流入を阻止している。そして、ソレノイド64の通電に伴って、揺動プレート65がソレノイド64に接近する方向に揺動すれば、規制杆部72が、右方に回転し、受止面72aを排出口46から右方にずらすため、排出口46に配置されていた遊技球Bが凹部70a内に進入する。ついで、ソレノイド64への通電停止により、コイルばね67の付勢力が作用して、揺動プレート65がソレノイド64から離れれば、規制杆部72が、排出口46を塞ぐように復帰する。そしてその際、規制杆部73は、下方側に延びるような厚さ寸法を小さくした板状として、かつ、その下方のガイドレール部材77の転動路79の底壁80が、左下がりに傾斜しているため、凹部70a内に収納していた遊技球Bは、規制杆部73の下方を潜り抜けるように、左下がりの転動路79の底壁80上を、左方に転動していくこととなる。そのため、ソレノイド64の1サイクル分の通電・通電停止により、送り部材70が1回分左右に揺動し、排出口46を経てガイドレール部材77の流入口78側に流入しようと待機していた遊技球Bが、1個ずつ、転動路79を経て、そして、転動路79の終端の流下口82を経て、発射装置30に送られることとなる。
ガイドレール部材77は、図6,7,11〜14に示すように、排出口46に連通するように、排出口46の後方に遊技球Bの流入口78を配置させ、そして、流入口78から遊技球Bを転動させるように転動路79を配設させている。転動路79の終端は、遊技球Bを落下させる流下口82としており、流下口82は、発射装置30の発射レール35の上面に遊技球を落下可能な位置に配置されている。
転動路79は、流入口78から左方に傾斜して下がり、さらに、斜め右後方側に反転するように、曲がりながら下がって、流下口82に向かうように配設されている。この転動路79は、底壁80と、転動路79の曲がる外周側に配置される側壁81と、を備えて構成されている。
そして、第1実施形態では、転動路79の右後方に反転するような反転部(曲がり部)79aにおける内側の通路面IF側に、すなわち、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、挟持用部品90を配設させている。この挟持用部品90は、図7〜13に示すように、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成されており、底壁80に固定する三角板状の取付座91と、ガイド壁92と、柱状部93と、を備えて構成されている。取付座91には、挟持用部品90を底壁80に取り付けるための取付孔91aと、底壁80の位置決め孔85に嵌合される位置決め突起91bと、が配設されている。なお、挟持用部品90を取り付ける際には、ねじ87が使用され、底壁80側には、ねじ87を螺着させる取付孔84が形成されている。
ガイド壁92は、取付座91の前縁側から上方に延びるように配設されて、送り部材70の規制杆部73の下方を潜り抜ける遊技球Bを、底壁80上で左方に転動させるように案内する。
柱状部93は、ガイド壁92の左端で三角柱状に、取付座91から上方に延びるように形成されている。そして、柱状部93の通路面IF側におけるコーナ部94には、上下に3つの溝部96(96A,96B,96C)が形成されている。
なお、この挟持用部品90は、各溝部96に、後述するように、案内部98と、一対の圧接部101,102からなる挟持本体部100と、を配設させており、そのため、三つの挟持部位PH1を設けて構成されている。
各溝部96は、遊技球Bの底壁80上を転動する移動方向に沿って、換言すれば、底壁80に沿って、前側から後下がりに延びるように、形成され、そして、それぞれ、開口端側の案内部98と、底部97側の挟持本体部100と、を備えて構成されている。各溝部96の形成される方向は、曲がった通路LRを通る遊技球Bの移動方向に沿って形成されており、連結材Sを付けた遊技球Bが、遊技球Bの転動する上流側の流入口78から、コーナ部94(反転部79a)を回るように底壁80上を転動して、下流側の流下口82に到達すれば、連結材Sは、流入口78から流下口82まで連なるように延びて、結果的に、連結材Sが遊技球Bの転動する移動方向と一致して延びる状態となる。そのため、緊張状態となる連結材Sは、溝部96に沿った状態で直線状となって、溝部96内の全域に進入し易くなる。
そして、案内部98は、溝部96の底部97から離れた開口端側(開口96aの端部側であり、実施形態では、左端側)に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを底部97側に案内可能に、底部97側にかけて、上下方向に沿った開口幅を狭めるように、構成されている。すなわち、実施形態の場合、案内部98の上下で対向する案内面98a,98bが、溝部96の開口96a側から底部97側にかけて、相互に接近するように形成されている。
挟持本体部100は、溝部96の底部97側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを挟持可能に構成されている。実施形態の場合、各挟持本体部100は、連結材Sの外周面SAおける略対向する対向部位CP1,CP2を圧接する一対の圧接部101,102を設けて構成されている(図9のB参照)。圧接部101は、挟持用部品90を形成する材料、実施形態では、ポリプロピレン等の合成樹脂自体から形成されて、そして、底部97において、上下方向に開口幅を広げた副溝部99が配設され、その副溝部99の案内部98側の対向面99aから構成されている。一方、圧接部102は、撓み可能な弾性体104から構成されている。
弾性体104は、横断面をC字形状として(図10参照)、各溝部96の底部97と交差するように、上下方向に沿って貫通する組付孔95に、嵌合されている。この弾性体104は、ゴムや板金等の復元可能に変形するものであり、弾性体104の左縁104a側の先端の弾性片部105のリップ部105aを、圧接部101側に押圧させて、圧接部102を構成している。すなわち、実施形態の場合、圧接部102は、付勢手段自体を構成する弾性体104自体から構成されている。
なお、実施形態の場合、上部側の二つの溝部96A,96Bは、下方側に延びる副溝部99を一つだけ配設させて、下端の溝部96Cは、上下両側に延びるように、副溝部99を配設させている。
また、実施形態の場合、弾性体104は、先端側の弾性片部105を、各溝部96の形成方向と略直交方向で交差する方向、換言すれば、曲がった通路LRの通路面IFを転動する遊技球Bの移動方向と略直交するように、実施形態では、上下方向に沿うように配置させ、さらに、底部97から開口96a側に向けるように、コーナ部94の曲率中心側からコーナ部94の頂部94aに向かって、配置させて、副溝部99の対向面99aからなる圧接部101に、湾曲させつつ圧接させている。なお、実施形態における弾性片部105の湾曲させた先端のリップ部105aは、湾曲する方向を、挟持する連結材Sの部位から遊技球Bに連なる方向、図例の場合には、後方としている。
さらに、これらの圧接部101,102(弾性片部105)の配置位置は、各溝部96の開口96aの周縁が、遊技球Bを受け止めるカバー部107となって、各溝部96の開口96aの周縁に遊技球Bが当たっても、圧接部101,102(弾性片部105)に遊技球Bが接触しない位置としている。すなわち、実施形態の場合、撓み易い弾性片部105が、カバー部107に覆われるように、溝部96の形成方向に沿った方向における中間位置で、すなわち、溝部96の前方側から斜め右下後方向に延びる方向に沿った溝部96の中間位置で、底部97側からコーナ部94の頂部94a側へ向かうように、配置されている。
この第1実施形態の挟持部位PH1を設けた球送り装置60では、不正行為者が、ハンドル48を操作して、連結材Sを付けた遊技球Bを、球受け皿44の転動路45と排出口46と経て、球送り装置60に流入させ、さらに、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出そうとする際、その球送り装置60の部位では、図11〜13に示すような挙動となる。
すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、送り部材70の左右の揺動により、排出口46から流入口78を経て、ガイドレール部材77の転動路79に流入して、規制杆部73の下方を潜り抜けて、挟持用部品90付近に到達する(図11のA〜C、図13のAの二点鎖線参照)。その後、遊技球Bは、さらに転動して、反転部79aを通過して、流下口82から発射装置30の発射レール35上に流下しようとする(図12のA,B、図13のBの実線参照)。
その際、遊技球Bに連結された連結材Sが、緊張状態で、挟持部位PH1を構成しているいずれかの溝部96内に進入すれば、開口端側の案内部98の案内面98a,99aに案内されて、挟持本体部100まで滑り、そして、図9のCや図10のA,Bに示すように、挟持本体部100の圧接部101,102に挟まれるように挟持され、連結材Sの移動が停止される。
なお、連結材Sが、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿44側に連結材の操作把持側を残した状態で、遊技球Bが落下する重量を連結材Sにかけた際や、遊技球Bが発射装置30により発射されて連結材Sを牽引した際、あるいは、遊技球Bがパチンコ遊技機1内に入り込んだ状態で、連結材Sの操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材Sの緊張状態では、挟持部位PH1が、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配設されており、連結材Sが、緊張状態となれば、案内部98を経て、容易に、挟持本体部100に進入し、そして、挟持本体部100に挟持されて、連結材Sの移動が停止される。この連結材Sの移動停止は、連結材Sを引っ張る際の移動停止ばかりでなく、連結材Sを引っ張ることができるものの、連結材Sを繰り出しても、遊技球Bを転動させたり落下させることができないような、連結材Sの繰出移動の停止も含み、これらの移動停止では、ともに、連結材Sによる遊技球Bの操作が不能となる。
そして、このパチンコ遊技機1では、連結材Sが、挟持部位PH1の挟持本体部100に対して、緊張状態として進入できるような、曲がった通路LRの内側の通路面IF側の部位に、単に、挟持部位PH1を、配設するだけで、容易に、連結材Sの移動を停止させることができて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。
したがって、第1実施形態の球送り装置60を備えたパチンコ遊技機1では、連結材Sを付けた遊技球Bを使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球Bの操作を不能にできる。
そして、第1実施形態では、挟持本体部100が、連結材Sの外周面SAにおける略対向する対向部位CP1,CO2を圧接する一対の圧接部101,102を設けて構成されている。そして、一方の圧接部102が、連結材Sの挟持本体部100への進入時、復元時の付勢力を発揮して連結材Sに圧接されるように、弾性体104から構成されている。
そのため、第1実施形態では、緊張状態の連結材Sが挟持本体部100に進入する際、図9のCや図10のBに示すように、連結材Sが、付勢力に抗して、圧接部102のリップ部105aを撓ませつつ、一対の圧接部101,102間に進入する。そして、遊技球Bを操作しようと、連結材Sを引っ張れば、連結材Sが緊張状態となり、さらに、付勢力に抗して、一対の圧接部101,102間に連結材Sの外周面SAの全域が十分に深く進入し、連結材Sが強く挟持される事態を招く。その結果、連結材Sを繰り出そうとしても、連結材Sが挟持本体部100で強く挟持されて、繰出不能となり、遊技球Bの操作を不能にすることができる。勿論、このような構成では、遊技球Bが発射装置30により発射されて連結材Sを牽引している際、連結材Sが、挟持本体部100の一対の圧接部101,102に強く挟持されて、連結材Sの繰出移動が停止される場合もある。
また、第1実施形態では、別途、ばねやゴム等の付勢手段を設けて、連結材Sに接触する圧接部102を、連結材S側に圧接させている構成でなく、圧接部102自体を弾性体104から形成していることから、別途、付勢手段を設ける場合に比べて、簡便な構成とすることができる。
さらに、第1実施形態では、圧接部102を、連結材Sの延びる方向に沿って湾曲しつつ、連結材Sに押圧される薄肉のリップ部105aを設けた弾性体104から、形成している。このようなリップ部105aでは、圧接部101,102によって連結材Sを挟持した状態で、リップ部105aを反転させる方向(実施形態の場合には、球受け皿44側に引っ張る方向)に、連結材Sを移動させようとしても、リップ部105aが反転せず、圧接部101,102の挟持力に加えて、リップ部105aの反転規制により、一層、強く、連結材Sの移動を停止させることができる。
なお、第1実施形態では、リップ部105aの曲げる方向を、連結材Sから遊技球B側に連なる方向と一致させるように、構成したが、リップ部105aの曲げる方向は、逆に、連結材Sから球受け皿44側に連なる方向に、向けてもよい。この場合には、リップ部105aの反転が不能であれば、連結材Sが遊技球Bの遊技領域12側への打ち出し方向に沿った連結材Sの移動に、リップ部105aが対抗するため、遊技球Bの遊技領域12側への打ち出し時の移動に伴う連結材Sの繰出移動を、好適に、停止させることが可能となる。
また、第1実施形態では、球受け皿44から発射装置30の発射レール35に落下させるまでの遊技球Bの通路、すなわち、球送り装置60の転動路79であって、曲がった通路LRの内側の通路面IF側に、挟持部位PH1を、配設している。そのため、第1実施形態では、遊技球Bがレール部8や遊技領域12に至るまで、すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、球受け皿44からパチンコ遊技機1内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材Sを挟持できることから、不正行為者が連結材Sの移動を停止される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
さらに、第1実施形態では、挟持部位PH1を設けた部材を、着脱可能な交換部品としている球送り装置60としており、既存のパチンコ遊技機において、交換して、挟持部位PH1を設けた部品(球送り装置)60を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
なお、第1実施形態では、挟持部位PH1を構成する溝部96の内、上二つの溝部96A,96Bが、副溝部99を下部側の案内面98bに連なって形成しただけとしたが、溝部96Cと同様に、上部側の案内面98aに連なって、上方に延びる副溝部99を設け、溝部96A,96Bの底部97側で、緊張状態で上昇する連結材Sを挟持するように、構成してもよい。
さらに、発射装置30に至るまでの通路に、挟持部位PH1を設ける場合には、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に設ければよく、例えば、図15〜17に示すように、球送り装置60の流下口82の下縁88側や左縁89側に設けてもよい。下縁88側は、遊技球Bが流下口82から発射レール35上に落下することから、遊技球Bの下方に曲がった通路LRの内側の通路面IF側となる。また、左縁89側は、発射レール35上の遊技球Bが発射されれば、流下口82から左斜め上方に曲がった通路LRにおける内側の通路面IFとなる。
なお、流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた挟持部位PH1は、第1実施形態と同様に、挟持用部品90のコーナ部94に設けた三つの溝部96と弾性体104とを設けて、それぞれ、案内部98と、一対の圧接部101,102を有した挟持本体部100と、を設けた構造と同様である。但し、下縁88側の挟持部位PH1は、三つの溝部96の全てに、左方に凹むように副溝部99を設け、また、左縁89側の挟持部位PH1は、三つの溝部96の全てに、上方に凹むように、副溝部99を設けている。すなわち、実施形態では、発射装置30から発射される遊技球Bが、斜め上左方向に向いて、打ち出されることから、連結材Sも、流下口82から斜め上左方向に向いて引っ張られ、その際、連結材Sが、下縁88側では、左側の副溝部99における圧接部101,102間に進入し易くなり、また、左縁89側では、上側の副溝部99における圧接部101,102間に進入し易くなるからである。
そして、これらの流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた挟持部位PH1でも、連結材Sを付けた状態で遊技球Bがレール部8側に発射されれば、連結材Sが、何れかの溝部96内に進入して、案内部98に案内され、挟持部位PH1の圧接部101,102間に進入して、圧接部101,102間で挟持されることから、容易に、移動を停止されて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にでき、不正行為を防止できる。
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の挟持部位PH2を説明すると、図5,18〜23に示すように、遊技領域12側に打ち出された遊技球Bのレール部8への戻りを防止可能な戻り防止片120に、挟持部位PH2が配設されている。このような戻り防止片120は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10の上端10a側に、配設されている。そして、この戻り防止片120の配置箇所では、レール部8の内側レール部10の上端10aから遊技領域12側に向かって下方に反転するように、遊技球Bが通過することから、戻リ防止片120は、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配置されていることとなる。
この戻り防止片120は、第2実施形態の場合、内側レール部10の上端10aに嵌合させて取着される取付基部110に、揺動可能に、保持されている。取付基部110は、内側レール部10の上端10aに嵌合される四角筒形状の結合筒部111と、結合筒部111から上方に延びて戻り防止片120を保持する保持枠部112と、を備えて構成されている。保持枠部112は、前後で対向する支持壁部114,114と、支持壁部114,114相互を遊技領域12側で連結する連結壁部113と、を備えて構成されている。支持壁部114,114には、相互の対向面に、前後方向に沿って配設される支持ピン115を支持する軸支部114aが形成され、軸支部114aに支持された支持ピン115は、戻り防止片120の軸部122に挿通されている。
戻り防止片120は、上下方向の中間付近に、支持ピン115を挿通させる軸部122を配設させ、軸部122の左方側において、上方側に略長方形板状の逆止片部123を配設させ、下方側に錘部121を配設させて構成されている。錘部121は、逆止片部123を上下方向に沿って配置させた際、取付基部110の連結壁部113に当接されて、逆止片部123のレール部8側への回転(図23の反時計方向回り)、を規制している。
そして、戻り防止片120の逆止片部123の上縁123a側には、レール部8から遊技領域12側に向かう方向に貫通するように、挟持部位PH2を構成する溝部124が形成されている。
溝部124は、底部125から離れた開口端となる上縁側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを底部125側に案内可能に、底部125側にかけて前後方向に沿った開口幅を狭める案内部127と、底部125側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを挟持可能な挟持本体部130と、を備えて構成されている。挟持本体部130は、連結材Sの外周面SAにおける略対向する対向部位CP1,CP2を圧接する一対の圧接部131,132を設けて構成されている(図20参照)。そして、これらの圧接部131,132が、連結材Sの挟持本体部130への進入時、付勢力を発揮して連結材Sに圧接されるように、構成されている。
第2実施形態では、圧接部131,132が、弾性変形するゴム若しくは合成樹脂からなる弾性体134から形成されている。この弾性体134は、図21に示すようなシート材137から構成され、中央に、三角形状の切欠き138を設け、切欠き138を狭めて無くし、さらに、切欠き138側の先端相互を、重ねつつ曲げるようにして、それらの曲がった部位相互を圧接部131,132としている。換言すれば、先端のリップ部135aを遊技領域12側に曲げた一対の弾性片部135相互によって、圧接部131,132が形成されている。
そして、圧接部131,132を形成したシート材137を、逆止片部123の上縁123aに設けた組付孔123cに組み付けて、圧接部131,132からなる挟持本体部130が、戻り防止片120の上縁123a側に、配設されている。なお、この組付孔123cは、弾性片部135,135相互が圧接されるように、弾性片部135,135の下部側を含めて、弾性体134の下部134b側を、嵌合させて組み付けることができるように、設定されている。
また、戻り防止片120の上縁123a側には、溝部124の上端側の開口124aから進入する連結材Sを底部125側の挟持本体部130に案内する案内部127が形成されている。案内部127は、底部125側にかけて開口124aの前後方向の開口幅を狭めるように、前後方向で対向する案内面128,129が、底部125側にかけて相互に接近している。ちなみに、実施形態の場合、案内面128,129は、逆止片部123における弾性体134以外の弾性体134より硬い合成樹脂部分の硬質部128a,129aと、弾性体134の上端面134a側の準硬質部128b,129bと、から構成されている。
なお、実施形態では、逆止片部123の上縁123a側では、案内面128,129の硬質部128a,129aを含めて、底部125に連なる硬質部分の対向部126の対向面126a相互が、上方へ膨らむような曲面状として、底部125側で急激に接近して、底部125で連結されている。この対向部126の対向面126a,126aの左右方向の両縁付近が、遊技球Bが弾性体134の変形を招くような遊技球Bの弾性体134との接触を防止するカバー部123dを構成しており、カバー部123dは、弾性体134の上端面134aの配置位置を考慮して、形状が設定されている。
この第2実施形態の戻り防止片120では、連結材Sを付けた状態で発射された遊技球Bが、レール部8を上昇してくれば、図23のA,Bに示すように、遊技球Bに押されて、軸部122を回動中心として、遊技領域12側へ上縁123aを倒し、そして、遊技球Bが上縁123aを越え、下方に流下すれば、図23のCに示すように、錘部121の重量により、戻る。その際、遊技球Bから連結材Sが延びていれば、遊技球Bの重量や落下運動する遊技球Bの慣性力が加わって、連結材Sが、緊張状態となって、戻り防止片120の上縁123aに引っ掛かる状態となり、溝部124の開口124aから、案内部127の案内面128,129を経て、挟持本体部130側に移動し、そして、図20のA,Bや図22の説明図、図23のDに示すように、圧接部131,132間に進入する。そして、連結材Sが、円滑に、挟持本体部130の圧接部131,132間で挟持されて、移動を停止される。
すなわち、この第2実施形態の挟持部位PH2では、遊技球Bを操作しようと、球受け皿44側の連結材Sの操作把持部を引っ張る前に、連結材Sの移動停止を図ることができ、不正行為を防止できる。
勿論、遊技球Bが遊技領域12に打ち出されて落下した直後に、連結材Sが強く挟持されなくとも、その後の連結材Sの引っ張り操作時には、連結材Sが、緊張状態となって、連結材Sが、その外周面SAの全周を、挟持本体部130の共に弾性変形する圧接部131,132内に進入させて、強く挟持されることから、その後の連結材Sの繰出操作を、不能にできる。
特に、第2実施形態では、一対の圧接部131,132が、先端のリップ部135aを遊技領域12側に曲げた弾性変形可能な弾性片部135から構成され、かつ、弾性片部135,135相互が強く圧接されるように、組付孔123cに嵌合されており、連結材Sを球受け皿44側に引っ張ったり等して、緊張状態の連結材Sが、一対の圧接部131,132間の底部125付近まで、深く進入すれば、一層、圧接部131,132に強く挟持されることとなって、連結材Sを安定して移動不能(繰出不能)にできる。
なお、挟持本体部130の圧接部131,132は、遊技領域12側に曲げられていても、戻り防止片120の上縁123a側で、かつ、案内部127における案内面128,129の交差部位127aに、下向き進入可能な連結材Sの進入用入口130aを配置させていることから、逆止片部123の上縁123a側に連結材Sが引っ掛かれば、連結材Sは、円滑に、進入用入口130aを経て、一対の圧接部131,132間に進入でき、その後、遊技球Bの下方への落下時、あるいは、連結材Sの球受け皿44側への引っ張り時に、さらに、連結材Sは、底部125付近まで、円滑に進入でき、その結果、挟持本体部130の圧接部131,132は、安定して、連結材Sを移動不能にすることができる。
さらに、第2実施形態でも、挟持部位PH2を設けた部材が、パチンコ遊技機1の交換部品の一つである戻り防止片120であり、既存のパチンコ遊技機において、交換して、挟持部位PH2を設けた部品(戻り防止片)120を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
なお、第2実施形態の場合、戻り防止片120は、取付基部110に揺動可能に支持されて、取付基部110と一体的な戻り防止部品109として、構成されており、部品交換時には、取付基部110と戻り防止片120とを一体的に組み付けた戻り防止部品109として、交換されることとなる。
また、戻り防止片に挟持部位を設ける場合、遊技領域12に打ち出される遊技球Bから延びる連結材Sは、戻り防止片120の上縁123aにおける前後方向中央付近に配置されて、下方へ引っ張られる状態となり易いが、連結材Sが、遊技盤面6に接近し過ぎて、戻り防止片120の上縁123aからずれてしまうことを考慮して、図24〜26に示すように、戻り防止片120Aを構成してもよい。
この戻り防止片120Aでは、逆止片部123Aの後縁123bが、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aを対応させて、遊技盤5に設けた凹部5aに収納させて、遊技盤面6より後方に埋め込まれるように、配設されている。特に、図例の場合には、溝部124の開口124aが、遊技盤面6に進入するように、換言すれば、案内面128の硬質部128aの上縁128auが、遊技盤面6より後方に位置するように、配設されている。
なお、遊技盤5に設けた凹部5aは、遊技球Bの通過を許容できるように、逆止片部123Aの上縁123a側の揺動を可能とした状態で、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aと逆止片部123Aとを収納できるように、構成されている。そして、図例の取付基部110Aは、ねじ117止め等して、揺動可能に支持する戻り防止片120Aを、内側レール部10の上端10aに連なるように、配設させている。
この戻り防止片120Aでは、遊技盤面6と戻り防止片120Aとの間に、連結材Sが嵌ること無く、円滑に、連結材Sを、挟持部位PH2の溝部124内に導入させ、そして、案内部127を経て、圧接部131A,132Aからなる挟持本体部130Aにより、挟持できる。
<第3実施形態>
また、レール部に切断部位を設ける場合には、図27〜31に示す第3実施形態の挟持部位PH3のように構成してもよい。
この第3実施形態の挟持部位PH3は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10に、配設され、特に、実施形態の場合、内側レール部10に取り付ける挟持用部品140に、設けられている。この内側レール部10は、遊技領域12を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側を構成することとなる。
挟持用部品140は、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成され、内側レール部10に取り付けるための取付基部141と、半割り円柱状の突条部142と、を備えて構成されている。取付基部141は、断面コ字形として、内側の嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌めれば、その部位に、取り付け固定されるように、構成されている。
そして、突条部142は、外側レール部9側に、開口143aを開けた溝部143を配設させて、溝部143は、レール部8を通過する遊技球Bの移動方向に沿って、底部144を配置させている。溝部143は、底部144から離れた開口端となる外側レール部9側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを底部144側に案内可能に、底部144側にかけて前後方向に沿った開口幅を狭める案内部146と、底部144側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを挟持可能な挟持本体部150と、を備えて構成されている。
挟持本体部150も、第2実施形態と同様に、連結材Sの外周面SAにおける略対向する対向部位CP1,CP2を圧接する一対の圧接部151,152を設けて構成されている。これらの圧接部151,152も、ゴム等の弾性体154からなるとともに、先端のリップ部155aを上方に曲げられた弾性片部155から構成されている。この弾性体154も所定のゴム等のシート材から形成されて、圧接部151,152が相互に離隔し難いように、突条部142に設けた組付孔142bに、嵌合されている。
案内部146は、底部144側にかけて開口143aの前後方向の開口幅を狭めるように、前後方向で対向する案内面147,148が、底部144側にかけて相互に接近している。これらの案内面147,148も、第2実施形態度と同様に、突条部142における弾性体154以外の弾性体154より硬い合成樹脂部分の硬質部147a,148aと、弾性体154の先端面154a側の準硬質部147b,148bと、から構成されている。
また、この第3実施形態においても、突条部142の溝部143では、案内面147,148の硬質部147a,148aを含めて、底部144に連なる硬質部分の対向部145の対向面145a相互が、左方側へ膨らむような曲面状として、底部144側で急激に接近して、底部144で連結されている。この対向部145の対向面145a,145aの上下方向の両縁付近が、遊技球Bが弾性体154の変形を招くような遊技球Bの弾性体154との接触を防止するカバー部142cを構成しており、カバー部142cは、弾性体154の先端面154aの配置位置を考慮して、形状が設定されている。
また、挟持用部品140は、内側レール部10に取り付けられた際、突条部142の内側レール部10からの突出高さH0を、発射装置30から発射されて外側レール部9の内側面9bを転動してくる遊技球Bが突条部142と接触しないように、設定されている。
そして、遊技球Bが内側レール部10の上端10aを経て遊技領域12に打ち出される際、連結材Sが、内側レール部10に接触するように、連結材Sが緊張状態となった際、その緊張状態の連結材Sを折曲させつつ挟持本体部150の底部144側付近まで進入できるように、底部144の内側レール部10からの突出高さH1が、設定されている。換言すれば、遊技球Bがレール部8等の小さな曲率の部位の曲がり通路LRを通過する際には、緊張状態の連結材Sが圧接部151,152間に深く進入できるように、溝部143の底部144が、設定されている。また、挟持本体部150を設けた弾性体154の先端面154a側における底部144からの突出状態は、底部144や対向部145の上下方向の縁からなるカバー部142cが、レール部8を上昇する遊技球や遊技領域12に打ち出されずに戻ってくる遊技球Bの弾性体154との接触を防止できるように、カバー部142cとの配置状態により、設定されている。
この第3実施形態では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、挟持部位PH3の溝部143内に入り込んで、円滑に、案内部146の案内面147,148に案内されて、挟持本体部150の圧接部151,152間に挿入され、圧接部151,152に挟持されて、連結材Sの移動が停止される。
その際、発射時の連結材Sの繰出の勢いが強い時、あるいは、その後の球受け皿44側への連結材Sの引張り時等において、連結材Sが緊張状態であれば、連結材Sが一対の圧接部151,152間で底部144側に深く進入して、強く挟持されることから、その後の繰出時等の連結材Sの移動を停止させることができて、不正行為を防止できる。
そして、この第3実施形態の挟持部位PH3でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、挟持部位PH3を設けた挟持用部品140を、配設するだけで、容易に、連結材Sの移動を停止できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部142cが、遊技球Bの弾性体154との直接接触を防止できて、連結材Sの挟持性能を低下させることも無い。
そして、この第3実施形態は、内側レール部10に単に組み付けるだけで、内側レール部10に挟持部位PH3を配設でき、既存のパチンコ遊技機でも、簡単に、不正行為対策を行うことができる。
なお、第3実施形態の挟持用部品140では、内側レール部10に取り付ける際、断面コ字形の取付基部141を利用して、その嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌め込むだけで、簡単に行えるワンタッチのクリップタイプを示したが、他に、ねじ止め等で取り付けるように構成してもよい。
<第4実施形態>
また、挟持部位を内側レール部に設ける場合、図32〜35に示す第4実施形態のように、内側レール部10に、開口159を設けて、挟持部位PH4を備えた挟持用部品162を、配設させてもよい。
この開口159は、内側レール部10の前後方向の中央付近に、内側レール部10に沿って長く延びる長穴状に貫通されて、形成されている。そして、挟持用部品162は、内側レール部10の内周面10bにおける開口159の周縁に、取付基部179の取付部179cを利用して、配設されている。挟持部位PH4は、ゴム等の二枚のシート材177を湾曲させて結合させた弾性体174,174を、板金製の取付基部179に組み付けて、形成されている。
挟持部位PH4は、上下方向に沿った溝部163を形成するように、二枚のシート材177(弾性体174)の元部177aを重ねて、取付基部179の元部179aに嵌合させ、二枚のシート材177の先端177b側を相互に離すように開いて、取付基部179の元部179aから両側に開いた先端部179bに固定させている。そのため、この挟持部位PH4では、元部177a側から拡開するように湾曲して広がる溝部163が形成される。そして、挟持部位PH4は、取付基部179の先端部179b側の二つの取付部179cを開口159の両側における内側レール部10の内周面10b側に、接着やねじ止め等で、固定して、挟持用部品162を内側レール部10に取り付ければ、溝部163の底部164を、レール部8を移動する遊技球Bの移動方向に沿って、配設させることができる。
そして、この挟持部位PH4では、溝部163の開口163aの端部側、すなわち、内側レール部10の開口159の周縁から底部164側に狭まるように、湾曲する部位が、連結材Sを底部164側に案内する案内面167,168を有した案内部166、となる。
また、この挟持部位PH4では、底部164側に、連結材Sを挟持する挟持本体部170が配設され、挟持本体部170は、二枚のシート材177の元部177a側相互を隙間を無くすように密着させて構成した圧接部171,172により、形成されることとなる。
この第4実施形態の挟持部位PH4では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、内側レール部10の開口159を経て、挟持部位PH4の溝部163の開口163a内に入り込み、案内部166の案内面167,168に案内され、挟持本体部170の圧接部171,172間に進入しようとする。そしてその際、発射時の連結材Sの繰出の勢いが強い時、あるいは、その後の球受け皿44側への連結材Sの引張り時等において、連結材Sが緊張状態であれば、連結材Sが一対の圧接部171,172間で底部144側に深く進入して、強く挟持されることから、その後の繰出時等の連結材Sの移動を停止させることができて、不正行為を防止できる。
そして、この第4実施形態の挟持部位PH4でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、開口159を開けて、挟持部位PH4を配設するだけで、容易に、連結材Sの移動を停止でき、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、開口159の開口幅を、遊技球Bの直径より、ある程度小さくすれば、開口159の周縁を、遊技球Bの弾性体174との接触を防止するカバー部160とすることができて、このカバー部160により、遊技球Bの弾性体174との直接接触を防止できて、連結材Sの挟持性能を低下させることも無い。
<変形例>
なお、第2〜4実施形態では、挟持本体部130,150,170が、二枚のシート状の弾性片部135,155,175を重ね合わせるようにして、圧接部131,132,151,152,171,172を構成したが、シート状のゴムや合成樹脂からなる弾性体を利用する場合に、図21のCに示す変形例の弾性体134Bに示すように、カッタにより、単に、切れ目136を設け、切れ目136を間にした部位を、圧接部131B,132Bとして、連結材Sを挟持するように構成してもよい。なお、この弾性体134Bは、逆止片部123や突条部142の組付孔123c,142bを、この弾性体134Bに対応させ、それらの対応させた組付孔123c,142bに、弾性体134Bを嵌合させれば、第2実施形態や第3実施形態の変形例として、利用できるものであり、その使用時、連結材Sは、隙間の無い切れ目136を利用した圧接部131B,132Bによって、挟持されることとなる。
また、各実施形態では、付勢力を利用する圧接部102,131,132,151,152,171,172として、それらの圧接部自体が、ゴムや合成樹脂、あるいは、ばね板から形成される場合を示したが、図36に示す第4実施絵形態の変形例における挟持用部品162Aの挟持部位PH4のように、形状保持性を有した合成樹脂や金属材からなる湾曲した圧接部171A,172Aを、相互に接近させるように付勢力を発揮するばね181により、支持させるように構成してもよい。この挟持部位PH4では、連結材Sが、ばね181の付勢力に抗して、圧接部171A,172A間に進入して、圧接部171A,172Aにより挟持され、移動を停止されることとなる。
さらに、各実施形態の圧接部101,102,131,132,151,152,171,172の挟持力を、一層、高める場合には、使用される連結材Sとの摩擦を高めるように、図36のように、挟持する面相互に細かい凹凸171a,172aを付けたり、あるいは、連結材Sの滑りを悪くするように、圧接部自体を、ウレタンゴムやシリコンゴム等の粘着性や吸着性を発揮しつつ、連結材Sを挟持できるゴム材料から、形成してもよい。勿論、このようなゴム材料は、圧接部の連結材Sを挟持する表面(挟持面)に、コーティングさせてもよい。そして、各実施形態の弾性片部105,135,155,175のように、隙間を無くして相互に接触し、かつ、その接触面の面積を広くして、圧接部102,131,132,151,152,171,172を構成する場合には、凹凸を設けて滑りを防止させたゴム製として、圧接部102,131,132,151,152,171,172を形成すれば、好適に、連結材Sを滑らせずに挟持でき、一層安定して、連結材Sの移摩を停止させることができる。
また、第2,3実施形態では、圧接部131,132,151,152の先端の向き、すなわち、リップ部135a,155aの向きを、遊技球Bの発射時の遊技領域12に向かう方向に向けて、配置させた場合を示したが、逆方向に向けて配設してもよい。
さらに、各実施形態では、挟持部位PH1,PH2,PH3、PH4を、遊技球Bが球受け皿44から発射装置30に至るまでの部位、あるいは、レール部8の部位に配設した場合を示したが、他に、入賞口における入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物14の右上部付近等に、挟持部位を配設してもよい。