JP5084770B2 - 電動機及び圧縮機及び空気調和機 - Google Patents

電動機及び圧縮機及び空気調和機 Download PDF

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Description

この発明は、電動機に関するもので、特に固定子の構造に関する。また、その電動機を搭載した圧縮機及び空気調和機に関する。
最近の永久磁石埋込型電動機は、小型高効率化が強く求められ、それに加えて振動、騒音を低減したいという課題がある。また、昨今の環境への意識の高まりから空気調和機の圧縮機、電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車に搭載される電動機においても、振動、騒音の低減のためトルク脈動を低減することは有効である。
そこで、環状のヨークと巻線用溝となる周方向間隔をおいて放射状に複数のティースが形成され、ティース先端中央近傍の内径寸法に対してティース先端端部の内径寸法が大きいことを特徴とする固定子と、固定子と僅かな空隙を介して対向し、回転自在に保持された回転子鉄心に埋設された永久磁石にて界磁を発生する回転子を備えた電動機において、回転子鉄心の外形は、磁極中央部を最大径とした外径に凸形状で、その形状が磁極数分となり、回転子鉄心の磁極間部は回転軸を中心とした円弧形状であり、回転子外径の最小寸法となることを特徴としたことで、コギングトルクや、通電時のトルク脈動を小さくすることができ、低振動、低騒音な永久磁石埋込型電動機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−99418号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のようにティースの歯先形状の変更だけでは設計上の制限がある。例えば、磁石埋め込み式回転子では、永久磁石表面にスリットを設けて、高調波磁束の抑制、電磁加振力を低減する手法がとられる。一方で鉄心材にスリット等を設けた場合には、鉄心材に打抜き歪みが生じて磁気特性が劣化する課題があり、打抜きのための金型の寿命やメンテナンスを勘案すると、磁気変動が大きく鉄損の発生しやすい固定子にスリットを設ける選択は決して得策とは言えなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、固定子の打ち抜き歪みを解消し、固定子の磁束の歪及び磁束の集中を抑制した高効率で低騒音な電動機及び圧縮機及び空気調和機を提供することを目的とする。
この発明に係る電動機は、固定子と回転子とを備える電動機において、
固定子は、エッチング加工で所定の形状に形成される電磁鋼板を所定の枚数積層して構成される固定子鉄心を少なくとも有し、
固定子鉄心は、エッチング加工で形成されるスリットを具備し、スリットは略磁束の流れに沿って設けられることを特徴とする。
この発明に係る電動機は、エッチング加工により打ち抜き歪を解消し、残留応力による鉄損の増加を抑制すると共に、固定子鉄心に設けたスリットにより、磁束の歪及び集中を抑制した高効率で低騒音な電動機を提供することができる。
実施の形態1を示す図で、電動機100の横断面図。 実施の形態1を示す図で、電動機100の固定子10の横断面図。 実施の形態1を示す図で、固定子10の部分拡大断面図。 実施の形態1を示す図で、電動機100の回転子150の横断面図。 実施の形態1を示す図で、回転子150の回転子鉄心151の部分拡大断面図。 実施の形態1を示す図で、電動機200の横断面図。 実施の形態1を示す図で、電動機200の固定子20の部分拡大断面図。 実施の形態1を示す図で、電動機300の横断面図。 実施の形態1を示す図で、電動機200と従来の電動機900との誘起電圧を比較した図。 実施の形態1を示す図で、電動機200と従来の電動機900との高調波含有率を比較した図。 実施の形態1を示す図で、電動機200と従来の電動機900との全高調波含有率を比較した図。 実施の形態1を示す図で、磁束線図。 比較のために示す図で、一般的な従来の電動機900の横断面図。 実施の形態2を示す図で、電動機400の横断面図。 実施の形態2を示す図で、電動機400の固定子40の部分拡大断面図。 実施の形態2を示す図で、鉄損密度図。 実施の形態3を示す図で、電動機500の横断面図。 実施の形態3を示す図で、電動機500の固定子50の部分拡大断面図。 実施の形態3を示す図で、電動機600の横断面図。 実施の形態3を示す図で、電動機600の固定子60の部分拡大断面図。 実施の形態4を示す図で、電動機700の横断面図。 実施の形態4を示す図で、電動機700の固定子70の部分拡大図((a)は断面図、(b)は正面図))。 実施の形態5を示す図で、電動機800の横断面図。 実施の形態5を示す図で、電動機800の固定子80の部分拡大図断面図。
実施の形態1.
図1乃至図12は実施の形態1を示す図で、図1は電動機100の横断面図、図2は電動機100の固定子10の横断面図、図3は固定子10の部分拡大断面図、図4は電動機100の回転子150の横断面図、図5は回転子150の回転子鉄心151の部分拡大断面図、図6は電動機200の横断面図、図7は電動機200の固定子20の部分拡大断面図、図8は電動機300の横断面図、図9は電動機200と従来の電動機900との誘起電圧を比較した図、図10は電動機200と従来の電動機900との高調波含有率を比較した図、図11は電動機200と従来の電動機900との全高調波含有率を比較した図、図12は磁束線図である。
図13は比較のために示す図で、一般的な従来の電動機900の横断面図である。
図13に示す一般的な従来の電動機900は、例えばブラシレスDCモータである。電動機900は、固定子90と、この固定子90の内側に空隙を介して配置される回転子150とを備える。
固定子90は、少なくとも固定子鉄心91と、図示しない巻線(図示しない絶縁部材で固定子鉄心91と絶縁される)とを備える。
固定子鉄心91は略リング状で、外周側にリング状のコアバック13が形成されている。ティース12が、コアバック13から回転子150側に放射状に9個形成される。9個のティース12は、周方向に略等間隔に配置される。
隣接するティース12の間の空間をスロット16と呼ぶ。スロット16の数も、ティース12の数と同じ9個である。
固定子鉄心91は、金型で打ち抜いた厚さ0.7mm以下の薄い電磁鋼板を所定の形状に一枚一枚打ち抜いて所定の枚数を積層することで構成される。
固定子鉄心91を金型で打ち抜く場合、電磁鋼板に打ち抜き歪が生じ、残留応力による磁気特性の劣化により鉄損が増加する。
回転子150は永久磁石埋込型であり、少なくとも回転子鉄心151と、回転子鉄心151の磁石挿入穴に挿入される永久磁石152を備える。
6個の永久磁石152は、回転子鉄心151の外周縁に沿って形成された磁石挿入穴にされ、6極の回転子150を構成する。
回転子鉄心151の略中心部に、回転軸が挿入される軸孔153を備える。
回転子鉄心151も、固定子鉄心91と同様に金型で打ち抜いた厚さ0.7mm以下の薄い電磁鋼板を所定の形状に一枚一枚打ち抜いて所定の枚数を積層することで構成される。
従って、回転子鉄心151を金型で打ち抜く場合、電磁鋼板に打ち抜き歪が生じ、残留応力による磁気特性の劣化により鉄損が増加する。
図1乃至図5により、本実施の形態の電動機100の構成を説明する。電動機100は、固定子10と、固定子10の内側に空隙を介して配置される回転子150とを備える。
本実施の形態の電動機100は、固定子10のスロット数が9、回転子150の永久磁石152の極数が6極のものについて説明する。但し、これは一例であり、固定子10のスロット数、極数は任意でよい。
固定子10は、少なくとも固定子鉄心11と、図示しない巻線(図示しない絶縁部材で固定子鉄心11と絶縁される)とを備える。巻線は、固定子鉄心11に絶縁を介してマグネットワイヤ(銅線)を集中巻方式で巻線している。
固定子鉄心11は、従来のようなプレスによる打ち抜き加工ではなく、エッチング加工により所定の形状に形成される電磁鋼板を所定の枚数積層することで構成される。
電磁鋼板には、0.3mm程度の厚さのものを用いている。エッチングの場合は加工時間の制約から、0.35mm以下の板厚であることが好ましい。
固定子鉄心11の全体形状は、図12の一般的な電動機900の固定子90と同様であるが、各ティース12の内周縁に多数のスリット15を設けている。
図2、図3に示すように、ティース12の内周縁となる径方向の先端部を径方向先端部12aとする。また、径方向先端部12aの周方向の端部を周方向端部12bとする。
スリット15は、図12に示した磁束の流れに沿うように径方向に形成される。図3の例では、一つのティース12に15本のスリット15を周方向に略等間隔に設けている。
スリット15は、幅(周方向)が0.3mm程度である。例えば、スリット15の幅をこれより大きくしたり、本数を多くすると磁気抵抗を増大させ、トルク低下の原因となってしまう場合がある。
金型によるスリット15の打ち抜きでは、スリット15の幅に加工精度の制約があり、最小幅は1mm程度であるが、エッチング加工では電磁鋼板の板厚程度の幅(0.3mm程度)まで加工できるため、磁気抵抗の影響を小さく抑えてスリット15を形成できる利点がある。
また、エッチング加工により形成するスリット15は、非常に細く自在に加工することができるため、電動機の磁気回路内の磁気抵抗を調整することが可能である。
鉄心を金型で打ち抜く場合、電磁鋼板に打ち抜き歪が生じ、残留応力による磁気特性の劣化により鉄損が大きく増加していたが、エッチング加工では、加工による残留応力がほぼ零であることから、鉄損増加を抑制できる。
また、固定子鉄心11に打ち抜きによりスリット15を設けた場合には打ち抜き歪の影響で鉄心の透磁率が劣化し、特性が逆に悪化していたが、エッチング加工では加工歪がないことから、固定子鉄心11に細いスリット(0.3mm程度)を設けても磁気特性劣化への影響は小さく設計できる。
一般に、本実施の形態のような電動機100では、鉄損は磁気変動の大きい固定子10で主に発生するため、金型により固定子鉄心11を打ち抜いた場合には、残留応力によるBH特性の劣化や、鉄損密度の増加により鉄損が大幅に増加し、効率低下の要因となっていた。
電磁鋼板にエッチング加工を行うには、絶縁加工を施していない方が好ましく、エッチング加工後の積層時に電磁鋼板の絶縁工程を設けている。
次に、固定子鉄心11を形成する基本プロセスであるエッチング加工について説明する。
電磁鋼板に前処理を施し、レジストを塗布する。このレジストに対してマスクを用いて、固定子鉄心11の内外周形状、スリット15、スロット16を露光し、それぞれ現像する。この形状に基づきレジストを除去し、エッチング液により加工する。
エッチング液による加工後、残ったレジストを除去すれば、所望の固定子鉄心11の内外周形状、スリット15、スロット16の形状を有する電磁鋼板が形成できる。こうした製造には、例えばフォトエッチング加工が有効であり、金属マスクを用いた微細孔を精密に加工する方法を使用することも有効である。
なお、平板又はコイル状、ロール状に形成される電磁鋼板から、固定子鉄心11に加え、回転子鉄心151も同時に採取することもでき、複数の形状の固定子鉄心11及び回転子鉄心151を同時に採取することも可能である。
エッチング加工を用いれば、固定子鉄心11の内外周形状、スリット15、スロット16を極めて高い加工精度、例えば、誤差として±10μm以下、好ましくは±5μm以下で形成することが可能である。つまり、エッチング加工を用いることにより、スリット15の形状を複雑な形状とすることも可能である。
図4に示す回転子150は、図12に示す一般的な電動機900の回転子150と同じであるが、図5も参照しながら、一応説明する。
回転子150は永久磁石埋込型であり、少なくとも回転子鉄心151と、回転子鉄心151の磁石挿入穴154に挿入される永久磁石152を備える。
6個の永久磁石152は、回転子鉄心151の外周縁に沿って形成された磁石挿入穴154にされ、6極の回転子150を構成する。
回転子鉄心151の略中心部に、回転軸が挿入される軸孔153を備える。
回転子鉄心151の外周縁に沿って形成された磁石挿入穴154は、周方向の両端に空間である漏れ磁束抑制穴154aを備える。漏れ磁束抑制穴154aは、極間における永久磁石152間の磁束漏れを抑制する。
回転子150の永久磁石152は、Nd−Fe−Bを主成分とするネオジウム希土類磁石を搭載しており、厚さ2mm程度の平板形状である。
本実施の形態の効果として、固定子鉄心11の打ち抜き歪がなくなることにより、磁気特性が改善し、トルクの向上や鉄損増加の抑制が期待できる。
また、固定子鉄心11の適所(例えば、図3に示すようにティース12の径方向先端部12a)にスリット15を設けることにより、高調波磁束の抑制や磁束の集中を緩和でき、トルク脈動の低減、鉄の低減、電動機の高効率化及び低騒音化の効果がある。
固定子鉄心11にスリット15を設ける場合、スリット15の方向が図12に示したように磁束の流れと垂直方向であると、磁気抵抗が大きくなり、磁束の流れを阻害してしまい好ましくない。本実施の形態の固定子鉄心11はティース12に磁束の流れ(図12参照)に沿った径方向のスリット15を設けており、後述するようにコアバック13には周方向のスリットを設けることが好ましい。
また、エッチング加工により形成されたスリットを等間隔で配置せずに、スリットが不等間隔で並んだ構成としても良い。
スリットが不等間隔で並んだ構成の電動機の例を、図6、図7により説明する。
図6は電動機200の横断面図、図7は電動機200の固定子20の部分拡大断面図である。
図6に示す電動機200は、固定子20の固定子鉄心21の構成が図1の電動機100と異なる。
電動機200の固定子20の固定子鉄心21は、スリット25がティース12の径方向先端部12aに形成されているが、ティース12の径方向先端部12aの中心部よりも周方向端部12b側にスリット25を多く設けている。
図7に示すように、一例ではティース12の中心に対して対称に、片側に4本のスリット25を不等間隔に設けている。
一般に、固定子鉄心21のティース12の径方向先端部12aは、周方向端部12bに行くほど磁路が狭いので、磁束密度が高くなる傾向にあり、鉄損密度も大きくなる。
また、スリット25の位置がティース12の周方向端部12bであるほど、磁束密度が高いので磁束の流れに対する影響が大きく、磁気抵抗を調整する機能が高い。
ティース12の周方向端部12bに向かうにつれスリット25を多く設けることで、ティース12の周方向端部12b空隙(エアギャップ)を広げるティースカットと同様の効果が得られ、高調波磁束を抑制し、静音、低振動化の効果がある。
ティース12の周方向端部12bに向かうにつれスリット25を多く設けることで、ティース12の周方向端部12bの磁気抵抗が大きくなるため、ティース12の周方向端部12bに回転子150からの磁束が流入しにくくなる。そのため、通常は磁束密度が高くなるティース12の周方向端部12bの磁束密度の集中が緩和される。ティース12の周方向端部12bの磁束密度の集中が緩和されることにより、固定子鉄心21の鉄損を大幅に低減することができる。
尚、電動機200(図6、図7)では、ティース12の先端部(径方向先端部12a付近)にスリット25を設けたが、図8の電動機300のように、スリット35を固定子30の固定子鉄心31のコアバック13方向に磁束の流れに沿うように径方向に延ばしてもよい。
図9乃至図11に無負荷時の誘起電圧の解析結果を示す。電動機200(図6、図7)と従来の電動機900とを比較している。
図9は電動機200と従来の電動機900との誘起電圧を比較した図、図10は電動機200と従来の電動機900との高調波含有率を比較した図、図11は電動機200と従来の電動機900との全高調波含有率を比較した図である。
スリット25をティース12の径方向先端部12aの中心部よりも周方向端部12b側にスリット25を多く設け、且つ不等間隔に設けた電動機200は、従来の電動機900よりも誘起電圧の高調波成分が抑制されている。
電動機200は、従来の電動機900に比べて誘起電圧の全高調波含有率が26%も減少している。これにより、トルクリプルが低減し、低騒音の効果が期待できる。
実施の形態2.
図14乃至図16は実施の形態2を示す図で、図14は電動機400の横断面図、図15は電動機400の固定子40の部分拡大断面図、図16は鉄損密度図である。
図14、図15に示す電動機400は、実施の形態1の電動機100〜300とスリット45の配置が異なる。実施の形態2の固定子40の固定子鉄心41は、ティース12中心軸に対して非対称な位置にエッチング加工により形成されたスリット45を備えている。更に、ティース12の固定子鉄心41の反回転方向側の周方向端部12bにスリット45を多く持つ構成となっている。
図15に示すように、電動機400は、ティース12の径方向先端部12aの反回転方向側の周方向端部12b側に5本のスリット45を不等間隔に、図12に示した磁束の流れに沿うように配置している。但し、スリット45の数、配置の仕方は任意でよい。
通常、固定子鉄心41の反回転方向側のティース12の周方向端部12bは、磁束の集中及び磁気変動が大きく、鉄損の発生しやすい箇所である(図16参照、色の濃さで鉄損の表し、濃い方が鉄損が大きい)。そこに、スリット45を設けることにより、磁束の集中及び磁気変動が大きい部分の面積を低減することができ、鉄損を大きく低減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、電動機400は、ティース12の径方向先端部12aの反回転方向側の周方向端部12b側に5本のスリット45を不等間隔に、磁束の流れに沿うように配置することにより、磁束の集中及び磁気変動が大きい部分の面積を低減することができ、鉄損を大きく低減することができる。
実施の形態3.
図17乃至図20は実施の形態3を示す図で、図17は電動機500の横断面図、図18は電動機500の固定子50の部分拡大断面図、図19は電動機600の横断面図、図20は電動機600の固定子60の部分拡大断面図である。
実施の形態3の電動機500は、固定子50の固定子鉄心51の外周縁に沿って、周方向にエッチング加工により形成されたスリット55を備える。
図17、図18に示す電動機500は、一つのスロット16の外側に2個のスリット55を設けている。スロット16は全体で9個であるから、スリット55は18本形成されている。但し、スリット55の数は機種に応じて適宜選択することでよい。
また、図19、図20に示す電動機600では、固定子60の固定子鉄心61の一つのスロット16の外側のコアバック13に、スリット65を径方向に3本、それを周方向に2組形成している。スロット16は全体で9個であるから、スリット65は54本形成されている。但し、スリット65の数は機種に応じて適宜選択することでよい。
一般に、固定子鉄心51,61を、例えば圧縮機の密閉容器(シェル)に焼嵌、圧入等の方法により固定を行う際、固定子鉄心51,61には密閉容器に締め付けられることによる応力が発生する。固定子鉄心51,61に応力が発生すると、透磁率の低下、鉄損の増加の原因となる。
固定子鉄心51,61の密閉容器との接触部(外周部)の内周側にスリット55,65を周方向に設けることにより、固定子鉄心51,61に作用する外部締め付け力をスリット55,65の外周部の鉄心の変形により吸収し、固定子鉄心51、61内部の応力を低減し、透磁率の低下や鉄損増加を抑制した高効率な電動機500,600を構成することができる。尚、スリット55,65は磁路の妨げとなるため、エッチング加工による細いスリット55,65が好ましい。
スリット55,65の幅(径方向)は、既に実施の形態1で述べたように、0.3mm程度が好ましい。
また、実施の形態1〜3で説明した固定子鉄心11,21,31,41,51,61に設けたスリット15,25,35,45,55,65に、接着剤、樹脂等を流し込み固定を行うことにより、電動機100,200,300,400,500,600の駆動時の固定子鉄心11,21,31,41,51,61のティース12に働く電磁加振力に対し、接着剤、樹脂等を流し込んだスリット15,25,35,45,55,65が緩衝材として作用し、低振動、低騒音な電動機100,200,300,400,500,600を提供することができる。
実施の形態4.
図21、図22は実施の形態4を示す図で、図21は電動機700の横断面図、図22は電動機700の固定子70の部分拡大図((a)は断面図、(b)は正面図))である。
実施の形態4の電動機700は、スリットの代わりに固定子鉄心71のティース12の周方向端部12bのそれぞれに、ハーフエッチング75を施している。ハーフエッチング75は、スリットを板厚方向に貫通させず、板厚が半分程度になるように加工を行う(図20(b)参照)。ハーフエッチング75でも、スリットを設けたのと同じような効果がある。
即ち、固定子鉄心71の反回転方向側のティース12の周方向端部12bは、磁束の集中及び磁気変動が大きく、鉄損の発生しやすい箇所である。そこに、スリット45を設けることにより、磁束の集中及び磁気変動が大きい部分の面積を低減することができ、鉄損を大きく低減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、スリットの代わりに固定子鉄心71のティース12の周方向端部12bのそれぞれに、ハーフエッチング75を施すことにより、スリットを設けたのと同様の効果が得られる。
実施の形態5.
図23、図24は実施の形態5を示す図で、図23は電動機800の横断面図、図24は電動機800の固定子80の部分拡大図断面図である。
実施の形態5の電動機800は、固定子80の固定子鉄心81のティース12の径方向先端部12aに、エッチング加工による微小突起85を設けている。
図24に示すように、微小突起85は、ティース12の中心線(径方向)の両側に対称に形成される。そして、ティース12の周方向端部12bに行くにつれ、微小突起85の間隔が広くなっている。
微小突起85の高さは、例えば、0.3mm程度である。微小突起85の間隔を調整することで、等価的に空隙(エアギャップ)の大きさを調整することができる。微小突起85の間隔を広くした部分の空隙は等価的に大きくなり、微小突起85の間隔を狭くした部分の空隙は等価的に小さくなる。
ティース12の周方向端部12bに近づくにつれ、微小突起85の間隔を広くすることにより、ティース12の周方向端部12bの空隙が等価的に大きくなり、高調波磁束の抑制の効果がある。
また、ティース12の周方向端部12bの内径側を軸方向全体に広げて、ティース12の周方向端部12bの空隙を大きくする方法に比べて、本実施の形態は固定子鉄心81の内周面の径は一定であるため、空隙(エアギャップ)の管理が行いやすいという利点がある。
以上のように、本実施の形態によれば、固定子鉄心81のティース12の径方向先端部12aに、エッチング加工による微小突起85を設け、微小突起85をティース12の周方向端部12bに行くにつれ、微小突起85の間隔が広くなるように形成することにより、ティース12の周方向端部12bの空隙が等価的に大きくなり、高調波磁束の抑制の効果がある。
尚、上記実施の形態では、回転子に永久磁石を用いる電動機について説明したが、回転子に永久磁石を使用しない電動機にも本実施の形態は適用可能である。例えば、誘導電動機、整流子電動機等である。
また、回転子鉄心を構成する電磁鋼板は、固定子鉄心と同様にエッチング加工で形成してもよいし、プレスによる打ち抜きで形成してもよい。
本発明の活用例として、圧縮機、その圧縮機を搭載した空気調和機等の製品の損失を大幅に低減し、製品の省エネ性を向上させることができる。また、静音性の効果も期待できる。
10 固定子、11 固定子鉄心、12 ティース、12a 径方向先端部、12b 周方向端部、13 コアバック、15 スリット、16 スロット、20 固定子、21 固定子鉄心、25 スリット、30 固定子、31 固定子鉄心、35 スリット、40 固定子、41 固定子鉄心、45 スリット、50 固定子、51 固定子鉄心、55 スリット、60 固定子、61 固定子鉄心、65 スリット、70 固定子、71 固定子鉄心、75 ハーフエッチング、80 固定子、81 固定子鉄心、85 微小突起、90 固定子、91 固定子鉄心、100 電動機、150 回転子、151 回転子鉄心、152 永久磁石、153 軸孔、154 磁石挿入穴、154a 漏れ磁束抑制穴、200 電動機、300 電動機、400 電動機、500 電動機、600 電動機、700 電動機、800 電動機、900 電動機。

Claims (10)

  1. 固定子と回転子とを備える電動機において、
    前記固定子は、エッチング加工で所定の形状に形成される電磁鋼板を所定の枚数積層して構成される固定子鉄心を少なくとも有し、
    前記固定子鉄心は、コアバックから内側に放射状に延びる複数のティースを有し、前記ティースの径方向先端部にエッチング加工で形成されるスリットであって、略磁束の流れに沿って設けられたスリットを具備し、
    前記スリットは、前記ティースの径方向先端部における反回転方向側の周方向端部のみに形成されていることを特徴とする電動機。
  2. 前記スリットを不等間隔で設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機。
  3. 前記ティースの周方向端部に向かって、前記スリット間の間隔が徐々に狭くなることを特徴とする請求項2記載の電動機。
  4. 前記固定子鉄心は外周側に略リング状のコアバックを有し、前記コアバックに前記スリットを周方向に設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機。
  5. 前記スリットを前記固定子鉄心の外周縁近傍に形成することを特徴とする請求項4記載の電動機。
  6. 前記スリットの幅が前記電磁鋼板の板厚以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電動機。
  7. 前記スリットを、接着剤、樹脂で固定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電動機。
  8. 前記電磁鋼板の板厚は、0.05mm〜0.30mmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電動機。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電動機を搭載したことを特徴とする圧縮機。
  10. 請求項9記載の圧縮機を搭載したことを特徴とする空気調和機。
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