JP5084147B2 - 油性ボールペン用インク組成物およびそれを用いた油性ボールペンリフィール - Google Patents

油性ボールペン用インク組成物およびそれを用いた油性ボールペンリフィール Download PDF

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Description

本発明は油性ボールペン用インク組成物および油性ボールペンリフィールに関する。
インク中にある高比重粒子の沈降を抑制したり、静置時の顔料沈降を抑制するために、インクにチキソトロピック性を付与することがよく行われる。また、使用時のペン先からのインク漏れ出しを抑制して、筆記時には軽い書き味を実現するためにも、インクにチキソトロピック性を付与することが行われる。
インクにチキソトロピック性を付与する手段として、種々の有機化合物または無機化合物を用いることが行われている。有機化合物としては、従来、金属石鹸、水添ひまし油、脂肪酸アミド類、ジベンジリデンソルビトール等が用いられており、無機化合物としては、シリカ、ベントナイト類等が使用されてきた。
特開平7−196972号公報には、インク中で網目構造粘性を形成できる粘性調節剤として、脂肪酸アミドワックス、水素添加ヒマシ油等が記載されている。
特開平9−302298号公報には、融解温度が140℃以上の脂肪酸アマイドワックスを添加して、高温(50℃)保存後において筆記してもインクの追従がよく、軽い書き味が得られ、また、インク垂れ下がりも生じない油性ボールペン用インクが記載されている。
油性ボールペン用インク組成物は長期の保存安定性が求められており、また、高温環境下にも放置される場合があることから、これらの高温環境下においても安定なインクが求められている。水素添加ヒマシ油は30〜50℃の温度の溶剤中で溶解や析出してしまうことが分かっている。上述の特開平9−302298号公報には融解温度が140℃以上の脂肪酸アマイドワックスを用いた高温保存後の安定性が良好であるとされる油性ボールペンインクが開示されている。しかし、本発明者がここに開示されている融解温度が140℃以上のアマイドワックスを使用してインクを試作し、油性ボールペンリフィールに充填して評価を行ったところ、周囲温度50℃における保存安定性は有するものの、70℃の温度条件下においてはアマイドワックスが溶解してしまい、常温に戻すと再結晶化して、アマイドが析出して減粘したり、あるいは増粘してしまい、いずれにしても筆記することができなかった。この温度70℃条件下とは、真夏に屋外に駐車した場合の車中で想定される温度である。
融解温度が160℃以上のアマイドワックスには、周囲温度70℃においても溶解しないものも存在するが、それらはインクにチキソトロピック性を十分に付与することができなかった。一般的に、アマイドワックスがインクにチキソトロピック性を付与する原理は、分子間でアミド基同士が水素結合により会合するためであると考えられている。融点が140℃付近にあり、チキソトロピック性を付与するとして良好なアマイドワックスとして、例えば、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド(商品名スリパックスH、日本化成(株)製)、ヘキサメチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド(商品名スリパックスZHH、日本化成(株)製)等がある。これらはいずれも、分子内にOH基を有し、且つ水素結合により会合する化合物である。融点が高いアマイドワックス、特に、特開平9−302298号公報に開示されているアマイドワックスでは、融点が高くなるほどアミド結合以外の分子鎖は短くなり、且つOH基を有しない構造をとっている。このような化合物はチキソトロピック性を付与しなかった。アマイドワックスでは、70℃の温度条件下で溶解せず、かつ良好なチキソトロピック性を付与する物質は見つかっていない。
特開2003−226826号公報には、インク中の顔料が沈降するのを防止するために、分子内にウレタン結合およびアミド結合を少なくとも有するウレタン化合物を添加することが開示されている。しかし、この公報には、ウレタン化合物の具体的な構造は開示されていない。発明の詳細な説明中に開示されているウレタン化合物(ビックケミー社のBYK410、BYK411)を実際にボールペンインクに使用したところ、インクに全くチキソトロピック性が付与されなかったり、あるいはインクが流動性を失う等、ボールペンインクに望ましい物性が付与されなかった。また長期保存後は部分凝集し、保存安定性を有するインクが得られなかった。
特開平8−192594号公報 特開平7−196972号公報 特開平9−302298号公報 特開2003−226826号公報
上述したような過酷な高温度条件下でも安定な油性インク組成物が依然として求められている。本発明は周囲温度が70℃等の高温においても安定な油性ボールペン用インク組成物を提供するものである。
本発明者は前記課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、着色剤、添加剤、および有機溶剤を含んでなる油性ボールペン用インク組成物において、ビスウレア化合物をインク中に添加することにより、課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも、着色剤および有機溶剤を含んでなる油性ボールペン用インク組成物であって、前記インク組成物がさらにビスウレア化合物を含むことを特徴とする油性ボールペン用インク組成物である。
(2)前記ビスウレア化合物が、化学式(I):
1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 (I)
(上式中、R1、R3は炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基であり、R2はアルキレン基もしくはフェニレン基、またはアルキレン基およびフェニレン基を含む2価の連結基である)
で表される構造を有する化合物であることを特徴とする(1)記載の油性ボールペン用インク組成物である。
(3)前記化学式(I)のR1およびR3が、ステアリル基であることを特徴とする(2)記載の油性ボールペン用インク組成物である。
(4)主溶剤としての前記有機溶剤が25℃における蒸気圧1mmHg以下の蒸気圧を有するアルコール、グリコールエーテル系溶剤であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の油性ボールペン用インク組成物である。
(5)インク組成物の25℃における剪断速度38秒-1における粘度に対する剪断速度3.8秒-1における粘度の比(3.8秒-1/38秒-1)が1.2〜4であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載の油性ボールペン用インク組成物である。
(6)インク組成物の25℃、剪断速度380秒-1における粘度が、100mPa・s〜1000mPa・sであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一つに記載の油性ボールペン用インク組成物である。
(7)ビスウレア化合物の添加量がインク組成物全質量に対し、0.1〜5質量%であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の油性ボールペン用インク組成物。
(8)前記(l)〜(7)のいずれか一つに記載のインク組成物を充填したリフィール後端にインク追従体を搭載した油性ボールペンリフィールである。
(9)インク組成物の25℃、剪断速度380秒-1における粘度が100〜5000mPa・sであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の加圧油性ボールペン用インク組成物。
(10)ビスウレア化合物の添加量がインク組成物全質量に対し、0.1〜10質量%であることを特徴とする前記(1)〜(3)又は(9)のいずれか一つに記載の加圧油性ボールペン用インク組成物。
(11)前記(1)〜(7)、(9)、及び(10)のいずれか一つに記載の油性ボールペン用インク組成物を搭載したボールペン。
本発明の油性ボールペン用インク組成物は70℃等の高温に曝された後においても安定性を有する。また、本発明の油性ボールペン用インク組成物は、リフィール内においてインクの追従性に優れ、静置時の顔料沈降を抑制し、インクのペン先からの漏れ出しを抑制し、筆記時には軽い書き味を実現することができる。
本発明の油性ボールペン用インク組成物は、チキソトロピック性付与剤として、ビスウレア化合物を含む。チキソトロピック性とは、揺変性ともいい、インク組成物中に連続的な網目構造を形成することにより、剪断破壊時は一旦流動するが、再び構造を回復し、見掛けの粘度を上昇する性質を言う。ボールペン用インクが高温保存される時にこの網目構造が破壊されずに安定に存在していることが必要である。
本発明に係る「ビスウレア化合物」とは、分子中に尿素結合を二つ有している化合物である。二つ尿素結合以外に、分子内に二重結合、三重結合、水酸基、アミド結合、ウレタン、エーテル結合、エステル結合を有しているものも本発明に係るビスウレア化合物である。
インク組成物中の有機溶剤(インク組成物全質量に対して10質量%以上存在する溶剤)100gに対する溶解度が25℃において1g以下であればいずれのビスウレア化合物も用いることができるが、分子量が1000以下のものが好ましい。
本発明に用いることができるビスウレア化合物は、好ましくは構造式(I)を有するビスウレア化合物である。
1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 (I)
(上式中、R1、R3は炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基であり、R2はアルキレン基もしくはフェニレン基、またはアルキレン基およびフェニレン基を含む2価の連結基である)
好ましくは、R1、R3は、カプリル基、カプラン基、ラウリル基、ステアリル基、オレイル基である。さらに好ましくは、式(I)のR1、R3は、ステアリル基である。
具体的なビスウレア化合物は、例えば次の構造式を有するものである:
キシリレンビスステアリル尿素:(C1837NHCONHCH2)2(m−C64
トルイレンビスステアリル尿素:(C1837NHCONH)2〔C63(CH3)〕
ヘキサメチレンビスカプリル尿素:(C817NHCONH)2(CH26
ヘキサメチレンビスステアリル尿素:(C1837NHCONH)2(CH26
ジフェニルメタンビスステアリル尿素:(C1837NHCONHC64)2(CH2
本発明のインク組成物に用いるビスウレア化合物はイソシアネートとアミンとを反応させることにより合成されるが、分子量分布を有しない単一分子量のビスウレア化合物が好適である。製造時の反応条件等により、トリウレア化合物、テトラウレア化合物が混在するビスウレア化合物を使用すると、これらの不純物がインク組成物に悪影響をおよぼし好ましくない。一般的には、ビスウレア化合物中、単一性成分としてビスウレア化合物95%以上のものが好適に用いられる。チキソトロピック剤として構造が異なる本発明に係るビスウレア化合物を2種類以上用いても良い。
本発明に用いるビスウレア化合物は、粉体状のものは溶剤に添加して加圧ニーダー等で加温しながら剪断を加えて膨潤させることにより調製することができる。また、ビスウレア化合物(粉体状あるいは固体状)を一旦溶剤中で加熱溶解し、その後冷却して再析出させた後、3本ロール等で分散処理することにより、調製することができる。
本発明のビスウレア化合物の融点は160℃以上であることが好ましい。融点が160℃以下であると、インク組成物を高温下で保存した場合にビスウレア化合物が溶解する場合があり、インク組成物の高温安定性を維持できない場合がある。
前述したように、本発明に係るビスウレア化合物は、単独または複数混合して使用することができる。また、本発明に係るビスウレア化合物を、公知の他のチキソトロピック剤、例えば、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレン等の有機系材料、シリカ、ベントナイト等の無機系材料と併用することもできる。
本発明のビスウレア化合物のインク組成物への添加量は、インク組成物全質量に対して、0.l質量%以上添加して使用することが好ましい。添加量が0.1質量%未満であると、インク中で十分な網目構造を維持することができず、目的とする効果を発揮することできない。添加量の上限は特にないが、多量に添加するとインクが流動性を失い、油性ボールペンの性能上不具合が発生する場合がある。例えば、加圧しないタイプの油性ボールペンインクに使用する場合は、添加量は好ましくは5質量%以下である。加圧するタイプの油性ボールペンインクに使用する場合は、添加量の上限は概ね10質量%以下である。加圧するタイプのボールペンとは、インクの自重によってではなく、圧力によってインクがペン先に供給されるボールペンを指し、通常の油性ボールペンと比較して、インクが潤沢に供給される。このため、インク流動性に乏しいインクも筆記性能が維持される。
本発明のインク組成物に用いるビスウレア化合物は類似構造のアミド化合物と比較して融点が高い傾向があり、また溶剤に対する溶解性が低い傾向がある。このことも、高温における安定性に寄与する一因と思われる。
本発明では、油性インク組成物に従来用いられている種々の有機溶剤を用いることができる。例えば、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールアセテート系溶剤、およびケトン系溶剤を用いることができる。
グリコール系溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等を挙げることができる。
グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエ一テル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、N−メチル2−ピロリドンロジンアルコール等が挙げられる。
グリコールアセテート系溶剤としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等を挙げることができる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。これらの有機溶剤の中で安全性の観点から、アルコール類、グリコール類、およびグリコールエーテル類等の極性溶剤が好ましい。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用することができる。
本発明においては、使用する有機溶剤を、ビスウレア化合物の当該溶剤に対する溶解度が、25℃で、100g当たり1g以下となるように選択することが好ましい。有機溶剤に対する溶解度が高過ぎると、チキソトロピック性が十分に付与されないからである。本発明に係るビスウレア化合物の溶解性は、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤等のほとんどの有機溶剤系に対し溶解性が低い。ビスウレア化合物の溶剤へ溶解性の評価に関しては、インク組成物全質量に対し、10%以上含まれる有機溶剤が対象となる。インク組成物中の有機溶剤(混合溶剤を含む)100g中に本発明に係るビスウレア化合物を1g添加し、25℃で十分に撹拌した後、当該溶液が未溶解物を有さず、溶液が透明であるかどうかを確認することによって判断することができる。
更に、本発明のインク組成物の有機溶剤において、主溶剤となるべき溶剤は、25℃で、1mmHg以下の蒸気圧を有する、アルコール系溶剤またはグリコールエーテル系溶剤から選択されることが好ましい。本明細書中で「主溶剤」とは、インク組成物全質量に対して20質量部以上含まれる溶剤をいう。油性ボールペンインクは、一般に長期の保存安定性が要求されるが、蒸気圧の高い溶剤では、溶剤が揮発することにより、粘度上昇等が発生して筆記に悪影響を与えるためである。特に好ましい溶剤としては、具体的には、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
着色剤としては、染料、顔料、または染料と顔料との混合物等、従来のインクに用いることができる各種着色剤を使用することができる。
本発明で使用することができる染料としては、市販の染料および例えば、カラーインデックスにおいてソルベント染料として分類される有機溶剤可溶性染料が挙げられる。前記ソルベント染料の具体例としては、バリファーストブラック3806(C.I.ソルベントブラック29)、同3807(C.I.ソルベントブラック29の染料のトリメチルベンジルアンモニウム塩)、スピリットブラックSB(C.I.ソルベントブラック5)、スピロンブラックGMH(C.I.ソルベントブラック43)、バリファーストレッド1308(C.I.ベーシックレッド1の染料とC.I.アシッドイエロー23の染料との造塩体)、バリファーストイエローAUM(C.I.ベーシックイエロー2の染料とC.I.アシッドイエロー42との染料の造塩体)、スピロンイエローC2GH(C.I.ベーシックイエロー2の染料の有機酸塩)、スピロンバイオレットCRH(C.I.ソルベントバイオレット81)、バリファーストバイオレット1701(C.I.ベーシックバイオレット1とC.I.アシッドイエロー42との染料の造塩体)、スピロンレッドCGH(C.I.ベーシックレッド1の染料の有機酸塩)、スピロンピンクBH(C.I.ソルベントレッド82)、ニグロシンベースEX(C.I.ソルベントブラック7)、オイルブルー603(C.I.ソルベントブルー5)、ネオザポンブルー808(C.I.ソルベントブルー70)等が挙げられる。
本発明で使用することができる顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン顔料等の無機顔科、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、アルミナシリケート等の体質顔科、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン顔料、キナクドリン顔料、イソインドリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、各種レーキ顔料等の有機顔料、蛍光顔料、パール顔料、金色、銀色等のメタリック顔料等あげられる。また黒色顔料兼潤滑剤として、黒鉛(グラファイト)も使用でき、人造黒鉛および天然黒鉛を使用することができ、鱗片上黒鉛、塊状黒鉛,土状黒鉛と各種の性状と大きさのものが使用できる。
本発明で使用する着色剤は、上記した染料、顔料を単独で使用することができ、あるいは上記した染料、顔料を混合して使用することもできる。着色剤の量は、本発明のインク組成物の全量に対して、1〜60質量%、好ましくは5〜50質量%となることができる。
本発明のインク組成物では各種樹脂を使用してもよい。これらの樹脂は、インクの定着性向上、筆跡の裏写り防止の他、顔料等の分散剤としての機能や粘度調整、染料の溶解促進の為に添加するものである。樹脂としては、従来、油性ボールペン用インクに用いられているいずれの樹脂も用いることができる。例えば、トルエンスルホンアミド・エポキシレジン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂およびそれらに水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸またはそのエステルとの共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、重合脂肪酸とポリアミン類との縮合体であるポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、テルペン樹脂類、テルペン−フェノール樹脂類、キシレン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンやフェノール樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で使用することができあるいは混合して使用することができる。樹脂の量は、その使用目的よって異なるが、一般的には本発明のインク組成物の全量に対して、0〜60質量%、好ましくは0〜50質量%となることができる。
上述した成分に加えて、更に、本発明では必要に応じて、インクに悪影響を及ぼさず相溶することができる種々の添加剤、例えば、分散剤、防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤および湿潤剤等を配合することができる。使用する添加剤は本発明のインク組成物を用いる筆記具の態様に応じて種々変わることができる。例えば、高級脂肪酸、金属石鹸、およびリン酸エステル等の潤滑剤、並びに長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤等を添加することができる。
本発明の油性ボールペン用インク組成物は、描線ににじみが少なく、且つ軽い書き味を実現するいわゆるゲルインクボールペン用インク組成物として好適に用いることができる。この場合、インク組成物の25℃における、剪断速度38秒-1での粘度に対する剪断速度3.8秒-1における粘度の比(3.8秒-1/38秒-1)が1.2〜4であることが好ましい。粘度比が1.2より小さいと、ペン先からインクのボタ落ちが顕著となったり、顔料等を添加している場合には、顔料が沈降してしまう。粘度比が4を超えると、インク追従性が悪く、筆記に悪影響を及ぼし好ましくない。
さらに、本発明の油性ボールペン用インク組成物は低粘度で、軽く滑らかな筆感を付与する油性ボールペンに好適に用いられるものであり、25℃、剪断速度380秒-1における粘度が、100mPa・s〜1000mPa・sであることが好ましい。剪断速度380秒-1における粘度は、筆記時にボールが高速回転して得られる物性に近い数値であり、この粘度が100mPa・sより小さいと、インク粘度が低いためにボールペンの受け座に損傷を与えたり、筆記時にガリつき感でたり、あるいはインクにじみを抑制することができない等、好ましくない現象が発生する。これに対し、粘度が1000mPa・sを超えると、軽い筆感が失われるため、好ましくない。
また、本発明の油性ボールペン用インク組成物を加圧ボールペンに使用する場合は、25℃、380秒-1における粘度は100〜5000mPa・sであることが好ましい。これは、加圧ボールペンはインクがペン先に潤沢に供給されるため、通常の油性ボールペンよりインク粘度が高い場合においても軽い筆感が維持されるためであるが、粘度が5000mPa・s以上になると、筆感が重くなり好ましくない。
本発明の油性ボールペン用インク組成物は、インクがペン先から漏れ出すのを防止するために、顔料等の添加剤を加えることができるが、特に、微粒子シリカの凝集体が好適に用いられる。微粒子シリカの凝集体を用いる理由としては、シリカ凝集体は同一粒径を有する単一粒子と比較して、その構造が崩れ易い。このため、ペン先での目詰まりが発生しにくいため、ペン先からのインク漏れ出しを防止する最適粒径の凝集体をインク組成物に添加することができるからである。微粒子シリカ凝集体の大きさは、概ね1μm〜10μmのものが好適に用いられる。1μm未満では、目的とする効果が期待できず、10μmを超えると、ペン先で目詰まりが、発生し、筆記性に悪影響を及ぼす。
本発明のインク組成物に用いる微粒子シリカ凝集体の添加量は、インク組成物の全質量に対して0.1質量%〜3質量%の範囲となるのが好ましい。添加量が0.1質量%未満であると、少なすぎて所定の効果が発揮できない。添加量が、3%を超えると、筆記性に悪影響を及ぼす。微粒子シリカ凝集体は3本ロールミル等の分散機で分散体を調製する際に剪断力を適当に調整することにより得られる。
本発明の油性ボールペン用インク組成物を充填したインクリフィールには、後端にインク追従体を充填することがこのましい。インク追従体を充填することにより、インク追従性の向上、残量視認性、溶剤の揮発防止等の効果が期待できる。インク追従体はインク組成物と相溶しない成分で構成されていることが好ましく、インク溶剤にアルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤を用いる場合には、例えば、高粘性シリコーンオイル、炭化水素系オイル等を用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げ本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下の例で用いる配合量の部は質量部である。
チキソトロピック剤の調製
ビスウレア化合物は、有機溶剤および樹脂と共に約120〜140℃の高温で撹拌溶解し、その後冷却したものを3本ロールで分散させて調製したものを使用した。
比較例1および2の脂肪酸アマイドワックスも同様の方法で調製した。比較例のウレアウレタン化合物であるBYK410に関しては、撹拌機でBYK410以外の材料を撹拌溶解させ、さらに撹拌しながら少しずつBYK410を滴下して調製した。
インク組成物の調製
BYK410を用いる例以外は、インク組成物に関しては、着色剤が顔料である場合は、溶剤および樹脂と共に、ビーズミル、3本ロール等で溶解させた後、チキソトロピック剤の分散体を添加した後、さらに撹拌して最終的なインク組成物を得た。
以下の表Iに各インク組成物(実施例、比較例)の成分を表す。
評価
上記のように調整した各インク組成物をガラス瓶に密閉し、50℃及び70℃の温度条件に各1ヶ月間放置した試料を常温に戻した後粘度測定して、初期との物性を比較評価した。
物性の測定は、レオメーターMCR−300(physica社製)で測定を行った。測定には、コーンプレート(直径:25mm、角度:2°)を用いて、25℃における定常流測定を行い、粘度及び粘度値の比を算出した。インク状態は目視で観察した。
ペン体評価に関しては、実施例2を除き、三菱鉛筆(株)製油性ボールペンリフィールSE−7にインク充填し、後端部にインク追従体を充填した。実施例2については、三菱鉛筆(株)製加圧ボールペンリフィールSNP−7にインク充填し、内圧を3000hPaに設定して作製した。
その後、筆記試験機を使用して、4.5m/分の筆記速度で筆記して、インクの追従性を確認し、優(◎)、良(○)、不可(×)で等級分けした。機械筆記後の描線状態については、油性ボールペン用JIS規格 S−6039の筆記試験方法(6.3.1)に従って筆記試験を行った後、300m付近の描線を目視観察した。初期と変わらぬものは◎とし、書けないものを×とした。その中間については、段階的に良いものから○、△と評価した。
Figure 0005084147

Claims (11)

  1. 少なくとも、着色剤および有機溶剤を含んでなる油性ボールペン用インク組成物であって、前記インク組成物がさらにビスウレア化合物を含み、
    前記ビスウレア化合物が、化学式(I):
    1 −NHCONH−R 2 −NHCONH−R 3 (I)
    (上式中、R 1 、R 3 は炭素数8以上のアルキル基またはアルケニル基であり、R 2 はアルキレン基もしくはフェニレン基、またはアルキレン基およびフェニレン基を含む2価の連結基である)
    で表される構造を有する化合物であり、
    主溶剤としての前記有機溶剤が25℃における蒸気圧1mmHg以下の蒸気圧を有するアルコール、グリコールエーテル系溶剤である
    ことを特徴とする油性ボールペン用インク組成物。
  2. 前記化学式(I)のR 1 およびR 3 が、ステアリル基であることを特徴とする請求項1記載の油性ボールペン用インク組成物。
  3. 前記ビスウレア化合物が、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスカプリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素から選ばれることを特徴とする請求項2記載の油性ボールペン用インク組成物。
  4. 前記有機溶剤が、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の油性ボールペン用インク組成物。
  5. インク組成物の25℃における剪断速度38秒-1における粘度に対する剪断速度3.8秒-1における粘度の比が1.2〜4であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の油性ボールペン用インク組成物。
  6. インク組成物の25℃、剪断速度380秒-1における粘度が、100mPa・s〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の油性ボールペン用インク組成物。
  7. ビスウレア化合物の添加量がインク組成物全質量に対し、0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の油性ボールペン用インク組成物。
  8. 請求項l〜7のいずれか一項記載のインク組成物を充填したリフィール後端にインク追従体を搭載した油性ボールペンリフィール。
  9. インク組成物の25℃、剪断速度380秒-1における粘度が100〜5000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の加圧油性ボールペン用インク組成物。
  10. ビスウレア化合物の添加量がインク組成物全質量に対し、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3または9のいずれか一項記載の加圧油性ボールペン用インク組成物。
  11. 請求項1〜7、9、および10のいずれか一項記載の油性ボールペン用インク組成物を搭載したボールペン。
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