JP5085710B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球が、可撓性を有した紐状の連結材を付けられた状態で、球受け皿を経て発射された際に、遊技球の移動のための連結材の操作を不能にできて、不正行為を防止できるパチンコ遊技機に関する。
昨今、パチンコ遊技機において、不正に賞球を得る不正行為として、可撓性を有した細い(0.1〜0.3φ程度)釣り糸のような連結材を、遊技球に取り付け、その遊技球を発射装置から遊技領域に打ち出し、そして、普通入賞口等の入賞口の入賞スイッチの部位で、連結材を操作して、遊技球を往復移動させることにより、入賞スイッチを何回もオンさせて、不正に賞球を得る行為があった。
なお、連結材を遊技球に取り付けて行う不正行為としては、他に、連結材を把持した状態で、遊技球を計数機に投入し、連結材を操作して、遊技球を玉センサ部分で往復移動させることにより、計数値を多くするものがあった(例えば、特許文献1参照)。そして、従来、このような不正行為の対策としては、玉センサ部分での反転するような遊技球の異常な移動を、所定のレバースイッチで検知し、その不正行為を報知していた。
そこで、パチンコ遊技機において、遊技球に付けた連結材の操作による不正行為に対し、上記のレバースイッチ等を入賞スイッチ付近に設けて対処することが考えられる。
特開平10−85441号公報(第5〜7頁、図1)
しかし、従来のパチンコ遊技機では、入賞口の数が多く、各入賞口に、反転する遊技球の移動をセンシングするレバースイッチ等を配置することは、レバースイッチ等に連結する電源線や信号線を含めて、設置スペースや部品点数の増加を招くことから、好ましくない。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、連結材を付けた遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係るパチンコ遊技機は、球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成されるパチンコ遊技機であって、
球受け皿から入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路における内側の通路面側に、遊技球に連結された可撓性を有する紐状の連結材の移動を停止可能に連結材を挟持する挟持部位が、配設され、
挟持部位が、緊張状態の連結材を進入可能な開口幅とした溝部を備えて構成され、
溝部が、
開口端側に配置されて、緊張状態の連結材の進入時に、連結材を溝部の底部側に案内可能に、底部側にかけて開口幅を狭める案内部と、
溝部の底部側に配置されて、緊張状態の連結材の進入時に、連結材を挟持可能な挟持本体部と、
を備えて構成されていることを特徴とする。
本発明に係るパチンコ遊技機では、遊技球に連結された連結材が、緊張状態で、挟持部位を構成する溝部内に進入すれば、開口端側の案内部に案内されて、挟持本体部まで滑り、そして、挟持本体部に挟持され、連結材の移動が停止される。なお、連結材が、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿側に連結材の操作把持側を残した状態で、遊技球が落下する重量を連結材にかけた際や、遊技球が発射装置により発射されて連結材を牽引した際、あるいは、遊技球がパチンコ遊技機内に入り込んだ状態で、連結材の操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材の緊張状態では、挟持部位が、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側に、配設されていると、連結材が、緊張状態となれば、案内部を経て、容易に、挟持本体部に進入し、そして、挟持本体部に挟持されて、連結材の移動が停止される。この連結材の移動停止は、連結材を引っ張る際の移動停止ばかりでなく、連結材を引っ張ることができるものの、連結材を繰り出しても、遊技球を転動させたり落下させることができないような、連結材の繰出移動の停止も含み、これらの移動停止では、ともに、連結材による遊技球の操作が不能となる。
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、連結材が、挟持部位の挟持本体部に対して、緊張状態として進入できるような、曲がった通路における内側の通路面側とする部位に、単に、挟持部位を、配設するだけで、容易に、連結材の移動を停止させることができ、簡便な構成で、遊技球の操作を不能にできて、不正行為を防止できる。
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、挟持本体部を、連結材の外周面における略対向する部位を圧接する一対の圧接部を設けて構成し、
少なくとも一方の圧接部を、連結材の挟持本体部への進入時、付勢力を発揮して連結材に圧接されるように、構成することが望ましい。
このような構成では、緊張状態の連結材が挟持本体部に進入する際、付勢力に抗して、一対の圧接部間に進入する。そして、遊技球を操作しようと、連結材を引っ張れば、連結材が緊張状態となり、さらに、付勢力に抗して、一対の圧接部間に、連結材の外周面の全域が十分に進入し、連結材が強く挟持される事態を招く。その結果、連結材を繰り出そうとしても、連結材が挟持本体部で強く挟持されて、繰出不能となり、遊技球の操作を不能にすることができる。勿論、このような構成では、遊技球が発射装置により発射されて連結材を牽引している際、連結材が、挟持本体部に強く挟持されて、連結材の繰出移動が停止される場合もある。
なお、付勢力を発揮して連結材を押圧する圧接部は、圧接部自体を弾性変形するゴムや合成樹脂、あるいは、ばね鋼等の金属から形成したり、あるいは、別途、ばねやゴム等の付勢手段に保持させるように構成してもよい。
また、連結材自体の弾性変形を利用して、挟持本体部において連結材を挟持する場合には、連結材を挟持する一対の圧接部を、底部側の開口幅を、究極的に、零として無くすように、減少させる構成として、緊張状態の連結材を、一対の圧接部間の狭い開口に、嵌合させて、連結材の軸方向に沿う移動を、停止させるように構成してもよい。
さらに、本発明に係るパチンコ遊技機では、球受け皿から発射装置の発射レールに落下させるまでの遊技球の通路であって、曲がった通路の内側の通路面側に、挟持部位を、配設してもよい。このような構成では、遊技球がレール部や遊技領域に至るまで、すなわち、連結材を付けた遊技球が、球受け皿からパチンコ遊技機内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材を挟持できることから、不正行為者が連結材の移動を停止される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
また、パチンコ遊技機において、外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の内側レール部の上端側に、遊技領域側に打ち出された遊技球のレール部への戻りを防止可能な戻り防止片が、揺動可能に配設される場合には、戻り防止片の上縁側に、レール部から遊技領域側に向かう方向に貫通しつつ、下方に凹む溝部を形成して、挟持部位を、配設してもよい。
このような構成では、内側レール部の上端側に設けられる戻り防止片は、遊技領域の最上位置付近に配置されることから、遊技領域内に打ち出された遊技球は、戻り防止片から下方の位置に落下する状態となり、戻り防止片の上縁側が、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側となる。そして、戻り防止片の上縁には、遊技球の重量や落下運動する遊技球の慣性力が加わって、連結材が引っ掛かり易い。そのため、連結材が、下方に引っ張られて、戻り防止片の上縁側に設けた挟持部位の溝部に入り、そして、案内部に案内されて挟持本体部に進入して、円滑に、挟持本体部に挟持されて、移動を停止される。すなわち、上記の構成では、遊技球を操作しようと、球受け皿側の連結材の操作把持部を引っ張る前に、連結材の移動停止を図ることができる。勿論、遊技球が遊技領域に打ち出されて落下した直後に、連結材が強く挟持されなくとも、その後の連結材の引っ張り操作時には、連結材が十分に挟持本体部内に進入して強く挟持されるため、その後の連結材の繰出操作を、不能にできる。
この場合、戻り防止片は、上縁側の揺動を確保した状態として、遊技盤面近傍の連結材を溝部内に導入可能に、後縁側を遊技盤面に埋め込むように、配設することが望ましい。このような構成では、遊技盤面と戻り防止片との間に、連結材が嵌ること無く、円滑に、連結材を、挟持部位の溝部内に導入させ、そして、挟持本体部によって、挟持できる。
さらに、挟持部位は、外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の内側レール部に、配設してもよい。内側レール部は、遊技領域を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側を構成することとなる。そして、遊技球が、発射装置から発射され、レール部を経て、遊技領域に打ち出されようとすれば、遊技球に連なる連結材は、内側レール部の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、挟持部位の溝部内に入り込んで、円滑に、挟持本体部に挟持されることとなる。
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、挟持部位を設けた部材を、着脱可能な交換部品とすれば、既存のパチンコ遊技機において、交換して、挟持部位を設けた部品を取り付けることができて、容易に、連結材を付けた遊技球による不正行為対策を図ることができる。このような交換部品としては、球受け皿から発射装置に遊技球を送る球送り装置や、戻り防止片、等が例示できる。
勿論、上記のような交換部品としなくとも、別途、挟持部位を設けた部材、あるいは、挟持部位自体を、パチンコ遊技機に設けるようにしてもよく、その場合には、発射装置に至るまでの部位やレール部の部位ばかりでなく、入賞口における入賞スイッチの直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物の右上部付近等に、切断部位を配設することができる。
したがって、本発明に係るパチンコ遊技機では、連結材を付けた遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできる。
本発明に係る第1実施形態のパチンコ遊技機の概略正面図である。 第1実施形態のパチンコ遊技機における本体枠に対して、前面枠を開けた状態を示す概略部分斜視図であり、遊技盤を省略している。 図2に示す状態から、球送り装置を外した状態を示す概略部分斜視図である。 図3に示す状態の本体枠側の発射装置に対し、球送り装置を配置させた状態と、球送り装置を外した状態と、を示す概略斜視図である。 第1実施形態のパチンコ遊技機の本体枠側を示す概略正面図である。 第1実施形態の球送り装置を示す概略背面図である。 第1実施形態の球送り装置の概略分解斜視図である。 第1実施形態の球送り装置に挟持部位を配設するための挟持用部品の左側面図である。 第1実施形態の球送り装置に使用される挟持用部品の斜め左後方向から見た部分断面背面図である。 第1実施形態の球送り装置に使用される挟持用部品の斜め左前方向から見た正面図である。 連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略斜視図である。 連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略斜視図であり、図11の後の状態を示す。 連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略拡大平面図である。 連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態を、第1実施形態の球送り装置の背面側から示した概略図である。 第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態の二態様をそれぞれ示す概略平面図である。 第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態を示す概略背面図である。 第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された他の状態を示す概略背面図である。 第2実施形態の挟持部位を設けた戻り防止片の概略斜視図である。 第2実施形態の挟持部位を設けた戻り防止片の左側面図である。 第2実施形態の挟持部位を設けた戻り防止片の平面図である。 第2実施形態の挟持部位における挟持本体部を形成する工程を説明する図である。 第2実施形態の挟持部位を設けた戻り防止片の縦断面図である。 第2実施形態の戻り防止片の作動時を順に示す概略部分断面正面図である。 第2実施形態の変形例の戻り防止片の概略正面図である。 図24のXXV−XXV部位の概略部分断面図である。 図24に示した戻り防止片の作動時を順に示す概略部分断面正面図である。 第3実施形態の挟持部位を設けたレール部を示す概略正面図である。 第3実施形態のレール部に挟持部位を設けるための挟持用部品の斜視図である。 第3実施形態の挟持部位を設けた挟持用部品の平面図である。 第3実施形態の挟持部位を設けた挟持用部品の左側面図である。 第3実施形態の挟持用部品を使用して挟持する状態を説明する概略図である。 第4実施形態の挟持用部品を設けたレール部を示す概略正面図である。 第4実施形態の挟持部位を設けたレール部の部分斜視図である。 第4実施形態の挟持用部品を使用して連結材を挟持する状態を説明する概略横断面図であり、図33のXXXIV−XXXIV部位に対応する。 第4実施形態の挟持用部品の作動時の状態を示す正面図である。 第4実施形態の変形例の挟持用部品を使用して連結材を挟持する状態を説明する概略横断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、本体枠2と、本体枠2にヒンジ結合されて開閉可能な前面枠3と、を備えて構成されている。本体枠2は、外枠(機枠)2aと、外枠2aにヒンジ結合されて開閉可能とし、遊技盤5を設けてなる中枠(内枠)2bと、を備えて構成されている。前面枠3は、遊技盤5の前方側に配置される透明なガラス部41と、ガラス部41の下方に配置されて、球受け皿44を設けた皿ユニット部43と、を備えて構成されている。皿ユニット部43には、遊技球を遊技盤5の遊技領域12に打ち出すために操作するハンドル48や皿球抜きボタン49、通路球抜きボタン50、演出ボタン51が配設されている。
遊技盤5の外縁側には、外側レール部9と内側レール部10とを有してなるレール部8が配設され、レール部8の内側の遊技領域12には、中央に配置された画像表示装置15を設けてなるセンター役物14や、その周囲に配置される図示しない釘、風車17、普通入賞口18、賞球の無い入賞口(ゲート)19、第1始動口20、第2始動口(電動チューリップ)21、大入賞口(アタッカー)22、アウト口23等の公知の部材が、配設されている。
このパチンコ遊技機1では、ハンドル48を操作すれば、皿ユニット部43の内部に設けられた球送り装置60の後述する送り部材70(図7参照)と、遊技盤5の下方に配置された発射装置30の発射杆32(図5,6参照)と、が連動するように作動されて、球受け皿44上の遊技球が、球送り装置60の送り部材70によって、1球ずつ、発射装置30の後述する発射レール35上に送られ、ついで、発射装置30の発射杆32が、発射レール35上の遊技球を、叩いて発射させることから、遊技球が、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されることとなる。
そして、遊技領域12に打ち出された遊技球は、普通入賞口18、ゲート19、第1始動口20、第2始動口21、大入賞口22、アウト口23のいずれかに入球する。この時、遊技球が、普通入賞口18、第1始動口20、開放時の第2始動口21や大入賞口22に入賞すれば、所定数の遊技球が球受け皿44上に払い出され、ゲート19を通過すれば、抽選により第2始動口21を所定時間若しくは所定回数開放させることとなる。また、遊技球が、第1始動口20や開放時の第2始動口21に入賞すれば、抽選により、大当たり、中当たり、小当たり等の当たりや外れが決定され、当たりとなれば、大入賞口22を、その当たりに応じて開放時間、開放回数、入賞個数等を制限して、開放することとなる。これらの作動や遊技フローは、公知のものであり、遊技盤5の背面側(後面側)に配置された図示しないメイン制御基板が、入賞時のセンシングに基づき、各種の作動信号を出力し、そして、メイン制御基板からの当たりや外れ等の抽選結果に基づいて、図示しないサブ制御基板が、所定数の遊技球を払い出したり、所定のランプ27やスピーカ28等を作動させつつ、所定の演出を画像表示装置15に表示することとなる。
このようなパチンコ遊技機1に対し、不正行為者は、可撓性を有した0.1〜0.3φ程度の細い釣り糸のような連結材Sを付けた遊技球Bを、通常の遊技球と同様に、球受け皿44から、ハンドル48を操作し、球送り装置60を経て、発射装置30に送り、発射装置30から遊技領域12へ打ち出す。その際、連結材Sの元部端側は、球受け皿44側に残しておく。そして、不正行為者は、その連結材Sの元部側を引張ったり繰出したりして、遊技球Bを操作し、遊技球Bを、賞球のある既述の入賞口18,20,21,22に入球させ、それらの入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の部位で、連結材Sを操作して、遊技球Bを往復移動させることにより、入賞スイッチ25を何回もオンさせて、賞球を得ようと、不正を働くこととなる。
発射装置30について説明すると、発射装置30は、図4〜6に示すように、前方側をカバー33に覆われた発射杆32と、発射通路34と、を備えて構成されている。発射杆32は、揺動中心部32aから放射状に延びる打球部32bとアーム部32cとを備え、揺動中心部32aが図示しないロータリソレノイドの通電によって回動されれば、発射杆32が、正面視で、打撃位置BPまで時計回り方向に回転し、発射通路34の発射レール35上にある遊技球Bを打球部32bによって叩き、ついで、ロータリソレノイドの通電停止により、発射杆32が、図示しない磁石の吸着力と自重とにより、反時計回り方向に回転して、原位置FPに復帰することとなる。なお、アーム部32cは、発射杆32の打撃位置BPと復帰位置(原位置)FPとへの配置を的確に行えるように、図示しない所定のストッパに当接して、発射杆32を一定位置に配置できるように、構成されるとともに、所定位置に配置される磁石に対応して、発射杆32の復帰時に吸着される部位、として形成されている。
発射通路34は、板金製として上面側をV字状に凹ませた発射レール35と、その周囲の下ガイドレール36及び上ガイドレール37と、を備えて構成され、さらに、後面側を、発射装置30のベース板31に囲われ、前面側を、前面枠3側の球送り装置60等の部材に囲われて、構成されている。
そのため、発射レール35上で打球部32bに叩かれた遊技球Bは、図5に示すように、発射通路34を上昇し、中枠2bに設けられた転動路2c等を経て、レール部8側に発射され、そして、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出される。
なお、レール部8の下方には、図2,5に示すように、前面枠3側に設けられた球案内樋部53が配設されている。この球案内樋部53は、発射装置30によって発射された遊技球Bが遊技領域12に打ち出されずにレール部8内を戻ってくる遊技球Bを、球受け皿44側に戻す戻し通路54を備えて構成され、外側レール部9の下端9aの下方に、戻し通路54の流入口54aを開口させている。さらに、球案内樋部53には、戻し通路54の後方側に配置されて、賞球や貸し出しで払い出される遊技球を、球受け皿44側に転動させる払出側通路55も、配設されている。図2に示す符号55aの部位は、払出側通路55の流入口である。さらに、図2に示す符号56は、発射通路34を上昇する遊技球を転動させる転動路56である。
そして、このパチンコ遊技機1では、図6〜10に示すように、球送り装置60に、第1実施形態の挟持部位PH1を設けている。
球送り装置60は、図2〜4に示すように、球受け皿44の遊技球Bの転動路45(図1参照)における終端(下端)の排出口46に連なるように、配設されている。なお、排出口46は、図3に示すように、前面枠3の後面に開口されており、その下縁側には、通路球抜きボタン50の操作により、スライドして、球送り装置60側ではなく、球受け皿44から下方に遊技球を排出するように開口するシャッタ47(図13参照)が、配設されている。
球送り装置60は、図7に示すように、ケース61、ソレノイド64、揺動プレート65、送り部材70、ガイドレール部材77、及び、挟持用部品90、を備えて構成され、ケース61は、相互に締結される前カバー62と後カバー63とを備えて構成されている。実施形態の場合、ケース61や挟持用部品90以外のソレノイド64等の部品は、前カバー62と後カバー63との少なくとも一方に組み付けられたり、あるいは、前カバー62と後カバー63との両者の締結時に、位置決めされるように、ケース61に組み付けられている。
ソレノイド64は、コ字形の支持プレート66に保持されて、通電時、揺動プレート65を吸着する。揺動プレート65は、上端を、支持プレート66に締結される引張りコイルばね67と連結させ、上下方向の中間の支持部65aを支持プレート66の係止片66a,66aに支持させている。そのため、揺動プレート65は、支持部65aを揺動中心として、ソレノイド64の通電により、先端部65bをソレノイド64側に接近させ、ソレノイド64の通電停止により、コイルばね67の付勢力により、先端部65bをソレノイド64から離すように、揺動する。
送り部材70は、図7,13に示すように、平面視としてU字状として、「U」の字の底部71に軸支部71aを配置させ、軸支部71aに、後カバー63に上下両端を支持される支持ピン68を挿通させることにより、支持ピン68を中心に、左右方向に揺動可能に配設されている。そして、送り部材70は、底部71の上面に、湾曲した半割り円筒状の突起74,75を突設させ、突起74,75間に、揺動プレート65の先端部65bを嵌め込んでいる。そのため、ソレノイド64の通電と通電停止とにより、揺動プレート65が左右に揺動すれば、送り部材70は、支持ピン68を中心として、左右に揺動する。
また、送り部材70は、底部71から左右両側の前方に延びる二つの規制杆部72,73を備え、規制杆部72,73の間に、1個分の遊技球Bを収納できる凹部70aを形成している。規制杆部72は、ソレノイド64の非通電時における揺動プレート65がソレノイド64から離れた位置に配置されている際、球受け皿44側の排出口46の後方を塞ぐ位置に、前面の受止面72aを配置させて、球受け皿44側の排出口46に位置する遊技球Bの球送り装置60側への流入を阻止している。そして、ソレノイド64の通電に伴って、揺動プレート65がソレノイド64に接近する方向に揺動すれば、規制杆部72が、右方に回転し、受止面72aを排出口46から右方にずらすため、排出口46に配置されていた遊技球Bが凹部70a内に進入する。ついで、ソレノイド64への通電停止により、コイルばね67の付勢力が作用して、揺動プレート65がソレノイド64から離れれば、規制杆部72が、排出口46を塞ぐように復帰する。そしてその際、規制杆部73は、下方側に延びるような厚さ寸法を小さくした板状として、かつ、その下方のガイドレール部材77の転動路79の底壁80が、左下がりに傾斜しているため、凹部70a内に収納していた遊技球Bは、規制杆部73の下方を潜り抜けるように、左下がりの転動路79の底壁80上を、左方に転動していくこととなる。そのため、ソレノイド64の1サイクル分の通電・通電停止により、送り部材70が1回分左右に揺動し、排出口46を経てガイドレール部材77の流入口78側に流入しようと待機していた遊技球Bが、1個ずつ、転動路79を経て、そして、転動路79の終端の流下口82を経て、発射装置30に送られることとなる。
ガイドレール部材77は、図6,7,11〜14に示すように、排出口46に連通するように、排出口46の後方に遊技球Bの流入口78を配置させ、そして、流入口78から遊技球Bを転動させるように転動路79を配設させている。転動路79の終端は、遊技球Bを落下させる流下口82としており、流下口82は、発射装置30の発射レール35の上面に遊技球を落下可能な位置に配置されている。
転動路79は、流入口78から左方に傾斜して下がり、さらに、斜め右後方側に反転するように、曲がりながら下がって、流下口82に向かうように配設されている。この転動路79は、底壁80と、転動路79の曲がる外周側に配置される側壁81と、を備えて構成されている。
そして、第1実施形態では、転動路79の右後方に反転するような反転部(曲がり部)79aにおける内側の通路面IF側に、すなわち、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、挟持用部品90を配設させている。この挟持用部品90は、図7〜13に示すように、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成されており、底壁80に固定する三角板状の取付座91と、ガイド壁92と、柱状部93と、を備えて構成されている。取付座91には、挟持用部品90を底壁80に取り付けるための取付孔91aと、底壁80の位置決め孔85に嵌合される位置決め突起91bと、が配設されている。なお、挟持用部品90を取り付ける際には、ねじ87が使用され、底壁80側には、ねじ87を螺着させる取付孔84が形成されている。
ガイド壁92は、取付座91の前縁側から上方に延びるように配設されて、送り部材70の規制杆部73の下方を潜り抜ける遊技球Bを、底壁80上で左方に転動させるように案内する。
柱状部93は、ガイド壁92の左端で三角柱状に、取付座91から上方に延びるように形成されている。そして、柱状部93の通路面IF側におけるコーナ部94には、上下に3つの溝部96(96A,96B,96C)が形成されている。
なお、この挟持用部品90は、各溝部96に、後述するように、案内部98と、一対の圧接部101,102からなる挟持本体部100と、を配設させており、そのため、三つの挟持部位PH1を設けて構成されている。
各溝部96は、遊技球Bの底壁80上を転動する移動方向に沿って、換言すれば、底壁80に沿って、前側から後下がりに延びるように、形成され、そして、それぞれ、開口端側の案内部98と、底部97側の挟持本体部100と、を備えて構成されている。各溝部96の形成される方向は、曲がった通路LRを通る遊技球Bの移動方向に沿って形成されており、連結材Sを付けた遊技球Bが、遊技球Bの転動する上流側の流入口78から、コーナ部94(反転部79a)を回るように底壁80上を転動して、下流側の流下口82に到達すれば、連結材Sは、流入口78から流下口82まで連なるように延びて、結果的に、連結材Sが遊技球Bの転動する移動方向と一致して延びる状態となる。そのため、緊張状態となる連結材Sは、溝部96に沿った状態で直線状となって、溝部96内の全域に進入し易くなる。
そして、案内部98は、溝部96の底部97から離れた開口端側(開口96aの端部側であり、実施形態では、左端側)に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを底部97側に案内可能に、底部97側にかけて、上下方向に沿った開口幅を狭めるように、構成されている。すなわち、実施形態の場合、案内部98の上下で対向する案内面98a,98bが、溝部96の開口96a側から底部97側にかけて、相互に接近するように形成されている。
挟持本体部100は、溝部96の底部97側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを挟持可能に構成されている。実施形態の場合、各挟持本体部100は、連結材Sの外周面SAおける略対向する対向部位CP1,CP2を圧接する一対の圧接部101,102を設けて構成されている(図9のB参照)。圧接部101は、挟持用部品90を形成する材料、実施形態では、ポリプロピレン等の合成樹脂自体から形成されて、そして、底部97において、上下方向に開口幅を広げた副溝部99が配設され、その副溝部99の案内部98側の対向面99aから構成されている。一方、圧接部102は、撓み可能な弾性体104から構成されている。
弾性体104は、横断面をC字形状として(図10参照)、各溝部96の底部97と交差するように、上下方向に沿って貫通する組付孔95に、嵌合されている。この弾性体104は、ゴムや板金等の復元可能に変形するものであり、弾性体104の左縁104a側の先端の弾性片部105のリップ部105aを、圧接部101側に押圧させて、圧接部102を構成している。すなわち、実施形態の場合、圧接部102は、付勢手段自体を構成する弾性体104自体から構成されている。
なお、実施形態の場合、上部側の二つの溝部96A,96Bは、下方側に延びる副溝部99を一つだけ配設させて、下端の溝部96Cは、上下両側に延びるように、副溝部99を配設させている。
また、実施形態の場合、弾性体104は、先端側の弾性片部105を、各溝部96の形成方向と略直交方向で交差する方向、換言すれば、曲がった通路LRの通路面IFを転動する遊技球Bの移動方向と略直交するように、実施形態では、上下方向に沿うように配置させ、さらに、底部97から開口96a側に向けるように、コーナ部94の曲率中心側からコーナ部94の頂部94aに向かって、配置させて、副溝部99の対向面99aからなる圧接部101に、湾曲させつつ圧接させている。なお、実施形態における弾性片部105の湾曲させた先端のリップ部105aは、湾曲する方向を、挟持する連結材Sの部位から遊技球Bに連なる方向、図例の場合には、後方としている。
さらに、これらの圧接部101,102(弾性片部105)の配置位置は、各溝部96の開口96aの周縁が、遊技球Bを受け止めるカバー部107となって、各溝部96の開口96aの周縁に遊技球Bが当たっても、圧接部101,102(弾性片部105)に遊技球Bが接触しない位置としている。すなわち、実施形態の場合、撓み易い弾性片部105が、カバー部107に覆われるように、溝部96の形成方向に沿った方向における中間位置で、すなわち、溝部96の前方側から斜め右下後方向に延びる方向に沿った溝部96の中間位置で、底部97側からコーナ部94の頂部94a側へ向かうように、配置されている。
この第1実施形態の挟持部位PH1を設けた球送り装置60では、不正行為者が、ハンドル48を操作して、連結材Sを付けた遊技球Bを、球受け皿44の転動路45と排出口46と経て、球送り装置60に流入させ、さらに、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出そうとする際、その球送り装置60の部位では、図11〜13に示すような挙動となる。
すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、送り部材70の左右の揺動により、排出口46から流入口78を経て、ガイドレール部材77の転動路79に流入して、規制杆部73の下方を潜り抜けて、挟持用部品90付近に到達する(図11のA〜C、図13のAの二点鎖線参照)。その後、遊技球Bは、さらに転動して、反転部79aを通過して、流下口82から発射装置30の発射レール35上に流下しようとする(図12のA,B、図13のBの実線参照)。
その際、遊技球Bに連結された連結材Sが、緊張状態で、挟持部位PH1を構成しているいずれかの溝部96内に進入すれば、開口端側の案内部98の案内面98a,99aに案内されて、挟持本体部100まで滑り、そして、図9のCや図10のA,Bに示すように、挟持本体部100の圧接部101,102に挟まれるように挟持され、連結材Sの移動が停止される。
なお、連結材Sが、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿44側に連結材の操作把持側を残した状態で、遊技球Bが落下する重量を連結材Sにかけた際や、遊技球Bが発射装置30により発射されて連結材Sを牽引した際、あるいは、遊技球Bがパチンコ遊技機1内に入り込んだ状態で、連結材Sの操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材Sの緊張状態では、挟持部位PH1が、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配設されており、連結材Sが、緊張状態となれば、案内部98を経て、容易に、挟持本体部100に進入し、そして、挟持本体部100に挟持されて、連結材Sの移動が停止される。この連結材Sの移動停止は、連結材Sを引っ張る際の移動停止ばかりでなく、連結材Sを引っ張ることができるものの、連結材Sを繰り出しても、遊技球Bを転動させたり落下させることができないような、連結材Sの繰出移動の停止も含み、これらの移動停止では、ともに、連結材Sによる遊技球Bの操作が不能となる。
そして、このパチンコ遊技機1では、連結材Sが、挟持部位PH1の挟持本体部100に対して、緊張状態として進入できるような、曲がった通路LRの内側の通路面IF側の部位に、単に、挟持部位PH1を、配設するだけで、容易に、連結材Sの移動を停止させることができて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。
したがって、第1実施形態の球送り装置60を備えたパチンコ遊技機1では、連結材Sを付けた遊技球Bを使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球Bの操作を不能にできる。
そして、第1実施形態では、挟持本体部100が、連結材Sの外周面SAにおける略対向する対向部位CP1,CO2を圧接する一対の圧接部101,102を設けて構成されている。そして、一方の圧接部102が、連結材Sの挟持本体部100への進入時、復元時の付勢力を発揮して連結材Sに圧接されるように、弾性体104から構成されている。
そのため、第1実施形態では、緊張状態の連結材Sが挟持本体部100に進入する際、図9のCや図10のBに示すように、連結材Sが、付勢力に抗して、圧接部102のリップ部105aを撓ませつつ、一対の圧接部101,102間に進入する。そして、遊技球Bを操作しようと、連結材Sを引っ張れば、連結材Sが緊張状態となり、さらに、付勢力に抗して、一対の圧接部101,102間に連結材Sの外周面SAの全域が十分に深く進入し、連結材Sが強く挟持される事態を招く。その結果、連結材Sを繰り出そうとしても、連結材Sが挟持本体部100で強く挟持されて、繰出不能となり、遊技球Bの操作を不能にすることができる。勿論、このような構成では、遊技球Bが発射装置30により発射されて連結材Sを牽引している際、連結材Sが、挟持本体部100の一対の圧接部101,102に強く挟持されて、連結材Sの繰出移動が停止される場合もある。
また、第1実施形態では、別途、ばねやゴム等の付勢手段を設けて、連結材Sに接触する圧接部102を、連結材S側に圧接させている構成でなく、圧接部102自体を弾性体104から形成していることから、別途、付勢手段を設ける場合に比べて、簡便な構成とすることができる。
さらに、第1実施形態では、圧接部102を、連結材Sの延びる方向に沿って湾曲しつつ、連結材Sに押圧される薄肉のリップ部105aを設けた弾性体104から、形成している。このようなリップ部105aでは、圧接部101,102によって連結材Sを挟持した状態で、リップ部105aを反転させる方向(実施形態の場合には、球受け皿44側に引っ張る方向)に、連結材Sを移動させようとしても、リップ部105aが反転せず、圧接部101,102の挟持力に加えて、リップ部105aの反転規制により、一層、強く、連結材Sの移動を停止させることができる。
なお、第1実施形態では、リップ部105aの曲げる方向を、連結材Sから遊技球B側に連なる方向と一致させるように、構成したが、リップ部105aの曲げる方向は、逆に、連結材Sから球受け皿44側に連なる方向に、向けてもよい。この場合には、リップ部105aの反転が不能であれば、連結材Sが遊技球Bの遊技領域12側への打ち出し方向に沿った連結材Sの移動に、リップ部105aが対抗するため、遊技球Bの遊技領域12側への打ち出し時の移動に伴う連結材Sの繰出移動を、好適に、停止させることが可能となる。
また、第1実施形態では、球受け皿44から発射装置30の発射レール35に落下させるまでの遊技球Bの通路、すなわち、球送り装置60の転動路79であって、曲がった通路LRの内側の通路面IF側に、挟持部位PH1を、配設している。そのため、第1実施形態では、遊技球Bがレール部8や遊技領域12に至るまで、すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、球受け皿44からパチンコ遊技機1内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材Sを挟持できることから、不正行為者が連結材Sの移動を停止される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
さらに、第1実施形態では、挟持部位PH1を設けた部材を、着脱可能な交換部品としている球送り装置60としており、既存のパチンコ遊技機において、交換して、挟持部位PH1を設けた部品(球送り装置)60を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
なお、第1実施形態では、挟持部位PH1を構成する溝部96の内、上二つの溝部96A,96Bが、副溝部99を下部側の案内面98bに連なって形成しただけとしたが、溝部96Cと同様に、上部側の案内面98aに連なって、上方に延びる副溝部99を設け、溝部96A,96Bの底部97側で、緊張状態で上昇する連結材Sを挟持するように、構成してもよい。
さらに、発射装置30に至るまでの通路に、挟持部位PH1を設ける場合には、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に設ければよく、例えば、図15〜17に示すように、球送り装置60の流下口82の下縁88側や左縁89側に設けてもよい。下縁88側は、遊技球Bが流下口82から発射レール35上に落下することから、遊技球Bの下方に曲がった通路LRの内側の通路面IF側となる。また、左縁89側は、発射レール35上の遊技球Bが発射されれば、流下口82から左斜め上方に曲がった通路LRにおける内側の通路面IFとなる。
なお、流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた挟持部位PH1は、第1実施形態と同様に、挟持用部品90のコーナ部94に設けた三つの溝部96と弾性体104とを設けて、それぞれ、案内部98と、一対の圧接部101,102を有した挟持本体部100と、を設けた構造と同様である。但し、下縁88側の挟持部位PH1は、三つの溝部96の全てに、左方に凹むように副溝部99を設け、また、左縁89側の挟持部位PH1は、三つの溝部96の全てに、上方に凹むように、副溝部99を設けている。すなわち、実施形態では、発射装置30から発射される遊技球Bが、斜め上左方向に向いて、打ち出されることから、連結材Sも、流下口82から斜め上左方向に向いて引っ張られ、その際、連結材Sが、下縁88側では、左側の副溝部99における圧接部101,102間に進入し易くなり、また、左縁89側では、上側の副溝部99における圧接部101,102間に進入し易くなるからである。
そして、これらの流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた挟持部位PH1でも、連結材Sを付けた状態で遊技球Bがレール部8側に発射されれば、連結材Sが、何れかの溝部96内に進入して、案内部98に案内され、挟持部位PH1の圧接部101,102間に進入して、圧接部101,102間で挟持されることから、容易に、移動を停止されて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にでき、不正行為を防止できる。
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の挟持部位PH2を説明すると、図5,18〜23に示すように、遊技領域12側に打ち出された遊技球Bのレール部8への戻りを防止可能な戻り防止片120に、挟持部位PH2が配設されている。このような戻り防止片120は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10の上端10a側に、配設されている。そして、この戻り防止片120の配置箇所では、レール部8の内側レール部10の上端10aから遊技領域12側に向かって下方に反転するように、遊技球Bが通過することから、戻リ防止片120は、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配置されていることとなる。
この戻り防止片120は、第2実施形態の場合、内側レール部10の上端10aに嵌合させて取着される取付基部110に、揺動可能に、保持されている。取付基部110は、内側レール部10の上端10aに嵌合される四角筒形状の結合筒部111と、結合筒部111から上方に延びて戻り防止片120を保持する保持枠部112と、を備えて構成されている。保持枠部112は、前後で対向する支持壁部114,114と、支持壁部114,114相互を遊技領域12側で連結する連結壁部113と、を備えて構成されている。支持壁部114,114には、相互の対向面に、前後方向に沿って配設される支持ピン115を支持する軸支部114aが形成され、軸支部114aに支持された支持ピン115は、戻り防止片120の軸部122に挿通されている。
戻り防止片120は、上下方向の中間付近に、支持ピン115を挿通させる軸部122を配設させ、軸部122の左方側において、上方側に略長方形板状の逆止片部123を配設させ、下方側に錘部121を配設させて構成されている。錘部121は、逆止片部123を上下方向に沿って配置させた際、取付基部110の連結壁部113に当接されて、逆止片部123のレール部8側への回転(図23の反時計方向回り)、を規制している。
そして、戻り防止片120の逆止片部123の上縁123a側には、レール部8から遊技領域12側に向かう方向に貫通するように、挟持部位PH2を構成する溝部124が形成されている。
溝部124は、底部125から離れた開口端となる上縁側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを底部125側に案内可能に、底部125側にかけて前後方向に沿った開口幅を狭める案内部127と、底部125側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを挟持可能な挟持本体部130と、を備えて構成されている。挟持本体部130は、連結材Sの外周面SAにおける略対向する対向部位CP1,CP2を圧接する一対の圧接部131,132を設けて構成されている(図20参照)。そして、これらの圧接部131,132が、連結材Sの挟持本体部130への進入時、付勢力を発揮して連結材Sに圧接されるように、構成されている。
第2実施形態では、圧接部131,132が、弾性変形するゴム若しくは合成樹脂からなる弾性体134から形成されている。この弾性体134は、図21に示すようなシート材137から構成され、中央に、三角形状の切欠き138を設け、切欠き138を狭めて無くし、さらに、切欠き138側の先端相互を、重ねつつ曲げるようにして、それらの曲がった部位相互を圧接部131,132としている。換言すれば、先端のリップ部135aを遊技領域12側に曲げた一対の弾性片部135相互によって、圧接部131,132が形成されている。
そして、圧接部131,132を形成したシート材137を、逆止片部123の上縁123aに設けた組付孔123cに組み付けて、圧接部131,132からなる挟持本体部130が、戻り防止片120の上縁123a側に、配設されている。なお、この組付孔123cは、弾性片部135,135相互が圧接されるように、弾性片部135,135の下部側を含めて、弾性体134の下部134b側を、嵌合させて組み付けることができるように、設定されている。
また、戻り防止片120の上縁123a側には、溝部124の上端側の開口124aから進入する連結材Sを底部125側の挟持本体部130に案内する案内部127が形成されている。案内部127は、底部125側にかけて開口124aの前後方向の開口幅を狭めるように、前後方向で対向する案内面128,129が、底部125側にかけて相互に接近している。ちなみに、実施形態の場合、案内面128,129は、逆止片部123における弾性体134以外の弾性体134より硬い合成樹脂部分の硬質部128a,129aと、弾性体134の上端面134a側の準硬質部128b,129bと、から構成されている。
なお、実施形態では、逆止片部123の上縁123a側では、案内面128,129の硬質部128a,129aを含めて、底部125に連なる硬質部分の対向部126の対向面126a相互が、上方へ膨らむような曲面状として、底部125側で急激に接近して、底部125で連結されている。この対向部126の対向面126a,126aの左右方向の両縁付近が、遊技球Bが弾性体134の変形を招くような遊技球Bの弾性体134との接触を防止するカバー部123dを構成しており、カバー部123dは、弾性体134の上端面134aの配置位置を考慮して、形状が設定されている。
この第2実施形態の戻り防止片120では、連結材Sを付けた状態で発射された遊技球Bが、レール部8を上昇してくれば、図23のA,Bに示すように、遊技球Bに押されて、軸部122を回動中心として、遊技領域12側へ上縁123aを倒し、そして、遊技球Bが上縁123aを越え、下方に流下すれば、図23のCに示すように、錘部121の重量により、戻る。その際、遊技球Bから連結材Sが延びていれば、遊技球Bの重量や落下運動する遊技球Bの慣性力が加わって、連結材Sが、緊張状態となって、戻り防止片120の上縁123aに引っ掛かる状態となり、溝部124の開口124aから、案内部127の案内面128,129を経て、挟持本体部130側に移動し、そして、図20のA,Bや図22の説明図、図23のDに示すように、圧接部131,132間に進入する。そして、連結材Sが、円滑に、挟持本体部130の圧接部131,132間で挟持されて、移動を停止される。
すなわち、この第2実施形態の挟持部位PH2では、遊技球Bを操作しようと、球受け皿44側の連結材Sの操作把持部を引っ張る前に、連結材Sの移動停止を図ることができ、不正行為を防止できる。
勿論、遊技球Bが遊技領域12に打ち出されて落下した直後に、連結材Sが強く挟持されなくとも、その後の連結材Sの引っ張り操作時には、連結材Sが、緊張状態となって、連結材Sが、その外周面SAの全周を、挟持本体部130の共に弾性変形する圧接部131,132内に進入させて、強く挟持されることから、その後の連結材Sの繰出操作を、不能にできる。
特に、第2実施形態では、一対の圧接部131,132が、先端のリップ部135aを遊技領域12側に曲げた弾性変形可能な弾性片部135から構成され、かつ、弾性片部135,135相互が強く圧接されるように、組付孔123cに嵌合されており、連結材Sを球受け皿44側に引っ張ったり等して、緊張状態の連結材Sが、一対の圧接部131,132間の底部125付近まで、深く進入すれば、一層、圧接部131,132に強く挟持されることとなって、連結材Sを安定して移動不能(繰出不能)にできる。
なお、挟持本体部130の圧接部131,132は、遊技領域12側に曲げられていても、戻り防止片120の上縁123a側で、かつ、案内部127における案内面128,129の交差部位127aに、下向き進入可能な連結材Sの進入用入口130aを配置させていることから、逆止片部123の上縁123a側に連結材Sが引っ掛かれば、連結材Sは、円滑に、進入用入口130aを経て、一対の圧接部131,132間に進入でき、その後、遊技球Bの下方への落下時、あるいは、連結材Sの球受け皿44側への引っ張り時に、さらに、連結材Sは、底部125付近まで、円滑に進入でき、その結果、挟持本体部130の圧接部131,132は、安定して、連結材Sを移動不能にすることができる。
さらに、第2実施形態でも、挟持部位PH2を設けた部材が、パチンコ遊技機1の交換部品の一つである戻り防止片120であり、既存のパチンコ遊技機において、交換して、挟持部位PH2を設けた部品(戻り防止片)120を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
なお、第2実施形態の場合、戻り防止片120は、取付基部110に揺動可能に支持されて、取付基部110と一体的な戻り防止部品109として、構成されており、部品交換時には、取付基部110と戻り防止片120とを一体的に組み付けた戻り防止部品109として、交換されることとなる。
また、戻り防止片に挟持部位を設ける場合、遊技領域12に打ち出される遊技球Bから延びる連結材Sは、戻り防止片120の上縁123aにおける前後方向中央付近に配置されて、下方へ引っ張られる状態となり易いが、連結材Sが、遊技盤面6に接近し過ぎて、戻り防止片120の上縁123aからずれてしまうことを考慮して、図24〜26に示すように、戻り防止片120Aを構成してもよい。
この戻り防止片120Aでは、逆止片部123Aの後縁123bが、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aを対応させて、遊技盤5に設けた凹部5aに収納させて、遊技盤面6より後方に埋め込まれるように、配設されている。特に、図例の場合には、溝部124の開口124aが、遊技盤面6に進入するように、換言すれば、案内面128の硬質部128aの上縁128auが、遊技盤面6より後方に位置するように、配設されている。
なお、遊技盤5に設けた凹部5aは、遊技球Bの通過を許容できるように、逆止片部123Aの上縁123a側の揺動を可能とした状態で、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aと逆止片部123Aとを収納できるように、構成されている。そして、図例の取付基部110Aは、ねじ117止め等して、揺動可能に支持する戻り防止片120Aを、内側レール部10の上端10aに連なるように、配設させている。
この戻り防止片120Aでは、遊技盤面6と戻り防止片120Aとの間に、連結材Sが嵌ること無く、円滑に、連結材Sを、挟持部位PH2の溝部124内に導入させ、そして、案内部127を経て、圧接部131A,132Aからなる挟持本体部130Aにより、挟持できる。
<第3実施形態>
また、レール部に切断部位を設ける場合には、図27〜31に示す第3実施形態の挟持部位PH3のように構成してもよい。
この第3実施形態の挟持部位PH3は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10に、配設され、特に、実施形態の場合、内側レール部10に取り付ける挟持用部品140に、設けられている。この内側レール部10は、遊技領域12を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側を構成することとなる。
挟持用部品140は、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成され、内側レール部10に取り付けるための取付基部141と、半割り円柱状の突条部142と、を備えて構成されている。取付基部141は、断面コ字形として、内側の嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌めれば、その部位に、取り付け固定されるように、構成されている。
そして、突条部142は、外側レール部9側に、開口143aを開けた溝部143を配設させて、溝部143は、レール部8を通過する遊技球Bの移動方向に沿って、底部144を配置させている。溝部143は、底部144から離れた開口端となる外側レール部9側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを底部144側に案内可能に、底部144側にかけて前後方向に沿った開口幅を狭める案内部146と、底部144側に配置されて、緊張状態の連結材Sの進入時に、連結材Sを挟持可能な挟持本体部150と、を備えて構成されている。
挟持本体部150も、第2実施形態と同様に、連結材Sの外周面SAにおける略対向する対向部位CP1,CP2を圧接する一対の圧接部151,152を設けて構成されている。これらの圧接部151,152も、ゴム等の弾性体154からなるとともに、先端のリップ部155aを上方に曲げられた弾性片部155から構成されている。この弾性体154も所定のゴム等のシート材から形成されて、圧接部151,152が相互に離隔し難いように、突条部142に設けた組付孔142bに、嵌合されている。
案内部146は、底部144側にかけて開口143aの前後方向の開口幅を狭めるように、前後方向で対向する案内面147,148が、底部144側にかけて相互に接近している。これらの案内面147,148も、第2実施形態度と同様に、突条部142における弾性体154以外の弾性体154より硬い合成樹脂部分の硬質部147a,148aと、弾性体154の先端面154a側の準硬質部147b,148bと、から構成されている。
また、この第3実施形態においても、突条部142の溝部143では、案内面147,148の硬質部147a,148aを含めて、底部144に連なる硬質部分の対向部145の対向面145a相互が、左方側へ膨らむような曲面状として、底部144側で急激に接近して、底部144で連結されている。この対向部145の対向面145a,145aの上下方向の両縁付近が、遊技球Bが弾性体154の変形を招くような遊技球Bの弾性体154との接触を防止するカバー部142cを構成しており、カバー部142cは、弾性体154の先端面154aの配置位置を考慮して、形状が設定されている。
また、挟持用部品140は、内側レール部10に取り付けられた際、突条部142の内側レール部10からの突出高さH0を、発射装置30から発射されて外側レール部9の内側面9bを転動してくる遊技球Bが突条部142と接触しないように、設定されている。
そして、遊技球Bが内側レール部10の上端10aを経て遊技領域12に打ち出される際、連結材Sが、内側レール部10に接触するように、連結材Sが緊張状態となった際、その緊張状態の連結材Sを折曲させつつ挟持本体部150の底部144側付近まで進入できるように、底部144の内側レール部10からの突出高さH1が、設定されている。換言すれば、遊技球Bがレール部8等の小さな曲率の部位の曲がり通路LRを通過する際には、緊張状態の連結材Sが圧接部151,152間に深く進入できるように、溝部143の底部144が、設定されている。また、挟持本体部150を設けた弾性体154の先端面154a側における底部144からの突出状態は、底部144や対向部145の上下方向の縁からなるカバー部142cが、レール部8を上昇する遊技球や遊技領域12に打ち出されずに戻ってくる遊技球Bの弾性体154との接触を防止できるように、カバー部142cとの配置状態により、設定されている。
この第3実施形態では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、挟持部位PH3の溝部143内に入り込んで、円滑に、案内部146の案内面147,148に案内されて、挟持本体部150の圧接部151,152間に挿入され、圧接部151,152に挟持されて、連結材Sの移動が停止される。
その際、発射時の連結材Sの繰出の勢いが強い時、あるいは、その後の球受け皿44側への連結材Sの引張り時等において、連結材Sが緊張状態であれば、連結材Sが一対の圧接部151,152間で底部144側に深く進入して、強く挟持されることから、その後の繰出時等の連結材Sの移動を停止させることができて、不正行為を防止できる。
そして、この第3実施形態の挟持部位PH3でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、挟持部位PH3を設けた挟持用部品140を、配設するだけで、容易に、連結材Sの移動を停止できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部142cが、遊技球Bの弾性体154との直接接触を防止できて、連結材Sの挟持性能を低下させることも無い。
そして、この第3実施形態は、内側レール部10に単に組み付けるだけで、内側レール部10に挟持部位PH3を配設でき、既存のパチンコ遊技機でも、簡単に、不正行為対策を行うことができる。
なお、第3実施形態の挟持用部品140では、内側レール部10に取り付ける際、断面コ字形の取付基部141を利用して、その嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌め込むだけで、簡単に行えるワンタッチのクリップタイプを示したが、他に、ねじ止め等で取り付けるように構成してもよい。
<第4実施形態>
また、挟持部位を内側レール部に設ける場合、図32〜35に示す第4実施形態のように、内側レール部10に、開口159を設けて、挟持部位PH4を備えた挟持用部品162を、配設させてもよい。
この開口159は、内側レール部10の前後方向の中央付近に、内側レール部10に沿って長く延びる長穴状に貫通されて、形成されている。そして、挟持用部品162は、内側レール部10の内周面10bにおける開口159の周縁に、取付基部179の取付部179cを利用して、配設されている。挟持部位PH4は、ゴム等の二枚のシート材177を湾曲させて結合させた弾性体174,174を、板金製の取付基部179に組み付けて、形成されている。
挟持部位PH4は、上下方向に沿った溝部163を形成するように、二枚のシート材177(弾性体174)の元部177aを重ねて、取付基部179の元部179aに嵌合させ、二枚のシート材177の先端177b側を相互に離すように開いて、取付基部179の元部179aから両側に開いた先端部179bに固定させている。そのため、この挟持部位PH4では、元部177a側から拡開するように湾曲して広がる溝部163が形成される。そして、挟持部位PH4は、取付基部179の先端部179b側の二つの取付部179cを開口159の両側における内側レール部10の内周面10b側に、接着やねじ止め等で、固定して、挟持用部品162を内側レール部10に取り付ければ、溝部163の底部164を、レール部8を移動する遊技球Bの移動方向に沿って、配設させることができる。
そして、この挟持部位PH4では、溝部163の開口163aの端部側、すなわち、内側レール部10の開口159の周縁から底部164側に狭まるように、湾曲する部位が、連結材Sを底部164側に案内する案内面167,168を有した案内部166、となる。
また、この挟持部位PH4では、底部164側に、連結材Sを挟持する挟持本体部170が配設され、挟持本体部170は、二枚のシート材177の元部177a側相互を隙間を無くすように密着させて構成した圧接部171,172により、形成されることとなる。
この第4実施形態の挟持部位PH4では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、内側レール部10の開口159を経て、挟持部位PH4の溝部163の開口163a内に入り込み、案内部166の案内面167,168に案内され、挟持本体部170の圧接部171,172間に進入しようとする。そしてその際、発射時の連結材Sの繰出の勢いが強い時、あるいは、その後の球受け皿44側への連結材Sの引張り時等において、連結材Sが緊張状態であれば、連結材Sが一対の圧接部171,172間で底部144側に深く進入して、強く挟持されることから、その後の繰出時等の連結材Sの移動を停止させることができて、不正行為を防止できる。
そして、この第4実施形態の挟持部位PH4でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、開口159を開けて、挟持部位PH4を配設するだけで、容易に、連結材Sの移動を停止でき、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、開口159の開口幅を、遊技球Bの直径より、ある程度小さくすれば、開口159の周縁を、遊技球Bの弾性体174との接触を防止するカバー部160とすることができて、このカバー部160により、遊技球Bの弾性体174との直接接触を防止できて、連結材Sの挟持性能を低下させることも無い。
<変形例>
なお、第2〜4実施形態では、挟持本体部130,150,170が、二枚のシート状の弾性片部135,155,175を重ね合わせるようにして、圧接部131,132,151,152,171,172を構成したが、シート状のゴムや合成樹脂からなる弾性体を利用する場合に、図21のCに示す変形例の弾性体134Bに示すように、カッタにより、単に、切れ目136を設け、切れ目136を間にした部位を、圧接部131B,132Bとして、連結材Sを挟持するように構成してもよい。なお、この弾性体134Bは、逆止片部123や突条部142の組付孔123c,142bを、この弾性体134Bに対応させ、それらの対応させた組付孔123c,142bに、弾性体134Bを嵌合させれば、第2実施形態や第3実施形態の変形例として、利用できるものであり、その使用時、連結材Sは、隙間の無い切れ目136を利用した圧接部131B,132Bによって、挟持されることとなる。
また、各実施形態では、付勢力を利用する圧接部102,131,132,151,152,171,172として、それらの圧接部自体が、ゴムや合成樹脂、あるいは、ばね板から形成される場合を示したが、図36に示す第4実施絵形態の変形例における挟持用部品162Aの挟持部位PH4のように、形状保持性を有した合成樹脂や金属材からなる湾曲した圧接部171A,172Aを、相互に接近させるように付勢力を発揮するばね181により、支持させるように構成してもよい。この挟持部位PH4では、連結材Sが、ばね181の付勢力に抗して、圧接部171A,172A間に進入して、圧接部171A,172Aにより挟持され、移動を停止されることとなる。
さらに、各実施形態の圧接部101,102,131,132,151,152,171,172の挟持力を、一層、高める場合には、使用される連結材Sとの摩擦を高めるように、図36のように、挟持する面相互に細かい凹凸171a,172aを付けたり、あるいは、連結材Sの滑りを悪くするように、圧接部自体を、ウレタンゴムやシリコンゴム等の粘着性や吸着性を発揮しつつ、連結材Sを挟持できるゴム材料から、形成してもよい。勿論、このようなゴム材料は、圧接部の連結材Sを挟持する表面(挟持面)に、コーティングさせてもよい。そして、各実施形態の弾性片部105,135,155,175のように、隙間を無くして相互に接触し、かつ、その接触面の面積を広くして、圧接部102,131,132,151,152,171,172を構成する場合には、凹凸を設けて滑りを防止させたゴム製として、圧接部102,131,132,151,152,171,172を形成すれば、好適に、連結材Sを滑らせずに挟持でき、一層安定して、連結材Sの移摩を停止させることができる。
また、第2,3実施形態では、圧接部131,132,151,152の先端の向き、すなわち、リップ部135a,155aの向きを、遊技球Bの発射時の遊技領域12に向かう方向に向けて、配置させた場合を示したが、逆方向に向けて配設してもよい。
さらに、各実施形態では、挟持部位PH1,PH2,PH3、PH4を、遊技球Bが球受け皿44から発射装置30に至るまでの部位、あるいは、レール部8の部位に配設した場合を示したが、他に、入賞口における入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物14の右上部付近等に、挟持部位を配設してもよい。
1…パチンコ遊技機、
6…遊技盤面、
8…レール部、
9…外側レール部、
10…内側レール部、
12…遊技領域、
25…(入賞スイッチ)球検知スイッチ、
30…発射装置、
44…球受け皿、
48…ハンドル、
60…球送り装置、
96,96A,96B,96C,124,143,163…溝部、
97,125,144,164…底部、
98,127,146,166…案内部、
100,130,150,170…挟持本体部、
101,101A,102,102A,131,132,151,152,171,171A,172,172A…圧接部、
LR…曲がった通路、
IF…内側の通路面、
PH1,PH2,PH3,PH4…挟持部位、
S…連結材、
SA…(連結材の)外周面、
B…遊技球。

Claims (7)

  1. 球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成されるパチンコ遊技機であって、
    前記球受け皿から前記入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路における内側の通路面側に、前記遊技球に連結された可撓性を有する紐状の連結材の移動を停止可能に前記連結材を挟持する挟持部位が、配設され、
    該挟持部位が、緊張状態の前記連結材を進入可能な開口幅とした溝部を備えて構成され、
    該溝部が、
    開口端側に配置されて、緊張状態の前記連結材の進入時に、前記連結材を前記溝部の底部側に案内可能に、前記底部側にかけて開口幅を狭める案内部と、
    前記溝部の底部側に配置されて、緊張状態の前記連結材の進入時に、前記連結材を挟持可能な挟持本体部と、
    を備えて構成されていることを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 前記挟持本体部が、前記連結材の外周面における略対向する部位を圧接する一対の圧接部を設けて構成され、
    少なくとも一方の圧接部が、前記連結材の前記挟持本体部への進入時、付勢力を発揮して前記連結材に圧接されるように、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
  3. 前記球受け皿から前記発射装置の発射レールに落下させるまでの遊技球の通路であって、曲がった通路の内側の通路面側に、前記挟持部位が、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のパチンコ遊技機。
  4. 外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の前記内側レール部の上端側に、前記遊技領域側に打ち出された前記遊技球の前記レール部への戻りを防止可能な戻り防止片が、揺動可能に配設され、
    前記戻り防止片の上縁側に、前記レール部から前記遊技領域側に向かう方向に貫通しつつ、下方に凹む前記溝部を形成されて、前記挟持部位が、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のパチンコ遊技機。
  5. 前記戻り防止片が、上縁側の揺動を確保した状態として、遊技盤面近傍の前記連結材を前記溝部内に導入可能に、後縁側を遊技盤面に埋め込むように、配設されていることを特徴とする請求項4に記載のパチンコ遊技機。
  6. 外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の前記内側レール部に、前記挟持部位が、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のパチンコ遊技機。
  7. 前記挟持部位を設けた部材が、着脱可能な交換部品としていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
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