JP3662905B2 - 電動機及び発電機の鉄心 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機及び発電機等の回転機器に於ける鉄心の形状に関し、近年高効率化する回転機器の高効率を維持しつつ、回転機器に於いてローターのコギングトルクを減少せしめ、安定した回転トルクを発生し回転特性を向上させると共に、更に生産コストを低減し経済性を向上させて安価で高性能な回転機器を供給する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、従来の電動機及び発電機等の回転機器に於いて、ローターのコギングトルクを減少せしめ、安定した回転トルクを発生し回転特性を向上させる技術が数多く提案されている。
【0003】
即ち、鉄心の磁極数を多極にしたり、或いはステータの極数とローターの極数を異なる極数、例えばステータ12極、ローター8極とすることにより、コギングトルクを減少せしめ、従来回転機器に於いて実用性のある回転特性(トルク特性)を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記、従来技術による単相、2相、3相、それ以上の回転機器は、更に次の点に於いて性能の向上が考えられる。
【0005】
即ち、従来技術の高効率の回転機器に於いては、回転トルク特性(コギングトルク等)を改善する為に、ステータあるいはローターの磁極を多数極にし、複雑な巻き線でコストのかかる構造の電動機もしくは発電機しか提案されていなかった。
【0006】
又、従来技術に於いても、コキングトルクの少ない高効率、高出力の回転機器が提案されてはいるが、それらはステータの極数とローターの極数を異なる極数例えばステータ12極、ローター8極とすることによりコキングトルクの問題を解消していた、その為に例えばステータ6極、ローター6極とした同極数の電動機もしくは発電機等は、構造上強いコギングトルクが発生する事によって、従来技術では実現が難しい物もあった。
【0007】
従って、本発明の目的とするところは、高効率、高出力が要求される回転機器に於いて、従来では困難とされたステータ磁極とローター磁極の磁極数の組み合わせに於いても、コギングトルクを減少させて可能とし、更に、生産コストを低減し経済性を向上させて、安価で高性能を有する回転機器を供給する技術を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は次の技術的手段を有する。
【0009】
即ち、実施例に対応する添付図面中の符号を用いて説明すると、本発明は磁極片を2極以上有する電動機及び発電機の鉄心に於いて、その磁極片の中心線に対して、左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した磁極片3aを設けてなる事を特徴とする鉄心1が考慮される。
【0010】
又、磁極片を2極以上有する電動機及び発電機の鉄心於いて、鉄心1の磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる磁極片3bとし、それぞれ配置し設けてなる事が考慮される。
【0011】
【発明の実施形態】
上記構成に基づき添付図面に従い本発明の実施例を詳述する。
【0012】
第1図は、請求項1の実施例の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の直溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した直溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0013】
第2図は、請求項1の実施例に於けるクローポール型鉄心の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の直溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した直溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0014】
第3図は、請求項1の実施例の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の斜溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した斜溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0015】
第4図は、請求項1の実施例に於けるクローポール型鉄心の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の斜溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した斜溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0016】
第5図の上図は、請求項2の実施例に於けるクローポール型ステータの鉄心1の構成図を示した一例である、上図に於いて2つの鉄心1の間に巻き線をはさみ組み合わせる事により、ステータコイルを容易に造ることが出来る。
【0017】
即ち、直溝型磁極片を2極以上有する鉄心に於いて、鉄心1の磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる直溝型の磁極片3bとし、それぞれ配置し設けた鉄心1が考慮される。
【0018】
従って、第5図の下図に於いてこの実施例は、磁極片総数10極でその1/2にあたる磁極片3a5極と、残りの1/2にあたる磁極片3b5極が交互に合わさり鉄心1を構成している。
【0019】
第5図に於いては、磁極片3aと磁極片3bを交互に配置しているが、必ずしも交互に配置する必要は無い。
【0020】
第6図の上図は、請求項2の実施例に於ける6極ステータの鉄心1を示した実施例の一例である。
【0021】
即ち、斜溝型磁極片を2極以上有する鉄心に於いて、鉄心1の磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる斜溝型の磁極片3bとし、それぞれ配置し設けた鉄心1が考慮される。
【0022】
従って、第6図の下図に於いてこの実施例は、磁極片総数6極で、その1/2に相当する磁極片3a3極と、残りの1/2に相当する磁極片3b3極が交互に配置され鉄心1を構成している。
【0023】
第6図に於いては、磁極片3aと磁極片3bを交互に配置しているが、必ずしも交互に配置する必要は無い。
【0024】
第7図の上図は、従来技術では問題のあった、ステータ極数とローター極数が同極数である場合に於ける、本発明の鉄心の実施例に於いて、磁極片総数が6極のステータ鉄心1の一例を使用して、6極ローターを設けた時のスリット2aと2bによる磁力線10の変化とコキングトルクの減少効果を示した図である。
【0025】
即ち、第7図の上図によると本発明による6極の磁極片を有する鉄心1に於いて、磁極片総数の1/2に相当する3極が、スリット2aからなる磁極片3aであり、残りの1/2の3極がそれとは対称形状のスリット2bからなる磁極片3bを交互に配置した鉄心1を示した図である。
【0026】
次に、第7図上図に於いて、スリット2aとスリット2bによる磁力線10の変化とコキングトルクの減少効果を説明すると、まずそれぞれの磁極片3a、3bに於いて、その中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2a、2bを設けて磁極面を分割する事により、磁力線通路が延長され磁力によりローター5に加わる引力が小さくなりその結果コキングトルクが減少する。
【0027】
更に、第7図下図に於いて、それぞれの磁極片を異なる深さの2本以上のスリット2a、2bを設けて磁極面を分割した事により、ローターのN極とS極の最も強く引力を発生する磁極の境界の位置が、磁極片3aの最も短いスリットの位置に移動した時に、磁極片3bの最も短いスリットとの相互間に互いに引力を打ち消し合う作用が発生し、更にコキングトルクが減少する効果を生する。
【0028】
第8図は、本発明の鉄心に於ける、磁極片総数が6極のステータ鉄心1と2極ローター5を設けた実施例の一例であるが、従来の鉄心と比較して磁極片3a、3bに対称形状のスリット2a、2bが設けられている事により、ローター5に加わる引力が小さくなり、更に磁極片3a、3bの相互間に互いに引力を打ち消し合う作用が発生し、その結果更にコキングトルクが減少する。
【0029】
第9図は、本発明の鉄心に於ける、磁極片総数が6極のステータ鉄心1と4極ローター5を設けた実施例の一例であるが、従来の鉄心と比較して磁極片3a、3bに対称形状のスリット2a、2bが設けられている事により、ローター5に加わる引力が小さくなり、更に磁極片3a、3bの相互間に互いに引力を打ち消し合う作用が発生し、その結果更にコキングトルクが減少する。
【0030】
第8図及び第9図の何れの実施例も従来から実施されていた極数の組み合わせによるブラシレスDCモーターの略図であるが、本発明によれば他にもさまざまの極数の組み合わせ、或いはさまざまのタイプの回転機器に於いて、コギングトルクを減少させる事が考慮される。
【0031】
第10図は、本発明による10極クローポール型直溝磁極片の鉄心(アウターローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0032】
第11図は、本発明による10極クローポール型斜溝磁極片の鉄心(アウターローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0033】
第12図は、本発明による10極クローポール型直溝磁極片の鉄心(インナーローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0034】
第13図は、本発明による6極3相直溝型磁極片の鉄心(インナーローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0035】
第14図は、本発明による10極3相クローポール型直溝磁極片の鉄心(インナーローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0036】
第15図は、本発明による6極3相直溝型磁極片の鉄心を実施したローターの一例の斜視図である。
【0037】
以上、詳述した如く全く新しい鉄心である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の上記構成に基づくと、従来技術に於いて、例えばステータ6極ローター6極等、同極数の電動機及び発電機に於いては、構造上強いコギングトルクが発生する事によって実現が難しかった、しかし、本発明によればステータ6極ローター6極の実施例の一例を詳述した如く、コギングトルクを減少せしめ、ステータ極数とローター極数が同極数の場合に於いても、電動機及び発電機の製造が可能である。
【0039】
又、従来技術に於いて、電動機及び発電機に実施されているステータ磁極数とローター磁極数が異極数の場合に於いても、更にコギングトルクを減少させる事を可能とし、回転特性を向上させる事が可能である。
【0040】
更に、クローポール型鉄心によるステータ或いはローターに於いては、鉄心の磁極総数が多極になっても製造が容易で、巻き線も1鉄心につき1巻き線でよく、単相、2相、3相、それ以上の相も容易に出来る事により、製造コストの削減が可能である。
【0041】
以上、詳述した如く本発明は、回転機器のコキングトルクを減少せしめ優れた回転特性を実現し、高効率、高出力の電動機及び発電機等の回転機器を可能とし更に、生産コストを低減し経済性を向上させて、安価で高性能を有する回転機器を供給する事が出来る技術である。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直溝型磁極片の切り欠け斜視図とその断面図である。
【図2】本発明のクローポール型直溝磁極片の切り欠け斜視図とその側面図である。
【図3】本発明の斜溝型磁極片の切り欠け斜視図とその断面図である。
【図4】本発明のクローポール型斜溝磁極片の切り欠け斜視図とその側面図である。
【図5】本発明のクローポール型直溝磁極片の鉄心斜視図とその側面図である。
【図6】本発明の斜溝型磁極片の鉄心斜視図とその断面図である。
【図7】本発明の磁極片による磁力線の変化とコキングトルク減少を説明した図である。
【図8】本発明の6極磁極片の実施例を示した図である。
【図9】本発明の6極磁極片の実施例を示した図である。
【図10】本発明による、10極クローポール型直溝磁極片のステータ鉄心の実施例を示した図である。
【図11】本発明による、10極クローポール型斜溝磁極片のステータ鉄心の実施例を示した図である。
【図12】本発明による、10極クローポール型直溝磁極片のステータ鉄心(インナーローター)の実施例を示した図である。
【図13】本発明による、6極3相直溝型磁極片のステータ鉄心(インナーローター)の実施例を示した図である。
【図14】本発明による、10極3相クローポール型直溝磁極片のステータ鉄心(インナーローター)の実施例を示した図である。
【図15】本発明による、6極3相直溝型磁極片のローター鉄心の実施例を示した図である。
【符号の説明】
1 鉄心
2a スリット
2b スリット
3a 磁極片
3b 磁極片
4 巻き線
5 磁石
6 リード線
7 3相リード線
8 電極
9 ローターシャフト
10 磁力線
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機及び発電機等の回転機器に於ける鉄心の形状に関し、近年高効率化する回転機器の高効率を維持しつつ、回転機器に於いてローターのコギングトルクを減少せしめ、安定した回転トルクを発生し回転特性を向上させると共に、更に生産コストを低減し経済性を向上させて安価で高性能な回転機器を供給する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、従来の電動機及び発電機等の回転機器に於いて、ローターのコギングトルクを減少せしめ、安定した回転トルクを発生し回転特性を向上させる技術が数多く提案されている。
【0003】
即ち、鉄心の磁極数を多極にしたり、或いはステータの極数とローターの極数を異なる極数、例えばステータ12極、ローター8極とすることにより、コギングトルクを減少せしめ、従来回転機器に於いて実用性のある回転特性(トルク特性)を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記、従来技術による単相、2相、3相、それ以上の回転機器は、更に次の点に於いて性能の向上が考えられる。
【0005】
即ち、従来技術の高効率の回転機器に於いては、回転トルク特性(コギングトルク等)を改善する為に、ステータあるいはローターの磁極を多数極にし、複雑な巻き線でコストのかかる構造の電動機もしくは発電機しか提案されていなかった。
【0006】
又、従来技術に於いても、コキングトルクの少ない高効率、高出力の回転機器が提案されてはいるが、それらはステータの極数とローターの極数を異なる極数例えばステータ12極、ローター8極とすることによりコキングトルクの問題を解消していた、その為に例えばステータ6極、ローター6極とした同極数の電動機もしくは発電機等は、構造上強いコギングトルクが発生する事によって、従来技術では実現が難しい物もあった。
【0007】
従って、本発明の目的とするところは、高効率、高出力が要求される回転機器に於いて、従来では困難とされたステータ磁極とローター磁極の磁極数の組み合わせに於いても、コギングトルクを減少させて可能とし、更に、生産コストを低減し経済性を向上させて、安価で高性能を有する回転機器を供給する技術を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は次の技術的手段を有する。
【0009】
即ち、実施例に対応する添付図面中の符号を用いて説明すると、本発明は磁極片を2極以上有する電動機及び発電機の鉄心に於いて、その磁極片の中心線に対して、左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した磁極片3aを設けてなる事を特徴とする鉄心1が考慮される。
【0010】
又、磁極片を2極以上有する電動機及び発電機の鉄心於いて、鉄心1の磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる磁極片3bとし、それぞれ配置し設けてなる事が考慮される。
【0011】
【発明の実施形態】
上記構成に基づき添付図面に従い本発明の実施例を詳述する。
【0012】
第1図は、請求項1の実施例の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の直溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した直溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0013】
第2図は、請求項1の実施例に於けるクローポール型鉄心の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の直溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した直溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0014】
第3図は、請求項1の実施例の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の斜溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した斜溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0015】
第4図は、請求項1の実施例に於けるクローポール型鉄心の一例を示した物である、即ち、電動機及び発電機の鉄心の斜溝型磁極片に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した斜溝型の磁極片3aを有する鉄心1が考慮される。
【0016】
第5図の上図は、請求項2の実施例に於けるクローポール型ステータの鉄心1の構成図を示した一例である、上図に於いて2つの鉄心1の間に巻き線をはさみ組み合わせる事により、ステータコイルを容易に造ることが出来る。
【0017】
即ち、直溝型磁極片を2極以上有する鉄心に於いて、鉄心1の磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる直溝型の磁極片3bとし、それぞれ配置し設けた鉄心1が考慮される。
【0018】
従って、第5図の下図に於いてこの実施例は、磁極片総数10極でその1/2にあたる磁極片3a5極と、残りの1/2にあたる磁極片3b5極が交互に合わさり鉄心1を構成している。
【0019】
第5図に於いては、磁極片3aと磁極片3bを交互に配置しているが、必ずしも交互に配置する必要は無い。
【0020】
第6図の上図は、請求項2の実施例に於ける6極ステータの鉄心1を示した実施例の一例である。
【0021】
即ち、斜溝型磁極片を2極以上有する鉄心に於いて、鉄心1の磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる斜溝型の磁極片3bとし、それぞれ配置し設けた鉄心1が考慮される。
【0022】
従って、第6図の下図に於いてこの実施例は、磁極片総数6極で、その1/2に相当する磁極片3a3極と、残りの1/2に相当する磁極片3b3極が交互に配置され鉄心1を構成している。
【0023】
第6図に於いては、磁極片3aと磁極片3bを交互に配置しているが、必ずしも交互に配置する必要は無い。
【0024】
第7図の上図は、従来技術では問題のあった、ステータ極数とローター極数が同極数である場合に於ける、本発明の鉄心の実施例に於いて、磁極片総数が6極のステータ鉄心1の一例を使用して、6極ローターを設けた時のスリット2aと2bによる磁力線10の変化とコキングトルクの減少効果を示した図である。
【0025】
即ち、第7図の上図によると本発明による6極の磁極片を有する鉄心1に於いて、磁極片総数の1/2に相当する3極が、スリット2aからなる磁極片3aであり、残りの1/2の3極がそれとは対称形状のスリット2bからなる磁極片3bを交互に配置した鉄心1を示した図である。
【0026】
次に、第7図上図に於いて、スリット2aとスリット2bによる磁力線10の変化とコキングトルクの減少効果を説明すると、まずそれぞれの磁極片3a、3bに於いて、その中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2a、2bを設けて磁極面を分割する事により、磁力線通路が延長され磁力によりローター5に加わる引力が小さくなりその結果コキングトルクが減少する。
【0027】
更に、第7図下図に於いて、それぞれの磁極片を異なる深さの2本以上のスリット2a、2bを設けて磁極面を分割した事により、ローターのN極とS極の最も強く引力を発生する磁極の境界の位置が、磁極片3aの最も短いスリットの位置に移動した時に、磁極片3bの最も短いスリットとの相互間に互いに引力を打ち消し合う作用が発生し、更にコキングトルクが減少する効果を生する。
【0028】
第8図は、本発明の鉄心に於ける、磁極片総数が6極のステータ鉄心1と2極ローター5を設けた実施例の一例であるが、従来の鉄心と比較して磁極片3a、3bに対称形状のスリット2a、2bが設けられている事により、ローター5に加わる引力が小さくなり、更に磁極片3a、3bの相互間に互いに引力を打ち消し合う作用が発生し、その結果更にコキングトルクが減少する。
【0029】
第9図は、本発明の鉄心に於ける、磁極片総数が6極のステータ鉄心1と4極ローター5を設けた実施例の一例であるが、従来の鉄心と比較して磁極片3a、3bに対称形状のスリット2a、2bが設けられている事により、ローター5に加わる引力が小さくなり、更に磁極片3a、3bの相互間に互いに引力を打ち消し合う作用が発生し、その結果更にコキングトルクが減少する。
【0030】
第8図及び第9図の何れの実施例も従来から実施されていた極数の組み合わせによるブラシレスDCモーターの略図であるが、本発明によれば他にもさまざまの極数の組み合わせ、或いはさまざまのタイプの回転機器に於いて、コギングトルクを減少させる事が考慮される。
【0031】
第10図は、本発明による10極クローポール型直溝磁極片の鉄心(アウターローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0032】
第11図は、本発明による10極クローポール型斜溝磁極片の鉄心(アウターローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0033】
第12図は、本発明による10極クローポール型直溝磁極片の鉄心(インナーローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0034】
第13図は、本発明による6極3相直溝型磁極片の鉄心(インナーローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0035】
第14図は、本発明による10極3相クローポール型直溝磁極片の鉄心(インナーローター)を実施したステータ鉄心の一例の斜視図である。
【0036】
第15図は、本発明による6極3相直溝型磁極片の鉄心を実施したローターの一例の斜視図である。
【0037】
以上、詳述した如く全く新しい鉄心である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の上記構成に基づくと、従来技術に於いて、例えばステータ6極ローター6極等、同極数の電動機及び発電機に於いては、構造上強いコギングトルクが発生する事によって実現が難しかった、しかし、本発明によればステータ6極ローター6極の実施例の一例を詳述した如く、コギングトルクを減少せしめ、ステータ極数とローター極数が同極数の場合に於いても、電動機及び発電機の製造が可能である。
【0039】
又、従来技術に於いて、電動機及び発電機に実施されているステータ磁極数とローター磁極数が異極数の場合に於いても、更にコギングトルクを減少させる事を可能とし、回転特性を向上させる事が可能である。
【0040】
更に、クローポール型鉄心によるステータ或いはローターに於いては、鉄心の磁極総数が多極になっても製造が容易で、巻き線も1鉄心につき1巻き線でよく、単相、2相、3相、それ以上の相も容易に出来る事により、製造コストの削減が可能である。
【0041】
以上、詳述した如く本発明は、回転機器のコキングトルクを減少せしめ優れた回転特性を実現し、高効率、高出力の電動機及び発電機等の回転機器を可能とし更に、生産コストを低減し経済性を向上させて、安価で高性能を有する回転機器を供給する事が出来る技術である。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直溝型磁極片の切り欠け斜視図とその断面図である。
【図2】本発明のクローポール型直溝磁極片の切り欠け斜視図とその側面図である。
【図3】本発明の斜溝型磁極片の切り欠け斜視図とその断面図である。
【図4】本発明のクローポール型斜溝磁極片の切り欠け斜視図とその側面図である。
【図5】本発明のクローポール型直溝磁極片の鉄心斜視図とその側面図である。
【図6】本発明の斜溝型磁極片の鉄心斜視図とその断面図である。
【図7】本発明の磁極片による磁力線の変化とコキングトルク減少を説明した図である。
【図8】本発明の6極磁極片の実施例を示した図である。
【図9】本発明の6極磁極片の実施例を示した図である。
【図10】本発明による、10極クローポール型直溝磁極片のステータ鉄心の実施例を示した図である。
【図11】本発明による、10極クローポール型斜溝磁極片のステータ鉄心の実施例を示した図である。
【図12】本発明による、10極クローポール型直溝磁極片のステータ鉄心(インナーローター)の実施例を示した図である。
【図13】本発明による、6極3相直溝型磁極片のステータ鉄心(インナーローター)の実施例を示した図である。
【図14】本発明による、10極3相クローポール型直溝磁極片のステータ鉄心(インナーローター)の実施例を示した図である。
【図15】本発明による、6極3相直溝型磁極片のローター鉄心の実施例を示した図である。
【符号の説明】
1 鉄心
2a スリット
2b スリット
3a 磁極片
3b 磁極片
4 巻き線
5 磁石
6 リード線
7 3相リード線
8 電極
9 ローターシャフト
10 磁力線
Claims (2)
- 磁極片を2極以上有する電動機及び発電機の鉄心に於いて、その磁極片の中心線に対して左右非対称となる異なる深さの2本以上のスリット2aを設けて磁極面を分割した磁極片3aを有する鉄心1。
- 請求項1の電動機及び発電機の鉄心1に於いて、その磁極片総数の1/2を磁極片3aとし、残りの1/2をそれとは対称形状のスリット2bからなる磁極片3bとしそれぞれ配置し設けた鉄心1。
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